JP2004229603A - 生食用こんにゃく製品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、おせち料理や精進料理に好適な金箔や菜の花、わらび、ふきのとう、ふき、しその葉、柚子、川竹、きくらげ、えのき茸等副資材のうち1種以上を混入し分散させた生食用こんにゃく製品の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の生食用こんにゃく製品は、水100wt部に対し、こんにゃく精粉2.5wt部〜3.8wt部と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物0.46wt部〜0.77wt部と、金箔や、菜の花,わらび,ふきのとう,ふき,しその葉,柚子,山くらげ,たけのこ,川竹,ごぼう等の野菜類、えのき茸,まいたけ,まつたけ,きくらげ等のきのこ類、わかめ等の海藻類等の副資材のうち1種以上が混和・分散され、75℃〜130℃の温水で加熱処理して得られた構成を有している。
【選択図】 なし
【解決手段】本発明の生食用こんにゃく製品は、水100wt部に対し、こんにゃく精粉2.5wt部〜3.8wt部と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物0.46wt部〜0.77wt部と、金箔や、菜の花,わらび,ふきのとう,ふき,しその葉,柚子,山くらげ,たけのこ,川竹,ごぼう等の野菜類、えのき茸,まいたけ,まつたけ,きくらげ等のきのこ類、わかめ等の海藻類等の副資材のうち1種以上が混和・分散され、75℃〜130℃の温水で加熱処理して得られた構成を有している。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金箔や菜の花、わらび、ふきのとう、ふき、しその葉、柚子、川竹、きくらげ、えのき茸等のうち1種以上が分散された生食用こんにゃく製品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
こんにゃくはコンニャクマンナンの特性(水による膨潤、アルカリによる凝固と加熱による凝固促進)を利用したこんにゃく芋または精粉(せいこ)を原料とした加工食品で、製造工程は目的に応じた割合の水を原料に加え、よく練ってから水酸化カルシウムを加え、混合して整形箱に入れて固め、熱湯であく抜きを行う。しかしながらそのような方法で作製されたこんにゃくはアク(灰汁)成分が多くまたアク臭も強いため、水に長時間浸したり洗浄したりする必要があったり、味付け、色付けが難しいという欠点があった。また、液状或いはペースト状態のこんにゃく素材に他の固形食材を小片又は細粒化して混入した場合、それだけでは固形化する際にゲル化力が弱くなって型崩れを生じ、こんにゃく食品として製品化し難い等の理由から、こんにゃく素材中への具材混入や調味は行わないで、専らこんにゃくそのままで生産され、食用されていた。
近年、食材の多様化が進み、板こんにゃく、突きこんにゃく、玉こんにゃく、しらたき等だけではなく、青海苔を混入したものや、豆乳を混入したものが市販されている。
また、仕出し屋などではおせち料理や精進料理に多種多様な料理を創意工夫して付加価値を付けて販売するようになってきている。特に食材が限られる精進料理ではこんにゃく料理が重宝されている。しかしながら、こんにゃくは製造時にアク抜きに多大の水と時間を要し、また、石灰乳や炭酸カルシウムをゲル化剤として用いたものは硬くなり、石灰臭が残るという課題があった。そこで、これらの問題点を解決するため種々検討がなされている。
例えば、特許文献1には、こんにゃく粉100部に対し、炭酸ナトリウムを5〜10部の範囲で配合したこんにゃく材料を、任意の容器内で適当なる量の水で溶き、凝固後、容器のまま或いは容器から押出後適当時間煮沸するこんにゃくの簡易製造方法が開示されている。
特許文献2には、グルコマンナンと、グルコマンナンのアセチル基含量に対し、1.0〜1.5当量の水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムとを乾燥した粉末状態において均一に混合してなる低カロリー食品製造用グルコマンナンが開示されている。
特許文献3には、消石灰と炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムを重量比で6:4乃至7:3程度の割合で混合して凝固剤となし、こんにゃく粉と寒天等の海藻抽出物を重量比で10:1乃至20:1程度の割合で混合してこんにゃく原料と成し、該こんにゃく原料に対して重量比で45乃至50程度の水と、この水の0.3%程度の重量の凝固剤を加えて混合し、これを醤油、砂糖、ゆで小豆、コーヒー等によって適宜味付けし、この味付けしたものを放置してゲル化させたものを75℃前後の温度で加熱凝固させた味付きこんにゃくの製造方法が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭58−51866号公報
【特許文献2】
特開平9−172985号公報
【特許文献3】
特公平3−35904号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の技術によれば、いずれもこんにゃくの中に金箔や菜の花、しその葉、柚子、川竹、きくらげ、えのき茸等副資材の1種以上を混入した生食用こんにゃく製品の記載はなく、また、生食用には不向きで、上記従来の生食用こんにゃく製品及びその製造方法は、以下のような課題を有していた。
(1)特許文献1は、こんにゃく粉100部に対し、炭酸ナトリウムを5〜10部の範囲で配合したこんにゃく材料を使用する旨記載されているが、この割合で配合したこんにゃく糊に菜の花やえのき茸等を混入するとゲル化力が弱過ぎるという問題点を有していた。
(2)特許文献2に開示された低カロリー食品製造用グルコマンナンをこんにゃく材料として使用すると、ゲル化力が弱く型崩れしてしまい副資材の部分で割れたりして見栄えが悪く商品価値が低い上、食味や風味、食感に欠けるという問題点があった。
(3)特許文献3は、こんにゃく原料に対して重量比で45乃至50程度の水と、この水の0.3%程度の重量の凝固剤を加えて混合し、これを醤油、砂糖、ゆで小豆、コーヒー等によって適宜味付けし、この味付けしたものを放置してゲル化させたものを75℃前後の温度で加熱凝固させた味付きこんにゃくの製造方法が開示されているが、これに菜の花やえのき茸等を混入するとゲル化力が弱く型崩れしてしまい、見栄えが悪くなり、また、混入されている寒天は熱により溶解するのでゲルが安定せず商品価値が低いという問題点を有していた。
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、おせち料理や精進料理に好適な金箔や菜の花、わらび、ふきのとう、ふき、しその葉、柚子、川竹、きくらげ、えのき茸等副資材のうち1種以上を混入し分散させた生食用こんにゃく製品を提供すること、及びそれら副資材とこんにゃく材料との結合を強固にし、食味や風味、食感に優れるとともに豪華さや季節感にあふれ栄養価に富んだ生食用こんにゃく製品の製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の生食用こんにゃく製品は、以下の構成を有している。
請求項1に記載の生食用こんにゃく製品は、水100wt部に対し、こんにゃく精粉2.5wt部〜3.8wt部と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物0.46wt部〜0.77wt部と、金箔や、菜の花,わらび,ふきのとう,ふき,しその葉,柚子,山くらげ,たけのこ,川竹,ごぼう等の野菜類、えのき茸,まいたけ,まつたけ,きくらげ等のきのこ類、わかめ等の海藻類等の副資材のうち1種以上が混和・分散され、75℃〜130℃の温水で加熱処理して得られた構成を有している。
この構成により、以下の作用を有する。
(1)凝固剤にアルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物を用いているので、薬品臭が無く、水酸化カルシウムを用いた場合のように再度の煮沸を要せず、表面内部共に均一化された、滑らかで、しかも色具合もよく生食に最適の生食用こんにゃく製品を製造することができる。
(2)こんにゃく中に、菜の花やえのき茸やたけのこが混入されているので、見栄えを良くすることが出来る上、栄養価を高くすることができる。また、菜の花やわらび、ふきのとう、川竹等を混入することにより、季節感を付与することが出来、付加価値を付けることが出来る。
(3)こんにゃく中にしその葉、柚子が混入されているので、香味や風味、食味を向上させることが出来る。
(4)こんにゃく中に金粉が混入されているので、見栄えを良くすることが出来る上、お節料理や精進料理に有用な生食用こんにゃく製品として付加価値を付けることが出来る。
(5)こんにゃく中にきくらげや山くらげやごぼうやが混入されているので、しゃきしゃきした食べ応えを楽しむことが出来る上、生食用こんにゃく製品に付加価値を付与することが出来る。
(6)こんにゃくの硬さがこんにゃく中に混入されている固形物が識別できる程度の弾力に調整されているので、いろいろな食品の美味しさも味わうことが出来る上、幅広い種類の生食用こんにゃく製品を作製することが出来る。
(7)こんにゃく中に混入する野菜の種類により、緑色、黄色、黒色等、カラフルな生食用こんにゃく製品を作製することが出来、バラエティーに富んだ食品を作製することが出来る。
【0007】
ここで、水100wt部に対し、こんにゃく精粉が2.6wt部〜3.7wt部が用いられる。こんにゃく精粉のこの添加量の範囲で、こんにゃくが透明に近く所定量の副資材が均一に分散し、テクスチャーに優れる。こんにゃく精粉が2.6wt部よりも少なくなるにつれ副資材の分散性は良いが、ゲル強度が弱くなるという傾向が生じ、また、3.7wt部よりも多くなるにつれ、副資材の分散性が悪く硬く、ゴチゴチになり品質を低下させる傾向が見られるので好ましくない。
また、水100wt部に対しアルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物は0.46wt部〜0.77wt部添加される。該添加量の範囲にすることにより、アルカリ臭がなく、副資材と相まって歯ざわりに優れたゲル強度とすることができる。アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物の添加量が0.46wt部よりも少なくなるにつれ、ゲル化せず糊状態になって品質を低下させるという傾向があり、また、該添加量が、0.77wt部を越えるにつれこんにゃくが硬くなるという傾向があるので好ましくない。
水の温度は10℃〜18℃のものが用いられる。10℃よりも低いとゲル化が遅く、18℃を越えるにつれゲル化が早まり副資材の均一分散ができず塊になるので好ましくない。
副資材は室温状態のものが用いられる。副資材の温度が低いとゲル化が遅く作業性が低下し、また、温度が高いと副資材の周りでゲル化が早く進み、ゲル状態が不均一になり、また、副資材の均一分散がし難く、商品の見栄えを悪くする傾向がある。
加熱処理の温度は75℃〜130℃好ましくは80℃〜105℃が用いられる。加熱温度を80℃〜105℃とすることにより処理時間を30分〜40分と短く効率良く生産できる。副資材の種類にもよるが加熱処理温度が80℃よりも低くなるにつれゲル化が遅く生産性が悪くなる傾向があり、また、105℃を超えるにつれ硬くなるという傾向があり、特に75℃よりも低いか130℃よりも高いとこれらの傾向があるので好ましくない。
【0008】
請求項2に記載の生食用こんにゃく製品は、請求項1において、前記アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸カリウム、塩基性アミノ酸及び卵殻又は貝殻カルシウムその他の動物性カルシウムを焼成して得たものの少なくとも1種類若しくは2種類以上の混合物である構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸三ナトリウム、リン酸カリウム、塩基性アミノ酸及び卵殻又は貝殻カルシウムその他の動物性カルシウムを焼成して得たものの少なくとも1種類若しくは2種類以上の混合物構成を有しているので、それぞれの凝固剤を単独で又は組み合わせてその特性を加減してそれぞれの副資材に最適な凝固剤として使用することが出来、表面内部共に均一化された、滑らかで、しかも色具合もよく生食に最適の生食用こんにゃく製品を作製することができる。
ここで、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物は、炭酸塩単独又は炭酸塩を主とし水酸化物や塩基性アミノ酸は従として、特に水温が低い場合に用いられる。
【0009】
請求項3に記載の生食用こんにゃく製品は、請求項1又は2において、縦の長さが0.7〜4mm、横の長さが0.7〜4mmでアスペクト比(注:金箔の縦と横の長さの比)が0.17〜5.8の前記金箔が0.0006wt部〜0.002wt部分散されている構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)こんにゃく中に金粉が混入されているので、見栄えを良くすることが出来る上、おせち料理や精進料理に有用な生食用こんにゃく製品として付加価値を付けることが出来る。
(2)金粉が1箇所に固まることなく、きれいに分散して形成されているので、刺身こんにゃく用に薄切りしても1枚1枚に金粉が入り、それをおせち料理の重箱に入れたり精進料理の鉢盛に入れたりすると、上品で見栄えの良い食材となる。
(3)こんにゃく精紛と、アルカリ金属炭酸塩と、金箔とを、所定量ずつ同時に水に加えて混和するので、こんにゃくのゲル化が始まる前に均一に金箔が分散し、次いで、ゲル化が始まるので均一に分散した状態でゲル化し、こんにゃくのゲルがほぼ透明に近い状態となり、分散した金箔の色が映え豪華に見える。
ここで、金箔の縦横(厚みを含まず)の長さが、0.7mmよりも小さくなるにつれ、見え難くなり商品価値が低下するという傾向があり、また、4mmよりも長くなるにつれ金箔同士が絡まり易く、分散性に欠け、見栄えや体裁が悪いという傾向があるので好ましくない。アスペクト比が0.17よりも小さいか5.8よりも大きくなるにつれ金箔が細く線状になり混和時に絡まり分散性に欠けてくる傾向があるので好ましくない。アスペクト比を0.17〜5.8とすることによりこんにゃく全体に略均一に分散するとともに、金箔の陰影により豪華に見えるとともに、食しても歯ざわりに支障をきたさないので好ましい。
金箔の添加量は0.0006〜0.002wt部とすることにより、程好い分散性と見栄えの良さ、口当たりの好さを得ることができる。金箔が0.0006wt部よりも少なくなるにつれ、金箔の分散が貧弱で見栄えが悪くなる傾向があるので好ましくない。
【0010】
請求項4に記載の生食用こんにゃく製品は、請求項1乃至3の内いずれか1において、長さが5cm〜0.5cm好ましくは4cm〜1cmに調整した前記えのき茸,まいたけ,まつたけ,きくらげ等のきのこ類を1〜2wt部好ましくは1.3〜1.8wt部が分散されている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)えのき茸、まいたけ、しいたけ、まつたけ、きくらげ等のきのこ類をこんにゃくの中に混入することにより、栄養価を高めるとともに、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(2)えのき茸やまいたけの白色やしいたけ、きくらげの黒色がこんにゃくの色に浮き上がり見た目の美しい生食用こんにゃく製品ができるので、製品の付加価値を高めることができる。
(3)きくらげのコリコリした食感を楽しむことができ、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(4)高価なまつたけを混入しても、まつたけの風味や香味がこんにゃくの味に消されることがなく、まつたけの食感も楽しむことができるので、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(5)きのこ類は洗浄後水切りしたものが用いられる。きのこ類に付着した水とこんにゃく製造時の水とこんにゃく精粉、アルカリ金属塩の溶液が親和し、これを混和するので、きのこ類がこんにゃくゲルと一体となり、気泡を抱えないでゲル化し見栄えのよい生食用こんにゃく製品とすることができる。
ここで、きのこ類は長さが5cm〜0.5cm好ましくは4cm〜1cmmに調整される。4cmより大きくなるにつれ、えのき茸等のきのこ類が絡まり分散性が悪くなり特に5cmを越えるとその傾向が大きくなる。また、1cmより小さくなるにつれ、きのこ類の外形が崩れ見栄えを悪くする傾向があり、特に0.5cmよりも小さいとその傾向が大きいので好ましくない。
きのこ類の添加量は1〜2wt部好ましくは1.3〜1.8wt部が用いられる。この添加量により分散性が良く、かつテクスチャーに優れた生食用こんにゃく製品を実現できる。きのこ類の添加量が1.3wt部よりも少なくなるにつれきのこの味や風味が識別できないという傾向が見られ、1.8wt部多くなるにつれ、食感が悪くなる傾向があり、1wt部よりも少ないか2wt部よりも多いとこの傾向が大きくなるので好ましくない。
【0011】
請求項5に記載の生食用こんにゃく製品は請求項1又は2において、前記菜の花が、菜の花の先端を5〜6cm切ったものを茹でた後、水切りしたものであって、3.5〜4.5wt部分散されている構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)菜の花等をこんにゃくの中に混入することにより、栄養価を高めるとともに、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(2)菜の花等をこんにゃくの中に混入することにより、季節感を付与することが出来、付加価値を付けることが出来る。
(3)精進料理や懐石料理、おせち料理の食材がバラエティーに富んだものとなり、付加価値を高めることができる。
(4)春野菜の微妙な風味や苦味がこんにゃくの味に消されることがなく、日本料理特有の味が堪能できる
(5)菜の花に付着した水が、こんにゃく溶液と親和し、菜の花のすみずみまでいきわたりゲル化するので、板こんにゃくを作製したとき気泡がなく氷柱花のように菜の花が見え商品価値を高めることができる。
ここで、菜の花の添加量は3.5wt部〜4.5wt部が分散性良く商品価値を高めることができる。3.5wt部よりも少なくなるにつれ、菜の花の味や風味が識別できないという傾向が見られ、また、4.5wt部を越えるにつれ、食感が悪くなる傾向があるので好ましくない。
【0012】
請求項6に記載の生食用こんにゃく製品は、請求項1又は2において、前記柚子が、柚子の皮を線切りにしたものを、1.5〜2.6wt部が分散されている構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)柚子の風味がこんにゃくの味に消されることがなく、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
ここで、柚子皮は、1.5wt部〜2.6wt部を添加することにより、生食用こんにゃく製品が上品な極薄く透明な黄色に着色され、柚子の風味を出すことができる。また、柚子皮をミキサーで擂り潰しザルで漉した液体を混入すると、より鮮やかに着色され、風味も増すので好ましい。
柚子皮が1.5wt部より少なくなるにつれ、また、2.6wt部より多くなるにつれ、柚子の香ばしさがなくなり、また、強すぎたりするので、好ましくない。
【0013】
請求項7に記載の生食用こんにゃく製品の製造方法は、前記水と、前記こんにゃく精粉と、前記アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物と、金箔や、菜の花,わらび,ふきのとう,ふき,しその葉,柚子,山くらげ,たけのこ,川竹,ごぼう等の野菜類、えのき茸,まいたけ,まつたけ,きくらげ,等のきのこ類、わかめ等の海藻類等の副資材のうち1種以上と、を混ぜて溶解、分散させる混合工程と、前記混合工程で作製された粘稠流動物を合成樹脂製等の容器に流し入れる充填工程と、次いで、75℃〜130℃の温水に入れ加熱処理する工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下の作用を有する。
(1)水、こんにゃく精紛、アルカリ金属の炭酸塩や金箔等の副資材を最初から同時に混ぜ、分散させながらゲル化するので、製品に気泡の混入がなく、副資材がこんにゃくと一体になって商品価値を高める。
(2)水100wt部に対し、こんにゃく精紛を2.5wt部〜3.8wt部に配分調整を行っているので、副資材等と混和してもダマ等の生成を防止できる。(3)アルカリ金属の炭酸塩を最初に水やこんにゃく精粉と混ぜるので、ゾル化が均質で短時間に行うことができ、生産性が高い。
(4)攪拌をゲル化の確認をしながら行い適当なゲルになった段階(流動状態を推測できる状態)で終えるので、こんにゃくの下層部に副資材が溜まるのを防止することができる。
(5)あらかじめ適量に調整された水と、こんにゃく精粉と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物と副資材とを混合する工程を備えているので、副資材を混入してもそれぞれ副資材に最適な硬さのこんにゃくを作製することができる。
(6)あらかじめ適量に調整された水と、こんにゃく精粉と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物と副資材とを混合する混合工程を備えているので、薬品臭が無く、水酸化カルシウムを用いた場合のように再度の煮沸工程を要せず、表面内部共に均一化された、滑らかで、しかも色具合もよく生食に最適のこんにゃくを製造することができる。
(7)あらかじめ適量に調整された水と、こんにゃく精紛と、アルカリ金属の炭酸塩とを混合する混合工程を備えているので、熱湯でのあく抜き工程や、水さらし工程を行う必要がない。
ここで、充填工程の後に成形工程で各種の用途に応じて成形(板こんにゃく状、糸こんにゃく状、突きこんにゃく状等)すると商品価値を高めることができる。また、容器としてはトレーや袋等が用いられる。また、水とこんにゃく精粉とアルカリ金属の炭酸塩等と副資材は同時に最初から混ぜると理由は不明であるが、テクスチャーに優れ、プリンプリン感が得られ、歯ごたえのある生こんにゃく製品が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の生食用こんにゃく製品について以下の実施例および比較例により更に詳細に説明する。
(表1)に示す材料を準備した。水は水道水を用いた。金箔は縦の長さが1.5〜3mm、横の長さが1〜3.5mm、アスペクト比が0.2〜2.4のものを用いた。菜の花は花や蕾のついた菜の花の先端を5〜6cmの長さに切り湯煮したものを水切りして準備した。えのき茸は束のまま湯煮し水切りしたもの、きくらげは戻したもの、竹炭は液状物を準備した。
(実施例1)
表1の実施例1に示される配合比率で材料を計量してバケツに同時に入れ、ある程度ねばりが出るまで棍棒で混ぜ、金箔入りこんにゃく生地を作成し、これを合成樹脂製袋に漏斗で入れ合成樹脂製袋の口をヒートシールした後、形を整え、更に80℃〜95℃の温湯に入れ1時間30分加熱し本発明の金箔入り生食用こんにゃく製品を作製した。次いで、合成樹脂製の袋毎冷やした後、開封し生食用こんにゃく製品の柱状物を厚さ5mmにスライスし、10枚/皿に入れ評価負で評価した。
(実施例2〜8)
表1の実施例2〜8に示される配合比率で順次各実施例毎に材料を計量してバケツにとり、ある程度ねばりが出るまで棍棒で混ぜ、こんにゃく生地を作成し、これを合成樹脂製袋に漏斗で入れ合成樹脂製袋の口をヒートシールした後、形を整え、更に80℃〜95℃の温湯に入れ1時間30分加熱し本発明の生食用こんにゃく製品を作製した。次いで、合成樹脂製の袋毎冷やした後、開封し生食用こんにゃく製品の柱状物を厚さ5mmにスライスし、10枚/皿に入れ評価負で評価した。
(実施例9)
(表1)に示される配合比で材料を計量した。まず、水とこんにゃく精粉とアルカリ金属塩をある程度ねばりが出るまで棍棒で混ぜねばりが出たところで金箔を添加し、次いで棍棒で混ぜて金箔入りこんにゃく生地を作製し、次いで実施例1と同様にして試料を得、評価した。
(比較例1,2)
(表1)の比較例1,2の各配合比率で材料を順次計量してバケツにとり、ある程度ねばりが出るまで棍棒で混ぜ、実施例と同様にして試料を作製し、同様に評価を行った。
実施例1乃至9、及び比較例1乃至2で作製した生食用こんにゃく製品を、パネラー10人に各々1切ずつ配り、賞味実験を行った。
評価負は中年の男性2名、若い女性2名、中年の女性3名、老年の女性3名を選び、次の基準で評価した。
(a)風味
(b)プリプリ感
(c)テクスチャー
(d)歯あたり
その結果を5点法で採点してもらい、平均値を(表1)に記載した。
【0015】
【表1】
【0016】
実施例1で作製された本発明の金箔入り生食用こんにゃく製品は、おせち料理や精進料理や懐石料理での使用に適し、こんにゃくの付加価値を著しく高くすることができる。
また、実施例1,2,3,8で作製された本発明の金箔、青海苔及び竹炭入り生食用こんにゃく製品は、凝固剤に適量に調整されたアルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物を使用しているので、従来のこんにゃくに比べ、香味や風味や食味、色合い、テクスチャー、歯ごたえが非常に良いことがわかった。
更に、実施例4,5,6,7で作製された本発明の菜の花、川竹、きくらげ、えのき茸入り生食用こんにゃく製品は、それら副資材とこんにゃくとが密接に結合しさらに副資材が識別できる硬さにこんにゃくの硬さが調節されているので、今までにない全く新規な製品が実現できることが確認できた。また、熱湯でのあく抜きや、水さらしを行わないので、菜の花等野菜の新鮮さみずみずしさを損わないことがわかった
実施例9では透明感は実施例1に比べると劣るが、比較例1,2に比べると良かった。但し、硬い感じがし歯ごたえが少し悪かった。また、金箔の分散性に少し欠けるきらいがあった。このことから、水とこんにゃく精紛とアルカリ金属塩とを混ぜ、ねばりが出てから副資材を混入するのは副資材の分散性やテクスチャーが他の実施例に比べ少し劣ることがわかった。更に、水とこんにゃく精紛と副資材を混ぜて分散させ、次いで、アルカリ金属塩をねばりが出だす(棍棒に抵抗を感ずる)前に添加してもよいことがわかった。
比較例1,2では、石灰臭が強く、また、ガチガチで硬い感じがして、歯あたりが悪かった。また、白濁し透明感に欠け、板こんにゃく状態では表面の金箔しか見えず見栄えが悪かった。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本発明の生食用こんにゃく製品及びその製造方法によれば、以下の優れた効果を実現することができる。
請求項1に記載の生食用こんにゃく製品によれば、
(1)凝固剤にアルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物を用いているので、薬品臭が無く、表面内部共に均一化され、滑らかで、しかも色具合もよく生食に最適の生食用こんにゃく製品を実現することができる。
(2)こんにゃく中に、菜の花やえのき茸やたけのこが混入されているので、見栄えを良くすることが出来る上、栄養価を高くすることができる。また、菜の花やわらび、ふきのとう、川竹等を混入することにより、季節感を付与することが出来、付加価値を付けることが出来る。
(3)こんにゃく中にしその葉、柚子が混入されているので、香味や風味、食味を向上させることが出来る。
(4)こんにゃく中に金粉が混入されているので、見栄えを良くすることが出来る上、お節料理や精進料理に有用な生食用こんにゃく製品として付加価値を付けることが出来る。
(5)こんにゃく中にきくらげや山くらげやごぼうやが混入されているので、しゃきしゃきした食べ応えを楽しむことが出来る上、生食用こんにゃく製品に付加価値を付与することが出来る。
(6)こんにゃくの硬さがこんにゃく中に混入されている固形物が識別できる程度の弾力に調整されているので、いろいろな食品の美味しさも味わうことが出来る上、幅広い種類の生食用こんにゃく製品を提供することが出来る。
(7)こんにゃく中に混入する野菜の種類により、緑色、黄色、黒色、カラフルな生食用こんにゃく製品を作製することが出来、バラエティーに富んだ食品を作製することが出来る。
【0018】
請求項2に記載の生食用こんにゃく製品によれば、請求項1又は2に記載の効果に加え、
(1)表面内部共に均一化された、滑らかで、しかも色具合もよくテクスチャー、歯ごたえに優れ、生食に最適の生食用こんにゃく製品を作製することができる。
【0019】
請求項3に記載の生食用こんにゃく製品によれば、請求項1又は2に記載の効果に加え、
(1)こんにゃく中に金粉が混入されているので、見栄えを良くすることが出来る上、おせち料理や精進料理に有用な生食用こんにゃく製品として付加価値を付けることが出来る。
(2)金粉が1箇所に固まることなく、きれいに分散して形成されているので、刺身こんにゃく用に薄切りしても1枚1枚に金粉が入り、それをおせち料理の重箱に入れたり精進料理の鉢盛に入れたりすると、上品で見栄えの良い食材を実現できる。
(3)こんにゃく精紛と、アルカリ金属炭酸塩と、金箔とを、所定量ずつ同時に水に加えて混和するので、こんにゃくのゲル化が始まる前に均一に金箔が分散し、次いで、ゲル化が始まるので均一に分散した状態でゲル化し、こんにゃくのゲルがほぼ透明に近い状態となり、分散した金箔の色が映え豪華に見える。
【0020】
請求項4に記載の生食用こんにゃく製品によれば、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の効果に加え、
(1)えのき茸、まいたけ、しいたけ、まつたけ、きくらげ等のきのこ類をこんにゃくの中に混入することにより、栄養価を高めるとともに、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(2)えのき茸やまいたけの白色やしいたけ、きくらげの黒色がこんにゃくの色に浮き上がり見た目の美しい生食用こんにゃく製品ができるので、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(3)きくらげのコリコリした食感を楽しむことができ、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(4)高価なまつたけを混入しても、まつたけの風味や香味がこんにゃくの味に消されることがなく、まつたけの食感も楽しむことができるので、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(5)きのこ類は洗浄後水切りしたものが用いられる。きのこ類に付着した水とこんにゃく製造時の水とこんにゃく精粉、アルカリ金属塩の溶液が親和し、これを混和するので、きのこ類がこんにゃくゲルと一体となり、気泡を抱えないでゲル化し見栄えのよい生食用こんにゃく製品とすることができる。
【0021】
請求項5に記載の生食用こんにゃく製品によれば、請求項1又は2に記載の効果に加え、
(1)菜の花,わらび,ふきのとう,ふき,しその葉,柚子,山くらげ,たけのこ,ごぼう等の野菜類をこんにゃくの中に混入することにより、栄養価を高めるとともに、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(2)菜の花やわらび、ふきのとう、ふき、川竹等をこんにゃくの中に混入することにより、季節感を付与することが出来、付加価値を付けることが出来る。
(3)精進料理や懐石料理、おせち料理の食材がバラエティーに富んだものとなり、付加価値を高めることができる。
(4)春野菜の微妙な風味や苦味がこんにゃくの味に消されることがなく、日本料理特有の味が堪能できる
(5)菜の花に付着した水が、こんにゃく溶液と親和し、菜の花のすみずみまでいきわたりゲル化するので、板こんにゃくを作製したとき気泡がなく氷柱花のように菜の花が見え商品価値を高めることができる。
【0022】
請求項6に記載の生食用こんにゃく製品によれば、請求項1又は2に記載の効果に加え、
(1)柚子の風味がこんにゃくの味に消されることがなく、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
【0023】
また、請求項7に記載の生食用こんにゃく製品の製造方法によれば、
(1)水、こんにゃく精紛、アルカリ金属の炭酸塩や金箔等の副資材を最初から同時に混ぜ、分散させながらゲル化するので、製品に気泡の混入がなく、副資材がこんにゃくと一体になって商品価値を高めることができる。
(2)水100wt部に対し、こんにゃく精紛を2.5wt部〜3.8wt部に配分調整を行っているので、副資材等と混和してもダマ等の生成を防止できる。(3)アルカリ金属の炭酸塩を最初に水やこんにゃく精粉と混ぜるので、ゾル化が均質で短時間に行うことができ、生産性が高い。
(4)攪拌をゲル化を確認しながら行い適当なゲル化になった段階(流動状態を推測できる状態)で終えるので、こんにゃくの下層部に副資材が溜まるのを防止することができる。
(3)あらかじめ適量に調整された水と、こんにゃく精粉と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物と副資材とを混合する工程を備えているので、副資材を混入してもそれぞれ副資材に最適な硬さのこんにゃくを作製することができる。
(4)あらかじめ適量に調整された水と、こんにゃく精粉と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物と副資材とを混合する混合工程を備えているので、薬品臭が無く、水酸化カルシウムを用いた場合のように再度の煮沸工程を要せず、表面内部共に均一化された、滑らかで、しかも色具合もよく生食に最適のこんにゃくを製造することができる。
(5)あらかじめ適量に調整された水と、こんにゃく精紛と、アルカリ金属の炭酸塩とを混合する混合工程を備えているので、熱湯でのあく抜き工程や、水さらし工程を行う必要がない。
【発明の属する技術分野】
本発明は、金箔や菜の花、わらび、ふきのとう、ふき、しその葉、柚子、川竹、きくらげ、えのき茸等のうち1種以上が分散された生食用こんにゃく製品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
こんにゃくはコンニャクマンナンの特性(水による膨潤、アルカリによる凝固と加熱による凝固促進)を利用したこんにゃく芋または精粉(せいこ)を原料とした加工食品で、製造工程は目的に応じた割合の水を原料に加え、よく練ってから水酸化カルシウムを加え、混合して整形箱に入れて固め、熱湯であく抜きを行う。しかしながらそのような方法で作製されたこんにゃくはアク(灰汁)成分が多くまたアク臭も強いため、水に長時間浸したり洗浄したりする必要があったり、味付け、色付けが難しいという欠点があった。また、液状或いはペースト状態のこんにゃく素材に他の固形食材を小片又は細粒化して混入した場合、それだけでは固形化する際にゲル化力が弱くなって型崩れを生じ、こんにゃく食品として製品化し難い等の理由から、こんにゃく素材中への具材混入や調味は行わないで、専らこんにゃくそのままで生産され、食用されていた。
近年、食材の多様化が進み、板こんにゃく、突きこんにゃく、玉こんにゃく、しらたき等だけではなく、青海苔を混入したものや、豆乳を混入したものが市販されている。
また、仕出し屋などではおせち料理や精進料理に多種多様な料理を創意工夫して付加価値を付けて販売するようになってきている。特に食材が限られる精進料理ではこんにゃく料理が重宝されている。しかしながら、こんにゃくは製造時にアク抜きに多大の水と時間を要し、また、石灰乳や炭酸カルシウムをゲル化剤として用いたものは硬くなり、石灰臭が残るという課題があった。そこで、これらの問題点を解決するため種々検討がなされている。
例えば、特許文献1には、こんにゃく粉100部に対し、炭酸ナトリウムを5〜10部の範囲で配合したこんにゃく材料を、任意の容器内で適当なる量の水で溶き、凝固後、容器のまま或いは容器から押出後適当時間煮沸するこんにゃくの簡易製造方法が開示されている。
特許文献2には、グルコマンナンと、グルコマンナンのアセチル基含量に対し、1.0〜1.5当量の水酸化カルシウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムとを乾燥した粉末状態において均一に混合してなる低カロリー食品製造用グルコマンナンが開示されている。
特許文献3には、消石灰と炭酸カリウムまたは炭酸ナトリウムを重量比で6:4乃至7:3程度の割合で混合して凝固剤となし、こんにゃく粉と寒天等の海藻抽出物を重量比で10:1乃至20:1程度の割合で混合してこんにゃく原料と成し、該こんにゃく原料に対して重量比で45乃至50程度の水と、この水の0.3%程度の重量の凝固剤を加えて混合し、これを醤油、砂糖、ゆで小豆、コーヒー等によって適宜味付けし、この味付けしたものを放置してゲル化させたものを75℃前後の温度で加熱凝固させた味付きこんにゃくの製造方法が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭58−51866号公報
【特許文献2】
特開平9−172985号公報
【特許文献3】
特公平3−35904号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の技術によれば、いずれもこんにゃくの中に金箔や菜の花、しその葉、柚子、川竹、きくらげ、えのき茸等副資材の1種以上を混入した生食用こんにゃく製品の記載はなく、また、生食用には不向きで、上記従来の生食用こんにゃく製品及びその製造方法は、以下のような課題を有していた。
(1)特許文献1は、こんにゃく粉100部に対し、炭酸ナトリウムを5〜10部の範囲で配合したこんにゃく材料を使用する旨記載されているが、この割合で配合したこんにゃく糊に菜の花やえのき茸等を混入するとゲル化力が弱過ぎるという問題点を有していた。
(2)特許文献2に開示された低カロリー食品製造用グルコマンナンをこんにゃく材料として使用すると、ゲル化力が弱く型崩れしてしまい副資材の部分で割れたりして見栄えが悪く商品価値が低い上、食味や風味、食感に欠けるという問題点があった。
(3)特許文献3は、こんにゃく原料に対して重量比で45乃至50程度の水と、この水の0.3%程度の重量の凝固剤を加えて混合し、これを醤油、砂糖、ゆで小豆、コーヒー等によって適宜味付けし、この味付けしたものを放置してゲル化させたものを75℃前後の温度で加熱凝固させた味付きこんにゃくの製造方法が開示されているが、これに菜の花やえのき茸等を混入するとゲル化力が弱く型崩れしてしまい、見栄えが悪くなり、また、混入されている寒天は熱により溶解するのでゲルが安定せず商品価値が低いという問題点を有していた。
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、おせち料理や精進料理に好適な金箔や菜の花、わらび、ふきのとう、ふき、しその葉、柚子、川竹、きくらげ、えのき茸等副資材のうち1種以上を混入し分散させた生食用こんにゃく製品を提供すること、及びそれら副資材とこんにゃく材料との結合を強固にし、食味や風味、食感に優れるとともに豪華さや季節感にあふれ栄養価に富んだ生食用こんにゃく製品の製造方法の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の生食用こんにゃく製品は、以下の構成を有している。
請求項1に記載の生食用こんにゃく製品は、水100wt部に対し、こんにゃく精粉2.5wt部〜3.8wt部と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物0.46wt部〜0.77wt部と、金箔や、菜の花,わらび,ふきのとう,ふき,しその葉,柚子,山くらげ,たけのこ,川竹,ごぼう等の野菜類、えのき茸,まいたけ,まつたけ,きくらげ等のきのこ類、わかめ等の海藻類等の副資材のうち1種以上が混和・分散され、75℃〜130℃の温水で加熱処理して得られた構成を有している。
この構成により、以下の作用を有する。
(1)凝固剤にアルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物を用いているので、薬品臭が無く、水酸化カルシウムを用いた場合のように再度の煮沸を要せず、表面内部共に均一化された、滑らかで、しかも色具合もよく生食に最適の生食用こんにゃく製品を製造することができる。
(2)こんにゃく中に、菜の花やえのき茸やたけのこが混入されているので、見栄えを良くすることが出来る上、栄養価を高くすることができる。また、菜の花やわらび、ふきのとう、川竹等を混入することにより、季節感を付与することが出来、付加価値を付けることが出来る。
(3)こんにゃく中にしその葉、柚子が混入されているので、香味や風味、食味を向上させることが出来る。
(4)こんにゃく中に金粉が混入されているので、見栄えを良くすることが出来る上、お節料理や精進料理に有用な生食用こんにゃく製品として付加価値を付けることが出来る。
(5)こんにゃく中にきくらげや山くらげやごぼうやが混入されているので、しゃきしゃきした食べ応えを楽しむことが出来る上、生食用こんにゃく製品に付加価値を付与することが出来る。
(6)こんにゃくの硬さがこんにゃく中に混入されている固形物が識別できる程度の弾力に調整されているので、いろいろな食品の美味しさも味わうことが出来る上、幅広い種類の生食用こんにゃく製品を作製することが出来る。
(7)こんにゃく中に混入する野菜の種類により、緑色、黄色、黒色等、カラフルな生食用こんにゃく製品を作製することが出来、バラエティーに富んだ食品を作製することが出来る。
【0007】
ここで、水100wt部に対し、こんにゃく精粉が2.6wt部〜3.7wt部が用いられる。こんにゃく精粉のこの添加量の範囲で、こんにゃくが透明に近く所定量の副資材が均一に分散し、テクスチャーに優れる。こんにゃく精粉が2.6wt部よりも少なくなるにつれ副資材の分散性は良いが、ゲル強度が弱くなるという傾向が生じ、また、3.7wt部よりも多くなるにつれ、副資材の分散性が悪く硬く、ゴチゴチになり品質を低下させる傾向が見られるので好ましくない。
また、水100wt部に対しアルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物は0.46wt部〜0.77wt部添加される。該添加量の範囲にすることにより、アルカリ臭がなく、副資材と相まって歯ざわりに優れたゲル強度とすることができる。アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物の添加量が0.46wt部よりも少なくなるにつれ、ゲル化せず糊状態になって品質を低下させるという傾向があり、また、該添加量が、0.77wt部を越えるにつれこんにゃくが硬くなるという傾向があるので好ましくない。
水の温度は10℃〜18℃のものが用いられる。10℃よりも低いとゲル化が遅く、18℃を越えるにつれゲル化が早まり副資材の均一分散ができず塊になるので好ましくない。
副資材は室温状態のものが用いられる。副資材の温度が低いとゲル化が遅く作業性が低下し、また、温度が高いと副資材の周りでゲル化が早く進み、ゲル状態が不均一になり、また、副資材の均一分散がし難く、商品の見栄えを悪くする傾向がある。
加熱処理の温度は75℃〜130℃好ましくは80℃〜105℃が用いられる。加熱温度を80℃〜105℃とすることにより処理時間を30分〜40分と短く効率良く生産できる。副資材の種類にもよるが加熱処理温度が80℃よりも低くなるにつれゲル化が遅く生産性が悪くなる傾向があり、また、105℃を超えるにつれ硬くなるという傾向があり、特に75℃よりも低いか130℃よりも高いとこれらの傾向があるので好ましくない。
【0008】
請求項2に記載の生食用こんにゃく製品は、請求項1において、前記アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸カリウム、塩基性アミノ酸及び卵殻又は貝殻カルシウムその他の動物性カルシウムを焼成して得たものの少なくとも1種類若しくは2種類以上の混合物である構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸三ナトリウム、リン酸カリウム、塩基性アミノ酸及び卵殻又は貝殻カルシウムその他の動物性カルシウムを焼成して得たものの少なくとも1種類若しくは2種類以上の混合物構成を有しているので、それぞれの凝固剤を単独で又は組み合わせてその特性を加減してそれぞれの副資材に最適な凝固剤として使用することが出来、表面内部共に均一化された、滑らかで、しかも色具合もよく生食に最適の生食用こんにゃく製品を作製することができる。
ここで、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物は、炭酸塩単独又は炭酸塩を主とし水酸化物や塩基性アミノ酸は従として、特に水温が低い場合に用いられる。
【0009】
請求項3に記載の生食用こんにゃく製品は、請求項1又は2において、縦の長さが0.7〜4mm、横の長さが0.7〜4mmでアスペクト比(注:金箔の縦と横の長さの比)が0.17〜5.8の前記金箔が0.0006wt部〜0.002wt部分散されている構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)こんにゃく中に金粉が混入されているので、見栄えを良くすることが出来る上、おせち料理や精進料理に有用な生食用こんにゃく製品として付加価値を付けることが出来る。
(2)金粉が1箇所に固まることなく、きれいに分散して形成されているので、刺身こんにゃく用に薄切りしても1枚1枚に金粉が入り、それをおせち料理の重箱に入れたり精進料理の鉢盛に入れたりすると、上品で見栄えの良い食材となる。
(3)こんにゃく精紛と、アルカリ金属炭酸塩と、金箔とを、所定量ずつ同時に水に加えて混和するので、こんにゃくのゲル化が始まる前に均一に金箔が分散し、次いで、ゲル化が始まるので均一に分散した状態でゲル化し、こんにゃくのゲルがほぼ透明に近い状態となり、分散した金箔の色が映え豪華に見える。
ここで、金箔の縦横(厚みを含まず)の長さが、0.7mmよりも小さくなるにつれ、見え難くなり商品価値が低下するという傾向があり、また、4mmよりも長くなるにつれ金箔同士が絡まり易く、分散性に欠け、見栄えや体裁が悪いという傾向があるので好ましくない。アスペクト比が0.17よりも小さいか5.8よりも大きくなるにつれ金箔が細く線状になり混和時に絡まり分散性に欠けてくる傾向があるので好ましくない。アスペクト比を0.17〜5.8とすることによりこんにゃく全体に略均一に分散するとともに、金箔の陰影により豪華に見えるとともに、食しても歯ざわりに支障をきたさないので好ましい。
金箔の添加量は0.0006〜0.002wt部とすることにより、程好い分散性と見栄えの良さ、口当たりの好さを得ることができる。金箔が0.0006wt部よりも少なくなるにつれ、金箔の分散が貧弱で見栄えが悪くなる傾向があるので好ましくない。
【0010】
請求項4に記載の生食用こんにゃく製品は、請求項1乃至3の内いずれか1において、長さが5cm〜0.5cm好ましくは4cm〜1cmに調整した前記えのき茸,まいたけ,まつたけ,きくらげ等のきのこ類を1〜2wt部好ましくは1.3〜1.8wt部が分散されている構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)えのき茸、まいたけ、しいたけ、まつたけ、きくらげ等のきのこ類をこんにゃくの中に混入することにより、栄養価を高めるとともに、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(2)えのき茸やまいたけの白色やしいたけ、きくらげの黒色がこんにゃくの色に浮き上がり見た目の美しい生食用こんにゃく製品ができるので、製品の付加価値を高めることができる。
(3)きくらげのコリコリした食感を楽しむことができ、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(4)高価なまつたけを混入しても、まつたけの風味や香味がこんにゃくの味に消されることがなく、まつたけの食感も楽しむことができるので、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(5)きのこ類は洗浄後水切りしたものが用いられる。きのこ類に付着した水とこんにゃく製造時の水とこんにゃく精粉、アルカリ金属塩の溶液が親和し、これを混和するので、きのこ類がこんにゃくゲルと一体となり、気泡を抱えないでゲル化し見栄えのよい生食用こんにゃく製品とすることができる。
ここで、きのこ類は長さが5cm〜0.5cm好ましくは4cm〜1cmmに調整される。4cmより大きくなるにつれ、えのき茸等のきのこ類が絡まり分散性が悪くなり特に5cmを越えるとその傾向が大きくなる。また、1cmより小さくなるにつれ、きのこ類の外形が崩れ見栄えを悪くする傾向があり、特に0.5cmよりも小さいとその傾向が大きいので好ましくない。
きのこ類の添加量は1〜2wt部好ましくは1.3〜1.8wt部が用いられる。この添加量により分散性が良く、かつテクスチャーに優れた生食用こんにゃく製品を実現できる。きのこ類の添加量が1.3wt部よりも少なくなるにつれきのこの味や風味が識別できないという傾向が見られ、1.8wt部多くなるにつれ、食感が悪くなる傾向があり、1wt部よりも少ないか2wt部よりも多いとこの傾向が大きくなるので好ましくない。
【0011】
請求項5に記載の生食用こんにゃく製品は請求項1又は2において、前記菜の花が、菜の花の先端を5〜6cm切ったものを茹でた後、水切りしたものであって、3.5〜4.5wt部分散されている構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)菜の花等をこんにゃくの中に混入することにより、栄養価を高めるとともに、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(2)菜の花等をこんにゃくの中に混入することにより、季節感を付与することが出来、付加価値を付けることが出来る。
(3)精進料理や懐石料理、おせち料理の食材がバラエティーに富んだものとなり、付加価値を高めることができる。
(4)春野菜の微妙な風味や苦味がこんにゃくの味に消されることがなく、日本料理特有の味が堪能できる
(5)菜の花に付着した水が、こんにゃく溶液と親和し、菜の花のすみずみまでいきわたりゲル化するので、板こんにゃくを作製したとき気泡がなく氷柱花のように菜の花が見え商品価値を高めることができる。
ここで、菜の花の添加量は3.5wt部〜4.5wt部が分散性良く商品価値を高めることができる。3.5wt部よりも少なくなるにつれ、菜の花の味や風味が識別できないという傾向が見られ、また、4.5wt部を越えるにつれ、食感が悪くなる傾向があるので好ましくない。
【0012】
請求項6に記載の生食用こんにゃく製品は、請求項1又は2において、前記柚子が、柚子の皮を線切りにしたものを、1.5〜2.6wt部が分散されている構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(1)柚子の風味がこんにゃくの味に消されることがなく、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
ここで、柚子皮は、1.5wt部〜2.6wt部を添加することにより、生食用こんにゃく製品が上品な極薄く透明な黄色に着色され、柚子の風味を出すことができる。また、柚子皮をミキサーで擂り潰しザルで漉した液体を混入すると、より鮮やかに着色され、風味も増すので好ましい。
柚子皮が1.5wt部より少なくなるにつれ、また、2.6wt部より多くなるにつれ、柚子の香ばしさがなくなり、また、強すぎたりするので、好ましくない。
【0013】
請求項7に記載の生食用こんにゃく製品の製造方法は、前記水と、前記こんにゃく精粉と、前記アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物と、金箔や、菜の花,わらび,ふきのとう,ふき,しその葉,柚子,山くらげ,たけのこ,川竹,ごぼう等の野菜類、えのき茸,まいたけ,まつたけ,きくらげ,等のきのこ類、わかめ等の海藻類等の副資材のうち1種以上と、を混ぜて溶解、分散させる混合工程と、前記混合工程で作製された粘稠流動物を合成樹脂製等の容器に流し入れる充填工程と、次いで、75℃〜130℃の温水に入れ加熱処理する工程と、を備えた構成を有している。
この構成により、以下の作用を有する。
(1)水、こんにゃく精紛、アルカリ金属の炭酸塩や金箔等の副資材を最初から同時に混ぜ、分散させながらゲル化するので、製品に気泡の混入がなく、副資材がこんにゃくと一体になって商品価値を高める。
(2)水100wt部に対し、こんにゃく精紛を2.5wt部〜3.8wt部に配分調整を行っているので、副資材等と混和してもダマ等の生成を防止できる。(3)アルカリ金属の炭酸塩を最初に水やこんにゃく精粉と混ぜるので、ゾル化が均質で短時間に行うことができ、生産性が高い。
(4)攪拌をゲル化の確認をしながら行い適当なゲルになった段階(流動状態を推測できる状態)で終えるので、こんにゃくの下層部に副資材が溜まるのを防止することができる。
(5)あらかじめ適量に調整された水と、こんにゃく精粉と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物と副資材とを混合する工程を備えているので、副資材を混入してもそれぞれ副資材に最適な硬さのこんにゃくを作製することができる。
(6)あらかじめ適量に調整された水と、こんにゃく精粉と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物と副資材とを混合する混合工程を備えているので、薬品臭が無く、水酸化カルシウムを用いた場合のように再度の煮沸工程を要せず、表面内部共に均一化された、滑らかで、しかも色具合もよく生食に最適のこんにゃくを製造することができる。
(7)あらかじめ適量に調整された水と、こんにゃく精紛と、アルカリ金属の炭酸塩とを混合する混合工程を備えているので、熱湯でのあく抜き工程や、水さらし工程を行う必要がない。
ここで、充填工程の後に成形工程で各種の用途に応じて成形(板こんにゃく状、糸こんにゃく状、突きこんにゃく状等)すると商品価値を高めることができる。また、容器としてはトレーや袋等が用いられる。また、水とこんにゃく精粉とアルカリ金属の炭酸塩等と副資材は同時に最初から混ぜると理由は不明であるが、テクスチャーに優れ、プリンプリン感が得られ、歯ごたえのある生こんにゃく製品が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の生食用こんにゃく製品について以下の実施例および比較例により更に詳細に説明する。
(表1)に示す材料を準備した。水は水道水を用いた。金箔は縦の長さが1.5〜3mm、横の長さが1〜3.5mm、アスペクト比が0.2〜2.4のものを用いた。菜の花は花や蕾のついた菜の花の先端を5〜6cmの長さに切り湯煮したものを水切りして準備した。えのき茸は束のまま湯煮し水切りしたもの、きくらげは戻したもの、竹炭は液状物を準備した。
(実施例1)
表1の実施例1に示される配合比率で材料を計量してバケツに同時に入れ、ある程度ねばりが出るまで棍棒で混ぜ、金箔入りこんにゃく生地を作成し、これを合成樹脂製袋に漏斗で入れ合成樹脂製袋の口をヒートシールした後、形を整え、更に80℃〜95℃の温湯に入れ1時間30分加熱し本発明の金箔入り生食用こんにゃく製品を作製した。次いで、合成樹脂製の袋毎冷やした後、開封し生食用こんにゃく製品の柱状物を厚さ5mmにスライスし、10枚/皿に入れ評価負で評価した。
(実施例2〜8)
表1の実施例2〜8に示される配合比率で順次各実施例毎に材料を計量してバケツにとり、ある程度ねばりが出るまで棍棒で混ぜ、こんにゃく生地を作成し、これを合成樹脂製袋に漏斗で入れ合成樹脂製袋の口をヒートシールした後、形を整え、更に80℃〜95℃の温湯に入れ1時間30分加熱し本発明の生食用こんにゃく製品を作製した。次いで、合成樹脂製の袋毎冷やした後、開封し生食用こんにゃく製品の柱状物を厚さ5mmにスライスし、10枚/皿に入れ評価負で評価した。
(実施例9)
(表1)に示される配合比で材料を計量した。まず、水とこんにゃく精粉とアルカリ金属塩をある程度ねばりが出るまで棍棒で混ぜねばりが出たところで金箔を添加し、次いで棍棒で混ぜて金箔入りこんにゃく生地を作製し、次いで実施例1と同様にして試料を得、評価した。
(比較例1,2)
(表1)の比較例1,2の各配合比率で材料を順次計量してバケツにとり、ある程度ねばりが出るまで棍棒で混ぜ、実施例と同様にして試料を作製し、同様に評価を行った。
実施例1乃至9、及び比較例1乃至2で作製した生食用こんにゃく製品を、パネラー10人に各々1切ずつ配り、賞味実験を行った。
評価負は中年の男性2名、若い女性2名、中年の女性3名、老年の女性3名を選び、次の基準で評価した。
(a)風味
(b)プリプリ感
(c)テクスチャー
(d)歯あたり
その結果を5点法で採点してもらい、平均値を(表1)に記載した。
【0015】
【表1】
【0016】
実施例1で作製された本発明の金箔入り生食用こんにゃく製品は、おせち料理や精進料理や懐石料理での使用に適し、こんにゃくの付加価値を著しく高くすることができる。
また、実施例1,2,3,8で作製された本発明の金箔、青海苔及び竹炭入り生食用こんにゃく製品は、凝固剤に適量に調整されたアルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物を使用しているので、従来のこんにゃくに比べ、香味や風味や食味、色合い、テクスチャー、歯ごたえが非常に良いことがわかった。
更に、実施例4,5,6,7で作製された本発明の菜の花、川竹、きくらげ、えのき茸入り生食用こんにゃく製品は、それら副資材とこんにゃくとが密接に結合しさらに副資材が識別できる硬さにこんにゃくの硬さが調節されているので、今までにない全く新規な製品が実現できることが確認できた。また、熱湯でのあく抜きや、水さらしを行わないので、菜の花等野菜の新鮮さみずみずしさを損わないことがわかった
実施例9では透明感は実施例1に比べると劣るが、比較例1,2に比べると良かった。但し、硬い感じがし歯ごたえが少し悪かった。また、金箔の分散性に少し欠けるきらいがあった。このことから、水とこんにゃく精紛とアルカリ金属塩とを混ぜ、ねばりが出てから副資材を混入するのは副資材の分散性やテクスチャーが他の実施例に比べ少し劣ることがわかった。更に、水とこんにゃく精紛と副資材を混ぜて分散させ、次いで、アルカリ金属塩をねばりが出だす(棍棒に抵抗を感ずる)前に添加してもよいことがわかった。
比較例1,2では、石灰臭が強く、また、ガチガチで硬い感じがして、歯あたりが悪かった。また、白濁し透明感に欠け、板こんにゃく状態では表面の金箔しか見えず見栄えが悪かった。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本発明の生食用こんにゃく製品及びその製造方法によれば、以下の優れた効果を実現することができる。
請求項1に記載の生食用こんにゃく製品によれば、
(1)凝固剤にアルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物を用いているので、薬品臭が無く、表面内部共に均一化され、滑らかで、しかも色具合もよく生食に最適の生食用こんにゃく製品を実現することができる。
(2)こんにゃく中に、菜の花やえのき茸やたけのこが混入されているので、見栄えを良くすることが出来る上、栄養価を高くすることができる。また、菜の花やわらび、ふきのとう、川竹等を混入することにより、季節感を付与することが出来、付加価値を付けることが出来る。
(3)こんにゃく中にしその葉、柚子が混入されているので、香味や風味、食味を向上させることが出来る。
(4)こんにゃく中に金粉が混入されているので、見栄えを良くすることが出来る上、お節料理や精進料理に有用な生食用こんにゃく製品として付加価値を付けることが出来る。
(5)こんにゃく中にきくらげや山くらげやごぼうやが混入されているので、しゃきしゃきした食べ応えを楽しむことが出来る上、生食用こんにゃく製品に付加価値を付与することが出来る。
(6)こんにゃくの硬さがこんにゃく中に混入されている固形物が識別できる程度の弾力に調整されているので、いろいろな食品の美味しさも味わうことが出来る上、幅広い種類の生食用こんにゃく製品を提供することが出来る。
(7)こんにゃく中に混入する野菜の種類により、緑色、黄色、黒色、カラフルな生食用こんにゃく製品を作製することが出来、バラエティーに富んだ食品を作製することが出来る。
【0018】
請求項2に記載の生食用こんにゃく製品によれば、請求項1又は2に記載の効果に加え、
(1)表面内部共に均一化された、滑らかで、しかも色具合もよくテクスチャー、歯ごたえに優れ、生食に最適の生食用こんにゃく製品を作製することができる。
【0019】
請求項3に記載の生食用こんにゃく製品によれば、請求項1又は2に記載の効果に加え、
(1)こんにゃく中に金粉が混入されているので、見栄えを良くすることが出来る上、おせち料理や精進料理に有用な生食用こんにゃく製品として付加価値を付けることが出来る。
(2)金粉が1箇所に固まることなく、きれいに分散して形成されているので、刺身こんにゃく用に薄切りしても1枚1枚に金粉が入り、それをおせち料理の重箱に入れたり精進料理の鉢盛に入れたりすると、上品で見栄えの良い食材を実現できる。
(3)こんにゃく精紛と、アルカリ金属炭酸塩と、金箔とを、所定量ずつ同時に水に加えて混和するので、こんにゃくのゲル化が始まる前に均一に金箔が分散し、次いで、ゲル化が始まるので均一に分散した状態でゲル化し、こんにゃくのゲルがほぼ透明に近い状態となり、分散した金箔の色が映え豪華に見える。
【0020】
請求項4に記載の生食用こんにゃく製品によれば、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の効果に加え、
(1)えのき茸、まいたけ、しいたけ、まつたけ、きくらげ等のきのこ類をこんにゃくの中に混入することにより、栄養価を高めるとともに、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(2)えのき茸やまいたけの白色やしいたけ、きくらげの黒色がこんにゃくの色に浮き上がり見た目の美しい生食用こんにゃく製品ができるので、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(3)きくらげのコリコリした食感を楽しむことができ、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(4)高価なまつたけを混入しても、まつたけの風味や香味がこんにゃくの味に消されることがなく、まつたけの食感も楽しむことができるので、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(5)きのこ類は洗浄後水切りしたものが用いられる。きのこ類に付着した水とこんにゃく製造時の水とこんにゃく精粉、アルカリ金属塩の溶液が親和し、これを混和するので、きのこ類がこんにゃくゲルと一体となり、気泡を抱えないでゲル化し見栄えのよい生食用こんにゃく製品とすることができる。
【0021】
請求項5に記載の生食用こんにゃく製品によれば、請求項1又は2に記載の効果に加え、
(1)菜の花,わらび,ふきのとう,ふき,しその葉,柚子,山くらげ,たけのこ,ごぼう等の野菜類をこんにゃくの中に混入することにより、栄養価を高めるとともに、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
(2)菜の花やわらび、ふきのとう、ふき、川竹等をこんにゃくの中に混入することにより、季節感を付与することが出来、付加価値を付けることが出来る。
(3)精進料理や懐石料理、おせち料理の食材がバラエティーに富んだものとなり、付加価値を高めることができる。
(4)春野菜の微妙な風味や苦味がこんにゃくの味に消されることがなく、日本料理特有の味が堪能できる
(5)菜の花に付着した水が、こんにゃく溶液と親和し、菜の花のすみずみまでいきわたりゲル化するので、板こんにゃくを作製したとき気泡がなく氷柱花のように菜の花が見え商品価値を高めることができる。
【0022】
請求項6に記載の生食用こんにゃく製品によれば、請求項1又は2に記載の効果に加え、
(1)柚子の風味がこんにゃくの味に消されることがなく、生食用こんにゃく製品の付加価値を高めることができる。
【0023】
また、請求項7に記載の生食用こんにゃく製品の製造方法によれば、
(1)水、こんにゃく精紛、アルカリ金属の炭酸塩や金箔等の副資材を最初から同時に混ぜ、分散させながらゲル化するので、製品に気泡の混入がなく、副資材がこんにゃくと一体になって商品価値を高めることができる。
(2)水100wt部に対し、こんにゃく精紛を2.5wt部〜3.8wt部に配分調整を行っているので、副資材等と混和してもダマ等の生成を防止できる。(3)アルカリ金属の炭酸塩を最初に水やこんにゃく精粉と混ぜるので、ゾル化が均質で短時間に行うことができ、生産性が高い。
(4)攪拌をゲル化を確認しながら行い適当なゲル化になった段階(流動状態を推測できる状態)で終えるので、こんにゃくの下層部に副資材が溜まるのを防止することができる。
(3)あらかじめ適量に調整された水と、こんにゃく精粉と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物と副資材とを混合する工程を備えているので、副資材を混入してもそれぞれ副資材に最適な硬さのこんにゃくを作製することができる。
(4)あらかじめ適量に調整された水と、こんにゃく精粉と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物と副資材とを混合する混合工程を備えているので、薬品臭が無く、水酸化カルシウムを用いた場合のように再度の煮沸工程を要せず、表面内部共に均一化された、滑らかで、しかも色具合もよく生食に最適のこんにゃくを製造することができる。
(5)あらかじめ適量に調整された水と、こんにゃく精紛と、アルカリ金属の炭酸塩とを混合する混合工程を備えているので、熱湯でのあく抜き工程や、水さらし工程を行う必要がない。
Claims (7)
- 水100wt部に対し、こんにゃく精粉2.5wt部〜3.8wt部と、アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物0.46wt部〜0.77wt部と、金箔や、菜の花,わらび,ふきのとう,ふき,しその葉,柚子,山くらげ,たけのこ,川竹,ごぼう等の野菜類、えのき茸,まいたけ,まつたけ,きくらげ等のきのこ類、わかめ等の海藻類等の副資材のうち1種以上が混和・分散され、75℃〜130℃の温水で加熱処理して得られたことを特徴とする生食用こんにゃく製品。
- 前記アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸三ナトリウム、リン酸カリウム、塩基性アミノ酸及び卵殻又は貝殻カルシウムその他の動物性カルシウムを焼成して得たものの少なくとも1種類若しくは2種類以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の生食用こんにゃく製品。
- 縦の長さが0.7〜4mm、横の長さが0.7〜4mmでアスペクト比(注:金箔の縦と横の長さの比)が0.17〜5.8の前記金箔が0.0006wt部〜0.002wt部分散されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の生食用こんにゃく製品。
- 長さが5cm〜0.5cm好ましくは4cm〜1cmに調整した前記えのき茸,まいたけ,まつたけ,きくらげ等のきのこ類を1〜2wt部好ましくは1.3〜1.8wt部が分散されていることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の生食用こんにゃく製品。
- 前記菜の花が、菜の花の先端を5〜6cm切ったものを茹でた後、水切りしたものであって、3.5〜4.5wt部分散されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の生食用こんにゃく製品。
- 前記柚子が、柚子の皮を線切りにしたものを、1.5〜2.6wt部が分散されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の生食用こんにゃく製品。
- 前記水と、前記こんにゃく精粉と、前記アルカリ金属の炭酸塩及び/又は水酸化物と、金箔や、菜の花,わらび,ふきのとう,ふき,しその葉,柚子,山くらげ,たけのこ,川竹,ごぼう等の野菜類、えのき茸,まいたけ,まつたけ,きくらげ,等のきのこ類、わかめ等の海藻類等の副資材のうち1種以上と、を混ぜて溶解、分散させる混合工程と、前記混合工程で作製された粘稠流動物を合成樹脂製等の容器に流し入れる充填工程と、次いで、75℃〜130℃の温水に入れ加熱処理する工程と、を備えたことを特徴とする生食用こんにゃく製品の製造方法。
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JP2003024627A JP2004229603A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | 生食用こんにゃく製品及びその製造方法 |
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KR101051528B1 (ko) * | 2009-08-06 | 2011-07-22 | 이영숙 | 버섯슬라이스 묵과 그 제조방법 |
CN115997917A (zh) * | 2022-07-29 | 2023-04-25 | 西南大学 | 一种食用菌魔芋凝胶制品及其制备方法和应用 |
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2003
- 2003-01-31 JP JP2003024627A patent/JP2004229603A/ja active Pending
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