JP2004226453A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】潜像を乱すことなく、ドット再現性が良好で、かつキャリア付着を防止し、高耐久性で、高画質なフルカラー画像を得られる画像形成方法を提供する。
【解決手段】本発明の画像形成方法においては表面抵抗が1×1010〜1016Ωであるアモルファスシリコン系の静電潜像担持体と二成分系現像剤として、少なくともバインダー樹脂と磁性粒子としてハードフェライト材料からなる粒子をコア材として、更にその表面に非磁性の金属酸化物粒子を含有した樹脂層を有する磁性キャリアを用いることで、キャリア比抵抗を5.0×1013Ω・cm以上の高抵抗かつ、キャリア付着防止に有効な磁気特性とすることが出来る。このようなキャリアを用いた現像剤磁気ブラシを潜像担持体に接触させながら交番電界を印加して現像を行うことで高画質画像を得ることが可能となることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の画像形成方法においては表面抵抗が1×1010〜1016Ωであるアモルファスシリコン系の静電潜像担持体と二成分系現像剤として、少なくともバインダー樹脂と磁性粒子としてハードフェライト材料からなる粒子をコア材として、更にその表面に非磁性の金属酸化物粒子を含有した樹脂層を有する磁性キャリアを用いることで、キャリア比抵抗を5.0×1013Ω・cm以上の高抵抗かつ、キャリア付着防止に有効な磁気特性とすることが出来る。このようなキャリアを用いた現像剤磁気ブラシを潜像担持体に接触させながら交番電界を印加して現像を行うことで高画質画像を得ることが可能となることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法等において、現像プロセスに二成分系現像剤を用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法として米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報等に種々の方法が記載されている。これらの方法は、いずれも光導電層に原稿に応じた光像を照射することにより静電潜像を形成し、次いで該静電潜像上にこれとは反対の極性を有するトナーと呼ばれる着色微粉末を付着させて該静電潜像を現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、熱、圧力あるいは溶剤蒸気等により定着し複写物やプリントアウトを得るものである。
【0003】
該静電潜像を現像する工程は、帯電させたトナー粒子を静電潜像の静電相互作用を利用して潜像担持体の静電潜像上に画像形成を行うものである。一般にかかる静電潜像をトナーを用いて現像する方法のうち、トナーをキャリアと呼ばれる媒体に分散させた二成分系現像剤が特に高画質を要求されるフルカラー複写機、フルカラープリンターには好適に用いられている。
【0004】
近年、マルチメディア、コンピュータ画像処理等の発達により、更に高精細なフルカラー画像を出力する手段が要望されている。この目的のため、フルカラーの複写画像やプリントアウト画像をさらに高画質、高精細とし銀塩写真の画像水準にまで高品質化する努力がなされている。こうした要求に応じて、プロセス及び材料の観点から検討が加えられている。
【0005】
上述した二成分系現像方法も、現像剤磁気ブラシが潜像担持体表面を摺擦しながら現像を行う接触二成分系現像方法と、現像剤磁気ブラシが潜像担持体と接触しない非接触二成分系現像方法に分類される。非接触二成分系現像は潜像担持体にキャリアが付着するいわゆるキャリア付着現象が起こりにくいという長所もあるが、上述したような高精細フルカラー画像を得るためには、優れた細線再現性と十分な画像濃度が得られる接触二成分系現像が好適に用いられる。
【0006】
さらに、現像剤担持体から静電潜像側に現像バイアスを印加する際、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法が高画質化のために、より好適に用いられている。また、トナー又はキャリアの粒径を小さくしたり、現像剤磁気ブラシを綴密化することで画質を向上させる方法もある。特開昭59−104663号公報に、飽和磁化の小さな磁性キャリアを使用することで現像剤磁気ブラシを綴密化し、高画質化を達成する方法が記載されている。これは、また、キャリア同士の、あるいはトナーに対する磁気的なシェアを低減するために、現像剤の長寿命化も期待できる。
【0007】
しかし、以上に述べたような高画質化を達成するための方法、つまり、接触二成分系AC現像方式において、キャリアの小粒径化及びキャリアの低磁気力化は潜像担持体にキャリアが付着してしまう、いわゆるキャリア付着現象を起こしやすくするため、実用化されるには困難があった。
【0008】
一方、多数枚複写やプリントアウトの要求、またエコロジーの見地から、現像剤や潜像担持体を含めて電子写真装置の長寿命化が望まれている。
【0009】
潜像担持体としては従来、CdS−樹脂分散系、ZnS−樹脂分散系、Se蒸着系、Se−Te蒸着系、Se−As蒸着系、OPC(有機光導電体)、そしてA−Si系等の感光体があり、実用に供されている。このうち、OPCは最も普及しているが、表面が樹脂からなるので耐久性がいまだ十分ではない。
【0010】
これに対して、A−Si系の感光体は表面硬度が非常に高く(ビッカース硬度1000以上)、他の感光体に比較して耐劣化性、耐摩耗性、耐傷つき性及び耐衝撃性等に極めて優れている。
【0011】
しかし、A−Si系の感光体は、表面抵抗がおおよそ1×1010〜1×1016Ωと、他の感光体より比較的低い。このような表面が低抵抗の潜像担持体を用いた画像形成方法において、前述したような接触二成分系現像プロセス、AC現像バイアスを高画質化のために用いて、従来のような鉄粉キャリアやフェライトに樹脂コートを施した磁性キャリアを現像剤に使用すると、トナーカブリが発生し、とくに現像剤寿命を改善すべく低磁気力のキャリアを用いるとき、キャリア付着が発生した。このような理由で、現像剤と潜像担持体の長寿命化と優れた細線再現性と高画像濃度のフルカラー画像を両立させた画像形成方法はこれまで実用化されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高耐久の潜像担持体と、細線再現性に優れたトナー画像の得られる画像形成方法を提供することにある。
【0013】
本発明の目的は、トナーカブリのない高画質トナー画像が得られる画像形成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は表面抵抗が1×1010〜1×1016Ωであるアモルファスシリコン系の静電潜像担持体と、磁性キャリアとトナーを含有する二成分系現像剤を担持する現像剤担持体とを対向させて配設し、現像する画像形成方法において、
該磁性キャリア粒子は少なくともバインダー樹脂及び磁性金属酸化物粒子を含有し、
磁性キャリア粒子の個数平均粒径が5〜100μmであり、
磁性キャリア粒子の比抵抗が25〜500V印加時に、5.0×1013Ω・cm以上であり、
磁性キャリア粒子の真比重が3.0〜4.9g/cm3であり、
磁性キャリア粒子の10000エルステッドの磁場における飽和磁化が100emu/cm3以上であり、残留磁化が50emu/cm3以上であり、かつ保持力が300エルステッド以上であり、
該現像剤担持体上に形成する現像剤磁気ブラシを該潜像担持体に接触させ、交番電界を印加しつつ現像を行うことを特徴とする画像形成方法に関する。
【0015】
本発明における現像方式には、現像剤として二成分系現像剤を用い、現像剤磁気ブラシが潜像担持体に接触して摺擦しつつ交番電界をかけながら現像を行う、いわゆる接触二成分系AC現像が最適である。これは、前述したように、細線再現性に優れた高画質トナー画像を得るためである。
【0016】
さらに、二成分系現像剤を構成する磁性キャリアの磁気力を小さくし、微粉をなくし、かつ実質的に高抵抗化することにより、トナーカブリとキャリア付着を防止しつつ、細線再現性の良好な、高画質画像が得られる。また、キャリアの磁気的なパッキングによる現像剤の劣化が軽減されて、現像剤の長寿命化も図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明者らが詳細な検討を行ったところ、潜像担持体として、アモルファスシリコン系のような表面抵抗が1×1010〜1×1016Ωである感光体を用い、
接触二成分系AC現像方式で現像を行うような場合、二成分系現像剤を構成する磁性キャリアが、従来の鉄損キャリアやフェライトキャリアを用いると、キャリア付着やトナーカブリが著しく発生することが見受けられた。
【0018】
本発明者らはこの現象の原因を探求し、以下のような結論に至った。
【0019】
つまり、表面の比抵抗が比較的低い潜像担持体と、従来の鉄粉キャリアやフェライトキャリアのような比抵抗の低い磁性キャリアを合わせて使用する場合、潜像担持体上の潜像の電位が、接触して摺擦する磁性キャリア粒子を介してリークしてその電位を現像バイアス電位に近づくように変化させてしまい、その結果、カブリ取り電位が低くなり、トナーカブリを発生する。また、現像バイアスによる電荷がキャリアに注入され、それが原因でキャリア付着も同時に起こりやすくなっていることがわかった。
【0020】
従って、この現象を防ぐためには高抵抗な磁性キャリアを用いることが効果的であることを見いだした。具体的には、本発明のような潜像担持体の表面抵抗がおおよそ1×1010Ω〜1×1016Ωの範囲にある場合、磁性キャリアの比抵抗が5.0×1013Ω・cm以上であれば、その効果を発揮することができた。
【0021】
尚、本発明に用いられる磁性キャリアの比抵抗測定は、ハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード製)で測定した値を示した。
【0022】
本発明に用いられる磁性キャリアに用いることができる磁性金属酸化物粒子としては、MO・6(Fe2O3)で表される六方最マグネトプランバイト構造を有するハードフェライト材料が必須であり、例えば、BaFe12O19,SrFe12O19,PbFe12O19であらわされるバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト及び鉛フェライトなどを挙げることができる。このようなハードフェライト材料を樹脂中に分散させることで高抵抗化と所望の磁気特性との両立することが可能となる。
【0023】
また、キャリアとしての磁気特性や電気抵抗等の調整のために、上記磁性金属酸化物粒子以外にも非磁性金属酸化物粒子を併用することが可能であり、例えば、Al2O3,SiO2,CaO,TiO2,V2O5,CrO2,MnO2、α−Fe2O3,CoO,NiO,CuO,ZnO,SrO,Y2O3,ZrO2等を挙げることができる。非磁性金属酸化物粒子を併用する場合には、比重や形状が類似している粒子を用いるのがバインダーとの密着性、キャリア強度を高めるためにより好ましい。本発明に用いられる磁性キャリアでは非磁性金属酸化物粒子としてヘマタイトを組み合せて用いていることが好ましい。
【0024】
上記の金属酸化物粒子を樹脂に分散してキャリアとする場合、磁性を示す金属酸化物粒子の個数平均粒径はキャリア粒径によっても変わるが、0.02〜2μmまでのものが好ましく用いることができる。また、2種以上の金属酸化物粒子を分散させて用いる場合、磁性を示す金属酸化物粒子の個数平均粒径は0.02〜2μmまでのものが用いることができ、他方の金属酸化物粒子の個数平均粒径は、0.05〜5μmのものが使用できる。
【0025】
この場合、磁性の金属酸化物粒子(粒径:ra)に対して他方の金属酸化物粒子(粒径:rb)の粒径比rb/raは1.0を超え5.0倍以下であることが好ましい。1.0倍以下であると比抵抗の低い磁性の金属酸化物粒子が表面に出やすくなり、キャリアの抵抗を十分に上げることができず、本発明においてキャリア付着を防止する効果が得られにくくなる。また、5.0倍を超えると樹脂中への金属酸化物粒子の取り込みがうまくいかなくなり、キャリアの強度が低下し、金属酸化物粒子の脱離を引き起こしやすくなる。本発明で使用する金属酸化物粒子の粒径測定方法については後述する。
【0026】
本発明に用いられる磁性キャリアのコア中に含有される金属酸化物粒子の量は、50質量%〜99質量%である。金属酸化物粒子の量が50質量%未満であると帯電性が不安定になり、特に低温低湿環境下においてキャリアが帯電し、その残留電荷が残存しやすくなるために微粉トナーや外添削等がキャリア表面に付着しやすくなる。また、99質量%を超えるとキャリア強度が低下して、耐久によるキャリアの割れ、金属酸化物粒子の脱離などの問題を生じやすくなる。
【0027】
さらに本発明に用いられる磁性キャリアでは、例えば、コア中に非磁性の金属酸化物粒子と磁性の金属酸化物粒子を組み合わせるて用いるなど、2種以上の金属酸化物粒子を分散させることも可能である。この場合、コア中に含有される金属酸イビ物粒子全体に占める磁性を有する金属酸化物粒子の含有量が30質量%〜100質量%である。30質量%未満であるとコアの高抵抗化は良好になる半面、キャリアとしての磁気力が小さくなり、キャリア付着を招く場合がある。
【0028】
更に、本発明に用いられる磁性キャリアに使用される金属酸化物粒子は親油化処理されていることが好ましい。これはキャリアから金属酸化物粒子の脱離を防止でき、またキャリア製造上においても、親油化処理された金属酸化物粒子をバインダー樹脂中に分散させ、コア粒子を形成する場合、均一でかつ高密度でバインダー樹脂中に取り込ませることが可能となる。特に、重合法でコア粒子を形成する場合は球形で表面が平滑な粒子を得る上で重要である。
【0029】
親油化処理はシラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤などのカップリング剤で金属酸化物を処理するか、界面活性剤を含む水性溶媒中に金属酸化物を分散させることにより表面を親油化する等の方法がある。
【0030】
ここでいうシラン系カップリング剤としては、疎水性基、アミノ基あるいはエポキシ基を有するものを用いることができる、疎水性基をもつシラン系カップリング剤として例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ)シラン等を挙げることができる。アミノ基をもつシラン系カップリング剤としては、γ−アミノプロピルエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。エポキシ基をもつシラン系カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキジシクロヘキシル)トリメトキシシラン等が挙げられる。
【0031】
チタネート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリトデシルベンセンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート等を挙げることができる。
【0032】
界面活性剤としては、市販の界面活性剤をそのまま使用することができる。
【0033】
本発明の金属酸化物分散コアに用いられるバインダー樹脂としては、ビニル系モノマーを重合して得られる全ての樹脂が挙げられる。ここで言うビニル系モノマーとしては例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン及び不飽和モノオレブイン類;ブタジエン、イソプレンなどの不飽和ジオレブイン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタクリル酸及びメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸及びアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;マレン酸、マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類などが挙げられ、これらの中から1種又は2種以上使用して重合させたものが用いられる。
【0034】
また、ビニル系モノマーから重合して得られる樹脂以外にポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂ポリエーテル樹脂などの非ビニル縮合系樹脂あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物を用いることができる。
【0035】
本発明に用いられる磁性キャリアを製造する方法としては、ビニル系、非ビニル系の熱可塑性樹脂、金属酸化物、その他硬化剤等の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の混練機を用いて溶融、混練して、これを冷却後、粉砕分級を行なってキャリアコアを得ることができる。この際、得られた金属酸化物含有樹脂粒子を熱あるいは機械的に球形化してコアとして用いることが好ましい。
【0036】
より好ましく本発明に用いられる磁性キャリアを製造する方法としては、直接モノマーと金属酸化物を混合、重合して製造する方法がある。このとき、重合に用いられるモノマーとしては、前述したビニル系モノマーの他にエポキシ樹脂の出発原料となるビスフェノール類とエピクロルヒドリン、フェノール樹脂のフェノール類とアルデヒド類、尿素樹脂の尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類等が用いられる。例えば、硬化系フェノール樹脂を用いる場合の製造方法としては、水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で前述した金属酸化物、好ましくは親油化処理した金属酸化物を入れ、重合してコアを得る。次に、水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下にコアを入れ、フェノール系の重合反応を行い、コアの表面にフェノール樹脂を重合してコートさせることで、キャリアコアの比抵抗をさらに向上させることができる。また、この際、前述した非磁性の金属酸化物粒子をフェノール樹脂と共にコート樹脂中に含有させることで、キャリアコアの表面をさらに頑強にすることができる。本発明に用いられるキャリアを製造する方法としては、キャリアの強度をアップさせたり、コート樹脂をより良好にコートさせるためにコア製造時にバインダーを架橋させて用いるのが好ましい。例えば、溶融混練時に架橋成分を添加し混練時に架橋させ方法、あるいは直接重合時に硬化型樹脂を選択し直接重合させてコアを得る方法、あるいは架橋成分を入れたモノマーを使用する等の方法を挙げることができる。
【0037】
本発明に用いられる磁性キャリアはコートして用いることが好ましい。コートする方法としてはキャリアコア材を浮遊流動させながらコート樹脂溶液をスプレーしコア材表面にコート膜を形成させる方法、およびスブレードライ法が挙げられる。上記コート方法は特に熱可塑性樹脂をバインダー樹脂としてキャリアコア材に用いているコア材にコートする場合に好適である。
【0038】
またその他のコート方法として、剪断応力を加えながらコート樹脂溶液の溶媒を徐々に揮発させながら被膜を形成させるなどの方法によっても本発明に用いられる樹脂コートキャリアを製造することができる。
【0039】
本発明においては、特にキャリア表面にシリコーン樹脂をコートしたキャリアを用いることが好ましい。これはキャリア同士が合一せずに均一に膜形成ができ、長期の使用においてもコート層がコア材から剥がれることなく耐久性の優れたキャリアとすることができるからであり、またシリコーン樹脂は低表面エネルギーであるため、トナーと混合して現像剤とした場合に、キャリア表面へのトナー組成物のスペントを防止でき、安定してトナーに摩擦帯電電荷を付与できることによることによる。シリコーン樹脂をコートする場合は、被膜強度をより高めるためにキュアを施すことが好ましい。具体的には150℃以上の温度で0.5時間以上保持することが好ましい。
【0040】
また、コート量はキャリアコア粒子100質量部に対し、0.05〜10質量部であることが好ましい。さらには0.2質量%〜5質量%の範囲であることが最も好適である。コート量が0.05質量%未満ではキャリアコア材を十分にラートすることが困難となり、耐久後にトナースペントを十分抑制することができない。また、10質量%を超えると、樹脂コート量が多すぎるため比抵抗は所望の範囲とすることができるが流動性が低下したり、かえって電荷が蓄積することによるキャリア付着を生じたりする場合がある。
【0041】
本発明に用いられる磁性キャリアの粒径は5〜100μmが好ましい。キャリアの粒径は、高画質化の観点からはできるだけ小さくすることが好ましいが、磁気力と粒径の関係によりキャリア付着を生じてくる。すなわち、キャリア粒径が100μmを超えると磁気ブラシが感光体表面を摺擦するときに掃き目を生じやすくなるために高画質の観点から好適でなく、また1μmより小さくなるとキャリア1個の持つ磁気力が小さくなるためにキャリア付着を生じやすくなる。
【0042】
尚、本発明に用いられる磁性キャリアの粒径測定方法については後述する。キャリアの磁気特性の測定は、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて行った。測定条件の異体例は後述する。
【0043】
ところで、画質の向上はキャリアの改良のみでは難しく、トナーを改良することも重要である。すなわち、二成分系現像剤においてはキャリアは現像において重要であるが、それ以降の電子写真プロセスである転写、定着過程を経て、最終画像の画質ならびにカブリ等の画像晶質に対してはトナーの影響が非常に大きい。本発明の二成分系現像剤においてはトナーを改良することで画像品質を向上することができた。
【0044】
すなわち、本発明に用いられるトナーは、重量平均粒径が1〜10μm、好ましくは3〜8μmの範囲であることが好適である。また、35%以下の個数分布の変動係数を有していることが反転成分のない良好な帯電付与、潜像ドットの再現性等を満足させるために必須である。
【0045】
トナー重量平均粒径が10μmを超えると、潜像を現像する粒子1個が大きくなるためにいくらキャリアの磁気力を下げても潜像に忠実な現像が行えず、また、静電的な転写を行うとトナーの飛び散りが激しくなる。また、1μm以下の粒径では粉体としてのハンドリング性に不都合を生じる。
【0046】
また、35%以下の個数分布の変動係数を超えると微粉トナーへのトナー帯電付与が良好に行えず、トナートリボ分布が広くなり、帯電不良(反転成分生成)や現像したトナーの粒径偏在化により耐久での粒径変化等の問題を生じてしまったり、キャリアとの摩擦帯電が良好に行えなくなるのに加え、潜像を忠実に再現できなくなる。本発明に用いる粒度分布の測定には、例えばレーザー走査型のCIS100(GLAI社製)を使用する方法を挙げることができる。
【0047】
具体的測定法については後述する。
【0048】
更にまた、本発明に用いられるトナーは形状係数SF−1が100〜130の範囲であり、全体、または一部が重合法で形成されており、かつ残存モノマー含有量が1000ppm以下であることが必要である。すなわち、本発明においてトナーは電子写真プロセス、特に現像同時クリーニング方法、クリーナレス画像形成方法等のクリーナーレスプロセスを用いたシステムにおいて有効である。すなわち、クリーナーレスプロセスのその原理は、電子写真各工程における感光体上のトナーの帯電極性及び帯電量を制御することと、反転現像方法を用いることが重要である。
【0049】
例を挙げて説明すると、マイナス帯電性の感光体及びマイナス帯電性のトナーを用いた場合、その転写工程において、プラス極性の転写部材によって可視化された像を転写材に転写することになるが、転写材の種類(厚み、抵抗、誘電率等の違い)と画像面積等の関係により、転写残余のトナーの帯電極性がプラスからマイナスまで変動する。しかし、マイナス帯電性の感光体を帯電する際のマイナス極性の帯電部材により、感光体表面と共に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてプラス極性に振れていたとしても、一様にマイナス側へ帯電極性を揃えることが出来る。これゆえ、現像方法として反転現像を用いた場合、トナーの現像されるべき明部電位部にはマイナスに帯電された、転写残余のトナーが残り、トナーの現像されるべきでない暗部電位には、現像電界の関係上、トナー担持体の方に引き寄せられ、暗部電位をもつ感光体上にトナーは残留しない。
【0050】
このように、転写残余のトナーの帯電極性を制御することにより、現像同時クリーニング、クリーナレス画像形成方法が成立するわけであるが、このトナーの帯電極性を制御する工程において、感光体帯電部材によりトナーあるいは現像剤の劣化が促進されており、画質の劣化を引き起こしていることが判明した。
【0051】
その劣化の詳細であるが、例えば、コロナ帯電器を感光体帯電部材として用いた場合、先ず、コロナ帯電線により発生した電離イオンが感光体表面に導かれ、感光体表面に付着することにより表面に電位をもつ。このとき、感光体上にトナーが存在すれば、このコロナシャワーに晒されることにより、トナーも同時に感光体帯電極性と同極性に帯電される。これら電離イオンは化学的活性が非常に高いと考えられ、転写残余のトナーについてコロナシャワー、又は放電の影響をみると、感光体帯電部材を通過するトナーが帯電極性制御される際、化学的影響を受けて耐久特性、画像品質特性等に悪影響を与えていることが判明した。
【0052】
従来は、ブレード又は、ファーブラシなどのクリーニング部材により、転写残余のトナーが感光体上からクリーニングされており、感光体帯電の影響がトナーあるいは、現像剤に及ぶことはなかったものと考えられる。このため、感光体上に存在するトナーの帯電による化学的影響を考慮にいれた検討は行われていなかった。しかし、現像同時クリーニング、クリーナレス画像形成方法においては、感光帯電部材の影響を受けたトナーが現像器に回収、再利用されるため、これらの化学的影響を考慮にいれる必要性があることが判明した。
【0053】
本発明者らは、様々なトナーについて鋭意検討を行い、現像同時クリーニング、クリーナレス画像形成方法においては、トナー中に含まれる残存モノマーの含有量とこれら耐久特性、画像品質特性に密接なつながりのあることを見い出した。すなわち、残存モノマーによる作用は、以下のようなものと考えられる。例えば、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を主たる成分とするトナーの場合、残存モノマーは、トナー中に存在し、トナーのガラス転移点あるいはガラス転移点周辺の熱的挙動に影響を与える。モノマーは低分子量成分であるためにトナー全体を可塑化する方向に働く。一方、放電又はコロナシャワーに晒されたトナーについては、その活性種により、結着樹脂が影響を受ける。例えば、樹脂中の分子鎖が切断されることで樹脂分解物が生成し、低分子量分を生じたり、あるいは、逆に樹脂分解物が更に重合反応を促進していくなどが考えられる。一方、トナー中の残存モノマーは、感光体帯電部材により発生する活性種により、活性化するものと考えられる。
【0054】
このように、トナー中にはこれらに起因する反応性低分子量分が存在するため、これらが拮抗あるいは競合するものと考えられる。又、トナー中に含まれる荷電制御剤も比較的電子の授受に富む化合物であり、明瞭な原因の総ては掴みきれてはいないが、残存モノマーが存在することで、トナー中の反応性低分子量分の拮抗、競合の関係が変化することが示唆される。つまり、残存モノマーの影響でトナー表面の特性が徐々に変化することにより、トナーの流動性、帯電性が変化し、耐久により画像濃度の変化、カブリの発生、フィルミング等の問題が生じる。
【0055】
トナー中の残存モノマー含有量という観点から現象を解析すると、1000ppmよりも少なければ、耐久特性上の性能が良好であり、1000ppmを超える範囲のトナーを用いると、耐久特性及び画像特性の点で実用上不十分である。望ましくは、残存モノマー量が、500ppm以下であると、耐久特性、画像品質特性が良好となり、300ppm以下であると更に良好な結果が得られる。本発明に供せられるトナー中の残存モノマーの定量方法については後述する。
【0056】
又、本発明においては、トナーの形状係数SF−1が100〜130であるものが好適に用いられる。さらに好ましくは、SF−1が100〜120である。本発明に用いられる形状係数を示すSF−1は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用いトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(LUSEX3)に導入し解析を行い下式より算出し得られた値を本発明においては形状係数SF−1と定義した。
【0057】
【数1】
MXLNG:トナーの最大径
AREA :トナーの投影面積
【0058】
トナーの形状係数SF−1は球形度合を示し、130より大きいと、球形から徐々に不定形となる。トナー形状の作用効果としては、できるだけ、トナー表面に対する感光体帯電部材の影響を低め、トナー中に反応性低分子量成分の生成を抑さえることである。すなわち、トナー表面積のなるべく小さい球形が好ましい。
【0059】
トナーの一部又は、全体が重合法により形成されたトナーを用いることにより発明の効果を高めることが出来る。特に、トナー表面部分を重合法により形成されたトナーについては、分散媒中にプレドナー(モノマー組成物)粒子として存在させ、必要な部分を重合反応により生成するため、表面性については、かなり平滑化されたものを得ることが出来る。この平滑さの作用効果は、電界がいわゆる尖った部分に集中する傾向があることに集約される。
【0060】
すなわち、感光体帯電工程を経たトナーについては、いわゆる凸凹のあるトナーについては、凸部分にコロナシャワーあるいは放電が集中しその部分を特異的に劣化する特性をもつのに対し、平滑であればコロナシャワーあるいは放電の集中するところがないので劣化しにくいと考えられる。
【0061】
SF−1が130を超えると、カブリが増えたり、耐久性が若干劣る場合がある。さらには、トナーにコア/シェル構造をもたせ、シェル部分を重合により形成されたようなトナーを用いることで、本発明に用いられるトナーをさらに容易に製造することが出来る。この意味で、本発明には、コア/シェル構造を有するトナーが好ましく用いられる。コア/シェル構造の作用は、トナーの優れた定着性を損なうことなく耐ブロッキング性を付与できることは言うまでもなく、コアを有しないようなバルクとしての重合トナーに比較して、シェル部分のみを重合するほうが、重合工程の後の後処理工程において、残存モノマーの除去が容易に行われるからである。
【0062】
また、コア部の主たる成分としては低軟化点物質が好ましく、ASTM D3418−8に準拠し測定された主体極大ピーク値が、40〜90℃を示す化合物が好ましい。極大ピークが40℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として高温オフセット性が弱くなり好ましくない。一方、極大ピークが、90℃を超えると定着温度が高くなり、好ましくない。更に直接重合方法によりトナーを得る場合においては、水系で造粒・重合を行うため極大ピーク値の温度が高いと主に造粒中に低軟化点物質が析出してきて懸濁系を阻害するため好ましくない。
【0063】
本発明の極大ピーク値の温度の測定には、例えばパーキンエレマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用にに空パンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定を行なった。
【0064】
具体的にはパラフィンワックス,ポリオレフィンワックス,フィッシャートロピッシュワックス,アミドワックス,高級脂肪酸,エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/フロック化合物等が利用できる。
【0065】
また、低軟化点物質はトナー中へ5〜30質量%添加することが好ましい。仮に5質量%未満の添加では先に述べた残存モノマーの除去に負担がかかり、又30質量%を超える場合は、重合法による製造においいても造粒時にトナー粒子同士の合一が起きやすく、粒度分布の広いものが生成しやすく、本発明には不適当であった。
【0066】
本発明に使用されるトナーの結着剤樹脂としては、具体的には例えばポリスチレン、ポリ−P−クロルスチレン、ポリビニルトルエン、と言ったスチレンおよびその誘導体から得られる高分子化合物、スチレン−P−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリルーインデン共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族シアルコール類、ジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂、架橋したスチレン系樹脂および架橋したポリエステル樹脂等を挙げることができる。
【0067】
スチレン−アクリル系共重合体に使用される重合可能な単量体としては具体的には例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドと言ったエチレン性2重結合を有するアクリル酸エステル類、例えばマレイン酸、マレイン酸ブチル、と言ったマレイン酸のハーフエステル、およびジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルプチルエーテルと言ったビニルエステル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン、と言ったビニルケトン類を挙げることができる。
【0068】
上述した架橋剤としては、主として不飽和結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体的には例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、と言った不飽和結合を2個有するカルボン酸エステル、ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物、および不飽和結合を3個以上有する化合物を単独若しくは混合して使用することができる。上述の架橋剤は、結剤着樹脂に対して、0.01から10質量%、好ましくは0.05から5質量%で使用するのが好適である。
【0069】
加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着トナー用結剤着樹脂を使用することが可能であり、具体的には例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエステル、パラフィンおよび他のワックス類を挙げることができる。
【0070】
本発明に使用されるトナーには、荷電制御剤をトナーに配合して使用することもできる。荷電制御剤の添加によって現像システムに応じた最適の帯電量とすることができる。かかる正荷電制御剤としてはニグロシン、及び脂肪酸金属塩誘導体、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフロロボレートと言った4級アンモニウム塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスシオキサイドと言った、シオルガノスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートを単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。上述した荷電制御剤のうち特に、ニグロシン系、4級アンモニウム塩と言った荷電制御剤が好適である。
【0071】
また、本発明では負荷電制御剤を使用することもでき、具体的には例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシャルブチルサリチル酸クpムを挙げることができる。特にアセチルアセトンの金属錯体(モノアルキル置換体、ジアルキル置換体を包含する)、サリチル酸系金属錯体(モノアルキル置換体、ジアルキル置換体を包含する)、またはそれらの塩が好ましく、特にはサリチル酸系金属塩が好適である。上述の荷電制御剤はトナーに添加する際には、結着剤樹脂に対して0.1〜20質量部、より好ましくは0.2〜10質量部で使用されることが好適である。特にカラー画像形成に使用される場合には無色若しくは淡色の荷電制御剤を使用することが好ましい。
【0072】
本発明で使用されるトナーに添加することができる着色剤としては、従来知られている染料及び顔料を使用することができ、具体的には例えばカーボンブラック、マグネタイト、フタロシアニンブルー、ピーコックブルー、パーマネントレッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、バンザイエロー、パーマネントイエロー、ヘンジジンイエロー等を使用することができる。その際の添加料としては、結着剤樹脂に対して0.1〜20質量%好ましくは0.5〜20質量部、さらにはトナー像の好適なOHPフィルムの透過性を考慮すると12質量%以下の範囲で使用されるのが好ましく、通常0.5〜9質量%であるのが最も好適である。
【0073】
本発明のトナーにはさらに熱ロール定着時の雛型性を向上させる目的でポリエチレン、ポリプロピレン、マイクロクリスタリングワックス、カルテバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックスなどのワックス成分を添加することもできる。
【0074】
本発明に使用されるトナーにはシリカ、アルミナ、酸化チタン、ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーンと言った微粉末を添加することが好適である。トナーに対して上述した微粉末を添加することによって、トナーとキャリア、あるいはトナー相互の間に微粉末が存在することになり、現像剤の流動性が向上され、さらに現像剤の寿命も向上されることになる。上述した微粉末の平均粒径は0.2μm以下であることが好ましい。平均粒径が0.2μmを超えると流動性向上の効果がなくなり、トナー現像、転写時の不良等により画質を低下させてしまう場合がある。これら微粉末の平均粒径の測定は後述する。
【0075】
また、これら微粉末の表面積としては、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良好である。かかる微粉末の添加量は、トナー粒径に合わせてトナー100質量%に対して0.1〜20質量%で使用することが好適である。
【0076】
本発明に用いられるトナーを粉砕法で製造する方法は、ビニル系、非ビニル系の熱可塑成樹脂、着色剤、荷電制御剤、その他の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーと言った混練機を用いて溶融、混練して樹脂類を十分に混合して、その中に顔料、若しくは染料を分散させる。これを冷却後、粉砕分級を行なってトナー粒子を得ることができる。本発明におけるトナーの分級方法として好ましくは、慣性力を利用した多分割分級装置を用いる。この装置を用いることにより、本発明の粒度分布を有するトナーを効率的に製造できる。
【0077】
発明に用いられるトナーの製造方法に直接重合方法を用いる場合は、具体的には以下のようにして製造することが可能である。
【0078】
単量体中に低軟化物質からなる雛型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイサー・超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイサー等により分散せしめる。好ましくは単量体組成物からなる液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
【0079】
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、耐久特性向上の目的で、未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。得られたトナーは分級して粒度分布を制御しても良く、その方法として好ましくは、慣性力を利用した多分割分級装置を用いる。この装置を用いることにより、本発明の粒度分布を有するトナーを効率酌に製造できる。
【0080】
また、トナー中に低軟化点物質を内包化せしめる具体的方法としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量体より低軟化点物質の方を小さく設定し、更に少鐙の極性の大きな樹脂又は単錯体を添加せしめることで低軟化点物質を外殻樹脂で被覆したいわゆるコア/シェル構造を有するトナーを得ることができる。トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件例えばローターの周速・パス回数・撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形状又は、水溶液中での固形分濃度等を制御することにより可能となる。本発明に用いられるトナーの外殻樹脂としては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)アクリル共重合体,ポリエステノレ樹脂,エポキシ樹脂,スチレン−ブタジエン共重合体を利用する事が出来る。重合法による直接トナーを得る方法においては、それらの単量体が好ましく用いられる。外殻樹脂成分の数平均分子量(Mn)は、5000〜1000000が好ましく、また重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2〜100が好ましい。
【0081】
外殻樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。異体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、更に低軟化、点物質は溶解するがシェル有樹脂は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホルム等を加え十分洗浄を行った後、THF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶液をボア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801,802,803,804,805,806,807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。
【0082】
本発明において用いられるトナーがコア/シェル構造を有する場合、その製造方法としては、外殻樹脂で低軟化点物質を内包化せしめるため外殻樹脂の他に更に極性樹脂を添加せしめることが特に好ましい。本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイン酸共重合体,飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、シェル樹脂又は単量体と反応しうる不飽和基を分子即に含まないものが特に好ましい。仮に不飽和基を有する極性樹脂を含む場合においてはシェル樹脂層を形蔵する単・錯体と架橋反応が起き、特に、フルカラー用トナーとしては、極めて高分子簸になり四色トナーの混色には不利となり好ましくない。
【0083】
また、本発明においては、外殻構造を有するトナーの表面にさらに重ねて重合法により最外殻樹脂層を設けても良い。
【0084】
上述の最外殻樹脂層のガラス転移温度は、耐ブロッキング性のさらなる向上のため外殻樹脂量のガラス転移温度以上に設計されること、さらに定着性を損なわない程度に架橋されていることが好ましい。また、蓄亥外殻樹鮨層には帯電性向上のため概性樹脂や荷電制御剤が含有されていることが好ましい。
【0085】
本発明に燭いられるトナーに外添剤として微粉末を処理する場合は、ヘンシェルミキサー等の混合機を使用して行うことができる。このようにして得られたトナーは本発明のキャリア粒子と混合されて2成分現像剤とされる。上述の2成分現像剤を形成する場合、現像プロセスにも依存するが典型的には現像剤中のトナーの割合が1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲であることが好適である。またかかる2成分現像剤の摩擦帯電量としては5〜100μC/gの範囲であることが好適であり、最も好ましくは5〜60μC/gである。なお本発明で使用した摩擦帯電量の測定条件については後述する。
【0086】
本発明のような、比較的低磁気力の磁性キャリアを用いる場合、現像剤担持体の回転と潜像担持体の回転が互いにカウンター方向である現像方式を好ましく用いることができる。この方式では、現像剤担持体の回転と潜像担持体の回転が互いに順方向である現像方式に比較して、同じプロセススピードでは、潜像担持体の一部分に対して接する現像剤磁気ブラシの量、すなわちトナーの絶対量が増えるため、高画像濃度でドット抜けのない高品位画像が期待できる。
【0087】
磁気力の高い磁性キャリアでは、現像剤担持体の回転と潜像担持体の回転が互いにカウンター方向である現像方式を用いて、本発明のごとき接触二成分系AC現像を行う場合、現像剤担持体の回転と潜像担持体の回転が互いに順方向である現像方式に比較して、剛直な現像剤磁気ブラシにより画像にスジ目があらわれるいわゆるスキャベンジングが起こりやすくなる。これは、現像剤磁気ブラシが潜像及び潜像に乗ったトナーに、より衝撃力が強く接するためである。しかし、本発明のような比較的低磁気力の磁性キャリアの場合は、現像剤磁気ブラシが比較的ソフトに潜像担持体及びトナー画像に接するため、スキャベンジングが起こりにくい。
【0088】
本発明の画像形成方法における接触二成分系AC現像方式で、現像剤磁気ブラシに印加する交番電界は500Hz〜5000Hzであることが好適である。印加する交番電界が500Hz未満である場合、いかに本発明のごとき実質的に高抵抗の磁性キャリアであっても、磁性キャリアを通じて電荷が潜像担持体に注入されてしまい、キャリア付着してしまう場合があった。また、印加する交番電界が5000Hzを超える場合、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0089】
印加する交番電界としては、従来の正弦波、三角波あるいは矩形波を用いることができるが、波形を適切に制御した交番電界を用いることもできる。例えば、潜像担持体から現像剤担持体にトナーを向かわせる第1電圧と現像剤担持体から潜像担持体にトナーを向かわせる第2電圧と、該第1電圧と第2電圧の間の第3電圧で波形のパターンを形成させるような交番電界を用いることができるが、このような場合も、その波形の繰り返しパターン1周期に対して周波数が本発明における交番電界の周波数の範囲、すなわち500Hz〜5000Hzであることが好適である。
【0090】
また、本発明の画像形成方法においては現像剤担持体は、その表面形状が
0.2μm≦中心線平均粗さ(Ra)≦5.0μm
10μm≦凹凸の平均間隔(Sm)≦80μm
0.05≦Ra/Sm≦0.5
上記条件を満足することが好ましい。
【0091】
Ra及びSmとは、JIS−B0601及びIS0468に記載される中心線平均粗さ及び凹凸の平均間隔を規定する値で次式により求められる。
【0092】
【数2】
【0093】
【数3】
【0094】
Raが0.2μmより小さいと、現像剤の搬送性が不十分なため耐久による画像むらや画像の濃度むらが発生しやすくなる。Raが5μmを超えると、現像剤の搬送性には優れるものの、ブレード等の現像剤搬送量規制部における規制力が大きくなりすぎるために外部添加剤が摺擦による劣化を受けて耐久時の画質が低下する。
【0095】
Smが80μmより大きくなると、現像剤担持体上への現像剤が保持されにくくなるために画像濃度が低くなってしまう。このSmの与える原因について詳細は不明であるが、現像剤担持体の搬送量規制部等で現像剤担持体との滑りが起こっていることから、凹凸の間隔が広くなりすぎると現像剤が密にパッキングされた塊として作用し、その力が現像剤担持体−現像剤間の保持力を上回ると考えられる。Smが10μm未満であると、担持体表面の凹凸の多くが現像剤平均粒径より小さくなるため、凹部に入り込む現像剤の粒度選択性が生じ、現像剤微粉成分による融着が発生しやすくなる。また製造的にも困難である。
【0096】
さらに上記の観点より現像剤担持体上の凸部の高さと凹凸の間隔から求められる凸・凹の傾斜(≒f(Ra/Sm))が本発明の場合重要な原因となる。本発明では
0.05≦Ra/Sm≦0.5
であることが好ましく、より好ましくは0.07以上0.3以下である。
【0097】
Ra/Smが0.05未満であると、現像剤の現像剤担持体上への保持力が弱いため現像剤担持体へ現像剤が保持されにくくなるので現像剤規制部で搬送量が制御されず、結果として画像むらが生じる。Ra/Smが0.5を超えると、現像剤担持体表面の凹部に入った現像剤が他の現像剤と循環しにくくなるため現像剤融着が発生する。
【0098】
現像剤担持体の長さ方向にさらに溝(いわゆるローレット)を数本加工せしめることで、さらに流動性に優れた現像剤をも現像剤担持体に均一にコーティングすることが容易になった。
【0099】
本発明におけるRa及びSmの測定は、接触式表面粗さ測定器SE−3300(小坂研究所社製)を用い、JIS−B0601に準拠して行った。
【0100】
本発明の所定の表面粗さを有する現像剤担持体を製造する方法としては、例えば不定形・定形粒子を砥粒として用いたサンドブラスト法、スリーブ円周方向に凹凸を形成するためにサンドペーパーでスリーブ面を軸方向に擦るサンドペーパー法、化学処理による方法、弾性樹脂でコート後樹脂凸部を形成する方法等を用いることができる。
【0101】
以下に本発明で使用する種々の測定方法を記載する。
【0102】
本発明で使用したキャリア粒径の測定方法を記載する。本発明のキャリアの粒径は、走査電子顕微鏡(100〜5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上のキャリア粒子300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもってキャリア粒径として測定し、個数平均粒径を算出するものとする。
【0103】
本発明で使用するキャリアの磁気特性は理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定する。キャリア粉体の磁気特性値は1キロエルステッドの外部磁場を作り、そのときの磁化の強さを求める。キャリアは円筒状のプラスチック容器に十分密になるようにパッキングした状態に作製する。この状態で磁化モーメントを側足し、試料を入れたときの実際の重量を測定して、磁化の強さを求める。(emu/g)ついで、キャリア粒子あ真比重を乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所(株)社製)により求め、磁化の強さ(emu/g)に真比重を掛けることで本発明の単位体積あたりの磁化の強さ(emu/cm3)を求める。
【0104】
本発明に用いられる磁性キャリアの比抵抗の測定はハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード製)で測定した値を示した。
【0105】
また、本発明で使用する金属酸化物粒子の粒径測定方法を以下に記載する。本発明の金属酸化物粒子の個数平均粒径は、日立製作所(株)社製透過型電子顕微鏡H−800により5000〜20000倍に拡大した写真画像を用い、ランダムに粒径0.01μm以上の粒子を300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもって金属酸化物粒子粒径として測定し、平均か処理して個数平均粒径を算出するものとする。
【0106】
以下に、本発明で使用するトナー粒径測定の具体例を示す。純水100〜150m1に界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、レーザースキャン粒度分布アナライザーCIS−100(GALAI社製)を用いて粒度分布等を測定する。本発明では0.5μm〜60μmの粒子を測定して、この条件で測定した個数平均粒径、標準偏差をコンピュータ処理により求め、更に個数分布の変動係数を計算によりを求める。
【0107】
本発明に用いられるトナー中の残存モノマーの定量方法については、トナー0.2gをTHF4mlに溶解し、ガスクロマトグラフィーにて以下の条件で内部標準法により測定した。
【0108】
【0109】
本発明で用いられるトナーの摩擦帯電量の測定方法を記載する。ポリビンにトナーとキャリアをトナー濃度が5質量%となるように混合し、ヤヨイ式振とう機で120秒間混合する。この混合粉体(現像剤)を底部に635メッシュの導電性スクリーンを装着した金属製の容器にいれ、吸引機で吸引し、エレクトロメーターに表示された値と容器内の重量変化から摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を250mmHgとする。この方法によって、トナーの摩擦帯電量Qを下記式を用いて算出する。
Q(mC/kg)=Q’/(W1−W2)
(式中W1は吸引前の重量でありW2は吸引後の重量であり、Q’はエレクトロメーターに表示された値である。)
【0110】
本発明で用いた静電潜像担持体の表面抵抗の測定方法について述べる。潜像担持体表面に、有効電極長さ2cmで、電極問距離120μmのくし型電極を金蒸着し、抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4140BpAMATER)にて100Vの電圧を印加させて測定する。
【0111】
【実施例】
以下に本発明を実施例をもって具体的に説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
【0112】
[キャリアの製造例]
(磁性キャリアA)
フェノール 10質量部
ホルムアルデヒド溶液 6質量部
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
親油化処理したバリウムフェライト 100質量部
上記材料と、28%アンモニア水、水をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分闘で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)で180℃で乾燥して、球状のキャリアコア粒子(a)を得た。次いで上記で得られたキャリアコア粒子(a)100質量部、フェノール0.5質量部、ホルマリン溶液0.75部、親油化処理α−Fe2O32質量部、28質量%のアンモニア水0.2質量部、及び水50質量部をフラスコにいれ、撹拌、視含しながら40分間で85℃まで昇温、保持し、3時閥反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、50質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、水洗し、風乾した、次いで減圧下(5mmHg以下)に170℃で乾燥して、表面をフェノール樹脂でコートしたキャリアコア粒子(b)を得た。また、このキャリアコア粒子の切断面を冊−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Fe2O3からなるコート層が形成されていることが判粥した。
【0113】
上記で用いたバリウムフェライト粉(個数平均粒径0.25μm)及びα−Fe2O3(個数平均粒径0.60μm)はそれぞれ、0.5質量%のシラン系カップリング剤[3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン]を加え、容器内で100℃以上で、高速混合撹拌して金属酸化物粒子の親油化処理を行った。
【0114】
更に、上記で得られたキャリアコア粒子(b)の表面に、以下の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂をコートした。キャリアコア粒子(b)の表面のコート樹脂量が0.5質量%になるように、トルエンを溶媒として10質量%のキャリアコード溶液を作製した。次にキャリアコア粒子(b)に剪断応力を連続して加えながらコート溶液を滴下した後、溶媒を揮発させて、キャリアコア表面へのコートを行った。このコート磁性キャリア粒子を160℃で2時間熱処理した後、放冷する。次に凝集したキャリアを解砕し、更に200メッシュの篩で分級して、磁性キャリア(A)を得た。
【0115】
得られた磁性キャリア粒子の個数平均粒径は36.5μmであった。また、キャリアの切断面をFE−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Fe2O3からなるコート層とさらにその上にシリコーン樹脂層が形成されていることが判明した。
【0116】
得られた磁性キャリア粒子(A)を10キロエルステッドの磁場中で磁化したのち、磁気特性を測定した。10キロエルステッドにおける飽和磁化は175emu/cm3であり、残留磁化は112emu/cm3、保持力2680エルステッドであった。磁性キャリア粒子の真比重は3.68g/cm3であった。磁性キャリア粒子の比抵抗は、25V印加時には3.6×1016Ω・cm,l00V印加時には7.5×1015Ω・cm,500V印加時には9.2×1014Ω・cmであった。
【0117】
(磁性キャリアB)
フェノール 10質量部
ホルムアルデヒド溶液 6質量部
(ホルムアルデヒド40%、メタノールー0%、水50%)
親油化処理したストロンチウムフェライト 100質量部
上記材料と、28%アンモニア水、水をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)で180℃で乾燥して、球状のキャリアコア粒子(c)を得た、次いで、上記で得られたキャリアコア粒子(c)100質量部、フェノール0.5質量部、ホルマリン溶液0.75部、親油化処理α−Fe2O31.5質量部、28質量%のアンモニア水0.2質量部、及び水50質量部をフラスコにいれ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温、保持し、3時間、反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、50質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、水洗し、風乾した。次いで減圧下(5mmHg以下)に30℃で乾燥して、表面をフェノール樹脂でコートしたキャリアコア粒子(d)を得た。
【0118】
キャリアコア粒子の切断固をFE−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Pe2O3からなるコート層が形成されていることが判明した。
【0119】
尚、上記で用いたストロンチウムフェライト粉(個数平均粒径0.25μm)及びα−Fe2O3(個数平均粒径0.60μm)はそれぞれ・1つ質量%のシライ系カップリング剤〔3−(2−アミノェチルアミノプロピル)ジメトキシシラン〕を加え、容器内で100℃以上で、高速混合撹拌して金属酸化物粒子の親油化処理を行ったものである。
【0120】
次に、上記で得られたキャリアコア粒子(d)の表面に、以下の方法で熱硬化催のシリコーン樹脂をコートした。キャリアコア粒子(d)の表面のコート樹脂量が0.5質量%になるように、シリコーン樹脂を秤取した。次にシラン系カップリング剤として3−アミノプロピルトリメトキシシランを、上述のシリコーン樹脂固形分量の3質量%となるように秤取して添加した。次にトルエンを溶.娘としてシリコーン樹脂溶液の樹脂固形分濃度が10質量%になるように希釈してキャリアコード溶液を作製した。
【0121】
次にキャリアコア粒子(d)に剪断応力を連続して加えながら上記のコート溶液を滴下した後、溶媒を揮発させて、キャリアコア表面へのコートを行った。このコート磁性キャリア粒子を160℃で2時間熱処理した後、放冷する。次に凝集したキャリアを解砕し、更に200メッシュの篩で分級して、磁性キャリア(B)を得た。得られた磁性キャリア粒子の個数平均粒径は37.3μmであった。また、キャリアの切断層をFE−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Fe2O3からなるコート層とさらにその、上にシリコーン樹脂層が形成されていることが判明した。
【0122】
得られた磁性キャリア粒子(B)を10キロエルステッドの磁場中で磁化したのち、磁気特性を測定した。10キロエルステッドにおける飽和磁化は150emu/cm3であり、残留磁化は90emu/cm3、保持力2200エルステッドであった。磁性キャリア粒子の真比重は3.66g/cm3であった。磁性キャリア粒子の比抵抗は、25V印加時には3.5×1016Ω・cm,100V印加時には9.3×1015Ω・cm,500V印加時には4.9×1015Ω・cmであった。
【0123】
(磁性キャリアC)
フェノール 7質量部
ホルマリン溶液 10.5質量部
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
親油化処理したバリウムフェライト粉 73質量部
親油化処理したα−Fe2O3 15質量部
上記材料と塩基性触媒として28質量%アンモニア水2質量部、および水15質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、100質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に70℃で乾燥して、バリウムフェライトとα−Fe2O3とをフェノール樹脂をバインダーとして結合した球状のキャリアコア(e)を得た。
【0124】
次いで上記で得られたキャリアコア粒子(e)100質量、フェノール0.5質量部、ホルマリン溶液0.75部、親油化処理α−Fe2O31.5質量部、281質量%のアンモニア水0.2質量部、及び水50質量部をフラスコにいれ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温、保持し、3時間尺.応・磁化させた、その後、30℃まで冷却し、50質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、水洗し、風乾した。次いで減圧下(5mmHg以下)に170℃で乾燥して、表面をフェノール樹脂でコートしたキャリアコア粒子(f)を得た。また、キャリアの切断面をFE−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Fe2O3からなるコート層が形成されていることが判明した。
【0125】
尚、上記で用いたバリウムフェライト粉(個数平均粒径0.25μm)及びα−Fe2O3(個数平均粒径0.60μm)はそれぞれ、20質量%のチタン系カップリング剤(イソプロピルトリトデシルベンセンスルホニルチタネート)を加え、容器内で100℃以上で、高速混合撹拌して金属酸化物粒子の親油化処理を行ったものである。
【0126】
次に、上記で得られたキャリアコア粒子(f)の表面に、以下の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂をコートした。まず、キャリアコア粒子(f)の表面のコート樹脂量が0.5質量%になるように、シリコーン樹脂を秤取し、次にシラン系カップリング剤としてn−プロピルトリメトキシシランを上述のシリコーン樹脂固形分量の3質量%となるように秤取して添加した。次にトルエンを溶媒としてシリコーン樹脂溶液の樹脂固形分濃度が10質量%になるように希釈してキャリアコード溶液を作製した。
【0127】
次にキャリアコア粒子(f)に剪断応力を連続して加えながら上記のコート溶液を滴下した後、溶媒を揮発させて、キャリアコア表面へのコートを行った。このコート磁性キャリア粒子を160℃で2時間熱処理した後、放冷する。次に凝集したキャリアを解砕し、更に200メッシュの篩で分級して、磁性キャリア(C)を得た。得られた磁性キャリア粒子の個数平均粒径は42.0μmであった。キャリアの切断面をFE−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Fe2O3からなるコート層とさらにその上にシリコーン樹脂層が形成されていることが判明した。
【0128】
得られた磁性キャリア粒子(C)を10キロエルステッドの磁場中で磁化したのち、磁気特性を測定した。工0キロエルステッドにおける飽和磁化は144emu/cm3であり、残留磁化は81emu/cm3、保持力2150エルステッドであった。磁性キャリア粒子の真比重は3.65g/cm3であった。磁性キャリア粒子の比抵抗は、25V印加時には8.8×1015Ω・cm,100V印加時には6.8×1015Ω・cm,500V印加時には7.5×1015Ω・cmであった。
【0129】
(磁性キャリアD)
フェノール 10質量部
ホルムアルデヒド溶液 6質量部
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
親油化処理したマグネタイト 100質量部
上記材料と、28%アンモニア水、水をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)で180℃で乾燥して、球状のキャリアコア粒子(g)を得た。
【0130】
上記で用いたマグネタイト粉(個数平均粒径0.24μm)1..0質量%のシラン系カップリング剤[3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン]を加え、容器内で100℃以上で、高速混合撹拌して親油化処理を行った。
【0131】
更に、上記で得られたキャリアコア粒子(g)の表面に、キャリアAと同様の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂をコートして、磁性キャリア(D)を得た。キャリアの切断面をFE−SEM観察したところ、バインダー樹脂とマグネタイトからなるコア粒子の表面にシリコーン樹脂層が形成されていることが判明した。
【0132】
得られた磁性キャリア粒子の個数平均粒径は36.0μmであった。得られた磁性キャリア粒子(D)の磁気特性を測定した。10キロエルステッドにおける飽和磁化は213emu/cm3であり、残留磁化は22emu/cm3、保持力は0エルステッドであった。磁性キャリア粒子の真比重は3.67g/cm3であった。磁性キャリア粒子の比抵抗は、25V印加時には3.9×109Ω・cm,100V印加時には6.5×108Ω・cm,500V印加時には5.0×107Ω・cmであった。
【0133】
(磁性キャリアE)
Fe2O3 26.4質量部
CuO 12.0質量部
Zn〇 52.7質量部
になるように秤量し、ボールミルを用いて混合を行った。
【0134】
これを仮焼した後、ボールミルにより粉砕を行い、さらにスプレードライヤーにより造粒を行った。これを焼結し、さらに分級してキャリアコア粒子を得た。このキャリアコアに、スチレン−メタクリル酸2−エチルヘキシル共重合体(共重合比:50/50)をコート量0.5質量%になるようトルエンを溶媒として流動床式塗布装置スピラコーター(岡田精工社製)を用いてコートを行い、150℃で1時間流動床中で乾燥した後、解砕し、更に200メッシュの篩いがけによる分級を行って磁性キャリア(E)を得た。得られたキャリア粒子の粒径は、45.0μmであった。得られた磁性キャリア粒子(E)の磁気特性を測定した。10キロエルステッドにおける飽和磁化は282emu/cm3であり、残留磁化は0emu/cm3、保持カは0エルステッドであった。磁性キャリア粒子の真比重は4.88g/cm3であった。磁性キャリア粒子の比抵抗は、25V印加時には7.3×1012Ω・cm,100V印加時には6.3×1010Ω・cm,500V印加時には5.2×109Ω・cmであった。
【0135】
なお、それぞれのキャリアの諸物性を表1に示す。
【0136】
[トナー製造例]
(重合トナーの製造例A)
イオン交換水710gに、0.1M−Na3PO4水溶液450gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工薬製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68gを徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
【0137】
一方、
上記処方を60℃に加湿阯し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0138】
前記、水系媒体申に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加え、リン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、シアン着色懸濁粒子を得た。
【0139】
得られた着色粒子は個数平均粒径(D1)が5.3μmであり、変動径数離であった。
【0140】
得られた着色粒子は個数平均粒径(D1)が5.3μmであり、変動係数が18%であった。
【0141】
得られた着色粒子100質量部に対して、BET法による比表面積が、200m2/gである疎水性シリカを0.5質量部外添し、懸濁重合トナーAを得た。このシアントナーの個数平均粒径及び変動係数は実質的に外添前と同等であった。また、得られたトナーの形状係数SF−1は114であり、残存モノマー量は425ppmであった。
【0142】
(重合トナーの製造例B)
イオン交換水710gに、0.1M−Na3PO4水溶液450gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68gを徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
【0143】
一方、
上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0144】
前記、水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分間擾枠し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、製造例Aと岡−条件の減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、シアン着色懸濁粒子を得た。得られた着色粒子は個数平均粒径(D1)が5.5μmであり、変動係数19%であった。得られた着色粒子100質量部に対して、BET法による比表面積が、200m2/gである疎水化処理酸化チタンを2つ質量部外添し、懸濁重合トナーBを得た。このシアントナーの個数平均粒径及び変動係数は実質的に外添前と同等であった。得られたトナー得られたトナーの形状係数SF−1は108であり、残存モノマー盤は463ppmであった。
【0145】
[重合トナーの製造例C]
イオン交換水710gに、0.1M−Na3PO4水溶液450gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68gを徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
【0146】
一方、
上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,21−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0147】
前記、水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃に昇温し、6時間反応させた。重合反応終了後、冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、シアン着色懸濁粒子を得た。得られた着色粒子は個数平均粒径(D1)が5.0μmであり、個数分布の変動係数は41%であった。
【0148】
得られた着色粒子100質量部に対して、BET法による比表面積が、200m2/gである疎水化処理酸化チタンを1.5質量部外添し、懸濁重合トナーCを得た。このシアントナーの個数平均粒径及び変動係数は実質的に外添前と同等であった。得られたトナー得られたトナーの形状係数SF−1は115であり、残存モノマー量は1700ppmであった。
【0149】
[粉砕トナーの製造例D]
四つ口フラスコに、窒素置換した水180質量部とポリビニルアルコールの0.2質量%水溶液20質量部を投入したのちに、スチレン77質量部、アクリル酸−n−ブチル22質量部ベンゾイルパーオキサイド1.4質量部、ジビニルベンゼン0.2質量都を加え、撹拌し懸濁液とした。この後、フラスコ内を窒素で置換した後に、80℃に昇温し同温度に10時間保持し重合反応を行った。
【0150】
該重合体を水洗した後に、温度を65℃に保ちつつ減圧環境にて乾燥し樹脂を得た。該樹脂を88質量%、合金属アゾ染料を2質量%、カーボンブラック7質量%、低分子量ポリプロピレン3質量%を固定槽式乾式混合機により混合し、ベント口を吸引ポンプに接続し吸引しつつ、二軸押し出し機にて溶融混練を行った。
【0151】
この溶融混練物を、ハンマーミルにて粗砕し1mmメッシュパスのトナー組成物の粗砕物をえた。さらに、この粗砕物を機械式粉砕機により、体積平均径20〜30μmまで粉砕を行った後に、旋回流中の粒子間衝突を利用したジェットミルにて粉砕を行った後、多段割分級機により、分級を行い黒色の着色粒子を得た。得られた粒子は個数平均粒径6.1μm、変動係数は28.2%であった。
【0152】
このトナー組成物100質量部に対して、疎水化処理した酸化チタン1.5質量部外添し、粉砕トナーDを得た。このシアントナーの個数平均粒径及び変動係数は実質的に外添前と同等であった。尚、トナー形状係数を測定したところ、SF−1は124であり、残存モノマー量は530ppmであった。
【0153】
(実施例1)
上述のようにして製造した磁性キャリアAと重合トナーAとをトナー濃度が8%となるように混合して現像剤を調製した。
【0154】
この現像剤をキヤノン製フルカラーレーザー複写機CLC−500改造機を用いて画像出しを行った。この現像部周辺の模式図を図1に示し、これをもって説明する。キヤノン製フルカラーレーザー複写機現像器の現像剤担持体(現像スリーブ)1と現像剤規制部材(磁性ブレード)8との距離Aを600μm、現像スリーブ1と静電潜像担持体(感光ドラム)2との距離Bを400μmとした。このときの現像ニップCは5mmであった。
【0155】
なお、現像スリーブは、CLC−500の現像器内で用いられている現像スリーブ(材質:SUS、日立金属社製、25φ)の表面をニューマプラスター(不二製作所製)を用いてサンドブラストし、Ra=2.1μm,Sm=29.6μmのブラストスリーブ(Ra/Sm=0.07)としたものを用いた。
【0156】
また、現像スリーブ1と感光ドラム2との周速比は2.2:1で進行方向が図1に示す通りお互いにカウンター方向であり、現像スリーブ1の現像極S1の磁場が1キロエルステッド、さらに現像条件は、交番電界は図2に示したような波形をもつ1800Vで周波数3000Hzのものを用い、現像バイアスは−300Vとなるように設定した。帯電部材3として、磁気ブラシで構成される接触帯電部材を用い、感光ドラムの暗部電位(Vd)は400V、明部電位(VL)は50Vとした。
【0157】
なお、感光ドラム2としてはφ80のネガ帯電性アモルファスシリコン系の感光体を用いた。この感光ドラムの表面抵抗は2.5×1013Ωであった。
【0158】
上記の現像条件で画像出しを行った。この結果、細線再現性に非常に優れ、ベタ画像の濃度が高い優れた画像が得られた。さらに、キャリア付着による画像部、非画像部の画像の乱れやトナーカブリは認められなかった。また、10万枚の画像出し耐久を行ったところ、初期とトナーの摩擦帯電量の変化もなく、画像の変化、劣化もなかった。また、10万枚耐久後の感光ドラム表面にはトナーフィルミングは認められなかった。
【0159】
(実施例2)
磁性キャリアBと重合トナーBとを実施例1と同様に現像剤化(トナー濃度8.0%)して、実施例1と同様の条件で画像出し、10万枚の画像出し耐久を行ったところ、実施例1と同様にキャリア付着やトナーカブリのレベルが良好で、画像濃度も十分であり、細線再現性の良い良好な結果が得られた。耐久後の画像劣化、トナーの摩擦帯電量の変化もほとんどなかった。
【0160】
(実施例3)
磁性キャリアCと重合トナーAとを実施例1と同様に現像剤化(トナー濃度8.0%)して、実施例1と同様の条件で画像出し、10万枚の画像出し耐久を行ったところ、実施例1と同様にキャリア付着やトナーカブリのレベルが良好で、画像濃度も十分であり、細線再現性の良い良好な結果が得られた。耐久後の画像劣化、トナーの摩擦帯電量の変化もほとんどなかった。
【0161】
(実施例4)
磁性キャリアAと粉砕トナーDとを実施例1と同様に現像剤化(トナー濃度8.0%)してこの現像剤を使い、キヤノン製アナログ複写機NP−5060改造機を用いて画像出しを行った。現像器の現像剤担持体(現像スリーブ)と現像剤規制部材(磁性ブレード)との距離を600μm、現像スリーブと静電潜像担持体(感光ドラム)との距離を400μmとした。このときの現像ニップは5mmであった。
【0162】
また、現像スリーブと感光ドラムとの周速比は2.0:1、現像スリーブの現像極の磁場が1キロエルステッド、さらに現像条件は、2000Vで周波数2000Hzの矩形波を用い、現像バイアスは150Vとなるように設定した。帯電部材としてコロナ帯電器を用い、感光ドラムの暗部電位(VD)は400V、明部電位(VL)は50Vとした。
【0163】
なお、感光ドラムとしてはφ30のポジ帯電性アモルファスシリコン系の感光体を用いた。この感光ドラムの表面抵抗は1.0×1013Ωであった。
【0164】
以上の条件で画像出し、10万枚の画像出し耐久を行ったところ、実施例1と同様にキャリア付着やトナーカブリのレベルが良好で、画像濃度も十分であり、細線再現性の良い良好な結果が得られた。耐久後の画像劣化、トナーの摩擦帯電量の変化もほとんどなかった。
【0165】
(比較例1)
磁性キャリアDと重合トナーAとを実施例1と同様に現像剤化(トナー濃度8.0%)して実施例1と同様の条件で画像出しを行ったところ、初期からトナーカブリが多く見られ、キャリア付着が悪く、画像出し耐久を行ったところ、耐久後はさらにトナーカブリが悪化し、細線再現性も悪くなり、3万枚耐久時に耐久中止した。3万枚耐久後のドラム表面には一部、トナーフィルミングが認められた。
【0166】
(比較例2)
磁性キャリアDと重合トナーCとを実施例1と同様に現像剤化(トナー濃度8.0%)して、実施例1と同様の条件で画像出しを行ったところ、初期からトナーカブリが多く見られ、キャリア付着が悪く、10万枚の画像出し耐久を行ったところ、耐久後はさらにトナーカブリが悪化し、細線再現性も悪くなった。
【0167】
(比較例3)
磁性キャリアEと重合トナーCとを実施例1と同様に現像剤化(トナー濃度5.5%)して、実施例1と同様の条件で画像出しを行ったところ、初期からトナーカブリが多く見られ、細線再現性も不十分だった。10万枚の画像出し耐久を行ったところ、耐久後はさらにトナーカブリが悪化し、細線再現性も悪くなった。
【0168】
評価結果を表2及び3に示す。尚、表中の評価方法、基準は次の通りである。
(1)画像濃度:画像濃度はSPIフィルターを装着したマクベス社製マクベスカラーチェッカーRD−1255を使用して、普通紙上に形成された画像の相対濃度として測定した。
(2)ライン再現性;オリジナル画像及び標準サンプルを参考にして目視により評価した。
(3)キャリア付着:ベタ白画像を画出しし、現像部とクリーナー部との間の感光ドラム上の部分を透明な接着テープを密着させてサンプリングし、5cm×5cm中の感光ドラム上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm2あたりの付着キャリアの個数を算出する。
優 :10個/cm2未満
良 :10個〜20個/cm2未満
可 :20個〜50個/cm2未満
やや悪い:50個〜100個/cm2未満
悪い :100個/cm2以上
【0169】
(4)カブリ
画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)を東京電色株式会社製デンシトメータTC−6MCによって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(%)は下記式
fog(%)=Dr(%)−Ds(%)
から算出する。
優 :1.0(%)未満
良 :1.0〜1.5(%)未満
可 :1.5〜2.0(%)未満
やや悪い:2.0〜3.0(%)未満
悪い :3.0(%)以上
【0170】
【表1】
【0171】
【発明の効果】
本発明の画像形成方法においては表面抵抗が1×1010〜1×1016Ωであるアモルファスシリコン系の静電潜像担持体と二成分系現像剤として、磁性キャリアは少なくともバインダー樹脂と磁性粒子としてハードフェライト材料からなる粒子をコア材として、更にその表面に非磁性の金属酸化物粒子を含有した樹脂層を設け、比抵抗を50×1013Ω・cm以上の高抵抗とした磁性キャリアを用いている。このような構成とすることで、現像剤磁気ブラシを潜像担持体に接触させながら交番電界を印加して現像を行うと、キャリア付着がなく、かつ高画質画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な画像形成装置の模式図である。
【図2】本発明の実施例に用いた現像バイアス波形を示したものである。
【符号の説明】
1 現像スリーブ
2 感光ドラム
3 接触帯電部材
4 転写ドラム
5 露光手段
6 クリーナー
7 転写材
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法等において、現像プロセスに二成分系現像剤を用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法として米国特許第2,297,691号明細書、特公昭42−23910号公報及び特公昭43−24748号公報等に種々の方法が記載されている。これらの方法は、いずれも光導電層に原稿に応じた光像を照射することにより静電潜像を形成し、次いで該静電潜像上にこれとは反対の極性を有するトナーと呼ばれる着色微粉末を付着させて該静電潜像を現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、熱、圧力あるいは溶剤蒸気等により定着し複写物やプリントアウトを得るものである。
【0003】
該静電潜像を現像する工程は、帯電させたトナー粒子を静電潜像の静電相互作用を利用して潜像担持体の静電潜像上に画像形成を行うものである。一般にかかる静電潜像をトナーを用いて現像する方法のうち、トナーをキャリアと呼ばれる媒体に分散させた二成分系現像剤が特に高画質を要求されるフルカラー複写機、フルカラープリンターには好適に用いられている。
【0004】
近年、マルチメディア、コンピュータ画像処理等の発達により、更に高精細なフルカラー画像を出力する手段が要望されている。この目的のため、フルカラーの複写画像やプリントアウト画像をさらに高画質、高精細とし銀塩写真の画像水準にまで高品質化する努力がなされている。こうした要求に応じて、プロセス及び材料の観点から検討が加えられている。
【0005】
上述した二成分系現像方法も、現像剤磁気ブラシが潜像担持体表面を摺擦しながら現像を行う接触二成分系現像方法と、現像剤磁気ブラシが潜像担持体と接触しない非接触二成分系現像方法に分類される。非接触二成分系現像は潜像担持体にキャリアが付着するいわゆるキャリア付着現象が起こりにくいという長所もあるが、上述したような高精細フルカラー画像を得るためには、優れた細線再現性と十分な画像濃度が得られる接触二成分系現像が好適に用いられる。
【0006】
さらに、現像剤担持体から静電潜像側に現像バイアスを印加する際、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法が高画質化のために、より好適に用いられている。また、トナー又はキャリアの粒径を小さくしたり、現像剤磁気ブラシを綴密化することで画質を向上させる方法もある。特開昭59−104663号公報に、飽和磁化の小さな磁性キャリアを使用することで現像剤磁気ブラシを綴密化し、高画質化を達成する方法が記載されている。これは、また、キャリア同士の、あるいはトナーに対する磁気的なシェアを低減するために、現像剤の長寿命化も期待できる。
【0007】
しかし、以上に述べたような高画質化を達成するための方法、つまり、接触二成分系AC現像方式において、キャリアの小粒径化及びキャリアの低磁気力化は潜像担持体にキャリアが付着してしまう、いわゆるキャリア付着現象を起こしやすくするため、実用化されるには困難があった。
【0008】
一方、多数枚複写やプリントアウトの要求、またエコロジーの見地から、現像剤や潜像担持体を含めて電子写真装置の長寿命化が望まれている。
【0009】
潜像担持体としては従来、CdS−樹脂分散系、ZnS−樹脂分散系、Se蒸着系、Se−Te蒸着系、Se−As蒸着系、OPC(有機光導電体)、そしてA−Si系等の感光体があり、実用に供されている。このうち、OPCは最も普及しているが、表面が樹脂からなるので耐久性がいまだ十分ではない。
【0010】
これに対して、A−Si系の感光体は表面硬度が非常に高く(ビッカース硬度1000以上)、他の感光体に比較して耐劣化性、耐摩耗性、耐傷つき性及び耐衝撃性等に極めて優れている。
【0011】
しかし、A−Si系の感光体は、表面抵抗がおおよそ1×1010〜1×1016Ωと、他の感光体より比較的低い。このような表面が低抵抗の潜像担持体を用いた画像形成方法において、前述したような接触二成分系現像プロセス、AC現像バイアスを高画質化のために用いて、従来のような鉄粉キャリアやフェライトに樹脂コートを施した磁性キャリアを現像剤に使用すると、トナーカブリが発生し、とくに現像剤寿命を改善すべく低磁気力のキャリアを用いるとき、キャリア付着が発生した。このような理由で、現像剤と潜像担持体の長寿命化と優れた細線再現性と高画像濃度のフルカラー画像を両立させた画像形成方法はこれまで実用化されていない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高耐久の潜像担持体と、細線再現性に優れたトナー画像の得られる画像形成方法を提供することにある。
【0013】
本発明の目的は、トナーカブリのない高画質トナー画像が得られる画像形成方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は表面抵抗が1×1010〜1×1016Ωであるアモルファスシリコン系の静電潜像担持体と、磁性キャリアとトナーを含有する二成分系現像剤を担持する現像剤担持体とを対向させて配設し、現像する画像形成方法において、
該磁性キャリア粒子は少なくともバインダー樹脂及び磁性金属酸化物粒子を含有し、
磁性キャリア粒子の個数平均粒径が5〜100μmであり、
磁性キャリア粒子の比抵抗が25〜500V印加時に、5.0×1013Ω・cm以上であり、
磁性キャリア粒子の真比重が3.0〜4.9g/cm3であり、
磁性キャリア粒子の10000エルステッドの磁場における飽和磁化が100emu/cm3以上であり、残留磁化が50emu/cm3以上であり、かつ保持力が300エルステッド以上であり、
該現像剤担持体上に形成する現像剤磁気ブラシを該潜像担持体に接触させ、交番電界を印加しつつ現像を行うことを特徴とする画像形成方法に関する。
【0015】
本発明における現像方式には、現像剤として二成分系現像剤を用い、現像剤磁気ブラシが潜像担持体に接触して摺擦しつつ交番電界をかけながら現像を行う、いわゆる接触二成分系AC現像が最適である。これは、前述したように、細線再現性に優れた高画質トナー画像を得るためである。
【0016】
さらに、二成分系現像剤を構成する磁性キャリアの磁気力を小さくし、微粉をなくし、かつ実質的に高抵抗化することにより、トナーカブリとキャリア付着を防止しつつ、細線再現性の良好な、高画質画像が得られる。また、キャリアの磁気的なパッキングによる現像剤の劣化が軽減されて、現像剤の長寿命化も図れる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明者らが詳細な検討を行ったところ、潜像担持体として、アモルファスシリコン系のような表面抵抗が1×1010〜1×1016Ωである感光体を用い、
接触二成分系AC現像方式で現像を行うような場合、二成分系現像剤を構成する磁性キャリアが、従来の鉄損キャリアやフェライトキャリアを用いると、キャリア付着やトナーカブリが著しく発生することが見受けられた。
【0018】
本発明者らはこの現象の原因を探求し、以下のような結論に至った。
【0019】
つまり、表面の比抵抗が比較的低い潜像担持体と、従来の鉄粉キャリアやフェライトキャリアのような比抵抗の低い磁性キャリアを合わせて使用する場合、潜像担持体上の潜像の電位が、接触して摺擦する磁性キャリア粒子を介してリークしてその電位を現像バイアス電位に近づくように変化させてしまい、その結果、カブリ取り電位が低くなり、トナーカブリを発生する。また、現像バイアスによる電荷がキャリアに注入され、それが原因でキャリア付着も同時に起こりやすくなっていることがわかった。
【0020】
従って、この現象を防ぐためには高抵抗な磁性キャリアを用いることが効果的であることを見いだした。具体的には、本発明のような潜像担持体の表面抵抗がおおよそ1×1010Ω〜1×1016Ωの範囲にある場合、磁性キャリアの比抵抗が5.0×1013Ω・cm以上であれば、その効果を発揮することができた。
【0021】
尚、本発明に用いられる磁性キャリアの比抵抗測定は、ハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード製)で測定した値を示した。
【0022】
本発明に用いられる磁性キャリアに用いることができる磁性金属酸化物粒子としては、MO・6(Fe2O3)で表される六方最マグネトプランバイト構造を有するハードフェライト材料が必須であり、例えば、BaFe12O19,SrFe12O19,PbFe12O19であらわされるバリウムフェライト、ストロンチウムフェライト及び鉛フェライトなどを挙げることができる。このようなハードフェライト材料を樹脂中に分散させることで高抵抗化と所望の磁気特性との両立することが可能となる。
【0023】
また、キャリアとしての磁気特性や電気抵抗等の調整のために、上記磁性金属酸化物粒子以外にも非磁性金属酸化物粒子を併用することが可能であり、例えば、Al2O3,SiO2,CaO,TiO2,V2O5,CrO2,MnO2、α−Fe2O3,CoO,NiO,CuO,ZnO,SrO,Y2O3,ZrO2等を挙げることができる。非磁性金属酸化物粒子を併用する場合には、比重や形状が類似している粒子を用いるのがバインダーとの密着性、キャリア強度を高めるためにより好ましい。本発明に用いられる磁性キャリアでは非磁性金属酸化物粒子としてヘマタイトを組み合せて用いていることが好ましい。
【0024】
上記の金属酸化物粒子を樹脂に分散してキャリアとする場合、磁性を示す金属酸化物粒子の個数平均粒径はキャリア粒径によっても変わるが、0.02〜2μmまでのものが好ましく用いることができる。また、2種以上の金属酸化物粒子を分散させて用いる場合、磁性を示す金属酸化物粒子の個数平均粒径は0.02〜2μmまでのものが用いることができ、他方の金属酸化物粒子の個数平均粒径は、0.05〜5μmのものが使用できる。
【0025】
この場合、磁性の金属酸化物粒子(粒径:ra)に対して他方の金属酸化物粒子(粒径:rb)の粒径比rb/raは1.0を超え5.0倍以下であることが好ましい。1.0倍以下であると比抵抗の低い磁性の金属酸化物粒子が表面に出やすくなり、キャリアの抵抗を十分に上げることができず、本発明においてキャリア付着を防止する効果が得られにくくなる。また、5.0倍を超えると樹脂中への金属酸化物粒子の取り込みがうまくいかなくなり、キャリアの強度が低下し、金属酸化物粒子の脱離を引き起こしやすくなる。本発明で使用する金属酸化物粒子の粒径測定方法については後述する。
【0026】
本発明に用いられる磁性キャリアのコア中に含有される金属酸化物粒子の量は、50質量%〜99質量%である。金属酸化物粒子の量が50質量%未満であると帯電性が不安定になり、特に低温低湿環境下においてキャリアが帯電し、その残留電荷が残存しやすくなるために微粉トナーや外添削等がキャリア表面に付着しやすくなる。また、99質量%を超えるとキャリア強度が低下して、耐久によるキャリアの割れ、金属酸化物粒子の脱離などの問題を生じやすくなる。
【0027】
さらに本発明に用いられる磁性キャリアでは、例えば、コア中に非磁性の金属酸化物粒子と磁性の金属酸化物粒子を組み合わせるて用いるなど、2種以上の金属酸化物粒子を分散させることも可能である。この場合、コア中に含有される金属酸イビ物粒子全体に占める磁性を有する金属酸化物粒子の含有量が30質量%〜100質量%である。30質量%未満であるとコアの高抵抗化は良好になる半面、キャリアとしての磁気力が小さくなり、キャリア付着を招く場合がある。
【0028】
更に、本発明に用いられる磁性キャリアに使用される金属酸化物粒子は親油化処理されていることが好ましい。これはキャリアから金属酸化物粒子の脱離を防止でき、またキャリア製造上においても、親油化処理された金属酸化物粒子をバインダー樹脂中に分散させ、コア粒子を形成する場合、均一でかつ高密度でバインダー樹脂中に取り込ませることが可能となる。特に、重合法でコア粒子を形成する場合は球形で表面が平滑な粒子を得る上で重要である。
【0029】
親油化処理はシラン系カップリング剤やチタネート系カップリング剤などのカップリング剤で金属酸化物を処理するか、界面活性剤を含む水性溶媒中に金属酸化物を分散させることにより表面を親油化する等の方法がある。
【0030】
ここでいうシラン系カップリング剤としては、疎水性基、アミノ基あるいはエポキシ基を有するものを用いることができる、疎水性基をもつシラン系カップリング剤として例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ)シラン等を挙げることができる。アミノ基をもつシラン系カップリング剤としては、γ−アミノプロピルエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。エポキシ基をもつシラン系カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキジシクロヘキシル)トリメトキシシラン等が挙げられる。
【0031】
チタネート系カップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリトデシルベンセンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート等を挙げることができる。
【0032】
界面活性剤としては、市販の界面活性剤をそのまま使用することができる。
【0033】
本発明の金属酸化物分散コアに用いられるバインダー樹脂としては、ビニル系モノマーを重合して得られる全ての樹脂が挙げられる。ここで言うビニル系モノマーとしては例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレン等のスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン及び不飽和モノオレブイン類;ブタジエン、イソプレンなどの不飽和ジオレブイン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタクリル酸及びメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸及びアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類;マレン酸、マレイン酸ハーフエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類などが挙げられ、これらの中から1種又は2種以上使用して重合させたものが用いられる。
【0034】
また、ビニル系モノマーから重合して得られる樹脂以外にポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、セルロース樹脂ポリエーテル樹脂などの非ビニル縮合系樹脂あるいはこれらと前記ビニル系樹脂との混合物を用いることができる。
【0035】
本発明に用いられる磁性キャリアを製造する方法としては、ビニル系、非ビニル系の熱可塑性樹脂、金属酸化物、その他硬化剤等の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の混練機を用いて溶融、混練して、これを冷却後、粉砕分級を行なってキャリアコアを得ることができる。この際、得られた金属酸化物含有樹脂粒子を熱あるいは機械的に球形化してコアとして用いることが好ましい。
【0036】
より好ましく本発明に用いられる磁性キャリアを製造する方法としては、直接モノマーと金属酸化物を混合、重合して製造する方法がある。このとき、重合に用いられるモノマーとしては、前述したビニル系モノマーの他にエポキシ樹脂の出発原料となるビスフェノール類とエピクロルヒドリン、フェノール樹脂のフェノール類とアルデヒド類、尿素樹脂の尿素とアルデヒド類、メラミンとアルデヒド類等が用いられる。例えば、硬化系フェノール樹脂を用いる場合の製造方法としては、水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下で前述した金属酸化物、好ましくは親油化処理した金属酸化物を入れ、重合してコアを得る。次に、水性媒体中でフェノール類とアルデヒド類を塩基性触媒の存在下にコアを入れ、フェノール系の重合反応を行い、コアの表面にフェノール樹脂を重合してコートさせることで、キャリアコアの比抵抗をさらに向上させることができる。また、この際、前述した非磁性の金属酸化物粒子をフェノール樹脂と共にコート樹脂中に含有させることで、キャリアコアの表面をさらに頑強にすることができる。本発明に用いられるキャリアを製造する方法としては、キャリアの強度をアップさせたり、コート樹脂をより良好にコートさせるためにコア製造時にバインダーを架橋させて用いるのが好ましい。例えば、溶融混練時に架橋成分を添加し混練時に架橋させ方法、あるいは直接重合時に硬化型樹脂を選択し直接重合させてコアを得る方法、あるいは架橋成分を入れたモノマーを使用する等の方法を挙げることができる。
【0037】
本発明に用いられる磁性キャリアはコートして用いることが好ましい。コートする方法としてはキャリアコア材を浮遊流動させながらコート樹脂溶液をスプレーしコア材表面にコート膜を形成させる方法、およびスブレードライ法が挙げられる。上記コート方法は特に熱可塑性樹脂をバインダー樹脂としてキャリアコア材に用いているコア材にコートする場合に好適である。
【0038】
またその他のコート方法として、剪断応力を加えながらコート樹脂溶液の溶媒を徐々に揮発させながら被膜を形成させるなどの方法によっても本発明に用いられる樹脂コートキャリアを製造することができる。
【0039】
本発明においては、特にキャリア表面にシリコーン樹脂をコートしたキャリアを用いることが好ましい。これはキャリア同士が合一せずに均一に膜形成ができ、長期の使用においてもコート層がコア材から剥がれることなく耐久性の優れたキャリアとすることができるからであり、またシリコーン樹脂は低表面エネルギーであるため、トナーと混合して現像剤とした場合に、キャリア表面へのトナー組成物のスペントを防止でき、安定してトナーに摩擦帯電電荷を付与できることによることによる。シリコーン樹脂をコートする場合は、被膜強度をより高めるためにキュアを施すことが好ましい。具体的には150℃以上の温度で0.5時間以上保持することが好ましい。
【0040】
また、コート量はキャリアコア粒子100質量部に対し、0.05〜10質量部であることが好ましい。さらには0.2質量%〜5質量%の範囲であることが最も好適である。コート量が0.05質量%未満ではキャリアコア材を十分にラートすることが困難となり、耐久後にトナースペントを十分抑制することができない。また、10質量%を超えると、樹脂コート量が多すぎるため比抵抗は所望の範囲とすることができるが流動性が低下したり、かえって電荷が蓄積することによるキャリア付着を生じたりする場合がある。
【0041】
本発明に用いられる磁性キャリアの粒径は5〜100μmが好ましい。キャリアの粒径は、高画質化の観点からはできるだけ小さくすることが好ましいが、磁気力と粒径の関係によりキャリア付着を生じてくる。すなわち、キャリア粒径が100μmを超えると磁気ブラシが感光体表面を摺擦するときに掃き目を生じやすくなるために高画質の観点から好適でなく、また1μmより小さくなるとキャリア1個の持つ磁気力が小さくなるためにキャリア付着を生じやすくなる。
【0042】
尚、本発明に用いられる磁性キャリアの粒径測定方法については後述する。キャリアの磁気特性の測定は、理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて行った。測定条件の異体例は後述する。
【0043】
ところで、画質の向上はキャリアの改良のみでは難しく、トナーを改良することも重要である。すなわち、二成分系現像剤においてはキャリアは現像において重要であるが、それ以降の電子写真プロセスである転写、定着過程を経て、最終画像の画質ならびにカブリ等の画像晶質に対してはトナーの影響が非常に大きい。本発明の二成分系現像剤においてはトナーを改良することで画像品質を向上することができた。
【0044】
すなわち、本発明に用いられるトナーは、重量平均粒径が1〜10μm、好ましくは3〜8μmの範囲であることが好適である。また、35%以下の個数分布の変動係数を有していることが反転成分のない良好な帯電付与、潜像ドットの再現性等を満足させるために必須である。
【0045】
トナー重量平均粒径が10μmを超えると、潜像を現像する粒子1個が大きくなるためにいくらキャリアの磁気力を下げても潜像に忠実な現像が行えず、また、静電的な転写を行うとトナーの飛び散りが激しくなる。また、1μm以下の粒径では粉体としてのハンドリング性に不都合を生じる。
【0046】
また、35%以下の個数分布の変動係数を超えると微粉トナーへのトナー帯電付与が良好に行えず、トナートリボ分布が広くなり、帯電不良(反転成分生成)や現像したトナーの粒径偏在化により耐久での粒径変化等の問題を生じてしまったり、キャリアとの摩擦帯電が良好に行えなくなるのに加え、潜像を忠実に再現できなくなる。本発明に用いる粒度分布の測定には、例えばレーザー走査型のCIS100(GLAI社製)を使用する方法を挙げることができる。
【0047】
具体的測定法については後述する。
【0048】
更にまた、本発明に用いられるトナーは形状係数SF−1が100〜130の範囲であり、全体、または一部が重合法で形成されており、かつ残存モノマー含有量が1000ppm以下であることが必要である。すなわち、本発明においてトナーは電子写真プロセス、特に現像同時クリーニング方法、クリーナレス画像形成方法等のクリーナーレスプロセスを用いたシステムにおいて有効である。すなわち、クリーナーレスプロセスのその原理は、電子写真各工程における感光体上のトナーの帯電極性及び帯電量を制御することと、反転現像方法を用いることが重要である。
【0049】
例を挙げて説明すると、マイナス帯電性の感光体及びマイナス帯電性のトナーを用いた場合、その転写工程において、プラス極性の転写部材によって可視化された像を転写材に転写することになるが、転写材の種類(厚み、抵抗、誘電率等の違い)と画像面積等の関係により、転写残余のトナーの帯電極性がプラスからマイナスまで変動する。しかし、マイナス帯電性の感光体を帯電する際のマイナス極性の帯電部材により、感光体表面と共に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてプラス極性に振れていたとしても、一様にマイナス側へ帯電極性を揃えることが出来る。これゆえ、現像方法として反転現像を用いた場合、トナーの現像されるべき明部電位部にはマイナスに帯電された、転写残余のトナーが残り、トナーの現像されるべきでない暗部電位には、現像電界の関係上、トナー担持体の方に引き寄せられ、暗部電位をもつ感光体上にトナーは残留しない。
【0050】
このように、転写残余のトナーの帯電極性を制御することにより、現像同時クリーニング、クリーナレス画像形成方法が成立するわけであるが、このトナーの帯電極性を制御する工程において、感光体帯電部材によりトナーあるいは現像剤の劣化が促進されており、画質の劣化を引き起こしていることが判明した。
【0051】
その劣化の詳細であるが、例えば、コロナ帯電器を感光体帯電部材として用いた場合、先ず、コロナ帯電線により発生した電離イオンが感光体表面に導かれ、感光体表面に付着することにより表面に電位をもつ。このとき、感光体上にトナーが存在すれば、このコロナシャワーに晒されることにより、トナーも同時に感光体帯電極性と同極性に帯電される。これら電離イオンは化学的活性が非常に高いと考えられ、転写残余のトナーについてコロナシャワー、又は放電の影響をみると、感光体帯電部材を通過するトナーが帯電極性制御される際、化学的影響を受けて耐久特性、画像品質特性等に悪影響を与えていることが判明した。
【0052】
従来は、ブレード又は、ファーブラシなどのクリーニング部材により、転写残余のトナーが感光体上からクリーニングされており、感光体帯電の影響がトナーあるいは、現像剤に及ぶことはなかったものと考えられる。このため、感光体上に存在するトナーの帯電による化学的影響を考慮にいれた検討は行われていなかった。しかし、現像同時クリーニング、クリーナレス画像形成方法においては、感光帯電部材の影響を受けたトナーが現像器に回収、再利用されるため、これらの化学的影響を考慮にいれる必要性があることが判明した。
【0053】
本発明者らは、様々なトナーについて鋭意検討を行い、現像同時クリーニング、クリーナレス画像形成方法においては、トナー中に含まれる残存モノマーの含有量とこれら耐久特性、画像品質特性に密接なつながりのあることを見い出した。すなわち、残存モノマーによる作用は、以下のようなものと考えられる。例えば、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤を主たる成分とするトナーの場合、残存モノマーは、トナー中に存在し、トナーのガラス転移点あるいはガラス転移点周辺の熱的挙動に影響を与える。モノマーは低分子量成分であるためにトナー全体を可塑化する方向に働く。一方、放電又はコロナシャワーに晒されたトナーについては、その活性種により、結着樹脂が影響を受ける。例えば、樹脂中の分子鎖が切断されることで樹脂分解物が生成し、低分子量分を生じたり、あるいは、逆に樹脂分解物が更に重合反応を促進していくなどが考えられる。一方、トナー中の残存モノマーは、感光体帯電部材により発生する活性種により、活性化するものと考えられる。
【0054】
このように、トナー中にはこれらに起因する反応性低分子量分が存在するため、これらが拮抗あるいは競合するものと考えられる。又、トナー中に含まれる荷電制御剤も比較的電子の授受に富む化合物であり、明瞭な原因の総ては掴みきれてはいないが、残存モノマーが存在することで、トナー中の反応性低分子量分の拮抗、競合の関係が変化することが示唆される。つまり、残存モノマーの影響でトナー表面の特性が徐々に変化することにより、トナーの流動性、帯電性が変化し、耐久により画像濃度の変化、カブリの発生、フィルミング等の問題が生じる。
【0055】
トナー中の残存モノマー含有量という観点から現象を解析すると、1000ppmよりも少なければ、耐久特性上の性能が良好であり、1000ppmを超える範囲のトナーを用いると、耐久特性及び画像特性の点で実用上不十分である。望ましくは、残存モノマー量が、500ppm以下であると、耐久特性、画像品質特性が良好となり、300ppm以下であると更に良好な結果が得られる。本発明に供せられるトナー中の残存モノマーの定量方法については後述する。
【0056】
又、本発明においては、トナーの形状係数SF−1が100〜130であるものが好適に用いられる。さらに好ましくは、SF−1が100〜120である。本発明に用いられる形状係数を示すSF−1は、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用いトナー像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介してニレコ社製画像解析装置(LUSEX3)に導入し解析を行い下式より算出し得られた値を本発明においては形状係数SF−1と定義した。
【0057】
【数1】
MXLNG:トナーの最大径
AREA :トナーの投影面積
【0058】
トナーの形状係数SF−1は球形度合を示し、130より大きいと、球形から徐々に不定形となる。トナー形状の作用効果としては、できるだけ、トナー表面に対する感光体帯電部材の影響を低め、トナー中に反応性低分子量成分の生成を抑さえることである。すなわち、トナー表面積のなるべく小さい球形が好ましい。
【0059】
トナーの一部又は、全体が重合法により形成されたトナーを用いることにより発明の効果を高めることが出来る。特に、トナー表面部分を重合法により形成されたトナーについては、分散媒中にプレドナー(モノマー組成物)粒子として存在させ、必要な部分を重合反応により生成するため、表面性については、かなり平滑化されたものを得ることが出来る。この平滑さの作用効果は、電界がいわゆる尖った部分に集中する傾向があることに集約される。
【0060】
すなわち、感光体帯電工程を経たトナーについては、いわゆる凸凹のあるトナーについては、凸部分にコロナシャワーあるいは放電が集中しその部分を特異的に劣化する特性をもつのに対し、平滑であればコロナシャワーあるいは放電の集中するところがないので劣化しにくいと考えられる。
【0061】
SF−1が130を超えると、カブリが増えたり、耐久性が若干劣る場合がある。さらには、トナーにコア/シェル構造をもたせ、シェル部分を重合により形成されたようなトナーを用いることで、本発明に用いられるトナーをさらに容易に製造することが出来る。この意味で、本発明には、コア/シェル構造を有するトナーが好ましく用いられる。コア/シェル構造の作用は、トナーの優れた定着性を損なうことなく耐ブロッキング性を付与できることは言うまでもなく、コアを有しないようなバルクとしての重合トナーに比較して、シェル部分のみを重合するほうが、重合工程の後の後処理工程において、残存モノマーの除去が容易に行われるからである。
【0062】
また、コア部の主たる成分としては低軟化点物質が好ましく、ASTM D3418−8に準拠し測定された主体極大ピーク値が、40〜90℃を示す化合物が好ましい。極大ピークが40℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として高温オフセット性が弱くなり好ましくない。一方、極大ピークが、90℃を超えると定着温度が高くなり、好ましくない。更に直接重合方法によりトナーを得る場合においては、水系で造粒・重合を行うため極大ピーク値の温度が高いと主に造粒中に低軟化点物質が析出してきて懸濁系を阻害するため好ましくない。
【0063】
本発明の極大ピーク値の温度の測定には、例えばパーキンエレマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用にに空パンをセットし、昇温速度10℃/min.で測定を行なった。
【0064】
具体的にはパラフィンワックス,ポリオレフィンワックス,フィッシャートロピッシュワックス,アミドワックス,高級脂肪酸,エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/フロック化合物等が利用できる。
【0065】
また、低軟化点物質はトナー中へ5〜30質量%添加することが好ましい。仮に5質量%未満の添加では先に述べた残存モノマーの除去に負担がかかり、又30質量%を超える場合は、重合法による製造においいても造粒時にトナー粒子同士の合一が起きやすく、粒度分布の広いものが生成しやすく、本発明には不適当であった。
【0066】
本発明に使用されるトナーの結着剤樹脂としては、具体的には例えばポリスチレン、ポリ−P−クロルスチレン、ポリビニルトルエン、と言ったスチレンおよびその誘導体から得られる高分子化合物、スチレン−P−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリルーインデン共重合体、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、脂肪族多価アルコール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族シアルコール類、ジフェノール類から選択される単量体を構造単位として有するポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油樹脂、架橋したスチレン系樹脂および架橋したポリエステル樹脂等を挙げることができる。
【0067】
スチレン−アクリル系共重合体に使用される重合可能な単量体としては具体的には例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドと言ったエチレン性2重結合を有するアクリル酸エステル類、例えばマレイン酸、マレイン酸ブチル、と言ったマレイン酸のハーフエステル、およびジエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル、ビニルプチルエーテルと言ったビニルエステル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン、と言ったビニルケトン類を挙げることができる。
【0068】
上述した架橋剤としては、主として不飽和結合を2個以上有する化合物を挙げることができ、具体的には例えばジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、等の芳香族ジビニル化合物、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、と言った不飽和結合を2個有するカルボン酸エステル、ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホン等のジビニル化合物、および不飽和結合を3個以上有する化合物を単独若しくは混合して使用することができる。上述の架橋剤は、結剤着樹脂に対して、0.01から10質量%、好ましくは0.05から5質量%で使用するのが好適である。
【0069】
加圧定着方式を用いる場合には、圧力定着トナー用結剤着樹脂を使用することが可能であり、具体的には例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチレン、ポリウレタンエラストマー、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、線状飽和ポリエステル、パラフィンおよび他のワックス類を挙げることができる。
【0070】
本発明に使用されるトナーには、荷電制御剤をトナーに配合して使用することもできる。荷電制御剤の添加によって現像システムに応じた最適の帯電量とすることができる。かかる正荷電制御剤としてはニグロシン、及び脂肪酸金属塩誘導体、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフロロボレートと言った4級アンモニウム塩、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスシオキサイドと言った、シオルガノスズオキサイド、ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートを単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。上述した荷電制御剤のうち特に、ニグロシン系、4級アンモニウム塩と言った荷電制御剤が好適である。
【0071】
また、本発明では負荷電制御剤を使用することもでき、具体的には例えば、有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、アルミニウムアセチルアセトナート、鉄(II)アセチルアセトナート、3,5−ジターシャルブチルサリチル酸クpムを挙げることができる。特にアセチルアセトンの金属錯体(モノアルキル置換体、ジアルキル置換体を包含する)、サリチル酸系金属錯体(モノアルキル置換体、ジアルキル置換体を包含する)、またはそれらの塩が好ましく、特にはサリチル酸系金属塩が好適である。上述の荷電制御剤はトナーに添加する際には、結着剤樹脂に対して0.1〜20質量部、より好ましくは0.2〜10質量部で使用されることが好適である。特にカラー画像形成に使用される場合には無色若しくは淡色の荷電制御剤を使用することが好ましい。
【0072】
本発明で使用されるトナーに添加することができる着色剤としては、従来知られている染料及び顔料を使用することができ、具体的には例えばカーボンブラック、マグネタイト、フタロシアニンブルー、ピーコックブルー、パーマネントレッド、レーキレッド、ローダミンレーキ、バンザイエロー、パーマネントイエロー、ヘンジジンイエロー等を使用することができる。その際の添加料としては、結着剤樹脂に対して0.1〜20質量%好ましくは0.5〜20質量部、さらにはトナー像の好適なOHPフィルムの透過性を考慮すると12質量%以下の範囲で使用されるのが好ましく、通常0.5〜9質量%であるのが最も好適である。
【0073】
本発明のトナーにはさらに熱ロール定着時の雛型性を向上させる目的でポリエチレン、ポリプロピレン、マイクロクリスタリングワックス、カルテバワックス、サゾールワックス、パラフィンワックスなどのワックス成分を添加することもできる。
【0074】
本発明に使用されるトナーにはシリカ、アルミナ、酸化チタン、ポリテトラフロロエチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、シリコーンと言った微粉末を添加することが好適である。トナーに対して上述した微粉末を添加することによって、トナーとキャリア、あるいはトナー相互の間に微粉末が存在することになり、現像剤の流動性が向上され、さらに現像剤の寿命も向上されることになる。上述した微粉末の平均粒径は0.2μm以下であることが好ましい。平均粒径が0.2μmを超えると流動性向上の効果がなくなり、トナー現像、転写時の不良等により画質を低下させてしまう場合がある。これら微粉末の平均粒径の測定は後述する。
【0075】
また、これら微粉末の表面積としては、BET法による窒素吸着によった比表面積が30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲のものが良好である。かかる微粉末の添加量は、トナー粒径に合わせてトナー100質量%に対して0.1〜20質量%で使用することが好適である。
【0076】
本発明に用いられるトナーを粉砕法で製造する方法は、ビニル系、非ビニル系の熱可塑成樹脂、着色剤、荷電制御剤、その他の添加剤を混合機により十分に混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーと言った混練機を用いて溶融、混練して樹脂類を十分に混合して、その中に顔料、若しくは染料を分散させる。これを冷却後、粉砕分級を行なってトナー粒子を得ることができる。本発明におけるトナーの分級方法として好ましくは、慣性力を利用した多分割分級装置を用いる。この装置を用いることにより、本発明の粒度分布を有するトナーを効率的に製造できる。
【0077】
発明に用いられるトナーの製造方法に直接重合方法を用いる場合は、具体的には以下のようにして製造することが可能である。
【0078】
単量体中に低軟化物質からなる雛型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイサー・超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイサー等により分散せしめる。好ましくは単量体組成物からなる液滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度・時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。
【0079】
重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、耐久特性向上の目的で、未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。得られたトナーは分級して粒度分布を制御しても良く、その方法として好ましくは、慣性力を利用した多分割分級装置を用いる。この装置を用いることにより、本発明の粒度分布を有するトナーを効率酌に製造できる。
【0080】
また、トナー中に低軟化点物質を内包化せしめる具体的方法としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量体より低軟化点物質の方を小さく設定し、更に少鐙の極性の大きな樹脂又は単錯体を添加せしめることで低軟化点物質を外殻樹脂で被覆したいわゆるコア/シェル構造を有するトナーを得ることができる。トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件例えばローターの周速・パス回数・撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形状又は、水溶液中での固形分濃度等を制御することにより可能となる。本発明に用いられるトナーの外殻樹脂としては、一般的に用いられているスチレン−(メタ)アクリル共重合体,ポリエステノレ樹脂,エポキシ樹脂,スチレン−ブタジエン共重合体を利用する事が出来る。重合法による直接トナーを得る方法においては、それらの単量体が好ましく用いられる。外殻樹脂成分の数平均分子量(Mn)は、5000〜1000000が好ましく、また重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2〜100が好ましい。
【0081】
外殻樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。異体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、更に低軟化、点物質は溶解するがシェル有樹脂は溶解し得ない有機溶剤、例えばクロロホルム等を加え十分洗浄を行った後、THF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶液をボア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801,802,803,804,805,806,807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。
【0082】
本発明において用いられるトナーがコア/シェル構造を有する場合、その製造方法としては、外殻樹脂で低軟化点物質を内包化せしめるため外殻樹脂の他に更に極性樹脂を添加せしめることが特に好ましい。本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイン酸共重合体,飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、シェル樹脂又は単量体と反応しうる不飽和基を分子即に含まないものが特に好ましい。仮に不飽和基を有する極性樹脂を含む場合においてはシェル樹脂層を形蔵する単・錯体と架橋反応が起き、特に、フルカラー用トナーとしては、極めて高分子簸になり四色トナーの混色には不利となり好ましくない。
【0083】
また、本発明においては、外殻構造を有するトナーの表面にさらに重ねて重合法により最外殻樹脂層を設けても良い。
【0084】
上述の最外殻樹脂層のガラス転移温度は、耐ブロッキング性のさらなる向上のため外殻樹脂量のガラス転移温度以上に設計されること、さらに定着性を損なわない程度に架橋されていることが好ましい。また、蓄亥外殻樹鮨層には帯電性向上のため概性樹脂や荷電制御剤が含有されていることが好ましい。
【0085】
本発明に燭いられるトナーに外添剤として微粉末を処理する場合は、ヘンシェルミキサー等の混合機を使用して行うことができる。このようにして得られたトナーは本発明のキャリア粒子と混合されて2成分現像剤とされる。上述の2成分現像剤を形成する場合、現像プロセスにも依存するが典型的には現像剤中のトナーの割合が1〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%の範囲であることが好適である。またかかる2成分現像剤の摩擦帯電量としては5〜100μC/gの範囲であることが好適であり、最も好ましくは5〜60μC/gである。なお本発明で使用した摩擦帯電量の測定条件については後述する。
【0086】
本発明のような、比較的低磁気力の磁性キャリアを用いる場合、現像剤担持体の回転と潜像担持体の回転が互いにカウンター方向である現像方式を好ましく用いることができる。この方式では、現像剤担持体の回転と潜像担持体の回転が互いに順方向である現像方式に比較して、同じプロセススピードでは、潜像担持体の一部分に対して接する現像剤磁気ブラシの量、すなわちトナーの絶対量が増えるため、高画像濃度でドット抜けのない高品位画像が期待できる。
【0087】
磁気力の高い磁性キャリアでは、現像剤担持体の回転と潜像担持体の回転が互いにカウンター方向である現像方式を用いて、本発明のごとき接触二成分系AC現像を行う場合、現像剤担持体の回転と潜像担持体の回転が互いに順方向である現像方式に比較して、剛直な現像剤磁気ブラシにより画像にスジ目があらわれるいわゆるスキャベンジングが起こりやすくなる。これは、現像剤磁気ブラシが潜像及び潜像に乗ったトナーに、より衝撃力が強く接するためである。しかし、本発明のような比較的低磁気力の磁性キャリアの場合は、現像剤磁気ブラシが比較的ソフトに潜像担持体及びトナー画像に接するため、スキャベンジングが起こりにくい。
【0088】
本発明の画像形成方法における接触二成分系AC現像方式で、現像剤磁気ブラシに印加する交番電界は500Hz〜5000Hzであることが好適である。印加する交番電界が500Hz未満である場合、いかに本発明のごとき実質的に高抵抗の磁性キャリアであっても、磁性キャリアを通じて電荷が潜像担持体に注入されてしまい、キャリア付着してしまう場合があった。また、印加する交番電界が5000Hzを超える場合、電界に対してトナーが追随できず画質低下を招きやすい。
【0089】
印加する交番電界としては、従来の正弦波、三角波あるいは矩形波を用いることができるが、波形を適切に制御した交番電界を用いることもできる。例えば、潜像担持体から現像剤担持体にトナーを向かわせる第1電圧と現像剤担持体から潜像担持体にトナーを向かわせる第2電圧と、該第1電圧と第2電圧の間の第3電圧で波形のパターンを形成させるような交番電界を用いることができるが、このような場合も、その波形の繰り返しパターン1周期に対して周波数が本発明における交番電界の周波数の範囲、すなわち500Hz〜5000Hzであることが好適である。
【0090】
また、本発明の画像形成方法においては現像剤担持体は、その表面形状が
0.2μm≦中心線平均粗さ(Ra)≦5.0μm
10μm≦凹凸の平均間隔(Sm)≦80μm
0.05≦Ra/Sm≦0.5
上記条件を満足することが好ましい。
【0091】
Ra及びSmとは、JIS−B0601及びIS0468に記載される中心線平均粗さ及び凹凸の平均間隔を規定する値で次式により求められる。
【0092】
【数2】
【0093】
【数3】
【0094】
Raが0.2μmより小さいと、現像剤の搬送性が不十分なため耐久による画像むらや画像の濃度むらが発生しやすくなる。Raが5μmを超えると、現像剤の搬送性には優れるものの、ブレード等の現像剤搬送量規制部における規制力が大きくなりすぎるために外部添加剤が摺擦による劣化を受けて耐久時の画質が低下する。
【0095】
Smが80μmより大きくなると、現像剤担持体上への現像剤が保持されにくくなるために画像濃度が低くなってしまう。このSmの与える原因について詳細は不明であるが、現像剤担持体の搬送量規制部等で現像剤担持体との滑りが起こっていることから、凹凸の間隔が広くなりすぎると現像剤が密にパッキングされた塊として作用し、その力が現像剤担持体−現像剤間の保持力を上回ると考えられる。Smが10μm未満であると、担持体表面の凹凸の多くが現像剤平均粒径より小さくなるため、凹部に入り込む現像剤の粒度選択性が生じ、現像剤微粉成分による融着が発生しやすくなる。また製造的にも困難である。
【0096】
さらに上記の観点より現像剤担持体上の凸部の高さと凹凸の間隔から求められる凸・凹の傾斜(≒f(Ra/Sm))が本発明の場合重要な原因となる。本発明では
0.05≦Ra/Sm≦0.5
であることが好ましく、より好ましくは0.07以上0.3以下である。
【0097】
Ra/Smが0.05未満であると、現像剤の現像剤担持体上への保持力が弱いため現像剤担持体へ現像剤が保持されにくくなるので現像剤規制部で搬送量が制御されず、結果として画像むらが生じる。Ra/Smが0.5を超えると、現像剤担持体表面の凹部に入った現像剤が他の現像剤と循環しにくくなるため現像剤融着が発生する。
【0098】
現像剤担持体の長さ方向にさらに溝(いわゆるローレット)を数本加工せしめることで、さらに流動性に優れた現像剤をも現像剤担持体に均一にコーティングすることが容易になった。
【0099】
本発明におけるRa及びSmの測定は、接触式表面粗さ測定器SE−3300(小坂研究所社製)を用い、JIS−B0601に準拠して行った。
【0100】
本発明の所定の表面粗さを有する現像剤担持体を製造する方法としては、例えば不定形・定形粒子を砥粒として用いたサンドブラスト法、スリーブ円周方向に凹凸を形成するためにサンドペーパーでスリーブ面を軸方向に擦るサンドペーパー法、化学処理による方法、弾性樹脂でコート後樹脂凸部を形成する方法等を用いることができる。
【0101】
以下に本発明で使用する種々の測定方法を記載する。
【0102】
本発明で使用したキャリア粒径の測定方法を記載する。本発明のキャリアの粒径は、走査電子顕微鏡(100〜5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上のキャリア粒子300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもってキャリア粒径として測定し、個数平均粒径を算出するものとする。
【0103】
本発明で使用するキャリアの磁気特性は理研電子(株)製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて測定する。キャリア粉体の磁気特性値は1キロエルステッドの外部磁場を作り、そのときの磁化の強さを求める。キャリアは円筒状のプラスチック容器に十分密になるようにパッキングした状態に作製する。この状態で磁化モーメントを側足し、試料を入れたときの実際の重量を測定して、磁化の強さを求める。(emu/g)ついで、キャリア粒子あ真比重を乾式自動密度計アキュピック1330(島津製作所(株)社製)により求め、磁化の強さ(emu/g)に真比重を掛けることで本発明の単位体積あたりの磁化の強さ(emu/cm3)を求める。
【0104】
本発明に用いられる磁性キャリアの比抵抗の測定はハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード製)で測定した値を示した。
【0105】
また、本発明で使用する金属酸化物粒子の粒径測定方法を以下に記載する。本発明の金属酸化物粒子の個数平均粒径は、日立製作所(株)社製透過型電子顕微鏡H−800により5000〜20000倍に拡大した写真画像を用い、ランダムに粒径0.01μm以上の粒子を300個以上抽出し、ニレコ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水平方向フェレ径をもって金属酸化物粒子粒径として測定し、平均か処理して個数平均粒径を算出するものとする。
【0106】
以下に、本発明で使用するトナー粒径測定の具体例を示す。純水100〜150m1に界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電解液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、レーザースキャン粒度分布アナライザーCIS−100(GALAI社製)を用いて粒度分布等を測定する。本発明では0.5μm〜60μmの粒子を測定して、この条件で測定した個数平均粒径、標準偏差をコンピュータ処理により求め、更に個数分布の変動係数を計算によりを求める。
【0107】
本発明に用いられるトナー中の残存モノマーの定量方法については、トナー0.2gをTHF4mlに溶解し、ガスクロマトグラフィーにて以下の条件で内部標準法により測定した。
【0108】
【0109】
本発明で用いられるトナーの摩擦帯電量の測定方法を記載する。ポリビンにトナーとキャリアをトナー濃度が5質量%となるように混合し、ヤヨイ式振とう機で120秒間混合する。この混合粉体(現像剤)を底部に635メッシュの導電性スクリーンを装着した金属製の容器にいれ、吸引機で吸引し、エレクトロメーターに表示された値と容器内の重量変化から摩擦帯電量を求める。この際、吸引圧を250mmHgとする。この方法によって、トナーの摩擦帯電量Qを下記式を用いて算出する。
Q(mC/kg)=Q’/(W1−W2)
(式中W1は吸引前の重量でありW2は吸引後の重量であり、Q’はエレクトロメーターに表示された値である。)
【0110】
本発明で用いた静電潜像担持体の表面抵抗の測定方法について述べる。潜像担持体表面に、有効電極長さ2cmで、電極問距離120μmのくし型電極を金蒸着し、抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製4140BpAMATER)にて100Vの電圧を印加させて測定する。
【0111】
【実施例】
以下に本発明を実施例をもって具体的に説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
【0112】
[キャリアの製造例]
(磁性キャリアA)
フェノール 10質量部
ホルムアルデヒド溶液 6質量部
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
親油化処理したバリウムフェライト 100質量部
上記材料と、28%アンモニア水、水をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分闘で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)で180℃で乾燥して、球状のキャリアコア粒子(a)を得た。次いで上記で得られたキャリアコア粒子(a)100質量部、フェノール0.5質量部、ホルマリン溶液0.75部、親油化処理α−Fe2O32質量部、28質量%のアンモニア水0.2質量部、及び水50質量部をフラスコにいれ、撹拌、視含しながら40分間で85℃まで昇温、保持し、3時閥反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、50質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、水洗し、風乾した、次いで減圧下(5mmHg以下)に170℃で乾燥して、表面をフェノール樹脂でコートしたキャリアコア粒子(b)を得た。また、このキャリアコア粒子の切断面を冊−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Fe2O3からなるコート層が形成されていることが判粥した。
【0113】
上記で用いたバリウムフェライト粉(個数平均粒径0.25μm)及びα−Fe2O3(個数平均粒径0.60μm)はそれぞれ、0.5質量%のシラン系カップリング剤[3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン]を加え、容器内で100℃以上で、高速混合撹拌して金属酸化物粒子の親油化処理を行った。
【0114】
更に、上記で得られたキャリアコア粒子(b)の表面に、以下の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂をコートした。キャリアコア粒子(b)の表面のコート樹脂量が0.5質量%になるように、トルエンを溶媒として10質量%のキャリアコード溶液を作製した。次にキャリアコア粒子(b)に剪断応力を連続して加えながらコート溶液を滴下した後、溶媒を揮発させて、キャリアコア表面へのコートを行った。このコート磁性キャリア粒子を160℃で2時間熱処理した後、放冷する。次に凝集したキャリアを解砕し、更に200メッシュの篩で分級して、磁性キャリア(A)を得た。
【0115】
得られた磁性キャリア粒子の個数平均粒径は36.5μmであった。また、キャリアの切断面をFE−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Fe2O3からなるコート層とさらにその上にシリコーン樹脂層が形成されていることが判明した。
【0116】
得られた磁性キャリア粒子(A)を10キロエルステッドの磁場中で磁化したのち、磁気特性を測定した。10キロエルステッドにおける飽和磁化は175emu/cm3であり、残留磁化は112emu/cm3、保持力2680エルステッドであった。磁性キャリア粒子の真比重は3.68g/cm3であった。磁性キャリア粒子の比抵抗は、25V印加時には3.6×1016Ω・cm,l00V印加時には7.5×1015Ω・cm,500V印加時には9.2×1014Ω・cmであった。
【0117】
(磁性キャリアB)
フェノール 10質量部
ホルムアルデヒド溶液 6質量部
(ホルムアルデヒド40%、メタノールー0%、水50%)
親油化処理したストロンチウムフェライト 100質量部
上記材料と、28%アンモニア水、水をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)で180℃で乾燥して、球状のキャリアコア粒子(c)を得た、次いで、上記で得られたキャリアコア粒子(c)100質量部、フェノール0.5質量部、ホルマリン溶液0.75部、親油化処理α−Fe2O31.5質量部、28質量%のアンモニア水0.2質量部、及び水50質量部をフラスコにいれ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温、保持し、3時間、反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、50質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、水洗し、風乾した。次いで減圧下(5mmHg以下)に30℃で乾燥して、表面をフェノール樹脂でコートしたキャリアコア粒子(d)を得た。
【0118】
キャリアコア粒子の切断固をFE−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Pe2O3からなるコート層が形成されていることが判明した。
【0119】
尚、上記で用いたストロンチウムフェライト粉(個数平均粒径0.25μm)及びα−Fe2O3(個数平均粒径0.60μm)はそれぞれ・1つ質量%のシライ系カップリング剤〔3−(2−アミノェチルアミノプロピル)ジメトキシシラン〕を加え、容器内で100℃以上で、高速混合撹拌して金属酸化物粒子の親油化処理を行ったものである。
【0120】
次に、上記で得られたキャリアコア粒子(d)の表面に、以下の方法で熱硬化催のシリコーン樹脂をコートした。キャリアコア粒子(d)の表面のコート樹脂量が0.5質量%になるように、シリコーン樹脂を秤取した。次にシラン系カップリング剤として3−アミノプロピルトリメトキシシランを、上述のシリコーン樹脂固形分量の3質量%となるように秤取して添加した。次にトルエンを溶.娘としてシリコーン樹脂溶液の樹脂固形分濃度が10質量%になるように希釈してキャリアコード溶液を作製した。
【0121】
次にキャリアコア粒子(d)に剪断応力を連続して加えながら上記のコート溶液を滴下した後、溶媒を揮発させて、キャリアコア表面へのコートを行った。このコート磁性キャリア粒子を160℃で2時間熱処理した後、放冷する。次に凝集したキャリアを解砕し、更に200メッシュの篩で分級して、磁性キャリア(B)を得た。得られた磁性キャリア粒子の個数平均粒径は37.3μmであった。また、キャリアの切断層をFE−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Fe2O3からなるコート層とさらにその、上にシリコーン樹脂層が形成されていることが判明した。
【0122】
得られた磁性キャリア粒子(B)を10キロエルステッドの磁場中で磁化したのち、磁気特性を測定した。10キロエルステッドにおける飽和磁化は150emu/cm3であり、残留磁化は90emu/cm3、保持力2200エルステッドであった。磁性キャリア粒子の真比重は3.66g/cm3であった。磁性キャリア粒子の比抵抗は、25V印加時には3.5×1016Ω・cm,100V印加時には9.3×1015Ω・cm,500V印加時には4.9×1015Ω・cmであった。
【0123】
(磁性キャリアC)
フェノール 7質量部
ホルマリン溶液 10.5質量部
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
親油化処理したバリウムフェライト粉 73質量部
親油化処理したα−Fe2O3 15質量部
上記材料と塩基性触媒として28質量%アンモニア水2質量部、および水15質量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、100質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)に70℃で乾燥して、バリウムフェライトとα−Fe2O3とをフェノール樹脂をバインダーとして結合した球状のキャリアコア(e)を得た。
【0124】
次いで上記で得られたキャリアコア粒子(e)100質量、フェノール0.5質量部、ホルマリン溶液0.75部、親油化処理α−Fe2O31.5質量部、281質量%のアンモニア水0.2質量部、及び水50質量部をフラスコにいれ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温、保持し、3時間尺.応・磁化させた、その後、30℃まで冷却し、50質量部の水を添加した後、上澄み液を除去し、水洗し、風乾した。次いで減圧下(5mmHg以下)に170℃で乾燥して、表面をフェノール樹脂でコートしたキャリアコア粒子(f)を得た。また、キャリアの切断面をFE−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Fe2O3からなるコート層が形成されていることが判明した。
【0125】
尚、上記で用いたバリウムフェライト粉(個数平均粒径0.25μm)及びα−Fe2O3(個数平均粒径0.60μm)はそれぞれ、20質量%のチタン系カップリング剤(イソプロピルトリトデシルベンセンスルホニルチタネート)を加え、容器内で100℃以上で、高速混合撹拌して金属酸化物粒子の親油化処理を行ったものである。
【0126】
次に、上記で得られたキャリアコア粒子(f)の表面に、以下の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂をコートした。まず、キャリアコア粒子(f)の表面のコート樹脂量が0.5質量%になるように、シリコーン樹脂を秤取し、次にシラン系カップリング剤としてn−プロピルトリメトキシシランを上述のシリコーン樹脂固形分量の3質量%となるように秤取して添加した。次にトルエンを溶媒としてシリコーン樹脂溶液の樹脂固形分濃度が10質量%になるように希釈してキャリアコード溶液を作製した。
【0127】
次にキャリアコア粒子(f)に剪断応力を連続して加えながら上記のコート溶液を滴下した後、溶媒を揮発させて、キャリアコア表面へのコートを行った。このコート磁性キャリア粒子を160℃で2時間熱処理した後、放冷する。次に凝集したキャリアを解砕し、更に200メッシュの篩で分級して、磁性キャリア(C)を得た。得られた磁性キャリア粒子の個数平均粒径は42.0μmであった。キャリアの切断面をFE−SEM観察したところ、粒子表面近傍に樹脂とα−Fe2O3からなるコート層とさらにその上にシリコーン樹脂層が形成されていることが判明した。
【0128】
得られた磁性キャリア粒子(C)を10キロエルステッドの磁場中で磁化したのち、磁気特性を測定した。工0キロエルステッドにおける飽和磁化は144emu/cm3であり、残留磁化は81emu/cm3、保持力2150エルステッドであった。磁性キャリア粒子の真比重は3.65g/cm3であった。磁性キャリア粒子の比抵抗は、25V印加時には8.8×1015Ω・cm,100V印加時には6.8×1015Ω・cm,500V印加時には7.5×1015Ω・cmであった。
【0129】
(磁性キャリアD)
フェノール 10質量部
ホルムアルデヒド溶液 6質量部
(ホルムアルデヒド40%、メタノール10%、水50%)
親油化処理したマグネタイト 100質量部
上記材料と、28%アンモニア水、水をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応・硬化させた。その後、30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)で180℃で乾燥して、球状のキャリアコア粒子(g)を得た。
【0130】
上記で用いたマグネタイト粉(個数平均粒径0.24μm)1..0質量%のシラン系カップリング剤[3−(2−アミノエチルアミノプロピル)ジメトキシシラン]を加え、容器内で100℃以上で、高速混合撹拌して親油化処理を行った。
【0131】
更に、上記で得られたキャリアコア粒子(g)の表面に、キャリアAと同様の方法で熱硬化性のシリコーン樹脂をコートして、磁性キャリア(D)を得た。キャリアの切断面をFE−SEM観察したところ、バインダー樹脂とマグネタイトからなるコア粒子の表面にシリコーン樹脂層が形成されていることが判明した。
【0132】
得られた磁性キャリア粒子の個数平均粒径は36.0μmであった。得られた磁性キャリア粒子(D)の磁気特性を測定した。10キロエルステッドにおける飽和磁化は213emu/cm3であり、残留磁化は22emu/cm3、保持力は0エルステッドであった。磁性キャリア粒子の真比重は3.67g/cm3であった。磁性キャリア粒子の比抵抗は、25V印加時には3.9×109Ω・cm,100V印加時には6.5×108Ω・cm,500V印加時には5.0×107Ω・cmであった。
【0133】
(磁性キャリアE)
Fe2O3 26.4質量部
CuO 12.0質量部
Zn〇 52.7質量部
になるように秤量し、ボールミルを用いて混合を行った。
【0134】
これを仮焼した後、ボールミルにより粉砕を行い、さらにスプレードライヤーにより造粒を行った。これを焼結し、さらに分級してキャリアコア粒子を得た。このキャリアコアに、スチレン−メタクリル酸2−エチルヘキシル共重合体(共重合比:50/50)をコート量0.5質量%になるようトルエンを溶媒として流動床式塗布装置スピラコーター(岡田精工社製)を用いてコートを行い、150℃で1時間流動床中で乾燥した後、解砕し、更に200メッシュの篩いがけによる分級を行って磁性キャリア(E)を得た。得られたキャリア粒子の粒径は、45.0μmであった。得られた磁性キャリア粒子(E)の磁気特性を測定した。10キロエルステッドにおける飽和磁化は282emu/cm3であり、残留磁化は0emu/cm3、保持カは0エルステッドであった。磁性キャリア粒子の真比重は4.88g/cm3であった。磁性キャリア粒子の比抵抗は、25V印加時には7.3×1012Ω・cm,100V印加時には6.3×1010Ω・cm,500V印加時には5.2×109Ω・cmであった。
【0135】
なお、それぞれのキャリアの諸物性を表1に示す。
【0136】
[トナー製造例]
(重合トナーの製造例A)
イオン交換水710gに、0.1M−Na3PO4水溶液450gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工薬製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68gを徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
【0137】
一方、
上記処方を60℃に加湿阯し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0138】
前記、水系媒体申に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加え、リン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、シアン着色懸濁粒子を得た。
【0139】
得られた着色粒子は個数平均粒径(D1)が5.3μmであり、変動径数離であった。
【0140】
得られた着色粒子は個数平均粒径(D1)が5.3μmであり、変動係数が18%であった。
【0141】
得られた着色粒子100質量部に対して、BET法による比表面積が、200m2/gである疎水性シリカを0.5質量部外添し、懸濁重合トナーAを得た。このシアントナーの個数平均粒径及び変動係数は実質的に外添前と同等であった。また、得られたトナーの形状係数SF−1は114であり、残存モノマー量は425ppmであった。
【0142】
(重合トナーの製造例B)
イオン交換水710gに、0.1M−Na3PO4水溶液450gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68gを徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
【0143】
一方、
上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0144】
前記、水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分間擾枠し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、製造例Aと岡−条件の減圧下で残存モノマーを留去し、冷却後、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、シアン着色懸濁粒子を得た。得られた着色粒子は個数平均粒径(D1)が5.5μmであり、変動係数19%であった。得られた着色粒子100質量部に対して、BET法による比表面積が、200m2/gである疎水化処理酸化チタンを2つ質量部外添し、懸濁重合トナーBを得た。このシアントナーの個数平均粒径及び変動係数は実質的に外添前と同等であった。得られたトナー得られたトナーの形状係数SF−1は108であり、残存モノマー盤は463ppmであった。
【0145】
[重合トナーの製造例C]
イオン交換水710gに、0.1M−Na3PO4水溶液450gを投入し、60℃に加温した後、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。これに1.0M−CaCl2水溶液68gを徐々に添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
【0146】
一方、
上記処方を60℃に加温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤2,21−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10gを溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0147】
前記、水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃、N2雰囲気下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで10分間撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ、60℃に昇温し、6時間反応させた。重合反応終了後、冷却し、塩酸を加えリン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過、水洗、乾燥をして、シアン着色懸濁粒子を得た。得られた着色粒子は個数平均粒径(D1)が5.0μmであり、個数分布の変動係数は41%であった。
【0148】
得られた着色粒子100質量部に対して、BET法による比表面積が、200m2/gである疎水化処理酸化チタンを1.5質量部外添し、懸濁重合トナーCを得た。このシアントナーの個数平均粒径及び変動係数は実質的に外添前と同等であった。得られたトナー得られたトナーの形状係数SF−1は115であり、残存モノマー量は1700ppmであった。
【0149】
[粉砕トナーの製造例D]
四つ口フラスコに、窒素置換した水180質量部とポリビニルアルコールの0.2質量%水溶液20質量部を投入したのちに、スチレン77質量部、アクリル酸−n−ブチル22質量部ベンゾイルパーオキサイド1.4質量部、ジビニルベンゼン0.2質量都を加え、撹拌し懸濁液とした。この後、フラスコ内を窒素で置換した後に、80℃に昇温し同温度に10時間保持し重合反応を行った。
【0150】
該重合体を水洗した後に、温度を65℃に保ちつつ減圧環境にて乾燥し樹脂を得た。該樹脂を88質量%、合金属アゾ染料を2質量%、カーボンブラック7質量%、低分子量ポリプロピレン3質量%を固定槽式乾式混合機により混合し、ベント口を吸引ポンプに接続し吸引しつつ、二軸押し出し機にて溶融混練を行った。
【0151】
この溶融混練物を、ハンマーミルにて粗砕し1mmメッシュパスのトナー組成物の粗砕物をえた。さらに、この粗砕物を機械式粉砕機により、体積平均径20〜30μmまで粉砕を行った後に、旋回流中の粒子間衝突を利用したジェットミルにて粉砕を行った後、多段割分級機により、分級を行い黒色の着色粒子を得た。得られた粒子は個数平均粒径6.1μm、変動係数は28.2%であった。
【0152】
このトナー組成物100質量部に対して、疎水化処理した酸化チタン1.5質量部外添し、粉砕トナーDを得た。このシアントナーの個数平均粒径及び変動係数は実質的に外添前と同等であった。尚、トナー形状係数を測定したところ、SF−1は124であり、残存モノマー量は530ppmであった。
【0153】
(実施例1)
上述のようにして製造した磁性キャリアAと重合トナーAとをトナー濃度が8%となるように混合して現像剤を調製した。
【0154】
この現像剤をキヤノン製フルカラーレーザー複写機CLC−500改造機を用いて画像出しを行った。この現像部周辺の模式図を図1に示し、これをもって説明する。キヤノン製フルカラーレーザー複写機現像器の現像剤担持体(現像スリーブ)1と現像剤規制部材(磁性ブレード)8との距離Aを600μm、現像スリーブ1と静電潜像担持体(感光ドラム)2との距離Bを400μmとした。このときの現像ニップCは5mmであった。
【0155】
なお、現像スリーブは、CLC−500の現像器内で用いられている現像スリーブ(材質:SUS、日立金属社製、25φ)の表面をニューマプラスター(不二製作所製)を用いてサンドブラストし、Ra=2.1μm,Sm=29.6μmのブラストスリーブ(Ra/Sm=0.07)としたものを用いた。
【0156】
また、現像スリーブ1と感光ドラム2との周速比は2.2:1で進行方向が図1に示す通りお互いにカウンター方向であり、現像スリーブ1の現像極S1の磁場が1キロエルステッド、さらに現像条件は、交番電界は図2に示したような波形をもつ1800Vで周波数3000Hzのものを用い、現像バイアスは−300Vとなるように設定した。帯電部材3として、磁気ブラシで構成される接触帯電部材を用い、感光ドラムの暗部電位(Vd)は400V、明部電位(VL)は50Vとした。
【0157】
なお、感光ドラム2としてはφ80のネガ帯電性アモルファスシリコン系の感光体を用いた。この感光ドラムの表面抵抗は2.5×1013Ωであった。
【0158】
上記の現像条件で画像出しを行った。この結果、細線再現性に非常に優れ、ベタ画像の濃度が高い優れた画像が得られた。さらに、キャリア付着による画像部、非画像部の画像の乱れやトナーカブリは認められなかった。また、10万枚の画像出し耐久を行ったところ、初期とトナーの摩擦帯電量の変化もなく、画像の変化、劣化もなかった。また、10万枚耐久後の感光ドラム表面にはトナーフィルミングは認められなかった。
【0159】
(実施例2)
磁性キャリアBと重合トナーBとを実施例1と同様に現像剤化(トナー濃度8.0%)して、実施例1と同様の条件で画像出し、10万枚の画像出し耐久を行ったところ、実施例1と同様にキャリア付着やトナーカブリのレベルが良好で、画像濃度も十分であり、細線再現性の良い良好な結果が得られた。耐久後の画像劣化、トナーの摩擦帯電量の変化もほとんどなかった。
【0160】
(実施例3)
磁性キャリアCと重合トナーAとを実施例1と同様に現像剤化(トナー濃度8.0%)して、実施例1と同様の条件で画像出し、10万枚の画像出し耐久を行ったところ、実施例1と同様にキャリア付着やトナーカブリのレベルが良好で、画像濃度も十分であり、細線再現性の良い良好な結果が得られた。耐久後の画像劣化、トナーの摩擦帯電量の変化もほとんどなかった。
【0161】
(実施例4)
磁性キャリアAと粉砕トナーDとを実施例1と同様に現像剤化(トナー濃度8.0%)してこの現像剤を使い、キヤノン製アナログ複写機NP−5060改造機を用いて画像出しを行った。現像器の現像剤担持体(現像スリーブ)と現像剤規制部材(磁性ブレード)との距離を600μm、現像スリーブと静電潜像担持体(感光ドラム)との距離を400μmとした。このときの現像ニップは5mmであった。
【0162】
また、現像スリーブと感光ドラムとの周速比は2.0:1、現像スリーブの現像極の磁場が1キロエルステッド、さらに現像条件は、2000Vで周波数2000Hzの矩形波を用い、現像バイアスは150Vとなるように設定した。帯電部材としてコロナ帯電器を用い、感光ドラムの暗部電位(VD)は400V、明部電位(VL)は50Vとした。
【0163】
なお、感光ドラムとしてはφ30のポジ帯電性アモルファスシリコン系の感光体を用いた。この感光ドラムの表面抵抗は1.0×1013Ωであった。
【0164】
以上の条件で画像出し、10万枚の画像出し耐久を行ったところ、実施例1と同様にキャリア付着やトナーカブリのレベルが良好で、画像濃度も十分であり、細線再現性の良い良好な結果が得られた。耐久後の画像劣化、トナーの摩擦帯電量の変化もほとんどなかった。
【0165】
(比較例1)
磁性キャリアDと重合トナーAとを実施例1と同様に現像剤化(トナー濃度8.0%)して実施例1と同様の条件で画像出しを行ったところ、初期からトナーカブリが多く見られ、キャリア付着が悪く、画像出し耐久を行ったところ、耐久後はさらにトナーカブリが悪化し、細線再現性も悪くなり、3万枚耐久時に耐久中止した。3万枚耐久後のドラム表面には一部、トナーフィルミングが認められた。
【0166】
(比較例2)
磁性キャリアDと重合トナーCとを実施例1と同様に現像剤化(トナー濃度8.0%)して、実施例1と同様の条件で画像出しを行ったところ、初期からトナーカブリが多く見られ、キャリア付着が悪く、10万枚の画像出し耐久を行ったところ、耐久後はさらにトナーカブリが悪化し、細線再現性も悪くなった。
【0167】
(比較例3)
磁性キャリアEと重合トナーCとを実施例1と同様に現像剤化(トナー濃度5.5%)して、実施例1と同様の条件で画像出しを行ったところ、初期からトナーカブリが多く見られ、細線再現性も不十分だった。10万枚の画像出し耐久を行ったところ、耐久後はさらにトナーカブリが悪化し、細線再現性も悪くなった。
【0168】
評価結果を表2及び3に示す。尚、表中の評価方法、基準は次の通りである。
(1)画像濃度:画像濃度はSPIフィルターを装着したマクベス社製マクベスカラーチェッカーRD−1255を使用して、普通紙上に形成された画像の相対濃度として測定した。
(2)ライン再現性;オリジナル画像及び標準サンプルを参考にして目視により評価した。
(3)キャリア付着:ベタ白画像を画出しし、現像部とクリーナー部との間の感光ドラム上の部分を透明な接着テープを密着させてサンプリングし、5cm×5cm中の感光ドラム上に付着していた磁性キャリア粒子の個数をカウントし、1cm2あたりの付着キャリアの個数を算出する。
優 :10個/cm2未満
良 :10個〜20個/cm2未満
可 :20個〜50個/cm2未満
やや悪い:50個〜100個/cm2未満
悪い :100個/cm2以上
【0169】
(4)カブリ
画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)を東京電色株式会社製デンシトメータTC−6MCによって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(%)は下記式
fog(%)=Dr(%)−Ds(%)
から算出する。
優 :1.0(%)未満
良 :1.0〜1.5(%)未満
可 :1.5〜2.0(%)未満
やや悪い:2.0〜3.0(%)未満
悪い :3.0(%)以上
【0170】
【表1】
【0171】
【発明の効果】
本発明の画像形成方法においては表面抵抗が1×1010〜1×1016Ωであるアモルファスシリコン系の静電潜像担持体と二成分系現像剤として、磁性キャリアは少なくともバインダー樹脂と磁性粒子としてハードフェライト材料からなる粒子をコア材として、更にその表面に非磁性の金属酸化物粒子を含有した樹脂層を設け、比抵抗を50×1013Ω・cm以上の高抵抗とした磁性キャリアを用いている。このような構成とすることで、現像剤磁気ブラシを潜像担持体に接触させながら交番電界を印加して現像を行うと、キャリア付着がなく、かつ高画質画像を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な画像形成装置の模式図である。
【図2】本発明の実施例に用いた現像バイアス波形を示したものである。
【符号の説明】
1 現像スリーブ
2 感光ドラム
3 接触帯電部材
4 転写ドラム
5 露光手段
6 クリーナー
7 転写材
Claims (6)
- 表面抵抗が1×1010〜1×1016Ωであるアモルファスシリコン系の静電潜像担持体と、磁性キャリアとトナーを含有する二成分系現像剤を担持する現像剤担持体とを対向させて配設し、現像する画像形成方法において、
該磁性キャリア粒子は少なくともバインダー樹脂及び磁性金属酸化物粒子を含有し、
磁性キャリア粒子の個数平均粒径が5〜100μmであり、
磁性キャリア粒子の比抵抗が25〜500V印加時に、5.0×1013Ω・cm以上であり、
磁性キャリア粒子の真比重が3.0〜4.9g/cm3であり、
磁性キャリア粒子の10000エルステッドの磁場における飽和磁化が100emu/cm3以上であり、残留磁化が50emu/cm3以上であり、かつ保持力が300エルステッド以上であり、
該現像剤担持体上に形成する現像剤磁気ブラシを該潜像担持体に接触させ、交番電界を印加しつつ現像を行うことを特徴とする画像形成方法。 - 該磁性キャリアは少なくとも熱硬化性のバインダー樹脂及び表面が親油化処理された非磁性金属酸化物粒子と磁性金属酸化物粒子で構成され、該非磁性金属酸化物粒子はキャリアの表面近傍に存在し、かつ該磁性金属酸化物粒子は、六方晶マグネトプランバイト構造のMO・6(Fe2O3)(式中、MはBa、SrまたはPbである)を有するハードフェライトであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 該磁性キャリア粒子は表面がシリコーン系の樹脂でコートされていることを特徴とする請求項1乃至2に記載の画像形成方法、
- 該トナーは個数平均粒径が1〜10μmであり、35%以下の個数分布の変動係数を有することを特徴とする請求項1乃至3に記載の画像形成方法。
- 該トナーは形状係数SF−1が100〜130の範囲であり、かつ、全体又は一部が重合法により形成されており、かつ残存モノマーの含有量が1000ppm以下であることを特徴とする請求項4に記載の画像形成方法。
- 現像剤担持体の回転の進行方向と潜像担持体の回転の進行方向が、対向部において互いにカウンター方向であることを特徴とする請求項1乃至5に記載の画像形成方法。
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JP2003010759A JP2004226453A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | 画像形成方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007163728A (ja) * | 2005-12-13 | 2007-06-28 | Canon Inc | 磁性キャリア、二成分系現像剤、補給用現像剤及び現像方法 |
-
2003
- 2003-01-20 JP JP2003010759A patent/JP2004226453A/ja not_active Withdrawn
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