JP2004225843A - グリース組成物、転がり軸受、燃料電池システム用圧送機及び燃料電池システム - Google Patents

グリース組成物、転がり軸受、燃料電池システム用圧送機及び燃料電池システム Download PDF

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Abstract

【課題】防錆性能、耐腐食性及び耐摩耗性が向上したグリース組成物及び転がり軸受、長寿命の燃料電池システム用圧送機及び燃料電池システムを提供する。
【解決手段】ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、インダゾールまたはその誘導体、ベンゾチアゾールまたはその誘導体、ベンズオキサゾールまたはその誘導体、ベンズイミダゾールまたはその誘導体及びチアジアゾールまたはその誘導体から選ばれる少なくとも1種をグリース組成物全量の0.2〜2質量%、金属ジチオフォスフェート及び金属ジチオカーバメートの少なくとも1種をグリース組成物全量の1〜10質量%含有するグリース組成物、前記グリース組成物を封入した転がり軸受、前記転がり軸受を具備する燃料電池用圧送機並びに前記圧送機を具備する燃料電池システム。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防錆性能、耐腐食性及び耐摩耗性に優れたグリース組成物、前記グリース組成物を封入してなり、特に燃料電池システムの圧送機に好適な転がり軸受、前記転がり軸受を具備する燃料電池システム用の圧送機、並びに前記圧送機を具備した燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
エネルギー需給問題、大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化等の環境問題に対し、クリーンな排気及び高エネルギー効率を可能にする燃料電池が注目を浴びている。燃料電池は、水素や水素リッチな改質ガスと酸素等(空気)の酸化剤との電気化学反応によって化学エネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギーシステムである。燃料電池に用いられる電解質には、固体高分子、リン酸水溶液、溶融炭酸塩、アルカリ水溶液等があるが、中でも、固体高分子電解質型燃料電池は、比較的低温(100℃以下)で発電が行われ、出力密度が高く、低温で作動し、電池構成材料の劣化が少なく、起動が容易である等の長所があることから、特に、自動車等の輸送体の動力源として有効とされており、種々の燃料電池システムが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0004】
固体高分子電解質型燃料電池の基本的構成は、固体高分子電解質膜の両面を、白金等の貴金属を触媒とする多孔質のカソード(酸素極)とアノード(燃料極)の両ガス拡散電極で挟んで重ね合わせてなるセルを、セパレータを介して積層して燃料電池スタックとし、各セパレータの表裏両面にガス通路を形成し、カソード側のガス通路には酸化剤ガスを給排させ、アノード側のガス通路には燃料ガスを給排させるようにした構成が一般的である。
【0005】
これらの固体高分子電解質型燃料電池を用いた燃料電池システムでは、水素や水素リッチな改質ガス、酸化剤として多量の空気を輸送するために圧送機が使用されており、これらの気体を輸送を安定に行うための改良がなされた圧送機が種々提案されている。また、圧送機には回転軸の支持用に転がり軸受が使用されており、潤滑のためのグリースが封入されているが、揮発成分が飛散して燃料電池スタックに付着して触媒毒として作用することがあり、この揮発成分の飛散、漏洩の防止を図った圧送機も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】
特開平11−307112号公報
【特許文献2】
特開2002−231294号公報
【特許文献3】
特開2002−70764号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
燃料電池システムでは、発電のための化学反応に際して水が発生することから、圧送機が輸送する気体には多分に水分が混入している。更に、固体高分子電解質型燃料電池では、燃料電池スタックのセルを構成する電解質としてフッ素樹脂系の高分子膜が一般的であり、水素イオンの伝導性を維持し、膜の破損の原因となる水素と酸素との直接反応を避けるために、このフッ素樹脂系高分子膜は常に水分を含んだ状態に維持されなければならず、固体高分子電解質型燃料電池を用いた燃料電池システムでは、圧送機と燃料電池スタックとの間に加湿器が介在される。
【0007】
このように、燃料電池システムでは、圧送機に組み込まれている転がり軸受が水分との接触により錆や腐食が発生し易い状況に置かれており、防錆性能や耐腐食性に優れることが要求されている。このような要求に対して、圧送機に組み込まれる転がり軸受では、水分と接触しないようにシール構造を採ったり、錆び難い材質で形成する等の対策が一般に講じられているが、封入グリースには特に防錆性や耐腐食性を付与することが行われていない。
【0008】
また、気体の輸送能力を高めるために圧送機は高速運転されており、組み込まれている転がり軸受もかなりの高速、高荷重下で回転している。高速、高荷重回転による摩耗を抑えるために、MoDTC(モリブデンジチオカーバメート)等の極圧添加剤を添加したグリースを使用することも行われているが、潤滑性能に与える影響に加え、金属イオンを含むパーティクルが放出され燃料電池スタックに付着すると一種の触媒毒として作用することがあること等から、その添加量には限度があり、極圧添加剤単独での使用では耐摩耗性の改善には限界がある。
【0009】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、防錆性能、耐腐食性及び耐摩耗性に優れ、特に燃料電池システムの圧送機に組み込まれる転がり軸受に好適なグリース組成物を提供することを目的とする。また、前記グリース組成物を封入してなり防錆性能や耐腐食性、耐摩耗性に優れ、長寿命であり、特に燃料電池システムの圧送機用として好適な転がり軸受を提供することを目的とする。更に、前記転がり軸受を具備し、長期にわたり安定作動する燃料電量システム用圧送機、並びに前記圧送機を具備してなる長期にわたり安定した発電を行い得る燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の含窒素複素環化合物と、金属ジチオカーバメートや金属ジチオフォスフェートとを併用することにより、これらを含有するグリース組成物を封入した転がり軸受の防錆性能、耐腐食性及び耐摩耗性が大幅に改善されることを知見した。
【0011】
即ち、上記の目的を達成するために本発明は、
(1)ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、インダゾールまたはその誘導体、ベンゾチアゾールまたはその誘導体、ベンズオキサゾールまたはその誘導体、ベンズイミダゾールまたはその誘導体及びチアジアゾールまたはその誘導体から選ばれる少なくとも1種をグリース組成物全量の0.2〜2質量%、金属ジチオフォスフェート及び金属ジチオカーバメートの少なくとも1種をグリース組成物全量の1〜10質量%含有することを特徴とするグリース組成物、
(2)内輪と外輪との間に、複数の転動体を保持器を介して転動自在に保持し、かつ前記(1)記載のグリース組成物を封入したことを特徴とする転がり軸受、
(3)燃料電池システムの圧送機に組み込まれることを特徴とする前記(2)記載の転がり軸受、
(4)前記(3)記載の転がり軸受を具備することを特徴とする燃料電池システム用圧送機、
(5)少なくとも、燃料電池スタック及び各種流体を輸送するための圧送機を具備する燃料電池システムであって、前記圧送機が前記(4)記載の燃料電池システム用圧送機であることを特徴とする燃料電池システム、
を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0013】
(グリース組成物)
本発明のグリース組成物において、基油の種類は制限されるものではなく、従来よりグリース組成物の基油として使用されている鉱油系潤滑油、合成油系潤滑油、天然油系潤滑油を使用することができる。鉱油系潤滑油としては、鉱油を減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を、適宜組み合わせて精製したものを用いることができる。合成油系潤滑油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。炭化水素系油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンコオリゴマー等のポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物等が挙げられる。芳香族系油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等が挙げられる。エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレート等のジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、更にはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンぺラルゴネート、ペンタエリスリトル−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル油、更にはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等が挙げられる。エーテル系油としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリゴールモノエーテル等のポリアルキレングリコール、あるいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。その他の合成潤滑油としてはトリクレジルフォスフェート、シリコーン油、パーフルオロアルキルエーテル等が挙げられる。天然油系潤滑油としては、牛脂、豚脂、大豆油、菜種油、米ぬか油、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の油脂系油またはこれらの水素化物が挙げられる。これらの基油の中でも、耐熱性や低温流動性を兼ね備えることから、エステル系油、エーテル系油が好ましく、芳香族エステル油やポリオールエステル油が耐熱性により優れることから特に好ましい。
【0014】
また、グリースの低温流動性不足や、高温で油膜が形成され難いために起こる焼付きを避けるために、基油は40℃における動粘度で10〜400mm/sec、より好ましくは20〜250mm/sec、さらに好ましくは40〜150mm/secであることが望ましい。このことは、特に自動車用の燃料電池システムにおいて低温起動時の異音発生を抑える上で重要である。
【0015】
増ちょう剤にも特に制限がなく、Li、Na、Ba、Ca、Al等を金属種とする金属石けんあるいは金属コンプレックス石けん、またはウレア化合物を使用できる。但し、リチウム石けん等の単純な金属石けん系増ちょう剤は吸水性があり、グリース組成物が水分を含むようになり軸受に錆を発生させたり、グリース組成物の液状化が起こり易くなることから、金属コンプレックス石けんやウレア化合物が好ましいといえる。また、ウレア化合物は耐熱性や耐水性に優れるため特に好ましい。尚、ウレア化合物としては、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0016】
また、増ちょう剤の配合量は、上記基油とともにグリース性状を形成、維持できる限り制限はないが、グリース組成物全量の5〜40質量%、好ましくは10〜30質量%の範囲が適当である。増ちょう剤量が5質量未満ではグリース性状を形成できず、40質量%を越えるとグリース組成物が硬くなりすぎる。
【0017】
本発明のグリース組成物は、上記の基油及び増ちょう剤に、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、インダゾールまたはその誘導体、ベンゾチアゾールまたはその誘導体、ベンズオキサゾールまたはその誘導体、ベンズイミダゾールまたはその誘導体及びチアジアゾールまたはその誘導体から選ばれる少なくとも1種と、金属ジチオフォスフェート及び金属ジチオカルバメートの少なくとも1種とを添加することが特徴である。
【0018】
ベンゾトリアゾール誘導体、インダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体及びチアジアゾール誘導体は、それぞれ下記に示す化学式で表される。
【0019】
【化1】
Figure 2004225843
【0020】
ここで、nは1または2である。また、R、R、R、R、R、R、R、Rは水素原子または炭素数1〜24のアルキル基であり、アルキル基は他の官能基を有していてもよい。また、R、R、Rはベンゼン環に複数個導入されていてもよく、その場合同一であってもよいし、相違していてもよい。また、RとR、RとR、RとRは、それぞれの対で同一であってもよいし、相違していてもよい。また、分子内ベンゼン環はナフタレンのような他の芳香族化合物であってもよい。
【0021】
これらは何れも、金属表面を不活性化する作用を有しており、以降の説明では「金属不活性化剤」とも言う。下記に示すように、ベンゾトリアゾールは、骨格中の窒素元素と金属(Cu)との間で配位結合を生じて密着性の高い表面被膜を形成し、この表面被膜が金属と水分との接触を効果的に阻止する。このような表面被膜を確保するために、金属不活性化剤の添加量はグリース組成物全量の0.2質量%以上必要であり、好ましくは0.5質量%以上添加する。添加量の上限はグリース組成物全量の2質量%であり、これより多量に添加しても防錆効果の更なる向上は見られず、むしろ金属ジチオフォスフェート及び金属ジチオカーバメートとの総量が過大となり、焼付き寿命が低減するようになる。
【0022】
【化2】
Figure 2004225843
【0023】
また、金属ジチオフォスフェート及び金属ジチオカーバメートの金属種としては、モリブデン、亜鉛、アンチモン、セレン、ビスマス、鉄、銅、鉛等が挙げられる。これらは極圧添加剤として知られているが、本発明のグリース組成物においては上記の金属不活性化剤との組合せにより、より優れた耐摩耗性を発現する。上記の金属不活性化剤は、骨格中にベンゼン環やN、S等の非共有電子対を有する原子を含む環状構造を有するため、電子密度が大きい。一方、金属ジチオフォスフェート及び金属ジチオカーバメートに含まれる金属原子は僅かに正に分極しているため、金属不活性化剤の高密度の電子群に誘引されやすい状況にある。金属不活性化剤は上記のように金属表面との間で配位結合を形成するため、ジチオフォスフェート及び金属ジチオカーバメートは金属不活性化剤に誘引される結果、金属表面との反応が活性化される。即ち、金属不活性化剤と、ジチオフォスフェート及び金属ジチオカーバメートとの相互作用により、ジチオフォスフェート及び金属ジチオカーバメートを単独使用した場合に比べて、より一層の耐摩耗性が得られる。このような金属不活性化剤との相互作用を効果的に発現するために、金属ジチオフォスフェート及び金属ジチオカーバメートの添加量は、グリース組成物全量の1〜10質量%とする。添加量が1質量%未満では耐摩耗性の改善効果が十分に得られず、10質量%を超えると上記の金属不活性剤との総量が過大となり、焼付き寿命が低減するようになる。
【0024】
本発明のグリース組成物には、潤滑性能等をより一層高めるために、必要に応じてその他の添加剤を添加することができる。例えば、アミン系、フェノール系、硫黄系等の酸化防、脂肪酸、動植物油等の油性向上剤等を単独または2種以上組み合わせて添加することができる。これら添加剤の添加量は、本発明の所期の目的を達成できれば特に限定されるものではなく、適宜設定される。
【0025】
(転がり軸受)
本発明は、上記グリース組成物を封入した転がり軸受に関する。転がり軸受の構成自体は制限されるものではなく、例えば図1に示すような玉軸受300を例示することができる。図示される玉軸受300は、内輪501と外輪302との間に保持器303を介して複数の転動体である玉304を略等間隔で回動自在に保持してなり、本発明においては更に内輪301、外輪302及び玉304で形成される空所Sに、上記のグリース組成物(図示せず)を所定量充填し、シール部材305で封止して構成されている。尚、グリースの封入量は、従来と同様に、軸受空間容積の5〜50容積%の範囲で使用条件に応じて選定する。
【0026】
本発明の転がり軸受は、封入したグリース組成物により優れた防錆性能、耐腐食性及び耐摩耗性が付与されるため、特に水分と接触する環境での使用に好適であり、燃料電池用圧送機にも好適に使用できる。
【0027】
(燃料電池システム用圧送機)
また、本発明は上記の転がり軸受を具備する燃料電池システム用圧送機に関する。燃料電池システム用圧送機として、インペラ型圧送機、スクロール型圧送機、斜板型圧送機、スクリュー型圧送機が一般的であるが、これらに限定されない。以下に、スクロール型圧送機、両斜板型圧送機、スクリュー型圧送機を例示して説明する。
【0028】
図2に示されるスクロール型圧送機140は、固定スクロール111と旋回スクロール112とからなる圧縮機構部110と、モータ主軸122に対して偏心して設けられたクランクピン122aにより旋回スクロール112を旋回させるクランク機構部150と、モータ主軸122を回転させる駆動モータ部120とからなる。
【0029】
クランク機構部150は、旋回スクロール112に旋回運動を行わせる駆動クランク機構151、及び旋回スクロール112の自転を防止する従動クランク機構152で構成されている。
【0030】
従動クランク機構152は、旋回スクロール112に設けられた凹状保持部112cと、従動クランク軸153のクランクピン153a及びクランクピン153aを旋回スクロール112に対して回転自在とする上記の転がり軸受154とからなる。従動クランク軸153は、クランクピン153aとは反対側を上記の転がり軸受155を介してモータハウジング101に回転自在に支持されている。また、従動クランク軸153にはバランスウェイト153bが設けられており、バランスウェイト153bによって、旋回スクロール112の旋回時に生じる慣性モーメントを打ち消され、振動の低減が図られている。
【0031】
固定スクロール111は、円盤状に形成された固定基盤111aと、この固定基盤111aから立設した渦巻状の旋回渦巻部111cと、この旋回渦巻部111cを覆う外周壁111bとからなる。旋回スクロール112は、円盤状の旋回基盤112bと、この旋回基盤112bから立設した渦巻状の旋回渦巻部112aとからなる。旋回基盤112bのリア側中央には有底円筒状の凹状部112cが設けられている。固定基盤111aにおける図中上下方向略中央には、固定スクロール111及び旋回スクロール112間で圧縮された空気等の吐出口114が設けられている。
【0032】
凹状部112cをハウジングとして、針状ころ軸受133が凹状部112cの内周側に挿入されている。この針状ころ軸受133は、モータ主軸122のクランクピン122aを回転軸として、旋回スクロール112を回転自在に支えている。
【0033】
駆動モータ部120において、駆動モータ121は、モータ主軸122に嵌め合わされたロータ123と、ロータ123の外周側に設けられてコイル124を巻回されたステータ125とを、モータハウジング101内に備えてなる。モータ主軸122は、モータハウジング101に上記の転がり軸受102を介して回転自在に支持されるとともに、リア側(図中右側)の端部を上記の転がり軸受103を介してリアハウジング104に回転自在に支持され、シール部材107で密封されている。また、モータ主軸122には、バランスウェイト122bが設けられており、バランスウェイト122bによって、旋回スクロール112の旋回時に生じる慣性モーメントを打ち消され、振動低減が図られている。
【0034】
上記の如く概略構成されるスクロール型圧送機140では、駆動モータ121に電力が供給されると、モータ主軸122が回転し、その回転が駆動クランク機構130を介して旋回スクロール112に伝達される。旋回スクロール112は、モータ主軸122の回転に伴って、固定スクロール111と噛み合いつつ旋回し、図示しない吸入口から固定スクロール111との間に気体を吸入するとともに、固定スクロール111との間で圧縮させる。その後、圧縮された気体を吐出口114から吐出させる。
【0035】
図3は両斜板式圧送機160を示すが、両面傾斜板171の回転に伴う両頭ピストン172の往復動で気体を圧縮する圧縮機構部170と、駆動モータ181のモータ主軸182の回転により圧縮機構部170を駆動する駆動モータ部180とを備える。
【0036】
圧縮機構部170において、両頭ピストン172は、シリンダブロック161のクランク室163内にモータ主軸182の軸方向に沿って往復動可能に設けられており、両面傾斜板171にシュー173を介して連結されている。また両面傾斜板171は、モータ主軸182の外周面に、モータ主軸182と一体回転可能に挿着されており、シリンダブロック161内に設けられた支持部材162に、スラスト軸受174を介して回転自在に支持されている。
【0037】
駆動モータ部180において、駆動モータ181は、モータ主軸182に嵌入されたロータ183と、ロータ183の外周側に設けられ、コイル184を巻回されたステータ185とを、モータハウジング186内に備えてなる。
【0038】
モータ主軸182は、軸方向略中央より図中左側を左右一対の上記の転がり軸受187を介してモータハウジング186に回転自在に支持されるとともに、軸方向略中央より図中右側を左右一対の上記の転がり軸受175を介して支持部材162に回転自在に支持されている。
【0039】
上記の如く構成される両斜板型圧送機160では、駆動モータ181に電力が供給されると、モータ主軸182が回転し、その回転が両面傾斜板171及びシュー173を介して両頭ピストン172に伝達される。両頭ピストン172は、モータ主軸182の回転に伴ってクランク室163内で軸方向に沿って往復動することにより、気体を吸入・圧縮して吐出させる。
【0040】
図4はスクリュー型圧送機220を示すが、主ロータ201と副ロータ202とを噛み合わせて回転させることで気体を圧縮する圧縮機構部200と、駆動モータ181のモータ主軸182の回転により圧縮機構部200を駆動する駆動モータ部180とを備える。なお、駆動モータ部180については、図3に示した両斜板式圧送機160と同様であり、同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
圧縮機構部200において、主ロータ201及び副ロータ202はそれぞれ、対応する螺旋状に形成されて互いに噛み合わせることで協働して回転可能な構成である。主ロータ201は、図中左側の回転軸201aを左右一対の上記の転がり軸受203を介してハウジング207に回転自在に支持されるとともに、図中右側の回転軸201aを上記の転がり軸受204を介してハウジングに回転自在に支持されている。また、副ロータ202は、図中左側の回転軸202aを図中左右一対の上記の転がり軸受205を介してハウジング207に回転自在に支持されるとともに、図中右側の回転軸202aを上記の転がり軸受206を介してハウジング207に回転自在に支持されている。
【0042】
また、主ロータ201の回転軸201aにおいて、転がり軸受203,204に対して軸方向内側には、ハウジング207との間にシール部材208が介在されている。副ロータ202の回転軸202aにおいて、転がり軸受205,206より軸方向内側には、ハウジング207との間にシール部材209が介在されている。
【0043】
主ロータ201及び副ロータ202は、図中左側の回転軸201a,202aにそれぞれ設けられた連結ギア210を介して連動される。主ロータ201の図中左側の回転軸201aの左端部には、被駆動ギア211が設けられており、被駆動ギア211は、駆動モータ181のモータ主軸182に嵌合された駆動軸188の駆動ギア189に噛合されている。従って、主ロータ201は、モータ主軸182の回転を、駆動軸188、駆動ギア189及び被駆動ギア211を介して伝達される。主ロータ201の回転は、連結ギア210を介して副ロータ202に伝達される。
【0044】
また、駆動軸188は、左右一対の上記の転がり軸受212を介してハウジング213に回転自在に支持されている。駆動軸188とハウジング213との間には、シール部材214が介在されている。
【0045】
上記の如く構成されるスクリュー型圧送機220では、駆動モータ181に電力が供給されると、モータ主軸182が回転し、その回転が駆動軸188、駆動ギア189、被駆動ギア211を介して主ロータ201の回転軸201aに伝達される。同時に、主ロータ201の回転軸201aから連結ギア210を介して副ロータ202の回転軸202aに伝達される。主ロータ201及び副ロータ202は、噛み合い回転することにより、気体を吸入・圧縮して吐出させる。
【0046】
上記の各圧送機は、組み込まれている転がり軸受が防錆性能、耐腐食性及び耐摩耗性に優れることから、長期にわたり安定して作動する。
【0047】
(燃料電池システム)
本発明は更に、上記の燃料電池システム用圧送機を具備する燃料電池システムに関する。燃料電池システムとしては、図5に示す固体高分子電解質型燃料電池システムや図6に示す水素タンク方式の燃料電池システムを例示することができる。
【0048】
図5に示す固体高分子電解質型燃料電池システムは引用文献1(特開平11−307112号公報)に記載された燃料電池システムに相当するものであり、固体高分子電解質膜1の両面をカソード2とアノード3の両ガス拡散電極で狭持してなるセルをセパレータを介して積層して燃料電池スタックとし、更に数セルに1つずつの冷却部4を備える固体高分子電解質型燃料電池Iのアノード3入口側に、上流側より順に改質器5、熱交換器6、シフトコンバータ7、CO除去器8をそれぞれ設置し、燃料タンク9から供給されるメタノールを、メタノール蒸発器10を経て改質器5に導入させるようにメタノール供給ライン11を設け、一方、水タンク12からの水の一部を蒸気発生器13で水蒸気にして送る水蒸気ライン14をメタノール供給ライン11に接続してメタノールと水蒸気とを改質器5に導入して水蒸気改質を行わせるようにすると共に、水の他の一部を、冷却用として熱交換器6とCO除去器8を通過させるようにし、改質器5で改質された燃料ガスFGを、熱交換器6で水タンク12からの冷却水により冷却した後、200℃で運転されるシフトコンバータ7でシフト反応を行って、固体高分子電解質型燃料電池Iの触媒毒となる一酸化炭素(CO)の濃度をCO除去器8が処理可能な濃度(1%以下)に低減する。また、100〜150℃程度で運転されるCO除去器8でCO除去処理された燃料ガスFGが加湿器15を経て固体高分子電解質型燃料電池Iのアノード3へ供給する。
【0049】
一方、固体高分子電解質型燃料電池Iのカソード2の入口側には、酸化剤ガスとして空気Aをターボチャージャ16の上記の圧送機17により圧縮して加湿器15を経て供給するようにすると共に、一部を分岐してCO除去器8に入れてCOの燃焼に用い、また、カソード2から排出されたカソード排ガスCGの全量と、アノード3から排出されたアノード排ガスAGの一部とを燃焼器19で燃焼させた後、改質器5の燃焼室に導入し、改質器5の改質室内のメタノールを改質触媒の存在下で250℃になるように熱を吸熱して反応させて燃料ガスFGに改質する。
【0050】
また、改質器5の燃焼室より排出された排ガスは、アノード3から排出されたアノード排ガスAGの一部とともに燃焼器20で燃焼させられた後にタービン18に導いて上記の圧送機17を駆動させ、タービン18から排出された排気ガスは蒸気発生器13、メタノール蒸発器10を通して排気ガスとして排出させる。更に、水タンク12からの冷却水の一部は、加湿器15を経て固体高分子電解質型燃料電池Iの冷却部4を通過させられ、冷却部4を通過させられた冷却水は、冷却器21で冷却されて水タンク12へ入れられる。また、カソード排ガスライン22中の気水分離器23及びアノード排ガスライン24中の気水分離器25で各々分離された水は、熱交換器6及びCO除去器8を通過した水とともに水タンク12に戻される。
【0051】
また、図6に示す燃料電池システムは引用文献2(特開2002−231294号公報)に記載された燃料電池システムに相当するものであり、図中、符号51は、固体高分子電解質膜を間に挟んで燃料極53と酸化剤極55とを相互に対向配置し、更にセパレータで挟持して複数積層して構成される燃料電池スタックである。また、符号57は加湿器であり、燃料ガスおよび酸化剤ガスが、それぞれ半透膜を介して純水と隣接し、水分子が半透膜を通過することにより燃料ガスおよび酸化剤ガスに対して加湿を行う。
【0052】
水素タンク59には水素が貯えられており、この水素は燃料調圧弁61により調圧された後、上記の圧送機(エゼクタ圧送機)63、供給側水分離器65及び加湿器57を通り、燃料電池スタック51に対し燃料極53の燃料入口53aから供給される。燃料極53の燃料出口53bから排出される水素と水蒸気との混合ガスは、排出側水分離器67、流路遮断弁69を通り、上記の圧送機(エゼクタ圧送機)63で原燃料ガスと混合され、この混合ガスが供給側水分離器65及び加湿器57を経て燃料電池スタック51の燃料極53に循環される。また、排出側水分離器67と流路遮断弁69との間の配管71には、パージ分岐部73にて、水素をパージさせるパージ配管75が分岐接続され、パージ配管75にはパージガス遮断弁77及びパージガス触媒79がそれぞれ設けられている。
【0053】
酸化剤としての空気は、上記の圧送機81によって加湿器57を経て燃料電池スタック1の酸化剤極55に、酸化剤入口55aから供給される。酸化剤極55の酸化剤出口55bから排出される排気は、水蒸気と液水を含み、水分離器83によって液水分が分離される。水分離器83には、水素パージ時の空気供給用の空気パージ配管85及びパージガス遮断弁87が設けてあり、水素パージ時にはパージガス触媒79に空気が供給されて外部に排出される。また、空気パージ配管85には、空気排出管89が分岐接続され、空気排出管89には空気調圧弁91が設けられている。
【0054】
更に、燃料電池スタック51の発電状態はセンサ(図示せず)で検知され、検知信号を受けて発電状態に応じて、水素圧力及び空気圧力を燃料調圧弁51及び空気調圧弁91で調整するようフィードバック制御するとともに、空気流量を上記の圧送機81の回転数により調整するようフィードバック制御する構成となっている。
【0055】
このように構成される燃料電池システムは、上記の圧送機を具備することにより長寿命となる。
【0056】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
【0057】
(試験グリースの調製)
表1に示す如く基油、増ちょう剤、金属不活性化剤及び極圧添加剤を配合して試験グリースを調製した。尚、表1中のMoDTP(モリブデンジチオフォスフェート)は旭電化(株)製「サクラルーブ300」、MoDTC(モリブデンジチオカーバメート)は旭電化(株)製「サクラルーブ165」、ZnDTPは旭電化(株)製「キクルーブZ−112」、ZnDTCはバンダービルド社製「VanlubeAZ」、SbDTCはバンダービルド社製「Vanlube73」である。また、試験グリースは全て、増ちょう剤量をグリース全量の15質量%とし、混和ちょう度が260になるように調整した。
【0058】
(軸受耐久試験)
日本精工(株)製「6203DDU」(内径φ17mm、外径φ40mm、幅12mmの接触ゴムシール付き単列深溝玉軸受、図1参照)に、試験グリースを軸受空間の40体積%を占めるように封入して試験軸受を作製した。そして、図7に示す試験装置を用いて焼付き寿命を評価した。図示される試験装置は、回転用シャフト60を一対の支持用軸受62で支持し、その中間部に試験軸受61を装着し、更に全体を所定温度に維持できるように恒温容器(図示せず)に収容する構成となっている。試験は、シャフト60を回転させて試験軸受61を内輪回転速度2000min−1、外輪温度120℃、ラジアル荷重1000N、アキシアル荷重1000Nの条件で連続回転させ、焼付きが生じて外輪温度が130℃以上に上昇するまでの時間(焼付き寿命)を計測した。結果を表1に、実施例2の焼付き寿命を1とした相対値にて記載した。
【0059】
(錆び試験)
JIS K2246の湿潤試験片に試験グリースを塗布し、その塗布面に塩水(NaCl:5質量%)を滴下してサンプルを作製した。そして、このサンプルを50℃で24時間放置後、表面を目視で観察し、錆が全面に発生している場合を0、錆が全く発生していない場合を7として錆の発生程度を評価した。5〜7を錆の発生無しと見なして表1に「○」を、0〜4を錆の発生有りと見なして表1に「×」を記載した。
【0060】
【表1】
Figure 2004225843
【0061】
表1から、本発明に従い金属不活性化剤と、金属ジチオカーバメートまたは金属ジチオフォスフェートとをそれぞれ規定量添加した実施例の試験グリースは錆の発生も無く、またこの試験グリースを封入した試験軸受は耐摩耗性が向上して耐久性も改善されることがわかる。これに対し、金属不活性化剤の添加量が規定量より少ない比較例1の試験グリースは錆が若干発生し、更にこの試験グリースを封入した試験軸受は耐久性も実施例の試験軸受に比べて劣っている。また、極圧添加剤のみを添加した比較例2〜4の試験グリースは錆が多く発生し、更には試験軸受の耐久性も大きく劣っている。
【0062】
(金属不活性化剤の添加量の検証)
ポリオールエステル油(動粘度26mm/s(40℃))に脂環族ジウレアを15質量%配合し、ZnDTPを2質量%添加したベースグリースに、ベンゾトリアゾールを添加量を変えて添加して試験グリースを調製した。そして、上記と同様の錆び試験及び軸受耐久性試験を行った。錆び試験の結果を図8に、軸受耐久試験の結果を図9にグラフ化して示すが、ベンソトリアゾールの添加量がグリース全量の0.2〜2質量%の範囲であれば、防錆性能に優れ、耐久性も改善されることがわかる。
【0063】
(極圧添加剤の添加量の検証)
ポリオールエステル油(動粘度26mm/s(40℃))に脂環族ジウレアを15質量%配合し、ベンゾトリアゾールを1.5質量%添加したベースグリースに、ZnDTPを添加量を変えて添加して試験グリースを調製した。そして、上記と同様の軸受耐久性試験を行った。結果を図10にグラフ化して示すが、ZnDTPの添加量がグリース全量の1〜10質量%の範囲であれば、耐久性の改善効果が大きいことがわかる。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、特定の金属不活性化剤と極圧添加剤とを規定量併用することにより、防錆性能、耐腐食性及び耐摩耗性が著しく向上したグリース組成物が得られる。また、このグリース組成物を封入することにより、特に燃料電池システム用圧送機に好適な転がり軸受が得られる。更には長寿命の燃料電池システム用圧送機及び燃料電池システムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の一例(玉軸受)を示す断面図である。
【図2】本発明の圧送機の一例(スクロール型圧送機)を示す断面図である。
【図3】本発明の圧送機の他の例(両斜板型圧送機)を示す断面図である。
【図4】本発明の圧送機の更に他の例(スクリュー型圧送機)を示す断面図である。
【図5】本発明の燃料電池システムの一例(固体高分子電解質型燃料電池)の全体構成を示す図である。
【図6】本発明の燃料電池システムの他の例(水素タンク方式燃料電池)の全体構成を示す図である。
【図7】実施例において軸受耐久試験に用いた試験装置を示す概略図である。
【図8】実施例で得られた、金属不活性化剤の添加量と錆びの発生との関係を示すグラフである。
【図9】実施例で得られた、金属不活性化剤の添加量と焼付き寿命との関係を示すグラフである。
【図10】実施例で得られた、極圧添加剤の添加量と焼付き寿命との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 固体高分子電解質膜
2 カソード
3 アノード
4 冷却部
5 改質器
9 燃料タンク
10 メタノール蒸発器
12 水タンク
13 蒸気発生器
15 加湿器
16 ターボチャージャ
17 コンプレッサ
23 気水分離器
25 気水分離器
111 固定スクロール
112 旋回スクロール
120 駆動モータ部
122 モータ主軸
140 スクロール型圧送機
150 クランク機構部
160 両斜板式圧送機
170 圧縮機構部
171 両面傾斜板
172 両頭ピストン
180 駆動モータ部
181 駆動モータ
182 モータ主軸
200 圧縮機構部
201 主ロータ
202 副ロータ
220 スクリュー型圧送機
300 玉軸受
301 内輪
302 外輪
303 保持器
304 玉
305 シール部材

Claims (5)

  1. ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、インダゾールまたはその誘導体、ベンゾチアゾールまたはその誘導体、ベンズオキサゾールまたはその誘導体、ベンズイミダゾールまたはその誘導体及びチアジアゾールまたはその誘導体から選ばれる少なくとも1種をグリース組成物全量の0.2〜2質量%、金属ジチオフォスフェート及び金属ジチオカーバメートの少なくとも1種をグリース組成物全量の1〜10質量%含有することを特徴とするグリース組成物。
  2. 内輪と外輪との間に、複数の転動体を保持器を介して転動自在に保持し、かつ請求項1記載のグリース組成物を封入したことを特徴とする転がり軸受。
  3. 燃料電池システムの圧送機に組み込まれることを特徴とする請求項2記載の転がり軸受。
  4. 請求項3記載の転がり軸受を具備することを特徴とする燃料電池システム用圧送機。
  5. 少なくとも、燃料電池スタック及び各種流体を輸送するための圧送機を具備する燃料電池システムであって、前記圧送機が請求項4記載の燃料電池システム用圧送機であることを特徴とする燃料電池システム。
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