JP2004047473A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 グリースの飛散に由来する燃料電池スタックの性能低下が無く、長期にわたり安定動作を維持できる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】 少なくとも、燃料電池スタック及び各種流体を輸送するための圧送機を具備する燃料電池システムであって、前記圧送機が、合成炭化水素油、エーテル系合成油及びエステル系合成油から選択される少なくとも1種を基油とし、増ちょう剤としてウレア化合物をグリース全量に対して8〜40質量%、不可避不純物としての金属元素以外の金属元素を含まない添加剤をグリース全量に対して0.1〜4質量%含むグリースが封入された転がり軸受を備えることを特徴とする燃料電池システム。
【選択図】   図1

Description

 本発明は、燃料供給源として、水素タンク、水素貯蔵合金等の水素保存手段から燃料としての水素を燃料電池スタックに供給し、発電する燃料電池システム、あるいは、メタノール水のような水素含有化合物から改質器で水素を取り出し、CO除去装置等の不純物除去装置で不純物を除去し、燃料電池スタックに水素を供給し、発電する燃料電池システムに関するものである。
 自動車、船舶、宇宙船等の動力源として燃料電池を用いることの検討が進められているが、メタノールを原料とする固体高分子電解質型燃料電池は、比較的低温(100℃以下)で発電が行われ、出力密度が高く、低温で作動し、電池構成材料の劣化が少なく、起動が容易である等の長所があることから、特に、自動車等の輸送体の動力源として有効とされている。
 固体高分子電解質型燃料電池の基本的構成は、固体高分子電解質膜の両面を、白金等の貴金属を触媒とする多孔質のカソード(酸素極)とアノード(燃料極)の両ガス拡散電極で挟んで重ね合わせてなるセルを、セパレータを介して積層して燃料電池スタックとし、各セパレータの表裏両面にガス通路を形成し、カソード側のガス通路には酸化剤ガスを給排させ、アノード側のガス通路には燃料ガスを給排させるようにし、更に、燃料電池の反応が発熱反応であることから、数セルに1つずつの冷却部が設けられた構成が一般的である。
 このような構成の固体高分子電解質型燃料電池を用いた発電装置として、例えば、図1に示す如きシステム構成のものが知られている。即ち、固体高分子電解質膜1の両面をカソード2とアノード3の両ガス拡散電極で狭持してなるセルをセパレータを介して積層して燃料電池スタックとし、更に数セルに1つずつの冷却部4を備える固体高分子電解質型燃料電池Iのアノード3入口側に、上流側より順に改質器5、熱交換器6、シフトコンバータ7、CO除去器8をそれぞれ設置し、燃料タンク9から供給されるメタノールを、メタノール蒸発器10を経て改質器5に導入させるようにメタノール供給ライン11を設け、一方、水タンク12からの水の一部を蒸気発生器13で水蒸気にして送る水蒸気ライン14をメタノール供給ライン11に接続してメタノールと水蒸気とを改質器5に導入して水蒸気改質を行わせるようにすると共に、水の他の一部を、冷却用として熱交換器6とCO除去器8を通過させるようにし、改質器5で改質された燃料ガスFGを、熱交換器6で水タンク12からの冷却水により冷却した後、200℃で運転されるシフトコンバータ7でシフト反応を行って、固体高分子電解質型燃料電池Iの触媒毒となる一酸化炭素(CO)の濃度をCO除去器8が処理可能な濃度(1%以下)に低減するようにする。また、100〜150℃程度で運転されるCO除去器8でCO除去処理された燃料ガスFGが加湿器15を経て固体高分子電解質型燃料電池Iのアノード3へ供給するようにしてある。
 一方、固体高分子電解質型燃料電池Iのカソード2の入口側には、酸化剤ガスとして空気Aをターボチャージャ16のコンプレッサ17で圧縮して加湿器15を経て供給するようにすると共に、一部を分岐してCO除去器8に入れてCOの燃焼に用いるようにしてあり、また、カソード2から排出されたカソード排ガスCGの全量と、アノード3から排出されたアノード排ガスAGの一部とを燃焼器19で燃焼させた後、改質器5の燃焼室に導入し、改質器5の改質室内のメタノールを改質触媒の存在下で250℃になるように熱を吸熱して反応させて燃料ガスFGに改質するようにしてある。
 また、改質器5の燃焼室より排出された排ガスは、アノード3から排出されたアノード排ガスAGの一部とともに燃焼器20で燃焼させられた後にタービン18に導いてコンプレッサ17を駆動させるようにし、タービン18から排出された排気ガスは蒸気発生器13、メタノール蒸発器10を通して排気ガスとして排出させるようにしてある。更に、水タンク12からの冷却水の一部は、加湿器15を経て固体高分子電解質型燃料電池Iの冷却部4を通過させられるようにしてあり、冷却部4を通過させられた冷却水は、冷却器21で冷却されて水タンク12へ入れられるようにしてあり、また、カソード排ガスライン22中の気水分離器23及びアノード排ガスライン24中の気水分離器25で各々分離された水は、熱交換器6及びCO除去器8を通過した水とともに水タンク12へ戻されるようにしてある。
 また、燃料電池として水素タンク方式も知られており、例えば図2に示すようなシステム構成のものが知られている。図中、符号51は、固体高分子電解質膜を間に挟んで燃料極53と酸化剤極55とを相互に対向配置し、更にセパレータで挟持して複数積層して構成される燃料電池スタックである。また、符号57は加湿器であり、燃料ガスおよび酸化剤ガスが、それぞれ半透膜を介して純水と隣接し、水分子が半透膜を通過することにより燃料ガスおよび酸化剤ガスに対して加湿を行うものである。
 水素タンク59には水素が貯えられており、この水素は燃料調圧弁61により調圧された後、エゼクタ圧送機63、供給側水分離器65及び加湿器57を通り、燃料電池スタック51に対し燃料極53の燃料入口53aから供給される。燃料極53の燃料出口53bから排出される水素と水蒸気との混合ガスは、排出側水分離器67、流路遮断弁69を通り、エゼクタ圧送機63で原燃料ガスと混合され、この混合ガスが供給側水分離器65及び加湿器57を経て燃料電池スタック51の燃料極53に循環される。
 また、排出側水分離器67と流路遮断弁69との間の配管71には、パージ分岐部73にて、水素をパージさせるパージ配管75が分岐接続され、パージ配管75にはパージガス遮断弁77及びパージガス触媒79がそれぞれ設けられている。
 酸化剤としての空気は、圧送機81によって加湿器57を経て燃料電池スタック1の酸化剤極55に、酸化剤入口55aから供給される。酸化剤極55の酸化剤出口55bから排出される排気は、水蒸気と液水を含み、水分離器83によって液水分が分離される。水分離器83には、水素パージ時の空気供給用の空気パージ配管85及びパージガス遮断弁87が設けてあり、水素パージ時にはパージガス触媒79に空気が供給されて外部に排出される。また、空気パージ配管85には、空気排出管89が分岐接続され、空気排出管89には空気調圧弁91が設けられている。
 更に、燃料電池スタック51の発電状態はセンサ(図示せず)で検知され、検知信号を受けて発電状態に応じて、水素圧力及び空気圧力を燃料調圧弁51及び空気調圧弁91で調整するようフィードバック制御するとともに、空気流量をコンプレッサ81の回転数により調整するようフィードバック制御する構成となっている。
 また、上記したような燃料電池システムでは、蒸気となった燃料、燃料ガス、高温の燃料あるいは圧縮空気を各機器間に送り込む必要があり、圧送ポンプやターボチャージャなど各種の圧送機が使用され、その圧送機には多くの場合軸受が組み込まれている。
 例えば、図3はこのような圧送機の一例(インペラ式圧送機)を示す断面図であるが、図示されるように、回転軸31にインペラ32が取り付けられており、この回転軸31が転がり軸受33a、33bで支持されている。そして、回転軸31の高速回転に伴ってインペラ32が高速回転すると、水蒸気吸込み口34から吸込まれた水蒸気がインペラ32の遠心力で加圧され、ハウジング35とバックプレート36とで形成された加圧ボリュート37を通って水蒸気吐出口38から圧送される。また、この圧送機では、シーリング部材39のシール性が低下してくると、水蒸気がインペラ32の背面の背面空間40から回転軸31とシーリング部材39との間隙41を通って転がり軸受33a、33bに達するため、これを防ぐためのバッフル42とブッシュ43とが回転軸31に付設されている。
 転がり軸受33a、33bとして、例えば図4に示すような玉軸受が使用されている。図示される玉軸受は、内輪250と外輪251との間に保持器252を介して複数の転動体である玉253を略等間隔で回転自在に保持してなり、更に内輪250、外輪251及び玉253で形成される空所Sに潤滑のためのグリース(図示せず)を所定量充填し、シール254で封止して構成されている。また、グリースとして、従来ではリチウム石けん−鉱油系グリースが一般的に使用されている(例えば、特許文献1参照)。
特公平3−26717号公報
 しかし、従来のリチウム石けん‐鉱油系グリースでは、金属石けんや添加剤に由来する多様な金属イオンが含まれている。これらの金属イオンの中には燃料電池スタックの触媒毒となり得るものも含まれていることから、グリースが飛散して燃料電池スタックに付着すると、燃料電池の反応効率が低下するおそれがある。
 本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、グリースの飛散に由来する燃料電池スタックの性能低下が無く、長期にわたり安定動作を維持できる燃料電池システムを提供することを目的とする。
 本発明者らは、鋭意検討の結果、圧送機に組み込まれる転がり軸受に、金属イオン源を極力排除したグリースを封入することにより、グリースが飛散して燃料電池スタックに付着した場合でも燃料電池の反応効率が低下せず、安定動作が持続することを知見した。
 即ち、上記の目的を達成するために本発明は、少なくとも、燃料電池スタック及び各種流体を輸送するための圧送機を具備する燃料電池システムであって、前記圧送機が、合成炭化水素油、エーテル系合成油及びエステル系合成油から選択される少なくとも1種を基油とし、増ちょう剤としてウレア化合物をグリース全量に対して8〜40質量%、不可避不純物としての金属元素以外の金属元素を含まない添加剤をグリース全量に対して0.1〜4質量%含むグリースが封入された転がり軸受を備えることを特徴とする燃料電池システムを提供する。
 本発明によれば、圧送機に組み込まれる転がり軸受に、ウレア化合物と、金属元素を含まない添加剤とをそれぞれ特定量含有するグリースを封入することにより、グリースの飛散そのものが少なく、また燃料電池スタックに付着した場合でも燃料電池の反応効率が低下することもなく、長期にわたり安定動作を維持できる燃料電池システムが提供される。
 以下、本発明の燃料電池システムに関して詳細に説明する。
 本発明において燃料電池システム自体の構成は制限されるものではなく、図1に示したような固体高分子電解質型燃料電池システム並びに図2に示したような水素タンク方式燃料電池システムを例示することができる。
 また、圧送機についても制限はなく、図3に示したようなインペラ式圧送機の他にも、例えば以下に示すスクロール式、斜板式、スクリュー式等の圧送機を使用できる。
 図5はスクロール式圧送機の一例を示す側面断面図である。図示されるスクロール式圧送機100は、固定スクロール111と旋回スクロール112とからなる圧縮機構部110と、モータ主軸122に対して偏心して設けられたクランクピン122aにより旋回スクロール112を旋回させるクランク機構部130と、モータ主軸122を回転させる駆動モータ部120とからなる。
 クランク機構部130は、旋回スクロール112の自転を防止する自転防止機構132が配設されている。自転防止機構132には、図5に示すボールカップリング134の他にもオルダムカップリングやピン&リングカップリング等がある。また、自転防止機構132としては、特開2002−70762号公報に開示されているような転がり軸受を用いたクランク機構が知られているが、上記何れの自転防止機構を採用しても構わない。
 固定スクロール111は、円盤状に形成された固定基盤111aと、この固定基盤111aから立設した渦巻状の旋回渦巻部111cと、この旋回渦巻部111cを覆う外周壁111bとからなる。旋回スクロール112は、円盤状の旋回基盤112bと、この旋回基盤112bから立設した渦巻状の旋回渦巻部112aとからなる。旋回基盤112bのリア側中央には有底円筒状の凹状部112cが設けられている。固定基盤111aにおける図5中上下方向略中央には、固定スクロール111及び旋回スクロール112間で圧縮された空気等の吐出口114が設けられている。
 凹状部112cをハウジングとして針状ころ軸受133が凹状部112cの内周側に挿入されている。この針状ころ軸受133は、モータ主軸122のクランクピン122aを回転軸として、旋回スクロール112を回転自在に支えている。
 駆動モータ部120において、駆動モータ121は、モータ主軸122に嵌め合わされたロータ123と、ロータ123の外周側に設けられてコイル124を巻回されたステータ125とを、モータハウジング101内に備える。
 モータ主軸122は、モータハウジング101に転がり軸受102を介して回転自在に支持されるとともに、リア側(図5中右側)の端部を転がり軸受103を介してリアハウジング104に回転自在に支持されている。また、モータ主軸122は、転がり軸受102よりクランクピン122a側において、モータハウジング101との間にシール106が介在されるとともに、リア側(図5中右端部側)において、リアハウジング104との間にシール107が介在されている。更に、モータ主軸122には、バランスウェイト122bが設けられており、バランスウェイト122bによって、旋回スクロール112の旋回時に生じる慣性モーメントを打ち消され、振動低減が図られている。
 上記の如く概略構成されるスクロール式圧送機100では、駆動モータ121に電力が供給されると、モータ主軸122が回転し、その回転が駆動クランク機構130を介して旋回スクロール112に伝達される。旋回スクロール112は、モータ主軸122の回転に伴って、固定スクロール111と噛み合いつつ旋回し、図示しない吸入口から固定スクロール111との間に空気等を吸入するとともに、固定スクロール111との間で圧縮させる。その後、圧縮された空気等を吐出口114から燃料電池の電極側に吐出させる。
 また、スクロール式圧送機として図6に示す構成のものも知られている。図示されるスクロール式圧送機140において、クランク機構部150は、旋回スクロール112に旋回運動を行わせる駆動クランク機構151、及び旋回スクロール112の自転を防止する従動クランク機構152で構成されている。
 従動クランク機構152は、旋回スクロール112に設けられた凹状保持部112cと、従動クランク軸153のクランクピン153a及びクランクピン153aを旋回スクロール112に対して回転自在とする転がり軸受154とからなる。従動クランク軸153は、クランクピン153aとは反対側を転がり軸受155を介してモータハウジング101に回転自在に支持されている。
 また、従動クランク軸153には、モータ主軸122と同様にバランスウェイト153bが設けられており、バランスウェイト153bによって、旋回スクロール112の旋回時に生じる慣性モーメントを打ち消され、振動の低減が図られている。その他の構成及び作用については、図5に示したスクロール式圧送機100と同様であり、同一の部位には同一の符号を付してある。
 図7は斜板式圧送機の一例を示す側面断面図である。図示される斜板式圧送機160は、燃料電池の電極に送る空気等の流体を、斜板171の回転に伴う両頭ピストン172の往復動で圧縮する圧縮機構部170と、駆動モータ181のモータ主軸182の回転により圧縮機構部170を駆動する駆動モータ部180とを備える。
 圧縮機構部170において、両頭ピストン172は、シリンダブロック161のクランク室163内にモータ主軸182の軸方向に沿って往復動可能に設けられており、斜板171にシュー173を介して連結されている。また斜板171は、モータ主軸182の外周面に、モータ主軸182と一体回転可能に挿着されており、シリンダブロック161内に設けられた支持部材162に、スラスト軸受174を介して回転自在に支持されている。
 駆動モータ部180において、駆動モータ181は、モータ主軸182に嵌入されたロータ183と、ロータ183の外周側に設けられ、コイル184を巻回されたステータ185とを、モータハウジング186内に備えてなる。
 モータ主軸182は、軸方向略中央より図7中左側を、図7中左右一対の転がり軸受187を介してモータハウジング186に回転自在に支持されるとともに、軸方向略中央より図7中右側を、図7中左右一対の転がり軸受175を介して支持部材162に回転自在に支持されている。
 上記の如く構成される斜板式圧送機160では、駆動モータ181に電力が供給されると、モータ主軸182が回転し、その回転が斜板171及びシュー173を介して両頭ピストン172に伝達される。両頭ピストン172は、モータ主軸182の回転に伴ってクランク室163内で軸方向に沿って往復動することにより、空気等を吸入・圧縮させ、燃料電池の電極側に吐出させる。
 図8はスクリュー式圧送機の一例を示す側面断面図である。図示されるスクリュー式圧送機190は、燃料電池の電極に送る空気等の流体を、主ロータ201と副ロータ202とを噛み合わせて回転させることで圧縮する圧縮機構部200と、駆動モータ181のモータ主軸182の回転により圧縮機構部200を駆動する駆動モータ部180とを備える。なお、駆動モータ部180については、図6に示した斜板式圧送機160と同様であり、同一の符号を付して説明を省略する。
 圧縮機構部200において、主ロータ201及び副ロータ202はそれぞれ、対応する螺旋状に形成されて互いに噛み合わせることで協働して回転可能な構成である。主ロータ201は、図8中左側の回転軸201aを図8中左右一対の転がり軸受203を介してハウジング207に回転自在に支持されるとともに、図7中右側の回転軸201aを転がり軸受204を介してハウジングに回転自在に支持されている。また、副ロータ202は、図8中左側の回転軸202aを図8中左右一対の転がり軸受205を介してハウジング207に回転自在に支持されるとともに、図8中右側の回転軸202aを転がり軸受206を介してハウジング207に回転自在に支持されている。
 また、主ロータ201の図8中左右両側の回転軸201aにおいて、転がり軸受203,204に対して軸方向内側には、ハウジング207との間にシール208が介在されている。副ロータ202の図7中左右両側の回転軸202aにおいて、転がり軸受205,206より軸方向内側には、ハウジング207との間にシール209が介在されている。
 主ロータ201及び副ロータ202は、図8中左側の回転軸201a,202aにそれぞれ設けられた連結ギア210を介して連動される。主ロータ201の図7中左側の回転軸201aの左端部には、被駆動ギア211が設けられており、被駆動ギア211は、駆動モータ181のモータ主軸182に嵌合された駆動軸188の駆動ギア189に噛合されている。従って、主ロータ201は、モータ主軸182の回転を、駆動軸188、駆動ギア189及び被駆動ギア211を介して伝達される。主ロータ201の回転は、連結ギア210を介して副ロータ202に伝達される。
 また、駆動軸188は、図8中左右一対の転がり軸受212を介してハウジング213に回転自在に支持されている。駆動軸188とハウジング213との間には、シール214が介在されている。
 上記の如く構成されるスクリュー式圧送機190では、駆動モータ181に電力が供給されると、モータ主軸182が回転し、その回転が駆動軸188、駆動ギア189、被駆動ギア211を介して主ロータ201の回転軸201aに伝達される。同時に、主ロータ201の回転軸201aから連結ギア210を介して副ロータ202の回転軸202aに伝達される。主ロータ201及び副ロータ202は、噛み合い回転することにより、空気等を吸入・圧縮させ、燃料電池の電極側に吐出させる。
 また、上記の各圧送機に組み込まれる転がり軸受にも制限はなく、例えば図3に示したシール254を備える玉軸受33a.33bを例示することができる。そして、この玉軸受には、後述されるグリースが封入される。尚、グリースの封入量は、従来と同様に、軸受空間容積の5〜50容積%の範囲で使用条件に応じて選定する。
〔基油〕
 グリースに使用される基油は、合成炭化水素油、エステル系合成油及びエーテル系合成油であり、これらを単独で、もしくは混合して使用する。好適な具体例を挙げると、前記合成炭化水素油としてはノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンコオリゴマー等のポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物等の他、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼン等のアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等の芳香族系油が挙げられる。前記エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレート等のジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、さらにはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル油、さらにはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等が挙げられる。前記エーテル系油としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコール、あるいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。
 これらの基油は、40℃における動粘度が20〜400mm/secであることが好ましく、20mm/sec未満では油膜の形成が不十分であり、400mm/secを超える場合はトルクや発熱が大きくなり、何れの場合も好ましくない。
 本発明は、グリース中の金属イオン量を極力少なくし、グリースが飛散した場合でも燃料電池スタックへの影響をより少なくするものであるが、グリースの飛散そのものを抑制することはより効果的となる。そのため、基油は、25℃における蒸気圧で1.3×10−1Pa以下であることがより好ましい。
 また、基油には、上記した粘度や蒸気圧に影響を与えない範囲内で鉱油を配合してもよい。鉱油としては、減圧蒸留、油剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を、適宜組み合わせて精製したものが好ましい。
〔増ちょう剤〕
 本発明では、増ちょう剤としてウレア化合物を用いる。このウレア化合物は、金属石けん系の増ちょう剤と異なり、分子中に金属元素を含まないため、グリースが飛散して燃料電池スタックに付着したとしても、触媒毒となることはない。ウレア化合物の種類に制限はなく、例えばジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物が挙げられ、中でもジウレア化合物がより好ましい。これらウレア化合物は、その分子中に金属元素以外の異元素や、金属元素を含まない置換基を含んでいてもよい。
 また、ウレア化合物の含有量は、グリース全量に対して8〜40質量%、好ましくは15〜40質量%である。含有量が8質量%未満では、十分な増ちょう性が得られないため、グリース漏れを生じやすくなり、飛散量が多くなる。また、含有量が40質量%を超える場合は、流動性が乏しくなり焼付きが起こりやすくなる。
[添加剤]
 潤滑性能等をより一層高めるために種々の添加剤を単独で、もしくは適宜組み合わせてグリースに添加することができる。但し、金属元素を含有する添加剤は、グリースが飛散して燃料電池スタックに付着した際に触媒毒として作用する可能性があるため、本発明では金属元素を含まない添加剤を用いる。尚、金属元素を含まない添加剤であっても、その合成過程等で金属触媒が使用され、それが不可避不純物として残存している場合がある。本発明では、不可避不純物としての金属元素の含有は許容するが、合計量でグリース全量の0.1ppm以下であることが好ましい。また、金属元素の他にも、硫黄や塩素、リンを含まないものが好ましい。
 このような金属元素を含まない添加剤をその種類別に例示すると、酸化防止剤ではアミン系やフェノール系の酸化防止剤、防錆剤ではコハク酸等のカルボン酸及びその誘導体、ソルビタン等の非イオン系界面活性剤、油性剤では長鎖脂肪酸系油性剤、金属不活性化剤ではベンゾトリアゾール系金属不活性化剤が挙げられる。
 また、金属元素を含まない添加剤の含有量は、合計でグリース全量の0.1〜4質量%とすることが好ましい。含有量が0.1質量未満では添加剤の効果が現われず、4質量%を超える場合は、特に増ちょう剤の含有量が少ない場合に飛散量が極端に多くなるとともに、相対的に基油の量が少なくなり潤滑性に劣るようになる。また、上記した増ちょう剤の含有量の下限側でも飛散量をより少なく抑えるために、この金属元素を含まない添加剤の含有量をグリース全量の0.1〜1質量%とすることが好ましい。
〔製法〕
 上記グリースを調製する方法には特に制約はない。しかし、一般的には基油中で増ちょう剤を反応させて得られる。また、混練にはニーダやロールミル等を用いることができ、添加剤はこの混練時に添加することができる。
 以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。
(試験−1:ウレア化合物含有量の検証)
 内径5mm、外径13mm、幅4mmの非接触ゴムシール付き深溝玉軸受に、表1に示す配合にて調製したグリースA〜Hを19mg封入して試験軸受を作製した。そして、図9に示す飛散量測定装置の容器Bに作製した試験軸受Aを装着し、雰囲気温度25℃、予圧15N、内輪回転速度2000min−1にて20分間回転させ、それと同時に容器Bに清浄空気を流通させ、容器Bに接続するパーティクルカウンター(図示せず)にて0.01cubic feet(CF)の空気中に存在する粒径0.3μm以上のパーティクルの数を測定した。結果を表1に併記するが、500個/0.01CF以下を合格とした。
Figure 2004047473
 表1に示すように、ウレア化合物の含有量がグリース全量の15〜40質量%の範囲で、飛散量が500/0.01CF以下に抑えられている。
(試験−2:添加剤含有量の検証)
 試験−1のグリースA〜Hのそれぞれに、更に金属元素を含まない添加剤としてジアルキルジフェニルエーテル(酸化防止剤)をグリース全量の0.1質量%、1質量%、4質量%となるように添加し、同様の飛散量の測定を行った。
 結果を図10に示すが、ウレア化合物の含有量が同一でも添加剤の配合量が多くなるほど飛散量が多くなっている。また、この結果を基に飛散量500/0.01CF以下を満足する範囲を求めると図11に示す枠内、即ちウレア化合物が8〜40質量%で、添加剤が0.1〜4質量%の範囲となり、ウレア化合物の含有量が多くなるほど添加剤を多く含有できることがわかる。
本発明の燃料電池システムの一例(固体高分子電解質型燃料電池)の全体構成を示す図である。 本発明の燃料電池システムの他の例(水素タンク方式燃料電池)の全体構成を示す図である。 本発明の燃料電池システムに使用される圧送機の一例(インペラ式圧送機)を示す断面図である。 本発明の燃料電池システム用転がり軸受の一実施形態を示す断面図である。 本発明の燃料電池システムに使用される圧送機の他の例(スクロール式圧送機)を示す断面図である。 スクロール式圧送機の他の例を示す断面図である。 本発明の燃料電池システムに使用される圧送機の他の例(斜板式圧送機)を示す断面図である。 本発明の燃料電池システムに使用される圧送機の他の例(スクリュー式圧送機)を示す断面図である。 飛散量測定装置を示す概略構成図である。 実施例で得られた、ウレア化合物の含有量及び金属元素を含まない添加剤の含有量と、飛散量との関係を示すグラフである。 実施例で得られた、ウレア化合物の含有量と金属元素を含まない添加剤の含有量との関係を示すグラフである。
符号の説明
 1 固体高分子電解質膜
 2 カソード
 3 アノード
 4 冷却部
 5 改質器
 6 熱交換器
 7 シフトコンバータ
 8 CO除去器
 9 燃料タンク
10 メタノール蒸発器
11 メタノール供給ライン
12 水タンク
13 蒸気発生器
14 水蒸気ライン
15 加湿器
16 ターボチャージャ
17 コンプレッサ
18 タービン
19 燃焼器
20 燃焼器
21 冷却器
22 カソード排ガスライン
23 気水分離器
24 アノード排ガスライン
25 気水分離器
31 回転軸
32 インペラ
33a,33b 転がり軸受
34 水蒸気吸込み口
35 ハウジング
36 バックプレート
37 加圧ボリュート
38 水蒸気吐出口
39 シーリング部材
40 背面空間
41 間隙
42 バッフル
43 ブッシュ
51 燃焼電池スタック
53 燃料極
55 酸化剤極
57 加湿器
59 水素タンク
63 エゼクタ圧送機
250 内輪
251 外輪
252 保持器
253 玉
254 シール

Claims (4)

  1. 少なくとも、燃料電池スタック及び各種流体を輸送するための圧送機を具備する燃料電池システムであって、前記圧送機が、合成炭化水素油、エーテル系合成油及びエステル系合成油から選択される少なくとも1種を基油とし、増ちょう剤としてウレア化合物をグリース全量に対して8〜40質量%、不可避不純物としての金属元素以外の金属元素を含まない添加剤をグリース全量に対して0.1〜4質量%含むグリースが封入された転がり軸受を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記グリースにおける前記添加剤の含有量が、グリース全量に対して0.1〜1質量%含有することを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 前記グリースにおける前記添加剤中の不可避不純物としての金属元素の含有量が、合計でグリース全量に対して0.1ppm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池システム。
  4. 更に、燃料タンク、燃料蒸発器、改質器及びCO除去装置を備え、前記圧送機がこれらにも各種流体を圧送することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の燃料電池システム。
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