JP2004225550A - キャニスタ - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料蒸気導入ポートに近い上流側に吸着能力の高い比較的小径の活性炭ペレットを配置することで全体としての吸着能力を高めるようにしたキャニスタを提供する。
【解決手段】内燃機関の燃料を貯留する燃料タンク16に接続され、燃料タンクから蒸発する燃料蒸気を導入する燃料蒸気導入ポート10dと、大気に連通する大気連通ポート10eを備えると共に、その内部に燃料蒸気導入ポートから導入される燃料蒸気を吸着する活性炭ペレット(ペレット状の活性炭)14を複数の層10b、10cに区分して収容してなるキャニスタ10において、燃料蒸気導入ポートに最も接近する層10bに収容される活性炭の粒径を、それ以外の層10cに収容される活性炭の粒径よりも小さくする。また、大気連通ポート10eに最も接近する層に収容される活性炭ペレット14の粒径も小さくする。
【選択図】 図1
【解決手段】内燃機関の燃料を貯留する燃料タンク16に接続され、燃料タンクから蒸発する燃料蒸気を導入する燃料蒸気導入ポート10dと、大気に連通する大気連通ポート10eを備えると共に、その内部に燃料蒸気導入ポートから導入される燃料蒸気を吸着する活性炭ペレット(ペレット状の活性炭)14を複数の層10b、10cに区分して収容してなるキャニスタ10において、燃料蒸気導入ポートに最も接近する層10bに収容される活性炭の粒径を、それ以外の層10cに収容される活性炭の粒径よりも小さくする。また、大気連通ポート10eに最も接近する層に収容される活性炭ペレット14の粒径も小さくする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はキャニスタ(蒸発燃料処理装置)に関し、より具体的には、燃料タンクから蒸発する燃料蒸気を吸着するペレット状の活性炭を格納してなるキャニスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料タンクを大気に開放していると、燃料の蒸発にともなってHC(炭化水素)が排出されることから、ペレット状の活性炭を格納したキャニスタを設けると共に、そこに燃料蒸気、特にその中のHC成分を吸着させるようにした蒸発燃料処理技術が知られており、その一例として、以下に示すものを挙げることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−303917号公報(段落0020から0030。図1など)
【0004】
この従来技術に係るキャニスタにおいては、その内部に燃料蒸気導入ポートから導入される燃料蒸気を吸着するペレット状の活性炭が複数の層に区分されて収容されてなると共に、燃料蒸気導入ポートに最も接近する層に収容される活性炭、即ち、上流側の活性炭層には大きい粒径(ペレット径)の活性炭を使用する一方、下流側、即ち、それ以外の層に収容される活性炭には小さい粒径のものを使用している。
【0005】
即ち、上流側に大きい粒径の活性炭層を配することによってキャニスタ全体の圧損を低く抑える一方、下流側に小さい粒径の活性炭層を配することでパージエアの吹き抜けを回避して燃料蒸気が残存するのを防止すると共に、燃料蒸気が大気連通ポートから発散するのを防止している。
【0006】
このように、上記した従来技術にあっては、上流側に大きい粒径の活性炭を配置すると空隙率を増して低圧損となる反面、吸着している燃料蒸気、例えばHC(炭化水素)を脱離するとき、パージエアがその空隙を容易に通過するためにキャニスタ内に燃料蒸気がそのまま残存し易く、残存する燃料蒸気によって吸着に関与する活性炭ペレットの細孔が埋まってしまい、新たに導入された燃料蒸気の吸着に有効な細孔が減少する不都合に鑑み、上流側に比較的大きな粒径の活性炭を使用すると共に、下流側に小さな粒径の活性炭を使用することでパージエアが空隙を通過し難くし、よって下流側に燃料蒸気が残存するのを防止している。また、下流側に小さい粒径の活性炭を使用したことで、燃料蒸気の発散を防止して吸着性能の向上を意図している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、活性炭の粒径(直径)を大きくすると、活性炭そのものの吸着能力が低下する。これは、活性炭の粒径が大きくなることで、活性炭ペレットの中心部に燃料蒸気あるいはパージエアが到達し難くなるためである。
【0008】
従来技術では上記したように上流側の活性炭層に吸着能力の低い大粒径炭を用いているが、上流側吸着層、即ち、燃料蒸気導入ポートがあって燃料タンクから大量の燃料蒸気が導入されると共に、パージポートによって脱離成分が機関吸気側にパージ(吸引)される部位においては、特に吸着・脱離が頻繁に行われるため、例えば給油時には大量の燃料蒸気が一度に発生することから、この部位の吸着能力が低いと、良好な吸着・脱離が行えなくなり、キャニスタ全体として吸着能力が低下する恐れがある。
【0009】
従って、この発明の目的は上記した不都合を解消し、燃料蒸気導入ポートに近い上流側に吸着能力の高い比較的小径の活性炭ペレットを配置することで全体としての吸着能力を高めるようにしたキャニスタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、請求項1項においては車両に搭載される内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクに接続され、少なくとも前記燃料タンクから蒸発する燃料蒸気を導入する燃料蒸気導入ポートと、大気に連通する大気連通ポートを備えると共に、その内部に前記燃料蒸気導入ポートから導入される燃料蒸気を吸着する活性炭ペレットを複数の層に区分して収容してなるキャニスタにおいて、前記燃料蒸気導入ポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径を、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。
【0011】
より具体的には、車両に搭載される内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクに接続され、少なくとも前記燃料タンクから蒸発する燃料蒸気を導入する燃料蒸気導入ポートと、大気に連通する大気連通ポートと、前記内燃機関の吸気系に接続されるパージポートを備えると共に、その内部に前記燃料蒸気導入ポートから導入される燃料蒸気を吸着する活性炭ペレットを複数の層に区分して収容してなるキャニスタにおいて、前記燃料蒸気導入ポートとパージポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径を、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。
【0012】
燃料蒸気導入ポート、より具体的には燃料蒸気導入ポートとパージポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径を、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする、即ち、ペレットの中心部に燃料蒸気あるいはパージエアが到達し易い小粒径の活性炭とする如く構成したので、吸着・脱離が頻繁に行われる上流側に吸着性能の高い活性炭ペレットを配することとなり、従来技術におけるように比較的大粒径の活性炭ペレットを配する場合に比し、キャニスタ全体としての吸着性能を高めることができる。
【0013】
請求項2項にあっては、前記大気連通ポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径も、前記燃料蒸気導入ポート、より具体的には前記燃料蒸気導入ポートとパージポートに最も接近する層を除く、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。
【0014】
大気連通ポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径も、燃料蒸気導入ポート、より具体的には燃料蒸気導入ポートとパージポートに最も接近する層を除く、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成したので、上に述べた効果に加え、例えば、停車時や給油時など、パージが行われないとき、大量の燃料蒸気が発生しても、大気連通ポートからキャニスタの外部に発散するのを回避することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の一つの実施の形態に係るキャニスタを説明する。
【0016】
図1は、そのキャニスタの説明断面図である。
【0017】
図1に示すように、キャニスタ10は大略ボックス状あるいは円柱状を呈し、ケース10aで気密に囲まれた内部空間は、3個のフィルタ12で複数個、より詳しくは2個の層10b,10cに仕切られ、そこに燃料蒸気導入ポート(後述)から導入される燃料蒸気、特にHC(炭化水素)成分を吸着するペレット状の活性炭(以下「活性炭ペレット」という)14が収容される。
【0018】
キャニスタ10のケース10aには、図示の如く、車両(図示せず)に搭載される内燃機関(図示せず)の燃料(ガソリン燃料)を貯留する燃料タンク16の液面上方空間16aに管20(破線で示す)を介して接続され、少なくとも燃料タンク16から蒸発する(HC成分を含む)燃料蒸気を導入する燃料蒸気導入ポート10dと、大気に連通する大気連通ポート10eと、内燃機関の吸気系に接続されるパージポート10fが形成される。
【0019】
パージポート10fは、より具体的には、内燃機関の、エアクリーナ22に接続される吸気管24にスロットルバルブ26の下流において管30(同様に破線で示す)を介して接続される。
【0020】
第1の管20の適宜位置にはバルブ32が設けられ、バルブ32は燃料タンク16内に貯留されたガソリン燃料が蒸発して生じた蒸気燃料の圧力が所定値以上になると開放され、燃料タンク16の液面上方空間16aをキャニスタ10に接続する。また第2の管30の適宜位置には電磁ソレノイドバルブ(パージ制御バルブ)34が設けられ、通電されるとき開放されてキャニスタ10を吸気管24に接続する。
【0021】
尚、ケース10aの大気連通ポート10eが形成される付近の底面にはフィルタ12との間にグリッド(多孔板)36が配置されて活性炭ペレット14が大気連通ポート10eから脱落するのを防止する。また、ケース10aの反対側の上面は若干の空隙が設けられる。
【0022】
キャニスタ10の動作あるいは作用を説明すると、燃料タンク16において蒸発した燃料蒸気はタンク液面上方空間16aから管20のバルブ配置位置までの部位に一旦滞留する。次いで、燃料蒸気はその圧力が所定値以上になると,バルブ32を押し開けて管20を矢印で示すように流れ、燃料蒸気導入ポート10dからキャニスタ10の内部に流入し(導入され)、燃料蒸気中のHC成分は活性炭ペレット14に形成される細孔内に進入して捕捉される(吸着される)。
【0023】
次いで、定常運転時などの所定の運転状態において、管30に配置された電磁ソレノイドバルブ34が通電されて開放されると、キャニスタ10はパージポート10fを通じて吸気管24に接続され、吸気負圧が導入される。その結果、大気連通ポート10eから矢印で示すように大気がパージエアとして導入され、導入されたパージエアは活性炭ペレット14の間を縫って流れ、吸着されていた燃料蒸気、より詳しくはHC成分を活性炭ペレット14から脱離させる。脱離されたHC成分は矢印で示すようにパージポート10fおよび管30を通って吸気管24に至り、そこで吸引されて図示しない燃焼室に流入して燃焼させられる。
【0024】
この実施の形態に係るキャニスタ10において特徴的なことは、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層、より具体的には上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層、より具体的には層10cに収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さくする如く構成したことにある。即ち、層10cに収容される活性炭ペレット14の粒径(直径)を3mm程度の大きさとすると共に、層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径(直径)を2mm程度の大きさとするようにした。
【0025】
粒径2mm程度の活性炭ペレットは一般に使用されている活性炭である。尚、活性炭ペレットの粒径(ペレット径)と通気抵抗および吸着性能について述べると、粒径が小さい活性炭は、粒径が大きい活性炭に比し、通気抵抗は高いものの、吸着性能で優れる。
【0026】
この実施の形態に係るキャニスタ10においては上記の如く、燃料蒸気導入ポート10d、より具体的には燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する、上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層に収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さくする、即ち、ペレットの中心部に燃料蒸気あるいはパージエアが到達し易い、2mm程度の小粒径の活性炭とする如く構成したので、吸着・脱離が頻繁に行われる上流側に吸着性能の高い活性炭ペレット14を配することとなり、従来技術におけるように比較的大粒径の活性炭ペレットを配する場合に比し、キャニスタ10全体としての吸着性能を高めることができる。
【0027】
尚、層10bに収容される活性炭ペレットの粒径を2mm程度としたが、それ未満であっても良い。同様に、層10cに収容される活性炭ペレットの粒径を3mm程度としたが、それを超えても良い。要は、層10bに収容される活性炭ペレットの粒径が、層10cに収容されるそれよりも小さいように構成されれば良い。
【0028】
図2はこの発明の第2の実施の形態に係るキャニスタを示す、図1と同様なキャニスタの説明断面図である。
【0029】
第1の実施の形態と相違する点に焦点を置いて説明すると、第2の実施の形態においては,ケース10aを横方向に拡大して層10cを拡張すると共に、仕切り10a1を上面から下面に向けて延びるように取り付け、よって層10cを2個の層10c1と10c2とに分割するようにした。
【0030】
また、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fと並列させて大気連通ポート10eをケース10aの上面側に形成するようにした。ケース10aの下面側はフィルタ12との間でスプリング40によって空隙部42が形成される。従って、第2の実施の形態に係るキャニスタにおいては、パージエアは図2に矢印で示す如く流れ、脱離された燃料蒸気、特にHC成分を機関吸気系にパージさせる。
【0031】
第2の実施の形態においても、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層、より具体的には上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層、より具体的には層10c1,10c2に収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さいように構成する。即ち、層10c1,10c2に収容される活性炭ペレット14の粒径(直径)を3mm程度の大きさとすると共に、層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径(直径)を2mm程度の大きさとする。尚、残余の構成は第1の実施の形態と異ならない。
【0032】
第2の実施の形態に係るキャニスタ10においても上記の如く、燃料蒸気導入ポート10d、より具体的には燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する、上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層に収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さくする如く構成したので、吸着・脱離が頻繁に行われる上流側に吸着性能の高い活性炭ペレット14を配することとなり、従来技術におけるように比較的大粒径の活性炭ペレットを配する場合に比し、キャニスタ10全体としての吸着性能を高めることができる。
【0033】
図3はこの発明の第3の実施の形態に係るキャニスタを示す、図1と同様なキャニスタの説明断面図である。
【0034】
第3の実施の形態は第2の実施の形態の変形例であり、第2の実施の形態と相違する点に焦点を置いて説明すると、第3の実施の形態にあっては、大気連通ポート10eの付近において層10c2をフィルタ12で仕切って第4の層10gを設け、そこに粒径2mm程度の活性炭ペレット14を収容するようにした。
【0035】
即ち、第3の実施の形態においては、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層、より具体的には上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層、より具体的には層10c1,10c2に収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さいように構成すると共に、大気連通ポート10eに最も接近する層10gに収容される活性炭ペレット14の粒径も、燃料蒸気導入ポート10d、より具体的には燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層10bを除く、それ以外の層10c1,10c2に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。尚、残余の構成は第1の実施の形態と異ならない。
【0036】
第3の実施の形態においては上記の如く構成したので、第1、第2の実施の形態で述べた効果に加え、例えば、停車時や給油時など、パージが行われないとき、大量の燃料蒸気が発生しても、大気連通ポート10eからキャニスタ10の外部に発散するのを回避することができる。
【0037】
図4はこの発明の第4の実施の形態に係るキャニスタを示す、図1と同様なキャニスタの説明断面図である。
【0038】
第4の実施の形態は第1の実施の形態の変形例であり、図1に示す第1の実施の形態に係るキャニスタにおいて、層10cをフィルタ12で仕切って層10gを設け、そこに粒径2mm程度の活性炭ペレット14を収容するようにした。
【0039】
即ち、第4の実施の形態においても、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層、より具体的には上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層、より具体的には層10cに収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さいように構成すると共に、大気連通ポート10eに最も接近する層10gに収容される活性炭ペレット14の粒径も、燃料蒸気導入ポート10d、より具体的には燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層10bを除く、それ以外の層10cに収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。
【0040】
第4の実施の形態においては上記の如く構成したので、第3の実施の形態と同様、例えば、停車時や給油時など、パージが行われないとき、大量の燃料蒸気が発生しても、大気連通ポート10eからキャニスタ10の外部に発散するのを回避することができる。尚、残余の構成は第1の実施の形態と異ならない。
【0041】
第1および第2の実施の形態においては上記の如く、車両に搭載される内燃機関の燃料を貯留する燃料タンク16に接続され、少なくとも前記燃料タンクから蒸発する燃料蒸気を導入する燃料蒸気導入ポート10dと、大気に連通する大気連通ポート10eを備える共に、その内部に前記燃料蒸気導入ポートから導入される燃料蒸気を吸着する活性炭ペレット(ペレット状の活性炭)14を複数の層10b、10c(10c1, 10c2)に区分して収容してなるキャニスタ10において、前記燃料蒸気導入ポートに最も接近する層10bに収容される活性炭の粒径を、それ以外の層10c(10c1, 10c2)に収容される活性炭の粒径よりも小さくする如く構成した。
【0042】
第3および第4の実施の形態においては上記の如く、前記大気連通ポート10eに最も接近する層10gに収容される活性炭ペレット14の粒径も、前記燃料蒸気導入ポート10d、より具体的には前記燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層10bを除く、それ以外の層10c(10c1,10c2)に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。
【0043】
尚、上記した第1から第4の実施の形態において活性炭ペレットとして粒径2mm程度のものと3mm程度のものを記載したが、これは例示であってそれに限定されるものではないことはいうまでもない。
【0044】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、燃料蒸気導入ポート、より具体的には燃料蒸気導入ポートとパージポートに最も接近する層に収容される活性炭の粒径を、それ以外の層に収容される活性炭の粒径よりも小さくする、即ち、ペレットの中心部に燃料蒸気あるいはパージエアが到達し易い小粒径の活性炭とする如く構成したので、吸着・脱離が頻繁に行われる上流側に吸着性能の高い活性炭ペレットを配することとなり、従来技術におけるように比較的大粒径の活性炭ペレットを配する場合に比し、キャニスタ全体としての吸着性能を高めることができる。
【0045】
請求項2項にあっては、大気連通ポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径も、燃料蒸気導入ポート、より具体的には燃料蒸気導入ポートとパージポートに最も接近する層を除く、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成したので、上に述べた効果に加え、例えば、停車時や給油時など、パージが行われないとき、大量の燃料蒸気が発生しても、大気連通ポートからキャニスタの外部に発散するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係るキャニスタの説明断面図である。
【図2】この発明の第2の実施の形態に係るキャニスタの説明断面図である。
【図3】この発明の第3の実施の形態に係るキャニスタの説明断面図である。
【図4】この発明の第4の実施の形態に係るキャニスタの説明断面図である。
【符号の説明】
10 キャニスタ
10b 層
10c 層
10d 燃料蒸気導入ポート
10e 大気連通ポート
10f パージポート
14 活性炭(活性炭ペレット)
16 燃料タンク
24 吸気管
【発明の属する技術分野】
この発明はキャニスタ(蒸発燃料処理装置)に関し、より具体的には、燃料タンクから蒸発する燃料蒸気を吸着するペレット状の活性炭を格納してなるキャニスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料タンクを大気に開放していると、燃料の蒸発にともなってHC(炭化水素)が排出されることから、ペレット状の活性炭を格納したキャニスタを設けると共に、そこに燃料蒸気、特にその中のHC成分を吸着させるようにした蒸発燃料処理技術が知られており、その一例として、以下に示すものを挙げることができる。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−303917号公報(段落0020から0030。図1など)
【0004】
この従来技術に係るキャニスタにおいては、その内部に燃料蒸気導入ポートから導入される燃料蒸気を吸着するペレット状の活性炭が複数の層に区分されて収容されてなると共に、燃料蒸気導入ポートに最も接近する層に収容される活性炭、即ち、上流側の活性炭層には大きい粒径(ペレット径)の活性炭を使用する一方、下流側、即ち、それ以外の層に収容される活性炭には小さい粒径のものを使用している。
【0005】
即ち、上流側に大きい粒径の活性炭層を配することによってキャニスタ全体の圧損を低く抑える一方、下流側に小さい粒径の活性炭層を配することでパージエアの吹き抜けを回避して燃料蒸気が残存するのを防止すると共に、燃料蒸気が大気連通ポートから発散するのを防止している。
【0006】
このように、上記した従来技術にあっては、上流側に大きい粒径の活性炭を配置すると空隙率を増して低圧損となる反面、吸着している燃料蒸気、例えばHC(炭化水素)を脱離するとき、パージエアがその空隙を容易に通過するためにキャニスタ内に燃料蒸気がそのまま残存し易く、残存する燃料蒸気によって吸着に関与する活性炭ペレットの細孔が埋まってしまい、新たに導入された燃料蒸気の吸着に有効な細孔が減少する不都合に鑑み、上流側に比較的大きな粒径の活性炭を使用すると共に、下流側に小さな粒径の活性炭を使用することでパージエアが空隙を通過し難くし、よって下流側に燃料蒸気が残存するのを防止している。また、下流側に小さい粒径の活性炭を使用したことで、燃料蒸気の発散を防止して吸着性能の向上を意図している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、活性炭の粒径(直径)を大きくすると、活性炭そのものの吸着能力が低下する。これは、活性炭の粒径が大きくなることで、活性炭ペレットの中心部に燃料蒸気あるいはパージエアが到達し難くなるためである。
【0008】
従来技術では上記したように上流側の活性炭層に吸着能力の低い大粒径炭を用いているが、上流側吸着層、即ち、燃料蒸気導入ポートがあって燃料タンクから大量の燃料蒸気が導入されると共に、パージポートによって脱離成分が機関吸気側にパージ(吸引)される部位においては、特に吸着・脱離が頻繁に行われるため、例えば給油時には大量の燃料蒸気が一度に発生することから、この部位の吸着能力が低いと、良好な吸着・脱離が行えなくなり、キャニスタ全体として吸着能力が低下する恐れがある。
【0009】
従って、この発明の目的は上記した不都合を解消し、燃料蒸気導入ポートに近い上流側に吸着能力の高い比較的小径の活性炭ペレットを配置することで全体としての吸着能力を高めるようにしたキャニスタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、請求項1項においては車両に搭載される内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクに接続され、少なくとも前記燃料タンクから蒸発する燃料蒸気を導入する燃料蒸気導入ポートと、大気に連通する大気連通ポートを備えると共に、その内部に前記燃料蒸気導入ポートから導入される燃料蒸気を吸着する活性炭ペレットを複数の層に区分して収容してなるキャニスタにおいて、前記燃料蒸気導入ポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径を、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。
【0011】
より具体的には、車両に搭載される内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクに接続され、少なくとも前記燃料タンクから蒸発する燃料蒸気を導入する燃料蒸気導入ポートと、大気に連通する大気連通ポートと、前記内燃機関の吸気系に接続されるパージポートを備えると共に、その内部に前記燃料蒸気導入ポートから導入される燃料蒸気を吸着する活性炭ペレットを複数の層に区分して収容してなるキャニスタにおいて、前記燃料蒸気導入ポートとパージポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径を、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。
【0012】
燃料蒸気導入ポート、より具体的には燃料蒸気導入ポートとパージポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径を、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする、即ち、ペレットの中心部に燃料蒸気あるいはパージエアが到達し易い小粒径の活性炭とする如く構成したので、吸着・脱離が頻繁に行われる上流側に吸着性能の高い活性炭ペレットを配することとなり、従来技術におけるように比較的大粒径の活性炭ペレットを配する場合に比し、キャニスタ全体としての吸着性能を高めることができる。
【0013】
請求項2項にあっては、前記大気連通ポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径も、前記燃料蒸気導入ポート、より具体的には前記燃料蒸気導入ポートとパージポートに最も接近する層を除く、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。
【0014】
大気連通ポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径も、燃料蒸気導入ポート、より具体的には燃料蒸気導入ポートとパージポートに最も接近する層を除く、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成したので、上に述べた効果に加え、例えば、停車時や給油時など、パージが行われないとき、大量の燃料蒸気が発生しても、大気連通ポートからキャニスタの外部に発散するのを回避することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の一つの実施の形態に係るキャニスタを説明する。
【0016】
図1は、そのキャニスタの説明断面図である。
【0017】
図1に示すように、キャニスタ10は大略ボックス状あるいは円柱状を呈し、ケース10aで気密に囲まれた内部空間は、3個のフィルタ12で複数個、より詳しくは2個の層10b,10cに仕切られ、そこに燃料蒸気導入ポート(後述)から導入される燃料蒸気、特にHC(炭化水素)成分を吸着するペレット状の活性炭(以下「活性炭ペレット」という)14が収容される。
【0018】
キャニスタ10のケース10aには、図示の如く、車両(図示せず)に搭載される内燃機関(図示せず)の燃料(ガソリン燃料)を貯留する燃料タンク16の液面上方空間16aに管20(破線で示す)を介して接続され、少なくとも燃料タンク16から蒸発する(HC成分を含む)燃料蒸気を導入する燃料蒸気導入ポート10dと、大気に連通する大気連通ポート10eと、内燃機関の吸気系に接続されるパージポート10fが形成される。
【0019】
パージポート10fは、より具体的には、内燃機関の、エアクリーナ22に接続される吸気管24にスロットルバルブ26の下流において管30(同様に破線で示す)を介して接続される。
【0020】
第1の管20の適宜位置にはバルブ32が設けられ、バルブ32は燃料タンク16内に貯留されたガソリン燃料が蒸発して生じた蒸気燃料の圧力が所定値以上になると開放され、燃料タンク16の液面上方空間16aをキャニスタ10に接続する。また第2の管30の適宜位置には電磁ソレノイドバルブ(パージ制御バルブ)34が設けられ、通電されるとき開放されてキャニスタ10を吸気管24に接続する。
【0021】
尚、ケース10aの大気連通ポート10eが形成される付近の底面にはフィルタ12との間にグリッド(多孔板)36が配置されて活性炭ペレット14が大気連通ポート10eから脱落するのを防止する。また、ケース10aの反対側の上面は若干の空隙が設けられる。
【0022】
キャニスタ10の動作あるいは作用を説明すると、燃料タンク16において蒸発した燃料蒸気はタンク液面上方空間16aから管20のバルブ配置位置までの部位に一旦滞留する。次いで、燃料蒸気はその圧力が所定値以上になると,バルブ32を押し開けて管20を矢印で示すように流れ、燃料蒸気導入ポート10dからキャニスタ10の内部に流入し(導入され)、燃料蒸気中のHC成分は活性炭ペレット14に形成される細孔内に進入して捕捉される(吸着される)。
【0023】
次いで、定常運転時などの所定の運転状態において、管30に配置された電磁ソレノイドバルブ34が通電されて開放されると、キャニスタ10はパージポート10fを通じて吸気管24に接続され、吸気負圧が導入される。その結果、大気連通ポート10eから矢印で示すように大気がパージエアとして導入され、導入されたパージエアは活性炭ペレット14の間を縫って流れ、吸着されていた燃料蒸気、より詳しくはHC成分を活性炭ペレット14から脱離させる。脱離されたHC成分は矢印で示すようにパージポート10fおよび管30を通って吸気管24に至り、そこで吸引されて図示しない燃焼室に流入して燃焼させられる。
【0024】
この実施の形態に係るキャニスタ10において特徴的なことは、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層、より具体的には上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層、より具体的には層10cに収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さくする如く構成したことにある。即ち、層10cに収容される活性炭ペレット14の粒径(直径)を3mm程度の大きさとすると共に、層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径(直径)を2mm程度の大きさとするようにした。
【0025】
粒径2mm程度の活性炭ペレットは一般に使用されている活性炭である。尚、活性炭ペレットの粒径(ペレット径)と通気抵抗および吸着性能について述べると、粒径が小さい活性炭は、粒径が大きい活性炭に比し、通気抵抗は高いものの、吸着性能で優れる。
【0026】
この実施の形態に係るキャニスタ10においては上記の如く、燃料蒸気導入ポート10d、より具体的には燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する、上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層に収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さくする、即ち、ペレットの中心部に燃料蒸気あるいはパージエアが到達し易い、2mm程度の小粒径の活性炭とする如く構成したので、吸着・脱離が頻繁に行われる上流側に吸着性能の高い活性炭ペレット14を配することとなり、従来技術におけるように比較的大粒径の活性炭ペレットを配する場合に比し、キャニスタ10全体としての吸着性能を高めることができる。
【0027】
尚、層10bに収容される活性炭ペレットの粒径を2mm程度としたが、それ未満であっても良い。同様に、層10cに収容される活性炭ペレットの粒径を3mm程度としたが、それを超えても良い。要は、層10bに収容される活性炭ペレットの粒径が、層10cに収容されるそれよりも小さいように構成されれば良い。
【0028】
図2はこの発明の第2の実施の形態に係るキャニスタを示す、図1と同様なキャニスタの説明断面図である。
【0029】
第1の実施の形態と相違する点に焦点を置いて説明すると、第2の実施の形態においては,ケース10aを横方向に拡大して層10cを拡張すると共に、仕切り10a1を上面から下面に向けて延びるように取り付け、よって層10cを2個の層10c1と10c2とに分割するようにした。
【0030】
また、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fと並列させて大気連通ポート10eをケース10aの上面側に形成するようにした。ケース10aの下面側はフィルタ12との間でスプリング40によって空隙部42が形成される。従って、第2の実施の形態に係るキャニスタにおいては、パージエアは図2に矢印で示す如く流れ、脱離された燃料蒸気、特にHC成分を機関吸気系にパージさせる。
【0031】
第2の実施の形態においても、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層、より具体的には上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層、より具体的には層10c1,10c2に収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さいように構成する。即ち、層10c1,10c2に収容される活性炭ペレット14の粒径(直径)を3mm程度の大きさとすると共に、層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径(直径)を2mm程度の大きさとする。尚、残余の構成は第1の実施の形態と異ならない。
【0032】
第2の実施の形態に係るキャニスタ10においても上記の如く、燃料蒸気導入ポート10d、より具体的には燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する、上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層に収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さくする如く構成したので、吸着・脱離が頻繁に行われる上流側に吸着性能の高い活性炭ペレット14を配することとなり、従来技術におけるように比較的大粒径の活性炭ペレットを配する場合に比し、キャニスタ10全体としての吸着性能を高めることができる。
【0033】
図3はこの発明の第3の実施の形態に係るキャニスタを示す、図1と同様なキャニスタの説明断面図である。
【0034】
第3の実施の形態は第2の実施の形態の変形例であり、第2の実施の形態と相違する点に焦点を置いて説明すると、第3の実施の形態にあっては、大気連通ポート10eの付近において層10c2をフィルタ12で仕切って第4の層10gを設け、そこに粒径2mm程度の活性炭ペレット14を収容するようにした。
【0035】
即ち、第3の実施の形態においては、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層、より具体的には上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層、より具体的には層10c1,10c2に収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さいように構成すると共に、大気連通ポート10eに最も接近する層10gに収容される活性炭ペレット14の粒径も、燃料蒸気導入ポート10d、より具体的には燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層10bを除く、それ以外の層10c1,10c2に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。尚、残余の構成は第1の実施の形態と異ならない。
【0036】
第3の実施の形態においては上記の如く構成したので、第1、第2の実施の形態で述べた効果に加え、例えば、停車時や給油時など、パージが行われないとき、大量の燃料蒸気が発生しても、大気連通ポート10eからキャニスタ10の外部に発散するのを回避することができる。
【0037】
図4はこの発明の第4の実施の形態に係るキャニスタを示す、図1と同様なキャニスタの説明断面図である。
【0038】
第4の実施の形態は第1の実施の形態の変形例であり、図1に示す第1の実施の形態に係るキャニスタにおいて、層10cをフィルタ12で仕切って層10gを設け、そこに粒径2mm程度の活性炭ペレット14を収容するようにした。
【0039】
即ち、第4の実施の形態においても、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層、より具体的には上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層、より具体的には層10cに収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さいように構成すると共に、大気連通ポート10eに最も接近する層10gに収容される活性炭ペレット14の粒径も、燃料蒸気導入ポート10d、より具体的には燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層10bを除く、それ以外の層10cに収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。
【0040】
第4の実施の形態においては上記の如く構成したので、第3の実施の形態と同様、例えば、停車時や給油時など、パージが行われないとき、大量の燃料蒸気が発生しても、大気連通ポート10eからキャニスタ10の外部に発散するのを回避することができる。尚、残余の構成は第1の実施の形態と異ならない。
【0041】
第1および第2の実施の形態においては上記の如く、車両に搭載される内燃機関の燃料を貯留する燃料タンク16に接続され、少なくとも前記燃料タンクから蒸発する燃料蒸気を導入する燃料蒸気導入ポート10dと、大気に連通する大気連通ポート10eを備える共に、その内部に前記燃料蒸気導入ポートから導入される燃料蒸気を吸着する活性炭ペレット(ペレット状の活性炭)14を複数の層10b、10c(10c1, 10c2)に区分して収容してなるキャニスタ10において、前記燃料蒸気導入ポートに最も接近する層10bに収容される活性炭の粒径を、それ以外の層10c(10c1, 10c2)に収容される活性炭の粒径よりも小さくする如く構成した。
【0042】
第3および第4の実施の形態においては上記の如く、前記大気連通ポート10eに最も接近する層10gに収容される活性炭ペレット14の粒径も、前記燃料蒸気導入ポート10d、より具体的には前記燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層10bを除く、それ以外の層10c(10c1,10c2)に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。
【0043】
尚、上記した第1から第4の実施の形態において活性炭ペレットとして粒径2mm程度のものと3mm程度のものを記載したが、これは例示であってそれに限定されるものではないことはいうまでもない。
【0044】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、燃料蒸気導入ポート、より具体的には燃料蒸気導入ポートとパージポートに最も接近する層に収容される活性炭の粒径を、それ以外の層に収容される活性炭の粒径よりも小さくする、即ち、ペレットの中心部に燃料蒸気あるいはパージエアが到達し易い小粒径の活性炭とする如く構成したので、吸着・脱離が頻繁に行われる上流側に吸着性能の高い活性炭ペレットを配することとなり、従来技術におけるように比較的大粒径の活性炭ペレットを配する場合に比し、キャニスタ全体としての吸着性能を高めることができる。
【0045】
請求項2項にあっては、大気連通ポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径も、燃料蒸気導入ポート、より具体的には燃料蒸気導入ポートとパージポートに最も接近する層を除く、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成したので、上に述べた効果に加え、例えば、停車時や給油時など、パージが行われないとき、大量の燃料蒸気が発生しても、大気連通ポートからキャニスタの外部に発散するのを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一つの実施の形態に係るキャニスタの説明断面図である。
【図2】この発明の第2の実施の形態に係るキャニスタの説明断面図である。
【図3】この発明の第3の実施の形態に係るキャニスタの説明断面図である。
【図4】この発明の第4の実施の形態に係るキャニスタの説明断面図である。
【符号の説明】
10 キャニスタ
10b 層
10c 層
10d 燃料蒸気導入ポート
10e 大気連通ポート
10f パージポート
14 活性炭(活性炭ペレット)
16 燃料タンク
24 吸気管
Claims (2)
- 車両に搭載される内燃機関の燃料を貯留する燃料タンクに接続され、少なくとも前記燃料タンクから蒸発する燃料蒸気を導入する燃料蒸気導入ポートと、大気に連通する大気連通ポートを備えると共に、その内部に前記燃料蒸気導入ポートから導入される燃料蒸気を吸着する活性炭ペレットを複数の層に区分して収容してなるキャニスタにおいて、前記燃料蒸気導入ポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径を、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくしたことを特徴とするキャニスタ。
- 前記大気連通ポートに最も接近する層に収容される活性炭ペレットの粒径も、前記燃料蒸気導入ポートに最も接近する層を除く、それ以外の層に収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくしたことを特徴とする請求項1項記載のキャニスタ。
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