JP2010031711A - キャニスタ - Google Patents

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中野  勝
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Abstract

【課題】パージの中断中にパージポート近傍の蒸発燃料の濃度を緩和または低下させることができるキャニスタを提供する。
【解決手段】吸着材15をもって吸着材層16を形成している第1ケーシング2と吸着材19をもって吸着材層20を形成している第2ケーシング3とを連通路5aで接続する。第1ケーシング2側にはチャージポート6とパージポート7を、第2ケーシング3側には大気ポート8をそれぞれ形成する。第1ケーシング2内のうちポート6,7に近い部分を仕切り板25で仕切る。仕切られたパージポート側空間27のうち反パージポート7側の位置に通気性部材としてフィルター28を配置して副室29として隔離形成する。この副室29に充填される吸着材を、第1ケーシング2内の他の吸着材よりも蒸発燃料の吸着保持力が小さいものとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の燃料タンクから蒸発した燃料を吸着して、その燃料をエンジン稼働時に燃焼させる蒸発燃料処理装置として用いられるキャニスタに関するものである。
周知のように、ガソリンを燃料とする自動車では、燃料タンク内の蒸発燃料が大気に放出されることを抑制するために蒸発燃料処理装置としてキャニスタが用いられている。このキャニスタは、停車時等に燃料タンクから発生する蒸発燃料を吸着材である活性炭に吸着(担持)させ、エンジン稼働時にキャニスタを通して吸気を行うことにより、大気ポートから導入した大気によってキャニスタ内をパージし、吸着した蒸発燃料を脱離させてエンジン内で燃焼させる仕組みとなっている。このパージによる蒸発燃料の脱離によって活性炭の性能が復活して蒸発燃料を良好に且つ繰り返し吸着することが可能となる。
ところで、特定仕向地の車両にあっては、蒸発燃料処理システムの気密性自己診断機能の要求を満たす必要がある。この蒸発燃料処理システムの気密性自己診断機能とは、同処理システムの気密性自己診断実行時に、キャニスタ側の大気ポートを閉塞する一方で、キャニスタを含む同システム内にエンジン吸入負圧を導入することにより所定の減圧状態とした上でエンジン吸入負圧経路を閉塞し、しかる後に同システム内の圧力変化を観測して気密性の適否の自己診断を行うものである。
上記のような自己診断実行時にエンジン吸入負圧経路を閉塞することは、それまでのパージを中断してしまうことにほかならず、自己診断実行頻度の高まりとともにパージの中断頻度も高まることになり、それによってパージポート近傍の吸着材層に濃度の高い蒸発燃料が溜まってしまい、飽和状態とならないまでも吸着材層のうちパージポート近傍がいわゆる高担持状態となってしまうことになる。
そして、吸着材層のうちパージポート近傍は、パージに際して吸着材層からの蒸発燃料の脱離に必要な大気を導入するための大気ポートから最も遠い位置関係にあることから、パージが再開された瞬間に高濃度の蒸発燃料が一気にエンジン吸気系側に供給されることとなり、エンジンの空燃比制御を乱す要因となって好ましくない。
そこで、かかる不具合を解消するために、例えば特許文献1に記載されているように、緩衝キャニスタをメインキャニスタとは別体とし、専用のパージ回路を設ける方法が提案されている。
特開2003−172213号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたものでは、システムおよび制御の複雑化によるコストアップが余儀なくされるほか、相対的にメインキャニスタのパージ回数が減少することで、キャニスタ本来の能力を十分に発揮することができない等の二次的不具合を伴うことになる。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、特に簡単な構造のもとで、パージの中断中にパージポート近傍の蒸発燃料の濃度を緩和または低下させることができるようにしたキャニスタ、すなわちパージ中断中におけるパージポート近傍の蒸発燃料の濃度緩和機能を発揮できるようにしたキャニスタを提供するものである。
請求項1に記載の発明は、内部に吸着材層として機能する吸着材がそれぞれに充填された第1ケーシングと第2ケーシングとを互いに接続し、上記第1ケーシングのうち第2ケーシングとの接続部と反対側の端部には、蒸発燃料の導入側となるチャージポートと大気導入によって脱離した蒸発燃料の導出側となるパージポートをそれぞれに形成するとともに、上記第2ケーシングのうち第1ケーシングとの接続部と反対側の端部には大気導入用の大気ポートを形成してなるキャニスタを前提とする。
その上で、上記第1ケーシング内のうちチャージポートおよびパージポートに近い部分をチャージポート側とパージポート側とに仕切り板で仕切り、その仕切り板で仕切られたパージポート側空間に充填される吸着材を、第1ケーシング内の他の吸着材よりも蒸発燃料の吸着保持力が小さいものとしたことを特徴とする。
より具体的には、請求項2に記載のように、上記仕切り板で仕切られたパージポート側空間のうち反パージポート側の位置に通気性部材を配置することで当該パージポート側空間を副室として隔離形成し、この副室に充填される吸着材を、第1ケーシング内の他の吸着材よりも蒸発燃料の吸着保持力が小さいものとすることが望ましい。なお、上記通気性部材は、蒸発燃料の通過を許容するとともに、吸着材の保持とその緩衝機能を有する。
この場合において、必要に応じて請求項3に記載のように、上記副室に充填された吸着材のパージポート側の位置に通気性部材を配置し、このパージポート側の通気性部材の通気抵抗を反パージポート側の通気性部材のそれよりも大きいものとする。
より望ましくは、請求項4に記載のように、上記パージポート側の通気性部材とパージポートとの間に空気層を設けるものとする。
こうすることにより、通気性部材を通しての蒸発燃料の自由な移動を阻害し、しかも空気層は吸着材中と比べて蒸発燃料が移動しにくいことから、少なくともパージ中断中において、上記パージポート側空間からパージポート側への蒸発燃料の移動を抑制できるようになる。
また、上記と同様にパージポート側空間からパージポート側への蒸発燃料の移動を抑制する上では、請求項5に記載のように、上記仕切り板で仕切られたパージポート側空間の容積をチャージポート側空間の容積よりも小さくすることも有効である。
さらに、パージポート側空間の断面(仕切り板に沿った流れ方向に直交する断面)方向への蒸発燃料の拡がりを抑制する上では、請求項6に記載のように、上記仕切り板で仕切られたパージポート側空間の断面積をチャージポート側空間の断面積よりも小さくなるように設定することも有効である。
ここで、上記パージポート側空間とチャージポート側空間は有限長の仕切り板にて仕切られているだけであるから、両者は互いに近接した位置関係にある。そこで、チャージポート側からの高濃度の蒸発燃料が直接パージポート側空間に流入することがないようにするためには、請求項7に記載のように、上記仕切り板は、当該仕切り板に沿った流れ方向においてパージポート側空間内の吸着材とそれ以外の吸着材との境界部よりも反パージポート側空間方向に突出していることが望ましい。
また、上記仕切り板に沿った流れ方向においてパージポート側空間内の吸着材とそれ以外の吸着材との間に、さらに別の吸着材が介在していても良く、請求項8ではこのことを明確化している。
すなわち、請求項8に記載の発明は、上記仕切り板に沿った流れ方向においてパージポート側空間内の吸着材とそれ以外の吸着材との間に、双方の吸着材の中間の吸着保持力を有する吸着材を介装して、上記仕切り板に沿った流れ方向において蒸発燃料の保持力を段階的に変化させてあることを特徴とする。
これまでの請求項1〜8に記載された発明においては、請求項9に記載のように、一端にチャージポートとパージポートとが形成された第1ケーシングと、同じく一端に大気ポートが形成された第2ケーシングとを、それぞれのケーシング長が長手方向でオーバーラップするように並べて配置するとともに、第1ケーシングと第2ケーシングの他端部同士を連通させる連通路を形成し、この連通路を通して第1ケーシング側と第2ケーシング側の吸着材同士の間で行われる蒸発燃料および大気の流動が略U字状のものとなるように形成してあることがキャニスタのコンパクト化の上で望ましい。
したがって、少なくとも請求項1に記載の発明では、パージポート側空間の吸着材の蒸発燃料の吸着保持力が第1ケーシング内の他の吸着材のそれよりも小さいことは、パージポート側空間の吸着材は、吸着保持している蒸発燃料が時間の経過とともに脱離しやすいことを意味している。そのために、パージ中断中においても、パージポート側空間の吸着材から第1ケーシング内の他の吸着材への蒸発燃料の移動が促進されて、結果としてパージポート側空間の吸着材に吸着保持されている蒸発燃料の濃度を低下させることが可能となる。
請求項1に記載の発明によれば、一部の吸着材の変更のみで、パージ中断中においてパージポート側空間の吸着材から第1ケーシング内の他の吸着材への蒸発燃料の移動が促進されて、パージポート側空間の吸着材に吸着保持されている蒸発燃料の濃度を低下させることができる。その結果、システムや制御の複雑化を招くことなく、パージ再開時にエンジンの空燃比制御を乱すような高濃度の蒸発燃料がエンジン吸気系側に供給されてしまうのを未然に防止できる。
図1は本発明に係るキャニスタのより具体的な第1の実施の形態を示し、いわゆる双胴タイプのキャニスタの断面図を示している。
図1に示すキャニスタ1は、それぞれに例えばポリアミド樹脂等の樹脂材料にて略角筒状に形成された大小二つのケーシング、すなわち第1ケーシング2および第2ケーシング3を並べて隔壁状のリブ4を介して相互に一体化したものである。これら二つのケーシング2,3はそれぞれのケーシング2,3の底部として機能するカバープレート5を共有していて、このカバープレート5が事後的に溶着等の手段にて接合・一体化されることで第1,第2ケーシング2,3が密閉される。これにより、第1,第2ケーシング2,3の内部空間は相互に隔離されている。
そして、後述するように、蒸発燃料および脱離空気の通流方向において両者が直列関係となるようにそれらの第1ケーシング2と第2ケーシング3とが底部側の狭隘な連通路5aを介して相互に連通している。
第1ケーシング2側の一端には、図示外の燃料タンクからの蒸発燃料を導入するためのチャージポート6が開口形成されているとともに、後述する大気導入によって吸着材層20,16から離脱した燃料をエンジンの吸気系側に戻すためのパージポート7がチャージポート6と隣接するように開口形成されている。他方、第2ケーシング3側の一端には大気を導入するための大気ポート8が開口形成されている。
各ポート6〜8の根元部側には格子状のグリッド9を含んでなる膨出部10〜12が形成されていて、これらの膨出部10〜12の内部空間は後述する空気層として機能することになる。
第1ケーシング2には不織布等の所定厚みの通気性部材からなるシート状の複数のフィルター(またはスクリーン)13a,13b,14を介して活性炭等の粒状の吸着材15がフルに且つ満遍なく充填されていて、これをもって両端面にフィルター13a,13b,14が介在した吸着材層16を形成している。他方、第2ケーシング3には同じく不織布等の所定厚みの通気性部材からなる複数のフィルター(またはスクリーン)17,18を介して同じく活性炭等の粒状の吸着材19がフルに且つ満遍なく充填されていて、それによって両端面にフィルター17,18が介在した吸着材層20を形成している。なお、フィルター13a,13b,17は膨出部10〜12内のグリッド9に圧接している。
第1ケーシング2側では、通気性を有しながらも剛性のある例えば樹脂製の多孔板状のグリッド21を下側のフィルター14と重ねて配置してあり、そのフィルター14がグリッド21にてバックアップされているとともに、グリッド21とそれに対向するカバープレート5側の内側底壁面との間には圧縮コイルスプリング22を介装してある。これによって吸着材層16を形成している吸着材15全体を適度な弾性力で弾性付勢して当該吸着材15全体を圧締保持している。
このような構造は、第2ケーシング3側についても全く同様であって、通気性を有しながらも剛性のある樹脂製の多孔板状のグリッドを符号23で、グリッド23とそれに対向するカバープレート5側の内側底壁面との間に介装された圧縮コイルスプリングを符号24でそれぞれ示している。
このように、第1ケーシング2側および第2ケーシング3側共に吸着材層16,20の両側にフィルター13a,13b,14または17,18とグリッド21または23とがあることによって、チャージポート6やパージポート7側さらには大気ポート8側、あるいは連通路5a側への吸着材15,19の漏れ出しが未然に防止されている。同時に、吸着材層16,20を形成している吸着材15,19に圧縮コイルスプリング22または24の力が加わることで第1,第2ケーシング2,3内での吸着材15,19の無用な移動あるいはいわゆる踊り現象が阻止されている。
そして、図1のキャニスタ1は、吸着材層16として機能する第1ケーシング2と同じく吸着材層20として機能する第2ケーシング3とを、それぞれのケーシング長が長手方向でオーバーラップするように並べて配置し、双方のケーシング2,3の他端部同士を連通路5aをもって連通させたものと理解することができる。
その結果として、後述するように、上記連通路5aを通して第1ケーシング2側と第2ケーシング3側の吸着材層16,20同士の間で行われる蒸発燃料および大気の流動が略U字状のものとなるように形成してある。
ただし、第1ケーシング2内の吸着材層16と第2ケーシング3内の吸着材層20とが直列の関係にさえなれば、双方のケーシング2,3の他端同士を突き合わせるようにして、その双方のケーシング2,3を同一軸線上に配置するようにしても良い。
ここで、図1に示すように、チャージポート6およびパージポート7が形成された第1ケーシング2の一端の内部には当該ケーシング2の軸線方向に向けて所定長さの仕切り板25が突出形成されている。この仕切り板25があることによって、第1ケーシング2内のうちチャージポート6およびパージポート7に近い部分が、少なくとも第1ケーシング2の軸線と直交する方向においてチャージポート側空間26とパージポート側空間27とに仕切られている。
ここで、上記仕切り板25で仕切られたチャージポート側空間26およびパージポート側空間27について、仕切り板25の高さをそれぞれの空間26,27の高さ寸法とみなした場合、パージポート側空間27よりもチャージポート側空間26の容積の方が大きくなるように設定されているとともに、第1ケーシング2の軸線と直交する断面での断面積もチャージポート側空間26の方が大きくなるように設定されている。
そして、仕切り板25で仕切られたパージポート側空間27のうち吸着材層16側に臨む部分、すなわちパージポート側空間27の反パージポート7側の位置であって且つ仕切り板25先端相当位置には、不織布等の所定厚みの通気性部材からなるシート状のフィルター(またはスクリーン)28を設けてある。これによって、仕切り板25とフィルター28とで囲まれたパージポート側空間27が副室29として隔離形成されているとともに、この副室29には各吸着材層16,20を形成している吸着材15,19とは性能が異なる活性炭等の吸着材30が充填されて吸着材層31を形成している。
より具体的には、それぞれの吸着材層16,20を形成している吸着材15,19は共に同一のものであるのに対して、副室29に充填された吸着材30は吸着材層16,20を形成している吸着材15,19よりも蒸発燃料の吸着保持力が低い(小さい)もの、すなわち一旦吸着した蒸発燃料が時間の経過ととともに脱離しやすいものが使用されている。
例えば、吸着材層16,20を形成している吸着材15,19であるところの活性炭として、ASTM D 5228に規定されるブタン有効吸着量が10g/dL以上で且つ同ブタン残存量が3g/dL以下のものが使用される場合には、副室29側の吸着材層31の吸着材30として充填される活性炭は、ASTM D 5228に規定されるブタン有効吸着量が8g/dL以上で且つ同ブタン残存量が1.5g/dL以下のものが使用される。同時に、副室29側の吸着材層31の吸着材30として充填される活性炭は、蒸発燃料の吸着保持力を小さくしてパージしやすくするべく、上記ブタン残存量をより極小のものとする上で2nm以下の細孔容積が10nm以下の細孔容積の50%以下のものであることが経験的に望ましい。
また、副室29における吸着材層31の流れ方向の両側には共にフィルター13b,28が配置されているが、フィルター28としてはフィルター13bよりも通気抵抗が小さいものが使用されている。この通気抵抗の差は、フィルター13b,28を形成している例えば不織布等の疎密の違い、あるいは積層厚みの違い等によって付与される。
したがって、このように構成されたキャニスタ1によれば、車両の停車時においては図示外の燃料タンクから発生する蒸発燃料がチャージポート6から第1ケーシング2内に導入されて、第1ケーシング2側の吸着材層16を形成している吸着材15のほか、第2ケーシング3側の吸着材層20を形成している吸着材19に吸着される。なお、一部の蒸発燃料は副室29内の吸着材層31を形成している吸着材30によっても吸着される。
より具体的には、第1ケーシング2側の吸着材層16で吸着しきれなかった蒸発燃料はその吸着材層16の下方のグリッド21を通過し、さらに連通路5aを通過した上で第2ケーシング3側のグリッド23および吸着材層20を通過し、実質的に連通路5aにてU字状に流れの向きを変えることで第2ケーシング3側の吸着材層20に流入して、その吸着材層20を形成している吸着材19に吸着される。
その一方、エンジン稼働時には当該キャニスタ1を通して吸気を行うことにより大気ポート8から空気(大気)が導入され、その導入された空気は第2ケーシング3および第1ケーシング2内を通過してパージポート7からエンジン側に吸入される。この導入空気の流れにより第2ケーシング3側の吸着材層20を形成している吸着材19のほか、第1ケーシング2側の吸着材層16を形成している吸着材15および副室29の吸着材層31を形成している吸着材30がいわゆるパージされ、吸着材19,15および30に吸着されている蒸発燃料が脱離して導入空気とともにエンジン側に吸気されて燃焼処理される。そして、このパージによる蒸発燃料の脱離によって吸着材19,15および30の性能が復活することになる。なお、これらの蒸発燃料の吸着および脱離のメカニズムは従来のものと基本的に同様である。
ここで、従来のキャニスタの場合には、蒸発燃料処理システムの自己診断実行時にそれまでのパージが中断されると、それによってパージポート近傍の吸着材層に濃度の高い蒸発燃料が溜まり、吸着材層のうちパージポート近傍がいわゆる高担持状態となってしまい、パージが再開された瞬間に高濃度の蒸発燃料が一気にエンジン吸気系側に供給されることとなり、エンジンの空燃比制御を乱す要因となっていることは先に述べたとおりである。
これに対して本実施の形態のキャニスタ1によれば、蒸発燃料処理システムの自己診断実行時にそれまでのパージが中断されると、キャニスタ1のうちでもパージポート7に近い部分、特に副室29の吸着材層31を中心として濃度の高い蒸発燃料が溜まり、いわゆる高担持状態となってしまう点では先の従来の場合と同様である。その上で、副室29には蒸発燃料の吸着保持力の小さい吸着材30が充填されて吸着材層31を形成しているため、パージ中断中の時間の経過ととともに吸着材層31から徐々に蒸発燃料が脱離し、脱離した蒸発燃料はそれに隣接する第1ケーシング2内の吸着材層16側へと移動または拡散して、当該吸着材層16にて吸着保持されることになる。これにより、パージ中断中において特に副室29内の吸着材層31での蒸発燃料の濃度を相対的に低下させることができることになる。
この場合において、パージポート7の根元部側にはフィルター28よりも通気抵抗の大きなフィルター13bが介在しているとともに、膨出部11の内部空間が空気層として介在している。空気層は、粒状の吸着材と比べて蒸発燃料が移動しにくく、しかも通気抵抗の大きなフィルター13bが蒸発燃料の通流を妨げる役目をするため、パージ中断中において吸着材層31から脱離した蒸発燃料がパージポート7側に移動するのを抑制できることになる。
加えて、仕切り板25で仕切られたチャージポート側空間26よりもパージポート側空間27である副室29の容積を小さく設定してあるとともに、その副室29の断面積もまたチャージポート側空間26よりも小さく設定してあるため、副室29内の吸着材層31から脱離した蒸発燃料の図1の下方側への移動または拡散を促進し、同時に副室29内での軸直角断面方向への蒸発燃料の拡散を極力抑制することができる。
図2は本発明に係るキャニスタの第2の実施の形態を示す図で、図1と共通する部分には同一符号を付してある。
この第2の実施の形態では、仕切り板35をフィルター28の位置よりもさらに下方側にまで延長したものである。このように構成することにより、吸着材層16のうちでもチャージポート6に近くにある高濃度の蒸発燃料から副室29内の吸着材層31を遮断することができる。
また、図2の仕切り板35の採用を前提として、フィルター28の下方側にさらに別の吸着材として、吸着材層16,20側の吸着材15,19と吸着材層31側の吸着材30との中間の蒸発燃料の吸着保持力を有する吸着材32を充填して吸着材層33を形成しても良い。すなわち、吸着材層33を形成している吸着材32として吸着材層16,20側の吸着材15,19よりも蒸発燃料の吸着保持力の小さいものを採用し、さらに副室29側の吸着材層31を形成している吸着材30として吸着材層33側の吸着材32よりも蒸発燃料の吸着保持力の小さいものを採用する。こうすることにより、仕切り板35に沿った流れ方向において蒸発燃料の吸着保持力を段階的に変化させることができ、特にパージ中断中において副室29内の吸着材層31から脱離した蒸発燃料をその下方の吸着材層33側に、さらにその吸着材層33から脱離した蒸発燃料をより確実に吸着材層16側に移動または拡散させることができる。
図3は本発明に係るキャニスタの第3の実施の形態を示す図で、図1と共通する部分には同一符号を付してある。
この第3の実施の形態では、チャージポート6の直下のフィルター13aからフィルター14までの高さ寸法に比べて、パージポート7の直下のフィルター13bからフィルター14までの高さ寸法を積極的に大きく設定したものである。なお、図3の場合には、第1ケーシング2の一部の胴壁45が仕切り板に相当する。
この第3の実施の形態では、パージ中断中において副室29側の吸着材層31から脱離した蒸発燃料の吸着材層16側への移動または拡散だけに着目した場合には、先の第1の実施の形態のものよりも優れたものとなる。
本発明に係るキャニスタの第1の実施の形態を示す断面説明図。 本発明に係るキャニスタの第2の実施の形態を示す要部断面説明図 本発明に係るキャニスタの第3の実施の形態を示す断面説明図
符号の説明
1…キャニスタ
2…第1ケーシング
3…第2ケーシング
5a…連通路
6…チャージポート
7…パージポート
8…大気ポート
11…膨出部(空気層)
13b…フィルター(通気性部材)
15…吸着材
16…吸着材層
19…吸着材
20…吸着材層
25…仕切り板
26…チャージポート側空間
27…パージポート側空間
28…フィルター(通気性部材)
29…副室
30…吸着材
31…吸着材層
32…吸着材
33…吸着材層
35…仕切り板
45…胴壁(仕切り板)

Claims (9)

  1. 内部に吸着材層として機能する吸着材がそれぞれに充填された第1ケーシングと第2ケーシングとを互いに接続し、
    上記第1ケーシングのうち第2ケーシングとの接続部と反対側の端部には、蒸発燃料の導入側となるチャージポートと大気導入によって脱離した蒸発燃料の導出側となるパージポートをそれぞれに形成するとともに、
    上記第2ケーシングのうち第1ケーシングとの接続部と反対側の端部には大気導入用の大気ポートを形成してなるキャニスタであって、
    上記第1ケーシング内のうちチャージポートおよびパージポートに近い部分をチャージポート側とパージポート側とに仕切り板で仕切り、
    その仕切り板で仕切られたパージポート側空間に充填される吸着材を、第1ケーシング内の他の吸着材よりも蒸発燃料の吸着保持力が小さいものとしたことを特徴とするキャニスタ。
  2. 上記仕切り板で仕切られたパージポート側空間のうち反パージポート側の位置に通気性部材を配置することで当該パージポート側空間を副室として隔離形成し、
    この副室に充填される吸着材を、第1ケーシング内の他の吸着材よりも蒸発燃料の吸着保持力が小さいものとしたことを特徴とする請求項1に記載のキャニスタ。
  3. 上記副室に充填された吸着材のパージポート側の位置に通気性部材を配置し、
    このパージポート側の通気性部材の通気抵抗を反パージポート側の通気性部材のそれよりも大きいものとしたことを特徴とする請求項2に記載のキャニスタ。
  4. 上記パージポート側の通気性部材とパージポートとの間に空気層を設けてあることを特徴とする請求項3に記載のキャニスタ。
  5. 上記仕切り板で仕切られたパージポート側空間の容積をチャージポート側空間の容積よりも小さくなるように設定してあることを特徴とする請求項3または4に記載のキャニスタ。
  6. 上記仕切り板で仕切られたパージポート側空間の断面積をチャージポート側空間の断面積よりも小さくなるように設定してあることを特徴とする請求項5に記載のキャニスタ。
  7. 上記仕切り板は、当該仕切り板に沿った流れ方向においてパージポート側空間内の吸着材とそれ以外の吸着材との境界部よりも反パージポート側空間方向に突出していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のキャニスタ。
  8. 上記仕切り板に沿った流れ方向においてパージポート側空間内の吸着材とそれ以外の吸着材との間に、双方の吸着材の中間の吸着保持力を有する吸着材を介装して、上記仕切り板に沿った流れ方向において蒸発燃料の保持力を段階的に変化させてあることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のキャニスタ。
  9. 一端にチャージポートとパージポートとが形成された第1ケーシングと、同じく一端に大気ポートが形成された第2ケーシングとを、それぞれのケーシング長が長手方向でオーバーラップするように並べて配置するとともに、
    第1ケーシングと第2ケーシングの他端部同士を連通させる連通路を形成し、
    この連通路を通して第1ケーシング側と第2ケーシング側の吸着材同士の間で行われる蒸発燃料および大気の流動が略U字状のものとなるように形成してあることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のキャニスタ。
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