JP2004225506A - 摩擦減衰機構付きx形ブレース - Google Patents
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Abstract
【課題】大地震時においてもブレースの引張り破断、座屈破壊の無い、振動エネルギー吸収の出来る摩擦減衰機構付きブレース架構を提供する。
【解決手段】柱梁架構内に組み込んだX字形状ブレース4の交点にエ字形摩擦部3を取り付け、エ字形に組まれた部材5と部材6のボルト孔は円孔に、部材7のボルト孔は部材軸と平行な長円孔にすることで、エ字形摩擦部は自由な変形が可能となり、交点のボルトに締め付け力を与えると変形時に回動と摺動による摩擦力が起きて、X字形ブレースには締め付け力にみ合う軸力が生じ、同時に振動エネルギーが吸収される。
【選択図】 図1
【解決手段】柱梁架構内に組み込んだX字形状ブレース4の交点にエ字形摩擦部3を取り付け、エ字形に組まれた部材5と部材6のボルト孔は円孔に、部材7のボルト孔は部材軸と平行な長円孔にすることで、エ字形摩擦部は自由な変形が可能となり、交点のボルトに締め付け力を与えると変形時に回動と摺動による摩擦力が起きて、X字形ブレースには締め付け力にみ合う軸力が生じ、同時に振動エネルギーが吸収される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、建物の柱梁架構内に摩擦減衰機構付きX形ブレースを組み込み、地震等の振動エネルギー吸収能力を有するブレース構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のブレースは柱梁架構内にX字ないしV字形状に部材を組み込み、引っ張り、圧縮の軸力で抵抗させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
建物が水平変位した時のブレースの軸力は、水平変位に比例をして増大し、ブレース部材の耐力に比較して過大になりがちで、引っ張り破断や座屈破壊を起こしやすい。
【0004】
ブレース両端部の取り付けプレート、ボルトは、この部分での破断、座屈を避けるために十分な剛性、耐力を持たせる必要がある。
【0005】
ブレースを圧縮の軸力に効くように用いた場合、座屈を避けるには細長比の小さい断面にする必要があり、断面2次半径の大きな閉鎖形や幅広の部材を採用しなければならない。
【0006】
ブレースの組み込まれる柱梁架構には、ブレース軸力に比例した大きな応力が生じることから、剛性、耐力の高いものとしなければならない。
【0007】
ブレース部材は塑性域での抵抗範囲が狭いことから、振動エネルギーの吸収能力はあまり無く、靭性性能の劣る架構となる。
【0008】
本発明は、これらの欠点を解決するためになされたもので、X字形のブレースの交差部に変位吸収と摩擦減衰を兼ね備えた機構を設置することで建物の耐震性能の向上を計った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
柱梁架構にX字形状のブレースを組み込み、X字の交点に変位吸収と摩擦減衰機能のあるエ字形摩擦部3を取り付け、4本に分かれたブレースを連動させる。
【0010】
エ字形摩擦部3は縦鋼板(部材5)と、下部水平鋼板(部材6)との交点の回動と、上部水平鋼板(部材7)との交点の回動、摺動とで、柱梁架構の水平変位に追随する。
【0011】
部材5と部材6,7との交点のボルトは適当な強さで締め付けて、変形時にはこの締め付け力で摩擦力を起こし、振動エネルギーの吸収をし、ブレースに軸力を生じさせる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
柱梁架構内に組み込まれるブレース4は交点にエ字形摩擦部3を取り付け、直線状になるように部材6,7の先端部と柱梁架構の隅とを繋ぐ。
【0014】
摩擦部は部材5,6,7をエ字形状に組み、各部材の交点はボルト1本で締め付けて、回動と摺動が可能なようにする。
【0015】
部材5と部材6のボルト孔は円孔として部材相互の回動を可能とし、部材7のボルト孔は部材軸に平行な長円孔にして部材5,7の相互の回動と摺動を可能とする。
【0016】
部材5と部材6,7交点のボルトに締め付け力を与えないと、柱梁架構に水平変位が起きても、ブレースには軸力が発生しない機構となっている。
【0017】
部材5と部材6,7交点のボルトに締め付け力を与え、柱梁架構に水平変位が起きると、部材5、6の交点には回動、部材5、7の交点には回動と摺動による摩擦力が生じ、ブレースには締め付け力に比例した軸力が生じる。
【0018】
地震力等による繰り返しの柱梁架構の水平変位に連動して、エ字形摩擦部3には連続的な回動と摺動が起きることから、連続して振動エネルギーを吸収する。
【0019】
エ字形摩擦部3のブレース取り付け位置4点を結ぶ四角形と、柱梁架構ブレース取り付け位置4点を結ぶ四角形とは相似形になるが、その比を大きくしていくとエ字形摩擦部の回動と摺動量は大きくなり、振動エネルギーの吸収量は増大する。
【0020】
部材5,6,7は複数の鋼板を重ねることで摩擦面を多くし、摩擦抵抗力を増大させることが可能である。
【0021】
エ字形摩擦部3のボルト締め付け力は長期に亘って変動の無いようにする必
要があり、このためバネ座金や皿バネを利用する。
【0022】
摩擦面は安定した均一な摩擦抵抗力が得られるように、表面処理をしたステンレス材や鍍金金属を採用する。
【0023】
【発明の効果】
柱梁架構内に組み込まれたブレースは、通常の引っ張りブレースと同様に丸鋼や帯鋼でも可能となる。
【0024】
X字形に組まれたブレースは相互が連動することで、繰り返される左右の変形に対してエ字形摩擦部3の振動エネルギーの吸収は連続して生じる。
【0025】
エ字形摩擦部3のボルトの締め付け力で回動と摺動の摩擦力が調整できることから、ブレースの水平剛性や減衰力が適切な値に決められる。
【0026】
エ字形摩擦部3の回動と摺動摩擦力で振動エネルギーの吸収をし、建物構造体への地震、暴風による振動に対する減衰力を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の形態を概略的に示したもので、(a)は摩擦減衰機構付きX形ブレースの概要図、(b)はエ字形摩擦部3の姿図、(c)は孔形状を示す。
【図2】架構が右方向へ水平変位をした時の状態を概略的に示したもので、(a)は摩擦減衰機構付きX形ブレースの概要図、(b)はエ字形摩擦部13の変形状態で、部材15と部材16、17のボルト締め付け部の回動と摺動を示している。
【図3】エ字形摩擦部13とブレース14との取り合いを示した姿図である。
【符号の説明】
1,11 柱 2,12 梁 3,13 エ字形摩擦部
4,14 ブレース 5,15 縦鋼鈑 6,16 下部水平鋼鈑
7,17 上部水平鋼鈑 8 円孔 9 長円孔
【発明の属する技術分野】
この発明は、建物の柱梁架構内に摩擦減衰機構付きX形ブレースを組み込み、地震等の振動エネルギー吸収能力を有するブレース構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のブレースは柱梁架構内にX字ないしV字形状に部材を組み込み、引っ張り、圧縮の軸力で抵抗させている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
建物が水平変位した時のブレースの軸力は、水平変位に比例をして増大し、ブレース部材の耐力に比較して過大になりがちで、引っ張り破断や座屈破壊を起こしやすい。
【0004】
ブレース両端部の取り付けプレート、ボルトは、この部分での破断、座屈を避けるために十分な剛性、耐力を持たせる必要がある。
【0005】
ブレースを圧縮の軸力に効くように用いた場合、座屈を避けるには細長比の小さい断面にする必要があり、断面2次半径の大きな閉鎖形や幅広の部材を採用しなければならない。
【0006】
ブレースの組み込まれる柱梁架構には、ブレース軸力に比例した大きな応力が生じることから、剛性、耐力の高いものとしなければならない。
【0007】
ブレース部材は塑性域での抵抗範囲が狭いことから、振動エネルギーの吸収能力はあまり無く、靭性性能の劣る架構となる。
【0008】
本発明は、これらの欠点を解決するためになされたもので、X字形のブレースの交差部に変位吸収と摩擦減衰を兼ね備えた機構を設置することで建物の耐震性能の向上を計った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
柱梁架構にX字形状のブレースを組み込み、X字の交点に変位吸収と摩擦減衰機能のあるエ字形摩擦部3を取り付け、4本に分かれたブレースを連動させる。
【0010】
エ字形摩擦部3は縦鋼板(部材5)と、下部水平鋼板(部材6)との交点の回動と、上部水平鋼板(部材7)との交点の回動、摺動とで、柱梁架構の水平変位に追随する。
【0011】
部材5と部材6,7との交点のボルトは適当な強さで締め付けて、変形時にはこの締め付け力で摩擦力を起こし、振動エネルギーの吸収をし、ブレースに軸力を生じさせる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0013】
柱梁架構内に組み込まれるブレース4は交点にエ字形摩擦部3を取り付け、直線状になるように部材6,7の先端部と柱梁架構の隅とを繋ぐ。
【0014】
摩擦部は部材5,6,7をエ字形状に組み、各部材の交点はボルト1本で締め付けて、回動と摺動が可能なようにする。
【0015】
部材5と部材6のボルト孔は円孔として部材相互の回動を可能とし、部材7のボルト孔は部材軸に平行な長円孔にして部材5,7の相互の回動と摺動を可能とする。
【0016】
部材5と部材6,7交点のボルトに締め付け力を与えないと、柱梁架構に水平変位が起きても、ブレースには軸力が発生しない機構となっている。
【0017】
部材5と部材6,7交点のボルトに締め付け力を与え、柱梁架構に水平変位が起きると、部材5、6の交点には回動、部材5、7の交点には回動と摺動による摩擦力が生じ、ブレースには締め付け力に比例した軸力が生じる。
【0018】
地震力等による繰り返しの柱梁架構の水平変位に連動して、エ字形摩擦部3には連続的な回動と摺動が起きることから、連続して振動エネルギーを吸収する。
【0019】
エ字形摩擦部3のブレース取り付け位置4点を結ぶ四角形と、柱梁架構ブレース取り付け位置4点を結ぶ四角形とは相似形になるが、その比を大きくしていくとエ字形摩擦部の回動と摺動量は大きくなり、振動エネルギーの吸収量は増大する。
【0020】
部材5,6,7は複数の鋼板を重ねることで摩擦面を多くし、摩擦抵抗力を増大させることが可能である。
【0021】
エ字形摩擦部3のボルト締め付け力は長期に亘って変動の無いようにする必
要があり、このためバネ座金や皿バネを利用する。
【0022】
摩擦面は安定した均一な摩擦抵抗力が得られるように、表面処理をしたステンレス材や鍍金金属を採用する。
【0023】
【発明の効果】
柱梁架構内に組み込まれたブレースは、通常の引っ張りブレースと同様に丸鋼や帯鋼でも可能となる。
【0024】
X字形に組まれたブレースは相互が連動することで、繰り返される左右の変形に対してエ字形摩擦部3の振動エネルギーの吸収は連続して生じる。
【0025】
エ字形摩擦部3のボルトの締め付け力で回動と摺動の摩擦力が調整できることから、ブレースの水平剛性や減衰力が適切な値に決められる。
【0026】
エ字形摩擦部3の回動と摺動摩擦力で振動エネルギーの吸収をし、建物構造体への地震、暴風による振動に対する減衰力を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の形態を概略的に示したもので、(a)は摩擦減衰機構付きX形ブレースの概要図、(b)はエ字形摩擦部3の姿図、(c)は孔形状を示す。
【図2】架構が右方向へ水平変位をした時の状態を概略的に示したもので、(a)は摩擦減衰機構付きX形ブレースの概要図、(b)はエ字形摩擦部13の変形状態で、部材15と部材16、17のボルト締め付け部の回動と摺動を示している。
【図3】エ字形摩擦部13とブレース14との取り合いを示した姿図である。
【符号の説明】
1,11 柱 2,12 梁 3,13 エ字形摩擦部
4,14 ブレース 5,15 縦鋼鈑 6,16 下部水平鋼鈑
7,17 上部水平鋼鈑 8 円孔 9 長円孔
Claims (1)
- X字形状ブレースと、その交差部に回動と摺動による変位吸収と摩擦減衰機構を設置した、摩擦減衰機構付きX形ブレース。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003050065A JP2004225506A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 摩擦減衰機構付きx形ブレース |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003050065A JP2004225506A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 摩擦減衰機構付きx形ブレース |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004225506A true JP2004225506A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32905628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003050065A Pending JP2004225506A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 摩擦減衰機構付きx形ブレース |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004225506A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100645447B1 (ko) | 2005-10-31 | 2006-11-14 | 한국전력공사 | 풀리형 지진진동 저감장치 |
KR100851650B1 (ko) | 2006-10-30 | 2008-08-13 | 한국전력공사 | 구조물의 진동 감쇠 장치 |
KR20130024417A (ko) * | 2011-08-31 | 2013-03-08 | 한국전력공사 | 진동 저감 장치 |
-
2003
- 2003-01-23 JP JP2003050065A patent/JP2004225506A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100645447B1 (ko) | 2005-10-31 | 2006-11-14 | 한국전력공사 | 풀리형 지진진동 저감장치 |
KR100851650B1 (ko) | 2006-10-30 | 2008-08-13 | 한국전력공사 | 구조물의 진동 감쇠 장치 |
KR20130024417A (ko) * | 2011-08-31 | 2013-03-08 | 한국전력공사 | 진동 저감 장치 |
KR101703966B1 (ko) * | 2011-08-31 | 2017-02-08 | 한국전력공사 | 진동 저감 장치 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050315 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050712 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |