JP2004225361A - 高圧噴射撹拌工法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】先端に掘削刃を有する注入ロッド1の下部に腕木状の主撹拌翼6と助撹拌翼7を上下二段に配設し、助撹拌翼7径を主撹拌翼6の半径の1/2〜1/4に形成し、貫入時に必要な削孔水量を1としたときに、0.1〜0.3の水量を助撹拌翼ノズルから吐出させ、注入ロッドを回転下降させ、中間層、着底層への貫入を容易にし、固化材液の注入噴射時に主撹拌翼6ノズルより0.7〜0.9、助撹拌翼7ノズル9より0.1〜0.3の固化材液の噴射量となるように、該ノズル径を調整し、該ノズルから固化材液を高圧噴射しながら注入ロッド1を回転上昇又は下降させ排土しながら、或いは、排土せずに改良予定地盤中に均一な改良柱体を造成する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、改良予定地盤中に貫入し所定深度の地盤中で、注入ロッドの先端部に水平方向に複数段突設した腕木形状の主撹拌翼及び助撹拌翼の先端から、固化材液をそれぞれ高圧噴射しつつ、注入ロッドを引き上げ又は下降させることにより、改良予定地盤中に未改良部分のない均一の改良柱体を造成する地盤改良工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、軟弱地盤中に注入ロッドを貫入し、ロッドの先端が所定深度まで達したら、地盤改良固化材液を高圧噴射し、土壌と固化材液とを撹拌混合して、改良柱体を造成して地盤を改良する地盤改良工法の一例として、高圧噴射撹拌工法がある。
この高圧噴射撹拌工法において、単管工法でしかも大口径の改良体を造成する目的で、削孔ロッド先端部に水平方向に延伸する腕木形式の撹拌翼を装着し、該腕木形式の撹拌翼の先端のノズルから固化材液を高圧噴射する工法が知られている。(特公昭63−29050号)
【0003】
この工法は、図5に示すように注入ロッドaの軸身の先端部に、水平方向に張出した撹拌翼bを設け、該ロッドaを改良予定地盤中に貫入し、撹拌翼bの先端部から固化材液を高圧噴射し改良柱体cを造成する際に、コア空隙f部分に噴流した固化材液の回り込みと撹拌翼bの撹拌による撹拌混合層d、及び固化材液の高圧噴射による拡大層eを形成する地盤の改良が行われるが、固化材液が高圧噴射された拡大層eの改良径D部分の強度に比べて、コア空隙f部分に噴流した固化材液の回り込みと撹拌翼bの撹拌による拡大混合層dの中心部Do部分はやや均一性に欠ける可能性がある。
そこで、中心部の均一性に欠ける部分の発生を解決するために、機械的撹拌を併用しての中心部の改良部の形成を行っていた。
なお、図中DHは撹拌ヘッド径である。
【0004】
また、特公昭63−29050号の高圧噴射撹拌工法においては、撹拌翼を当該地盤中に貫入する際に、貫入対象層に硬質な中間層が存在したり、改良体の着底層が硬質地盤であるときに、ロッド先端の撹拌翼のためにこれら硬質層への貫入がしにくいという欠点があった。
【0005】
上記特公昭63−29050号の高圧噴射撹拌工法は、固化材液が腕木先端のノズルから噴射するため、ロッドの中心部に機械撹拌を併用しても、中心部の強度がややもすると均一性に欠けることがあり、改良柱全体として見れば改良品質が均一性を欠きやすいという欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この問題に対しては、ロッドを二重管にし、固化材液の噴射ノズルを2箇所設けることも考えられる。
しかし、この方法によればロッド内に固化材液の流路が二系統必要であることから高圧ポンプが大小2台必要になり、固化材液使用記録管理が複雑になる等の問題がある。
【0007】
他に、撹拌翼部(改良体中心部)の貫入時に、予め必要固化材液を吐出しておく方法もあるが、変位対策を目的としてスクリュー等で排土する場合には、予め吐出した固化材液は地上に排出されることになり不経済である。
【0008】
また、特公昭63−29050号の高圧噴射撹拌工法では、地盤中に噴射注入される固化材液のボリューム分に当たる量の地盤の盛り上がりや、側方変位等を抑制することが求められている場合には、適用が難しいという欠点があった。
【0009】
本発明はそこで、改良径は従来のままの大口径を確保しつつ、改良体中心部の固化強度も改良体外周部と同様に均一化さた改良柱体を造成すること、また、地盤の盛り上がりや側方変位等を抑制することが求められる場合にも適用できるような高圧噴射撹拌工法を提案するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の課題を解決するために、改良対象地盤中に注入ロッドを介して固化材液を注入し、当該地盤中に改良柱体を造成して地盤の改良を行う工法において、先端部に掘削刃を備えた注入ロッドの下部に、固化材噴射ノズルを備えた腕木形状の撹拌翼を複数段突設し、該突接した下段の腕木形状の助撹拌翼の半径が、上段に突設した主撹拌翼の半径の1/2〜1/4と小さい助撹拌翼に形成し、また、改良時の固化材液噴射ノズルから吐出される固化材液の全量を1としたとき、主撹拌翼の噴射ノズルより0.7〜0.9の固化材液流量を、一方、助撹拌翼の固化材噴射ノズルより0.1〜0.3の固化材液流量を噴射できるように噴射ノズルの径を調整し、該ノズル径を調整した主撹拌翼及び助撹拌翼の先端部の噴射ノズルより固化材液を高圧噴射しながら、注入ロッドを回転上昇又は下降させて、改良予定地盤中に大口径の改良柱体を造成することを特徴とする高圧噴射撹拌工法としたことである。
【0011】
また、前記主撹拌翼の地盤改良領域が、主撹拌翼の掘削刃により撹拌形成された掘削孔部より拡大域の地盤部分の改良を、一方、主撹拌翼の1/2〜1/4の大きさであって、主撹拌翼の下部に設けられた助撹拌翼によって既に撹乱された部分の地盤改良領域を、主撹拌翼による撹拌に先行又は後行して、助撹拌翼で撹乱された改良領域を同時に改良することを特徴とする高圧噴射撹拌工法とたことである。
【0012】
さらに、前記注入ロッドの軸身にスクリュー設け、該スクリューにより、地盤改良中に注入した全体吐出固化材液に相当する土量を排出させることを特徴とする高圧噴射撹拌工法としたことである。
【0013】
また、注入ロッドの固化材液の圧送流路を一系統の単管とすることを特徴する高圧噴射撹拌工法としたことである。
【0014】
本発明の高圧噴射撹拌工法によれば、注入ロッドの下部に、下段に小径の助撹拌翼を上段に大径の主撹拌翼を二段に配設した注入ロッドとしたことにより、ロッド貫入時に主撹拌翼が地盤を回転掘削する前に、貫入抵抗が少ない助撹拌翼がその先導役を果たし、ロッド中心部の地盤を撹乱することによって、改良対象深度の上部に硬質層が介在する場合であっても貫入が容易となる効果がある。
この効果は削孔時削孔水を噴射することによってさらに高めらる。また、その削孔水の量は、削孔水の全量を1としたとき、主撹拌翼の噴射ノズルより0.7〜0.9の削孔水量を、一方、助撹拌翼の噴射ノズルより0.1〜0.3の削孔水量であり、好ましくは主撹拌翼の噴射ノズルより0.8の削孔水量を、一方、助撹拌翼の噴射ノズルより0.2の削孔水量が好ましい。
【0015】
下部に大径の主撹拌翼と小径の助撹拌翼を、上下二段に配設した注入ロッドの貫入と同時に、掘削刃と両撹拌翼により形成された撹乱土壌に対し、注入ロッドの回転引き上げ時に、全固化材液量が1に対し主撹拌翼の噴射ノズルから0.7〜0.9の固化材液量を、助撹拌翼の噴射ノズルから0.1〜0.3の固化材液を高圧噴射する。好ましくは主撹拌翼の噴射ノズルから0.8を、助撹拌翼の噴射ノズルから0.2の固化材液流量を噴射する。これにより大径で強度均一な改良体を造成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例に基づき、以下図面及び試験施工例を参照して説明する。
図1は本発明の高圧噴射撹拌工法に用いる撹拌ヘッドの正面図、図2〜図4は本発明の地盤改良時の概念図であり、図2に示す様に固化材液の流通路を単管としたスクリューなしの中空の注入ロッド1、又は、図3に示す様に軸身にスクリュー2を配設した注入ロッド1の先端部に取り付ける撹拌ヘッド3を以下の構成にする。
【0017】
図1に示すとおり、撹拌ヘッド3の基体4の先端に掘削刃5を設け、該掘削刃5の上部に腕木形状の主撹拌翼6及び助撹拌翼7からなる一対の撹拌翼を上下に設ける。掘削刃5の上方に配設する撹拌翼を、腕木状の主撹拌翼6及び助撹拌翼7に形成し、それぞれの撹拌翼は先端部に口径の異なる固化材液噴射ノズル8,9を有している。
掘削刃5の上方に設けた撹拌翼の下段に位置する助撹拌翼7は、上段に設けた主撹拌翼6の半径の1/2〜1/4小さく形成されている。
【0018】
この様に構成した撹拌ヘッド3を図2又は図3に示す様に注入ロッド1の先端に取り付け、改良予定地盤12中に駆動装置(図示せず)により所定深度まで貫入する。
各撹拌翼は、注入ロッド1の引き上げ時に掘削した地盤中に噴射混合する固化材液の全噴射量を1とした時に、上段に設けられた主撹拌翼6の固化材液噴射ノズル8からの固化材液の噴射量を0.7〜0.9とし、助撹拌翼7の固化材液噴射ノズル9から0.1〜0.3の量の固化材液噴射量になるようにノズル径を調整したそれぞれの噴射ノズルを有するものとする。
固化材液は注入ロッドを回転上昇又は下降するときに噴射し、その際、図3に示すスクリュー2により排土13しながら、あるいは排土しないで改良予定地盤に図4に示すとおり、中心部分16とその周辺部分15,17の強度が均一な大径の改良柱体14を造成することである。
なお、図1中10、11は撹拌爪である。
【0019】
上記の撹拌装置を用いて、本発明の高圧噴射撹拌工を以下のとおり行った。
地盤条件は、原地盤粘着力C=20〜25kN/m2の沖積粘土地盤で、深度10m〜12mにN値15の砂層を含む地盤である。
改良仕様については、固化材液はセメント系固化材(ρ=3.1)、水:固化材比(W/C)=1.5、噴射圧力(P)30MPa、噴射量はトータルで300リットル/分とし、腕木形状の助撹拌翼の噴射ノズルから60リットル/分、腕木形状の主撹拌翼の噴射ノズルから240リットル/分となるようノズル径を調整した。また、上部腕木形状の主撹拌翼の半径(ロッド中心から)60cm、下部の腕木形状の助撹拌翼腕の半径20cm、削孔長は15m、改良長14m、ロッド引き上げ時間は3分/mとした。
【0020】
貫入時における削孔水の噴射仕様ついては、圧送する削孔水の総流量を150リットル/分とし、上段の主撹拌翼のノズルから総量の80%に当たる120リットル/分を下段撹拌翼のノズルから総量の20%に当たる30リットル/分をそれぞせ噴射して削孔した。
【0021】
試験結果としては、ロッドの中心部の強度均一性も充分で改良柱体全体として均一な改良体が造成できた。
【0022】
【発明の効果】
本発明の高圧噴射撹拌工法によれば、腕木のついたロッドヘッドを有する高圧噴射撹拌工法において、改良体の中心部分と周辺部分が均一な改良体が得られるとともに、変位等による周辺地盤への悪影響もなく、ロッドの構造も簡単で固化材スラリーの使用量の管理も容易な地盤改良施工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の地盤改良工法に用いるロッドヘッドの正面図である。
【図2】本発明の一地盤改良時の概念図である。
【図3】この発明の他の地盤改良時の概念図である
【図4】この発明による地盤改良の断面図である。
【図5】従来技術の改良断面及び平面図である。
【符号の説明】
1 注入ロッド
2 スクリュー
3 撹拌ヘッド
4 基体
5 掘削刃
6 主撹拌翼
7 助撹拌翼
8 噴射ノズル
9 噴射ノズル
10 撹拌爪
11 撹拌爪
12 地盤
13 排土
14 改良柱体
Claims (5)
- 改良対象地盤中に注入ロッドを介して固化材液を注入し、当該地盤中に改良柱体を造成して地盤の改良を行う工法において、先端部に掘削刃を備えた注入ロッドの下部に、固化材液噴射ノズルを備えた腕木形状の撹拌翼を複数段突設し、該突設した下段の腕木形状の撹拌翼の半径が上段に突設した主撹拌翼の半径の1/2〜1/4と小さい助撹拌翼に形成し、また、改良時の固化材液噴射ノズルから吐出される固化材液の全体量を1としたとき、主撹拌翼の噴射ノズルより0.7〜0.9の固化材液流量を、一方、助撹拌翼の固化材液噴射ノズルより0.1〜0.3の固化材液流量を噴射できるように噴射ノズルの径を調整し、該ノズル径を調整した主撹拌翼及び助撹拌翼の先端部の噴射ノズルより固化材液を高圧噴射しながら注入ロッドを回転上昇又は下降させて改良予定地盤中に大口径の改良柱体を造成することを特徴とする高圧噴射撹拌工法。
- 前記、主撹拌翼の地盤改良領域が、主撹拌翼の掘削刃により撹拌形成された掘削孔部より拡大域の地盤部分の改良を、一方、主撹拌翼の1/2〜1/4の大きさであって、主撹拌翼の下部に設けられた助撹拌翼によって既に攪乱された部分の地盤改良領域を、主撹拌翼による撹拌に先行又は後行して助撹拌翼で攪乱された改良領域を同時に改良することを特徴とする請求項1記載の高圧噴射撹拌工法。
- 前記、注入ロッドの軸身にスクリューを設け、該スクリューにより、改良地盤中に注入した全体吐出固化液材に相当する土量を排出させることを特徴とする請求項1記載の高圧噴射撹拌工法。
- 注入ロッドの固化材液の圧送流路を一系統の単管とすることを特徴とする請求項1記載の高圧噴射工法。
- 前記主撹拌翼の下段に設けた腕木状の助撹拌翼により、当該改良対象地盤中への貫入作業に於いて、貫入時に必要な水量の全量を1としたときに、当該助撹拌翼の噴射ノズルからの水量の0.1〜0.3を吐出させ、注入ロッドを回転下降させることにより、当該地盤中に存在する中間層、着底層への貫入が容易となることを特徴とする請求項1記載の高圧噴射工法。
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JP2007132073A (ja) * | 2005-11-10 | 2007-05-31 | Onoda Chemico Co Ltd | 高圧噴射攪拌装置 |
JP2007255064A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Fudo Tetra Corp | 噴射混合処理工法 |
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2003
- 2003-01-22 JP JP2003013855A patent/JP2004225361A/ja active Pending
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JP2011089395A (ja) * | 2011-02-09 | 2011-05-06 | Onoda Chemico Co Ltd | 高圧噴射攪拌装置 |
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