JP2004225080A - マグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金およびその製造方法ならびにマグネシウムシリサイドの生成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】主成分であるマグネシウムと添加粒子であるシリコン粉末との固相反応によって生成するマグネシウムシリサイドが微細であり、かつマグネシウム合金素地中に均一に分散したマグネシウム合金を提供する。
【解決手段】出発原料として、マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末と、シリコン粉末2とを準備する。マグネシウムとシリコンとの固相反応によりマグネシウムシリサイド粒子5がマグネシウム合金素地中4に生成する。アルミニウム成分の存在によって、固相反応時にシリコン粒子2を多数の微細シリコン粒子に分散し、この分散した微細シリコン粒子をマグネシウムと固相反応させて微細なマグネシウムシリサイド粒子5を生成する。マグネシウムシリサイド粒子の平均粒子径は、1〜30μmである。
【選択図】 図2
【解決手段】出発原料として、マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末と、シリコン粉末2とを準備する。マグネシウムとシリコンとの固相反応によりマグネシウムシリサイド粒子5がマグネシウム合金素地中4に生成する。アルミニウム成分の存在によって、固相反応時にシリコン粒子2を多数の微細シリコン粒子に分散し、この分散した微細シリコン粒子をマグネシウムと固相反応させて微細なマグネシウムシリサイド粒子5を生成する。マグネシウムシリサイド粒子の平均粒子径は、1〜30μmである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細なマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子が分散したマグネシウム合金およびその製造方法、ならびに微細なマグネシウムシリサイドの生成方法に関するものである。より特定的には、非溶解工程でマグネシウム合金を製造する際に、アルミニウムを添加することによって固相合成によるマグネシウムシリサイドの微細化を実現し、優れた特性を有するマグネシウム合金を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
マグネシウム合金は最軽量材料として知られており、その利用価値が高い。一方、マグネシウム合金の短所として、低硬度、低剛性、低耐摩耗性、低耐腐食性が指摘される。
【0003】
そのため、従来から、マグネシウム合金の機械的特性を向上させる方法として、素地中に第2相粒子を分散する、いわゆる粒子分散型マグネシウム基複合材料の検討が行なわれている。特に、軽量かつ高硬度・高剛性を有するマグネシウシリサイド(Mg2Si)粒子が分散したマグネシウム基複合材料に関する研究および開発が精力的に進められている。
【0004】
例えば、特開平6−81068号公報には、マグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子が分散したマグネシウム基複合材料の製造方法が開示されている。具体的には、シリコン(Si)を高濃度に含有するマグネシウム合金を半溶融状態で射出成形する際に、マトリクスのマグネシウム(Mg)とシリコンとの反応によってマグネシウムシリサイド(Mg2Si)を合成している。
【0005】
また、特開2000−17352号公報には、鋳造法により球状のマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子が分散したマグネシウム基複合材料が開示されている。さらに、ダイカスト法を用いたAS41(Mg−4wt%Al−1wt%Si)マグネシウム合金においても、マグネシウムシリサイド粒子が分散することによって機械的特性の向上を図っている。
【0006】
上記の先行技術では、マグネシウム合金中に分散するマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子は、溶解状態または半溶解状態から凝固する過程で粒成長によって100μm〜数百μmにまで粗大化する。その結果、最終的に得られるマグネシウム合金において顕著な強度の増加は得られない。逆に、粗大化したマグネシウムシリサイド粒子は亀裂の発生や伝播を助長するために、材料の靭性を低下させてしまう。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−81068号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−17352号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本件出願の発明者は、上記の問題を解決し得る発明に関して平成13年9月25日に特願2001−292117号として「マグネシウム基複合材料、マグネシウム基複合材料前駆体およびそれらの製造方法」を、および平成13年9月25日に特願2001−292118号として「マグネシウム基複合材料、マグネシウム基複合材料前駆体およびそれらの製造方法」を特許出願した。これらの出願は、現時点で未だ出願公開されていない。これらの出願に開示された発明では、粉末またはチップ等の形状を有するマグネシウム合金の出発原料とシリコン粉末との混合物に対して塑性加工を施すことによって、まずシリコン粉末が微細に粉砕された混合固化体を作成する。次に、この混合固化体をマグネシウムの融点(650℃)未満の温度、すなわち固相温度域で加熱することによって、マグネシウム(Mg)とシリコン(Si)とを反応させてマグネシウム合金の素地中に微細なマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子を均一に分散させている。この固相合成プロセスにより、優れた機械的特性や耐摩耗性などを有する新しいマグネシウム基複合材料を得ることができるようになる。
【0010】
このようなマグネシウム(Mg)とシリコン(Si)との間での固相反応合成法を利用して微細なマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子を均一に分散させたマグネシウム基複合材料では、反応前の混合固化体中のシリコン粒子は固相反応過程で顕著に粒成長して粗大化することはないので、反応前のシリコン(Si)粒子の大きさがほぼマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子の大きさと一致する。したがって、混合固化体中にシリコン粒子を微細に分散させることが、マグネシウム基複合材料におけるマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子の微細化につながり、ひいては複合材料の高強度化および高機能化につながる。
【0011】
マグネシウムシリサイド(Mg2Si)のような硬質粒子を微細かつ均一にマグネシウム合金素地中に分散させることにより、マグネシウム基複合材料の各特性が向上する。マグネシウム合金出発原料とシリコン粉末との混合物に対して適正な塑性加工を繰り返して付与することにより、シリコン粒子の微細化および分散化を実現できる。一方、更なる合金素材の低コスト化を考慮すると、塑性加工の簡略化または省略が望まれる。言い換えれば、塑性加工に代わるシリコン粒子の微細化の手法が求められる。
【0012】
塑性加工に代わるシリコン粒子の微細化の方法として、例えば、出発原料として微細なシリコン粉末を使用することが考えられる。1μm程度の微細なシリコン粒子を出発原料として用いると、固相反応合成によって生成するマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子の大きさもほぼ1μm程度となる。
【0013】
他方の出発原料であるマグネシウム(Mg)合金素材の大きさに注目してみる。マグネシウムは金属の中でも酸化し易い活性な特性を有するので、数十μm程度の微細なマグネシウム合金粉末は、大気中での爆発を誘発するおそれがある。かかる危険性の点を考えると、微細なマグネシウム合金粉末を出発原料として用いることは、実用上極めて困難である。したがって、マグネシウム合金粉末として、実用的には、500μm〜数ミリ程度の粗粒の利用が好ましい。
【0014】
上記のようにシリコン粒子とマグネシウム合金粒子とは、その大きさが全く異なる。このような著しく粒子径が異なる2種類の粉末を混合した場合、微粒粉末であるシリコン粒子が下部に凝集する傾向がある。そのため、得られたマグネシウム合金において、マグネシウムシリサイド粒子が局所的に偏析するといった問題が生じる。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、主成分であるマグネシウムと添加粒子であるシリコン粉末との固相反応によって生成するマグネシウムシリサイド粒子が微細であり、かつマグネシウム合金素地中に均一に分散したマグネシウム合金を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、上記のようなマグネシウム合金を経済性よく製造することのできる方法を提供することである。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、出発原料として比較的粗粒のシリコン粉末を用いた場合でも、微細なマグネシウムシリサイド粒子を得ることのできるマグネシウムシリサイドの生成方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、種々の実験および検討を行なった結果、シリコン粉末に加えて適正量のアルミニウムを含有することによって固相反応合成過程でマグネシウムシリサイドの微細化が進行することを見出した。そして最終的に、高強度、高靭性、および優れた耐摩耗性を発現できるマグネシウム合金を得るに至った。
【0019】
一つの局面において、本発明に従ったマグネシウム合金は、アルミニウムと、マグネシウムシリサイドとを含み、マグネシウムシリサイドの平均粒子径が1〜30μmである。より好ましいマグネシウムシリサイドの平均粒子径は、1〜15μmである。また、好ましくは、重量基準でシリコンの含有量が1〜10%であり、アルミニウムの含有量が1〜10%である。
【0020】
他の局面において、本発明に従ったマグネシウム合金は、アルミニウムと、マグネシウムシリサイドとを含み、重量基準でシリコンの含有量が1〜10%であり、アルミニウムの含有量が1〜10%である。好ましくは、マグネシウム合金中のアルミニウム含有量をW[Al]とし、シリコン含有量をW[Si]とし、両者の比率W[Al]/W[Si]をRとすると、R≧0.2である。より好ましくはR≧0.3であり、さらに望ましくはR≧0.5である。あるいは、好ましいシリコン含有量は、重量基準で2〜6%である。
【0021】
本発明に従ったマグネシウム合金の製造方法は、次の工程を備える。
【0022】
a) 出発原料として、マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末と、シリコン粉末とを準備する工程。
【0023】
b) 上記各粉末を所定の割合で秤量し、混合する工程。
【0024】
c) 上記混合粉末を圧粉固化する工程。
【0025】
d) 上記圧粉固化体を不活性ガス雰囲気中または非酸化性ガス雰囲気中で加熱し、上記粉末中のマグネシウムとシリコンとの固相反応によりマグネシウムシリサイドを生成する工程。
【0026】
e) 上記マグネシウムシリサイドを生成した固化体を温間塑性加工して該固化体を緻密化する工程。
【0027】
一つの実施形態では、マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末は、マグネシウム合金粉末とアルミニウム粉末とからなる。他の実施形態では、マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末は、アルミニウムを含むマグネシウム合金粉末である。さらに他の実施形態では、マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末は、アルミニウムを含むマグネシウム合金粉末と、アルミニウム粉末とからなる。
【0028】
出発原料としての各粉末を混合する際に、粗大なマグネシウム合金粒子の表面に多数のアルミニウム粒子およびシリコン粒子を付着させるようにしてもよい。
【0029】
また、出発原料としての各粉末を秤量し、混合する際に、混合粉末全体において、重量基準でシリコン含有量を1〜10%の範囲内にし、アルミニウム含有量を1〜10%の範囲内にするように調製することが望ましい。好ましくは、マグネシウムとシリコンとの固相反応により生成するマグネシウムシリサイドの平均粒子径は、1〜30μmである。
【0030】
本発明に従ったマグネシウムシリサイドの生成方法は、マグネシウム合金粉末とシリコン粉末との固相反応によりマグネシウムシリサイド粒子をマグネシウム合金素地中に分散して生成するものであり、次の工程を備える。
【0031】
a) 出発原料粉末中にアルミニウム成分を含ませる工程。
b) 上記アルミニウム成分の存在によって固相反応時にマグネシウムシリサイド粒子を微細化する工程。
【0032】
好ましくは、マグネシウムシリサイド粒子を微細化する工程は、シリコン粉末中の各シリコン粒子を多数の微細シリコン粒子に分散することと、分散した上記各微細シリコン粒子とマグネシウム合金粉末とを固相反応させてマグネシウムシリサイド粒子を生成することとを含む。
【0033】
次に、本発明の特徴および作用効果について以下に記載する。
【0034】
(1)マグネシウム合金
マグネシウム合金は、アルミニウム(Al)とマグネシウムシリサイド(Mg2Si)とを含み、マグネシウムシリサイドの平均粒子径が1〜30μmである。粒子径の測定は、例えば次のようにして行なう。光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などで観察した複数の組織写真を基に画像解析によってマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子に外接する円を求め、この外接円の直径を粒子径とする。
【0035】
マグネシウム合金素地中に分散するマグネシウムシリサイドの平均粒子径が30μmを超えるような場合、粗大なマグネシウムシリサイドに応力が集中するのでマグネシウム合金の強度が低下する。強度向上の観点から見れば、マグネシウムシリサイド粒子は微細であるほうが好ましいが、耐摩耗性の観点から見ると、粒子径は1μm以上であるのが好ましい。1μmを下回ると、耐摩耗性が低下する。
【0036】
マグネシウム合金において、高い強度を有するとともに、優れた靭性(例えば伸び性)を確保するためには、マグネシウムシリサイドの平均粒子径を1〜15μmの範囲内にすることが望ましい。
【0037】
本発明者は、マグネシウム(Mg)とシリコン(Si)との固相反応過程において、アルミニウム(Al)が存在していると、このAlまたはAl−Mg化合物が核となりその近傍に生成するマグネシウムシリサイド(Mg2Si)が微細化することを見出した。このことを図1および図2に模式的に示している。
【0038】
図1は、アルミニウムを含まない場合の固相反応合成前後の組織を図解的に示している。図1(a)は固相反応合成前の状態を示している。この状態では、アルミニウムを含まないマグネシウム合金素地1中にシリコン粒子2が分散して存在している。図1(b)は固相反応合成後の状態を示している。この状態では、図1(a)のシリコン粒子2がほぼそのままの大きさを維持してマグネシウムシリサイド粒子3となっている。
【0039】
図2は、アルミニウムを含む場合の固相反応合成前後の組織を図解的に示している。図2(a)は固相反応合成前の状態を示している。この状態では、アルミニウムを含むマグネシウム合金素地4中にシリコン粒子2が分散して存在している。図2(b)は固相反応合成後の状態を示している。この状態では、アルミニウムの存在により、図2(a)のシリコン粒子2が多数の微細シリコン粒子に分散し、この分散した微細シリコン粒子とマグネシウムとが反応して微細なマグネシウムシリサイド粒子5を生成している。
【0040】
さらに、本発明者は、マグネシウムシリサイド(Mg2Si)の微細化を進行させるためには、シリコンの含有量(W[Si])、アルミニウムの含有量(W[Al])、および両者の比率R(=W[Al]/W[Si])において適正な範囲が存在することも見出した。具体的には、マグネシウム合金において、重量基準でシリコン含有量が1〜10%であり、かつアルミニウムの含有量が1〜10%である。さらに、両者の含有量の比率Rに関しては、R≧0.2の関係を満たすのが望ましい。
【0041】
シリコン含有量が1%未満ではマグネシウム合金の強度向上の効果が少なく、10%を超えるとマグネシウム合金の靭性および機械加工時の切削性において低下が見られる。特にシリコン含有量が2〜6%の範囲内であれば、マグネシウム合金の高強度と高靭性とを両立できる。
【0042】
アルミニウムの添加により、次の作用を発揮する。
【0043】
1)マグネシウムとシリコンとの固相反応により生成するマグネシウムシリサイド粒子を微細化する。
【0044】
2)マグネシウム(Mg)と反応してMg17Al12やMg2A3等の金属間化合物を生成し、それらの粒子が素地中に分散する。
【0045】
上記の作用により、マグネシウム合金の強度向上を図ることができる。アルミニウム含有量が1%未満の場合、上記の作用が十分に発揮されないため、マグネシウム合金の強度向上が望めない。一方、アルミニウム含有量が10%を超えると、Al−Mg系金属間化合物が粗大化し、その結果、マグネシウム合金の靭性低下を誘発する。
【0046】
シリコン含有量(W[Si])とアルミニウム含有量(W[Al])との比率R(=W[Al]/W[Si])に関しては、R≧0.2の関係式を満たせばマグネシウムシリサイド粒子の微細化が可能である。逆に、R<0.2であれば、シリコン含有量に対するアルミニウム含有量が十分でないので、固相反応合成過程でのマグネシウムシリサイド粒子の微細化が十分に進行せず、30μmを超えるような粒子径を持つ粗大粒子が存在するようになる。
【0047】
マグネシウムシリサイド粒子の微細化を十分に促進するには、R≧0.3にするのが好ましい。特にR≧0.5であれば、マグネシウムシリサイド粒子の微細化が進行し、例えば平均粒子径が15μm以下となり高い強度と靭性とを兼ね備えたマグネシウム合金が得られる。
【0048】
(2)マグネシウム合金の製造方法
図3は、マグネシウム合金の製造方法の各工程を示している。
【0049】
(A)出発原料
使用するマグネシウム合金粉末に関しては、特に組成および成分の制約はない。一般に使用されているマグネシウム合金、例えばAZ系やAM系、あるいはZX系やAS系などを利用できる。なお、本明細書で使用する用語としての「マグネシウム合金粉末」は、純マグネシウム粉末を含むものとして理解されねばならない。
【0050】
シリコン粉末に関しては、マグネシウムシリサイドの微細化の観点からは、細かい方が好ましい。しかしながら、シリコン粉末の粒子径がマグネシウム合金粉末の粒子径に比べて著しく小さい場合には、両粉末間で2層分離現象が生じてシリコン粉末の偏析といった問題が生じ得る。かかる観点から、シリコン粉末の粒子径は、10〜100μm程度の範囲のものが望ましい。
【0051】
アルミニウムの添加方法として、以下のものがある。
【0052】
1)アルミニウム粉末を他の原料粉末と混合すること。
【0053】
2)マグネシウム合金粉末の成分としてアルミニウムを含有すること(例えば、Mg−Al系合金粉末の使用)。
【0054】
3)アルミニウムを含むマグネシウム合金粉末およびアルミニウム粉末の両者を使用すること。
【0055】
上記のいずれの方法を採用しても、マグネシウムとシリコンとの固相反応により生成するマグネシウムシリサイド粒子を微細化する効果がある。なお、アルミニウム粉末を添加する場合には、その粒子径は10〜100μm程度の範囲が望ましい。その理由は、シリコン粉末の粒子径に関して記載したことと同じである。
【0056】
各粉末を混合するに際し、粗大なマグネシウム合金粒子の表面に多数のアルミニウム粒子およびシリコン粒子を付着させるようにしても良い。このような手法を採用すれば、圧粉固化体におけるシリコンおよびアルミニウムの偏析・凝集現象を解消できる。
【0057】
(B)混合粉末の圧粉固化
混合粉末を圧粉固化させる手法として、通常の粉末冶金法で用いられるプレス成形固化法や冷間静水圧固化(CIP)法などを適用できる。特に直径が100mmを超えるような大型圧粉成形素材を作製する場合には、冷間静水圧固化法などを適用するのが好ましい。圧粉固化体の相対密度は、80%以上が好ましい。80%を下回る相対密度であれば、圧粉固化体の強度が低下して、搬送過程で損傷、欠損、割れ等が発生するおそれがある。
【0058】
(C)圧粉固化体の加熱によるマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子の生成
圧粉固化体を加熱・保持する過程で、マグネシウム合金粉末とシリコン粉末との間で固相反応合成が進行し、マグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子が生成する。加熱過程でマグネシウム合金粉末表面が雰囲気中の酸素と反応(酸化)すると、表面にマグネシウム酸化皮膜が形成される。この酸化皮膜は、マグネシウム合金粉末とシリコン粉末との反応を阻害する。したがって、酸化抑制の観点から、圧粉固化体の加熱雰囲気は不活性ガス雰囲気にするか、非酸化性ガス雰囲気にするのが好ましい。
【0059】
加熱温度に関しては、シリコン粉末の粒子径によって多少異なるが、マグネシウムシリサイド合成時には発熱挙動を伴うことから、示差熱量分析装置を用いて反応開始温度および反応終了温度を正確に知ることができる。したがって、このような示差熱量分析装置によって求めた反応終了温度を圧粉固化体の加熱・保持温度とすることで安定してマグネシウムシリサイド粒子を生成することができる。なお、本発明では、マグネシウムの融点未満での固相反応を利用することにより、生成する化合物粒子の粗大化・粒成長を抑制することを特徴とするものであるので、最大加熱温度は、650℃未満である。
【0060】
(D)温間塑性加工
マグネシウム合金において十分な機械的特性を得るためには、相対密度を98%以上にすることが望ましい。通常、圧粉固化体の相対密度は80%〜90%程度であることから、本発明では、上記の加熱工程の後に温間塑性加工を施して緻密化する。温間塑性加工方法としては、押出法、鍛造法、圧延法などを適用できる。なかでも温間押出法は、棒状あるいはパイプ状のマグネシウム合金素材を作製するのに適した方法である。圧粉固化体の緻密化を行なうためには、押出比を20以上にするのが望ましい。特に押出比を35以上にすると、固相反応合成によって生成したマグネシウムシリサイド粒子が、より微細に粉砕されて、マグネシウム合金の素地中に均一に分散するといった効果が得られる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、微細なマグネシウムシリサイド粒子が素地中に分散するので、高い強度と靭性とを有するマグネシウム合金を創製することができる。このようなマグネシウム合金は、上記の特性に加えて、軽量化効果も併せ持つので、自動車、二輪車、自転車用の部品や機械部品、構造用部品、産業用ロボットアーム、医療機器、介護補助具、乳母車用品等に適用できる。
【0062】
【実施例】
(1)実施例1
出発原料として、純マグネシウム粉末(最大粒子径780μm、平均粒子径565μm、最小粒子径380μm)、シリコン粉末(最大粒子径86μm、平均粒子径46μm、最小粒子径18μm)、および純アルミニウム粉末(最大粒子径76μm、平均粒子径44μm、最小粒子径32μm)の3種類を準備した。
【0063】
重量基準で表1に示す配合組成となるように各原料粉末を秤量した後、ボールミルを用いて混合した。
【0064】
【表1】
【0065】
なお、粗大なマグネシウム粉末に対して、微細なシリコン粉末およびアルミニウム粉末が分離して偏析しないようにするために、事前にボールミルにマグネシウム粉末を充填し、このマグネシウム粉末に対して重量基準で0.5%のオレイン酸油を添加して約5分間の混合処理を行なった。次いで、所定の配合量のシリコン粉末とアルミニウム粉末とをボールミルに投入し、再度、約15分間の混合処理を行なった。これらの混合処理により、粗大なマグネシウム粉末表面にシリコン粉末およびアルミニウム粉末が付着した複合粉末を得た。こうして、圧粉固化体におけるシリコンおよびアルミニウムの偏析・凝集現象を解消した。
【0066】
上記のようにして得られた混合複合粉末から、冷間成形によって直径36mmの円柱状固化体を作製した。
【0067】
次に、各固化体を、アルゴンガスを流入した管状炉内で550℃の温度で5分間加熱保持した後、直ちに押出比36で温間押出加工を行い、直径6mmの押出棒材を得た。
【0068】
得られたマグネシウム合金押出素材について、研磨・化学エッチング処理を行なった後、X線回折(XRD)による生成化合物の同定を行なった。また、光学顕微鏡による組織観察を行い、画像解析によって生成化合物であるマグネシウムシリサイドの粒子径を算出した。その結果を表1に示している。
【0069】
さらに、押出素材から機械加工によって引張試験片を採取し、常温での引張強さと破断伸びとを測定した。その結果も表1に示している。
【0070】
試料No.1〜6において、固相反応によってマグネシウムシリサイド(Mg2Si)およびMg−Al系化合物の生成が確認された。また、マグネシウム合金中のシリコン含有量およびアルミニウム含有量を適正な範囲にすることにより、マグネシウムシリサイド粒子の平均粒子径が約9〜22μmとなり、出発原料であるシリコン粉末の平均粒子径よりも小さくなっていることが認められた。このことは、アルミニウムの添加により、固相反応合成過程でのマグネシウムシリサイド粒子の微細化を促進していることを如実に示すものである。この結果、試料No.1〜6は、高い引張強さを示した。特に、マグネシウム合金中のシリコン含有量が2〜6%の場合、あるいは比率R(=W[Al]/W[Si])が0.5以上の場合、高い強度と伸び(靭性)とを両立させていることが認められる。
【0071】
一方、試料No.7および8では、アルミニウム含有量が1%未満と低いため、マグネシウムシリサイド粒子の粒子径と出発原料のシリコン粉末の粒子径とがほぼ等しく、微細化が進行していないことが認められる。その結果、アルミニウムを添加したマグネシウム合金に比べて引張強さは小さく、特に同等レベルの引張強さを有する試料No.1に比べて破断伸びが著しく低下している。
【0072】
試料No.9では、アルミニウム添加量が10%を超えて多いため、マグネシウム合金の破断伸びの顕著な低下に伴う引張強さの低減が生じた。
【0073】
(2)実施例2
出発原料として、実施例1で用いた純マグネシウム粉末と純アルミニウム粉末、および表2に示すような異なる粒子径を有するシリコン粉末の3種類の粉末を準備した。重量基準でシリコン(Si)が3.5%、アルミニウム(Al)が2.0%、マグネシウム(Mg)が残部となるように各原料粉末を秤量した後、ボールミルを用いて混合した。
【0074】
【表2】
【0075】
混合処理方法については、実施例1と同様に、先ずマグネシウム粉末に対して重量基準で0.5%のオレイン酸油を添加して事前の混合処理を行なった後、所定の配合量のシリコン粉末とアルミニウム粉末とをボールミルに投入して、再度混合処理を行なった。この混合処理により、マグネシウム粉末表面にシリコン粉末およびアルミニウム粉末が付着した複合粉末を得た。
【0076】
各混合複合粉末を冷間成形して直径36mmの円柱状圧粉固化体を作製した。この各固化体を、アルゴンガスを流入した管状炉内で550℃の温度で5分間、加熱保持した後、直ちに押出比36で温間押出加工を行なって直径6mmの押出棒材を得た。
【0077】
上記のようにして得たマグネシウム合金押出素材について、研磨・化学エッチング処理を行なった後、X線回折(XRD)による生成化合物の同定を行なった。また、光学顕微鏡による組織観察を行ない、画像解析によって生成化合物であるマグネシウムシリサイド(Mg2Si)の粒子径を算出した。さらに、押出素材から引張試験片を機械加工によって採取し、常温での引張強さと破断伸びを測定した。それらの結果を表2に示している。
【0078】
いずれの試料も優れた引張強さと破断伸びとを有することが認められた。特に、反応合成後のマグネシウム粒子径が15μmを下回る場合、これらの特性が一層向上することが認められた。
【0079】
(3)実施例3
出発原料として、化学組成Mg−3.2wt%Al−1.0wt%ZnのAZ31マグネシウム合金粉末(最大粒子径895μm、平均粒子径650μm、最小粒子径500μm)、シリコン粉末(最大粒子径86μm、平均粒子径46μm、最小粒子径18μm)、純アルミニウム粉末(最大粒子径76μm、平均粒子径44μm、最小粒子径32μm)の3種類の粉末を準備した。
【0080】
重量基準で表3に示す配合組成となるように各原料粉末を秤量した後、ボールミルを用いて混合した。混合処理方法については、実施例1と同様に、先ずAZ31粉末に対して重量基準で0.5%のオレイン酸油を添加して事前の混合処理を行なった後、所定の配合量のシリコン粉末とアルミニウム粉末とをボールミルに投入して再度、混合処理を行なった。この混合処理により、AZ31粉末表面にシリコン粉末およびアルミニウム粉末が付着した複合粉末を得た。
【0081】
【表3】
【0082】
各混合複合粉末から冷間成形によって直径36mmの円柱状圧粉固化体を作製した。この固化体を、アルゴンガスを流入した管状炉内で550℃の温度で5分間、加熱保持した後、直ちに押出比36で温間押出加工を行い直径6mmの押出棒材を得た。
【0083】
上記のようにして得たマグネシウム合金押出素材について、研磨・化学エッチング処理を行なった後、X線回折(XRD)による生成化合物の同定を行なった。また、光学顕微鏡による組織観察を行ない、画像解析によって生成化合物であるマグネシウムシリサイド(Mg2Si)の粒子径を算出した。その結果を表3に示している。さらに、押出素材から引張試験片を機械加工によって採取し、常温での引張強さと破断伸びとを測定した。その結果も表3に示している。
【0084】
AZ31マグネシウム合金粉末を用いた場合であっても、適正な含有量のシリコンおよびアルミニウムを含むマグネシウム合金では、アルミニウムによるマグネシウムシリサイド固相合成粒子の微細化およびそれによってもたらされる高強度・高靭性化が認められた。
【0085】
(4)実施例4
出発原料として、純マグネシウム粉末(最大粒子径580μm、平均粒子径315μm、最小粒子径75μm)、シリコン粉末(最大粒子径112μm、平均粒子径56μm、最小粒子径22μm)、純アルミニウム粉末(最大粒子径76μm、平均粒子径44μm、最小粒子径32μm)の3種類の粉末を準備した。
【0086】
重量基準でシリコン含有量を5%、アルミニウム含有量を0%、2%、6%、10%とし、残部がマグネシウムとなるように各原料粉末を秤量した後、ボールミルを用いて混合した。
【0087】
各混合粉末から冷間成形によって直径20mmの円柱状圧粉固化体を作製した。この各固化体を、アルゴンガスを流入した管状炉内で550℃の温度で5分間、加熱保持した後、直ちに面圧10ton/cm2 の圧力を付与して温間鍛造加工を行い直径22mmの緻密固化体を得た。
【0088】
上記のようにして得たマグネシウム合金鍛造素材について、研磨・化学エッチング処理を行なった後、X線回折(XRD)による生成化合物の同定と光学顕微鏡による組織観察を行なった。
【0089】
X線回折によれば、いずれの試料においてもマグネシウムシリサイドの生成が確認された。図4は光学顕微鏡写真を示し、図5は図4の光学顕微鏡写真を線図で表したものである。
【0090】
図4およぶ図5から明らかなように、適正範囲量のアルミニウムを含むと、マグネシウムシリサイドの微細化が進行していることが認められる。アルミニウム含有量2%、6%、10%の場合、いずれもマグネシウムシリサイドの粒子径が30μmであることを確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウムを含まない場合の固相反応合成前後の組織を図解的に示す図である。
【図2】アルミニウムを含む場合の固相反応合成前後の組織を図解的に示す図である。
【図3】マグネシウム合金の製造方法の各工程を示す図である。
【図4】マグネシウム合金の組織を示す光学顕微鏡写真である。
【図5】図4の光学顕微鏡写真を線図で表した図である。
【符号の説明】
1 Al未含有マグネシウム合金素地、2 シリコン粒子、3 マグネシウムシリサイド粒子、4 Al含有マグネシウム合金素地、5 微細マグネシウムシリサイド粒子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細なマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子が分散したマグネシウム合金およびその製造方法、ならびに微細なマグネシウムシリサイドの生成方法に関するものである。より特定的には、非溶解工程でマグネシウム合金を製造する際に、アルミニウムを添加することによって固相合成によるマグネシウムシリサイドの微細化を実現し、優れた特性を有するマグネシウム合金を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
マグネシウム合金は最軽量材料として知られており、その利用価値が高い。一方、マグネシウム合金の短所として、低硬度、低剛性、低耐摩耗性、低耐腐食性が指摘される。
【0003】
そのため、従来から、マグネシウム合金の機械的特性を向上させる方法として、素地中に第2相粒子を分散する、いわゆる粒子分散型マグネシウム基複合材料の検討が行なわれている。特に、軽量かつ高硬度・高剛性を有するマグネシウシリサイド(Mg2Si)粒子が分散したマグネシウム基複合材料に関する研究および開発が精力的に進められている。
【0004】
例えば、特開平6−81068号公報には、マグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子が分散したマグネシウム基複合材料の製造方法が開示されている。具体的には、シリコン(Si)を高濃度に含有するマグネシウム合金を半溶融状態で射出成形する際に、マトリクスのマグネシウム(Mg)とシリコンとの反応によってマグネシウムシリサイド(Mg2Si)を合成している。
【0005】
また、特開2000−17352号公報には、鋳造法により球状のマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子が分散したマグネシウム基複合材料が開示されている。さらに、ダイカスト法を用いたAS41(Mg−4wt%Al−1wt%Si)マグネシウム合金においても、マグネシウムシリサイド粒子が分散することによって機械的特性の向上を図っている。
【0006】
上記の先行技術では、マグネシウム合金中に分散するマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子は、溶解状態または半溶解状態から凝固する過程で粒成長によって100μm〜数百μmにまで粗大化する。その結果、最終的に得られるマグネシウム合金において顕著な強度の増加は得られない。逆に、粗大化したマグネシウムシリサイド粒子は亀裂の発生や伝播を助長するために、材料の靭性を低下させてしまう。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−81068号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−17352号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本件出願の発明者は、上記の問題を解決し得る発明に関して平成13年9月25日に特願2001−292117号として「マグネシウム基複合材料、マグネシウム基複合材料前駆体およびそれらの製造方法」を、および平成13年9月25日に特願2001−292118号として「マグネシウム基複合材料、マグネシウム基複合材料前駆体およびそれらの製造方法」を特許出願した。これらの出願は、現時点で未だ出願公開されていない。これらの出願に開示された発明では、粉末またはチップ等の形状を有するマグネシウム合金の出発原料とシリコン粉末との混合物に対して塑性加工を施すことによって、まずシリコン粉末が微細に粉砕された混合固化体を作成する。次に、この混合固化体をマグネシウムの融点(650℃)未満の温度、すなわち固相温度域で加熱することによって、マグネシウム(Mg)とシリコン(Si)とを反応させてマグネシウム合金の素地中に微細なマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子を均一に分散させている。この固相合成プロセスにより、優れた機械的特性や耐摩耗性などを有する新しいマグネシウム基複合材料を得ることができるようになる。
【0010】
このようなマグネシウム(Mg)とシリコン(Si)との間での固相反応合成法を利用して微細なマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子を均一に分散させたマグネシウム基複合材料では、反応前の混合固化体中のシリコン粒子は固相反応過程で顕著に粒成長して粗大化することはないので、反応前のシリコン(Si)粒子の大きさがほぼマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子の大きさと一致する。したがって、混合固化体中にシリコン粒子を微細に分散させることが、マグネシウム基複合材料におけるマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子の微細化につながり、ひいては複合材料の高強度化および高機能化につながる。
【0011】
マグネシウムシリサイド(Mg2Si)のような硬質粒子を微細かつ均一にマグネシウム合金素地中に分散させることにより、マグネシウム基複合材料の各特性が向上する。マグネシウム合金出発原料とシリコン粉末との混合物に対して適正な塑性加工を繰り返して付与することにより、シリコン粒子の微細化および分散化を実現できる。一方、更なる合金素材の低コスト化を考慮すると、塑性加工の簡略化または省略が望まれる。言い換えれば、塑性加工に代わるシリコン粒子の微細化の手法が求められる。
【0012】
塑性加工に代わるシリコン粒子の微細化の方法として、例えば、出発原料として微細なシリコン粉末を使用することが考えられる。1μm程度の微細なシリコン粒子を出発原料として用いると、固相反応合成によって生成するマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子の大きさもほぼ1μm程度となる。
【0013】
他方の出発原料であるマグネシウム(Mg)合金素材の大きさに注目してみる。マグネシウムは金属の中でも酸化し易い活性な特性を有するので、数十μm程度の微細なマグネシウム合金粉末は、大気中での爆発を誘発するおそれがある。かかる危険性の点を考えると、微細なマグネシウム合金粉末を出発原料として用いることは、実用上極めて困難である。したがって、マグネシウム合金粉末として、実用的には、500μm〜数ミリ程度の粗粒の利用が好ましい。
【0014】
上記のようにシリコン粒子とマグネシウム合金粒子とは、その大きさが全く異なる。このような著しく粒子径が異なる2種類の粉末を混合した場合、微粒粉末であるシリコン粒子が下部に凝集する傾向がある。そのため、得られたマグネシウム合金において、マグネシウムシリサイド粒子が局所的に偏析するといった問題が生じる。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、主成分であるマグネシウムと添加粒子であるシリコン粉末との固相反応によって生成するマグネシウムシリサイド粒子が微細であり、かつマグネシウム合金素地中に均一に分散したマグネシウム合金を提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、上記のようなマグネシウム合金を経済性よく製造することのできる方法を提供することである。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、出発原料として比較的粗粒のシリコン粉末を用いた場合でも、微細なマグネシウムシリサイド粒子を得ることのできるマグネシウムシリサイドの生成方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、種々の実験および検討を行なった結果、シリコン粉末に加えて適正量のアルミニウムを含有することによって固相反応合成過程でマグネシウムシリサイドの微細化が進行することを見出した。そして最終的に、高強度、高靭性、および優れた耐摩耗性を発現できるマグネシウム合金を得るに至った。
【0019】
一つの局面において、本発明に従ったマグネシウム合金は、アルミニウムと、マグネシウムシリサイドとを含み、マグネシウムシリサイドの平均粒子径が1〜30μmである。より好ましいマグネシウムシリサイドの平均粒子径は、1〜15μmである。また、好ましくは、重量基準でシリコンの含有量が1〜10%であり、アルミニウムの含有量が1〜10%である。
【0020】
他の局面において、本発明に従ったマグネシウム合金は、アルミニウムと、マグネシウムシリサイドとを含み、重量基準でシリコンの含有量が1〜10%であり、アルミニウムの含有量が1〜10%である。好ましくは、マグネシウム合金中のアルミニウム含有量をW[Al]とし、シリコン含有量をW[Si]とし、両者の比率W[Al]/W[Si]をRとすると、R≧0.2である。より好ましくはR≧0.3であり、さらに望ましくはR≧0.5である。あるいは、好ましいシリコン含有量は、重量基準で2〜6%である。
【0021】
本発明に従ったマグネシウム合金の製造方法は、次の工程を備える。
【0022】
a) 出発原料として、マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末と、シリコン粉末とを準備する工程。
【0023】
b) 上記各粉末を所定の割合で秤量し、混合する工程。
【0024】
c) 上記混合粉末を圧粉固化する工程。
【0025】
d) 上記圧粉固化体を不活性ガス雰囲気中または非酸化性ガス雰囲気中で加熱し、上記粉末中のマグネシウムとシリコンとの固相反応によりマグネシウムシリサイドを生成する工程。
【0026】
e) 上記マグネシウムシリサイドを生成した固化体を温間塑性加工して該固化体を緻密化する工程。
【0027】
一つの実施形態では、マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末は、マグネシウム合金粉末とアルミニウム粉末とからなる。他の実施形態では、マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末は、アルミニウムを含むマグネシウム合金粉末である。さらに他の実施形態では、マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末は、アルミニウムを含むマグネシウム合金粉末と、アルミニウム粉末とからなる。
【0028】
出発原料としての各粉末を混合する際に、粗大なマグネシウム合金粒子の表面に多数のアルミニウム粒子およびシリコン粒子を付着させるようにしてもよい。
【0029】
また、出発原料としての各粉末を秤量し、混合する際に、混合粉末全体において、重量基準でシリコン含有量を1〜10%の範囲内にし、アルミニウム含有量を1〜10%の範囲内にするように調製することが望ましい。好ましくは、マグネシウムとシリコンとの固相反応により生成するマグネシウムシリサイドの平均粒子径は、1〜30μmである。
【0030】
本発明に従ったマグネシウムシリサイドの生成方法は、マグネシウム合金粉末とシリコン粉末との固相反応によりマグネシウムシリサイド粒子をマグネシウム合金素地中に分散して生成するものであり、次の工程を備える。
【0031】
a) 出発原料粉末中にアルミニウム成分を含ませる工程。
b) 上記アルミニウム成分の存在によって固相反応時にマグネシウムシリサイド粒子を微細化する工程。
【0032】
好ましくは、マグネシウムシリサイド粒子を微細化する工程は、シリコン粉末中の各シリコン粒子を多数の微細シリコン粒子に分散することと、分散した上記各微細シリコン粒子とマグネシウム合金粉末とを固相反応させてマグネシウムシリサイド粒子を生成することとを含む。
【0033】
次に、本発明の特徴および作用効果について以下に記載する。
【0034】
(1)マグネシウム合金
マグネシウム合金は、アルミニウム(Al)とマグネシウムシリサイド(Mg2Si)とを含み、マグネシウムシリサイドの平均粒子径が1〜30μmである。粒子径の測定は、例えば次のようにして行なう。光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡などで観察した複数の組織写真を基に画像解析によってマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子に外接する円を求め、この外接円の直径を粒子径とする。
【0035】
マグネシウム合金素地中に分散するマグネシウムシリサイドの平均粒子径が30μmを超えるような場合、粗大なマグネシウムシリサイドに応力が集中するのでマグネシウム合金の強度が低下する。強度向上の観点から見れば、マグネシウムシリサイド粒子は微細であるほうが好ましいが、耐摩耗性の観点から見ると、粒子径は1μm以上であるのが好ましい。1μmを下回ると、耐摩耗性が低下する。
【0036】
マグネシウム合金において、高い強度を有するとともに、優れた靭性(例えば伸び性)を確保するためには、マグネシウムシリサイドの平均粒子径を1〜15μmの範囲内にすることが望ましい。
【0037】
本発明者は、マグネシウム(Mg)とシリコン(Si)との固相反応過程において、アルミニウム(Al)が存在していると、このAlまたはAl−Mg化合物が核となりその近傍に生成するマグネシウムシリサイド(Mg2Si)が微細化することを見出した。このことを図1および図2に模式的に示している。
【0038】
図1は、アルミニウムを含まない場合の固相反応合成前後の組織を図解的に示している。図1(a)は固相反応合成前の状態を示している。この状態では、アルミニウムを含まないマグネシウム合金素地1中にシリコン粒子2が分散して存在している。図1(b)は固相反応合成後の状態を示している。この状態では、図1(a)のシリコン粒子2がほぼそのままの大きさを維持してマグネシウムシリサイド粒子3となっている。
【0039】
図2は、アルミニウムを含む場合の固相反応合成前後の組織を図解的に示している。図2(a)は固相反応合成前の状態を示している。この状態では、アルミニウムを含むマグネシウム合金素地4中にシリコン粒子2が分散して存在している。図2(b)は固相反応合成後の状態を示している。この状態では、アルミニウムの存在により、図2(a)のシリコン粒子2が多数の微細シリコン粒子に分散し、この分散した微細シリコン粒子とマグネシウムとが反応して微細なマグネシウムシリサイド粒子5を生成している。
【0040】
さらに、本発明者は、マグネシウムシリサイド(Mg2Si)の微細化を進行させるためには、シリコンの含有量(W[Si])、アルミニウムの含有量(W[Al])、および両者の比率R(=W[Al]/W[Si])において適正な範囲が存在することも見出した。具体的には、マグネシウム合金において、重量基準でシリコン含有量が1〜10%であり、かつアルミニウムの含有量が1〜10%である。さらに、両者の含有量の比率Rに関しては、R≧0.2の関係を満たすのが望ましい。
【0041】
シリコン含有量が1%未満ではマグネシウム合金の強度向上の効果が少なく、10%を超えるとマグネシウム合金の靭性および機械加工時の切削性において低下が見られる。特にシリコン含有量が2〜6%の範囲内であれば、マグネシウム合金の高強度と高靭性とを両立できる。
【0042】
アルミニウムの添加により、次の作用を発揮する。
【0043】
1)マグネシウムとシリコンとの固相反応により生成するマグネシウムシリサイド粒子を微細化する。
【0044】
2)マグネシウム(Mg)と反応してMg17Al12やMg2A3等の金属間化合物を生成し、それらの粒子が素地中に分散する。
【0045】
上記の作用により、マグネシウム合金の強度向上を図ることができる。アルミニウム含有量が1%未満の場合、上記の作用が十分に発揮されないため、マグネシウム合金の強度向上が望めない。一方、アルミニウム含有量が10%を超えると、Al−Mg系金属間化合物が粗大化し、その結果、マグネシウム合金の靭性低下を誘発する。
【0046】
シリコン含有量(W[Si])とアルミニウム含有量(W[Al])との比率R(=W[Al]/W[Si])に関しては、R≧0.2の関係式を満たせばマグネシウムシリサイド粒子の微細化が可能である。逆に、R<0.2であれば、シリコン含有量に対するアルミニウム含有量が十分でないので、固相反応合成過程でのマグネシウムシリサイド粒子の微細化が十分に進行せず、30μmを超えるような粒子径を持つ粗大粒子が存在するようになる。
【0047】
マグネシウムシリサイド粒子の微細化を十分に促進するには、R≧0.3にするのが好ましい。特にR≧0.5であれば、マグネシウムシリサイド粒子の微細化が進行し、例えば平均粒子径が15μm以下となり高い強度と靭性とを兼ね備えたマグネシウム合金が得られる。
【0048】
(2)マグネシウム合金の製造方法
図3は、マグネシウム合金の製造方法の各工程を示している。
【0049】
(A)出発原料
使用するマグネシウム合金粉末に関しては、特に組成および成分の制約はない。一般に使用されているマグネシウム合金、例えばAZ系やAM系、あるいはZX系やAS系などを利用できる。なお、本明細書で使用する用語としての「マグネシウム合金粉末」は、純マグネシウム粉末を含むものとして理解されねばならない。
【0050】
シリコン粉末に関しては、マグネシウムシリサイドの微細化の観点からは、細かい方が好ましい。しかしながら、シリコン粉末の粒子径がマグネシウム合金粉末の粒子径に比べて著しく小さい場合には、両粉末間で2層分離現象が生じてシリコン粉末の偏析といった問題が生じ得る。かかる観点から、シリコン粉末の粒子径は、10〜100μm程度の範囲のものが望ましい。
【0051】
アルミニウムの添加方法として、以下のものがある。
【0052】
1)アルミニウム粉末を他の原料粉末と混合すること。
【0053】
2)マグネシウム合金粉末の成分としてアルミニウムを含有すること(例えば、Mg−Al系合金粉末の使用)。
【0054】
3)アルミニウムを含むマグネシウム合金粉末およびアルミニウム粉末の両者を使用すること。
【0055】
上記のいずれの方法を採用しても、マグネシウムとシリコンとの固相反応により生成するマグネシウムシリサイド粒子を微細化する効果がある。なお、アルミニウム粉末を添加する場合には、その粒子径は10〜100μm程度の範囲が望ましい。その理由は、シリコン粉末の粒子径に関して記載したことと同じである。
【0056】
各粉末を混合するに際し、粗大なマグネシウム合金粒子の表面に多数のアルミニウム粒子およびシリコン粒子を付着させるようにしても良い。このような手法を採用すれば、圧粉固化体におけるシリコンおよびアルミニウムの偏析・凝集現象を解消できる。
【0057】
(B)混合粉末の圧粉固化
混合粉末を圧粉固化させる手法として、通常の粉末冶金法で用いられるプレス成形固化法や冷間静水圧固化(CIP)法などを適用できる。特に直径が100mmを超えるような大型圧粉成形素材を作製する場合には、冷間静水圧固化法などを適用するのが好ましい。圧粉固化体の相対密度は、80%以上が好ましい。80%を下回る相対密度であれば、圧粉固化体の強度が低下して、搬送過程で損傷、欠損、割れ等が発生するおそれがある。
【0058】
(C)圧粉固化体の加熱によるマグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子の生成
圧粉固化体を加熱・保持する過程で、マグネシウム合金粉末とシリコン粉末との間で固相反応合成が進行し、マグネシウムシリサイド(Mg2Si)粒子が生成する。加熱過程でマグネシウム合金粉末表面が雰囲気中の酸素と反応(酸化)すると、表面にマグネシウム酸化皮膜が形成される。この酸化皮膜は、マグネシウム合金粉末とシリコン粉末との反応を阻害する。したがって、酸化抑制の観点から、圧粉固化体の加熱雰囲気は不活性ガス雰囲気にするか、非酸化性ガス雰囲気にするのが好ましい。
【0059】
加熱温度に関しては、シリコン粉末の粒子径によって多少異なるが、マグネシウムシリサイド合成時には発熱挙動を伴うことから、示差熱量分析装置を用いて反応開始温度および反応終了温度を正確に知ることができる。したがって、このような示差熱量分析装置によって求めた反応終了温度を圧粉固化体の加熱・保持温度とすることで安定してマグネシウムシリサイド粒子を生成することができる。なお、本発明では、マグネシウムの融点未満での固相反応を利用することにより、生成する化合物粒子の粗大化・粒成長を抑制することを特徴とするものであるので、最大加熱温度は、650℃未満である。
【0060】
(D)温間塑性加工
マグネシウム合金において十分な機械的特性を得るためには、相対密度を98%以上にすることが望ましい。通常、圧粉固化体の相対密度は80%〜90%程度であることから、本発明では、上記の加熱工程の後に温間塑性加工を施して緻密化する。温間塑性加工方法としては、押出法、鍛造法、圧延法などを適用できる。なかでも温間押出法は、棒状あるいはパイプ状のマグネシウム合金素材を作製するのに適した方法である。圧粉固化体の緻密化を行なうためには、押出比を20以上にするのが望ましい。特に押出比を35以上にすると、固相反応合成によって生成したマグネシウムシリサイド粒子が、より微細に粉砕されて、マグネシウム合金の素地中に均一に分散するといった効果が得られる。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、微細なマグネシウムシリサイド粒子が素地中に分散するので、高い強度と靭性とを有するマグネシウム合金を創製することができる。このようなマグネシウム合金は、上記の特性に加えて、軽量化効果も併せ持つので、自動車、二輪車、自転車用の部品や機械部品、構造用部品、産業用ロボットアーム、医療機器、介護補助具、乳母車用品等に適用できる。
【0062】
【実施例】
(1)実施例1
出発原料として、純マグネシウム粉末(最大粒子径780μm、平均粒子径565μm、最小粒子径380μm)、シリコン粉末(最大粒子径86μm、平均粒子径46μm、最小粒子径18μm)、および純アルミニウム粉末(最大粒子径76μm、平均粒子径44μm、最小粒子径32μm)の3種類を準備した。
【0063】
重量基準で表1に示す配合組成となるように各原料粉末を秤量した後、ボールミルを用いて混合した。
【0064】
【表1】
【0065】
なお、粗大なマグネシウム粉末に対して、微細なシリコン粉末およびアルミニウム粉末が分離して偏析しないようにするために、事前にボールミルにマグネシウム粉末を充填し、このマグネシウム粉末に対して重量基準で0.5%のオレイン酸油を添加して約5分間の混合処理を行なった。次いで、所定の配合量のシリコン粉末とアルミニウム粉末とをボールミルに投入し、再度、約15分間の混合処理を行なった。これらの混合処理により、粗大なマグネシウム粉末表面にシリコン粉末およびアルミニウム粉末が付着した複合粉末を得た。こうして、圧粉固化体におけるシリコンおよびアルミニウムの偏析・凝集現象を解消した。
【0066】
上記のようにして得られた混合複合粉末から、冷間成形によって直径36mmの円柱状固化体を作製した。
【0067】
次に、各固化体を、アルゴンガスを流入した管状炉内で550℃の温度で5分間加熱保持した後、直ちに押出比36で温間押出加工を行い、直径6mmの押出棒材を得た。
【0068】
得られたマグネシウム合金押出素材について、研磨・化学エッチング処理を行なった後、X線回折(XRD)による生成化合物の同定を行なった。また、光学顕微鏡による組織観察を行い、画像解析によって生成化合物であるマグネシウムシリサイドの粒子径を算出した。その結果を表1に示している。
【0069】
さらに、押出素材から機械加工によって引張試験片を採取し、常温での引張強さと破断伸びとを測定した。その結果も表1に示している。
【0070】
試料No.1〜6において、固相反応によってマグネシウムシリサイド(Mg2Si)およびMg−Al系化合物の生成が確認された。また、マグネシウム合金中のシリコン含有量およびアルミニウム含有量を適正な範囲にすることにより、マグネシウムシリサイド粒子の平均粒子径が約9〜22μmとなり、出発原料であるシリコン粉末の平均粒子径よりも小さくなっていることが認められた。このことは、アルミニウムの添加により、固相反応合成過程でのマグネシウムシリサイド粒子の微細化を促進していることを如実に示すものである。この結果、試料No.1〜6は、高い引張強さを示した。特に、マグネシウム合金中のシリコン含有量が2〜6%の場合、あるいは比率R(=W[Al]/W[Si])が0.5以上の場合、高い強度と伸び(靭性)とを両立させていることが認められる。
【0071】
一方、試料No.7および8では、アルミニウム含有量が1%未満と低いため、マグネシウムシリサイド粒子の粒子径と出発原料のシリコン粉末の粒子径とがほぼ等しく、微細化が進行していないことが認められる。その結果、アルミニウムを添加したマグネシウム合金に比べて引張強さは小さく、特に同等レベルの引張強さを有する試料No.1に比べて破断伸びが著しく低下している。
【0072】
試料No.9では、アルミニウム添加量が10%を超えて多いため、マグネシウム合金の破断伸びの顕著な低下に伴う引張強さの低減が生じた。
【0073】
(2)実施例2
出発原料として、実施例1で用いた純マグネシウム粉末と純アルミニウム粉末、および表2に示すような異なる粒子径を有するシリコン粉末の3種類の粉末を準備した。重量基準でシリコン(Si)が3.5%、アルミニウム(Al)が2.0%、マグネシウム(Mg)が残部となるように各原料粉末を秤量した後、ボールミルを用いて混合した。
【0074】
【表2】
【0075】
混合処理方法については、実施例1と同様に、先ずマグネシウム粉末に対して重量基準で0.5%のオレイン酸油を添加して事前の混合処理を行なった後、所定の配合量のシリコン粉末とアルミニウム粉末とをボールミルに投入して、再度混合処理を行なった。この混合処理により、マグネシウム粉末表面にシリコン粉末およびアルミニウム粉末が付着した複合粉末を得た。
【0076】
各混合複合粉末を冷間成形して直径36mmの円柱状圧粉固化体を作製した。この各固化体を、アルゴンガスを流入した管状炉内で550℃の温度で5分間、加熱保持した後、直ちに押出比36で温間押出加工を行なって直径6mmの押出棒材を得た。
【0077】
上記のようにして得たマグネシウム合金押出素材について、研磨・化学エッチング処理を行なった後、X線回折(XRD)による生成化合物の同定を行なった。また、光学顕微鏡による組織観察を行ない、画像解析によって生成化合物であるマグネシウムシリサイド(Mg2Si)の粒子径を算出した。さらに、押出素材から引張試験片を機械加工によって採取し、常温での引張強さと破断伸びを測定した。それらの結果を表2に示している。
【0078】
いずれの試料も優れた引張強さと破断伸びとを有することが認められた。特に、反応合成後のマグネシウム粒子径が15μmを下回る場合、これらの特性が一層向上することが認められた。
【0079】
(3)実施例3
出発原料として、化学組成Mg−3.2wt%Al−1.0wt%ZnのAZ31マグネシウム合金粉末(最大粒子径895μm、平均粒子径650μm、最小粒子径500μm)、シリコン粉末(最大粒子径86μm、平均粒子径46μm、最小粒子径18μm)、純アルミニウム粉末(最大粒子径76μm、平均粒子径44μm、最小粒子径32μm)の3種類の粉末を準備した。
【0080】
重量基準で表3に示す配合組成となるように各原料粉末を秤量した後、ボールミルを用いて混合した。混合処理方法については、実施例1と同様に、先ずAZ31粉末に対して重量基準で0.5%のオレイン酸油を添加して事前の混合処理を行なった後、所定の配合量のシリコン粉末とアルミニウム粉末とをボールミルに投入して再度、混合処理を行なった。この混合処理により、AZ31粉末表面にシリコン粉末およびアルミニウム粉末が付着した複合粉末を得た。
【0081】
【表3】
【0082】
各混合複合粉末から冷間成形によって直径36mmの円柱状圧粉固化体を作製した。この固化体を、アルゴンガスを流入した管状炉内で550℃の温度で5分間、加熱保持した後、直ちに押出比36で温間押出加工を行い直径6mmの押出棒材を得た。
【0083】
上記のようにして得たマグネシウム合金押出素材について、研磨・化学エッチング処理を行なった後、X線回折(XRD)による生成化合物の同定を行なった。また、光学顕微鏡による組織観察を行ない、画像解析によって生成化合物であるマグネシウムシリサイド(Mg2Si)の粒子径を算出した。その結果を表3に示している。さらに、押出素材から引張試験片を機械加工によって採取し、常温での引張強さと破断伸びとを測定した。その結果も表3に示している。
【0084】
AZ31マグネシウム合金粉末を用いた場合であっても、適正な含有量のシリコンおよびアルミニウムを含むマグネシウム合金では、アルミニウムによるマグネシウムシリサイド固相合成粒子の微細化およびそれによってもたらされる高強度・高靭性化が認められた。
【0085】
(4)実施例4
出発原料として、純マグネシウム粉末(最大粒子径580μm、平均粒子径315μm、最小粒子径75μm)、シリコン粉末(最大粒子径112μm、平均粒子径56μm、最小粒子径22μm)、純アルミニウム粉末(最大粒子径76μm、平均粒子径44μm、最小粒子径32μm)の3種類の粉末を準備した。
【0086】
重量基準でシリコン含有量を5%、アルミニウム含有量を0%、2%、6%、10%とし、残部がマグネシウムとなるように各原料粉末を秤量した後、ボールミルを用いて混合した。
【0087】
各混合粉末から冷間成形によって直径20mmの円柱状圧粉固化体を作製した。この各固化体を、アルゴンガスを流入した管状炉内で550℃の温度で5分間、加熱保持した後、直ちに面圧10ton/cm2 の圧力を付与して温間鍛造加工を行い直径22mmの緻密固化体を得た。
【0088】
上記のようにして得たマグネシウム合金鍛造素材について、研磨・化学エッチング処理を行なった後、X線回折(XRD)による生成化合物の同定と光学顕微鏡による組織観察を行なった。
【0089】
X線回折によれば、いずれの試料においてもマグネシウムシリサイドの生成が確認された。図4は光学顕微鏡写真を示し、図5は図4の光学顕微鏡写真を線図で表したものである。
【0090】
図4およぶ図5から明らかなように、適正範囲量のアルミニウムを含むと、マグネシウムシリサイドの微細化が進行していることが認められる。アルミニウム含有量2%、6%、10%の場合、いずれもマグネシウムシリサイドの粒子径が30μmであることを確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウムを含まない場合の固相反応合成前後の組織を図解的に示す図である。
【図2】アルミニウムを含む場合の固相反応合成前後の組織を図解的に示す図である。
【図3】マグネシウム合金の製造方法の各工程を示す図である。
【図4】マグネシウム合金の組織を示す光学顕微鏡写真である。
【図5】図4の光学顕微鏡写真を線図で表した図である。
【符号の説明】
1 Al未含有マグネシウム合金素地、2 シリコン粒子、3 マグネシウムシリサイド粒子、4 Al含有マグネシウム合金素地、5 微細マグネシウムシリサイド粒子。
Claims (15)
- アルミニウムと、
マグネシウムシリサイドとを含み、
前記マグネシウムシリサイドの平均粒子径が1〜30μmである、マグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金。 - 前記マグネシウムシリサイドの平均粒子径が1〜15μmである、請求項1に記載のマグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金。
- 重量基準でシリコンの含有量が1〜10%であり、アルミニウムの含有量が1〜10%である、請求項1または2に記載のマグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金。
- アルミニウムと、
マグネシウムシリサイドとを含み、
重量基準でシリコンの含有量が1〜10%であり、アルミニウムの含有量が1〜10%である、マグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金。 - 前記マグネシウム合金中のアルミニウム含有量をW[Al]とし、シリコン含有量をW[Si]とし、両者の比率W[Al]/W[Si]をRとすると、
R≧0.2
である、請求項4に記載のマグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金。 - 前記シリコンの含有量が重量基準で2〜6%である、請求項4に記載のマグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金。
- 出発原料として、マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末と、シリコン粉末とを準備する工程と、
前記各粉末を所定の割合で秤量し、混合する工程と、
前記混合粉末を圧粉固化する工程と、
前記圧粉固化体を不活性ガス雰囲気中または非酸化性ガス雰囲気中で加熱し、前記粉末中のマグネシウムとシリコンとの固相反応によりマグネシウムシリサイドを生成する工程と、
前記マグネシウムシリサイドを生成した固化体を温間塑性加工して該固化体を緻密化する工程とを備えた、マグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金の製造方法。 - 前記マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末は、マグネシウム合金粉末とアルミニウム粉末とからなる、請求項7に記載のマグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金の製造方法。
- 前記各粉末を混合する工程は、粗大なマグネシウム合金粒子の表面に多数のアルミニウム粒子およびシリコン粒子を付着させることを含む、請求項8に記載のマグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金の製造方法。
- 前記マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末は、アルミニウムを含むマグネシウム合金粉末である、請求項7に記載のマグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金の製造方法。
- 前記マグネシウムおよびアルミニウムを含む粉末は、アルミニウムを含むマグネシウム合金粉末と、アルミニウム粉末とからなる、請求項7に記載のマグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金の製造方法。
- 前記各粉末を秤量し、混合する工程は、混合粉末全体において、重量基準でシリコン含有量を1〜10%の範囲内にし、アルミニウム含有量を1〜10%の範囲内にするように調製することを含む、請求項7〜11のいずれかに記載のマグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金の製造方法。
- 前記マグネシウムとシリコンとの固相反応により生成するマグネシウムシリサイドの平均粒子径は、1〜30μmである、請求項7〜12のいずれかに記載のマグネシウムシリサイドを含むマグネシウム合金の製造方法。
- マグネシウム合金粉末とシリコン粉末との固相反応によりマグネシウムシリサイド粒子をマグネシウム合金素地中に分散して生成するマグネシウムシリサイドの生成方法において、
出発原料粉末中にアルミニウム成分を含ませる工程と、
前記アルミニウム成分の存在によって前記固相反応時に前記マグネシウムシリサイド粒子を微細化する工程とを備えたことを特徴とする、マグネシウムシリサイドの生成方法。 - 前記マグネシウムシリサイド粒子を微細化する工程は、
前記シリコン粉末中の各シリコン粒子を多数の微細シリコン粒子に分散することと、
分散した前記各微細シリコン粒子と前記マグネシウム合金粉末とを固相反応させて前記マグネシウムシリサイド粒子を生成することとを含む、請求項14に記載のマグネシウムシリサイドの生成方法。
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