JP2001200322A - 金属基複合材料およびその製造方法 - Google Patents
金属基複合材料およびその製造方法Info
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Abstract
させたままの状態で空隙の無い緻密な組織を有する金属
基複合材料およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 CuまたはCu合金から成る金属マトリック
ス中に、Ti, Zr, Hf, NbおよびTaから成る群から選択さ
れた金属元素M と、C およびB から成る群から選択され
た非金属元素Xとの化合物M-X の粒子が分散している金
属基複合材料の製造方法において、Cuの粉末と、該金属
元素M の粉末と、該非金属元素X の粉末とから成る成形
体を形成する工程、金型内に該成形体と該CuまたはCu合
金の溶湯とを装入する工程、該金型内を加圧状態にする
ことにより、該溶湯を該成形体に含浸させ且つ該含浸さ
れた溶湯を含む該成形体を溶湯鍛造する工程を含むこと
を特徴とする。
Description
よびその製造方法に関し、特にCuまたはCu合金から
成る金属マトリックス中に、Ti、Zr、Hf、Nbお
よびTaから成る群から選択された金属元素Mと、Cお
よびBから成る群から選択された非金属元素Xとの化合
物M−Xの粒子が分散している金属基複合材料およびそ
の製造方法に関する。
して、粉末成形体中における分散粒子の内部生成(in-si
tu生成) を用いた方法が知られている。例えば、特開昭
63−83239号公報に記載された方法を用いて、例
えばTi粉末粒子とC(黒鉛)粉末粒子とAlまたはA
l合金粉末粒子とから成る成形体を不活性雰囲気中で加
熱することにより、AlまたはAl合金から成る金属マ
トリックス中に内部生成させたTiC粒子が多量に分散
した金属基複合材料を製造し、これを母材としてAlま
たはAl合金溶湯中に溶解した後、凝固させる方法が知
られている。
た。すなわち、(1)母材が多孔質で比重が小さいため
溶湯表面に浮いてしまい、溶湯中に完全に溶解させ難
い。(2)母材が多孔質で熱伝導が悪いため母材全体を
溶解させるのに長時間を要する。(3)溶湯が表面張力
と粘性のために多孔質の母材中に浸透し難い。(4)成
形体中でTi粒子とC粒子とが直接接触して粗大なTi
C粒子が成長し易いこと。(5)成形体の加熱時に成形
体中に残存する酸素や窒素とAlが反応してAl粒子の
表面にAl2 O3 やAlNが生成し、溶湯中への母材の
溶解を妨げる。
に、日本特許第2734891号に開示したように、T
i粉末もしくはZr粉末とC粉末とAlまたはAl合金
粉末とから成る成形体を形成し、この成形体中にAlま
たはAl合金の溶湯を含浸させた後、不活性雰囲気中に
て1000〜1800℃に加熱してTiC粒子またはZ
rC粒子を内部生成させ、その後、これら生成した粒子
を含む成形体をAlまたはAl合金の溶湯中に溶解する
方法を開発した。
239号公報の諸問題が解消され、溶湯中への溶解性
(分散性)が極めて高い成形体を得ることができ、Al
またはAl合金マトリックス中に微細なTiC粒子が均
一に分散した複合材料を容易に且つ能率良く製造するこ
とができる。ただし、この方法は、1000〜1800
℃という高温で、通常は3時間以上の加熱を必要とする
上、適用できる成形体のサイズも重量偏析防止等の観点
から必然的に制限され、20〜30g程度が限界である
ため、生産性の観点から更に改良が望まれていた。
て、特願平11−168608号公報に開示したよう
に、マトリックス金属成分の粉末と、分散粒子を成す化
合物を構成する各元素の粉末とから成る成形体を形成
し、この成形体にマトリックス金属成分の溶湯を含浸さ
せた後に、不活性雰囲気中で急速加熱することにより、
上記化合物の構成元素の1つとマトリックス金属成分と
の金属間化合物が生成する発熱反応を誘起し、この自己
発熱を利用して一気に昇温させ、中間生成物である金属
間化合物から分散粒子としての最終化合物を内部生成さ
せる方法を開発した。
4891号のように1000〜1800℃というような
高温に保持する必要がなく、人為的な加熱温度は例えば
700℃程度としておけば、実際の到達温度は自己発熱
により1300℃程度にまで自動的に昇温してしまい、
しかも所要時間は数十秒から数分程度と極めて短時間で
良い。更に、加熱が短時間であるため重量偏析が起きに
くいため、成形体サイズの制限も大幅に緩和される。
る金属基複合材料が得られるので、これを母材として更
にAlまたはAl合金の溶湯中に溶解させることによ
り、所望の粒子含有量の金属基複合材料を製造すること
ができる。一方、急速加熱により得られた金属基複合材
料を溶解母材とせず、そのまま所定の金属基複合材料と
して実際に用いることもできる。ただし、その場合に
は、金属基複合材料は内部に空隙を含むことが多いの
で、そのまま用いずに、熱間加工により組織を緻密化す
る必要がある。
必要とせず、分散粒子を内部生成させたままの状態で空
隙の無い緻密な組織を有する金属基複合材料およびその
製造方法を提供することを目的とする。
めに、本発明の金属基複合材料の製造方法は、Cuまた
はCu合金から成る金属マトリックス中に、Ti、Z
r、Hf、NbおよびTaから成る群から選択された金
属元素Mと、CおよびBから成る群から選択された非金
属元素Xとの化合物M−Xの粒子が分散している金属基
複合材料の製造方法において、Cuの粉末と、該金属元
素Mの粉末と、該非金属元素Xの粉末とから成る成形体
を形成する工程、金型内に該成形体と該CuまたはCu
合金の溶湯とを装入する工程、該金型内を加圧状態にす
ることにより、該溶湯を該成形体に含浸させ且つ該含浸
された溶湯を含む該成形体を溶湯鍛造する工程、を含む
ことを特徴とする。
を行いながら該溶湯温度において内部生成(in-situ生
成) により化合物粒子を形成するので、微細な化合物粒
子が均一に分散し且つ最終形状に近いニアネットシェイ
プの金属基複合材料が得られる。望ましくは、Cuと該
金属元素Mとの金属間化合物Cu−Mの融点がCuの融
点より低い。特に望ましい一態様においては、金属元素
MがTiであり、Cuよりも融点が低い該金属間化合物
Cu−MすなわちCu−Tiが、TiCu4 、TiCu
2 、Ti2 Cu3 、Ti3 Cu4 、TiCuおよびTi
2 Cuから成る群から選択される少なくとも1種であ
る。これらの金属間化合物の融点をCuおよびTiの融
点と対比して表1に示す。
物Cu−Tiの融点がCuの融点以下であるため、含浸
させるCu溶湯の温度がCuの融点より若干高い程度で
あれば、Cu溶湯中における内部生成反応により金属間
化合物Cu−Tiの生成と、この金属間化合物から最終
生成物TiCあるいはTiB2 粒子の生成とが極めて容
易に起きる。このように比較的低温で処理が行えれば、
処理設備の負担あるいは損耗が軽減でき、消費エネルギ
ーも少なくてすむので、製造コストを低減できるという
利点がある。
の金属基複合材料は、CuまたはCu合金から成る金属
マトリックス中に、Ti、Zr、Hf、NbおよびTa
から成る群から選択された金属元素Mと、CおよびBか
ら成る群から選択された非金属元素Xとの化合物M−X
の粒子が分散している金属基複合材料において、溶湯鍛
造組織を有し、且つ該化合物M−Xは、(1)上記溶湯
鍛造時にCuと該金属元素Mとの金属間化合物Cu−M
の生成を経て該金属間化合物Cu−Mと該非金属元素X
との反応により該金属元素Mと該非金属元素Xとの化合
物M−Xとして生成されたものであるか、または(2)
上記溶湯鍛造時に金属間化合物を生成せずに該金属元素
Mと該非金属元素Xとの反応により生成されたものであ
ることを特徴とする。
材料を製造する工程を模式的に示す。先ず、Cuの粉末
と、金属元素Mの粉末と、非金属元素Xの粉末とから成
る圧粉成形体を形成する(図1(1))。次に、金型キ
ャビティーに圧粉成形体とCuまたはCu合金の溶湯と
を装入する(図1(2))。
て上記装入物を押圧する(図1(3))。これにより、
成形体への溶湯の含浸が開始する。次に、パンチでの加
圧を更に続行し、含浸された溶湯を含む成形体を鍛造す
る(図1(4))。この鍛造中に、溶湯の温度におい
て、下式で示したようにCuと金属元素Mとの反応によ
り中間生成物として金属間化合物Cux My が生成し、
更にこの金属間化合物Cux My と非金属元素Xとの反
応により望みの分散粒子として化合物Mp Xq が生成す
る。
クス中に化合物Mp X q の微細な粒子が均一に分散して
いる金属複合材料が得られる。図1(5)に、この金属
基複合材料の内部組織の走査顕微鏡像を模式的に示す。
に、Cuと金属元素Mとの金属間化合物を生成せずに、
望みの分散粒子として化合物Mp Xq が生成する。 M+X→Mp Xq この場合にも、CuまたはCu合金から成る金属マトリ
ックス中に化合物MpXq の微細な粒子が均一に分散し
ている金属複合材料が得られる。
としてTiC粒子、TiB2 粒子、ZrC粒子のいずれ
かが分散している金属基複合材料を下記の手順で作製し
た。 <粉末成形体の形成>先ず、表2に示す配合で各原料粉
末を秤量し、V型混合装置により60分間混合し、4種
類の混合粉末を作成した。表2に示す重量配合比はモル
比換算では、試料1がTi:C=1:1、試料2がT
i:B=1:2、試料3がZr:C=1:1、試料4が
Nb:C=1:1であり、それぞれ生成させるべき分散
強化相TiC、TiB2 、ZrC、NbCにおけるT
i:C、Ti:B、Zr:C、Nb:Cの化学量論比に
合わせた。
形圧7ton/cm2 で加圧成形して円柱形状の粉末成形体と
した。 <溶湯鍛造>表3に示す条件で溶湯鍛造を行った。
を、400℃に予熱した金型キャビティー内に装入した
後、Ar雰囲気下で温度1150℃または1300℃の
純Cu(純度99.9%)の溶湯20kgを注入し、直
ちにパンチをキャビティー内に挿入して圧力100MP
aで5分間加圧した。これにより成形体中への純Cu溶
湯の含浸と溶湯鍛造とが併行して行われた。室温まで降
温した後に、金型から溶湯鍛造体を取り出した。
学顕微鏡および走査電子顕微鏡による組織観察と、X線
回折による存在相の同定を行った。光学顕微鏡による組
織観察の結果、いずれの試料も典型的な溶湯鍛造組織で
あった。すなわち、熱間加工材のような加工組織を実質
的に含まない微細な鋳造組織から成り、且つ、成形体に
溶湯を含浸させて急速加熱によりTiC粒子、TiB2
粒子、ZrC粒子のいずれかを内部生成させた従来材に
比べて組織が緻密であり、空隙が認められなかった。
表4にまとめて示すとおりであった。表4には、X線回
折により同定した存在相も併せて示す。表4に示した相
のみが検出され、他の相は検出されなかった。
0℃と低くても、Cuから成る金属マトリックス中に粒
径0.5μm程度の微細なTiC粒子(試料1)または
粒径2μm程度の微細なTiB2 粒子(試料2)が均一
に分散している金属基複合材料であった。溶湯温度11
50℃の場合について、試料1、2のミクロ組織の走査
電子顕微鏡写真をそれぞれ図2、3に示す。更に、試料
1は溶湯温度が1300℃と高い場合には、Cuから成
る金属マトリックス中に上記よりは若干大きいが粒径1
μm程度の微細なTiC粒子が均一に分散している金属
基複合材料であった。
50℃と低い場合には、最終生成物であるZrCと共に
中間生成物であるCu−Zr系金属間化合物も存在して
おり、溶解温度を1300℃に高めた場合に、Cuから
成る金属マトリックス中に上記よりは若干大きいが粒径
2μm程度の微細なZrC粒子が均一に分散している金
属基複合材料が得られた。溶湯温度1300℃の場合に
ついて、試料3のミクロ組織の走査電子顕微鏡写真を図
4に示す。
低い場合には、Cu、Nb、C共に単体のみが存在し、
化合物は生成しておらず、溶湯温度を1300℃に高め
た場合に、Cuから成る金属マトリックス中に粒径2μ
m程度の微細なNbC粒子が均一に分散している金属基
複合材料が得られた。溶湯温度1300℃の場合につい
て、試料4のミクロ組織の走査電子顕微鏡写真を図5に
示す。このように、Cuと金属間化合物を生成しないN
bを用いると、低温(1150℃)では実質的に化合物
が生成せず、高温(1300℃)で直接にNbC粒子が
生成する。
iC粒子、TiB2 粒子、ZrC粒子、NbC粒子の含
有量は、原料粉末の配合比からそれぞれ15.5wt
%、13.3wt%、20.0wt%、14.0wt%
と見積もることができる。ここで、Cuと金属間化合物
を生成する金属であるTiまたはZrを用いた場合(試
料1〜3)に、TiC粒子(試料1)、TiB2 粒子
(試料2)が低温(1150℃)で内部生成を完了した
のに対して、ZrC粒子(試料3)が低温(1150
℃)では内部生成が未完であり高温(1300℃)で初
めて内部生成が完了したのは、ZrCの前駆体である中
間生成物のCu−Zr金属間化合物が、TiC、TiB
2 の前駆体である中間生成物のCu−Ti金属間化合物
よりも高融点であるため、内部反応の進行に高温を必要
としたためである。
金属間化合物にはCuの融点よりも高い融点を持つ組成
のものがあり、内部反応全体として高い反応温度を必要
とする。このように、Cu−M−X系において最終生成
物M−Xの前駆体すなわち中間生成物である金属間化合
物Cu−Mは、融点が低い方が望ましく、特にCuの融
点よりも低いことが望ましい。これにより、より低い溶
湯温度で内部生成を完了させることができる。
熱間加工を必要とせず、分散粒子を内部生成させたまま
の状態で空隙の無い緻密な組織を有する金属基複合材料
およびその製造方法が提供される。
る基本工程を模式的に示す断面図である。
合材料の金属組織の一例を示す走査電子顕微鏡写真であ
る。
複合材料の金属組織の一例を示す走査電子顕微鏡写真で
ある。
合材料の金属組織の一例を示す走査電子顕微鏡写真であ
る。
合材料の金属組織の一例を示す走査電子顕微鏡写真であ
る。
Claims (9)
- 【請求項1】 CuまたはCu合金から成る金属マトリ
ックス中に、Ti、Zr、Hf、NbおよびTaから成
る群から選択された金属元素Mと、CおよびBから成る
群から選択された非金属元素Xとの化合物M−Xの粒子
が分散している金属基複合材料の製造方法において、 Cuの粉末と、該金属元素Mの粉末と、該非金属元素X
の粉末とから成る成形体を形成する工程、 金型内に該成形体と該CuまたはCu合金の溶湯とを装
入する工程、 該金型内を加圧状態にすることにより、該溶湯を該成形
体に含浸させ且つ該含浸された溶湯を含む該成形体を溶
湯鍛造する工程、を含むことを特徴とする金属基複合材
料の製造方法。 - 【請求項2】 該金属元素MがTi、ZrおよびHfか
ら成る群から選択され、該溶湯鍛造中にCuと該金属元
素Mとの金属間化合物Cu−Mの生成を経て該金属間化
合物Cu−Mと該非金属元素Xとの反応により前記化合
物M−Xの粒子を生成させることを特徴とする請求項1
記載の方法。 - 【請求項3】 Cuと該金属元素Mとの金属間化合物C
u−Mの融点がCuの融点より低いことを特徴とする請
求項2記載の方法。 - 【請求項4】 該金属元素MがTiであり、Cuよりも
融点が低い該金属間化合物Cu−Mが、TiCu4 、T
iCu2 、Ti2 Cu3 、Ti3 Cu4 、TiCuおよ
びTi2 Cuから成る群から選択される少なくとも1種
であることを特徴とする請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 該金属元素MがNbおよびTaから成る
群から選択され、該溶湯鍛造中に金属間化合物を生成せ
ずに該金属元素Mと該非金属元素Xとの反応により前記
化合物M−Xの粒子を生成させることを特徴とする請求
項1記載の方法。 - 【請求項6】 CuまたはCu合金から成る金属マトリ
ックス中に、Ti、ZrおよびHfから成る群から選択
された金属元素Mと、CおよびBから成る群から選択さ
れた非金属元素Xとの化合物M−Xの粒子が分散してい
る金属基複合材料において、 溶湯鍛造組織を有し、且つ該化合物M−Xは、上記溶湯
鍛造時にCuと該金属元素Mとの金属間化合物Cu−M
の生成を経て該金属間化合物Cu−Mと該非金属元素X
との反応により該金属元素Mと該非金属元素Xとの化合
物M−Xとして生成されたものであることを特徴とする
金属基複合材料。 - 【請求項7】 Cuと該金属元素Mとの金属間化合物C
u−Mの融点がCuの融点より低いことを特徴とする請
求項6記載の金属基複合材料。 - 【請求項8】 該金属元素MがTiであり、Cuよりも
融点が低い該金属間化合物Cu−Mが、TiCu4 、T
iCu2 、Ti2 Cu3 、Ti3 Cu4 、TiCuおよ
びTi2 Cuから成る群から選択される少なくとも1種
であることを特徴とする請求項7記載の金属基複合材
料。 - 【請求項9】 CuまたはCu合金から成る金属マトリ
ックス中に、NbおよびTaから成る群から選択された
金属元素Mと、CおよびBから成る群から選択された非
金属元素Xとの化合物M−Xの粒子が分散している金属
基複合材料において、 溶湯鍛造組織を有し、且つ該化合物M−Xは、上記溶湯
鍛造時に金属間化合物を生成せずに該金属元素Mと該非
金属元素Xとの反応により生成されたものであることを
特徴とする金属基複合材料。
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CN114945696A (zh) * | 2020-01-16 | 2022-08-26 | 可隆工业株式会社 | 复合材料 |
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