JP2014051712A - Cu−Ga系合金ターゲット及びその製造方法 - Google Patents

Cu−Ga系合金ターゲット及びその製造方法 Download PDF

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【課題】酸素含有量が比較的少なく、加工時の割れを抑制することができるCu−Ga系合金ターゲット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るCu−Ga系合金ターゲットの製造方法は、銅及びガリウムを含む金属材料を溶解し、上記金属材料を溶融状態で鍛造し、上記金属材料を凝固させる。これにより、金属間化合物相の生成による脆化を抑制し、高濃度(例えば30〜60原子%以上)のガリウムを含有するCu−Ga系合金ターゲットを、割れやクラック、空孔を生じさせることなく安定して製造することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば薄膜太陽電池の光吸収層のスパッタ成膜に使用されるCu−Ga系合金ターゲット及びその製造方法に関する。
従来、Cu−Ga、Cu−Ga−In等のCu−Ga系ターゲットは、例えば薄膜太陽電池の光吸収層のスパッタ成膜に使用される。この種の合金ターゲットの製造方法として、溶解法、粉末焼結法等が知られている。
例えば下記特許文献1には、溶解法により鋳造したCu−Ga合金スパッタリングターゲットが記載されている。一方、下記特許文献2には、高Ga含有Cu−Ga二元系合金粉末と、低Ga含有Cu−Ga二元系合金粉末との混合粉末をホットプレスして作製された、高Ga含有Cu−Ga二元系合金スパッタリングターゲットの製造方法が記載されている。
特開2000−73163号公報 特開2008−138232号公報
溶解法で作製されたCu−Ga合金ターゲットにおいては、Gaが比較的低濃度(例えば30%未満)では、鍛造、圧延などの処理が可能である。しかしながらGaが比較的高濃度(例えば30〜60%)になると、金属間化合物相が多くなることで脆化し、割れやクラックを生じさせることなく鍛造、圧延処理を施すことが非常に困難である。
一方、粉末焼結法で作製されたCu−Ga合金ターゲットにおいては、微細な空孔を多く内在するため相対密度が低く、含有酸素も多いため、スパッタ時の異常放電やパーティクルが発生しやすいという問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、酸素含有量が比較的少なく、加工時の割れを抑制することができるCu−Ga系合金ターゲット及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係るCu−Ga系合金ターゲットの製造方法は、銅及びガリウムを含む金属材料を溶解し、上記金属材料を溶融状態で鍛造し、上記金属材料を凝固させる。
本発明の一形態に係るCu−Ga系合金ターゲットは、銅及びガリウムを含む合金材料からなり、20ppm以下の酸素含有量を有する。
本発明の一実施形態に係るターゲット製造装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るCu−Ga系合金ターゲットの製造方法を説明する工程フローである。 本発明の一実施形態に係るCu−Ga系合金ターゲットの溶融鍛造工程を説明する工程図である。
本発明の一実施形態に係るCu−Ga系合金ターゲットの製造方法は、銅及びガリウムを含む金属材料を溶解し、上記金属材料を溶融状態で鍛造し、上記金属材料を凝固させる。
上記製造方法は、金属材料を溶融又は半溶融状態で鍛造する、溶融鍛造法でCu−Ga系合金ターゲットを製造する。これにより、金属間化合物相の生成による脆化を抑制し、高濃度(例えば30〜60原子%以上)のガリウムを含有するCu−Ga系合金ターゲットを、割れやクラック、空孔を生じさせることなく安定して製造することができる。
一実施形態として、上記金属材料を鍛造する工程は、上記金属材料の溶湯を鋳型へ注ぐ工程と、上記鋳型内で上記溶湯をプレス成形する工程とを有する。この場合、上記金属材料を凝固させる工程は、上記溶湯へのプレス圧力を緩和した状態で成形体を炉冷する。
これにより、成形体を比較的低い冷却速度で冷却(徐冷)することができるため、成形体の冷却凝固時における成形体の割れやクラックの発生をより一層抑えることが可能となる。
上記成形体の炉冷工程は、上記鋳型内で行うことができる。これにより、プレス成形工程と冷却工程とを連続して行うことができる。また、成形体の炉冷工程は、温度調整された電気炉内で行われてもよい。
一実施形態として、上記合金溶湯の作製工程では、上記金属材料は真空中で溶解される。これにより合金溶湯内への酸素の混入を抑制でき、酸素含有量の低いCu−Ga系合金ターゲットを製造することができる。
これに限られず、金属材料の溶解は大気中で行われてもよい。この場合、雰囲気をアルゴン等の不活性ガスに置換することで、同様に、酸素含有量の低いCu−Ga系合金ターゲットを製造することができる。
一実施形態として、上記合金溶湯をプレス成形する工程では、上記合金溶湯は真空中でプレスされる。これにより成形体内への酸素の混入を抑制でき、酸素含有量の低いCu−Ga系合金ターゲットを製造することができる。
これに限られず、合金溶湯のプレスは、大気中で行われてもよい。この場合、雰囲気をアルゴン等の不活性ガスに置換することで、同様に、酸素含有量の低いCu−Ga系合金ターゲットを製造することができる。
上記金属材料のガリウムの含有量は特に制限されず、例えば30原子%以上60%原子%以下とすることができる。
これにより高性能な薄膜太陽電池用の光吸収層を安定に成膜することができる。
本発明の一実施形態に係るCu−Ga系合金ターゲットは、銅及びガリウムを含む合金材料からなり、20ppm以下の酸素含有量を有する。
上記Cu−Ga系合金ターゲットによれば、酸素含有量を少なく抑えられるため、スパッタ時の異常放電やパーティクルの発生、更には酸化物による汚染を抑制することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るターゲットの製造装置を示す概略構成図である。本実施形態に係る製造装置100は、真空チャンバ1を有する。真空チャンバ1は、真空ポンプ2に接続されており、内部を所定の減圧雰囲気に排気又は維持されることが可能に構成されている。
真空チャンバ1の内部には、ターゲット原料を溶解するためのルツボ3が設置されている。ルツボ3は、金属、セラミックス等の耐熱性材料で構成されており、周囲に誘導コイル4が巻回されている。すなわち本実施形態のルツボ3は、誘導加熱によりターゲット原料を加熱、溶解し、ターゲット原料の溶湯を作製するように構成されている。材料の溶解方法はこれに限られず、プラズマ溶解法、アーク溶解法等が適用されてもよい。
ターゲット原料として本実施形態では、Cu(銅)−Ga(ガリウム)合金を構成する種々の金属材料が用いられる。例えば、Cuインゴット、Gaインゴット、Cu−Ga合金インゴットなどが用いられる。また、酸素の吸着量が少なければ、粉末材料が用いられてもよい。さらに、CuとGa以外の第3元素が添加されてもよい。添加元素は、例えばIn(インジウム)、セレン(Se)、Te(テルル)等の単一元素あるいは複数元素であってもよい。
ルツボ3は、真空チャンバ1の内部において、回動軸5の回りに回動可能に構成されている。回動軸5は、図示しない駆動源に接続されており、ルツボ3の所定箇所に固定されている。上記駆動源は、回動軸5を駆動することで、ルツボ3を図示する実線の位置(溶解位置)から二点鎖線で示す位置(注型位置)へ回動可能に構成されている。
製造装置100は、鋳型6を有している。鋳型6は、ルツボ3に隣接して真空チャンバ1の底部に配置されている。鋳型6は、炭素系複合材料、金属材料、セラミックス材料等で構成されており、ルツボ3から注がれたターゲット原料の合金溶湯を板状に成形するように構成されている。
鋳型6の底面形状は、円形でもよいし、矩形状でもよい。また、鋳型6はヒータ6a等の熱源を備えていてもよく、これにより鋳型6の温度調整が可能となる。
製造装置100はさらに、鋳型6に注型された合金溶湯を鍛造するためのプレス型7を備えている。プレス型7は、炭素系複合材料、金属材料、セラミックス材料等で構成される。プレス型7は、鋳型6の直上に設置されており、昇降機構8によって昇降可能に構成されている。プレス型7は、鋳型6の開口形状と同様な形状を有しており、鋳型6の底部に向かって下降することで、鋳型6内で合金溶湯をプレス(溶融鍛造プレス)する。
昇降機構8は、エアシリンダ、油圧シリンダ、モータ等で構成されており、真空チャンバ1の外部に設置されている。昇降機構8の駆動軸8aは、真空チャンバ1の壁部を気密に貫通してプレス型7に固定されている。昇降機構8は、プレス型7が鋳型6の上方で待機する上昇位置と、プレス型7が鋳型6の内部に進入する下降位置との間を往復移動させる。
製造装置100はさらに、真空ポンプ2の駆動、誘導コイル4への通電、回動軸5の駆動、ヒータ6aへの通電、昇降機構8によるプレス型7の昇降移動等をそれぞれ制御するコントローラ9を備えている。
次に、以上のように構成される製造装置100を用いたターゲットの製造方法を説明する。
図2は、ターゲットの製造工程を示す工程フローである。本実施形態におけるターゲットの製造方法は、合金材料の溶解工程(ST1)と、合金溶湯の鍛造工程(ST2)と、凝固工程(ST3)とを有する。
(溶解工程)
真空チャンバ1の内部は所定の減圧雰囲気(例えば、1.0×10−3〜9.0×104Pa)に維持される。真空チャンバ1の内部はアルゴン雰囲気で置換されてもよい。ルツボ3の内部には、所定の組成比で秤量されたCu−Ga合金材料が収容されている。ガリウムの含有量は特に限定されず、例えば30原子%〜60原子%である。
Cu−Ga合金材料は、ルツボ3で溶解される。溶解温度は特に限定されず、ガリウムの含有量等に応じて適宜設定可能であり、例えば800〜1000℃である。このとき、真空チャンバ1内は所定の減圧雰囲気に維持されているので、溶解時における金属材料の酸化、あるいは溶湯へのガスの混入を抑制でき、これにより高純度の合金溶湯を作製することができる。
合金材料の溶解工程は、真空中に限られず、大気圧下で実施されてもよい。この場合、合金材料の酸化を抑制する観点から、雰囲気はアルゴン等の不活性ガスに置換される。
(溶融鍛造工程)
合金材料が溶解した後、ルツボ3を回動軸5の回りに回動させることで、合金溶湯が鋳型6へ注がれる。その後、昇降機構8の駆動により、プレス型7が下降し、鋳型6内で合金溶湯を鍛造する。
図3(A),(B)は、合金溶湯の鍛造処理を説明する工程図である。鋳型6に注がれた合金溶湯M1は、プレス型7により所定の圧力で板状にプレス成形されつつ、冷却される。合金溶湯M1は、鋳型6及びプレス型7に急冷され、これにより合金溶湯M1の表面に微細な結晶粒が形成される。一方、プレス型7によるプレス圧力により合金溶湯M1の内部密度は上昇し、これにより合金溶湯M1の内部に均一かつ微細な結晶粒が形成される。これにより、500μm以下の平均
プレス圧力、プレス時間は特に限定されず、冷却速度や冷却温度等に応じて適宜設定可能である。例えば、プレス圧力は30〜130MPa、プレス時間は1秒〜120秒とすることができる。
また、この溶融鍛造工程により、合金溶湯M1は板状の成形体M2に成形される。成形体M2の形状は円形でもよいし、矩形でもよい。成形体M2の厚みは、合金溶湯M1の量で調整することができる。
また、真空チャンバ1は所定の減圧雰囲気に維持されているため、合金溶湯M1は真空中でプレス成形される。これにより、成形時における金属材料の酸化を抑制でき、高純度の成形体M2を作製することができる。
合金溶湯M1の成形工程は、真空中に限られず、大気圧下で実施されてもよい。この場合、合金材料の酸化を抑制する観点から、雰囲気はアルゴン等の不活性ガスに置換される。
(凝固工程)
成形体M2は、凝固工程(ST3)で室温に冷却される。このとき成形体M2は、比較的低い冷却速度で冷却(徐冷)されることで、クラックや割れを生じさせることなく成形体M2を冷却することができる。
本実施形態では、成形体M2は、鋳型6内で炉冷される。この場合、鋳型6に内蔵されたヒータ6aを発熱することで鋳型6の温度が調整される。ここではヒータ6aにより鋳型6の温度を徐々に低下させることで、成形体M2の冷却速度が調整される。
一方、昇降機構8は、成形体M2の凝固の進行に応じてプレス型7によるプレス圧力を緩和する。この場合、凝固工程と同時にプレス圧力を解除してもよいし、成形体M2の温度に応じてプレス圧力を段階的に低下させるようにしてもよい。これにより、外部応力による成形体M2の割れやクラックの発生を防止することができる。
成形体M2の凝固工程には、別途用意された電気炉が用いられてもよい。この場合、溶融鍛造された成形体M2は鋳型6から取り出され、電気炉に装填される。そして当該電気炉を温度調整しつつ成形体M2を炉冷(徐冷)する。電気炉の内部は、真空でもよいし大気圧でもよい。
以上のようにして作製された成形体M2は、必要に応じて所定のサイズに外形加工された後、スパッタリング用ターゲットとして供される。
本実施形態によれば、合金溶湯M1を溶融又は半溶融状態でプレス鍛造するので、金属間化合物相の生成による脆化を抑制し、高濃度(例えば30〜60原子%以上)のガリウムを含有するCu−Ga系合金ターゲットを、割れやクラック、空孔を生じさせることなく安定して製造することができる。また、平均結晶粒径が500μm以下の微細な結晶粒を均一に形成することができる。
また、以上のように製造されるCu−Ga合金ターゲットは、真空中あるいはアルゴン雰囲気中で溶解、溶融鍛造プレスの各処理を行っているため、酸素含有量を20ppm以下に抑えることができる。これにより、当該ターゲットのスパッタ時に異常放電やパーティクルの発生を抑制でき、安定したスパッタ成膜を実現することができる。さらにガリウム含有量が30原子%以上と比較的高いため、高性能な薄膜太陽電池用の光吸収層を形成することができる。
[実験例]
以下、本発明者らが実施した実験例について説明する。
(実験例1)
純度4Nの銅40kgと純度4Nのガリウム19kgとをルツボに装填し、真空中で溶解することで、ガリウム含有量が30原子%のCu−Ga合金溶湯を作製した。溶湯温度は950℃とした。ステンレス製の鋳型に合金溶湯を4.2kg注ぎ、鋳型内で合金溶湯をプレスした。プレス型の直径は205mm、厚みは15mmとし、プレス圧力は70MPa、プレス時間は数秒とした。成形体の直径は205mm、厚み15mmであり、これをワイヤカット法で直径200mm、厚み10mmに加工することで、Cu−Ga合金ターゲットを作製した。作製された合金ターゲットの平均結晶粒径、酸素濃度、相対密度を測定した。
平均結晶粒径の測定には、求積法を用いた。この方法は、金属顕微鏡を用いた結晶粒の平均粒径を算出する方法である。具体的には、金属顕微鏡で結晶粒写真を撮影し、写真上に5000mm2前後の長方形を描く。この面積内に完全に含まれた結晶粒の数と、長方形の周辺で切断されている結晶粒の数の半分との和を全結晶粒とし、次の式で平均結晶粒径を算出する。
d=(1/M)√(A/n) …(1)
n=z+(w/2) …(2)
ここで、dは平均結晶粒径、Mは使用倍率、Aは測定面積、zはA内に完全に含まれる結晶粒数、wは周辺部の結晶粒数、nは全結晶粒数である。
上記合金ターゲットをスパッタ装置に組み込み、スパッタ時の異常放電回数をカウントした。テスト条件は、電力1.6kW/cm2、スパッタ圧力3×10−3Torr(アルゴン雰囲気)、積算電力は16kWhとした。測定結果を表1に示す。
(実験例2)
プレス圧力を30MPaとした以外は、実験例1と同様な条件で、Ga含有量30原子%のCu−Ga合金ターゲットを作製し、その平均結晶粒径、酸素濃度、相対密度を測定した。また、実験例1と同一の条件でターゲットのスパッタテストを実施し、異常放電回数をカウントした。その結果を表1に示す。
(実験例3)
銅の投入量を29.5kg、ガリウムの投入量29.5kg、溶湯温度を900℃、プレス圧力を30MPaとした以外は、実験例1と同様な条件で、Ga含有量50原子%のCu−Ga合金ターゲットを作製し、その平均結晶粒径、酸素濃度、相対密度を測定した。また、実験例1と同一の条件でターゲットのスパッタテストを実施し、異常放電回数をカウントした。その結果を表1に示す。
(実験例4)
銅の投入量を23.6kg、ガリウムの投入量を35.4kg、溶湯温度を800℃、プレス圧力を30MPaとした以外は、実験例1と同様な条件で、Ga含有量60原子%のCu−Ga合金ターゲットを作製し、その平均結晶粒径、酸素濃度、相対密度を測定した。また、実験例1と同一の条件でターゲットのスパッタテストを実施し、異常放電回数をカウントした。その結果を表1に示す。
(実験例5)
純度4Nの銅13kgと純度4Nのガリウム6kgとをルツボに装填し、真空中で溶解することで、ガリウム含有量30原子%のCu−Ga合金溶湯を作製した。溶湯温度は950℃とした。カーボン製の鋳型に合金溶湯を注ぎ、鋳造した。成形体の直径は205mm、厚み15mmであり、これをワイヤカット法で直径200mm、厚み10mmに加工することで、Cu−Ga合金ターゲットを作製した。作製された合金ターゲットの平均結晶粒径、酸素濃度、相対密度を測定した。また、実験例1と同一の条件でターゲットのスパッタテストを実施し、異常放電回数をカウントした。その結果を表1に示す。
(実験例6)
平均粒径1〜10μmの銅粉末16.8kgと、平均粒径1〜10μmのガリウム粉末7.2kgとを、真空中で、圧力600MPa、温度200℃、2時間の条件でホットプレスし、Ga含有量30原子%のCu−Ga合金ターゲットを作製した。得られた合金ターゲットの平均結晶粒径、酸素濃度、相対密度を測定した。また、実験例1と同一の条件でターゲットのスパッタテストを実施し、異常放電回数をカウントした。その結果を表1に示す。
(実験例7)
溶解雰囲気を大気、溶湯温度を900℃、プレス圧力を30MPaとした以外は、実験例1と同様な条件で、Ga含有量30原子%のCu−Ga合金ターゲットを作製し、その平均結晶粒径、酸素濃度、相対密度を測定した。また、実験例1と同一の条件でターゲットのスパッタテストを実施し、異常放電回数をカウントした。その結果を表1に示す。
Figure 2014051712
表1に示すように、溶湯鍛造プレス法によって作製された実験例1〜4、7に係るターゲットにおいては、平均結晶粒径が500μm以下、酸素濃度が20ppm以下、異常放電回数が10回未満であった。また、真空中で合金溶湯を作製した実験例1〜4においては、酸素濃度が10ppm以下と低かったため、異常放電回数は2回以下であった。
これに対して、鋳造法で作製された実験例5に係るターゲットにおいては、平均結晶粒径が5000μmと大きく、異常放電回数も15回と多かった。また、ホットプレス法で作製された実験例6に係るターゲットにおいては、酸素濃度が200ppmと多く、また、相対密度も95%と低かったため、異常放電回数は13回と多かった。
以上の結果から明らかなように,溶湯鍛造プレス法によって作製されたスパッタリング用ターゲットによれば、安定したスパッタ性を得られることが確認された。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施形態では、合金材料の溶解工程と合金溶湯の鍛造プレス工程とが同一のチャンバ内で行われたが、これらの工程は別々のチャンバ内で行われてもよい。
また以上の実施形態では、Cu−Ga合金のGa含有量を30〜60原子%としたが、Ga含有量は、成膜するべき膜特性に応じて適宜変更可能であり、例えば30原子%未満でもよいし、60原子%を超えてもよい。
1…真空チャンバ
3…ルツボ
6…鋳型
7…プレス型
100…製造装置
M1…合金溶湯
M2…成形体

Claims (10)

  1. 銅及びガリウムを含む金属材料を溶解し、
    前記金属材料を溶融状態で鍛造し、
    前記金属材料を凝固させる
    Cu−Ga系合金ターゲットの製造方法。
  2. 請求項1に記載のCu−Ga系合金ターゲットの製造方法であって、
    前記金属材料を鍛造する工程は、前記金属材料の溶湯を鋳型へ注ぐ工程と、前記鋳型内で前記溶湯をプレス成形する工程とを有し、
    前記金属材料を凝固させる工程は、前記溶湯へのプレス圧力を緩和した状態で成形体を炉冷する
    Cu−Ga系合金ターゲットの製造方法。
  3. 請求項2に記載のCu−Ga系合金ターゲットの製造方法であって、
    前記成形体を炉冷する工程は、前記成形体を前記鋳型内で徐冷する
    Cu−Ga系合金ターゲットの製造方法。
  4. 請求項2に記載のCu−Ga系合金ターゲットの製造方法であって、
    前記成形体を炉冷する工程は、前記成形体を温度調整された電気炉内で徐冷する
    Cu−Ga系合金ターゲットの製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のCu−Ga系合金ターゲットの製造方法であって、
    前記金属材料を溶解する工程は、前記金属材料を真空中で溶解する
    Cu−Ga系合金ターゲットの製造方法。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のCu−Ga系合金ターゲットの製造方法であって、
    前記金属材料を鍛造する工程は、前記金属材料を真空中でプレスする
    Cu−Ga系合金ターゲットの製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1つに記載のCu−Ga系合金ターゲットの製造方法であって、
    前記金属材料は、ガリウムを30原子%以上60原子%以下含有する
    Cu−Ga系合金ターゲットの製造方法。
  8. 銅及びガリウムを含む合金材料からなり、
    20ppm以下の酸素含有量を有する
    Cu−Ga系合金ターゲット。
  9. 請求項8に記載のCu−Ga系合金ターゲットであって、
    前記合金材料は、500μm以下の平均粒径を有する
    Cu−Ga系合金ターゲット。
  10. 請求項8又は請求項9に記載のCu−Ga系合金ターゲットであって、
    前記合金材料は、30原子%以上60原子%以下のガリウムを含有する
    Cu−Ga系合金ターゲット。
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