JP3940154B2 - 高強度高靭性マグネシウム合金及びその製造方法 - Google Patents

高強度高靭性マグネシウム合金及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高強度高靭性マグネシウム合金及びその製造方法に関し、より詳細には特定の希土類元素を特定割合で含有することにより高強度高靭性を達成した高強度高靭性マグネシウム合金及びその製造方法に関する。
マグネシウム合金は、そのリサイクル性とあいまって、携帯電話やノート型パソコンの筐体あるいは自動車用部品として急速に普及し始めている。
これらの用途に使用するためにはマグネシウム合金に高強度と高靭性が要求される。高強度高靭性マグネシウム合金の製造のために従来から材料面及び製法面から種々検討されている。
製法面では、ナノ結晶化の促進のために、急冷凝固粉末冶金(RS−P/M)法が開発され、鋳造材の約2倍の400MPa程度の強度のマグネシウム合金が得られるようになった。
マグネシウム合金として、Mg−Al系、Mg−Al−Zn系、Mg−Th−Zn系、Mg−Th−Zn−Zr系、Mg−Zn−Zr系、Mg−Zn−Zr−RE(希土類元素)系等の成分系の合金が知られている。これらの組成を有するマグネシウム合金を鋳造法で製造しても十分な強度が得られない。前記組成を有するマグネシウム合金を前記RS−P/M法で製造すると鋳造法で製造する場合より高強度にはなるが依然として強度が不十分であったり、強度が十分でも靭性(延性)が不十分で、高強度及び高靭性を要求される用途には使用し難いという欠点があった。
これらの高強度及び高靭性を有するマグネシウム合金として、Mg−Zn−RE(希土類元素)系合金が提案されている(例えば特許文献1、2及び3)。
特許3238516号公報(図1) 特許2807374号公報 特開2002−256370号公報(特許請求の範囲、実施例)
しかしながら、従来のMg−Zn−RE系合金では、例えばアモルファス状の合金材料を熱処理し、微細結晶化して高強度のマグネシウム合金を得ている。そして前記アモルファス状の合金材料を得るためには相当量の亜鉛と希土類元素が必要であるという先入観があり、亜鉛と希土類元素を比較的多量に含有するマグネシウム合金が使用されている。
特許文献1及び2では高強度及び高靭性が得られたと記載されているが、実際に強度及び靭性ともに実用に供するレベルに達している合金は殆ど無い。更に現在ではマグネシウム合金の用途が拡大して、従来の強度及び靭性では不十分で、より以上の強度及び靭性を有するマグネシウム合金が要請されている。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、マグネシウム合金の拡大した用途に対して強度及び靭性ともに実用に供するレベルにある高強度高靭性マグネシウム合金及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすことを特徴とする。
(1)0.2≦a≦5.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
尚、前記Dy、Ho及びErそれぞれは、マグネシウム合金鋳造物に長周期積層構造相の結晶組織を形成する希土類元素である。
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすことを特徴とする。
(1)0.2≦a≦3.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
また、前記高強度高靭性マグネシウム合金がマグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行ったものであることが好ましい。
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行った後の塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする。
(1)0.2≦a≦5.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行った後の塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする。
(1)0.2≦a≦3.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行って塑性加工物を作り、前記塑性加工物に熱処理を行った後の塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする。
(1)0.2≦a≦5.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行って塑性加工物を作り、前記塑性加工物に熱処理を行った後の塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする。
(1)0.2≦a≦3.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
また、前記長周期積層構造相の平均粒径は0.2μm以上であり、前記長周期積層構造相の結晶粒内には複数のランダム粒界が存在し、前記ランダム粒界で規定される結晶粒の平均粒径は0.05μm以上であることが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記hcp構造マグネシウム相の転位密度に比べて前記長周期積層構造相の転位密度が少なくとも1桁小さいことが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記長周期積層構造相の結晶粒の体積分率が5%以上であることが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記塑性加工物はMgと希土類元素の化合物、MgとZnの化合物、Znと希土類元素の化合物及びMgとZnと希土類元素の化合物からなる析出物群から選択される少なくとも1種類の析出物を有していることが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記少なくとも1種類の析出物の合計体積分率は0%超40%以下であることが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記塑性加工は、圧延、押出し、ECAE、引抜加工、鍛造、プレス、転造、曲げ、FSW加工及びこれらの繰り返し加工のうち少なくとも一つを行うものであることが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記塑性加工を行った際の総歪量は15以下であることが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記塑性加工を行った際の総歪量は10以下であることがより好ましい。
請求項16
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記MgにYおよび/またはGdを合計でy原子%含有し、yは下記式(4)及び(5)を満たすことが好ましい。
(4)0≦y≦4.8
(5)0.2≦b+y≦5.0
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことが好ましい。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.2≦b+c≦6.0
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記MgにLa、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことが好ましい。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.2≦b+c≦6.0
尚、Mm(ミッシュメタル)とは、Ce及びLaを主成分とする複数の希土類元素の混合物又は合金であり、鉱石から有用な希土類元素であるSmやNdなどを精錬除去した後の残渣であり、その組成は精錬前の鉱石の組成に依存する。
請求項19
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすことが好ましい。
(4)0≦c≦3.0
(5)0≦d≦3.0
(6)0.2≦b+c+d≦6.0
請求項20
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすことを特徴とする。
(1)0.1≦a≦5.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすことを特徴とする。
(1)0.1≦a≦3.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
また、前記高強度高靭性マグネシウム合金がマグネシウム合金鋳造物を切削した後に塑性加工を行ったものであることが好ましい。
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物を切削することによってチップ形状の鋳造物を作り、前記鋳造物を塑性加工により固化した塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする。
(1)0.1≦a≦5.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物を切削することによってチップ形状の鋳造物を作り、前記鋳造物を塑性加工により固化した塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする。
(1)0.1≦a≦3.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物を切削することによってチップ形状の鋳造物を作り、前記鋳造物を塑性加工により固化した塑性加工物を作り、前記塑性加工物に熱処理を行った後の塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする。
(1)0.1≦a≦5.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物を切削することによってチップ形状の鋳造物を作り、前記鋳造物を塑性加工により固化した塑性加工物を作り、前記塑性加工物に熱処理を行った後の塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする。
(1)0.1≦a≦3.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記hcp構造マグネシウム相の平均粒径は0.1μm以上であることが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記hcp構造マグネシウム相の転位密度に比べて前記長周期積層構造相の転位密度が少なくとも1桁小さいことが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記長周期積層構造相の結晶粒の体積分率が5%以上であることが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記塑性加工物はMgと希土類元素の化合物、MgとZnの化合物、Znと希土類元素の化合物及びMgとZnと希土類元素の化合物からなる析出物群から選択される少なくとも1種類の析出物を有していることが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記少なくとも1種類の析出物の合計体積分率は0%超40%以下であることが好ましい。
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記塑性加工は、圧延、押出し、ECAE、引抜加工、鍛造、プレス、転造、曲げ、FSW加工及びこれらの繰り返し加工のうち少なくとも一つを行うものであることが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記塑性加工を行った際の総歪量は15以下であることが好ましい。また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記塑性加工を行った際の総歪量は10以下であることがより好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記MgにYおよび/またはGdを合計でy原子%含有し、yは下記式(4)及び(5)を満たすことも可能である。
(4)0≦y≦4.9
(5)0.1≦b+y≦5.0
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことが好ましい。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.1≦b+c≦6.0
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記MgにLa、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことが好ましい。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.1≦b+c≦6.0
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすことが好ましい。
(4)0≦c≦3.0
(5)0≦d≦3.0
(6)0.1≦b+c+d≦6.0
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金において、前記MgにAl、Th、Ca、Si、Mn、Zr、Ti、Hf、Nb、Ag、Sr、Sc、B、C、Sn、Au、Ba、Ge、Bi、Ga、In、Ir、Li、Pd、Sb及びVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0原子%超2.5原子%以下含有することも可能である。
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作る工程と、
前記マグネシウム合金に塑性加工を行うことにより塑性加工物を作る工程と、
を具備することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
(1)0.2≦a≦5.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
上記の本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法によれば、マグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行うことにより、塑性加工後の塑性加工物の硬さ及び降伏強度を塑性加工前の鋳造物に比べて向上させることができる。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法においては、前記マグネシウム合金鋳造物を作る工程と前記塑性加工物を作る工程の間に、前記マグネシウム合金鋳造物に均質化熱処理を施す工程を追加しても良い。この際の熱処理条件は、温度が400℃〜550℃、処理時間が1分〜1500分であることが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法においては、前記塑性加工物を作る工程の後に、前記塑性加工物に熱処理を施す工程を追加しても良い。この際の熱処理条件は、温度が150℃〜450℃、処理時間が1分〜1500分であることが好ましい。
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作る工程と、
前記マグネシウム合金に塑性加工を行うことにより塑性加工物を作る工程と、
を具備することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
(1)0.2≦a≦3.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記マグネシウム合金鋳造物はhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことも可能である。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.2≦b+c≦6.0
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記MgにLa、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことも可能である。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.2≦b+c≦6.0
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすことも可能である。
(4)0≦c≦3.0
(5)0≦d≦3.0
(6)0.2≦b+c+d≦6.0
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作る工程と、
前記マグネシウム合金を切削することによってチップ形状の切削物を作る工程と、
前記切削物に塑性加工による固化を行うことにより塑性加工物を作る工程と、
を具備することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
(1)0.1≦a≦5.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法は、Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作る工程と、
前記マグネシウム合金を切削することによってチップ形状の切削物を作る工程と、
前記切削物に塑性加工による固化を行うことにより塑性加工物を作る工程と、
を具備することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
(1)0.1≦a≦3.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)2a−3≦b
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記マグネシウム合金鋳造物はhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことも可能である。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.1≦b+c≦6.0
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記MgにLa、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことも可能である。
(4)0≦c≦3.0
(5)0.1≦b+c≦6.0
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすことも可能である。
(4)0≦c≦3.0
(5)0≦d≦3.0
(6)0.1≦b+c+d≦6.0
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記MgにAl、Th、Ca、Si、Mn、Zr、Ti、Hf、Nb、Ag、Sr、Sc、B、C、Sn、Au、Ba、Ge、Bi、Ga、In、Ir、Li、Pd、Sb及びVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0原子%超2.5原子%以下含有することも可能である。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記塑性加工は、圧延、押出し、ECAE、引抜加工、鍛造、プレス、転造、曲げ、FSW加工及びこれらの繰り返し加工のうち少なくとも一つを行うものであることも可能である。つまり、前記塑性加工は、圧延、押出し、ECAE、引抜加工、鍛造、プレス、転造、曲げ、FSW加工のうち単独でも組み合わせでも可能である。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記塑性加工を行う際の総歪量は15以下であることが好ましく、また、より好ましい総歪量は10以下である。また、前記塑性加工を行う際の1回あたりの歪量は0.002以上4.6以下であることが好ましい。
尚、総歪量とは、焼鈍しなどの熱処理によってキャンセルされない総歪量を意味する。つまり、製造工程の途中で熱処理を行ってキャンセルされた歪については総歪量にカウントされない。
但し、チップ形状の切削物を作る工程を行う高強度高靭性マグネシウム合金の場合は、最終的に固化成形に供するものを作った後に塑性加工を行った際の総歪量を意味する。つまり、最終的に固化成形に供するものを作るまでの歪量については総歪量にカウントされない。前記最終的に固化成形に供するものとは、チップ材の接合性が悪く、引張強度が200MPa以下のものを指す。また、チップ材の固化成形は、押出、圧延、鍛造、プレス、ECAEなどを用いたものである。固化成形後には、圧延、押出、ECAE、引き抜き、鍛造、プレス、転造、曲げ、FSWなどを適用しても良い。また、最終的な固化成形前に、チップ材をボールミル、繰り返し鍛造、スタンピングミル、など種々の塑性加工を加えることもできる。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記塑性加工物を作る工程の後に、前記塑性加工物に熱処理を行う工程をさらに具備することも可能である。これにより、熱処理後の塑性加工物の硬さ及び降伏強度を熱処理前に比べてさらに向上させることができる。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記熱処理の条件は、200℃以上500℃未満で10分以上24時間未満であることが好ましい。
また、本発明に係る高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法において、前記塑性加工を行った後のマグネシウム合金におけるhcp構造マグネシウム相の転移密度は長周期積層構造相の転位密度に比べて1桁以上大きいことが好ましい。
以上説明したように本発明によれば、マグネシウム合金の拡大した用途に対して強度及び靭性ともに実用に供するレベルにある高強度高靭性マグネシウム合金及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明者は、基本に立ち返り、2元マグネシウム合金から始めて合金の強度及び靭性を検討し、更にその検討を多元マグネシウム合金まで拡大した。その結果、強度及び靭性とも高いレベルで有するマグネシウム合金はMg−Zn−RE(希土類元素)系であり、希土類元素がY、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素であるマグネシウム合金であり、更に従来技術とは異なり亜鉛の含有量が5.0原子%以下で希土類元素の含有量が5.0原子%以下という低含有量において従来にない高強度及び高靭性が得られることを見出した。
長周期積層構造相が形成される鋳造合金は、塑性加工後あるいは塑性加工後に熱処理を施すことによって、高強度・高延性・高靭性のマグネシウム合金が得られることが分かった。また、長周期積層構造が形成されて、塑性加工後あるいは塑性加工熱処理後に高強度・高延性・高靭性が得られる合金組成を見出した。
また、長周期積層構造が形成される鋳造合金を切削することによってチップ形状の鋳造物を作り、この鋳造物に塑性加工を行い、あるいは塑性加工後に熱処理を施すことによって、チップ形状に切削する工程を行わない場合に比べて、より高強度・高延性・高靭性のマグネシウム合金が得られることが分かった。また、長周期積層構造が形成されて、チップ形状に切削し、塑性加工後あるいは塑性加工熱処理後に高強度・高延性・高靭性が得られる合金組成を見出した。
長周期積層構造相を有する金属を塑性加工することによって長周期積層構造相の少なくとも一部を湾曲又は屈曲させることができる。それにより高強度・高延性・高靭性の金属が得られることを見出した。
また、湾曲又は屈曲した長周期積層構造相にはランダム粒界が含まれている。このランダム粒界によってマグネシウム合金が高強度化され、高温での粒界すべりが抑制されると考えられ、高温で高強度が得られる。
また、hcp構造マグネシウム相に高密度の転位を含むことによりマグネシウム合金が高強度化され、長周期積層構造相の転位密度が低いことによりマグネシウム合金の延性の向上と高強度化が実現されると考えられる。前記長周期積層構造相の転位密度は前記hcp構造マグネシウム相の転位密度に比べて少なくとも1桁小さいことが好ましい。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1によるマグネシウム合金は、基本的にMg、Zn及び希土類元素を含む3元以上の合金であり、希土類元素は、Dy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素である。
このマグネシウム合金の組成範囲は、図8に示すA−B−C−D−Eの線で囲む範囲である。すなわち、亜鉛の含有量をa原子%とし、1又は2以上の希土類元素の含有量を合計でb原子%とすると、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすものとなる。
(1)0.2≦a≦5.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
また、希土類元素がDy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素である場合のマグネシウム合金においては、さらに、Yおよび/またはGdを合計でy原子%含有しても良く、yは下記式(4)及び(5)を満たすことが好ましい。
(4)0≦y≦4.8
(5)0.2≦b+y≦5.0
亜鉛の含有量が5原子%以上であると、特に靭性(又は延性)が低下する傾向があるからである。また1又は2以上の希土類元素の含有量が合計で5原子%以上であると、特に靭性(又は延性)が低下する傾向があるからである。
また亜鉛の含有量が0.2原子%未満、又は希土類元素の含有量が合計で0.2原子%未満であると強度及び靭性の少なくともいずれかが不十分になる。従って、亜鉛の含有量の下限を0.2原子%とし、希土類元素の合計含有量の下限を0.2原子%とする。
強度及び靭性の増大は亜鉛が0.2〜1.5原子%において顕著になる。亜鉛含有量が0.2原子%付近において希土類元素含有量が少なくなると強度が低下する傾向があるが、その範囲の場合でも従来よりも高強度及び高靭性を示す。従って、本実施の形態のマグネシウム合金における亜鉛の含有量の範囲は最も広くて0.2原子%以上5.0原子%以下である。
本実施の形態のMg−Zn−RE系マグネシウム合金では、前述した範囲の含有量を有する亜鉛と希土類元素以外の成分がマグネシウムとなるが、合金特性に影響を与えない程度の不純物を含有しても良い。
また、前記希土類元素がDy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素である場合のマグネシウム合金の組成範囲を前記式(1)〜(3)を満たすものとしているが、より好ましい組成範囲としては下記式(1’)〜(3’)を満たすものである。
(1’)0.2≦a≦3.0
(2’)0.2≦b≦5.0
(3’)2a−3≦b
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2によるマグネシウム合金は、基本的にMg、Zn及び希土類元素を含む4元以上の合金であり、希土類元素は、Dy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素であり、第4元素は、Yb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される1又は2以上の元素である。
このマグネシウム合金の組成範囲は、亜鉛の含有量をa原子%とし、1又は2以上の希土類元素の含有量を合計でb原子%とし、1又は2以上の第4元素の合計含有量をc原子%とすると、a、b及びcは下記式(1)〜(5)を満たすものとなる。
(1)0.2≦a≦5.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
(4)0≦c≦3.0
(5)0.2≦b+c≦6.0
亜鉛の含有量を5原子%以下とする理由、1又は2以上の希土類元素の含有量が合計で5原子%以下とする理由、亜鉛の含有量が0.2原子%以上とする理由、希土類元素の含有量が合計で0.2原子%以上とする理由は、実施の形態1と同様である。また、第4元素の含有量の上限を3.0原子%とした理由は、第4元素の固溶限が低いからである。また、第4元素を含有させる理由は、結晶粒を微細化させる効果があること、金属間化合物を析出させる効果があることによる。
本実施の形態のMg−Zn−RE系マグネシウム合金においても、合金特性に影響を与えない程度の不純物を含有しても良い。
また、前記希土類元素がDy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素である場合のマグネシウム合金の組成範囲を前記式(1)〜(5)を満たすものとしているが、より好ましい組成範囲としては下記式(1’)〜(5’)を満たすものである。
(1’)0.2≦a≦3.0
(2’)0.2≦b≦5.0
(3’)2a−3≦b
(4’)0≦c≦3.0
(5’)0.2≦b+c≦6.0
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3によるマグネシウム合金は、基本的にMg、Zn及び希土類元素を含む4元以上の合金であり、希土類元素は、Dy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素であり、第4元素は、La、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される1又は2以上の元素である。尚、Mm(ミッシュメタル)とは、Ce及びLaを主成分とする複数の希土類元素の混合物又は合金であり、鉱石から有用な希土類元素であるSmやNdなどを精錬除去した後の残渣であり、その組成は精錬前の鉱石の組成に依存するものである。
本実施の形態によるマグネシウム合金の組成範囲は、Znの含有量をa原子%とし、1又は2以上の希土類元素の含有量をb原子%とし、1又は2以上の第4元素の含有量を合計でc原子%とすると、a、b及びcは下記式(1)〜(5)を満たすものとなる。
(1)0.2≦a≦5.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
(4)0≦c≦3.0
(5)0.2≦b+c≦6.0
亜鉛の含有量を5原子%以下とする理由、1又は2以上の希土類元素の含有量が合計で5原子%以下とする理由、亜鉛の含有量が0.2原子%以上とする理由、希土類元素の含有量が合計で0.2原子%以上とする理由は、実施の形態1と同様である。また、第4元素の含有量の上限を3.0原子%とした主な理由は、第4元素の固溶限が殆ど無いからである。また、第4元素を含有させる理由は、結晶粒を微細化させる効果があること、金属間化合物を析出させる効果があることによる。
本実施の形態のMg−Zn−RE系マグネシウム合金においても、合金特性に影響を与えない程度の不純物を含有しても良い。
また、前記希土類元素がDy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素である場合のマグネシウム合金の組成範囲を前記式(1)〜(5)を満たすものとしているが、より好ましい組成範囲としては下記式(1’)〜(5’)を満たすものである。
(1’)0.2≦a≦3.0
(2’)0.2≦b≦5.0
(3’)2a−3≦b
(4’)0≦c≦3.0
(5’)0.2≦b+c≦6.0
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4によるマグネシウム合金は、基本的にMg、Zn及び希土類元素を含む5元以上の合金であり、希土類元素は、Dy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素であり、第4元素は、Yb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される1又は2以上の元素であり、第5元素は、La、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される1又は2以上の元素である。
このマグネシウム合金の組成範囲は、Znの含有量をa原子%とし、1又は2以上の希土類元素の合計含有量をb原子%とし、1又は2以上の第4元素の含有量を合計でc原子%とし、1又は2以上の第5元素の含有量を合計でd原子%とすると、a、b、c及びdは下記式(1)〜(6)を満たすものとなる。
(1)0.2≦a≦5.0
(2)0.2≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
(4)0≦c≦3.0
(5)0≦d≦3.0
(6)0.2≦b+c+d≦6.0
希土類元素、第4元素及び第5元素の合計含有量を6.0原子%以下とする理由は、6%を超えると重くなり、原料コストが高くなり、さらに靭性が低下するからである。希土類元素、第4元素及び第5元素の合計含有量を0.2原子%以上とする理由は、0.2原子%未満とすると強度が不十分となるからである。また、第4元素、第5元素を含有させる理由は、結晶粒を微細化させる効果があること、金属間化合物を析出させる効果があることによる。
本実施の形態のMg−Zn−RE系マグネシウム合金においても、合金特性に影響を与えない程度の不純物を含有しても良い。
また、前記希土類元素がDy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素である場合のマグネシウム合金の組成範囲を前記式(1)〜(6)を満たすものとしているが、より好ましい組成範囲としては下記式(1’)〜(6’)を満たすものである。
(1’)0.2≦a≦3.0
(2’)0.2≦b≦5.0
(3’)2a−3≦b
(4’)0≦c≦3.0
(5’)0≦d≦3.0
(6’)0.2≦b+c+d≦6.0
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5によるマグネシウム合金としては、実施の形態1〜4の組成にMeを加えたマグネシウム合金が挙げられる。但し、MeはAl、Th、Ca、Si、Mn、Zr、Ti、Hf、Nb、Ag、Sr、Sc、B、C、Sn、Au、Ba、Ge、Bi、Ga、In、Ir、Li、Pd、Sb及びVからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。このMeの含有量は0原子%超2.5原子%以下とする。Meを添加すると、高強度高靭性を維持したまま、他の性質を改善することができる。例えば、耐食性や結晶粒微細化などに効果がある。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6によるマグネシウム合金の製造方法について説明する。
実施の形態1〜5のいずれかの組成からなるマグネシウム合金を溶解して鋳造し、マグネシウム合金鋳造物を作る。鋳造時の冷却速度は1000K/秒以下であり、より好ましくは100K/秒以下である。鋳造プロセスとしては、種々のプロセスを用いることが可能であり、例えば、高圧鋳造、ロールキャスト、傾斜板鋳造、連続鋳造、チクソモールディング、ダイカストなどを用いることが可能である。また、マグネシウム合金鋳造物を所定形状に切り出したものを用いてもよい。
次いで、マグネシウム合金鋳造物に均質化熱処理を施しても良い。この際の熱処理条件は、温度が400℃〜550℃、処理時間が1分〜1500分(又は24時間)とすることが好ましい。
次に、前記マグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行う。この塑性加工の方法としては、例えば押出し、ECAE(equal−channel−angular−extrusion)加工法、圧延、引抜及び鍛造、FSW(friction stir welding;摩擦撹拌溶接)加工、プレス、転造、曲げ、これらの繰り返し加工などを用いる。
押出しによる塑性加工を行う場合は、押出し温度を250℃以上500℃以下とし、押出しによる断面減少率を5%以上とすることが好ましい。
ECAE加工法は、試料に均一なひずみを導入するためにパス毎に試料長手方向を90°ずつ回転させる方法である。具体的には、断面形状がL字状の成形孔を形成した成形用ダイの前記成形孔に、成形用材料であるマグネシウム合金鋳造物を強制的に進入させて、特にL状成形孔の90°に曲げられた部分で前記マグネシウム合金鋳造物に応力を加えて強度及び靭性が優れた成形体を得る方法である。ECAEのパス回数としては1〜8パスが好ましい。より好ましくは3〜5パスである。ECAEの加工時の温度は250℃以上500℃以下が好ましい。
圧延による塑性加工を行う場合は、圧延温度を250℃以上500℃以下とし、圧下率を5%以上とすることが好ましい。
引抜加工による塑性加工を行う場合は、引抜加工を行う際の温度が250℃以上500℃以下、前記引抜加工の断面減少率が5%以上であることが好ましい。
鍛造による塑性加工を行う場合は、鍛造加工を行う際の温度が250℃以上500℃以下、前記鍛造加工の加工率が5%以上であることが好ましい。
前記マグネシウム合金鋳造物に行う塑性加工は、1回あたりの歪量が0.002以上4.6以下であって総歪量が15以下であることが好ましい。また、前記塑性加工は、1回あたりの歪量が0.002以上4.6以下であって総歪量が10以下であることがより好ましい。
尚、ECAE加工の歪量は0.95〜1.15/回であり、例えばECAE加工を16回行った場合の総歪量は0.95×16=15.2となり、ECAE加工を8回行った場合の総歪量は0.95×8=7.6となる。
また、押出し加工の歪量は、押出し比が2.5の場合が0.92/回であり、押出し比が4の場合が1.39/回であり、押出し比が10の場合が2.30/回であり、押出し比が20の場合が2.995/回であり、押出し比が50の場合が3.91/回であり、押出し比が100の場合が4.61/回であり、押出し比が1000の場合が6.90/回である。
上記のようにマグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行った塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相の結晶組織を有し、この長周期積層構造相を持つ結晶粒の体積分率は5%以上(より好ましくは10%以上)となり、前記hcp構造マグネシウム相の平均粒径は2μm以上であり、前記長周期積層構造相の平均粒径は0.2μm以上である。この長周期積層構造相の結晶粒内には複数のランダム粒界が存在し、このランダム粒界で規定される結晶粒の平均粒径は0.05μm以上である。ランダム粒界においては転移密度が大きいが、長周期積層構造相におけるランダム粒界以外の部分の転位密度は小さい。従って、hcp構造マグネシウム相の転移密度は、長周期積層構造相におけるランダム粒界以外の部分の転位密度に比べて1桁以上大きい。
前記長周期積層構造相の少なくとも一部は湾曲又は屈曲している。また、前記塑性加工物は、Mgと希土類元素の化合物、MgとZnの化合物、Znと希土類元素の化合物及びMgとZnと希土類元素の化合物からなる析出物群から選択される少なくとも1種類の析出物を有していても良い。前記析出物の合計体積分率は0%超40%以下であることが好ましい。また、前記塑性加工物はhcp−Mgを有する。前記塑性加工を行った後の塑性加工物については、塑性加工を行う前の鋳造物に比べてビッカース硬度及び降伏強度がともに上昇する。
前記マグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行った後の塑性加工物に熱処理を施しても良い。この熱処理条件は、温度が200℃以上500℃未満、熱処理時間が10分〜1500分(又は24時間)とすることが好ましい。熱処理温度を500℃未満とするのは、500℃以上とすると、塑性加工によって加えられた歪量がキャンセルされてしまうからである。
この熱処理を行った後の塑性加工物については、熱処理を行う前の塑性加工物に比べてビッカース硬度及び降伏強度がともに上昇する。また、熱処理後の塑性加工物にも熱処理前と同様に、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相の結晶組織を有し、この長周期積層構造を持つ結晶粒の体積分率は5%以上(より好ましくは10%以上)となり、前記hcp構造マグネシウム相の平均粒径は2μm以上であり、前記長周期積層構造相の平均粒径は0.2μm以上である。この長周期積層構造相の結晶粒内には複数のランダム粒界が存在し、このランダム粒界で規定される結晶粒の平均粒径は0.05μm以上である。ランダム粒界においては転移密度が大きいが、長周期積層構造相におけるランダム粒界以外の部分の転位密度は小さい。従って、hcp構造マグネシウム相の転移密度は、長周期積層構造相におけるランダム粒界以外の部分の転位密度に比べて1桁以上大きい。
前記長周期積層構造相の少なくとも一部は湾曲又は屈曲している。また、前記塑性加工物は、Mgと希土類元素の化合物、MgとZnの化合物、Znと希土類元素の化合物及びMgとZnと希土類元素の化合物からなる析出物群から選択される少なくとも1種類の析出物を有していても良い。前記析出物の合計体積分率は0%超40%以下であることが好ましい。
上記実施の形態1〜6によれば、マグネシウム合金の拡大した用途、例えば強度及び靭性共に高性能が要求されるハイテク用合金としての用途に対して、強度及び靭性ともに実用に供するレベルにある高強度高靭性マグネシウム合金及びその製造方法を提供することができる。
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7によるマグネシウム合金は、鋳造物を切削することによって作られた複数の数mm角以下のチップ形状鋳造物に適用するものであり、基本的にMg、Zn及び希土類元素を含む3元又は4元以上の合金であり、希土類元素は、Dy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素である。
このマグネシウム合金の組成範囲は、図9に示すA−B−C−D−Eの線で囲む範囲である。すなわち、亜鉛の含有量をa原子%とし、1又は2以上の希土類元素の含有量を合計でb原子%とすると、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすものとなる。
(1)0.1≦a≦5.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
また、希土類元素がDy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素である場合のマグネシウム合金においては、Yおよび/またはGdを合計でy原子%含有しても良く、yは下記式(4)及び(5)を満たすことが好ましい。
(4)0≦y≦4.9
(5)0.1≦b+y≦5.0
亜鉛の含有量が5原子%以上であると、特に靭性(又は延性)が低下する傾向があるからである。また1又は2以上の希土類元素の含有量が合計で5原子%以上であると、特に靭性(又は延性)が低下する傾向があるからである。
また亜鉛の含有量が0.1原子%未満、又は希土類元素の含有量が合計で0.1原子%未満であると強度及び靭性の少なくともいずれかが不十分になる。従って、亜鉛の含有量の下限を0.1原子%とし、希土類元素の合計含有量の下限を0.1原子%とする。このように亜鉛の含有量及び希土類元素の合計含有量それぞれの下限を実施の形態1に比べて1/2と低くできるのは、チップ形状鋳造物に適用するからである。
強度及び靭性の増大は亜鉛が0.5〜1.5原子%において顕著になる。亜鉛含有量が0.5原子%付近において希土類元素含有量が少なくなると強度が低下する傾向があるが、その範囲の場合でも従来よりも高強度及び高靭性を示す。従って、本実施の形態のマグネシウム合金における亜鉛の含有量の範囲は最も広くて0.1原子%以上5.0原子%以下である。
本実施の形態のMg−Zn−RE系マグネシウム合金では、前述した範囲の含有量を有する亜鉛と希土類元素以外の成分がマグネシウムとなるが、合金特性に影響を与えない程度の不純物を含有しても良い。
また、前記希土類元素がDy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素である場合のマグネシウム合金の組成範囲を前記式(1)〜(3)を満たすものとしているが、より好ましい組成範囲としては下記式(1’)〜(3’)を満たすものである。
(1’)0.1≦a≦3.0
(2’)0.1≦b≦5.0
(3’)2a−3≦b
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8によるマグネシウム合金は、鋳造物を切削することによって作られた複数の数mm角以下のチップ形状鋳造物に適用するものであり、基本的にMg、Zn及び希土類元素を含む4元以上の合金であり、希土類元素は、Dy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素であり、第4元素は、Yb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される1又は2以上の元素である。
本実施の形態によるマグネシウム合金の組成範囲は、亜鉛の含有量をa原子%とし、1又は2以上の希土類元素の含有量を合計でb原子%とし、1又は2以上の第4元素の含有量を合計でc原子%とすると、a、b及びcは下記式(1)〜(5)を満たすものとなる。
(1)0.1≦a≦5.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
(4)0≦c≦3.0
(5)0.1≦b+c≦6.0
本実施の形態のMg−Zn−RE系マグネシウム合金においても、合金特性に影響を与えない程度の不純物を含有しても良い。
また、前記希土類元素がDy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素である場合のマグネシウム合金の組成範囲を前記式(1)〜(3)を満たすものとしているが、より好ましい組成範囲としては下記式(1’)〜(3’)を満たすものである。
(1’)0.1≦a≦3.0
(2’)0.1≦b≦5.0
(3’)2a−3≦b
(実施の形態9)
本発明の実施の形態9によるマグネシウム合金は、鋳造物を切削することによって作られた複数の数mm角以下のチップ形状鋳造物に適用するものであり、基本的にMg、Zn及び希土類元素を含む4元又は5元以上の合金であり、希土類元素は、Dy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素であり、第4元素は、La、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される1又は2以上の元素である。
本実施の形態によるマグネシウム合金の組成範囲は、Znの含有量をa原子%とし、1又は2以上の希土類元素の含有量を合計でb原子%とし、1又は2以上の第4元素の含有量を合計でc原子%とすると、a、b及びcは下記式(1)〜(5)を満たすものとなる。
(1)0.1≦a≦5.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
(4)0≦c≦3.0
(5)0.1≦b+c≦6.0
亜鉛の含有量を5原子%以下とする理由、1又は2以上の希土類元素の含有量が合計で5原子%以下とする理由、亜鉛の含有量を0.1原子%以上とする理由、希土類元素の含有量を0.1原子%以上とする理由は、実施の形態7と同様である。また、第4元素の含有量の上限を3.0原子%とした理由は、第4元素の固溶限が殆ど無いからである。また、第4元素を含有させる理由は、結晶粒を微細化させる効果があること、金属間化合物を析出させる効果があることによる。
本実施の形態のMg−Zn−RE系マグネシウム合金においても、合金特性に影響を与えない程度の不純物を含有しても良い。
また、前記希土類元素がDy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素である場合のマグネシウム合金の組成範囲を前記式(1)〜(3)を満たすものとしているが、より好ましい組成範囲としては下記式(1’)〜(3’)を満たすものである。
(1’)0.1≦a≦3.0
(2’)0.1≦b≦5.0
(3’)2a−3≦b
(実施の形態10)
本発明の実施の形態10によるマグネシウム合金は、鋳造物を切削することによって作られた複数の数mm角以下のチップ形状鋳造物に適用するものであり、基本的にMg、Zn及び希土類元素を含む5元以上の合金であり、希土類元素は、Dy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素であり、第4元素は、Yb、Tb、Sm、Nd及びGdからなる群から選択される1又は2以上の元素であり、第5元素は、La、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される1又は2以上の元素である。
本実施の形態によるマグネシウム合金の組成範囲は、Znの含有量をa原子%とし、1又は2以上の希土類元素の含有量を合計でb原子%とし、1又は2以上の第4元素の含有量を合計でc原子%とし、1又は2以上の第5元素の含有量を合計でd原子%とすると、a、b、c及びdは下記式(1)〜(4)を満たすものとなる。
(1)0.1≦a≦5.0
(2)0.1≦b≦5.0
(3)0.5a−0.5≦b
(4)0≦c≦3.0
(5)0≦d≦3.0
(6)0.1≦b+c+d≦6.0
希土類元素、第4元素及び第5元素の合計含有量を6.0原子%未満とする理由、希土類元素、第4元素及び第5元素の合計含有量を0.1原子%超とする理由は、実施の形態4と同様である。
本実施の形態のMg−Zn−RE系マグネシウム合金においても、合金特性に影響を与えない程度の不純物を含有しても良い。
また、前記希土類元素がDy、Ho及びErからなる群から選択される1又は2以上の元素である場合のマグネシウム合金の組成範囲を前記式(1)〜(3)を満たすものとしているが、より好ましい組成範囲としては下記式(1’)〜(3’)を満たすものである。
(1’)0.1≦a≦3.0
(2’)0.1≦b≦5.0
(3’)2a−3≦b
(実施の形態11)
本発明の実施の形態11によるマグネシウム合金としては、実施の形態7〜10の組成にMeを加えたマグネシウム合金が挙げられる。但し、MeはAl、Th、Ca、Si、Mn、Zr、Ti、Hf、Nb、Ag、Sr、Sc、B、C、Sn、Au、Ba、Ge、Bi、Ga、In、Ir、Li、Pd、Sb及びVからなる群から選択される少なくとも1種の元素である。このMeの含有量は0原子%超2.5原子%以下とする。Meを添加すると、高強度高靭性を維持したまま、他の性質を改善することができる。例えば、耐食性や結晶粒微細化などに効果がある。
(実施の形態12)
本発明の実施の形態12によるマグネシウム合金の製造方法について説明する。
実施の形態7〜11のいずれかの組成からなるマグネシウム合金を溶解して鋳造し、マグネシウム合金鋳造物を作る。鋳造時の冷却速度は1000K/秒以下であり、より好ましくは100K/秒以下である。このマグネシウム合金鋳造物としては、インゴットから所定形状に切り出したものを用いる。
次いで、マグネシウム合金鋳造物に均質化熱処理を施しても良い。この際の熱処理条件は、温度が400℃〜550℃、処理時間が1分〜1500分(又は24時間)とすることが好ましい。
次いで、このマグネシウム合金鋳造物を切削することによって複数の数mm角以下のチップ形状鋳造物を作製する。
次いで、チップ形状鋳造物を圧縮又は塑性加工法的手段を用いて予備成形し、均質化熱処理を施しても良い。この際の熱処理条件は、温度が400℃〜550℃、処理時間が1分〜1500分(又は24時間)とすることが好ましい。また、前記予備成形した成形物に、150℃〜450℃の温度で1分〜1500分(又は24時間)の熱処理を施しても良い。
チップ形状の鋳造物は例えばチクソーモールドの原料に一般的に用いられている。
尚、チップ形状鋳造物とセラミック粒子とを混合したものを圧縮又は塑性加工法的手段を用いて予備成形し、均質化熱処理を施しても良い。また、チップ形状鋳造物を予備成形する前に、付加的に強歪加工を施しても良い。
次に、前記チップ形状鋳造物に塑性加工を行うことにより、チップ形状鋳造物を固化成形する。この塑性加工の方法としては、実施の形態6の場合と同様に種々の方法を用いることができる。尚、このチップ形状鋳造物を固化成形する前に、ボールミルやスタンプミル、高エネルギーボールミルなどのメカニカルアロイング、あるいはバルクメカニカルアロイングなどの繰り返し加工処理を加えても良い。また、固化成形後に、さらに塑性加工やブラスト加工を加えても良い。また、前記マグネシウム合金鋳造物を金属間化合物粒子あるいはセラミック粒子や繊維などと複合化しても良いし、前記切削物をセラミック粒子や繊維などと混合しても良い。
このように塑性加工を行った塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相の結晶組織を有する。この長周期積層構造相の少なくとも一部は湾曲又は屈曲している。前記塑性加工を行った後の塑性加工物については、塑性加工を行う前の鋳造物に比べてビッカース硬度及び降伏強度がともに上昇する。
前記チップ形状鋳造物に塑性加工を行う際の総歪量は15以下であることが好ましく、また、より好ましい総歪量は10以下である。また、前記塑性加工を行う際の1回あたりの歪量は0.002以上4.6以下であることが好ましい。
尚、ここでいう総歪量とは、焼鈍しなどの熱処理によってキャンセルされない総歪量であって、チップ形状鋳造物を予備成形した後に塑性加工を行った際の総歪量を意味する。つまり、製造工程の途中で熱処理を行ってキャンセルされた歪については総歪量にカウントされず、また、チップ形状鋳造物を予備成形するまでの歪量については総歪量にカウントされない。
前記チップ形状鋳造物に塑性加工を行った後の塑性加工物に熱処理を施しても良い。この熱処理条件は、温度が200℃以上500℃未満、熱処理時間が10分〜1500分(又は24時間)とすることが好ましい。熱処理温度を500℃未満とするのは、500℃以上とすると、塑性加工によって加えられた歪量がキャンセルされてしまうからである。
この熱処理を行った後の塑性加工物については、熱処理を行う前の塑性加工物に比べてビッカース硬度及び降伏強度がともに上昇する。また、熱処理後の塑性加工物にも熱処理前と同様に、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相の結晶組織を有する。この長周期積層構造相の少なくとも一部が湾曲又は屈曲している。
上記実施の形態12では、鋳造物を切削することによってチップ形状鋳造物を作製することにより、組織が微細化するので、実施の形態6に比べてよりより高強度・高延性・高靭性の塑性加工物などを作製することが可能となる。また、本実施の形態によるマグネシウム合金は実施の形態1〜6によるマグネシウム合金に比べて亜鉛及び希土類元素がより低濃度であっても高強度及び高靭性の特性を得ることができる。
上記実施の形態7〜12によれば、マグネシウム合金の拡大した用途、例えば強度及び靭性共に高性能が要求されるハイテク用合金としての用途に対して、強度及び靭性ともに実用に供するレベルにある高強度高靭性マグネシウム合金及びその製造方法を提供することができる。
以下、実施例について説明する。
実施例1では、97原子%Mg−1原子%Zn−2原子%Dyの3元系マグネシウム合金を用いる。
実施例2では、97原子%Mg−1原子%Zn−2原子%Hoの3元系マグネシウム合金を用いる。
実施例3では、97原子%Mg−1原子%Zn−2原子%Erの3元系マグネシウム合金を用いる。
実施例4では、96.5原子%Mg−1原子%Zn−1原子%Y−1.5原子%Dyの4元系マグネシウム合金を用いる。
実施例5では、96.5原子%Mg−1原子%Zn−1原子%Y−1.5原子%Erの4元系マグネシウム合金を用いる。
実施例4及び5それぞれのマグネシウム合金は、長周期積層構造を形成する希土類元素を複合的に添加したものである。
実施例6では、96.5原子%Mg−1原子%Zn−1.5原子%Y−1原子%Dyの4元系マグネシウム合金を用いる。
実施例7では、96.5原子%Mg−1原子%Zn−1.5原子%Y−1原子%Erの4元系マグネシウム合金を用いる。
比較例1では、97原子%Mg−1原子%Zn−2原子%Laの3元系マグネシウム合金を用いる。
比較例2では、97原子%Mg−1原子%Zn−2原子%Ybの3元系マグネシウム合金を用いる。
比較例3では、97原子%Mg−1原子%Zn−2原子%Ceの3元系マグネシウム合金を用いる。
比較例4では、97原子%Mg−1原子%Zn−2原子%Prの3元系マグネシウム合金を用いる。
比較例5では、97原子%Mg−1原子%Zn−2原子%Ndの3元系マグネシウム合金を用いる。
比較例6では、97原子%Mg−1原子%Zn−2原子%Smの3元系マグネシウム合金を用いる。
比較例7では、97原子%Mg−1原子%Zn−2原子%Euの3元系マグネシウム合金を用いる。
比較例8では、97原子%Mg−1原子%Zn−2原子%Tmの3元系マグネシウム合金を用いる。
比較例9では、97原子%Mg−1原子%Zn−2原子%Luの3元系マグネシウム合金を用いる。
参考例としては、98原子%Mg−2原子%Yの2元系マグネシウム合金を用いる。
(鋳造材の組織観察)
まず、Arガス雰囲気中で高周波溶解によって実施例1〜7、比較例1〜9及び参考例それぞれの組成のインゴットを作製し、これらのインゴットからφ10×60mmの形状に切り出す。この切り出した鋳造材の組織観察をSEM、XRDによって行った。これらの結晶組織の写真を図1〜図7に示す。
図1には、比較例1、2それぞれの結晶組織の写真が示されている。図2には、実施例1〜3の結晶組織の写真が示されている。図3には、実施例4の結晶組織の写真が示されている。図4には、実施例5の結晶組織の写真が示されている。図5には、実施例6、7の結晶組織の写真が示されている。図6には、比較例3〜9の結晶組織の写真が示されている。図7には、参考例の結晶組織の写真が示されている。
図1〜図5に示すように、実施例1〜7のマグネシウム合金には長周期積層構造の結晶組織が形成されている。これに対し、図1、図6及び図7に示すように、比較例1〜9及び参考例それぞれのマグネシウム合金は長周期積層構造の結晶組織が形成されていない。
実施例1〜7及び比較例1〜9それぞれの結晶組織から以下のことが確認された。
Mg−Zn−RE3元系鋳造合金では、REがDy、Ho、Erの場合に長周期積層構造が形成されるのに対し、REがLa、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Ybの場合は長周期積層構造が形成されない。Gdは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Ybと少し挙動が異なっており、Gdの単独添加(Znは必須)では長周期積層構造は形成されないが、長周期積層構造を形成する元素であるDy、Ho、Erとの複合添加では2.5原子%でも長周期積層構造が形成される。
また、Yb、Tb、Sm、Nd及びGdは、Mg−Zn−RE(RE=Dy、Ho、Er)に添加する場合には、5.0原子%以下なら、長周期積層構造の形成を妨げない。また、La、Ce、Pr、Eu及びMmは、Mg−Zn−RE(RE=Dy、Ho、Er)に添加する場合には、5.0原子%以下なら、長周期積層構造の形成を妨げない。
比較例1の鋳造材の結晶粒径は10〜30μm程度であり、比較例2の鋳造材の結晶粒径は30〜100μm程度であり、実施例1の鋳造材の結晶粒径は20〜60μmであり、いずれも粒界に多量の晶出物が観察された。また、比較例2の鋳造材の結晶組織では粒内に微細な析出物が存在していた。
(鋳造材のビッカース硬度試験)
比較例1及び比較例2それぞれの鋳造材をビッカース硬度試験により評価した。比較例1の鋳造材のビッカース硬度は75Hvであり、比較例2の鋳造材のビッカース硬度は69Hvであった。
(ECAE加工)
上記比較例1、2それぞれの鋳造材に400℃でECAE加工を施した。ECAE加工法は、試料に均一なひずみを導入するためにパス毎に試料長手方向を90度ずつ回転させる方法を用いて、パス回数を4回及び8回で行った。この際の加工速度は2mm/秒の一定である。
(ECAE加工材のビッカース硬度試験)
ECAE加工を施した試料をビッカース硬度試験により評価した。4回のECAE加工後の試料のビッカース硬度は、比較例1の試料が82Hv、比較例2の試料が76Hvであり、ECAE加工前の鋳造材と比較して10%程度の硬さの向上が見られた。8回のECAE加工をした試料では、4回のECAE加工をした試料とほとんど硬さに変化はなかった。
(ECAE加工材の結晶組織)
ECAE加工を施した試料の組織観察をSEM、XRDによって行った。比較例1、2の加工材では粒界に存在していた晶出物が数μmオーダーに分断され、微細に均一分散していた。8回のECAE加工をした試料では、4回のECAE加工をした試料とほとんど組織に変化はなかった。
(ECAE加工材の引張試験)
ECAE加工を施した試料を引張試験により評価した。引張試験は、押出し方向に対して平行に初期ひずみ速度5×10−4/秒の条件で行った。4回のECAE加工をした試料の引張特性については、比較例1、2の試料では200MPa以下の降伏応力と2〜3%の伸びを示した。
(実施例8〜44の鋳造合金の押出し後の機械的特性)
表1〜3に示す組成を有する3元系のマグネシウム合金の鋳造材を作製し、その鋳造材に500℃、10時間の熱処理を行った後、その鋳造材に表1〜3に示す押出し温度及び押出し比で押出し加工を行った。この押出し加工後の押出し材を、表1〜3に示す試験温度で引張試験により0.2%耐力(降伏強度)、引張強さ、伸びを測定した。また、押出し材の硬さ(ビッカース硬度)についても測定した。これらの測定結果を表1〜3に示している。
Figure 0003940154
Figure 0003940154
Figure 0003940154
種々の組成の鋳造材を種々の押出し温度で、押出し比10、押出し速度2.5mm/秒で押出し加工を行った後の室温、200℃における引張試験及び硬さ試験の結果を示している。
尚、本発明は上述した実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。
実施例1、比較例1及び比較例2それぞれの鋳造材の結晶組織を示す写真である。 実施例2〜4それぞれの鋳造材の結晶組織を示す写真である。 実施例5の鋳造材の結晶組織を示す写真である。 実施例6の鋳造材の結晶組織を示す写真である。 実施例7、8それぞれの鋳造材の結晶組織を示す写真である。 比較例3〜9それぞれの鋳造材の結晶組織を示す写真である。 参考例の鋳造材の結晶組織を示す写真である。 本発明の実施の形態1によるマグネシウム合金の組成範囲を示す図である。 本発明の実施の形態7によるマグネシウム合金の組成範囲を示す図である。

Claims (57)

  1. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金からなる鋳造物であって、前記鋳造物は長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (1)0.2≦a≦5.0
    (2)0.2≦b≦5.0
    (3)0.5a−0.5≦b
  2. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金からなる鋳造物であって、前記鋳造物は長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (1)0.2≦a≦3.0
    (2)0.2≦b≦5.0
    (3)2a−3≦b
  3. 請求項1又は2において、前記高強度高靭性マグネシウム合金が前記鋳造物に塑性加工を行ったものであることを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
  4. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行った後の塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (1)0.2≦a≦5.0
    (2)0.2≦b≦5.0
    (3)0.5a−0.5≦b
  5. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行った後の塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (1)0.2≦a≦3.0
    (2)0.2≦b≦5.0
    (3)2a−3≦b
  6. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行って塑性加工物を作り、前記塑性加工物に熱処理を行った後の塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (1)0.2≦a≦5.0
    (2)0.2≦b≦5.0
    (3)0.5a−0.5≦b
  7. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物に塑性加工を行って塑性加工物を作り、前記塑性加工物に熱処理を行った後の塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (1)0.2≦a≦3.0
    (2)0.2≦b≦5.0
    (3)2a−3≦b
  8. 請求項4乃至7のいずれか一項において、前記hcp構造マグネシウム相の転位密度に比べて前記長周期積層構造相の転位密度が少なくとも1桁小さいことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
  9. 請求項4乃至8のいずれか一項において、前記長周期積層構造相の結晶粒の体積分率が5%以上である高強度高靭性マグネシウム合金。
  10. 請求項4乃至9のいずれか一項において、前記塑性加工物はMgと希土類元素の化合物、MgとZnの化合物、Znと希土類元素の化合物及びMgとZnと希土類元素の化合物からなる析出物群から選択される少なくとも1種類の析出物を有していることを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
  11. 請求項10において、前記少なくとも1種類の析出物の合計体積分率は0%超40%以下である高強度高靭性マグネシウム合金。
  12. 請求項4乃至11のいずれか一項において、前記塑性加工は、圧延、押出し、ECAE、引抜加工、鍛造、プレス、転造、曲げ、FSW加工及びこれらの繰り返し加工のうち少なくとも一つを行うものである高強度高靭性マグネシウム合金。
  13. 請求項4乃至12のいずれか一項において、前記塑性加工を行った際の総歪量は15以下である高強度高靭性マグネシウム合金。
  14. 請求項4乃至12のいずれか一項において、前記塑性加工を行った際の総歪量は10以下である高強度高靭性マグネシウム合金。
  15. 請求項1乃至14のいずれか一項において、前記MgにYおよび/またはGdを合計でy原子%含有し、yは下記式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (4)0≦y≦4.8
    (5)0.2≦b+y≦5.0
  16. 請求項1乃至15のいずれか一項において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (4)0≦c≦3.0
    (5)0.2≦b+c≦6.0
  17. 請求項1乃至15のいずれか一項において、前記MgにLa、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (4)0≦c≦3.0
    (5)0.2≦b+c≦6.0
  18. 請求項1乃至15のいずれか一項において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (4)0≦c≦3.0
    (5)0≦d≦3.0
    (6)0.2≦b+c+d≦6.0
  19. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金からなる鋳造物であって、前記鋳造物は長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (1)0.1≦a≦5.0
    (2)0.1≦b≦5.0
    (3)0.5a−0.5≦b
  20. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金からなる鋳造物であって、前記鋳造物は長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (1)0.1≦a≦3.0
    (2)0.1≦b≦5.0
    (3)2a−3≦b
  21. 請求項19又は20において、前記高強度高靭性マグネシウム合金が前記鋳造物を切削した後に塑性加工を行ったものであることを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
  22. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物を切削することによってチップ形状の鋳造物を作り、前記鋳造物を塑性加工により固化した塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (1)0.1≦a≦5.0
    (2)0.1≦b≦5.0
    (3)0.5a−0.5≦b
  23. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物を切削することによってチップ形状の鋳造物を作り、前記鋳造物を塑性加工により固化した塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (1)0.1≦a≦3.0
    (2)0.1≦b≦5.0
    (3)2a−3≦b
  24. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物を切削することによってチップ形状の鋳造物を作り、前記鋳造物を塑性加工により固化した塑性加工物を作り、前記塑性加工物に熱処理を行った後の塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (1)0.1≦a≦5.0
    (2)0.1≦b≦5.0
    (3)0.5a−0.5≦b
  25. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作り、前記マグネシウム合金鋳造物を切削することによってチップ形状の鋳造物を作り、前記鋳造物を塑性加工により固化した塑性加工物を作り、前記塑性加工物に熱処理を行った後の塑性加工物は、常温においてhcp構造マグネシウム相及び長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (1)0.1≦a≦3.0
    (2)0.1≦b≦5.0
    (3)2a−3≦b
  26. 請求項22乃至25のいずれか一項において、前記hcp構造マグネシウム相の平均粒径は0.1μm以上であることを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
  27. 請求項22乃至26のいずれか一項において、前記hcp構造マグネシウム相の転位密度に比べて前記長周期積層構造相の転位密度が少なくとも1桁小さいことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
  28. 請求項22乃至27のいずれか一項において、前記長周期積層構造相の結晶粒の体積分率が5%以上である高強度高靭性マグネシウム合金。
  29. 請求項22乃至28のいずれか一項において、前記塑性加工物はMgと希土類元素の化合物、MgとZnの化合物、Znと希土類元素の化合物及びMgとZnと希土類元素の化合物からなる析出物群から選択される少なくとも1種類の析出物を有していることを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
  30. 請求項29において、前記少なくとも1種類の析出物の合計体積分率は0%超40%以下である高強度高靭性マグネシウム合金。
  31. 請求項22乃至30のいずれか一項において、前記塑性加工は、圧延、押出し、ECAE、引抜加工、鍛造、プレス、転造、曲げ、FSW加工及びこれらの繰り返し加工のうち少なくとも一つを行うものである高強度高靭性マグネシウム合金。
  32. 請求項22乃至31のいずれか一項において、前記塑性加工を行った際の総歪量は15以下である高強度高靭性マグネシウム合金。
  33. 請求項22乃至31のいずれか一項において、前記塑性加工を行った際の総歪量は10以下である高強度高靭性マグネシウム合金。
  34. 請求項19乃至33のいずれか一項において、前記MgにYおよび/またはGdを合計でy原子%含有し、yは下記式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (4)0≦y≦4.9
    (5)0.1≦b+y≦5.0
  35. 請求項19乃至34のいずれか一項において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (4)0≦c≦3.0
    (5)0.1≦b+c≦6.0
  36. 請求項19乃至34のいずれか一項において、前記MgにLa、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (4)0≦c≦3.0
    (5)0.1≦b+c≦6.0
  37. 請求項19乃至34のいずれか一項において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu及びMmからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金。
    (4)0≦c≦3.0
    (5)0≦d≦3.0
    (6)0.1≦b+c+d≦6.0
  38. 請求項1乃至37のいずれか一項において、前記MgにAl、Th、Ca、Si、Mn、Zr、Ti、Hf、Nb、Ag、Sr、Sc、B、C、Sn、Au、Ba、Ge、Bi、Ga、In、Ir、Li、Pd、Sb及びVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0原子%超2.5原子%以下含有する高強度高靭性マグネシウム合金。
  39. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作る工程と、
    前記マグネシウム合金に塑性加工を行うことにより塑性加工物を作る工程と、
    を具備し、
    前記マグネシウム合金鋳造物は長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
    (1)0.2≦a≦5.0
    (2)0.2≦b≦5.0
    (3)0.5a−0.5≦b
  40. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作る工程と、
    前記マグネシウム合金に塑性加工を行うことにより塑性加工物を作る工程と、
    を具備し、
    前記マグネシウム合金鋳造物は長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
    (1)0.2≦a≦3.0
    (2)0.2≦b≦5.0
    (3)2a−3≦b
  41. 請求項39又は40において、前記マグネシウム合金鋳造物はhcp構造マグネシウム相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
  42. 請求項39乃至41のいずれか一項において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
    (4)0≦c≦3.0
    (5)0.2≦b+c≦6.0
  43. 請求項39乃至41のいずれか一項において、前記MgにLa、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
    (4)0≦c≦3.0
    (5)0.2≦b+c≦6.0
  44. 請求項39乃至41のいずれか一項において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
    (4)0≦c≦3.0
    (5)0≦d≦3.0
    (6)0.2≦b+c+d≦6.0
  45. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作る工程と、
    前記マグネシウム合金を切削することによってチップ形状の切削物を作る工程と、
    前記切削物に塑性加工による固化を行うことにより塑性加工物を作る工程と、
    を具備し、
    前記マグネシウム合金鋳造物は長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
    (1)0.1≦a≦5.0
    (2)0.1≦b≦5.0
    (3)0.5a−0.5≦b
  46. Znをa原子%含有し、Dy、Ho及びErからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でb原子%含有し、残部がMgから成り、aとbは下記式(1)〜(3)を満たすマグネシウム合金鋳造物を作る工程と、
    前記マグネシウム合金を切削することによってチップ形状の切削物を作る工程と、
    前記切削物に塑性加工による固化を行うことにより塑性加工物を作る工程と、
    を具備し、
    前記マグネシウム合金鋳造物は長周期積層構造相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
    (1)0.1≦a≦3.0
    (2)0.1≦b≦5.0
    (3)2a−3≦b
  47. 請求項45又は46において、前記マグネシウム合金鋳造物はhcp構造マグネシウム相を有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
  48. 請求項45乃至47のいずれか一項において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
    (4)0≦c≦3.0
    (5)0.1≦b+c≦6.0
  49. 請求項45乃至47のいずれか一項において、前記MgにLa、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、cは下記式(4)及び(5)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
    (4)0≦c≦3.0
    (5)0.1≦b+c≦6.0
  50. 請求項45乃至47のいずれか一項において、前記MgにYb、Tb、Sm及びNdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でc原子%含有し、La、Ce、Pr、Eu、Mm及びGdからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計でd原子%含有し、c及びdは下記式(4)〜(6)を満たすことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
    (4)0≦c≦3.0
    (5)0≦d≦3.0
    (6)0.1≦b+c+d≦6.0
  51. 請求項39乃至50のいずれか一項において、前記MgにAl、Th、Ca、Si、Mn、Zr、Ti、Hf、Nb、Ag、Sr、Sc、B、C、Sn、Au、Ba、Ge、Bi、Ga、In、Ir、Li、Pd、Sb及びVからなる群から選択される少なくとも1種の元素を合計で0原子%超2.5原子%以下含有することを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
  52. 請求項39乃至51のいずれか一項において、前記塑性加工は、圧延、押出し、ECAE、引抜加工、鍛造、プレス、転造、曲げ、FSW加工及びこれらの繰り返し加工のうち少なくとも一つを行うものである高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
  53. 請求項39乃至52のいずれか一項において、前記塑性加工を行う際の総歪量は15以下である高強度高靭性マグネシウム合金。
  54. 請求項39乃至52のいずれか一項において、前記塑性加工を行う際の総歪量は10以下である高強度高靭性マグネシウム合金。
  55. 請求項39乃至54のいずれか一項において、前記塑性加工物を作る工程の後に、前記塑性加工物に熱処理を行う工程をさらに具備する高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
  56. 請求項55において、前記熱処理の条件は、200℃以上500℃未満で10分以上24時間未満であることを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
  57. 請求項39乃至56のいずれか一項において、前記塑性加工を行った後のマグネシウム合金におけるhcp構造マグネシウム相の転移密度は長周期積層構造相の転位密度に比べて1桁以上大きいことを特徴とする高強度高靭性マグネシウム合金の製造方法。
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