JP5458290B2 - マグネシウム合金 - Google Patents

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Description

本発明はマグネシウム合金に関する。詳しくは、高い降伏強度を得ることができると共に、高い引張強度を得ることができるマグネシウム合金に係るものである。
一般に、マグネシウム合金は、実用化されている合金の中で最も密度が低く軽量で強度も高いため、電気製品の筐体や、自動車のホイール、足回り部品、エンジン回り部品等への適用が進められている。
特に、自動車に関連する用途の部品においては、高い機械的特性が要求されるため、GdやZn等の元素を添加したマグネシウム合金として、片ロール法、急速凝固法により特定の形態の材料を製造することが行われている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
しかし、上記したマグネシウム合金は、特定の製造方法においては高い機械的特性が得られるものの、特定の製造方法を実現するためには特殊な設備が必要であり、しかも、生産性が低いといった問題があり、更には、適用できる部材も限られるといった問題があった。
そこで、従来、マグネシウム合金を製造する場合、上記した特許文献1及び特許文献2に記載の様な特殊な設備あるいはプロセスを用いずに、生産性の高い通常の溶解鋳造から塑性加工(押出)を実施しても、実用上有用な機械的特性が得られる技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。なお、特許文献3に開示されているマグネシウム合金は、300MPa程度の引張強度を有していることが知られている。
また、近年使用されているAZ系、WE系マグネシウム合金の降伏強度は300MPa程度であり、Mg−Zn−Y系合金の場合であっても降伏強度は350MPa程度、引張強度は390MPa程度である。
特開平6−41701号公報 特開2002−256370号公報 特開2006−97037号公報
しかしながら、軽量化の目的でマグネシウム合金の自動車への応用を進めるためには、降伏強度及び引張強度を更に向上させることが要求されていた。
本発明は、上記の点に鑑みて創案されたものであって、特殊な製造設備及びプロセスを使用することなく、高い降伏強度及び引張強度を得ることができるマグネシウム合金を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、本発明のマグネシウム合金では、必須成分としてZn、Y、及び、希土類元素(RE)としてLa、Ce、Nd、Pr、Sm、Ybのうち少なくとも1つ以上を含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−Y−RE系合金から構成されるマグネシウム合金であって、Mg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中に、長周期積層構造相、αMg相、及び、Mg−RE化合物若しくはMg−Zn−RE化合物の少なくとも1つ以上の化合物を有すると共に、前記長周期積層構造相と前記化合物が積層構造を構成し、更に、前記長周期積層構造相の厚さが0.5μm〜5μmである。
ここで、Mg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中の長周期積層構造相(以下、「LPSO:Long Period Stacking Order」と称する。)の厚さを0.5μm〜5μmとしているのは、高い降伏強度(σ0.2)を実現すると共に、高い引張強度(σUTS)を実現するためである。以下、この点について説明を行う。
図2にMg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中のLPSOの体積分率と降伏強度(YS)との関係と、Mg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中のLPSOの体積分率と引張強度(UTS)との関係を示している。図2から明らかな様に、LPSOの体積分率が増加するにつれて高い降伏強度と高い引張強度を実現することができる。
ここで、化合物と共に積層構造を構成しているLPSOの厚さが薄いということは、LPSOの体積分率が小さいということを意味する。そして、LPSOの厚さが0.5μm未満である場合には、LPSOの体積分率が少なすぎるために、Mg−Zn−Y−RE系合金の降伏強度が、従来のマグネシウム合金の降伏強度(一例として、Mg97Znの降伏強度は350.4MPaである。)よりも低下してしまう。同様に、LPSOの厚さが0.5μm未満である場合には、LPSOの体積分率が少なすぎるために、Mg−Zn−Y−RE系合金の引張強度が、従来のマグネシウム合金の引張強度(一例として、Mg97Znの引張強度は397.2MPaである。)よりも低下してしまう。
従って、従来のマグネシウム合金の降伏強度よりも高い降伏強度を実現すると共に、従来のマグネシウム合金の引張強度よりも高い引張強度を実現するために、LPSOの厚さを0.5μm以上としているのである。
なお、ここでは、LPSOが薄いということは、LPSOの体積分率が小さいということに着目して説明を行っているが、LPSOの厚さが薄いということは、αMgの体積分率が増加することをも意味しており、αMgが増加することによっても降伏強度や引張強度が低下することにつながる。いずれにしても、LPSOの厚さを0.5μm以上とすることによって、従来のマグネシウム合金の降伏強度よりも高い降伏強度を実現し、更に、従来のマグネシウム合金の引張強度よりも高い引張強度を実現することができる。
ところで、上述の通り、LPSOの体積分率が増加するにつれて高い降伏強度と高い引張強度を実現することができるのであるが、その反面、LPSOの体積分率の増加につれて延性は低下することとなる。
ここで、化合物と共に積層構造を構成しているLPSOの厚さが厚いということは、LPSOの体積分率が大きいことを意味する。そして、LPSOの厚さが5μmを超えた場合には、LPSOの体積分率が大きすぎるために、Mg−Zn−Y−RE系合金の延性が低下してしまう。
従って、高い降伏強度と高い引張強度を実現すると共に、延性の著しい低下を回避するために、LPSOの厚さを5μm以下としているのである。
また、Mg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中のMg−RE化合物若しくはMg−Zn−RE化合物の少なくとも1つ以上の化合物の厚さを0.01μm〜2μmとすることで、更に確実に高い降伏強度を実現することができると共に、高い引張強度を実現することができる。以下、この点について説明を行う。
図3にMg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中の化合物の体積分率と降伏強度(YS)との関係と、Mg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中の化合物の体積分率と引張強度(UTS)との関係を示している。図3から明らかな様に、化合物の体積分率が所定範囲(図3中符号Aで示す範囲)に属する場合に、高い降伏強度を実現することができると共に、高い引張強度を実現することができる。
ここで、LPSOと共に積層構造を構成している化合物の厚さが薄いということは化合物の体積分率が小さいということを意味し、化合物の厚さが厚いということは化合物の体積分率が大きいということを意味する。そして、化合物の厚さが0.01μm以上2μm以下である場合には、概ね図3中符号Aで示す範囲に該当することとなる。
従って、化合物の厚さが0.01μm〜2μmとすると、更に確実に高い降伏強度を実現することができると共に、高い引張強度を実現することができるのである。
更に、Znの成分範囲を2.5at%未満とすると、延性の低下を抑制することができる。図4にZnの含有量と延性比との関係を示している。図4から明らかな様に、Znの含有量が2.5at%以上になると延性比が概ね30%よりも低下することとなる。従って、高い降伏強度を実現し、高い引張強度を実現すると共に、延性の著しい低下を回避するためには、Znの成分範囲を2.5at%未満とする方が好ましい。なお、Znの成分範囲を2at%以下にすると、延性比が概ね40%以上を確保することができるために、より一層好ましいといえる。
本発明のマグネシウム合金では、高い降伏強度を実現することができると共に、高い引張強度をも実現することができる。
結晶組織を示す顕微鏡写真である。 LPSOの体積分率と降伏強度との関係及びLPSOの体積分率と引張強度との関係を示すグラフである。 化合物の体積分率と降伏強度との関係及び化合物の体積分率と引張強度との関係を示すグラフである。 Znの含有量と延性比との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参酌しながら説明し、本発明の理解に供する。
図1はMg97ZnYb合金の結晶組織を示す顕微鏡写真である。
本発明を適用したマグネシウム合金は、高温雰囲気で使用される部品、例えば、自動車用部品、特に、内燃機関用ピストン、バルブ、タペット、スプロケット等に使用される。なお、マグネシウム合金の形状については、例えば、板状や棒状等であって、使用される部品の形状に応じて適宜選択されることとなる。
さて、本発明を適用したマグネシウム合金は、必須成分としてZn、Y、及び、希土類元素(RE)としてLa、Ce、Nd、Pr、Sm、Ybのうち少なくとも1つ以上を含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−Y−RE系合金から構成されており、Mg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中には、LPSO、αMg相、及び、Mg−RE化合物若しくはMg−Zn−RE化合物の少なくとも1つ以上の化合物を有している。
ここで、図1で示すマグネシウム合金1は、その合金組織中に、LPSO2、αMg相3及び化合物4とを有し、LPSO2と化合物4とが積層構造(層状構造)を形成している。なお、図1で示すマグネシウム合金では、積層構造をなすLPSOの厚さが0.5〜5μmであり、化合物の厚さが0.01〜2μmである。
[αMg相について]
先ず、本発明のマグネシウム合金は、αMg相を有している。
ここで、αMg相は、溶解鋳造工程において、Mg−Zn−Y−RE系合金のセル構造(概ね平均粒径50μm以上)内で、後述するLPSOとラメラ相を形成する。なお、αMg相は、高温雰囲気下(熱間)で行われる塑性加工工程において、Mg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中の少なくとも一部(LPSOの分断部)が、平均粒径2μm以下に微細化した(微細αMg相が析出した)方が好ましい。
[LPSOについて]
また、本発明のマグネシウム合金は、LPSOを有している。
ここで、LPSOとは、マグネシウム合金の粒内及び粒界に析出する析出物であって、HCP構造における底面原子層の並びが底面法線方向に長周期規則をもって繰り返される構造、即ち、長周期構造をいう。更に詳細には、LPSOは、例えば、規則格子が複数個並び、逆位相のズレを介して再び規則格子が複数個並びといった具合に、元の格子の数倍から10数倍の単位の構造が作られ、その周期が長い構造のものをいう。そして、LPSOは、規則相と不規則相との間のわずかな温度範囲に出現し、電子回折した図には規則相の反射が分裂して、数倍から10数倍の周期に対応する位置に回折斑点が現れることとなる。
こうしたLPSOの析出によって、マグネシウム合金の機械的特性(引張強度、降伏強度及び伸び)が向上することとなる。
また、LPSOは、溶解鋳造工程、または、溶解、鋳造後の熱処理工程において、鋳造材(Mg−Zn−Y−RE系合金)の合金組織、即ち、セル構造内で、αMg相と共に層状組織粒であるラメラ相を形成する。そして、LPSOは直線状に形成され、その形成方向は、同一セル構造内では同一方向に形成され、セル構造同士では互いに異なる方向に形成される。
ところで、LPSOが形成されたままの状態では、マグネシウム合金材の機械的性質が不充分であり、高い引張強度及び降伏強度を維持しながら、高い伸びを得ることができない。そのため、形成されたLPSOの少なくとも一部に湾曲部及び屈曲部のうち少なくとも一方を形成し、かつ、規則格子の並びが壊れた分断部を形成する。なお、こうしたLPSOへの湾曲部、屈曲部、分断部の形成は、鋳造材、または、熱処理された鋳造材を熱間塑性加工する塑性加工工程を行うことによって達成されることとなる。
ここで、上述した様に、Mg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中の少なくとも一部(例えば、LPSOの分断部)における平均粒径2μm以下に微細化された微細αMg相の析出も、塑性加工工程を行うことによって達成されることとなる。なお、熱間塑性加工によって鋳造時に形成されたセル構造は消失する。
[化合物について]
また、本発明のマグネシウム合金は、Mg−RE化合物若しくはMg−Zn−RE化合物の少なくとも1つ以上の化合物を有している。具体的には、例えば、Mg41Sm、Mg12Ce、Mg17La、Mg12Pr、Mg12Ndといった化合物を有している。
そして、こうした化合物の分散度合いが高いことによって、高い降伏強度と高い引張強度が実現することとなる。
[LPSOの厚さについて]
本発明のマグネシウム合金では、LPSOの厚さが0.5〜5μmとなる様に組織制御を行っている。
ここで、LPSOの厚さが0.5μm以上となる様に組織制御を行うことによって、従来のマグネシウム合金の降伏強度(一例として、Mg97Znの降伏強度は350.4MPaである。)よりも高い降伏強度を実現すると共に、従来のマグネシウム合金の引張強度(一例として、Mg97Znの引張強度は397.2MPaである。)よりも高い引張強度を実現することとなる。また、LPSOの厚さが5μm以下となる様に組織制御を行うことによって、延性の著しい低下を回避している。
[化合物の厚さについて]
本発明のマグネシウム合金では、化合物(Mg−RE化合物若しくはMg−Zn−RE化合物の少なくとも1つ以上の化合物)の厚さが0.01μm〜2μmとなる様に組織制御を行っている。
この様な組織制御を行うことによって、確実に高い降伏強度を実現することができると共に、高い引張強度を実現することができることとなる。
[Znの成分範囲について]
本発明のマグネシウム合金では、Znの成分範囲が2.5at%未満となる様に組織制御を行っている。この様な組織制御を行うことによって、延性の著しい低下を回避することができるためである。
なお、LPSOと金属間化合物をより多く存在させるためには、より多くの添加元素を含有させる必要があるとも考えられる。しかし、多くの添加元素を含有させた場合にはコスト面で不利となってしまうために、添加元素量はできる限り制限したいといった要求がある。したがって、Znの成分範囲を2at%以下に組織制御することがより好ましく、こうした組織制御を行うことによって、上記の要求にも応じることができ、更には、延性比も約40%を確保することができる。
以下、本発明の実施例について説明を行う。なお、ここで示す実施例は一例であり本発明を限定するものではない。
先ず、本発明の実施例のマグネシウム合金として、以下に示す(1)〜(6)の試験片を作成した。
[試験片(1)]
Znを2at%、Yを1at%、Laを1at%とし、残部がMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y−La合金を真空溶解炉に投入し、フラックス精錬により溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型に入れて鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃において押出比10として塑性加工(押出加工)を行ったものを製造した。なお、試験片(1)では、LPSOと化合物とが積層構造(層状構造)をなし、LPSOの厚さが0.5〜5μmであり、化合物の厚さが0.01〜2μmとなる様に組織制御を行った。
[試験片(2)]
Znを2at%、Yを1at%、Ceを1at%とし、残部がMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y−Ce合金を真空溶解炉に投入し、フラックス精錬により溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型に入れて鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃において押出比10として塑性加工(押出加工)を行ったものを製造した。なお、試験片(2)では、LPSOと化合物とが積層構造(層状構造)をなし、LPSOの厚さが0.5〜5μmであり、化合物の厚さが0.01〜2μmとなる様に組織制御を行った。
[試験片(3)]
Znを1at%、Yを1at%、Laを1at%とし、残部がMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y−La合金を真空溶解炉に投入し、フラックス精錬により溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型に入れて鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃において押出比10として塑性加工(押出加工)を行ったものを製造した。なお、試験片(3)では、LPSOと化合物とが積層構造(層状構造)をなし、LPSOの厚さが0.5〜5μmであり、化合物の厚さが0.01〜2μmとなる様に組織制御を行った。
[試験片(4)]
Znを1at%、Yを1at%、Ceを1at%とし、残部がMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y−Ce合金を真空溶解炉に投入し、フラックス精錬により溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型に入れて鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃において押出比10として塑性加工(押出加工)を行ったものを製造した。なお、試験片(4)では、LPSOと化合物とが積層構造(層状構造)をなし、LPSOの厚さが0.5〜5μmであり、化合物の厚さが0.01〜2μmとなる様に組織制御を行った。
[試験片(5)]
Znを1at%、Yを1at%、Prを1at%とし、残部がMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y−Pr合金を真空溶解炉に投入し、フラックス精錬により溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型に入れて鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃において押出比10として塑性加工(押出加工)を行ったものを製造した。なお、試験片(5)では、LPSOと化合物とが積層構造(層状構造)をなし、LPSOの厚さが0.5〜5μmであり、化合物の厚さが0.01〜2μmとなる様に組織制御を行った。
[試験片(6)]
Znを1at%、Yを1.5at%、Laを0.5at%とし、残部がMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y−La合金を真空溶解炉に投入し、フラックス精錬により溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型に入れて鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃において押出比10として塑性加工(押出加工)を行ったものを製造した。なお、試験片(6)では、LPSOと化合物とが積層構造(層状構造)をなし、LPSOの厚さが0.5〜5μmであり、化合物の厚さが0.01〜2μmとなる様に組織制御を行った。
また、比較データとして、以下に示す(7)〜(12)の試験片を作成した。
[試験片7]
Znを1at%、Yを2at%とし、残部がMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y合金を真空溶解炉に投入し、フラックス精錬により溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型に入れて鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃において押出比10として塑性加工(押出加工)を行ったものを製造した。なお、試験片(7)では、LPSOと化合物とは積層構造(層状構造)をなさない様に組織制御を行った。
[試験片(8)]
Znを2at%、Yを1at%、Ndを1at%とし、残部がMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y−Nd合金を真空溶解炉に投入し、フラックス精錬により溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型に入れて鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃において押出比10として塑性加工(押出加工)を行ったものを製造した。なお、試験片(8)では、LPSOと化合物とは積層構造(層状構造)をなさない様に組織制御を行った。
[試験片(9)]
Znを2at%、Yを1at%、Smを1at%とし、残部がMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y−Sm合金を真空溶解炉に投入し、フラックス精錬により溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型に入れて鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃において押出比10として塑性加工(押出加工)を行ったものを製造した。なお、試験片(9)では、LPSOと化合物とは積層構造(層状構造)をなさない様に組織制御を行った。
[試験片(10)]
Znを2at%、Yを1at%、Ybを1at%とし、残部がMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y−Yb合金を真空溶解炉に投入し、フラックス精錬により溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型に入れて鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃において押出比10として塑性加工(押出加工)を行ったものを製造した。なお、試験片(10)では、LPSOと化合物とは積層構造(層状構造)をなさない様に組織制御を行った。
[試験片(11)]
Znを1at%、Yを1at%、Ndを1at%とし、残部がMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y−Nd合金を真空溶解炉に投入し、フラックス精錬により溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型に入れて鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃において押出比10として塑性加工(押出加工)を行ったものを製造した。なお、試験片(11)では、LPSOと化合物とは積層構造(層状構造)をなさない様に組織制御を行った。
[試験片(12)]
Znを1at%、Yを1at%、Smを1at%とし、残部がMgと不可避的不純物のMg−Zn−Y−Sm合金を真空溶解炉に投入し、フラックス精錬により溶解を行った。次に、加熱溶解した材料を金型に入れて鋳造し、φ29mm×L60mmのインゴット(鋳造材)を作成した。続いて、押出温度350℃において押出比10として塑性加工(押出加工)を行ったものを製造した。なお、試験片(12)では、LPSOと化合物とは積層構造(層状構造)をなさない様に組織制御を行った。
以上の様にして得られた試験片(1)〜(12)を室温にて引張試験を行い、機械的特性を評価した結果を表1に示す。
Figure 0005458290
表1の試験片(7)の評価結果から明らかな様に、3元系合金であるMg−Zn−Y合金の場合には、降伏強度が350.4MPa、引張強度が397.2MPaである。
ここで、表1の試験片(8)〜(12)の評価結果から明らかな様に、「LPSOと化合物とが積層構造(層状構造)をなし、LPSOの厚さが0.5〜5μmであり、化合物の厚さが0.01〜2μmである」といった条件を満たしていない場合には、3元系合金である試験片(7)よりも降伏強度若しくは引張強度のいずれか一方が低下していることが分かる。具体的には、試験片(8)の評価結果では、降伏強度が349.8MPa、引張強度が365.9MPaであり、試験片(7)よりも降伏強度及び引張強度が低下していることが分かる。また、試験片(9)の評価結果では、降伏強度が304.4MPa、引張強度が374.8MPaであり、試験片(7)よりも降伏強度及び引張強度が低下していることが分かる。また、試験片(10)の評価結果では、降伏強度が355.4MPa、引張強度が373.6MPaであり、試験片(7)よりも引張強度が低下していることが分かる。また、試験片(11)の評価結果では、降伏強度が337.2MPa、引張強度が369.1MPaであり、試験片(7)よりも降伏強度及び引張強度が低下していることが分かる。また、試験片(12)の評価結果では、降伏強度が325.6MPa、引張強度が364.6MPaであり、試験片(7)よりも降伏強度及び引張強度が低下していることが分かる。
一方、表1の試験片(1)〜(6)の評価結果から明らかな様に、「LPSOと化合物とが積層構造(層状構造)をなし、LPSOの厚さが0.5〜5μmであり、化合物の厚さが0.01〜2μmである」といった条件を満たしている場合には、降伏強度が350.4MPaである3元系の試験片(7)よりも高い降伏強度を実現することができると共に、引張強度が397.2MPaである3元系の試験片(7)よりも高い引張強度を実現することができる。
1 マグネシウム合金
2 LPSO
3 αMg相
4 化合物

Claims (2)

  1. 必須成分として1原子%以上2.5原子%未満のZn、及び1原子%以上1.5原子%以下のを含有し、希土類元素(RE)としてLa、Ce、P、Ybのうち少なくとも1つ以上の元素を合計で0.5原子%以上1原子%以下含有し、残部がMgと不可避的不純物からなるMg−Zn−Y−RE系合金から構成されるマグネシウム合金であって、
    Mg−Zn−Y−RE系合金の合金組織中に、長周期積層構造相、αMg相、及び、Mg−RE化合物若しくはMg−Zn−RE化合物の少なくとも1つ以上の化合物を有すると共に、
    前記長周期積層構造相と前記化合物が積層構造を構成し、
    更に、前記長周期積層構造相の厚さが0.5μm〜5μmであり、
    前記化合物の厚さが0.01μm〜2μmであ
    マグネシウム合金。
  2. 前記Znは成分範囲が2原子%以下である
    請求項1に記載のマグネシウム合金。
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