JP2004224979A - プリプレグおよび該プリプレグを用いた繊維強化複合材料成形品の製造方法。 - Google Patents
プリプレグおよび該プリプレグを用いた繊維強化複合材料成形品の製造方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】取り扱い性、特に、良好なタックを有するプリプレグであって、このプリプレグを用いて管状FRPを製造する際の加熱硬化時の炉落ちを抑制でき、さらに、真空バッグ成形法を用いた場合にも、得られるFRPについてその外観はピンホールがほとんどの発生しないため良好であり、層間にも層内にもボイドが無く優れた機械的強度を有するFRPを製造できるプリプレグを提供することである。
【解決手段】100℃における表面エネルギーが35mJ/m2以下の熱硬化性樹脂組成物を用いて、この熱硬化性樹脂組成物を強化繊維からなる補強材に含浸してプリプレグとする。
【選択図】 図1
【解決手段】100℃における表面エネルギーが35mJ/m2以下の熱硬化性樹脂組成物を用いて、この熱硬化性樹脂組成物を強化繊維からなる補強材に含浸してプリプレグとする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維強化複合材料成形品(以下、FRPという。)を製造する際に用いられるプリプレグであって、取り扱い性が優れ、外観が良好で、FRPの層間および層内のボイドが無く優れた機械強度を有するプリプレグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
強化繊維にマトリックス樹脂を含浸して得られるプリプレグは、FRPの中間材料として航空機用途から釣り竿、ゴルフクラブシャフト等のスポーツ用途まで幅広く用いられている。
【0003】
一般に、プリプレグから釣竿やゴルフシャフト等の管状FRPを得るには、特許文献1に記載されているように、マンドレルと呼ばれる金属製の円錐棒に、予め所定の形状に裁断しておいたプリプレグを巻付けた後、加熱硬化する方法が一般的である。
【0004】
しかしながら、従来のプリプレグでは、加熱条件によっては、加熱硬化時にマンドレルの大径側から小径側にプリプレグが移動する現象(以下、炉落ちという。)が発生する場合があった。
【0005】
この炉落ちは、加熱によりマトリックス樹脂の粘度が低下し、層間がずれやすくなった状態の下で、加熱によりプリプレグに対して収縮する方向に力がかかるために生ずるものである。
【0006】
炉落ちが発生すると、強化繊維に部分的な蛇行が生じるため、所望の機械的強度が得られないばかりか、特に小径側で反りが発生の原因する。
【0007】
一方、管状でないFRPは、例えば、特許文献2に記載されているようなオートクレーブ成形法で製造されることが多い。これはオートクレーブを用いて高圧下で成形することにより、FRP内部のボイドを低減し、FRPの強度を期待された通りに発現させ、またFRP表面のピンホールの発生を抑え、外観のきれいなFRPを得ることを目的としている。
【0008】
しかしながら、オートクレーブの設備は非常に高価なため、新規に導入することは困難であるばかりでなく、一旦導入するとそのオートクレーブの大きさにより成形品の大きさが制限される。
【0009】
これに対し、オートクレーブを用いない成形方法の開発が盛んに行われており、その代表的なものとしては、特許文献3に記載されている、バッグ内を真空とし、大気圧で成形する、真空バッグ成形法がある。真空バッグ成形法は大気圧以外に圧力を加えないので、オートクレーブのようなしっかりした耐圧力容器でなくても成形が可能で、加熱できる炉(オーブン)があれば成形でき、断熱ボードと熱風ヒーターといった簡便な設備でも成形可能である。しかし高い圧力を加えないので、FRP内部にボイドが残りやすく、真空バッグ成形で得られるFRPは、オートクレーブで得られるFRPに比べて機械的強度が低く、表面にピンホールが発生するという問題があった。
【0010】
この問題に対しても近年解決策が講じられつつある。例えば、特許文献4には、強化繊維シートの片面に部分的に含浸したプリプレグが開示されており、複数枚のプリプレグを積層し硬化させる際、樹脂組成物が含浸していない強化繊維層が内部の空気や揮発分を逃がす脱気回路として機能するため、ボイドやピンホールを防止できることが記載されている。
【0011】
しかしながら、特許文献4に記載されたプリプレグは、表面付近にはほとんど樹脂組成物がほとんど存在していないため、樹脂組成物による接着性(以下、タック性という。)が弱く、プリプレグを積層する際や型に貼り付ける際に、固定することが困難で、成形前の賦型時や成形時の取り扱い性が良くないといった問題があった。
【0012】
【特許文献1】
特開昭63−49426号公報
【特許文献2】
特開平10−128778号公報
【特許文献3】
特開2002−159613号公報
【特許文献4】
米国特許明細書 6139942号
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような課題を解決できるプリプレグ、すなわち、取り扱い性、特に、良好なタックを有し、このプリプレグを用いて管状FRPを製造する際の加熱硬化時の炉落ちを抑制でき、さらに、真空バッグ成形法を用いた場合にも、外観が良好で、FRPの層間にも層内にもボイドが無く優れた機械的強度を有するプリプレグを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、100℃における表面エネルギーが35mJ/m2以下の熱硬化性樹脂組成物を強化繊維からなる補強材に含浸してなるプリプレグである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(熱硬化性樹脂組成物)
本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物は、100℃における表面エネルギーが35mJ/m2以下のものである。表面エネルギーが30mJ/m2以下であるとより好ましい。マトリックス樹脂の表面エネルギーが高いと強化繊維への含浸性が低下する。よって、表面エネルギーが35mJ/m2を超えると含浸不良が発生し易くなり、ボイドやピンホールの発生の原因となる。
【0016】
本発明で用いる熱硬化性樹脂組成物を構成する各成分は、熱硬化性樹脂組成物の表面エネルギーが35mJ/m2以下となれば、特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステルとビスマレイミド樹脂を反応させて得られる樹脂(BT樹脂)などが挙げられる。特に、エポキシ樹脂は、強化繊維との接着性に優れるため、高い機械的強度を必要とするFRPを製造する場合には特に好ましい。
【0017】
また、表面エネルギーが35mJ/m2を超える樹脂組成物に界面活性剤や潤滑剤等を配合し、表面エネルギーを35mJ/m2以下に下げたものを用いてもよい。特に、界面活性剤は好適に用いられる。熱硬化性樹脂組成物中の界面活性剤の含有率は0.1〜5質量%であることが好ましく、0.2〜3%であることが更に好ましい。
【0018】
本発明で用いる熱硬化性樹脂組成物には、粘度調整やプリプレグの取り扱い性の向上を目的として、熱可塑性樹脂を添加してもよい。熱可塑性樹脂の好ましい例としては、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチレンオキサイド、ポリメチルメタアクリレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリヒドロキシポリエーテル(フェノキシ樹脂)等がある。これらの樹脂を2種類以上混合しても構わない。特に、エポキシ樹脂を主成分とする場合は、エポキシ樹脂との相溶性がよい、ポリヒドロキシポリエーテル、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール等を用いると、FRPの機械的強度が向上するので好ましい。
【0019】
さらに、本発明で使用する熱硬化性樹脂組成物にチキソトロピー性を付与する目的で、金属や酸化物などの無機物の微粉砕品、カーボン粉体粉末またはガラス粉体を混合して用いてもよい。
【0020】
(強化繊維)
本発明に用いる強化繊維は、FRPの使用目的に応じ、様々なものが使用できる。具体的な例としては、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、タングステンカーバイド繊維、ガラス繊維などが挙げられるが、これらに限定するものではない。特に、炭素繊維は、これらの強化繊維の中で最も比強度および比弾性が優れるため、好適に用いることができる。
【0021】
中でも、125℃における表面エネルギーが17〜34mJ/m2の分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物からなる成分(A)100質量部に対し、125℃における表面エネルギーが35mJ/m2以上の分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物からなる成分(B)10〜75質量部含有しており、しかも成分(A)と成分(B)との合計が全成分中の50質量%以上であるサイズ剤によって、サイジング処理された強化繊維は好適に用いることができる。
【0022】
通常の炭素繊維の表面エネルギーは40〜50mJ/m2程度であり、かかる表面エネルギーを具備する炭素繊維の表面を濡らす液体としては、表面エネルギーの小さいものが有利である。
【0023】
つまり、上記のように表面エネルギーの比較的小さい化合物からなる成分(A)と、通常のマトリックス樹脂と同等の表面エネルギーを有する化合物からなる成分(B)とを含有するサイズ剤を付着させてある炭素繊維に、マトリックス樹脂を含浸すると、炭素繊維の表面に付着させてあるサイズ剤が含浸マトリックス樹脂中に溶解し、このマトリックス樹脂に溶解した表面エネルギーの低い化合物からなる成分(A)が拡張濡れを促進させ、その結果、マトリックス樹脂が炭素繊維の表面を迅速に濡らすようになる。
【0024】
しかしながら、前記成分(A)100質量部に対して成分(B)が10質量部未満になると、炭素繊維の表面に付着したサイズ剤のマトリックス樹脂への溶解性が十分でなくなるため、マトリックス樹脂の強化繊維への含浸性が悪くなる恐れがある。一方、75質量部を超えると、マトリックス樹脂の拡張濡れを促進させる機能が十分ではなくなる。従って、成分(A)100質量部に対して、成分(B)を10〜75質量部、好ましくは15〜50質量部の割合で含有させる。
【0025】
又、前記成分(A)と成分(B)との合計量がサイズ剤の全成分中の50質量%未満になると、十分な濡れ促進効果が得られなくなる。従って、125℃における表面エネルギーが17〜34mJ/m2のエポキシ化合物からなる成分(A)と、125℃における表面エネルギーが35mJ/m2以上のエポキシ化合物からなる成分(B)とが、これらの合計量が全成分中の50質量%以上の割合で存在していることが好ましい。
【0026】
さらに、成分(A)および/または成分(B)として、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物を用いると炭素繊維との界面接着性が向上するのでより好ましい。
【0027】
なお、強化繊維をサイジング処理によって収束性や耐擦過性が優れたものにすると共に、マトリックス樹脂に対する濡れ性やマトリックス樹脂との間の界面接着力を十分に向上させて、得られるFRPが良好な機械的強度が備えられるようにするためには、サイジング処理後の強化繊維に0.1〜5質量%のサイズ剤が付着していることが好ましく、0.2〜3質量%のサイズ剤を付着していることが更に好ましい。
【0028】
また、強化繊維とサイズ剤との界面接着性をさらに向上させたい場合には、サイズ剤中にアニオン性界面活性剤を添加してもよい。アニオン性界面活性剤を用いる場合には、サイズ剤とマトリックス樹脂との相溶性と、サイズ剤と強化繊維との界面接着性を考慮してサイズ剤中8〜30質量%とすることが好ましい。
【0029】
(プリプレグ)
上述した熱硬化性樹脂組成物を強化繊維からなる補強材に含浸することで本発明のプリプレグを得ることができる。補強材の形態としては、強化繊維を一方向に引き揃えたシート状物(以下、UDシートという)、織物、不織布、マット、マルチフィラメント等が挙げられる。特に、補強材の形態として、UDシートや織物を用いると、プリプレグの取り扱いの点や、そのプリプレグから得られるFRPの機械的強度が高まるで好ましい。なお、織物の場合にはその織り組織について特に限定されるものではなく、平織り、綾織り、朱子織り、簾織り或いはこれらの組織を変化させたものでもよく、また、緯糸と経糸とが異なる強化繊維であっても差し支えない。
【0030】
(FRPの製造方法)
本発明のプリプレグを用いてFRPを製造する方法について説明する。
【0031】
本発明のプリプレグを用いて管状FRPを製造するには、離型剤を塗布したマンドレルに対して、プリプレグをマンドレルの長手方向に対して繊維の配向方向が角度をなすように巻きつけたのち、この上から、マンドレルの長手方向に対して、プリプレグを繊維の配向方向が平行となるように巻きつけた後、加熱硬化し、マンドレルを抜き取ることによって管状FRPが得られる。このときマンドレルの長手方向と繊維の配向方向との配向角度は±30°〜±60°、特に±45°とすると、得られる管状FRPの捩り合成が高くなるので好ましい。さらに、加熱硬化する前に、繊維の配向方向が平行となるように巻きつけたプリプレグの上に、意匠性向上のために補強材が織物であるプリプレグを巻きつけることも可能である。
【0032】
一方、車輌や航空機の機体などの構造部材などに用いるFRPを製造する場合には、真空バッグ成形法が、オートクレーブ法等の方法で成形したFRPと同等の機械的強度を有しながら、安価にFRPが得られるので好ましい。本発明における真空バッグ成形の成形条件は、プリプレグの熱硬化性樹脂組成物の種類にもよるが、熱硬化性樹脂組成物としてエポキシ樹脂を用いる場合は、成形温度として80〜150℃、成形時間は1時間から12時間程度、特に好ましくは、2時間から6時間程度とするのが好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により、本発明について、具体的に説明する。
【0034】
(熱硬化性樹脂組成物)
100℃における表面エネルギーが35mJ/m2以下の硬化性樹脂組成物としては、表1に示したエポキシ樹脂組成物(樹脂1〜樹脂3)を用いた。また、比較例では、表2に記載した組成からなるエポキシ樹脂組成物(樹脂4)を用いた。
【0035】
【表1】
【表2】
【0036】
(強化繊維およびサイズ剤)
強化繊維としては、サイズ剤を付与していない三菱レイヨン(株)製炭素繊維TR30Sをあらかじめ後述する表4〜表9に記載した成分を均一に混ぜたサイズ剤でサイジング処理した炭素繊維を用いた。サイジング処理の方法は、サイズ剤の2%水分散液を用意し、この水分散液中に炭素繊維を浸漬した後、炭素繊維を熱風乾燥することによって行った。
【0037】
なお表4〜表9に記載されているサイズ剤成分は次のものである。
<(A)成分>
・エピクロン7200:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)
エポライト4000:水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(共栄社化学(株)製)
<(B)成分>
・エピコート828、エピコート1001:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製)
・エピコート807:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製)
・エピクロン7200:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)
<アニオン系界面活性剤>
・ニューコール707SF:多環フェノールエチレンオキサイド7モル付加物硫酸エステルアンモニウム塩(日本乳化剤(株)製)
<その他添加剤>
・ISEO:イソステアリルアルコールエチレンオキサイド6モル付加物(青木油脂工業(株)製)
・プルロニックF88:プルロニック型界面活性剤(旭電化工業(株)製)
【0038】
(表面エネルギーの測定方法)
熱硬化性樹脂組成物の100℃における表面エネルギーおよびサイズ剤成分の125℃における表面エネルギー測定は、自動表面張力計(CBVP−A3型、協和界面科学製)にH型恒温槽(協和界面科学製)を取り付けて、白金プレートを用いて、ウイルヘルミー法によって表面エネルギーを3回測定し、その平均値を算出した。
【0039】
以下の実施例では、補強材の形態が、織物である織物プリプレグおよびUDシートであるUDプリプレグをそれぞれ以下の方法で製造し、評価を行った。
【0040】
(織物プリプレグの製造方法)
片側表面が離型処理されている離型紙の、離型処理が施されている側に、ロールコーターで、エポキシ樹脂組成物を樹脂目付67g/m2で均一に塗布し、樹脂担時シートを得た。
【0041】
次に、サイジング処理した炭素繊維を、繊維目付200g/m2で製織した織物の両面に樹脂担時シートを貼り付け、60℃で加熱した二対の加熱ロールで加圧および加熱して、エポキシ樹脂組成物を炭素繊維織物に含浸させた。その後、片面の離型紙を剥離し、その面にポリエチレンの保護フィルムを貼り付けることにより、樹脂含有率が40質量%の織物プリプレグを得た。
【0042】
(UDプリプレグの製造方法)
片側表面が離型処理されている離型紙の離型処理が施されている側に、ロールコーターで、エポキシ樹脂組成物を樹脂目付33.7g/m2で均一に塗布し、樹脂担時シートを得た。その樹脂担持シートの樹脂側に、サイジング処理した炭素繊維を繊維目付が125g/m2になるように一方向に引き揃えたものを貼り付けた。さらにその反対側からも、単位面積あたり33.7g/m2で均一に樹脂を塗布した樹脂担持シートの樹脂側の面を炭素繊維側にして重ね合わせた。これらを100℃に加熱したロールで加圧および加熱して含浸した。その後、片面の離型紙を剥離し、その面に保護フィルムを貼り付けることにより、樹脂含有率が35質量%のUDプリプレグを得た。
【0043】
(評価方法)
得られた織物プリプレグおよびUDプリプレグの、外観および樹脂含浸性、タック性、ボイドの有無について以下の方法により評価した。また、織物プリプレグについては、真空バッグ成形法により成形した平板状FRPのボイドの有無およびピンホールについて評価し、UDプリプレグについては、これを用いて管状FRPを製造して、そのボイドの有無および炉落ちについて評価した。
【0044】
(外観および樹脂含浸性)
得られたプリプレグの外観および樹脂含浸性の評価は、プリプレグから保護フィルムを剥離したときの表面樹脂の沈み込み方(=樹脂含浸性の良し悪し)を目視した、以下のように判定した。
・樹脂の沈み込みが極めて良好で、保護フィルムに樹脂が付着していない。…判定◎
・樹脂の沈み込みが比較的良好で、少し保護フィルムに樹脂が付着している。…判定○
・樹脂の沈み込みが遅く、表面上に保護フィルムに大量に樹脂が付着ている。…判定×
【0045】
(タック性)
得られたプリプレグのタック性の評価は、織物プリプレグおよびUDプリプレグそれぞれにつき、温度20℃、湿度50%と温度28℃、湿度50%のそれぞれの環境下において以下に示す方法で実施した。
【0046】
<織物プリプレグ>
離型剤により離型処理を施した鉄板を垂直に立て、この鉄板の離型処理を施した面に縦10cm×横10cmに切断したプリプレグを貼り付け、プリプレグの密着の度合いを目視で観察し、以下のように判定した。
・貼り付け1分後も剥がれず、且つ、貼り直し作業が容易である…「良好」
・貼り付け1分後も剥がれないが、貼り直し作業が困難である…「強すぎる」
・一旦は貼り付くが、すぐにプリプレグが剥がれてくる…「弱い」
と判断した。
【0047】
<UDプリプレグ>
UDプリプレグを長さ20cm、幅8cmの短冊状に切断する。離型剤により離型処理を施した直径10mmのマンドレルを用意する。次いで、プリプレグから片面の保護フィルムを剥離し、プリプレグをマンドレルに対して密着させながら直角に、対面の離型紙を剥離しながら巻きつけた。その後、かの状態で1時間放置し、プリプレグの密着の度合いを目視で観察した。このとき、
・プリプレグの剥がれがない場合…「良好」
・巻きつけ時にエアを噛みこみ、張りなおしが困難な場合…「強すぎる」
・一部でも剥がれた場合…「弱い」
と判断した。
【0048】
(織物プリプレグのFRPの評価)
<真空バッグ成形法によるFRPの製造方法>
織物プリプレグを縦20cm×横20cmに切断し、8枚を重ねて積層し積層体とした。図1に示すように、この積層体1を表面が離型剤により処理された樹脂製のベースプレート2(厚み2mm)に配置した。さらにその上にテトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体からなる離型性フィルム、繊維目付約40g/■のガラス不織布4の順に被せた。それらをナイロンからなるバギングフィルム5で覆い、樹脂製のシール剤6によって密閉したのち、図3に示す温度条件で計200分硬化し、平板状のFRPを得た。
【0049】
<ピンホール検査>
得られた平板状FRPのピンホール検査は次のようにして行った。平板状FRPのベースプレート接面側に白色チョークを押しつけながら全面を擦ったのち、表面を乾いた布などで軽く拭き取ることにより、ピンホールを顕在化させ、目視により個数を計測した。そして、その個数に応じて、表3のごとく5段階の評価をつけた。
【0050】
【表3】
【0051】
<ボイドの有無>
平板状FRPのボイドの有無については成形した平板状FRPを厚み方向に垂直に切断し、断面部位を幅30mmに渡り研磨し、倍率20倍で断面写真撮影を実施したその有無を確認した。
【0052】
(UDプリプレグの管状FRPの評価)
<管状FRPの製造方法>
UDプリプレグを、表面に離型剤を塗布したマンドレル(テーパー率17.81/1000)に対して、マンドレルの長手方向に対して強化繊維の配向角度が±45°となるように2プライ巻きつけた後、その上から、別のUDプリプレグを、マンドレルの長手方向に対して平行(0°)となるように3プライ巻き付けた。更にその上からで厚さ0.03mm、幅20mmのポリプロピレン製テープを、4kgの張力をかけながら2mmピッチでラッピングした後、硬化炉にて大径側を上にして吊下げ、図3に示す温度条件で計270分硬化させた。硬化後、マンドレルを脱芯して、上記ポリプロピレン製テープを取り外した。管状FRPを得た。
【0053】
<炉落ちの有無>
上記の方法で製造した管状FRPを10本用意し、得られた管状FRPの表面ついて炉落ちの有無を観察した。
・10本中、全く炉落ちがない場合…「無し」
・10本中、1本でも炉落ちがある場合…「有り」
【0054】
<ボイドの有無>
また、管状FRPを無作為に輪切りにし、その断面部位を研磨し、倍率20倍で断面写真撮影を実施し、ボイドの有無を確認した。
【0055】
(実施例1〜19)
実施例1〜19では、表4および表5に記載した成分からなるサイズ剤でサイジング処理した炭素繊維とエポキシ樹脂組成物を用いて、織物プリプレグを上述の方法で製造した。これらのプリプレグの外観と樹脂含浸性はいずれも極めて良好であり、またタック性評価も20℃、28℃のいずれの環境下においても良好なタック性を有していた。また、該プリプレグを用いて上述した条件で成形、硬化した平板状FRPには、いずれもボイドもピンホールも観察されなかった。
【0056】
(実施例20〜38)
実施例20〜38では、表6および7に記載した成分からなるサイズ剤でサイジング処理した炭素繊維とエポキシ樹脂組成物を用いて、上述の方法でUDプリプレグを製造した。それぞれ得られたの外観と樹脂含浸性はいずれも極めて良好であり、またタック性評価も20℃、28℃のいずれの環境下においても良好なタック性を有していた。また、該プリプレグを用いて上述した条件で成形、硬化した管状FRPには、いずれも炉落ちもボイドも観察されなかった。
【0057】
(比較例1〜9)
比較例1〜9では、表8に記載した成分からなるサイズ剤でサイジング処理した炭素繊維とエポキシ樹脂組成物を用いて、織物プリプレグを上述の方法で製造した。
【0058】
比較例1〜5では、織物プリプレグの外観と樹脂含浸性はいずれも比較的良好であったが、タック性評価においては20℃、および28℃の両方の環境下で良好なタック性を発現するものはなかった。また、該プリプレグを用いて上述した条件で成形、硬化した平板FRPには、いずれもボイド、ピンホールは観察されなかった。
【0059】
比較例6〜9では、織物プリプレグの外観と樹脂含浸性はいずれも比較的良好であったが、タック性評価においては20℃、および28℃の両方の環境下で良好なタック性を発現するものはなかった。また、該プリプレグを用いて上述した条件で成形、硬化した平板FRPには、いずれもボイド、ピンホールが発生していた。
【0060】
(比較例10〜18)
比較例10〜18では、表9に記載した成分からなるサイズ剤でサイジング処理した炭素繊維とエポキシ樹脂組成物を用いて、上述の方法でUDプリプレグを製造した。
【0061】
比較例10〜14でそれぞれ得られた炭素繊維布プリプレグの外観と樹脂含浸性はいずれも、樹脂の沈み込みが遅く、タック性評価についても20℃の環境においても良好なタック性は発現されなかった。また、該プリプレグを用いて上述した条件で成形、硬化した平板FRPには、いずれもボイド、ピンホールが多数発生していた。
【0062】
比較例15〜18でそれぞれ得られたUDプリプレグの外観と樹脂含浸性はいずれも、樹脂の沈み込みが遅く、タック性評価についても20℃の環境においても良好なタック性は発現されなかった。また、該プリプレグを用いて上述した条件で成形、硬化したシャフトFRPには、いずれも炉落ち、ボイドが多数発生していた。
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
【発明の効果】
本発明のプリプレグは樹脂の含浸性に優れ、これにより適度な作業性を実現し、且つ真空バッグ成形、内圧成形等の成形法で成形体に欠陥がなく、優れた複合材料特性を有する成形体が得られる。また、このプリプレグを用いて得られる管状FRPを製造する際の炉落ちがない。この様に、繊維強化複合材料の信頼性の向上、生産性の向上、積層・成形作業性の向上など、きわめて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた真空バッグ成形法の説明図である。
【図2】実施例で平板FRPを製造する際の温度条件を示すグラフである。
【図3】実施例で管状FRPを製造する際の温度条件を示すグラフである。
【符号の説明】
1:プリプレグ積層体
2:ベースプレート
3:離形フィルム
4:不織布
5:バギングフィルム
6:シール材
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維強化複合材料成形品(以下、FRPという。)を製造する際に用いられるプリプレグであって、取り扱い性が優れ、外観が良好で、FRPの層間および層内のボイドが無く優れた機械強度を有するプリプレグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
強化繊維にマトリックス樹脂を含浸して得られるプリプレグは、FRPの中間材料として航空機用途から釣り竿、ゴルフクラブシャフト等のスポーツ用途まで幅広く用いられている。
【0003】
一般に、プリプレグから釣竿やゴルフシャフト等の管状FRPを得るには、特許文献1に記載されているように、マンドレルと呼ばれる金属製の円錐棒に、予め所定の形状に裁断しておいたプリプレグを巻付けた後、加熱硬化する方法が一般的である。
【0004】
しかしながら、従来のプリプレグでは、加熱条件によっては、加熱硬化時にマンドレルの大径側から小径側にプリプレグが移動する現象(以下、炉落ちという。)が発生する場合があった。
【0005】
この炉落ちは、加熱によりマトリックス樹脂の粘度が低下し、層間がずれやすくなった状態の下で、加熱によりプリプレグに対して収縮する方向に力がかかるために生ずるものである。
【0006】
炉落ちが発生すると、強化繊維に部分的な蛇行が生じるため、所望の機械的強度が得られないばかりか、特に小径側で反りが発生の原因する。
【0007】
一方、管状でないFRPは、例えば、特許文献2に記載されているようなオートクレーブ成形法で製造されることが多い。これはオートクレーブを用いて高圧下で成形することにより、FRP内部のボイドを低減し、FRPの強度を期待された通りに発現させ、またFRP表面のピンホールの発生を抑え、外観のきれいなFRPを得ることを目的としている。
【0008】
しかしながら、オートクレーブの設備は非常に高価なため、新規に導入することは困難であるばかりでなく、一旦導入するとそのオートクレーブの大きさにより成形品の大きさが制限される。
【0009】
これに対し、オートクレーブを用いない成形方法の開発が盛んに行われており、その代表的なものとしては、特許文献3に記載されている、バッグ内を真空とし、大気圧で成形する、真空バッグ成形法がある。真空バッグ成形法は大気圧以外に圧力を加えないので、オートクレーブのようなしっかりした耐圧力容器でなくても成形が可能で、加熱できる炉(オーブン)があれば成形でき、断熱ボードと熱風ヒーターといった簡便な設備でも成形可能である。しかし高い圧力を加えないので、FRP内部にボイドが残りやすく、真空バッグ成形で得られるFRPは、オートクレーブで得られるFRPに比べて機械的強度が低く、表面にピンホールが発生するという問題があった。
【0010】
この問題に対しても近年解決策が講じられつつある。例えば、特許文献4には、強化繊維シートの片面に部分的に含浸したプリプレグが開示されており、複数枚のプリプレグを積層し硬化させる際、樹脂組成物が含浸していない強化繊維層が内部の空気や揮発分を逃がす脱気回路として機能するため、ボイドやピンホールを防止できることが記載されている。
【0011】
しかしながら、特許文献4に記載されたプリプレグは、表面付近にはほとんど樹脂組成物がほとんど存在していないため、樹脂組成物による接着性(以下、タック性という。)が弱く、プリプレグを積層する際や型に貼り付ける際に、固定することが困難で、成形前の賦型時や成形時の取り扱い性が良くないといった問題があった。
【0012】
【特許文献1】
特開昭63−49426号公報
【特許文献2】
特開平10−128778号公報
【特許文献3】
特開2002−159613号公報
【特許文献4】
米国特許明細書 6139942号
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような課題を解決できるプリプレグ、すなわち、取り扱い性、特に、良好なタックを有し、このプリプレグを用いて管状FRPを製造する際の加熱硬化時の炉落ちを抑制でき、さらに、真空バッグ成形法を用いた場合にも、外観が良好で、FRPの層間にも層内にもボイドが無く優れた機械的強度を有するプリプレグを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、100℃における表面エネルギーが35mJ/m2以下の熱硬化性樹脂組成物を強化繊維からなる補強材に含浸してなるプリプレグである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(熱硬化性樹脂組成物)
本発明に用いる熱硬化性樹脂組成物は、100℃における表面エネルギーが35mJ/m2以下のものである。表面エネルギーが30mJ/m2以下であるとより好ましい。マトリックス樹脂の表面エネルギーが高いと強化繊維への含浸性が低下する。よって、表面エネルギーが35mJ/m2を超えると含浸不良が発生し易くなり、ボイドやピンホールの発生の原因となる。
【0016】
本発明で用いる熱硬化性樹脂組成物を構成する各成分は、熱硬化性樹脂組成物の表面エネルギーが35mJ/m2以下となれば、特に限定されない。例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステルとビスマレイミド樹脂を反応させて得られる樹脂(BT樹脂)などが挙げられる。特に、エポキシ樹脂は、強化繊維との接着性に優れるため、高い機械的強度を必要とするFRPを製造する場合には特に好ましい。
【0017】
また、表面エネルギーが35mJ/m2を超える樹脂組成物に界面活性剤や潤滑剤等を配合し、表面エネルギーを35mJ/m2以下に下げたものを用いてもよい。特に、界面活性剤は好適に用いられる。熱硬化性樹脂組成物中の界面活性剤の含有率は0.1〜5質量%であることが好ましく、0.2〜3%であることが更に好ましい。
【0018】
本発明で用いる熱硬化性樹脂組成物には、粘度調整やプリプレグの取り扱い性の向上を目的として、熱可塑性樹脂を添加してもよい。熱可塑性樹脂の好ましい例としては、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチレンオキサイド、ポリメチルメタアクリレート、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、ポリヒドロキシポリエーテル(フェノキシ樹脂)等がある。これらの樹脂を2種類以上混合しても構わない。特に、エポキシ樹脂を主成分とする場合は、エポキシ樹脂との相溶性がよい、ポリヒドロキシポリエーテル、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール等を用いると、FRPの機械的強度が向上するので好ましい。
【0019】
さらに、本発明で使用する熱硬化性樹脂組成物にチキソトロピー性を付与する目的で、金属や酸化物などの無機物の微粉砕品、カーボン粉体粉末またはガラス粉体を混合して用いてもよい。
【0020】
(強化繊維)
本発明に用いる強化繊維は、FRPの使用目的に応じ、様々なものが使用できる。具体的な例としては、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、タングステンカーバイド繊維、ガラス繊維などが挙げられるが、これらに限定するものではない。特に、炭素繊維は、これらの強化繊維の中で最も比強度および比弾性が優れるため、好適に用いることができる。
【0021】
中でも、125℃における表面エネルギーが17〜34mJ/m2の分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物からなる成分(A)100質量部に対し、125℃における表面エネルギーが35mJ/m2以上の分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物からなる成分(B)10〜75質量部含有しており、しかも成分(A)と成分(B)との合計が全成分中の50質量%以上であるサイズ剤によって、サイジング処理された強化繊維は好適に用いることができる。
【0022】
通常の炭素繊維の表面エネルギーは40〜50mJ/m2程度であり、かかる表面エネルギーを具備する炭素繊維の表面を濡らす液体としては、表面エネルギーの小さいものが有利である。
【0023】
つまり、上記のように表面エネルギーの比較的小さい化合物からなる成分(A)と、通常のマトリックス樹脂と同等の表面エネルギーを有する化合物からなる成分(B)とを含有するサイズ剤を付着させてある炭素繊維に、マトリックス樹脂を含浸すると、炭素繊維の表面に付着させてあるサイズ剤が含浸マトリックス樹脂中に溶解し、このマトリックス樹脂に溶解した表面エネルギーの低い化合物からなる成分(A)が拡張濡れを促進させ、その結果、マトリックス樹脂が炭素繊維の表面を迅速に濡らすようになる。
【0024】
しかしながら、前記成分(A)100質量部に対して成分(B)が10質量部未満になると、炭素繊維の表面に付着したサイズ剤のマトリックス樹脂への溶解性が十分でなくなるため、マトリックス樹脂の強化繊維への含浸性が悪くなる恐れがある。一方、75質量部を超えると、マトリックス樹脂の拡張濡れを促進させる機能が十分ではなくなる。従って、成分(A)100質量部に対して、成分(B)を10〜75質量部、好ましくは15〜50質量部の割合で含有させる。
【0025】
又、前記成分(A)と成分(B)との合計量がサイズ剤の全成分中の50質量%未満になると、十分な濡れ促進効果が得られなくなる。従って、125℃における表面エネルギーが17〜34mJ/m2のエポキシ化合物からなる成分(A)と、125℃における表面エネルギーが35mJ/m2以上のエポキシ化合物からなる成分(B)とが、これらの合計量が全成分中の50質量%以上の割合で存在していることが好ましい。
【0026】
さらに、成分(A)および/または成分(B)として、分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物を用いると炭素繊維との界面接着性が向上するのでより好ましい。
【0027】
なお、強化繊維をサイジング処理によって収束性や耐擦過性が優れたものにすると共に、マトリックス樹脂に対する濡れ性やマトリックス樹脂との間の界面接着力を十分に向上させて、得られるFRPが良好な機械的強度が備えられるようにするためには、サイジング処理後の強化繊維に0.1〜5質量%のサイズ剤が付着していることが好ましく、0.2〜3質量%のサイズ剤を付着していることが更に好ましい。
【0028】
また、強化繊維とサイズ剤との界面接着性をさらに向上させたい場合には、サイズ剤中にアニオン性界面活性剤を添加してもよい。アニオン性界面活性剤を用いる場合には、サイズ剤とマトリックス樹脂との相溶性と、サイズ剤と強化繊維との界面接着性を考慮してサイズ剤中8〜30質量%とすることが好ましい。
【0029】
(プリプレグ)
上述した熱硬化性樹脂組成物を強化繊維からなる補強材に含浸することで本発明のプリプレグを得ることができる。補強材の形態としては、強化繊維を一方向に引き揃えたシート状物(以下、UDシートという)、織物、不織布、マット、マルチフィラメント等が挙げられる。特に、補強材の形態として、UDシートや織物を用いると、プリプレグの取り扱いの点や、そのプリプレグから得られるFRPの機械的強度が高まるで好ましい。なお、織物の場合にはその織り組織について特に限定されるものではなく、平織り、綾織り、朱子織り、簾織り或いはこれらの組織を変化させたものでもよく、また、緯糸と経糸とが異なる強化繊維であっても差し支えない。
【0030】
(FRPの製造方法)
本発明のプリプレグを用いてFRPを製造する方法について説明する。
【0031】
本発明のプリプレグを用いて管状FRPを製造するには、離型剤を塗布したマンドレルに対して、プリプレグをマンドレルの長手方向に対して繊維の配向方向が角度をなすように巻きつけたのち、この上から、マンドレルの長手方向に対して、プリプレグを繊維の配向方向が平行となるように巻きつけた後、加熱硬化し、マンドレルを抜き取ることによって管状FRPが得られる。このときマンドレルの長手方向と繊維の配向方向との配向角度は±30°〜±60°、特に±45°とすると、得られる管状FRPの捩り合成が高くなるので好ましい。さらに、加熱硬化する前に、繊維の配向方向が平行となるように巻きつけたプリプレグの上に、意匠性向上のために補強材が織物であるプリプレグを巻きつけることも可能である。
【0032】
一方、車輌や航空機の機体などの構造部材などに用いるFRPを製造する場合には、真空バッグ成形法が、オートクレーブ法等の方法で成形したFRPと同等の機械的強度を有しながら、安価にFRPが得られるので好ましい。本発明における真空バッグ成形の成形条件は、プリプレグの熱硬化性樹脂組成物の種類にもよるが、熱硬化性樹脂組成物としてエポキシ樹脂を用いる場合は、成形温度として80〜150℃、成形時間は1時間から12時間程度、特に好ましくは、2時間から6時間程度とするのが好ましい。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により、本発明について、具体的に説明する。
【0034】
(熱硬化性樹脂組成物)
100℃における表面エネルギーが35mJ/m2以下の硬化性樹脂組成物としては、表1に示したエポキシ樹脂組成物(樹脂1〜樹脂3)を用いた。また、比較例では、表2に記載した組成からなるエポキシ樹脂組成物(樹脂4)を用いた。
【0035】
【表1】
【表2】
【0036】
(強化繊維およびサイズ剤)
強化繊維としては、サイズ剤を付与していない三菱レイヨン(株)製炭素繊維TR30Sをあらかじめ後述する表4〜表9に記載した成分を均一に混ぜたサイズ剤でサイジング処理した炭素繊維を用いた。サイジング処理の方法は、サイズ剤の2%水分散液を用意し、この水分散液中に炭素繊維を浸漬した後、炭素繊維を熱風乾燥することによって行った。
【0037】
なお表4〜表9に記載されているサイズ剤成分は次のものである。
<(A)成分>
・エピクロン7200:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)
エポライト4000:水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(共栄社化学(株)製)
<(B)成分>
・エピコート828、エピコート1001:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製)
・エピコート807:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製)
・エピクロン7200:フェノールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)
<アニオン系界面活性剤>
・ニューコール707SF:多環フェノールエチレンオキサイド7モル付加物硫酸エステルアンモニウム塩(日本乳化剤(株)製)
<その他添加剤>
・ISEO:イソステアリルアルコールエチレンオキサイド6モル付加物(青木油脂工業(株)製)
・プルロニックF88:プルロニック型界面活性剤(旭電化工業(株)製)
【0038】
(表面エネルギーの測定方法)
熱硬化性樹脂組成物の100℃における表面エネルギーおよびサイズ剤成分の125℃における表面エネルギー測定は、自動表面張力計(CBVP−A3型、協和界面科学製)にH型恒温槽(協和界面科学製)を取り付けて、白金プレートを用いて、ウイルヘルミー法によって表面エネルギーを3回測定し、その平均値を算出した。
【0039】
以下の実施例では、補強材の形態が、織物である織物プリプレグおよびUDシートであるUDプリプレグをそれぞれ以下の方法で製造し、評価を行った。
【0040】
(織物プリプレグの製造方法)
片側表面が離型処理されている離型紙の、離型処理が施されている側に、ロールコーターで、エポキシ樹脂組成物を樹脂目付67g/m2で均一に塗布し、樹脂担時シートを得た。
【0041】
次に、サイジング処理した炭素繊維を、繊維目付200g/m2で製織した織物の両面に樹脂担時シートを貼り付け、60℃で加熱した二対の加熱ロールで加圧および加熱して、エポキシ樹脂組成物を炭素繊維織物に含浸させた。その後、片面の離型紙を剥離し、その面にポリエチレンの保護フィルムを貼り付けることにより、樹脂含有率が40質量%の織物プリプレグを得た。
【0042】
(UDプリプレグの製造方法)
片側表面が離型処理されている離型紙の離型処理が施されている側に、ロールコーターで、エポキシ樹脂組成物を樹脂目付33.7g/m2で均一に塗布し、樹脂担時シートを得た。その樹脂担持シートの樹脂側に、サイジング処理した炭素繊維を繊維目付が125g/m2になるように一方向に引き揃えたものを貼り付けた。さらにその反対側からも、単位面積あたり33.7g/m2で均一に樹脂を塗布した樹脂担持シートの樹脂側の面を炭素繊維側にして重ね合わせた。これらを100℃に加熱したロールで加圧および加熱して含浸した。その後、片面の離型紙を剥離し、その面に保護フィルムを貼り付けることにより、樹脂含有率が35質量%のUDプリプレグを得た。
【0043】
(評価方法)
得られた織物プリプレグおよびUDプリプレグの、外観および樹脂含浸性、タック性、ボイドの有無について以下の方法により評価した。また、織物プリプレグについては、真空バッグ成形法により成形した平板状FRPのボイドの有無およびピンホールについて評価し、UDプリプレグについては、これを用いて管状FRPを製造して、そのボイドの有無および炉落ちについて評価した。
【0044】
(外観および樹脂含浸性)
得られたプリプレグの外観および樹脂含浸性の評価は、プリプレグから保護フィルムを剥離したときの表面樹脂の沈み込み方(=樹脂含浸性の良し悪し)を目視した、以下のように判定した。
・樹脂の沈み込みが極めて良好で、保護フィルムに樹脂が付着していない。…判定◎
・樹脂の沈み込みが比較的良好で、少し保護フィルムに樹脂が付着している。…判定○
・樹脂の沈み込みが遅く、表面上に保護フィルムに大量に樹脂が付着ている。…判定×
【0045】
(タック性)
得られたプリプレグのタック性の評価は、織物プリプレグおよびUDプリプレグそれぞれにつき、温度20℃、湿度50%と温度28℃、湿度50%のそれぞれの環境下において以下に示す方法で実施した。
【0046】
<織物プリプレグ>
離型剤により離型処理を施した鉄板を垂直に立て、この鉄板の離型処理を施した面に縦10cm×横10cmに切断したプリプレグを貼り付け、プリプレグの密着の度合いを目視で観察し、以下のように判定した。
・貼り付け1分後も剥がれず、且つ、貼り直し作業が容易である…「良好」
・貼り付け1分後も剥がれないが、貼り直し作業が困難である…「強すぎる」
・一旦は貼り付くが、すぐにプリプレグが剥がれてくる…「弱い」
と判断した。
【0047】
<UDプリプレグ>
UDプリプレグを長さ20cm、幅8cmの短冊状に切断する。離型剤により離型処理を施した直径10mmのマンドレルを用意する。次いで、プリプレグから片面の保護フィルムを剥離し、プリプレグをマンドレルに対して密着させながら直角に、対面の離型紙を剥離しながら巻きつけた。その後、かの状態で1時間放置し、プリプレグの密着の度合いを目視で観察した。このとき、
・プリプレグの剥がれがない場合…「良好」
・巻きつけ時にエアを噛みこみ、張りなおしが困難な場合…「強すぎる」
・一部でも剥がれた場合…「弱い」
と判断した。
【0048】
(織物プリプレグのFRPの評価)
<真空バッグ成形法によるFRPの製造方法>
織物プリプレグを縦20cm×横20cmに切断し、8枚を重ねて積層し積層体とした。図1に示すように、この積層体1を表面が離型剤により処理された樹脂製のベースプレート2(厚み2mm)に配置した。さらにその上にテトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体からなる離型性フィルム、繊維目付約40g/■のガラス不織布4の順に被せた。それらをナイロンからなるバギングフィルム5で覆い、樹脂製のシール剤6によって密閉したのち、図3に示す温度条件で計200分硬化し、平板状のFRPを得た。
【0049】
<ピンホール検査>
得られた平板状FRPのピンホール検査は次のようにして行った。平板状FRPのベースプレート接面側に白色チョークを押しつけながら全面を擦ったのち、表面を乾いた布などで軽く拭き取ることにより、ピンホールを顕在化させ、目視により個数を計測した。そして、その個数に応じて、表3のごとく5段階の評価をつけた。
【0050】
【表3】
【0051】
<ボイドの有無>
平板状FRPのボイドの有無については成形した平板状FRPを厚み方向に垂直に切断し、断面部位を幅30mmに渡り研磨し、倍率20倍で断面写真撮影を実施したその有無を確認した。
【0052】
(UDプリプレグの管状FRPの評価)
<管状FRPの製造方法>
UDプリプレグを、表面に離型剤を塗布したマンドレル(テーパー率17.81/1000)に対して、マンドレルの長手方向に対して強化繊維の配向角度が±45°となるように2プライ巻きつけた後、その上から、別のUDプリプレグを、マンドレルの長手方向に対して平行(0°)となるように3プライ巻き付けた。更にその上からで厚さ0.03mm、幅20mmのポリプロピレン製テープを、4kgの張力をかけながら2mmピッチでラッピングした後、硬化炉にて大径側を上にして吊下げ、図3に示す温度条件で計270分硬化させた。硬化後、マンドレルを脱芯して、上記ポリプロピレン製テープを取り外した。管状FRPを得た。
【0053】
<炉落ちの有無>
上記の方法で製造した管状FRPを10本用意し、得られた管状FRPの表面ついて炉落ちの有無を観察した。
・10本中、全く炉落ちがない場合…「無し」
・10本中、1本でも炉落ちがある場合…「有り」
【0054】
<ボイドの有無>
また、管状FRPを無作為に輪切りにし、その断面部位を研磨し、倍率20倍で断面写真撮影を実施し、ボイドの有無を確認した。
【0055】
(実施例1〜19)
実施例1〜19では、表4および表5に記載した成分からなるサイズ剤でサイジング処理した炭素繊維とエポキシ樹脂組成物を用いて、織物プリプレグを上述の方法で製造した。これらのプリプレグの外観と樹脂含浸性はいずれも極めて良好であり、またタック性評価も20℃、28℃のいずれの環境下においても良好なタック性を有していた。また、該プリプレグを用いて上述した条件で成形、硬化した平板状FRPには、いずれもボイドもピンホールも観察されなかった。
【0056】
(実施例20〜38)
実施例20〜38では、表6および7に記載した成分からなるサイズ剤でサイジング処理した炭素繊維とエポキシ樹脂組成物を用いて、上述の方法でUDプリプレグを製造した。それぞれ得られたの外観と樹脂含浸性はいずれも極めて良好であり、またタック性評価も20℃、28℃のいずれの環境下においても良好なタック性を有していた。また、該プリプレグを用いて上述した条件で成形、硬化した管状FRPには、いずれも炉落ちもボイドも観察されなかった。
【0057】
(比較例1〜9)
比較例1〜9では、表8に記載した成分からなるサイズ剤でサイジング処理した炭素繊維とエポキシ樹脂組成物を用いて、織物プリプレグを上述の方法で製造した。
【0058】
比較例1〜5では、織物プリプレグの外観と樹脂含浸性はいずれも比較的良好であったが、タック性評価においては20℃、および28℃の両方の環境下で良好なタック性を発現するものはなかった。また、該プリプレグを用いて上述した条件で成形、硬化した平板FRPには、いずれもボイド、ピンホールは観察されなかった。
【0059】
比較例6〜9では、織物プリプレグの外観と樹脂含浸性はいずれも比較的良好であったが、タック性評価においては20℃、および28℃の両方の環境下で良好なタック性を発現するものはなかった。また、該プリプレグを用いて上述した条件で成形、硬化した平板FRPには、いずれもボイド、ピンホールが発生していた。
【0060】
(比較例10〜18)
比較例10〜18では、表9に記載した成分からなるサイズ剤でサイジング処理した炭素繊維とエポキシ樹脂組成物を用いて、上述の方法でUDプリプレグを製造した。
【0061】
比較例10〜14でそれぞれ得られた炭素繊維布プリプレグの外観と樹脂含浸性はいずれも、樹脂の沈み込みが遅く、タック性評価についても20℃の環境においても良好なタック性は発現されなかった。また、該プリプレグを用いて上述した条件で成形、硬化した平板FRPには、いずれもボイド、ピンホールが多数発生していた。
【0062】
比較例15〜18でそれぞれ得られたUDプリプレグの外観と樹脂含浸性はいずれも、樹脂の沈み込みが遅く、タック性評価についても20℃の環境においても良好なタック性は発現されなかった。また、該プリプレグを用いて上述した条件で成形、硬化したシャフトFRPには、いずれも炉落ち、ボイドが多数発生していた。
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
【表6】
【0066】
【表7】
【0067】
【表8】
【0068】
【表9】
【0069】
【発明の効果】
本発明のプリプレグは樹脂の含浸性に優れ、これにより適度な作業性を実現し、且つ真空バッグ成形、内圧成形等の成形法で成形体に欠陥がなく、優れた複合材料特性を有する成形体が得られる。また、このプリプレグを用いて得られる管状FRPを製造する際の炉落ちがない。この様に、繊維強化複合材料の信頼性の向上、生産性の向上、積層・成形作業性の向上など、きわめて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた真空バッグ成形法の説明図である。
【図2】実施例で平板FRPを製造する際の温度条件を示すグラフである。
【図3】実施例で管状FRPを製造する際の温度条件を示すグラフである。
【符号の説明】
1:プリプレグ積層体
2:ベースプレート
3:離形フィルム
4:不織布
5:バギングフィルム
6:シール材
Claims (9)
- 100℃における表面エネルギーが35mJ/m2以下の熱硬化性樹脂組成物を強化繊維からなる補強材に含浸してなるプリプレグ。
- 熱硬化性樹脂組成物がエポキシ樹脂である請求項1記載のプリプレグ。
- 強化繊維が、下記成分(A)100質量部に対し成分(B)10〜75質量部を含有し、しかも成分(A)と成分(B)との合計が全成分中の50質量%以上であるサイズ剤によりサイジング処理されたものである請求項1または2記載のプリプレグ。
成分(A):125℃における表面エネルギーが17〜34mJ/m2であり分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物
成分(B):125℃における表面エネルギーが35mJ/m2以上の分子中に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物 - 強化繊維の表面に付着しているサイズ剤の量が、サイジング処理後の強化繊維の0.1〜5質量%である請求項3記載のプリプレグ。
- 強化繊維が炭素繊維である請求項1〜4いずれか一項記載のプリプレグ。
- 補強材の形態が強化繊維を一方向に引き揃えたシート状物である請求項1〜5いずれか一項記載のプリプレグ。
- 補強材の形態が織物である請求項1〜5いずれか一項記載のプリプレグ。
- 所定の形状に切断した請求項6記載のプリプレグを、マンドレルに、繊維の配向方向がマンドレルの長手方向に対して±30°〜±60°となるように巻きつけ、その上からさらに繊維の配向方向がマンドレルの長手方向に対して平行になるように巻きつけた後、加熱硬化する管状繊維強化複合材料成形品の製造方法。
- 請求項1〜7いずれか一項記載のプリプレグを複数枚用いて、真空バッグ成形法により所望の形状に成形する繊維強化複合材料成形品の製造方法。
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