JP2004268440A - プリプレグ並びにその製造方法および繊維強化複合材料の製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は繊維強化複合材料の成形体を製造する際に用いられるプリプレグ並びにその製造方法および該プリプレグを用いて得られる繊維強化複合材料の製造方法であり、特に、真空バッグ成形法に好適に用いられるプリプレグを提供する。
【解決手段】強化繊維織物に樹脂組成物を含浸してなるプリプレグであって、少なくとも片側表面が、表面に樹脂組成物が存在する樹脂含浸部分(島部)と、表面に樹脂組成物が存在しない繊維部分(海部)とからなる海島状となっており、海島状になっている面の、樹脂の表面被覆率が3%以上80%以下であり、下記式(1)で表される島部の織り目占有率が40%以上であるプリプレグを用いる。
島部の織り目占有率(%)=(T/Y)×100・・・・・・(1)
(T:島部の数、Y:海島状になっている面側にある強化繊維織物の織り目の数)
【選択図】図1
【解決手段】強化繊維織物に樹脂組成物を含浸してなるプリプレグであって、少なくとも片側表面が、表面に樹脂組成物が存在する樹脂含浸部分(島部)と、表面に樹脂組成物が存在しない繊維部分(海部)とからなる海島状となっており、海島状になっている面の、樹脂の表面被覆率が3%以上80%以下であり、下記式(1)で表される島部の織り目占有率が40%以上であるプリプレグを用いる。
島部の織り目占有率(%)=(T/Y)×100・・・・・・(1)
(T:島部の数、Y:海島状になっている面側にある強化繊維織物の織り目の数)
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維強化複合材料(以下、FRPという。)の製造方法と、FRPを製造する際に用いるプリプレグ並びにその製造方法であり、特に、真空バッグ成形法に好適に用いることのできるプリプレグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
FRPを製造するにあたっては、その中間材料としてプリプレグを用いることが多い。プリプレグとは連続繊維の強化繊維からなるシートや織物等に未硬化の樹脂組成物を含浸したものである。そして、これらプリプレグを積層したものを、所望の形状に成形しながら硬化させることで、FRPが得られる。
【0003】
FRPを得る成形方法の一つとして、例えば、特許文献1に示すオートクレーブを用いる方法がある。オートクレーブは、約4〜10気圧の高圧で加熱しながら成形するので、成形品中のボイドを低減し、成形品の強度を期待された通りに発現させ、また表面のピンホールの発生を抑え、外観のきれいな成形品を得ることができる。
【0004】
しかしながら、オートクレーブの設備は非常に高価なため、新規に導入することは困難であるばかりでなく、一旦導入するとそのオートクレーブの大きさにより成形品の大きさが制限され、それより大きな成形品の製造が事実上不可能となる。
【0005】
このような問題に対し、脱オートクレーブ、低コスト成形の開発が盛んに行われている。その代表的なものとしては、特許文献2に示すような、真空バッグ成形(またはオーブン成形などとも呼ばれる。)がある。真空バッグ成形は、プリプレグや型に大気圧以上の圧力は加わらないので、オートクレーブのような耐圧力容器でなくても良く、温度さえ上げることができる炉(オーブン)があれば成形でき、断熱ボードと熱風ヒーターといった簡便な設備でも成形可能である。
【0006】
ただ、真空バッグ成形には、成形品中にボイドが残りやすく、成形品はオートクレーブでの成形品に比べて強度が低い、あるいは表面にピンホールが発生するという問題があった。
【0007】
特に、プリプレグの両表面に樹脂組成物が過剰に存在する状態では、プリプレグ内部の空気だまりが、樹脂組成物に遮られてFRP外に放出されず、成形後も内部のボイドや表面のピンホールとして残ってしまい、外観の悪化や機械物性の低下の原因となっていた。
【0008】
この対策として、プリプレグに空気を脱気するための通り道(脱気回路)を設ける方法が検討されている。
【0009】
例えば、特許文献3には、強化繊維シートの片面に部分的に含浸したプリプレグが開示されており、これによると、この樹脂組成物が片側のみ含浸されたプリプレグは、複数枚のプリプレグを積層し硬化させる際、樹脂組成物が含浸していない強化繊維層が内部の空気や揮発分を逃がす脱気回路として機能するため、ボイドやピンホールが生じるのを防止できるとしている。
【0010】
しかしながら、特許文献3に記載されたプリプレグは、表面付近にはほとんど樹脂組成物がほとんど存在していないため、プリプレグを積層する際や、型に貼り付ける際に、樹脂組成物による接着性(以下、タックという。)が弱いため固定させることが困難となるため、成形前の賦型時や成形時の取り扱い性が良くない。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−128778号公報
【特許文献2】
特開2002−159613号公報
【特許文献3】
米国特許明細書 6139942号
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、特に真空バッグ成形法に好適の用いることの出来る、樹脂組成物が部分的に含浸されているため脱気回路を有しつつ、適度なタックを有すため取り扱いが容易であるプリプレグを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題点を解決すべくなされたものである。すなわち、強化繊維織物に樹脂組成物を含浸してなるプリプレグであって、少なくとも片側表面が、表面に樹脂組成物が存在する樹脂含浸部分(島部)と、表面に樹脂組成物が存在しない繊維部分(海部)とからなる海島状となっており、海島状になっている面の、樹脂の表面被覆率が3%以上80%以下、下記式(1)で表される島部の織り目占有率が40%以上であるプリプレグ。
島部の織り目占有率(%)=(T/Y)×100・・・・・・・・(1)
(T:島部の数、Y:海島状になっている面側にある強化繊維織物の織り目の数)
【0014】
【発明の実施の形態】
(強化繊維織物)
本発明のプリプレグは、強化繊維織物に樹脂組成物を含浸してなるプリプレグである。織物を形成する強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、金属繊維等を用いることが可能であるが、中でも、炭素繊維が成形後の機械的特性が良好でありかつ軽量であることから特に好適に用いられる。また、織物の形態は、平織、綾織、朱子織、一方向に引き揃えた長繊維をステッチングしたステッチングシート、簾織等があげられる。さらに、経糸と緯糸で異なる繊維を用いても差し支えない。
【0015】
また、本発明で用いられる強化繊維織物は、その繊維目付が1500g/m2以下のものが好適に用いられる。繊維目付けが1500g/m2を超えると強化繊維の密度が高すぎて機械物性に優れたものを得るものが難しくなる。更に好ましくは1000g/m2以下であることが好ましい。繊維目付の下限については、特に限定されないが、50g/m2以上、さらには75g/m2以上であることが好ましい。50g/m2未満であると、大型のFRPを得る場合に、積層するプリプレグの枚数を増やす必要が出てくるので、コスト増加につながる恐れがある。
【0016】
(樹脂組成物)
本発明のプリプレグに用いることのできる樹脂組成物の種類は、特に限定されず、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステルとビスマレイミド樹脂を組み合わせたBT樹脂などの熱硬化性樹脂やアクリル樹脂やポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。特に、熱硬化性樹脂は得られるFRPの強度向上につながるので好ましく、中でもエポキシ樹脂は、強化繊維との接着性に優れることによって、得られるFRPの機械物性が向上するため、特に好適な例として挙げられる。
【0017】
エポキシ樹脂としては、例えば2官能樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂あるいはこれらを用いた変性樹脂や、3官能以上の多官能性エポキシ樹脂であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンやトリス(グリシジルオキシメタン)のようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、あるいはこれらを用いた変性樹脂およびこれら樹脂を少なくとも1種類以上を組み合わせた樹脂組成物を適用しても構わない。
【0018】
またこれらエポキシ樹脂組成物にジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ポリメルカプタン、三フッ化硼素エチルアミン錯体等の硬化剤、あるいはエポキシ樹脂と前記硬化剤一部を予備反応させた物を樹脂組成物に配合することもできる。さらに、3―(3、4―ジクロロフェニル)―1、1、ジメチル尿素やフェニルジメチルウレア等の硬化触媒も配合すると硬化時間が短くなり、成形時間を短縮できる。
【0019】
さらに、本発明における熱硬化性樹脂は、最低粘度が1000ポイズ以下であることが好ましい。最低粘度が1000ポイズを超えるような粘度の高い樹脂組成物を用いると、樹脂組成物の流動性が悪くなる。本発明のプリプレグは、成形時に役目を果たした脱気回路に樹脂組成物が充填されていくが、樹脂組成物の流動性が悪いと充填が完了する前に、成形が終了してしまい、残った脱気回路がボイドとなる恐れがあるため、樹脂目付を増やさねばならず、コストがかかるため好ましくない。よって、最低粘度は小さい方がよく、特に500ポイズ以下であることが好ましい。
【0020】
なお、本発明における最低粘度とは、熱硬化性樹脂を室温から昇温速度を5℃/分で昇温したとき、熱硬化性樹脂の粘度が最も低くなる点の粘度を指す。熱硬化性樹脂の最低粘度は、室温付近から5℃/分で昇温中の熱硬化性樹脂の動的粘弾性を測定することにより求めることができる。
【0021】
(プリプレグの形態)
本発明のプリプレグは、少なくとも片側表面が、表面に樹脂組成物が存在する樹脂含浸部分(島部)と、表面に樹脂組成物が存在しない繊維部分(海部)とからなる海島状となっており、海島状になっている面の樹脂の表面被覆率が3%以上80%以下であることを特徴としている。
【0022】
まず、海島状について図面を用いて説明する。図1は平織の強化繊維織物に片面が海島状となるように樹脂組成物を含浸した、本発明のプリプレグの模式図である。このように本発明のプリプレグは、強化繊維3で製織された織物の表面が、島部1と海部2からなっている。そして、このように、島部が表面上に点在することで、プリプレグの成形時に海部が脱気回路となるのである。
【0023】
本発明のプリプレグは、海島状になっている面の表面被覆率が3%以上80%以下あることが必要である。ここで、表面被覆率とは、プリプレグの海島状になっている面の表面積に対する島部の面積の割合を指す。
表面被覆率が3%未満であると、特にプリプレグの海島状になっている面のタックが弱すぎるため、プリプレグの取り扱い性が悪くなる。一方、80%を越えると、プリプレグの脱気回路がほとんど閉塞するため、ボイドやピンホールの原因となる。タックと脱気回路の大きさとのバランスを考慮すると、表面被覆率は5%以上が好ましく、60%以下が特に好ましい。
【0024】
また、本発明のプリプレグは、海島状になっている面の、下記式(1)で表される島部の織り目占有率が40%以上である。
島部の織り目占有率(%)=(T/Y)×100・・・・・・・・(1)
ここで、Tは島部の数、Yは海島状になっている面側にある強化繊維織物の織り目の数である。なお、本発明における織り目とは、たて糸端部と緯糸端部の交点を指す。
【0025】
例えば、図1では、強化繊維織物の織り目4を被覆している島部は11個、すなわちT=11である。一方、この図では、Y=15であるから、この場合の島部の織り目占有率は、(11/15)×100=73%である。
【0026】
一方、図2のような場合を考えると、図2における島部の織り目占有率は、T=3、Y=15であるから(3/15)×100=20%である。このように、樹脂の表面被覆率が3%以上80%以下である場合に、島部の織り目占有率が40%未満となると、図2のように、海島状になっている面に、海部が島部に取り囲まれている部分が存在する確率が高くなる。この場合、成形時に脱気回路を通って表面に出てきた空気が行き場を失って、ピンホールとなって残る恐れがあるため好ましくない。
【0027】
なお、両面が海島状となっている場合、表面被覆率は両面ともに3%以上80%以下であることが必要であり、島部の織り目占有率は、両面ともに40%以上であることが好ましい。
【0028】
(プリプレグの製造方法)
本発明のプリプレグを製造する方法は、樹脂担持シートに樹脂組成物を塗布し、この樹脂担持シート上に塗布した樹脂組成物を強化繊維織物の一方の面に貼り、次に、強化繊維織物の他方の面に異物の付着等を防止する保護用のフィルムを貼った後、加熱および/または加圧して樹脂組成物を強化繊維織物に含浸し、保護フィルム側の強化繊維織物表面を表面に樹脂組成物が存在する樹脂含浸部分(島部)と、表面に樹脂組成物が存在しない繊維部分(海部)とからなる海島状とするプリプレグとする方法が、生産性等を考慮する上で最も好ましい。
このときの加熱条件は使用する樹脂組成物の粘度が5000p以下となる温度、加圧条件を線圧:0.5〜8kg/cm2(49〜780kPa)であれば特に好ましく、適度な脱気回路を有するプリプレグが製造できる。エポキシ樹脂組成物の場合、樹脂組成物の粘度が5000p以下となる温度は40℃〜80℃である。
【0029】
本発明のプリプレグの製造方法で用いる保護フィルムとしては、樹脂組成物と剥離性良好なものが好ましく、この例として表面をシリコーン処理した離型紙やポリエチレンフィルムなどが挙げられる。
また、樹脂担持シートとしても、離型紙やポリオレフィン等からなる樹脂フィルムを用いることができる。さらに、樹脂組成物を塗布する場合に、凹凸面を有する樹脂担持シートを用い、この樹脂担持シートに樹脂組成物を塗布し、この樹脂担時シートの樹脂組成物塗布面と強化繊維織物を貼り付けて、樹脂担時シートの凸部に塗布した樹脂組成物のみを強化繊維織物に転写し含浸して海島状とする方法とする方法も好ましく用いることができる。
【0030】
この方法で、本発明のプリプレグを製造すると、樹脂組成物は、主に強化繊維織物の織り目からプリプレグ内部に含浸し、反対側(保護フィルム側)の織り目からしみ出して表面付近の強化繊維に含浸される。このため、この方法では、織り目部分を被覆していない島部はほとんどない。
【0031】
また、上記方法以外に、海島状とする面に直接樹脂組成物を均一もしくは不均一に塗布する、または樹脂担持シートを貼り付けることにより含浸することも可能であるが、この場合も前述したように、樹脂組成物は、織物の織り目を通って反対側の面に向けて含浸するので、含浸後、ほとんど全ての樹脂組成物は、織り目を被覆した島部と連なっている。
ただ、この方法でも製造はできるが、表面被覆率および島部の織り目占有率を好ましい値とするための含浸条件(温度および圧力)の調整に熟練を要する。
よって、本発明のプリプレグをいかなる方法で製造しても、含浸時に樹脂組成物は、織り目をとおって織物表面から内部に染み込み、また反対側表面織り目からしみ出して含浸するため、織り目を含浸していない島部はほぼないと考えてよい。
【0032】
(FRPの製造方法)
本発明のプリプレグを用いてFRPを製造する際には、真空バッグ成形法が最も好ましいが、オートクレーブを用いた成形やプレス成形法を用いても差し支えない。
【0033】
本発明のFRPの製造方法においては、150℃以下の一次硬化温度で10分以上一次硬化したのち、さらに一次硬化温度以上の温度で硬化する方法が好ましい。特に、一次硬化を100℃以下行うことは、金型の代わりに樹脂製の型を用いることが出来ること、スチームのみによる加熱が出来ことから、コスト低減につながるので特に好ましい。
【0034】
さらに、一次硬化終了後、脱型したのち、再び一次硬化温度以上の温度で硬化すると高温域での成形時間を更に短縮できるので好ましい。
【0035】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例において、樹脂組成物の最低粘度、プリプレグの表面被覆率、島部の織り目占有率、および
、プリプレグから得られるFRPの外観(ピンホールの有無)並びに層間ボイドの有無は以下のように測定した。
【0036】
(最低粘度)
レオメトリックス社製粘弾性測定装置(RDA200)を用い、昇温速度5℃/分、角速度10rad/secで室温(23℃)から150℃までの昇温粘度測定を実施した。その際に示す粘度のうち最も低いものを、その樹脂組成物の最低粘度とした。
【0037】
(表面被覆率)
海島状となっているプリプレグ表面に、平滑かつ透明な厚み20μmのポリエチレンフィルムを、40℃、圧力1atomの金属製加圧加熱ロールで5m/minの速度で貼り付けた。その表面を200万画素以上のCCDカメラで撮影し、旭エンジニアリング株式会社製画像解析システム「高精細画像解析“IP1000”」を用いて熱硬化性樹脂がポリエチレンフィルムに貼り着き色調が変化した部位の面積を、熱硬化性樹脂により被覆された面積として、この値とプリプレグの全表面積との比から表面被覆率を求めた。
【0038】
(島部の織り目占有率)
表面被覆率測定方法と同様に、プリプレグに、平滑かつ透明な厚み20μmのポリエチレンフィルムを、40℃、圧力1atomの金属製加圧加熱ロールで5m/minの速度で貼り付け、10cm×10cmに裁断した後、そのポリエチレンフィルムを貼り付けたプリプレグ表面をCCDカメラで撮影し、上記画像解析システムを用いて熱硬化性樹脂がポリエチレンフィルムに貼り着き色調が変化した部位の個数(T:島部の数)を測定した。
その後、ポリエチレンフィルムを剥ぎ取り、プリプレグ表面をCCDカメラで撮影し、画像解析装置を用いて、海島状になっている面側にある強化繊維織物の織り目の数(Y)を測定し、式(1)から島部の織り目占有率を算出した。
【0039】
(FRP外観評価(ピンホールの有無))
後述する方法によって、製造した平板のFRPの表面にチョークを押しつけながら全面を擦ったのち、表面を乾いたキムワイプで軽く拭き取ることによりピンホール有無を顕在化させ、ピンホールの有無を評価した。
【0040】
(FRPのボイドの有無)
ピンホールの有無を確認した平板のFRPの中心付近を、厚み方向に垂直に切断し、その断面を倍率20倍で写真撮影をした。その断面写真の観察によりボイドの有無を評価した。
【0041】
上記プロセスにより成形した平板成形板表面のベースプレート側に白色チョークを押しつけながら全面を擦った。平板成形板表面を乾いたキムワイプで軽く拭き取ることによりピンホール有無を顕在化させ、ピンホールの有無を評価した。
【0042】
(タック評価)
温度23℃湿度50%の環境下で厚み2mmの離型剤により処理した鉄板を、地面に対し垂直に立てたのち縦10cm×横10cmに切断したプリプレグを貼り付け、1分間放置後も剥がれず鉄板に貼り付いている物についてプリプレグ表面のタック良好と判断した。
【0043】
(実施例1)
エポキシ樹脂組成物(三菱レイヨン(株)製 ♯340、最低粘度20ポイズ)を、ロールコーターで片側表面が離型処理されている離型紙に単位面積あたり133g/m2で均一に塗布した。その樹脂担持シートの樹脂組成物側に三菱レイヨン製炭素繊維織物(TRK510(繊維目付:650g/m2))を貼り付けた。さらにその炭素繊維織物側から上記と同様の離型紙の離型処理を施してある面を炭素繊維織物側にして重ね合わせた。これらを40℃に加熱した二対のロールで加圧および加熱することによりプリプレグを得た。
得られたプリプレグは樹脂組成物の表面被覆率は3%であり、樹脂組成物が表面に存在している島部の織り目占有率は60%であった。また、作業性評価の結果、鉄板に良好に貼り付きタックも良好と判断された。
【0044】
このプリプレグを用いて、次の方法でFRPを製造した。
プリプレグを縦20cm×横20cmに切断したものを、10枚を積層した。
この積層体を表面が離型剤により処理された鉄製のベースプレート(厚み2mm)に配置した。さらにその上から10cm間隔で直径2mmの穴が空いているポリテトラフルオロエチレンフィルム、目付20g/m2のナイロン製布、目付40g/m2のガラス繊維不織布の順に被せた。それらをナイロンフィルムで覆い密閉した。そして、ナイロンフィルムで密閉した空間内部を600mmHg以下を保つように減圧しながら、昇温速度2℃/分で室温から130℃まで昇温後、130℃で2時間保持することで、FRPを得た。
得られたFRPについて、上述の評価を実施したところ、成形されたFRPのベースプレート側表面外観はピンホールがなく良好であり、断面写真観察においても層間および層内にボイドは観察されなかった。
【0045】
(実施例2〜5)
実施例1と同様の樹脂組成物および強化繊維織物を用い、40℃に加熱したロールでの加圧および加熱を数回実施することで表面被覆率が表1のような記載した繊維強化織物プリプレグをそれぞれ作成した。いずれのプリプレグも島部の織り目占有率は60%であった。
これらのプリプレグを、実施例1と同様に評価した結果、いずれもプリプレグの取り扱い性は良好であり、得られたFRPも外観が良好でボイドも見られなかった。
【0046】
(実施例6、7)
実施例2と同様にして、樹脂組成物の表面被覆率が40%となるようにプリプレグを作成した。加熱加圧ロールでの含浸の回数を調整して島部の織り目占有率がそれぞれ100%および50%のプリプレグを得た。これらのプリプレグを、実施例1と同様に評価した結果、いずれもプリプレグの取り扱い性は良好であり、得られたFRPも外観が良好かつ層内・層間ボイドも見られなかった。
【0047】
【表1】
【0048】
(実施例8〜12)
実施例8では含浸時の温度を60℃とし、実施例9および10ではエポキシ樹脂組成物を表2に示したように高くし、実施例11および実施例12では使用する炭素繊維織物の目付が表2のような織物とした以外は、実施例1と同様にプリプレグを作成した。いずれのプリプレグもタックは良好で、得られたFRPの外観も良好でボイドも観察されなかった。
【0049】
(実施例13、14)
実施例13では、最低粘度を1100ポイズ、実施例14では、繊維目付を1600g/m2とし、他は、表2に示した値とした以外は、実施例1と同様にプリプレグを作成した。これらのプリプレグのタックは良好であった。一方、このプリプレグから得られるFRPは、内部ボイドは観察されたが、ピンホールはない物が得られた。
【0050】
(実施例15)
離型紙に単位面積あたり266g/m2で均一に塗布した以外は、実施例1と同様に、二対の加熱ロールで加圧加熱まで行ったのち、樹脂担時シートを剥ぎ取り、その面にTR3110を貼り付け、さらに後から貼り付けたTR3110側から上記と同様の離型紙を重ね合わせ、再び40℃に加熱した二対の加熱ロールで加圧加熱後、後から重ね合わせた離型紙を剥ぎ取り、両面が海島状になっているプリプレグを得た。
得られたプリプレグの表面被覆率は、両面合わせて50%であり、島部の織り目占有率は60%であった。このプリプレグも、鉄板に良好に貼り付きタックも良好と判断された。また、このプリプレグを用いて上述の成形評価を実施したところ、成形されたFRPの表面はピンホールがなく外観が良好であり、ボイドも観察されなかった。
【0051】
【表2】
【0052】
(比較例1〜3)
表3に示した、表面被覆率、島部の織り目占有率、繊維目付、の値とした以外は実施例1と同様にプリプレグを作成し、評価を実施した。その結果、表面被覆率が、実施例1に比べ低い比較例1はタックが弱く、取り扱い性が悪いものであった。一方、実施例1に比べ表面被覆率が高すぎる比較例2、および、実施例1に比べ島部の織り目占有率が低い比較例3は、ピンホールや層間ボイドが観察され、外観および機械物性を満足するものは得られなかった。
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】
プリプレグの少なくとも片側表面を島部と、海部とからなる海島状とし、海島状になっている面の表面被覆率を3%以上80%以下、島部の織り目占有率を40%以上とすることによって、特に真空バッグ成形法に好適の用いることの出来る、樹脂組成物が部分的に含浸されているため脱気回路を有しつつ、適度なタックを有すため取り扱いが容易であるプリプレグが得られた。このプリプレグを用いて得られるFRPは、外観が良好で機械物性にも優れているので、航空機、鉄道車両等の部材に好適に用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリプレグの表面の模式図である。
【図2】島部の織り目占有率プリプレグの表面の模式図の例である。
【符号の説明】
1・・・実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分(島部)
2・・・実質的に含浸樹脂が存在しない繊維部分(海部)
3・・・織物を構成する強化繊維
4・・・強化繊維織物の織り目
【発明の属する技術分野】
本発明は繊維強化複合材料(以下、FRPという。)の製造方法と、FRPを製造する際に用いるプリプレグ並びにその製造方法であり、特に、真空バッグ成形法に好適に用いることのできるプリプレグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
FRPを製造するにあたっては、その中間材料としてプリプレグを用いることが多い。プリプレグとは連続繊維の強化繊維からなるシートや織物等に未硬化の樹脂組成物を含浸したものである。そして、これらプリプレグを積層したものを、所望の形状に成形しながら硬化させることで、FRPが得られる。
【0003】
FRPを得る成形方法の一つとして、例えば、特許文献1に示すオートクレーブを用いる方法がある。オートクレーブは、約4〜10気圧の高圧で加熱しながら成形するので、成形品中のボイドを低減し、成形品の強度を期待された通りに発現させ、また表面のピンホールの発生を抑え、外観のきれいな成形品を得ることができる。
【0004】
しかしながら、オートクレーブの設備は非常に高価なため、新規に導入することは困難であるばかりでなく、一旦導入するとそのオートクレーブの大きさにより成形品の大きさが制限され、それより大きな成形品の製造が事実上不可能となる。
【0005】
このような問題に対し、脱オートクレーブ、低コスト成形の開発が盛んに行われている。その代表的なものとしては、特許文献2に示すような、真空バッグ成形(またはオーブン成形などとも呼ばれる。)がある。真空バッグ成形は、プリプレグや型に大気圧以上の圧力は加わらないので、オートクレーブのような耐圧力容器でなくても良く、温度さえ上げることができる炉(オーブン)があれば成形でき、断熱ボードと熱風ヒーターといった簡便な設備でも成形可能である。
【0006】
ただ、真空バッグ成形には、成形品中にボイドが残りやすく、成形品はオートクレーブでの成形品に比べて強度が低い、あるいは表面にピンホールが発生するという問題があった。
【0007】
特に、プリプレグの両表面に樹脂組成物が過剰に存在する状態では、プリプレグ内部の空気だまりが、樹脂組成物に遮られてFRP外に放出されず、成形後も内部のボイドや表面のピンホールとして残ってしまい、外観の悪化や機械物性の低下の原因となっていた。
【0008】
この対策として、プリプレグに空気を脱気するための通り道(脱気回路)を設ける方法が検討されている。
【0009】
例えば、特許文献3には、強化繊維シートの片面に部分的に含浸したプリプレグが開示されており、これによると、この樹脂組成物が片側のみ含浸されたプリプレグは、複数枚のプリプレグを積層し硬化させる際、樹脂組成物が含浸していない強化繊維層が内部の空気や揮発分を逃がす脱気回路として機能するため、ボイドやピンホールが生じるのを防止できるとしている。
【0010】
しかしながら、特許文献3に記載されたプリプレグは、表面付近にはほとんど樹脂組成物がほとんど存在していないため、プリプレグを積層する際や、型に貼り付ける際に、樹脂組成物による接着性(以下、タックという。)が弱いため固定させることが困難となるため、成形前の賦型時や成形時の取り扱い性が良くない。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−128778号公報
【特許文献2】
特開2002−159613号公報
【特許文献3】
米国特許明細書 6139942号
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、特に真空バッグ成形法に好適の用いることの出来る、樹脂組成物が部分的に含浸されているため脱気回路を有しつつ、適度なタックを有すため取り扱いが容易であるプリプレグを提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題点を解決すべくなされたものである。すなわち、強化繊維織物に樹脂組成物を含浸してなるプリプレグであって、少なくとも片側表面が、表面に樹脂組成物が存在する樹脂含浸部分(島部)と、表面に樹脂組成物が存在しない繊維部分(海部)とからなる海島状となっており、海島状になっている面の、樹脂の表面被覆率が3%以上80%以下、下記式(1)で表される島部の織り目占有率が40%以上であるプリプレグ。
島部の織り目占有率(%)=(T/Y)×100・・・・・・・・(1)
(T:島部の数、Y:海島状になっている面側にある強化繊維織物の織り目の数)
【0014】
【発明の実施の形態】
(強化繊維織物)
本発明のプリプレグは、強化繊維織物に樹脂組成物を含浸してなるプリプレグである。織物を形成する強化繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、金属繊維等を用いることが可能であるが、中でも、炭素繊維が成形後の機械的特性が良好でありかつ軽量であることから特に好適に用いられる。また、織物の形態は、平織、綾織、朱子織、一方向に引き揃えた長繊維をステッチングしたステッチングシート、簾織等があげられる。さらに、経糸と緯糸で異なる繊維を用いても差し支えない。
【0015】
また、本発明で用いられる強化繊維織物は、その繊維目付が1500g/m2以下のものが好適に用いられる。繊維目付けが1500g/m2を超えると強化繊維の密度が高すぎて機械物性に優れたものを得るものが難しくなる。更に好ましくは1000g/m2以下であることが好ましい。繊維目付の下限については、特に限定されないが、50g/m2以上、さらには75g/m2以上であることが好ましい。50g/m2未満であると、大型のFRPを得る場合に、積層するプリプレグの枚数を増やす必要が出てくるので、コスト増加につながる恐れがある。
【0016】
(樹脂組成物)
本発明のプリプレグに用いることのできる樹脂組成物の種類は、特に限定されず、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、マレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、シアン酸エステルとビスマレイミド樹脂を組み合わせたBT樹脂などの熱硬化性樹脂やアクリル樹脂やポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。特に、熱硬化性樹脂は得られるFRPの強度向上につながるので好ましく、中でもエポキシ樹脂は、強化繊維との接着性に優れることによって、得られるFRPの機械物性が向上するため、特に好適な例として挙げられる。
【0017】
エポキシ樹脂としては、例えば2官能樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂あるいはこれらを用いた変性樹脂や、3官能以上の多官能性エポキシ樹脂であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾール型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンやトリス(グリシジルオキシメタン)のようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、あるいはこれらを用いた変性樹脂およびこれら樹脂を少なくとも1種類以上を組み合わせた樹脂組成物を適用しても構わない。
【0018】
またこれらエポキシ樹脂組成物にジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、脂肪族アミン、イミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、テトラメチルグアニジン、チオ尿素付加アミン、カルボン酸ヒドラジド、カルボン酸アミド、ポリフェノール化合物、ポリメルカプタン、三フッ化硼素エチルアミン錯体等の硬化剤、あるいはエポキシ樹脂と前記硬化剤一部を予備反応させた物を樹脂組成物に配合することもできる。さらに、3―(3、4―ジクロロフェニル)―1、1、ジメチル尿素やフェニルジメチルウレア等の硬化触媒も配合すると硬化時間が短くなり、成形時間を短縮できる。
【0019】
さらに、本発明における熱硬化性樹脂は、最低粘度が1000ポイズ以下であることが好ましい。最低粘度が1000ポイズを超えるような粘度の高い樹脂組成物を用いると、樹脂組成物の流動性が悪くなる。本発明のプリプレグは、成形時に役目を果たした脱気回路に樹脂組成物が充填されていくが、樹脂組成物の流動性が悪いと充填が完了する前に、成形が終了してしまい、残った脱気回路がボイドとなる恐れがあるため、樹脂目付を増やさねばならず、コストがかかるため好ましくない。よって、最低粘度は小さい方がよく、特に500ポイズ以下であることが好ましい。
【0020】
なお、本発明における最低粘度とは、熱硬化性樹脂を室温から昇温速度を5℃/分で昇温したとき、熱硬化性樹脂の粘度が最も低くなる点の粘度を指す。熱硬化性樹脂の最低粘度は、室温付近から5℃/分で昇温中の熱硬化性樹脂の動的粘弾性を測定することにより求めることができる。
【0021】
(プリプレグの形態)
本発明のプリプレグは、少なくとも片側表面が、表面に樹脂組成物が存在する樹脂含浸部分(島部)と、表面に樹脂組成物が存在しない繊維部分(海部)とからなる海島状となっており、海島状になっている面の樹脂の表面被覆率が3%以上80%以下であることを特徴としている。
【0022】
まず、海島状について図面を用いて説明する。図1は平織の強化繊維織物に片面が海島状となるように樹脂組成物を含浸した、本発明のプリプレグの模式図である。このように本発明のプリプレグは、強化繊維3で製織された織物の表面が、島部1と海部2からなっている。そして、このように、島部が表面上に点在することで、プリプレグの成形時に海部が脱気回路となるのである。
【0023】
本発明のプリプレグは、海島状になっている面の表面被覆率が3%以上80%以下あることが必要である。ここで、表面被覆率とは、プリプレグの海島状になっている面の表面積に対する島部の面積の割合を指す。
表面被覆率が3%未満であると、特にプリプレグの海島状になっている面のタックが弱すぎるため、プリプレグの取り扱い性が悪くなる。一方、80%を越えると、プリプレグの脱気回路がほとんど閉塞するため、ボイドやピンホールの原因となる。タックと脱気回路の大きさとのバランスを考慮すると、表面被覆率は5%以上が好ましく、60%以下が特に好ましい。
【0024】
また、本発明のプリプレグは、海島状になっている面の、下記式(1)で表される島部の織り目占有率が40%以上である。
島部の織り目占有率(%)=(T/Y)×100・・・・・・・・(1)
ここで、Tは島部の数、Yは海島状になっている面側にある強化繊維織物の織り目の数である。なお、本発明における織り目とは、たて糸端部と緯糸端部の交点を指す。
【0025】
例えば、図1では、強化繊維織物の織り目4を被覆している島部は11個、すなわちT=11である。一方、この図では、Y=15であるから、この場合の島部の織り目占有率は、(11/15)×100=73%である。
【0026】
一方、図2のような場合を考えると、図2における島部の織り目占有率は、T=3、Y=15であるから(3/15)×100=20%である。このように、樹脂の表面被覆率が3%以上80%以下である場合に、島部の織り目占有率が40%未満となると、図2のように、海島状になっている面に、海部が島部に取り囲まれている部分が存在する確率が高くなる。この場合、成形時に脱気回路を通って表面に出てきた空気が行き場を失って、ピンホールとなって残る恐れがあるため好ましくない。
【0027】
なお、両面が海島状となっている場合、表面被覆率は両面ともに3%以上80%以下であることが必要であり、島部の織り目占有率は、両面ともに40%以上であることが好ましい。
【0028】
(プリプレグの製造方法)
本発明のプリプレグを製造する方法は、樹脂担持シートに樹脂組成物を塗布し、この樹脂担持シート上に塗布した樹脂組成物を強化繊維織物の一方の面に貼り、次に、強化繊維織物の他方の面に異物の付着等を防止する保護用のフィルムを貼った後、加熱および/または加圧して樹脂組成物を強化繊維織物に含浸し、保護フィルム側の強化繊維織物表面を表面に樹脂組成物が存在する樹脂含浸部分(島部)と、表面に樹脂組成物が存在しない繊維部分(海部)とからなる海島状とするプリプレグとする方法が、生産性等を考慮する上で最も好ましい。
このときの加熱条件は使用する樹脂組成物の粘度が5000p以下となる温度、加圧条件を線圧:0.5〜8kg/cm2(49〜780kPa)であれば特に好ましく、適度な脱気回路を有するプリプレグが製造できる。エポキシ樹脂組成物の場合、樹脂組成物の粘度が5000p以下となる温度は40℃〜80℃である。
【0029】
本発明のプリプレグの製造方法で用いる保護フィルムとしては、樹脂組成物と剥離性良好なものが好ましく、この例として表面をシリコーン処理した離型紙やポリエチレンフィルムなどが挙げられる。
また、樹脂担持シートとしても、離型紙やポリオレフィン等からなる樹脂フィルムを用いることができる。さらに、樹脂組成物を塗布する場合に、凹凸面を有する樹脂担持シートを用い、この樹脂担持シートに樹脂組成物を塗布し、この樹脂担時シートの樹脂組成物塗布面と強化繊維織物を貼り付けて、樹脂担時シートの凸部に塗布した樹脂組成物のみを強化繊維織物に転写し含浸して海島状とする方法とする方法も好ましく用いることができる。
【0030】
この方法で、本発明のプリプレグを製造すると、樹脂組成物は、主に強化繊維織物の織り目からプリプレグ内部に含浸し、反対側(保護フィルム側)の織り目からしみ出して表面付近の強化繊維に含浸される。このため、この方法では、織り目部分を被覆していない島部はほとんどない。
【0031】
また、上記方法以外に、海島状とする面に直接樹脂組成物を均一もしくは不均一に塗布する、または樹脂担持シートを貼り付けることにより含浸することも可能であるが、この場合も前述したように、樹脂組成物は、織物の織り目を通って反対側の面に向けて含浸するので、含浸後、ほとんど全ての樹脂組成物は、織り目を被覆した島部と連なっている。
ただ、この方法でも製造はできるが、表面被覆率および島部の織り目占有率を好ましい値とするための含浸条件(温度および圧力)の調整に熟練を要する。
よって、本発明のプリプレグをいかなる方法で製造しても、含浸時に樹脂組成物は、織り目をとおって織物表面から内部に染み込み、また反対側表面織り目からしみ出して含浸するため、織り目を含浸していない島部はほぼないと考えてよい。
【0032】
(FRPの製造方法)
本発明のプリプレグを用いてFRPを製造する際には、真空バッグ成形法が最も好ましいが、オートクレーブを用いた成形やプレス成形法を用いても差し支えない。
【0033】
本発明のFRPの製造方法においては、150℃以下の一次硬化温度で10分以上一次硬化したのち、さらに一次硬化温度以上の温度で硬化する方法が好ましい。特に、一次硬化を100℃以下行うことは、金型の代わりに樹脂製の型を用いることが出来ること、スチームのみによる加熱が出来ことから、コスト低減につながるので特に好ましい。
【0034】
さらに、一次硬化終了後、脱型したのち、再び一次硬化温度以上の温度で硬化すると高温域での成形時間を更に短縮できるので好ましい。
【0035】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。なお、以下の実施例において、樹脂組成物の最低粘度、プリプレグの表面被覆率、島部の織り目占有率、および
、プリプレグから得られるFRPの外観(ピンホールの有無)並びに層間ボイドの有無は以下のように測定した。
【0036】
(最低粘度)
レオメトリックス社製粘弾性測定装置(RDA200)を用い、昇温速度5℃/分、角速度10rad/secで室温(23℃)から150℃までの昇温粘度測定を実施した。その際に示す粘度のうち最も低いものを、その樹脂組成物の最低粘度とした。
【0037】
(表面被覆率)
海島状となっているプリプレグ表面に、平滑かつ透明な厚み20μmのポリエチレンフィルムを、40℃、圧力1atomの金属製加圧加熱ロールで5m/minの速度で貼り付けた。その表面を200万画素以上のCCDカメラで撮影し、旭エンジニアリング株式会社製画像解析システム「高精細画像解析“IP1000”」を用いて熱硬化性樹脂がポリエチレンフィルムに貼り着き色調が変化した部位の面積を、熱硬化性樹脂により被覆された面積として、この値とプリプレグの全表面積との比から表面被覆率を求めた。
【0038】
(島部の織り目占有率)
表面被覆率測定方法と同様に、プリプレグに、平滑かつ透明な厚み20μmのポリエチレンフィルムを、40℃、圧力1atomの金属製加圧加熱ロールで5m/minの速度で貼り付け、10cm×10cmに裁断した後、そのポリエチレンフィルムを貼り付けたプリプレグ表面をCCDカメラで撮影し、上記画像解析システムを用いて熱硬化性樹脂がポリエチレンフィルムに貼り着き色調が変化した部位の個数(T:島部の数)を測定した。
その後、ポリエチレンフィルムを剥ぎ取り、プリプレグ表面をCCDカメラで撮影し、画像解析装置を用いて、海島状になっている面側にある強化繊維織物の織り目の数(Y)を測定し、式(1)から島部の織り目占有率を算出した。
【0039】
(FRP外観評価(ピンホールの有無))
後述する方法によって、製造した平板のFRPの表面にチョークを押しつけながら全面を擦ったのち、表面を乾いたキムワイプで軽く拭き取ることによりピンホール有無を顕在化させ、ピンホールの有無を評価した。
【0040】
(FRPのボイドの有無)
ピンホールの有無を確認した平板のFRPの中心付近を、厚み方向に垂直に切断し、その断面を倍率20倍で写真撮影をした。その断面写真の観察によりボイドの有無を評価した。
【0041】
上記プロセスにより成形した平板成形板表面のベースプレート側に白色チョークを押しつけながら全面を擦った。平板成形板表面を乾いたキムワイプで軽く拭き取ることによりピンホール有無を顕在化させ、ピンホールの有無を評価した。
【0042】
(タック評価)
温度23℃湿度50%の環境下で厚み2mmの離型剤により処理した鉄板を、地面に対し垂直に立てたのち縦10cm×横10cmに切断したプリプレグを貼り付け、1分間放置後も剥がれず鉄板に貼り付いている物についてプリプレグ表面のタック良好と判断した。
【0043】
(実施例1)
エポキシ樹脂組成物(三菱レイヨン(株)製 ♯340、最低粘度20ポイズ)を、ロールコーターで片側表面が離型処理されている離型紙に単位面積あたり133g/m2で均一に塗布した。その樹脂担持シートの樹脂組成物側に三菱レイヨン製炭素繊維織物(TRK510(繊維目付:650g/m2))を貼り付けた。さらにその炭素繊維織物側から上記と同様の離型紙の離型処理を施してある面を炭素繊維織物側にして重ね合わせた。これらを40℃に加熱した二対のロールで加圧および加熱することによりプリプレグを得た。
得られたプリプレグは樹脂組成物の表面被覆率は3%であり、樹脂組成物が表面に存在している島部の織り目占有率は60%であった。また、作業性評価の結果、鉄板に良好に貼り付きタックも良好と判断された。
【0044】
このプリプレグを用いて、次の方法でFRPを製造した。
プリプレグを縦20cm×横20cmに切断したものを、10枚を積層した。
この積層体を表面が離型剤により処理された鉄製のベースプレート(厚み2mm)に配置した。さらにその上から10cm間隔で直径2mmの穴が空いているポリテトラフルオロエチレンフィルム、目付20g/m2のナイロン製布、目付40g/m2のガラス繊維不織布の順に被せた。それらをナイロンフィルムで覆い密閉した。そして、ナイロンフィルムで密閉した空間内部を600mmHg以下を保つように減圧しながら、昇温速度2℃/分で室温から130℃まで昇温後、130℃で2時間保持することで、FRPを得た。
得られたFRPについて、上述の評価を実施したところ、成形されたFRPのベースプレート側表面外観はピンホールがなく良好であり、断面写真観察においても層間および層内にボイドは観察されなかった。
【0045】
(実施例2〜5)
実施例1と同様の樹脂組成物および強化繊維織物を用い、40℃に加熱したロールでの加圧および加熱を数回実施することで表面被覆率が表1のような記載した繊維強化織物プリプレグをそれぞれ作成した。いずれのプリプレグも島部の織り目占有率は60%であった。
これらのプリプレグを、実施例1と同様に評価した結果、いずれもプリプレグの取り扱い性は良好であり、得られたFRPも外観が良好でボイドも見られなかった。
【0046】
(実施例6、7)
実施例2と同様にして、樹脂組成物の表面被覆率が40%となるようにプリプレグを作成した。加熱加圧ロールでの含浸の回数を調整して島部の織り目占有率がそれぞれ100%および50%のプリプレグを得た。これらのプリプレグを、実施例1と同様に評価した結果、いずれもプリプレグの取り扱い性は良好であり、得られたFRPも外観が良好かつ層内・層間ボイドも見られなかった。
【0047】
【表1】
【0048】
(実施例8〜12)
実施例8では含浸時の温度を60℃とし、実施例9および10ではエポキシ樹脂組成物を表2に示したように高くし、実施例11および実施例12では使用する炭素繊維織物の目付が表2のような織物とした以外は、実施例1と同様にプリプレグを作成した。いずれのプリプレグもタックは良好で、得られたFRPの外観も良好でボイドも観察されなかった。
【0049】
(実施例13、14)
実施例13では、最低粘度を1100ポイズ、実施例14では、繊維目付を1600g/m2とし、他は、表2に示した値とした以外は、実施例1と同様にプリプレグを作成した。これらのプリプレグのタックは良好であった。一方、このプリプレグから得られるFRPは、内部ボイドは観察されたが、ピンホールはない物が得られた。
【0050】
(実施例15)
離型紙に単位面積あたり266g/m2で均一に塗布した以外は、実施例1と同様に、二対の加熱ロールで加圧加熱まで行ったのち、樹脂担時シートを剥ぎ取り、その面にTR3110を貼り付け、さらに後から貼り付けたTR3110側から上記と同様の離型紙を重ね合わせ、再び40℃に加熱した二対の加熱ロールで加圧加熱後、後から重ね合わせた離型紙を剥ぎ取り、両面が海島状になっているプリプレグを得た。
得られたプリプレグの表面被覆率は、両面合わせて50%であり、島部の織り目占有率は60%であった。このプリプレグも、鉄板に良好に貼り付きタックも良好と判断された。また、このプリプレグを用いて上述の成形評価を実施したところ、成形されたFRPの表面はピンホールがなく外観が良好であり、ボイドも観察されなかった。
【0051】
【表2】
【0052】
(比較例1〜3)
表3に示した、表面被覆率、島部の織り目占有率、繊維目付、の値とした以外は実施例1と同様にプリプレグを作成し、評価を実施した。その結果、表面被覆率が、実施例1に比べ低い比較例1はタックが弱く、取り扱い性が悪いものであった。一方、実施例1に比べ表面被覆率が高すぎる比較例2、および、実施例1に比べ島部の織り目占有率が低い比較例3は、ピンホールや層間ボイドが観察され、外観および機械物性を満足するものは得られなかった。
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】
プリプレグの少なくとも片側表面を島部と、海部とからなる海島状とし、海島状になっている面の表面被覆率を3%以上80%以下、島部の織り目占有率を40%以上とすることによって、特に真空バッグ成形法に好適の用いることの出来る、樹脂組成物が部分的に含浸されているため脱気回路を有しつつ、適度なタックを有すため取り扱いが容易であるプリプレグが得られた。このプリプレグを用いて得られるFRPは、外観が良好で機械物性にも優れているので、航空機、鉄道車両等の部材に好適に用いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリプレグの表面の模式図である。
【図2】島部の織り目占有率プリプレグの表面の模式図の例である。
【符号の説明】
1・・・実質的に含浸樹脂が存在する樹脂含浸部分(島部)
2・・・実質的に含浸樹脂が存在しない繊維部分(海部)
3・・・織物を構成する強化繊維
4・・・強化繊維織物の織り目
Claims (8)
- 強化繊維織物に樹脂組成物を含浸してなるプリプレグであって、少なくとも片側表面が、表面に樹脂組成物が存在する樹脂含浸部分(島部)と、表面に樹脂組成物が存在しない繊維部分(海部)とからなる海島状となっており、海島状になっている面の、樹脂の表面被覆率が3%以上80%以下、下記式(1)で表される島部の織り目占有率が40%以上であるプリプレグ。
島部の織り目占有率(%)=(T/Y)×100・・・・・・(1)
(T:島部の数、Y:海島状になっている面側にある強化繊維織物の織り目の数) - 樹脂組成物が熱硬化性樹脂である請求項1記載のプリプレグ。
- 熱硬化性樹脂の最低粘度が1000ポイズ以下である請求項2記載のプリプレグ。
- 強化繊維織物が炭素繊維からなる請求項1〜3いずれか一項記載のプリプレグ。
- 強化繊維織物の繊維目付が1500g/m2以下である請求項1〜4いずれか一項記載のプリプレグ。
- 樹脂担持シートに樹脂組成物を塗布し、この樹脂担持シート上に塗布した樹脂組成物を強化繊維織物の一方の面に貼り付け、強化繊維織物の他方の面に保護フィルムを貼った後、加熱および/または加圧して樹脂組成物を強化繊維織物に含浸し、保護フィルム側の強化繊維織物表面を表面に樹脂組成物が存在する樹脂含浸部分(島部)と、表面に樹脂組成物が存在しない繊維部分(海部)とからなる海島状とするプリプレグの製造方法。
- 請求項1〜5いずれか一項記載のプリプレグを積層して、真空バッグ成形法により所望の形状に成型する繊維強化複合材料の製造方法。
- 前記真空バッグ成形法において、150℃以下の一次硬化温度で10分以上一次硬化を行ったのち、更に一次硬化温度以上の温度で成形する請求項7記載の繊維強化複合材料の製造方法。
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