JP2011207930A - プリプレグおよびその製造方法、繊維強化樹脂成形体 - Google Patents

プリプレグおよびその製造方法、繊維強化樹脂成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維目付の大きな強化繊維基材と、速硬化性を有する樹脂を用いてなる一方向プリプレグにおいて、品質に優れ、スリット時の取扱い性も良く、成形サイクルに優れ、成形後の成形体内部のボイド発生率が少ない、幅方向の繊維目付バラツキが少ない一方向プリプレグを、比較的安価に提供すること。
【解決手段】フィラメント数が24,000〜60,000の強化繊維糸条と樹脂を有してなる一方向プリプレグであって、該プリプレグの単位面積当たりの繊維質量が400〜1,400g/m、そのプリプレグの単位面積当たりの繊維質量の幅方向のバラツキが変動率で2.5%未満であり、110℃で1時間以内加熱し、硬化して得られる硬化物のガラス転移温度が100℃以上となる前記樹脂を、前記強化繊維糸条を有してなる強化繊維基材に含浸してなるものであって明細書に記載されるテープピール試験法にて測定された含浸性レベルが6.5以上の範囲にある一方向プリプレグ。
【選択図】図1

Description

本発明は一方向に引き揃えた繊維に樹脂を含浸した繊維強化樹脂シート、すなわち一方向プリプレグに関するものであり、より詳しくは、単位面積当たりの繊維質量の大きな強化繊維基材と、速硬化性を有する樹脂を用いてなる、厚物一方向プリプレグに関するものである。
プリプレグは、航空機の1次構造材などに代表される航空・宇宙用途、ゴルフシャフトやテニスラケットに代表されるスポーツ用途、および鉄道用途・風車材に代表される産業用途に分類される。
一方向プリプレグの製造方法には、多数の強化繊維糸条をシート状に一方向に引き揃え、該シート状強化繊維糸条に樹脂担持離型シート(以下、樹脂フィルムと称することがある。)を重ね合わせて加圧、加熱し、樹脂を含浸させるホットメルト方式と、溶剤で希釈されたマトリックス樹脂を補強繊維に含浸後脱溶剤するウェット方式に大別できる。ホットメルト方式によって得られるプリプレグには有機溶剤を含まない利点を有する。
ところで、比較的大型の成形体である航空・宇宙用途や産業用途において用いるプリプレグ材には、成形サイクルを短縮可能とする特性を有することが望ましく、例えば、プリプレグにおける単位面積当たりの繊維質量(以下、繊維目付)が400g/m以上の厚物で、速硬化性を有する樹脂を使用したプリプレグを用いることが望まれている。これらのプリプレグには、補強繊維が2次元の布帛状となった、いわゆるファブリックプリプレグの他、近年では強度特性に優れる、一方向プリプレグが好まれるようになっている。
上記のようなプリプレグの繊維目付が高く、速硬化性を有する樹脂を使用したプリプレグを用いると、プリプレグの積層枚数を減らして積層作業時間を短縮するとともに、速硬化樹脂による硬化時間の短縮を計ることができ、成形サイクルを効果的に短縮することが可能となる。
しかしながら、プリプレグの繊維目付が400g/m以上の高目付の厚物一方向プリプレグの製造においては、樹脂含浸時に強化繊維が樹脂とともに端部方向へ流れてしまい、端部での目付低下を起こしやすいという問題を生じる。その結果として端部での目付低下により品位の悪い端部の切除が必須となり、プリプレグの製造コストを高めてしまう。また同時に、プリプレグ幅方向の目付ムラによってプリプレグの品質にムラが発生し、コンポジット成形時に、強度ムラによる全体の物性低下をまねいてしまうという問題も生じる。
さらに、プリプレグの繊維目付が400g/m以上の高目付の厚物一方向プリプレグの製造においては、樹脂を十分に含浸することが困難で、含浸不良を原因として、プリプレグ表面にシワが発生し、プリプレグカット時にカット端面から毛羽が発生するという問題を生じる。
このような問題を解決するため、プリプレグの製造ライン速度を遅くしたり、樹脂の含浸温度を上げて含浸樹脂を低粘度化したりすることで含浸性を向上することが可能であるが、速硬化性樹脂を使用する場合には、上記手段を用いるとプリプレグライフが悪化してしまうという問題を生じる。
また、含浸性を向上させすぎた場合、とくに厚物プリプレグの真空圧成形法により成形を行うに際し、プリプレグ層内に含まれている気体が成形時に残留してボイドとなる問題点を有していた。
プリプレグの製造ライン速度や樹脂の含浸温度を変えずにプリプレグの含浸性を高める手段として、特許文献1には、トウ状の炭素繊維糸条がたて方向に配列し、かつ、補助糸がよこ方向に配列していて、該炭素繊維糸条間に隙間がある一方向炭素繊維織物の製造方法が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示された基材をプリプレグに適用すると、糸条間に設けられた隙間により樹脂含浸しやすいものの、たて糸とよこ糸による交錯によって織糸の屈曲(クリンプ)ができて物性へ影響してしまう点や、強化繊維基材の製造コストが高いといった問題点を有する。
一方で、特許文献2には、補強繊維からなるシート状補強基材にマトリックス樹脂を含浸してなる厚物プリプレグであって、シート状補強基材の片面のみが一面に樹脂で覆われており、樹脂含浸率が40%以上、95%以下であるプリプレグが開示されている。このように、プリプレグの樹脂含浸率を特定の値とすることにより、得られる繊維強化樹脂成形体のボイド率を低くできるという利点を有する。しかしながら、一方向プリプレグに適用し、複数の層を重ねて成形する場合、樹脂が含浸している側と、含浸していない側を接触させて積層する必要があるため、工程が複雑でロスも多く、またプリプレグは片面のタック性が不足し、取り扱い性が悪いという欠点を有する。
特開平11−107107号公報 特開2004−50574号公報
本発明の課題は、繊維目付の大きな強化繊維基材と、速硬化性を有する樹脂を用いてなる、厚物の一方向プリプレグにおいて、品質に優れ、高次加工のためのスリット時の取扱い性も良く、成形のサイクル時間が短く、かつ成形後の成形体内部のボイド発生率が少なく、幅方向の繊維目付バラツキが少ない一方向プリプレグを、比較的安価に提供することにある。
上記課題は、フィラメント数が24,000〜60,000の強化繊維糸条と樹脂を有してなる一方向プリプレグであって、該プリプレグの単位面積当たりの繊維質量が400〜1,400g/m、そのプリプレグの単位面積当たりの繊維質量の幅方向のバラツキが変動率で2.5%未満であり、110℃で1時間以内加熱し、硬化して得られる硬化物のガラス転移温度が100℃以上となる樹脂を、前記強化繊維糸条を有してなる強化繊維基材に含浸してなるものであって、下記のテープピール試験法にて測定された含浸性レベルが6.5以上の範囲にある一方向プリプレグによって達成される。
また、本発明は、前記一方向プリプレグを製造する方法において、前記樹脂を、前記強化繊維糸条を有してなる強化繊維基材に含浸するに際し、プレス含浸を行う工程を有し、該プレス含浸部0.5m手前での該強化繊維糸条の糸幅L(mm)を
1,000×(B/A)≦L≦2,000×(B/A)
A:プリプレグの繊維目付(g/m)、B:強化繊維糸条の単位長さ当たりの繊維質量(以下、強化繊維糸条の目付)(g/m)
として該強化繊維糸条を供給することが好ましい。
また、本発明は、前記プレス含浸部から1.5m未満の距離に配置されたガイドプレートに、ガイドホールが設けられており、該ガイドホールに前記強化繊維糸条を通すことにより、該プレス含浸部0.5m手前での該強化繊維糸条の糸幅L(mm)を、
1,000×(B/A)≦L≦2,000×(B/A)
A:プリプレグの繊維目付(g/m)、B:強化繊維糸条の目付(g/m)
として該強化繊維糸条を供給することがより好ましい。
本発明は、好ましくは、強化繊維が炭素繊維であり、かつ前記含浸性レベルが8.1以下である、本発明の一方向プリプレグ、または本発明の方法で製造された一方向プリプレグを、積層し、真空圧成形することにより、ボイド率が1体積%以下の繊維強化樹脂成形体である。
本発明によれば、プリプレグの繊維目付が400g/m以上1,400g/m以下の高目付とし、かつ110℃で1時間以内加熱し、硬化して得られる硬化物のガラス転移温度が100℃以上となる速硬化性樹脂を使用した、成形サイクルに優れ、品位良好な一方向プリプレグであり、フィラメント数の多い(24,000〜60,000)強化繊維糸条を使用するため、生産効率が良く、プリプレグの製造コストを抑えることができ、かつ、本発明でのプリプレグにて繊維強化樹脂成形体を真空圧成形した場合、ボイドが少ない成形体を製造することが可能となる。
また、該一方向プリプレグの製造時において、低粘度樹脂を使用し、かつ、樹脂含浸前の強化繊維基材を形成する強化繊維糸条の糸幅を制御することによってで、樹脂含浸前の強化繊維基材における強化繊維糸条間に隙間が多く樹脂の含浸しやすい構造の強化繊維基材となり、製造ライン速度や樹脂含浸温度といった製造条件を大幅に変更することなく、また生産性を低下させずに含浸性を適当なレベルに設定することができる。
さらに、含浸性が適当であり、整列した糸がプリプレグに導入されていることから、表面のシワが少なく、幅方向の目付が均一なプリプレグが得られ、さらに繊維強化樹脂成形体に成形する際には、真空成形法を適用してもボイド率が少ない成形体を得ることが可能となる。
本発明のガイドプレートの一例を示す概略図である。 プリプレグ含浸部の一例を示す概略図である。 テープピール試験の説明図である。
本発明で用いる強化繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、スチール繊維などが例示できるが、特にガラス繊維や炭素繊維を多用し、中でも炭素繊維が機械特性などの面で好ましい。本発明に使用する強化繊維糸条は、強化繊維糸条のフィラメント数が24,000〜60,000の繊維糸条であることが特徴である。強化繊維糸条のフィラメント数は24,000以下であると、ボビン数が多くなることから製造コストが高くなってしまう。一方、強化繊維糸条のフィラメント数は60,000を越えると、強化繊維糸条内部への樹脂含浸性が悪くなってしまう問題点を有する。また、強化繊維糸条の繊維目付は、0.8g/m〜6.0g/mの範囲が好ましい。
本発明で製造されるプリプレグは、プリプレグの繊維目付が400〜1,400g/mと高目付の一方向プリプレグである。プリプレグの繊維目付が400g/m以下であれば、樹脂含浸性に関して比較的容易となり本発明の効果は少なくなる。また、繊維強化樹脂成形体に成形する時におけるプリプレグ積層枚数が増えるため、成形コストが高くなってしまう。一方で、プリプレグの繊維目付が1400g/m以上であれば、フィラメント数が24,000〜60,000の強化繊維糸条において、ボビン数が多くなりすぎることにより生産効率が落ちてしまう問題点を生じる。
本発明の一方向プリプレグは、図2に記載されるようなプレス含浸部8にて、強化繊維基材と樹脂フィルムロール6から供給される樹脂フィルムをプレスして、樹脂含浸させるホットメルト方式によるプリプレグ製造方法により得られる。本発明でいうプレス含浸部とは、図2に示される点線枠内8の部分を示し、樹脂フィルムを強化繊維基材に押さえつける含浸導入ロール3、および含浸ロール4およびホットプレート5を有し、含浸ロール4およびホットプレート5の加熱により樹脂を低粘度化し、かつ含浸ロール4の間での圧力により樹脂を強化繊維基材へ含浸させる工程を行う部分である。プリプレグを形成する強化繊維は、クリールから引き出され、いくつかのガイドを通して整列させられ、プレス含浸部8に導入されるが、プレス含浸部8の入り口部分の糸幅及び糸配列は、プレス含浸部から糸供給側にさかのぼっても、約0.5m程度はほとんど変化しない。またプレス含浸部8の入り口において、強化繊維糸条は樹脂フィルムと接触するため、その糸幅と糸の間の間隔は、一旦固定され、実質的にその幅と配列のまま含浸ロール4に導入される。従って、含浸時の糸幅と配列を所望の値にするために、0.5m手前の糸幅、糸配列が重要となる。また、図2に記載のようにプレス含浸部8の0.5m手前に、糸押さえロール7が配置されることが好ましく、その構成では、糸押さえロール7からプレス含浸部8の含浸導入ロール3まで強化繊維糸条の糸幅は変わることなく導かれる。
このようにして製造される一方向プリプレグは、該プレス含浸部の0.5m手前において強化繊維糸条の糸幅L(mm)を測定したとき、
1,000×(B/A)≦L≦2,000×(B/A)
A:プリプレグの繊維目付(g/m)、B:強化繊維糸条の目付(g/m)
として、該強化繊維糸条をプレス含浸部へと導入する工程を経ることにより、樹脂含浸した際にプリプレグ端部での繊維流れが抑制されて、幅方向の繊維目付バラツキを少なくすることができる。本手法において幅方向の繊維目付バラツキは、変動率(CV値)であらわして2.5%未満にすることができる。
前記プリプレグの幅方向の繊維目付は、プリプレグ幅方向において、幅方向に2.5cm、長手方向に40cmの短冊状に切り抜いた切片Cのプリプレグ繊維目付を測定して得る。それぞれの短冊状のプリプレグの繊維目付は、プリプレグに含浸した樹脂を有機溶剤に溶解抽出し、残さの強化繊維の重量D(g)を測定することで得られる。それぞれのプリプレグ切片Cの繊維目付E(g/m)はE=D/0.01となる。
本発明の一方向プリプレグは、図1に記載されるようなガイドホール2を有するガイドプレート1を、図2に記載されるプレス含浸部8の手前1.5m未満に設置することにより、より好ましくは、プレス含浸部8から0.5m以内の位置に糸押さえロール7を有し、かつ糸押さえロール7から0.5m以内の位置にガイドプレート1を配置することにより、プレス含浸部8の0.5m手前において強化繊維糸条の糸幅L(mm)を測定したとき、
1,000×(B/A)≦L≦2,000×(B/A)
A:プリプレグの繊維目付(g/m)、B:強化繊維糸条の目付(g/m)
として、該強化繊維糸条をプレス含浸部8へと導入して製造することが好ましい。
図1に記載されるように、ガイドプレート1にはガイドホール2が設けられており、より好ましくはその直径が3〜11mmのガイドホール2が設けられており、該ガイドホール2に強化繊維糸条を1ホールあたり1本通して、目的の糸幅にすることを可能とすることが好ましい。最端部にあるガイドホール2間の距離(図1のA)は、目的の製品幅にて製造するためには、得られる一方向プリプレグの幅の±2%の範囲内に含まれていることが好ましい。
ガイドホール2の断面形状は円形や楕円や四角、三角など多角形であるものが考えられるが、円形または楕円型のガイドホール2であれば強化繊維糸条を通しやすく、均一幅に収束し易い。該ガイドホール2の大きさは、目的の糸幅と同じかまたはそれ以下の大きさのものを用いるが、プレス含浸部8の0.5m手前の強化繊維糸条の糸幅が所望する値になるように設定する。ガイドプレート1の素材として、金属、繊維強化樹脂、樹脂、セラミックスなどが考えられるが、価格や成形のし易さからスチール製のガイドプレートが好ましく、耐久性の面からセラミックスのガイドを金属プレートなどに取り付けたものが好ましい。いずれにせよ、通常の糸ガイドと同様に糸の接触面は糸を損傷しないように平滑または、梨地状に加工することが好ましい。また付着物を避けるために、離型性の良好な、シリコーン化合物やフルオロカーボン化合物を使用したりコーティングしたりすることも好ましい。
本発明の一方向プリプレグに用いられる強化繊維糸条は、強化繊維にサイジング剤を付着させたものであることが好ましく、サイジング剤としては、例えばエポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂を基本とした通常のサイジング剤が用いられ、マトリックス樹脂と同種類で組成が近似した低粘度の樹脂を付着させるとより好ましい。
本発明の一方向プリプレグに用いられるマトリックス樹脂としては、プリプレグとしてのタックやドレープなどの取扱い性、成形性から、熱硬化性樹脂が用いられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、BT樹脂、シアネートエステル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、等が例示できるが、作業性、硬化物の物性からエポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、BT樹脂、シアネートエステル樹脂が好ましく用いられ、中でもエポキシ樹脂は特に好適に用いられる。
本発明で好ましく用いられるエポキシ樹脂は、求核置換反応の活性を高める官能基を有する有機化合物を含むことで、硬化時間を短縮した速硬化性を有する樹脂組成が好ましい。硬化温度や硬化速度を考慮すると、硬化剤としてシアナミド化合物であるジシアンジアミド(DICY)を用いることが好ましい。あるいは単数または複数のウレア基を有する化合物を硬化助剤として使用して、その組成を所望の速硬化性を有するように調整することも好ましい。
ここで、速硬化性を有する樹脂を使用したプリプレグとは、5×5cmのプリプレグサンプル片を防爆加熱炉の110℃環境下にて加熱した際に、硬化反応に応じて変化する該プリプレグに含浸する樹脂のガラス転移温度が、加熱し始めてから1時間以内に100℃以上となる樹脂を使用したプリプレグを指す。ガラス転移温度(Tg)は、示差熱量計(DSC)を用いて、JIS K7121(1987)に記載の方法により求めたものである。
本発明の一方向プリプレグは、テープピール試験法にて含浸性レベルが6.5以上の範囲にあることを特徴とする。テープピール試験とは、長手方向に5cm、プリプレグ全幅方向に切り抜いた長方形のプリプレグサンプル片に対し、例えば日東電工製のダンプロンエース#3210等の接着テープを、図3記載のとおりサンプルの両面から手で押し、貼り合わせたのち、両テープを引き剥がした際に、プリプレグがどちらか片側のテープにのみ接着する部分と、プリプレグが層内で剥離して両側に接着する部分を生じるが、その各々の長さを計測する。含浸性レベルは、(プリプレグが片側に接着した部分の長さの和)/(プリプレグ全幅)×10で示され、最も含浸性が良いと10、悪いと0となる。
本発明における一方向プリプレグは、テープピール試験法にて含浸性レベルが6.5以上の範囲にあるが、6.5〜8.1の範囲にあるとより好ましい。テープピール試験法にて含浸性レベルが6.5以下であるとプリプレグ表面にフクレ・ボコツキ・シワが多数発生し、プリプレグ品位が悪化するとともに、成形体にするため積層したときに均一な積層が困難で成形体の層間にボイドや皺などの欠点を生じる。また、テープピール試験法にて含浸性レベルの上限に特に制約はないが、この値が8.1を超えると、該プリプレグにて真空圧成形した繊維強化樹脂成形体の層内を中心にボイドを発生し、ボイド率が1%以上となることがあり、ボイドが起点となった破壊が起こりやすくなり成形体の物性が悪化してしまうことがある。
なお、本発明のプリプレグの成形に好ましく用いられる真空圧成形とは、プリプレグの積層体内部を吸引しながら外部から加圧成形するオートクレーブ成形とは異なり、積層体内部を吸引して大気圧以下の低圧状態にするが、外部加圧を行わないで成形する成形法である。一般に、オートクレーブ成形では設備が高価であるのに対し、真空圧成形は低コストで成形可能であるが、オートクレーブ成形に対して真空圧成形では、成形時にプリプレグ内部と外部の圧力差が小さいため、成形品中のボイド率が高い問題点を有する。それに対して、本発明のプリプレグは、適度の未含浸部をプリプレグ内部に有し、表面も平滑で均一であるため、積層時に均一に積層できるので、層間にボイドが発生しにくく、また成形時にプリプレグの積層体を吸引した際に、オートクレーブの圧力が無くとも、内部に含まれている気体がプリプレグ層内の未含浸部分を通って系外に抵抗無く排出されるので、成形体の層内についてもボイド発生を防ぐことができる。
ここでいうボイド率は以下の測定方法で行う。繊維強化樹脂成形体は、一方向プリプレグを100×200mmの長方形にカットしたサンプル片を(0)10にて積層し、110℃にて3時間真空圧成形する。該成形体を繊維軸と垂直な面をカッターにより切断し、その切断面を研磨したのちに、その切断面をキーエンス社製光学顕微鏡にて観察してボイド部分が黒くなるように画像処理して得た観察画像を、色別の面積解析ソフトを用いて、画像におけるボイド率が占める面積の割合を、その成形体のボイド率として算出する。
上述のとおり、本発明の一方向プリプレグを製造する方法は、強化繊維糸条の糸幅L(mm)をプレス含浸部の0.5m手前において
1,000×(B/A)≦L≦2,000×(B/A)
A:プリプレグの繊維目付(g/m)、B:強化繊維糸条の目付(g/m)
とすることが好ましい。L<1,000×(B/A)であると、製造されたプリプレグにおいて強化繊維糸条間で割れが発生してしまう問題点を生じることがある。一方で、強化繊維糸条の糸幅が大きく2,000×(B/A)<Lであれば、含浸性が低下してしまうことがあり、プリプレグの幅方向の繊維目付バラツキが2.5%以上となりプリプレグ品質が悪化する場合がある。なお、プレス含浸部の0.5m手前における強化繊維糸条の糸幅L(mm)は、プレス含浸部の入り口から0.5m糸供給側にさかのぼった場所で、各糸条の糸幅を、物差しや光電管式の測長器などで、供給する糸の幅を測定する。なお、糸幅のサンプルは、プリプレグの両端、中央からそれぞれ10本ずつ糸幅を測定して、その平均値を糸幅とする。 含浸導入ロールの0.5m手前に糸押さえロールが有る場合、好ましくは強化繊維基材の下面から接する糸押さえロール部にて物差しを使用して測定すればよい。
本発明に用いられる樹脂の粘度は、回転粘度計により、35〜110℃における動的粘度によって定義される。具体的には、回転粘度計測定装置として、レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製粘弾性測定装置ARESを使用し、半径20mmの平行平板を用い、平行平板間の距離1.0mm、測定開始温度35℃、昇温速度1.5℃/分、測定周波数0.5Hzの条件下で粘弾性測定を行ない、昇温時に100℃で測定される複素粘性率η*を100℃における粘度とする。
このようにして製造された本発明の一方向プリプレグを用いて繊維強化樹脂成形体を製造する方法として、例えば平板を成形する場合には以下の方法が挙げられる。すなわち、予め決められた積層構成と寸法に従って、プリプレグをパターンカットし、離型処理をしたステンレス製のプレートの上にカットされたプリプレグを積層し、必要があれば積層板上部に離型処理したステンレス製のプレートを配置し、全体をナイロンフィルム等で包み、積層したプリプレグの周囲をシールし、シール内部と外部に貫通する通気口をシール材に設ける。そして、積層したプリプレグを加熱炉に投入し、通気口から排気することによってシール内部を脱気し、外部から加熱することによって成形体を形成させる。好ましい昇温速度は1−5℃/分で、例えば110℃で1〜3時間で硬化させると良い。
以下、実施例によって、本発明の一方向プリプレグ、それを用いて得られる成形体について、より具体的に説明する。実施例で用いた強化繊維、樹脂原料、および各物性の測定方法を、次に示す。
<強化繊維>
・炭素繊維糸条1 東レ(株)製 24Kトレカ糸(フィラメント数24000本):ストランド強度4.47GPa、ストランド弾性率236GPa
・炭素繊維糸条2 東レ(株)製 48Kトレカ糸(フィラメント数48000本):ストランド強度3.95GPa、ストランド弾性率226GPa。
<エポキシ樹脂>
・ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(jER−828、jER株式会社製)
・ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂(jER−1001、jER株式会社製)
・フェノールノボラック型エポキシ樹脂(EPICLON N−740、DIC株式会社製)。
<硬化剤>
・ジシアンジアミド(jERキュア DICY7T、jER株式会社製)。
<硬化助剤>
・ウレア基を有する芳香族化合物(オミキュア24、PTIジャパン株式会社製)。
[プリプレグの単位面積当たりの繊維質量(FAW)の測定方法]
プリプレグ幅方向において、幅方向に2.5cm、長手方向に40cmの短冊状に切り抜いた切片Cのプリプレグ繊維目付を測定した。それぞれの短冊状のプリプレグの繊維目付は、プリプレグに含浸した樹脂を有機溶剤に溶解することで残った強化繊維の重量D(g)を測定し、それぞれのプリプレグ切片Cの繊維目付E(g/m)をE=D/0.01とした。
[プリプレグの単位面積当たりの繊維質量(FAW)の幅方向のバラツキが変動率の測定方法]
上記のように幅方向に短冊状に切り抜いた切片Cでそれぞれ繊維目付E(g/m)を測定し、その繊維目付の標準偏差および変動率(CV値)を算出した。
[樹脂のガラス転移温度の測定方法]
5×5cmのプリプレグサンプル片を防爆加熱炉の110℃環境下にて1時間加熱したのちにガラス転移温度(Tg)を測定した。Tgは、示差熱量計(DSC)を用いて、JIS K7121(1987)に記載の方法により求めた。
[プリプレグの含浸性レベルの測定方法(テープピール試験法)]
長手方向に5cm、プリプレグ全幅方向に切り抜いた長方形のプリプレグサンプル片に対し、日東電工製のダンプロンエース#3210等の接着テープを、図3記載のとおりサンプルの両面から手で押し、貼り合わせたのち、両テープを引き剥がした際に、プリプレグがどちらか片側のテープにのみ接着する部分と、プリプレグが層内で剥離して両側に接着する部分を生じるが、その各々の長さを計測して(プリプレグが片側に接着した部分の長さの和)/(プリプレグ全幅)×10の計算式により含浸性レベルを算出した。
実施例1〜5、比較例1,2にて使用した樹脂組成物は、上記エポキシ樹脂およびジシアンジアミドを使用した熱硬化性樹脂組成であり、速硬化性を付与するため複数のウレア基を有する芳香族化合物を添加し、かつ低粘度な樹脂設計(100℃における粘度0.7Pa・s)とした。なお、樹脂組成の調整方法、100℃における粘度の測定方法、および成形体のボイド率算出方法を以下に示す。
[実施例、比較例に用いる樹脂組成の調製]
100℃における粘度0.7Pa・sとなるようにエポキシ樹脂を配合し、さらに硬化剤と硬化促進剤を加えた。粘度は低粘度樹脂であるビスフェノールA型液状エポキシ樹脂と高粘度樹脂であるフェノールノボラック型エポキシ樹脂・ビスフェノールA型固形エポキシ樹脂の配合比を変えることによって調製した。また、硬化剤および硬化促進剤を調製樹脂全体の質量に対し、4%および2%の質量比になるように添加して、110℃で1時間加熱した際にTgが100℃以上になる速硬化性を付与した。
[樹脂組成物の100℃における粘度の測定方法]
レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製粘弾性測定装置ARESを使用し、半径20mmの平行平板を用い、平行平板間の距離1.0mm、開始温度35℃から昇温速度1.5℃/分、測定周波数0.5Hzの条件下で粘弾性測定を行ない、昇温時に100℃で測定される複素粘性率η*を100℃における粘度とした。
[成形体のボイド率算出方法]
繊維強化樹脂成形体は、一方向プリプレグを100×200mmの長方形にカットしたサンプル片を(0)10にて積層し、110℃にて3時間真空圧成形した。該成形体を繊維軸と垂直な面をカッターにより切断し、その切断面を研磨したのちに、その切断面をキーエンス社製光学顕微鏡にて観察してボイド部分が黒くなるように画像処理して得た観察画像を、色別の面積解析ソフトを用いて、画像におけるボイド率が占める面積の割合を、その成形体のボイド率として算出した。
(実施例1)
フィラメント数が24000本の炭素繊維糸条1(強度:4465MPa、弾性率:236GPa)で、糸幅がボビン上で11mmの炭素繊維糸条にて、プリプレグの繊維目付が500g/mとなるように糸を引き揃えた一方向プリプレグ(樹脂含有率:38質量%)を製造した。
プレス含浸部の0.5m手前に糸押さえロールを有し、糸押さえロールから0.5m手前に配置したガイドプレートに設けた直径3mmのガイドホールへ1本ずつ炭素繊維糸条を通すことにより、糸押さえロールにおいて炭素繊維糸条の糸幅が平均4.0mmとなってプレス含浸部へ炭素繊維糸条を導入した。
プリプレグ含浸部分では、4m/分のライン速度に設定し、樹脂組成物を離型紙に塗工した樹脂フィルムを用いて、含浸温度を100℃に設定し、炭素繊維基材へ加圧・加熱して含浸することで一方向プリプレグを製造した。このとき得られたプリプレグは、表面品位良好で、プリプレグの幅方向の繊維目付CV値が1.5%であり、テープピール試験法による含浸性レベルが7.5であった。また、本プリプレグを用いて積層体を真空圧成形したところ、そのボイド率は0.9体積%であった。
(実施例2)
フィラメント数が48000本の炭素繊維糸条2(強度:3945MPa、弾性率:226GPa)で、糸幅がボビン上で22.2mmの炭素繊維糸条にて、プリプレグの繊維目付が500g/mとなるように糸を引き揃えた一方向プリプレグ(樹脂含有率:38質量%)を製造した。
プレス含浸部の0.5m手前に糸押さえロールを有し、糸押さえロールから0.5m手前に配置したガイドプレートに設けた直径10mmのガイドホールへ1本ずつ炭素繊維糸条を通すことにより、糸押さえロールにおいて炭素繊維糸条の糸幅が平均11.1mmとなってプレス含浸部へ炭素繊維糸条を導入した。
プリプレグ含浸部分では、4m/分のライン速度に設定し、樹脂組成物を離型紙に塗工した樹脂フィルムを用いて、含浸温度を100℃に設定し、炭素繊維基材へ加圧・加熱して含浸することで一方向プリプレグを製造した。このとき得られたプリプレグは、表面品位良好で、プリプレグの幅方向の繊維目付CV値が2.0%であり、テープピール試験法による含浸性レベルが6.5であった。また、本プリプレグを用いて積層体を真空圧成形したところ、そのボイド率は0.9体積%であった。
(実施例3)
ライン速度を2m/分に変更し、含浸温度を110℃に変更した以外は実施例1と同様に一方向プリプレグを製造したところ、良含浸性の一方向プリプレグを得た。このとき得られたプリプレグは、表面品位良好であり、プリプレグの幅方向の繊維目付CV値が2.1%であり、テープピール試験法による含浸性レベルが9.1であった。
得られたプリプレグを、40℃加温槽内にて7日間放置したときTg変化が放置前に対し、8℃以上上昇しプリプレグライフがやや低下したが、問題ない範囲であった(比較例1以外の実施例1および比較例2〜4のサンプルではTg変化は5℃)。また、成形体のボイド率が1.1体積%であり、成形体のボイド率が若干増加した。
(実施例4)
ガイドプレートに設けたガイドホールの直径を2.5mmにしたこと以外は実施例1と同様にして一方向プリプレグを製造した。糸押さえロールにおいて炭素繊維糸条の糸幅が平均3.0mmとなってプレス含浸部へ炭素繊維糸条を導入した。得られたプリプレグはプリプレグ表面の一部分でワレが発生し、プリプレグの生産効率が低下した。該プリプレグの幅方向の繊維目付CV値が1.5%であり、テープピール試験法による含浸性レベルが7.1であった。また、該プリプレグを用いて積層体を成形したところ、そのボイド率は0.7体積%であった。
(実施例5)
ガイドプレートをプレス含浸部から1.7m手前に配置した以外は実施例1と同様に一方向プリプレグを製造した。糸押さえロールにおいて炭素繊維糸条の糸幅が平均5.1mmとなってプレス含浸部へ炭素繊維糸条を導入された。実施例1では糸幅の標準偏差が0.3と小さいのに対し、本実施例では標準偏差が0.8と大きく糸幅にバラツキが確認された。得られたプリプレグは表面品位良好で、プリプレグの幅方向の繊維目付CV値が2.4%であり、テープピール試験法による含浸性レベルは8.1であった。また、本プリプレグを用いて積層体を真空圧成形したところ、そのボイド率は1.0体積%であった。
(比較例1)
炭素繊維糸条1を糸押さえロールの1.0m手前に配置した分繊コームに通したのちに、プレス含浸部へ導入し、炭素繊維糸条の糸幅は糸押さえロールにおいて糸幅が平均10.8mmであったこと以外は実施例1と同様にしてプリプレグを製造したところ、得られたプリプレグはプリプレグ表面にシワが多数発生しており含浸性不良であり、該プリプレグの幅方向の繊維目付CV値は3.0%で幅方向の目付バラツキが悪化した。テープピール試験法による含浸性レベルが5.9であった。また、該プリプレグを用いて積層体を成形したところ、ボイド率は0.6体積%で問題なかったが、成形体表面に皺が発生して、品位が製品として許容できないものとなった。
(比較例2)
フィラメント数が48000本の炭素繊維糸条2(強度:3945MPa、弾性率:226GPa)で、糸幅がボビン上で22.2mmの炭素繊維糸条にて、プリプレグの繊維目付が500g/mとなるように糸を引き揃えたプリプレグ(樹脂含有率:38質量%)を製造した。
炭素繊維糸条を糸押さえロールの1.0m手前に配置した分繊コームに通したのちに、プレス含浸部へ導入した。炭素繊維糸条の糸幅は糸押さえロールにおいて糸幅が平均22.1mmであった。
プリプレグ含浸部分では、4m/分のライン速度に設定し、エポキシ樹脂を主要成分とする熱硬化性樹脂組成物を離型紙に塗工した樹脂フィルムを用いて、含浸温度は100℃に設定し、炭素繊維基材へ加圧・加熱して含浸することで一方向プリプレグを製造した。得られたプリプレグはプリプレグ表面にシワが多数発生しており、含浸性レベルが5.2と低く、幅方向の繊維目付CV値が3.0%と低下した。このプリプレグを成形したところ、ボイド率は0.5体積%と低かったが、成形体表面の品位が良好なものではなかった。
(比較例3)
ガイドプレートに設けたガイドホールの直径を7.0mmにしたこと以外は実施例1と同様にして一方向プリプレグを製造した。糸押さえロールにおいて炭素繊維糸条の糸幅が平均8.2mmとなってプレス含浸部へ炭素繊維糸条を導入した。得られたプリプレグの幅方向の繊維目付CV値は2.6%で幅方向の目付バラツキが悪化しており、さらに含浸性レベルが6.2で含浸性不良であり、プリプレグ表面にシワが多数発生した。また、該プリプレグを用いて積層体を成形したところ、そのボイド率は0.6体積%で問題なかったが、成形体表面に皺が発生して、品位が製品として許容できないものとなった。
Figure 2011207930
本発明によれば、航空・宇宙用途や産業用途にて求められる厚物プリプレグで、具体的には、プリプレグの繊維目付が400g/m以上1,400g/m以下の高目付のプリプレグで、かつ110℃での硬化速度が1時間以下の速硬化性樹脂を使用した、成形サイクルに優れたプリプレグであり、フィラメント数の多い強化繊維束を使用するため、生産効率が良く製造コストを抑えて生産することが可能なプリプレグを提供することができる。
1 ガイドプレート
2 ガイドホール
3 含浸導入ロール
4 含浸ロール
5 ホットプレート
6 樹脂フィルムロール
7 糸押さえロール
8 プレス含浸部

Claims (4)

  1. フィラメント数が24,000〜60,000の強化繊維糸条と樹脂を有してなる一方向プリプレグであって、該プリプレグの単位面積当たりの繊維質量が400〜1,400g/m、そのプリプレグの単位面積当たりの繊維質量の幅方向のバラツキが変動率で2.5%未満であり、110℃で1時間以内加熱し、硬化して得られる硬化物のガラス転移温度が100℃以上となる樹脂を、前記強化繊維糸条を有してなる強化繊維基材に含浸してなるものであって、明細書に記載されるテープピール試験法にて測定された含浸性レベルが6.5以上の範囲にある一方向プリプレグ。
  2. 請求項1に記載の一方向プリプレグの製造方法において、前記樹脂を、前記強化繊維糸条を有してなる強化繊維基材に含浸するに際し、プレス含浸を行う工程を有し、該プレス含浸部の0.5m手前での該強化繊維糸条の糸幅L(mm)を、
    1,000×(B/A)≦L≦2,000×(B/A)
    A:プリプレグの単位面積当たりの繊維質量(g/m)、B:強化繊維糸条の単位長さ当たりの質量(g/m)
    として該強化繊維糸条を供給する、一方向プリプレグの製造方法。
  3. 前記プレス含浸部から1.5m未満の距離に配置されたガイドプレートに、ガイドホールが設けられており、該ガイドホールに前記強化繊維糸条を通すことにより、該プレス含浸部の0.5m手前での該強化繊維糸条の糸幅L(mm)を、
    1,000×(B/A)≦L≦2,000×(B/A)
    A:プリプレグの単位面積当たりの繊維質量(g/m)、B:強化繊維糸条の単位長さ当たりの質量(g/m)
    として該強化繊維糸条を供給する、請求項2記載の一方向プリプレグの製造方法。
  4. 強化繊維が炭素繊維であり、かつ含浸性レベルが8.1以下である、請求項1に記載の、または請求項2または3に記載の方法で製造された一方向プリプレグを、積層し、真空圧成形して得られる、ボイド率が1体積%以下の繊維強化樹脂成形体。
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