JP2009235182A - プリフォーム用基材とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】賦形性と形態安定性に優れた、且つ、通気性が高く樹脂の含浸性にも優れたプリフォーム用の強化繊維基材を提供すること。
【解決手段】熱硬化性樹脂を主成分とするバインダー樹脂組成物であって、この樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・sの範囲内にあるバインダー樹脂組成物を、シート状の強化繊維基材の片面又は両面に、強化繊維基材に対し1〜20重量%の範囲で、ドット状に付着してなるプリフォーム用基材、及びそれを複数積層して得られる積層基材又はプリフォーム。
【選択図】なし

Description

本発明は、強化繊維からなる形状賦形性と形態安定性に優れたプリフォーム用基材と、それに用いる常温で液体状又は半固形の樹脂からなるバインダー樹脂組成物、及びプリフォーム用基材の製造方法、並びにプリフォーム用積層基材とその製造方法に関する。
繊維強化プラスチック(FRP)は、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の熱可塑性樹脂のマトリックス樹脂と、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の繊維強化材(強化繊維基材)とからなるものであり、軽量で且つ強度特性に優れるため、近年、航空宇宙産業から一般産業分野に至るまで、幅広い分野において利用されている。
FRPの成形方法としては色々な方法が知られているが、典型的には、例えば、強化繊維基材に予めマトリックス樹脂を含浸させた成形中間基材であるプリプレグを用いて、オートクレーブ等で成形する方法、シート状の強化繊維基材を予め成形品形状に賦形したプリフォームを成形型に配置し型締めし、型内にマトリックス樹脂を注入・含浸せしめて成形する方法がある。シート状の強化繊維基材を使用したFRP成形品は、樹脂トランスファー成形法(RTM成形法)によって成形される場合が多い。RTM成形法は、熱硬化性樹脂を用いた成形法の一種であり、シート状の強化繊維基材を型に敷設した後、型のキャビティーに樹脂を注入して基材に樹脂を含浸させ、硬化させることによりFRP成形品を得る。
織物、多軸織物等のシート状の強化繊維基材は、そのままFRP成形品の強化繊維基材として用いるには厚さが不十分の場合は、複数枚を重ねて型に敷設し使用される。通常は、作業性の観点から、シート状の強化繊維基材をある程度の厚さとなるまで複数枚積層して一体化した積層基材(積層体)が用いられる。積層体の製造は、シート状の強化繊維基材同士をバインダーを用いて貼り合わせるか、あるいは、シート状の強化繊維基材間に、熱可塑性樹脂からなる熱溶着糸を用いて製造した不織布等を挟み込んで加熱することにより行われている。
FRP成形品を高サイクルで成形する場合、あらかじめ賦形型で賦形した積層体(プリフォーム)を成形型に移動し、RTM成形法等で成形される。従って、このような場合には、強化繊維基材の形状賦形性や樹脂の含浸性が良好なだけでなく、積層体が移動に耐えられるだけの形態安定性が必要である。形態の安定性を向上させるため、一般的には、強化繊維基材同士をバインダーで強固に接着固定する方法が取られている。バインダーとしては、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂を使用する方法がある。熱硬化性樹脂を使用する場合、繊維強化材の層間にバインダーを塗布し、その一部を繊維強化材に含浸させ、加熱により樹脂を硬化させる方法が知られている。また、熱可塑性樹脂を使用する場合、熱溶着糸からなる不織布等を使用し、加熱により熱溶着糸を溶融させ繊維強化材層間を接着させる方法、熱可塑性ポリマー糸を使用し、織物製織時に繊維強化材と熱可塑性ポリマー糸を引き揃えて製織し、この織物を積層したプリフォームを使用する方法等が提案されている(例えば、以下の特許文献参照)。
特開2002−227067号公報 特開2003−80607号公報 特許第1736023号公報 特開2001−64406号公報 特開2005−219228号公報 特開2006−326892号公報
しかしながら、バインダーを塗布し硬化させる方法は、シート状の強化繊維基材の層間に存在する樹脂が硬化しているため、RTM成形法に使用する樹脂の種類によっては、強化繊維基材への樹脂含浸が不十分になったり、樹脂の硬化阻害作用があったりして、得られたFRP成形品の層間物性が低下するという問題がある。また、熱溶着糸からなる不織布等を挟んで加熱する方法では、接着面積が大きいため、室温のコンポジット物性は問題ないが、熱間特性が低下するという問題点があった。また、熱可塑性ポリマー糸を使用した織物では、接着面積の低減が可能であり、得られたFRP成形品のコンポジット物性は問題ないが、形状の安定性が悪く、賦形した積層基材(プリフォーム)を移動できないという問題があった。
本発明の目的は、シート状の強化繊維基材を積層して、RTM成形法等によりFRP成形品の製造を行う場合に、プリフォームに容易に賦形でき、且つ、通気性が高く樹脂の含浸性にも優れたプリフォーム用基材、そしてまた、FRP成形品の層間物性が低下せず、予備成形時の形状を安定的に保持できる、形態安定性に優れたプリフォーム用積層基材を提供することにある。また、本発明の他の目的は、前記プリフォーム用基材又はプリフォーム用積層基材を用いたFRP成形品を提供することにある。
本発明の請求項1に記載された発明は、熱硬化性樹脂を主成分とするバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s(500×103〜5000×103poise)、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・s(0.1〜10poise)の範囲内にあるバインダー樹脂組成物を、シート状の強化繊維基材の片面又は両面に、強化繊維基材に対し1〜20重量%の範囲で、ドット状に付着してなるプリフォーム用基材である。
請求項2に記載された発明は、ドットの形状は、ドット径が0.2〜2mm、ドット間のピッチが0.2〜30mmのものである請求項1記載のプリフォーム用基材である。
請求項3に記載された発明は、熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド(BMI)樹脂、不飽和ポリエステル樹脂のいずれか1種又は2種以上の組み合わせである請求項1又は2記載のプリフォーム用基材である。
請求項4に記載された発明は、バインダー樹脂組成物が、全体の50重量%以下の熱可塑性樹脂の粉体を含有するものである請求項1又は2記載のプリフォーム用基材である。
請求項5に記載された発明は、熱可塑性樹脂が、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィドのいずれか1種又は2種以上の組み合わせである請求項4記載のプリフォーム用基材である。
請求項6に記載された発明は、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が、150℃以上のものである請求項4又は5記載のプリフォーム用基材である。
請求項7に記載された発明は、プリフォーム基材1枚の通気度が、5〜50cm/cm2・secである請求項1〜6のいずれか1項記載のプリフォーム用基材である。
請求項8に記載された発明は、シート状の強化繊維基材が、実質的に一方向に配列した強化繊維からなるものである請求項1〜7のいずれか1項記載のプリフォーム用基材である。
請求項9に記載された発明は、シート状の強化繊維基材が、多軸織物又はノンクリンプ織物である請求項1〜7のいずれか1項記載のプリフォーム用基材である。
請求項10に記載された発明は、熱硬化性樹脂50〜95重量%とガラス転移温度(Tg)が150℃以上の熱可塑性樹脂50〜5重量%とからなるバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s(500×103〜5000×103poise)、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・s(0.1〜10poise)の範囲内にあるバインダー樹脂組成物である。
請求項11に記載された発明は、熱硬化性樹脂を主成分とするバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・sの範囲内にあるバインダー樹脂組成物を、シート状の強化繊維基材の片面又は両面に、強化繊維基材に対し1〜20重量%の範囲で、ドットコーティング方式によりドット状に付与し付着せしめることを特徴とするプリフォーム用基材の製造方法である。
請求項12に記載された発明は、熱硬化性樹脂を主成分とするバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・sの範囲内にあるバインダー樹脂組成物を、シート状の強化繊維基材の片面又は両面に、強化繊維基材に対し1〜20重量%の範囲で、ドット状に付着してなるプリフォーム用基材を複数枚積層し、層間を接合した積層基材であって、層間の25℃での剥離強度が70〜500N/mの範囲であり、且つ、層間剥離後の再接着において、25℃での剥離強度が少なくとも10N/mを有していることを特徴とするプリフォーム用積層基材である。なお、本発明においてプリフォーム用積層基材というときには、特に区別して用いない限り、それを賦形したプリフォームも含むものである。
請求項13に記載された発明は、熱硬化性樹脂を主成分とするバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・sの範囲内にあるバインダー樹脂組成物を、シート状の強化繊維基材の片面又は両面に、強化繊維基材に対し1〜20重量%の範囲で、ドット状に付着してなるプリフォーム用基材を複数枚積層し、必要に応じて加熱及び/又は加圧して積層された強化繊維基材間を接合することを特徴とするプリフォーム用積層基材(又はプリフォーム)の製造方法である。
請求項14に記載された発明は、請求項12記載のプリフォーム用積層基材を、成形型内に配置し、マトリックス樹脂を含浸させた後、常温硬化又は加熱硬化させることを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法である。
請求項15に記載された発明は、マトリックス樹脂が、ビニルエステル樹脂を主成分とするものであることを特徴とする請求項14記載の繊維強化複合材料の製造方法である。
請求項16に記載された発明は、請求項12記載のプリフォーム用積層基材を、成形型内に配置し、マトリックス樹脂を含浸させた後、常温硬化又は加熱硬化させることによって得られた繊維強化複合材料である。
そして、請求項17に記載された発明は、マトリックス樹脂が、ビニルエステル樹脂を主成分とするものである請求項16記載の繊維強化複合材料である。
本発明のバインダー樹脂組成物は、室温でタックがあり、加熱しなくてもシート状の繊維強化基材に付与・付着させることができるので、プリフォームの生産サイクル性に優れ、特に大型形状の風車のブレード等の製作に適している。そして、得られたプリフォーム用基材とその積層基材は、形状賦形性と形態安定性に優れており、通気性が高く樹脂の含浸性にも優れている。また、この積層基材は、剥離後の再接着が可能であるため、プリフォーム作製の際、張り直し等の修正作業が容易である。そして、本発明のプリフォーム用基材又はその積層基材を用いて、RTM成形法等によって得られたFRP成形品は、マトリックス樹脂との相溶性に優れているので、優れた耐衝撃特性、靭性等の機械的特性を有するものとなる。
本発明のプリフォーム用基材は、熱硬化性樹脂を主成分とするバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s(500×103〜5000×103poise)、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・s(0.1〜10poise)の範囲内にあるバインダー樹脂組成物を、シート状の強化繊維基材の片面又は両面に、強化繊維基材に対し1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の範囲で、ドット状に付着してなるプリフォーム用基材である。バインダー樹脂組成物の量が1重量%未満の場合は安定なプリフォームが得られないし、20重量%を超えるとマトリックス樹脂の含浸性に悪影響を与えるので不適当である。ドットの形状は、ドット径が0.2〜2mm、ドット間のピッチが0.2〜30mmのものが好ましい。得られたプリフォーム基材としては、1枚の基材の通気度が、5〜50cm/cm・secであるものが好ましい。
バインダー樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を主成分とするものであるが、全体の50重量%以下の熱可塑性樹脂の粉体を含有するものであっても良い。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド(BMI)樹脂、不飽和ポリエステル樹脂のいずれか1種又は2種以上の組み合わせが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィドのいずれか1種又は2種以上の組み合わせが好ましい。特に、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が、150℃以上のものが好ましい。
本発明で用いられるバインダー樹脂組成物としては、熱硬化性樹脂50〜95重量%とガラス転移温度(Tg)が150℃以上の熱可塑性樹脂50〜5重量%とからなるバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s(500×103〜5000×103poise)、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・s(0.1〜10poise)の範囲内であるものが特に好ましく用いられる。
従来、プリフォーム用のバインダー樹脂組成物としては、ハンドリング性や保管性の観点から粉体形状のものが多く用いられてきた。粉体状として用いる場合には、使用できる樹脂の種類が限られてしまうという問題がある。本発明の融点(Tm)が0〜20℃の、常温で液体状又は半固形の樹脂からなるバインダー樹脂組成物を用いることで、プリフォーム用のバインダーとして使用出来る樹脂組成物の幅を広げることができる。
本発明においてシート状の強化繊維基材とは、強化繊維を経糸及び/又は緯糸として使用した平織物、綾織物、朱子織物や、平行に引き揃えた強化繊維束の集合からなる一軸織物や多軸織物、ノンクリンプ織物等の基材である。強化繊維としては、特に制限はなく、一般にFRPにおける強化繊維として使用されるものであって良い。具体的には、無機繊維、有機繊維、金属繊維、金属被覆繊維またはそれらの混合から成り、無機繊維としては炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイト繊維、ボロン繊維、ガラス繊維等が用いられてよい。有機繊維の場合にはアラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維が挙げられる。本発明においては、比強度および比弾性率が高い炭素繊維あるいは黒鉛繊維が好ましい。
本発明の前記プリフォーム用基材は、熱硬化性樹脂を主成分とするバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・sの範囲内にあるバインダー樹脂組成物を、シート状の強化繊維基材の片面又は両面に、強化繊維基材に対し1〜20重量%の範囲で、ドットコーティング方式によりドット状に付与し付着せしめる方法によって製造することができる。かかる樹脂組成物は、粘着性があり、そのまま、ドットコーティング方式によって規則的にドット状に強化繊維基材の片面又は両面に付与・付着せしめられる。ドットの形状は、ドット径が0.2〜2mm、ドット間のピッチが0.2〜30mmのものが好ましい。本発明のバインダー樹脂組成物は、室温でタックがあるため、特に加熱しなくても強化繊維基材の片面又は両面に付与・付着せしめることができる。
本発明のプリフォーム用積層基材(プリフォームを含む)は、上記方法で得られたプリフォーム用基材を複数枚積層し、積層された強化繊維基材間を接合することによって得られる。必要に応じて加熱下や加圧しながらプリフォーム用積層基材あるいはプリフォームを作成しても良い。かくして得られたプリフォーム用積層基材は、層間が接合されたものであって、層間の25℃での剥離強度が70〜500N/m2の範囲であり、且つ、層間剥離後の再接着において、25℃での剥離強度が少なくとも10N/mを有するものである。層間剥離後の再接着とは、例えば、プリフォームの積層工程で修正の必要が生じて、層間を一度剥離し再度接着させるような場合を意味し、この値が10N/m以上あれば、修正に特に問題が生じない。
本発明のプリフォーム基材又は積層基材は、FRP成形品の繊維強化材として使用する場合には、そのまま用いることもできるが、取扱い性や作業性の観点から、プリフォーム基材又は積層基材を、賦形型を使用して、予備成形したプリフォームを用いるのが好ましい。具体的には、プリフォーム用基材又は積層基材を賦形型で所望の形態に賦形してプリフォームを作製し、かかるプリフォームを成形型内に配置し、RTM成形法等で硬化剤等を含むマトリックス樹脂(組成物)を含浸させた後、常温硬化又は加熱硬化させてFRP成形品等の繊維強化複合材料を製造する。
マトリックス樹脂として、熱硬化性樹脂を用いることができる。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、シアン酸エステル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、マレイミド樹脂とシアン酸エステル樹脂の予備重合樹脂から選ばれる樹脂がある。これらは1種又は2種以上の混合物として用いることもできる。
本発明においてプリフォームは、例えば、賦形型に敷設したプリフォーム基材又は積層基材を、プレス等による加圧下で形状付与して作製することができる。かくして得られたプリフォームを用いて、RTM成形法等で優れた物性を有するFRP成形品(繊維強化複合材料)が得られる。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。実施例と比較例で使用したシート状の強化繊維基材とマトリックス樹脂は下記のとおりである。
(シート状の強化繊維基材)
サイズ剤が付着した炭素繊維束HTA−3K・E30(東邦テナックス社製、3,000フィラメント、1,800デニール、引張強度3,920MPa、引張弾性率235GPa)を経糸と緯糸に用いて得られた織物(平織物、炭素繊維目付200g/m)を用いた。
(マトリックス樹脂(組成物))
以下の処方により主剤と硬化剤を調製し、使用直前にこれらを混合した液状熱硬化性樹脂組成物を用いた。
主剤:温度計、攪拌機、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製エピコート828、エポキシ当量186)186g(1.0当量)、メタクリル酸43.0g(0.5当量)、ヒドロキノン0.11g(1.0×10−3当量)、エポキシ樹脂とメタクリル酸の合計100質量部に対して0.2質量部に相当するナフテン酸クロム(クロム含有量3%)0.48gを仕込んだ。空気を吹き込みながら、100℃に加熱し、約10時間反応させ、酸価0、ポリスチレン換算重量平均分子量630の反応物(エポキシ基含有ビニルエステル樹脂)を得た。反応物にスチレンモノマーを全体の20質量%となるように添加し、粘度4.6dPa・s(25℃)の樹脂(主剤)を得た。
硬化剤:有機化酸化物硬化剤としてペルオキシケタール系過酸化物(日本油脂社製パーヘキサ3M)1.5重量部と、エポキシ樹脂硬化剤としてイミダゾール系エポキシ樹脂硬化剤(四国化成工業社製キュアゾール2E4MZ)1.0重量部を併用した。
なお、実施例と比較例における各種物性値は、以下の方法で測定した。
<プリフォーム用基材の剥離強度>
プリフォーム用基材の剥離強度は、JIS・K・6854−1の90°はく離接着強さ試験の方法を模擬して測定した。具体的には、次の手順で測定する。プリフォーム用基材から150×55mmの試験片を切り出し、長手方向の試験治具つかみ部(50mm)を残して該プリフォーム基材同士を2枚接着する。接着した試験片の片面を、十分に剛性を有する鉄鋼板などに固定し、もう一方のプリフォーム用基材の試験治具つかみ部を引張試験機に取り付け、該プリフォーム基材間を剥がす力を測定する。但し、このとき引張治具と剥離位置が垂直になるよう重心位置を配置させ、該試験片にねじりモーメントが加わらないよう配慮して、測定を実施する。これを計5回計測繰り返し、その平均値から剥離強度を算出する。
<プリフォーム用基材の通気性>
プリフォーム用基材の通気性は、JIS・L・1096A法(フラジュール形法)に従い、測定した空気の通過量で表した。
<繊維強化複合材料の曲げ強度>
繊維強化複合材料の曲げ強度は、JIS・K・7074の3点曲げ試験に準拠して、室温及び80℃雰囲気下で曲げ強度を測定した。板厚約2.0mmの複合材料(成形品)を、長さ100×幅15mmに切り出し、支点間距離LをL=32h(mm)(h:試験片の厚さ)とし、室温及び80℃雰囲気下で試験片の曲げ強度及び弾性率を測定した。
<繊維強化複合材料の層間せん断特性>
複合材料の層間せん断強度は、JIS・K・7078に準拠して測定した。板厚約2.0mmの複合材料(成形品)を、長さ14×幅10mmに切り出し、支点間距離LをL=5h(mm)(h:試験片の厚さの平均値)とし、室温及び80℃雰囲気下で試験片の層間せん断強度を測定した。
[実施例1]
(バインダー樹脂組成物)
ビニルエステル樹脂VR−90(昭和高分子社製)を100重量部と、エポキシ樹脂jER828(ジャパンエポキシレジン社製)を30重量部混合し、プリフォーム基材用バインダー樹脂として用いた。融点は約20℃、粘度は25℃で約450kPa・s、100℃で約0.8Pa・sであった。
(プリフォーム用基材)
前記バインダー樹脂を、前記シート状の強化繊維基材(炭素繊維織物)の片面に、ドット径1.0mm、ドットピッチ5mmで、基材に対し2重量%の付着量になるように塗布し、バインダー樹脂を付着した強化繊維基材を得た。このプリフォーム用基材の通気度は、40cm/cm・secであった。
(プリフォーム用積層基材)
前記で得られた強化繊維基材(プリフォーム用基材)を10枚積層し、これをバギングし、0.1MPaで5分かけて基材同士を固着させ、プリフォーム用積層基材(プリフォーム)を得た。
(プリフォーム用積層基材の物性評価)
前記で得られた、プリフォーム用積層基材の剥離強度の評価を行ったところ、剥離強度は300N/m、層間剥離して再接着後の剥離強度は100N/mであり、取扱性の良い範囲内であることが確認できた。
(繊維強化プラスチック成形品(複合材料)の製造)
上記の方法で得られたプリフォームの上に、ピールクロスのRelease・Ply・C(AIRTECH社製)と樹脂拡散基材のResin・Flow・60(AIRTECH社製)を積層した。その後、樹脂注入口と樹脂排出口形成のためのホースを配置し、全体をナイロンバッグフィルムで覆い、シーラントテープを用いて、プリフォーム、ピールクロス、樹脂拡散基材を、ナイロンバッグフィルムと金型との間に密閉し、内部を真空にした。
続いて金型を100℃に加温し、キャビティ内を5mmbar以下に減圧した後、樹脂注入口を通して、真空系内へ40℃に加温した前記マトリックス樹脂を注入した。そして、注入した樹脂が金型のキャビティ内に充満し、プリフォームに含浸した状態で100℃にて30分間保持し、成形品を得た。
(コンポジット物性評価)
上記のようにして得た成形品から試験片を切出し、室温及び80℃雰囲気にて、曲げ強度、層間せん断強度を測定した。バインダーを用いたことによる物性低下は無く、良好なコンポジット物性値が得られた。結果は表1に示した。
[実施例2]
ドット径を1.5mmとした以外は、実施例1と同様の方法にてプリフォーム用バインダー樹脂組成物及びプリフォーム用基材を作成した。このプリフォーム用基材の通気度は30cm/cm・secであり、剥離強度も取扱性の良い範囲の値が得られた。実施例1と同様の方法にて繊維強化プラスチック成形品を作成、各種物性の評価を行った。バインダーを用いたことによる物性低下は無く、良好なコンポジット物性値が得られた。結果は表1に示した。
[実施例3]
ドットピッチを20mmとした以外は、実施例1と同様の方法にてプリフォーム用バインダー樹脂組成物及びプリフォーム用基材を作成した。このプリフォーム用基材の通気度は45cm/cm・secであり、剥離強度も取扱性の良い範囲の値が得られた。実施例1と同様の方法にて繊維強化プラスチック成形品を作成、各種物性の評価を行った。バインダーを用いたことによる物性低下は無く、良好なコンポジット物性値が得られた。結果は表1に示した。
[実施例4]
付着量を15重量%とした以外は、実施例1と同様の方法にてプリフォーム用バインダー樹脂組成物及びプリフォーム用基材を作成した。このプリフォーム用基材の通気度は10cm/cm・secであり、剥離強度も取扱性の良い範囲の値が得られた。実施例1と同様の方法にて繊維強化プラスチック成形品を作成、各種物性の評価を行った。バインダーを用いたことによる物性低下は無く、良好なコンポジット物性値が得られた。結果は表1に示した。
[実施例5]
エポキシ樹脂jER604(ジャパンエポキシレジン社製)を100重量部と、フェノキシタイプjER4250(ジャパンエポキシレジン社製)を10重量部混合し、プリフォーム用バインダー樹脂組成物として用いた。融点は約18℃、粘度は25℃で約300kPa・s、100℃で約0.6Pa・sであった。ドット径を0.8mmとした以外は、実施例1と同様の方法にてプリフォーム用基材を作成した。このプリフォーム用基材の通気度は、45cm/cm・secであった。実施例1と同様の方法にて繊維強化プラスチック成形品を作成、各種物性の評価を行った。バインダーを用いたことによる物性低下は無く、良好なコンポジット物性値が得られた。結果は表1に示した。
[実施例6]
エポキシ樹脂jER834(ジャパンエポキシレジン社製)を100重量部と、熱可塑性樹脂PES・5003P(住友化学社製)を30重量部混合し、プリフォーム用バインダー樹脂組成物として用いた。融点は約18℃、粘度は25℃で約280kPa・s、100℃で約0.5Pa・sであった。ドット径を0.8mmとした以外は、実施例1と同様の方法にてプリフォーム用基材を作成した。このプリフォーム用基材の通気度は、45cm/cm・secであった。実施例1と同様の方法にて繊維強化プラスチック成形品を作成、各種物性の評価を行った。バインダーを用いたことによる物性低下は無く、良好なコンポジット物性値が得られた。結果は表1に示した。
[実施例7]
エポキシ樹脂jER834(ジャパンエポキシレジン社製)を100重量部と、熱可塑性樹脂PES・5003P(住友化学社製)を10重量部混合し、プリフォーム用バインダー樹脂組成物として用いた。融点は約15℃、粘度は25℃で約80kPa・s、100℃で約0.2Pa・sであった。ドット径を0.8mmとした以外は、実施例1と同様の方法にてプリフォーム用基材を作成した。このプリフォーム用基材の通気度は、48cm/cm・secであった。実施例1と同様の方法にて繊維強化プラスチック成形品を作成、各種物性の評価を行った。バインダーを用いたことによる物性低下は無く、良好なコンポジット物性値が得られた。結果は表1に示した。
[比較例1]
バインダーを用いないで、前記炭素繊維織物から実施例1と同様のやり方でプリフォームを作製し、次いで、同様のやり方で繊維強化プラスチック成形品を成形し各種物性の評価を行った。結果は表1に示した。
[比較例2]
エポキシ樹脂jER604(ジャパンエポキシレジン社製)を100重量部と、フェノキシタイプjER4250(ジャパンエポキシレジン社製)を10重量部混合し、プリフォーム用バインダー樹脂組成物として用いた。融点は約18℃、粘度は25℃で約300kPa・s、100℃で約0.6Pa・sであった。ドット径を3.0mm、付着量を25重量%とした以外は、実施例1と同様の方法にてプリフォーム用基材を作成した。このプリフォーム用基材の通気度は、3.0cm/cm・secであった。実施例1と同様の方法にて繊維強化プラスチック成形品を作成したが、ドット径が大きい為、マトリクス樹脂の含浸性が悪かった。結果は表1に示した。
[比較例3]
エポキシ樹脂jER604(ジャパンエポキシレジン社製)を100重量部と、フェノキシタイプjER4250(ジャパンエポキシレジン社製)を10重量部混合し、プリフォーム用バインダー樹脂組成物として用いた。融点は約18℃、粘度は25℃で約300kPa・s、100℃で約0.6Pa・sであった。ドット径を0.15mm、ドットピッチを0.2mm、付着量を15重量%とした以外は、実施例1と同様の方法にてプリフォーム用基材を作成した。このプリフォーム用基材の通気度は、2.0cm/cm・secと低い為、マトリクス樹脂の含浸性がやや悪かった。結果は表1に示した。
[比較例4]
ドットピッチを50mm、付着量を0.8重量%とした以外は、実施例1と同様の方法にてプリフォーム用バインダー樹脂組成物及びプリフォーム用基材を作成した。このプリフォーム用基材の通気度は、70cm/cm・secであり、ドットピッチが大きい為、付着力が十分ではなく、形状追従性が悪かった。結果は表1に示した。
[比較例5]
エポキシ樹脂jER834(ジャパンエポキシレジン社製)を100重量部と、熱可塑性樹脂PES・5003P(住友化学社製)を30重量部混合し、プリフォーム用バインダー樹脂組成物として用いた。融点は約18℃であった。バインダー付着量を25重量%とした以外は、実施例1と同様の方法にてプリフォーム用基材を作成した。このプリフォーム用基材の通気度は、4.0cm/cm・secであり、バインダー付着量が多い為、マトリクス樹脂の含浸性が悪かった。結果は表1に示した。
[比較例6]
エポキシ樹脂jER834(ジャパンエポキシレジン製)を100重量部と、熱可塑性樹脂PES 5003P(住友化学製)を30重量部混合し、プリフォーム用バインダー樹脂組成物として用いた。融点は約18℃であった。バインダー付着量を0.5重量%とした以外は、実施例1と同様の方法にてプリフォーム用基材を作成した。このプリフォーム用基材の通気度は、60cm/cm・secであり、バインダー付着量が少な過ぎる為、十分な剥離強度が得られなかった。結果は表1に示した。
[比較例7]
エポキシ樹脂jER807(ジャパンエポキシレジン社製)を100重量部と、フェノキシタイプjER4250(ジャパンエポキシレジン社製)を10重量部混合し、プリフォーム用バインダー樹脂組成物として用いた。融点は約10℃であり、粘度は25℃で約30kPa・s、100℃で約0.005Pa・sであった。実施例1と同様の方法にてプリフォーム用基材を作成したが、このプリフォーム用バインダー樹脂組成物は、室温における粘度が低過ぎ、基材へ染み込んでしまい、バインダーとして使用出来なかった。結果は表1に示した。
以上の実施例及び比較例との対比結果より、取扱性と物性の面から、最適なドット径とピッチ範囲及び付着量範囲、粘度範囲があることが明白になった。
Figure 2009235182

Claims (17)

  1. 熱硬化性樹脂を主成分とするバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・sの範囲内にあるバインダー樹脂組成物を、シート状の強化繊維基材の片面又は両面に、強化繊維基材に対し1〜20重量%の範囲で、ドット状に付着してなるプリフォーム用基材。
  2. ドットの形状は、ドット径が0.2〜2mm、ドット間のピッチが0.2〜30mmのものである請求項1記載のプリフォーム用基材。
  3. 熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド(BMI)樹脂、不飽和ポリエステル樹脂のいずれか1種又は2種以上の組み合わせである請求項1又は2記載のプリフォーム用基材。
  4. バインダー樹脂組成物が、全体の50重量%以下の熱可塑性樹脂の粉体を含有するものである請求項1又は2記載のプリフォーム用基材。
  5. 熱可塑性樹脂が、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトンケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィドのいずれか1種又は2種以上の組み合わせである請求項4記載のプリフォーム用基材。
  6. 熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が、150℃以上のものである請求項4又は5記載のプリフォーム用基材。
  7. プリフォーム基材1枚の通気度が、5〜50cm/cm・secである請求項1〜6のいずれか1項記載のプリフォーム用基材。
  8. シート状の強化繊維基材が、実質的に一方向に配列した強化繊維からなるものである請求項1〜7のいずれか1項記載のプリフォーム用基材。
  9. シート状の強化繊維基材が、多軸織物又はノンクリンプ織物である請求項1〜7のいずれか1項記載のプリフォーム用基材。
  10. 熱硬化性樹脂50〜95重量%とガラス転移温度(Tg)が150℃以上の熱可塑性樹脂50〜5重量%とからなるバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・sの範囲内にあるバインダー樹脂組成物。
  11. 熱硬化性樹脂を主成分とするバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・sの範囲内にあるバインダー樹脂組成物を、シート状の強化繊維基材の片面又は両面に、強化繊維基材に対し1〜20重量%の範囲で、ドットコーティング方式によりドット状に付与し付着せしめることを特徴とするプリフォーム用基材の製造方法。
  12. 熱硬化性樹脂を主成分とするバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・sの範囲内にあるバインダー樹脂組成物を、シート状の強化繊維基材の片面又は両面に、強化繊維基材に対し1〜20重量%の範囲で、ドット状に付着してなるプリフォーム用基材を複数枚積層し、層間を接合した積層基材であって、層間の25℃での剥離強度が70〜500N/mの範囲であり、且つ、層間剥離後の再接着において、25℃での剥離強度が少なくとも10N/mを有していることを特徴とするプリフォーム用積層基材。
  13. 熱硬化性樹脂を主成分とするバインダー樹脂組成物であって、該樹脂組成物の融点(Tm)が0〜20℃であり、25℃における粘度が50〜500kPa・s、100〜150℃における粘度が0.01〜1.0Pa・sの範囲内にあるバインダー樹脂組成物を、シート状の強化繊維基材の片面又は両面に、強化繊維基材に対し1〜20重量%の範囲で、ドット状に付着してなるプリフォーム用基材を複数枚積層し、必要に応じて加熱及び/又は加圧して積層された強化繊維基材間を接合することを特徴とするプリフォーム用積層基材の製造方法。
  14. 請求項12記載のプリフォーム用積層基材を、成形型内に配置し、マトリックス樹脂を含浸させた後、常温硬化又は加熱硬化させることを特徴とする繊維強化複合材料の製造方法。
  15. マトリックス樹脂が、ビニルエステル樹脂を主成分とするものであることを特徴とする請求項14記載の繊維強化複合材料の製造方法。
  16. 請求項12記載のプリフォーム用積層基材を、成形型内に配置し、マトリックス樹脂を含浸させた後、常温硬化又は加熱硬化させることによって得られた繊維強化複合材料。
  17. マトリックス樹脂が、ビニルエステル樹脂を主成分とするものである請求項16記載の繊維強化複合材料。
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