JP2004106347A - Frp成形用中間材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】マトリックス樹脂が100℃以下の比較的低温で硬化する場合でも、大気圧のみで、内部ボイドのない良好な成形品が得られるFRP成形用中間材料を提供することである。
【解決手段】(A)シート状補強繊維基材と(B)硬化性樹脂組成物とからなり、(B)硬化性樹脂組成物が(A)シート状補強繊維基材の両表面上に存在し、かつ(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続しているFRP成形用中間材料及びその製造方法を用いる。
【選択図】図2
【解決手段】(A)シート状補強繊維基材と(B)硬化性樹脂組成物とからなり、(B)硬化性樹脂組成物が(A)シート状補強繊維基材の両表面上に存在し、かつ(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続しているFRP成形用中間材料及びその製造方法を用いる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、低温で硬化するマトリックス樹脂を用いたFRPを成形するための中間材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化複合材料(本明細書においてはFRPと略記する。)は、軽量かつ高強度、高剛性の特徴をいかし、スポーツ・レジャー用途から自動車や航空機等の産業用途まで、幅広く用いられている。特に近年、炭素繊維の価格が低下してきたことから、より軽量でかつより高強度、高剛性の炭素繊維強化複合材料(本明細書においてはCFRPと略記する。)が産業用途に用いられることが多くなってきた。
【0003】
FRPの成形方法として一般的なものに、プリプレグと呼ばれる、補強繊維に硬化性樹脂組成物などのマトリックス樹脂を含浸したFRP成形用中間材料を積層して成形する方法がある。航空機や車両等の構造材料を、プリプレグを用いて成形する場合は、通常はオートクレーブで圧力と温度を同時に加えて成形する。オートクレーブで加圧成形することによりFRP内部のボイドを軽減し、FRPは高強度を発現する。
【0004】
しかしながら、オートクレーブは非常に高価である。そこで最近では、低コストの成形方法としてオートクレーブを用いずに、大気圧のみで成形する真空バグ成形、あるいはオーブン成形などが注目されている。このような大気圧のみで成形する場合に好適なFRP成形用中間材料としては、マトリックス樹脂によって補強基材に完全に含浸させずに、一部に含浸されていない部分を意図的に残し、その部分を脱気回路として利用し、内部のエアなどを成形中に取り除く機構を有するものがある(例えば特許文献1)。脱気回路から内部のエアなどを取り除くことにより、大気圧だけの圧力による成形によっても内部にボイドのない良好な成形品が得られる。
【0005】
しかし、マトリックス樹脂が100℃以下の比較的低温で硬化する場合、硬化性樹脂組成物の流動性が低い状態で硬化するので、脱気回路に硬化性樹脂組成物が十分に行きわたらずにFRP中にボイドが発生することがあった。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第6,139,942号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題とするところは、マトリックス樹脂が100℃以下の比較的低温で硬化する場合でも、大気圧のみで、内部ボイドのない良好な成形品が得られるFRP成形用中間材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の第一の要旨は、(A)シート状補強繊維基材と(B)硬化性樹脂組成物とからなり、(B)硬化性樹脂組成物が(A)シート状補強繊維基材の両表面上に存在し、かつ(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物で含浸されていない部分が連続しているFRP成形用中間材料にある。特に、(A)シート状補強繊維基材の厚みが200μm以上であることが好ましい。又、シート状補強繊維基材が、織物、ステッチングシート、マット材、あるいは不織布のいずれかであることが好ましい。さらに、(A)シート状補強繊維基材を構成する補強繊維が、炭素繊維及び/又はガラス繊維であることが好ましい。更に又、(B)硬化性樹脂組成物が90℃×2時間で硬化可能であることが好ましい。
又、本発明の第二の要旨は、(A)シート状補強繊維基材の両側に、離型紙又はポリオレフィン製フィルム上に均一に塗布した(B)硬化性樹脂組成物を、加熱せずに張り付けることにより両側から硬化性樹脂組成物を供給し、かつ(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物で含浸されていない部分を連続的に存在させるFRP成形用中間材料の製造方法にある。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のFRP成形用中間材料の構成について説明する。
((A)シート状補強繊維基材)
本発明のFRP成形用中間材料に用いられる(A)シート状補強繊維基材を構成する補強繊維としては、特に制限はなく、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、高強度ポリエチレン繊維、PBO繊維、ガラス繊維、などが例示でき、又、これらを単独でも数種類を組み合わせて用いても良い。中でも炭素繊維は比強度、非弾性率に優れるため、又、ガラス繊維はコストパフォーマンスに優れるためこれらの補強繊維が好適に用いられる。
【0010】
本発明で用いる(A)シート状補強繊維基材の形態も特に制限はなく、一方向に引き揃えられた一方向材、織物、編物、組物、一方向若しくは多方向に積層されたマルチファブリックをステッチングしたようなステッチングシート、短繊維からなるマット材や不織布のような形態のいずれでもよいが、織物、ステッチングシート、マット材、又は不織布が、シート状補強繊維基材自身の安定性に優れ、本発明のFRP成形用中間材料の取扱い性が優れるために、(A)シート状補強繊維基材の形態としては好ましい。
【0011】
本発明で用いる(A)シート状補強繊維基材の厚みとしては200μm以上であることが好ましい。本発明のFRP成形用中間材料は、マトリックス樹脂である硬化性樹脂組成物の流動性が悪い場合でも、大気圧のみで内部にボイドのない良好な成形品が得られる。よって、(A)シート状補強繊維基材の厚くとも可能であり、逆に、厚いほうが本発明の効果は顕著に発揮される。特に、(A)シート状補強繊維基材の厚みが300μm以上である厚物の場合は更に顕著である。厚みはシート状補強繊維基材の単位面積あたりの質量を、構成する補強繊維の密度で割った値で求めることができる。
【0012】
((B)硬化性樹脂組成物)
本発明に用いられる(B)硬化性樹脂組成物としては特に制限はなく、熱や光などのエネルギーによって反応し、架橋構造を形成する樹脂組成物であれば良い。例示すれば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、BT樹脂、ベンゾキサジン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。中でもエポキシ樹脂は補強繊維との接着性、取扱い性に優れ、成形後のFRP物性のバランスに優れており、好適に用いられる。
【0013】
本発明で用いる(B)硬化性樹脂組成物は90℃×2時間の条件下で硬化することが好ましく、80℃×2時間の条件下で硬化することは更に好ましい。本発明のFRP成形用中間材料は、マトリックス樹脂である硬化性樹脂組成物の流動性が悪い場合でも、大気圧のみで内部にボイドのない良好な成形品が得られるので、(B)硬化性樹脂組成物が比較的低温で硬化する場合に適している。
一方、プリプレグに代表されるFRP成形用中間材料は室温での取扱い性が良好でなければならない。取扱い性の大きな要素としてはタック(べたつき具合)とドレープ性(柔軟性)であるが、タックとドレープ性を適正化するためにはマトリックス樹脂である硬化性樹脂組成物がある粘度範囲になければならない。熱硬化成樹脂組成物の粘度が低すぎるとタックが強すぎて非常に取扱いにくいものとなるし、又硬化性樹脂組成物の粘度が高すぎてもタックが弱すぎたり、ドレープ性がなくなったりしてこれも取扱いづらくなる。このように、FRP成形用中間材料として良好な取扱い性を発現するためには、硬化性樹脂組成物が適切な粘度範囲になければならない。従って、より低温で硬化するということは、それだけ硬化性樹脂組成物がより高粘度のうちに硬化するということなので、流動性があまりなくても良好な成形品が得られる、本発明のFRP成形用中間材料の硬化性樹脂組成物としては適している。
【0014】
(B)硬化性樹脂組成物が90℃×2時間の条件で硬化するか否かは次のようにして判断する。(B)硬化性樹脂組成物のみ、あるいは(B)硬化性樹脂組成物を(A)シート状補強繊維基材に含浸した状態で実際にオーブンを用いて90℃×2時間の条件で成形する。得られた硬化物が外観上明らかに硬化していれば90℃×2時間の条件で硬化するとみなす。又、80℃×2時間の条件で硬化するか否かについても同様である。硬化しているかどうかの判断が難しい場合は、成形体のTgを測定し、そのTgが30℃以上であった場合、硬化していると判断する。
【0015】
(FRP成形用中間材料の製造方法)、
一般にプリプレグなどのFRP成形用中間材料を製造する際、補強繊維基材にマトリックス樹脂を含浸する方法として、離型紙やポリオレフィンフィルム等の上に薄く塗布した硬化性樹脂組成物を、補強繊維基材上に供給して含浸する方法がある。その中でも、補強繊維基材の片側のみから供給して含浸するシングルフィルム法と、両側から供給して含浸するダブルフィルム法に大別される。本発明においては、ダブルフィルム法で供給するのが非常に好ましい。なぜなら、本発明では、低温で硬化する硬化性樹脂組成物、すなわち、流動性が比較的小さい硬化性樹脂組成物を用いることを想定しているためである。図2及び図3には、同じ厚みのシート状補強繊維基材に同じ樹脂量をそれぞれダブルフィルム法及びシングルフィルム法で供給した場合の模式図を示した。両図から明らかなようにダブルフィルム法を用いた方が、シングルフィルム法を用いた場合よりも、脱気回路を満たすために必要な成形中の硬化性樹脂組成物の移動量が少なくてすむので、完全に硬化する前に脱気回路を満たしやすい。一方、シングルフィルム法を用いた場合には、片側の面にある硬化性樹脂組成物が、他方の面まで移動することが必要なため、硬化性樹脂組成物が脱気回路を満たすまでに完全に硬化する恐れがあり、ボイドやピンホール発生の原因となりうる。
なお、(A)シート状補強繊維基材に(B)硬化性樹脂組成物を供給する際には、加熱せず室温で張り付けるのが好ましいが、室温での硬化性樹脂組成物の粘度が高すぎる場合は多少加熱して流動性を上げても良い。しかしその場合でも、後述するように内部に連続した硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分を残すために40℃以下、より好ましくは30℃以下で加熱することが好ましい。
【0016】
本発明のFRP成形用中間材料においては(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続的に存在していなければならない。本発明のFRP成形用中間材料においては、含浸されていない部分が脱気回路となり、この脱気回路の存在により、成形後のFRPには内部にボイドや表面にピンホール等が発生することがなくなる。しかし、この脱気回路が硬化性樹脂組成物で分断されていると、硬化性樹脂組成物で囲まれたエアが非常に抜けづらくなるため、ボイドやピンホール等の発生の原因となり得る。
【0017】
(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続的に存在しているか否かは以下のようにして判断する。まず、FRP成形用中間材料の長手方向に対し直角にカットする。カットの際はNTカッターなどを用いて一気にカットする。何度もなぞったりするとカット面が乱れるので好ましくない。カットした面の幅方向に対する両端10%をカットして切り落とす。残った幅方向に対して80%の部分に対し、全面を観察し内部に(B)硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続していることを確認する。この際、ルーペなどを用いて観察することが好ましい。
前出の図2は、硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続している模式図である。一方、図4は硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続していない例である。
【0018】
(FRP成形材料を用いた成形方法)
本発明のFRP成形用中間材料は成形中に脱気回路が形成され、ボイドが脱気回路を通じてFRP外へ導き出されるので、オーブン成形に非常に適している。
【0019】
オーブン成形に限らず、本発明のFRP成形用中間材料を用いて成形する場合には、本発明のFRP成形用中間材料を積層後、真空引きして、脱気回路を通じてFRP成形用中間材料内のエアを十分に脱気してから昇温することが好ましい。具体的には、700mmHg以下の真空度が好ましく、600mmHg以下であれば更に好ましい。十分に脱気する前に昇温を開始すると、硬化性樹脂組成物の粘度が下がりすぎ、FRP成形用中間材料中のエアが抜けきる前に脱気回路を塞いでしまうことがあるので好ましくない。また、成形途中で常圧に戻すと、一度脱気したエアが、FRP成形用中間材料に戻る恐れがあるので、成形中は常に真空引きしていることが好ましい。
【0020】
更に、本発明のFRP成形用中間材料を用いてFRPを成形する場合、硬化前の状態で、かつ(B)硬化性樹脂組成物の粘度が10000ポイズ以下の状態で1時間以上保持してから硬化させるのが好ましい。この間に硬化性樹脂組成物の移動が起こり内部のエアが成形品外部へ取り除かれ易くなる。5000ポイズ以下の状態で保持してから硬化させることは更に好ましく、又、その状態で2時間以上保持してから硬化させることが更に好ましい。硬化しているか否かの判断は前述の硬化性樹脂組成物の硬化条件の判定で用いた方法と同じである。
【0021】
【実施例】
以下では、より具体的に本発明について説明する。なお、本発明におけるTgの測定は以下の方法で行った。
(Tgの測定方法)
レオメトリックス社製RDA−700、又は同等の性能を有する粘弾性スペクトロメーターで、0℃付近から、2℃/分の昇温速度で昇温して、試料の動的剛性率G’を測定する。得られた測定結果を図1に示すように、横軸に温度、縦軸にG’の対数を取ってグラフ化し、ガラス領域での接線L1、転移領域の接線L2をそれぞれ引き、その交点Aの温度をTgとする(図1参照)。
【0022】
(実施例1)
(A)シート状補強繊維基材として三菱レイヨン社製炭素繊維クロスTRK510(繊維目付け646g/m2、2/2綾織、厚み355μm)を用い、又(B)硬化性樹脂組成物として、80℃×2時間で硬化可能であることを確認した三菱レイヨン社製エポキシ樹脂#830を用いた。
【0023】
この(B)硬化性樹脂組成物を離型紙に175g/m2の目付けで塗工した。この離型紙を、硬化性樹脂組成物面をそれぞれ内側にして、(A)シート状補強繊維基材の表裏両面に張り付けた。張り付け条件は室温で、(B)硬化性樹脂組成物のタックを利用して張り付けた。こうして得られた本発明のFRP成形用中間材料をカットして内部を観察したところ、硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が内部に連続して存在していることを確認した。
【0024】
得られた本発明のFRP成形用中間材料を同じ方向に10プライ積層し、800mm×800mmのパネルを成形した。成形条件は大気圧が700mmHg以下に下がったのを確認してから、昇温速度1℃/分で室温から昇温し、50℃で3時間保持し、更に昇温を続け80℃で2時間で硬化させた。尚、レオメトリックス社製DSR200で昇温速度2℃/分で測定した、#830の50℃での粘度は3500ポイズであった。
得られたFRPパネルの表面にはまったくピンホールは見られなかった。又このFRPパネルの中央部をカットして断面を観察したが内部のボイドも観察されなかった。
【0025】
(比較例1)
実施例1と同じ材料を用いてFRP成形用中間材料を調製した。ただし樹脂目付けは350g/m2で塗工し、(A)シート状補強繊維基材の片側のみに張り付けた。得られたFRP成形用中間材料を、実施例1と同様にして成形し、FRPパネルを得た。
得られたFRPパネルの表面にはピンホールは見られなかったが、中央部をカットして断面を観察したところ、小さな内部ボイドが多数見られた。
【0026】
(比較例2)
実施例1と同じ材料を用いてFRP成形用中間材料を調製した。実施例1と同様に樹脂目付け175g/m2で塗工したが、(A)シート状補強繊維基材の表裏面から単に張り付けただけではなく、60℃、0.1MPa、25cm/分でフュ−ジングプレスに2回通して押し付けることで、しっかりと含浸させた。
得られたFRP成形用中間材料をカットして断面を観察したところ、硬化性樹脂組成物は内部にまで含浸されており、硬化性樹脂組成物のない部分が所々に見られたが、各々は硬化性樹脂組成物によって分断されていた。
得られたFRP成形用中間材料を、実施例1と同様にして成形し、FRPパネルを得たが、得られたFRPパネルの表面には多数のピンホールが見られた。又中央部をカットして断面を観察したところ、大小たくさんの内部ボイドが見られた。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のFRP成形用中間材料は、(A)シート状補強繊維基材と(B)硬化性樹脂組成物とからなり、(B)硬化性樹脂組成物が(A)シート状補強繊維基材の両表面上に存在し、かつ(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続しているFRP成形用中間材料であるので、マトリックス樹脂が100℃以下の比較的低温で硬化する場合でも、大気圧のみで、内部ボイドのない良好な成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬化性樹脂組成物の動的剛性率を測定したグラフの例、及びこのグラフからそのTgを求める方法を示した図である。
【図2】本発明のFRP成形用中間材料の例を示した模式図である。
【図3】片面から硬化性樹脂組成物を供給した場合の、FRP成形用中間材料の模式図である。
【図4】両面から硬化性樹脂組成物を供給しているが、硬化性樹脂組成物で含浸されていない部分が連続していない例を示した図である。
【符号の説明】
21,31,41・・・硬化性樹脂組成物及び硬化性樹脂組成物がシート状補強繊維基材に含浸している部分
22,32,42・・・硬化性樹脂組成物で含浸されていないシート状補強繊維基材部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、低温で硬化するマトリックス樹脂を用いたFRPを成形するための中間材料及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維強化複合材料(本明細書においてはFRPと略記する。)は、軽量かつ高強度、高剛性の特徴をいかし、スポーツ・レジャー用途から自動車や航空機等の産業用途まで、幅広く用いられている。特に近年、炭素繊維の価格が低下してきたことから、より軽量でかつより高強度、高剛性の炭素繊維強化複合材料(本明細書においてはCFRPと略記する。)が産業用途に用いられることが多くなってきた。
【0003】
FRPの成形方法として一般的なものに、プリプレグと呼ばれる、補強繊維に硬化性樹脂組成物などのマトリックス樹脂を含浸したFRP成形用中間材料を積層して成形する方法がある。航空機や車両等の構造材料を、プリプレグを用いて成形する場合は、通常はオートクレーブで圧力と温度を同時に加えて成形する。オートクレーブで加圧成形することによりFRP内部のボイドを軽減し、FRPは高強度を発現する。
【0004】
しかしながら、オートクレーブは非常に高価である。そこで最近では、低コストの成形方法としてオートクレーブを用いずに、大気圧のみで成形する真空バグ成形、あるいはオーブン成形などが注目されている。このような大気圧のみで成形する場合に好適なFRP成形用中間材料としては、マトリックス樹脂によって補強基材に完全に含浸させずに、一部に含浸されていない部分を意図的に残し、その部分を脱気回路として利用し、内部のエアなどを成形中に取り除く機構を有するものがある(例えば特許文献1)。脱気回路から内部のエアなどを取り除くことにより、大気圧だけの圧力による成形によっても内部にボイドのない良好な成形品が得られる。
【0005】
しかし、マトリックス樹脂が100℃以下の比較的低温で硬化する場合、硬化性樹脂組成物の流動性が低い状態で硬化するので、脱気回路に硬化性樹脂組成物が十分に行きわたらずにFRP中にボイドが発生することがあった。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第6,139,942号明細書
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の課題とするところは、マトリックス樹脂が100℃以下の比較的低温で硬化する場合でも、大気圧のみで、内部ボイドのない良好な成形品が得られるFRP成形用中間材料を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の第一の要旨は、(A)シート状補強繊維基材と(B)硬化性樹脂組成物とからなり、(B)硬化性樹脂組成物が(A)シート状補強繊維基材の両表面上に存在し、かつ(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物で含浸されていない部分が連続しているFRP成形用中間材料にある。特に、(A)シート状補強繊維基材の厚みが200μm以上であることが好ましい。又、シート状補強繊維基材が、織物、ステッチングシート、マット材、あるいは不織布のいずれかであることが好ましい。さらに、(A)シート状補強繊維基材を構成する補強繊維が、炭素繊維及び/又はガラス繊維であることが好ましい。更に又、(B)硬化性樹脂組成物が90℃×2時間で硬化可能であることが好ましい。
又、本発明の第二の要旨は、(A)シート状補強繊維基材の両側に、離型紙又はポリオレフィン製フィルム上に均一に塗布した(B)硬化性樹脂組成物を、加熱せずに張り付けることにより両側から硬化性樹脂組成物を供給し、かつ(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物で含浸されていない部分を連続的に存在させるFRP成形用中間材料の製造方法にある。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のFRP成形用中間材料の構成について説明する。
((A)シート状補強繊維基材)
本発明のFRP成形用中間材料に用いられる(A)シート状補強繊維基材を構成する補強繊維としては、特に制限はなく、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、高強度ポリエチレン繊維、PBO繊維、ガラス繊維、などが例示でき、又、これらを単独でも数種類を組み合わせて用いても良い。中でも炭素繊維は比強度、非弾性率に優れるため、又、ガラス繊維はコストパフォーマンスに優れるためこれらの補強繊維が好適に用いられる。
【0010】
本発明で用いる(A)シート状補強繊維基材の形態も特に制限はなく、一方向に引き揃えられた一方向材、織物、編物、組物、一方向若しくは多方向に積層されたマルチファブリックをステッチングしたようなステッチングシート、短繊維からなるマット材や不織布のような形態のいずれでもよいが、織物、ステッチングシート、マット材、又は不織布が、シート状補強繊維基材自身の安定性に優れ、本発明のFRP成形用中間材料の取扱い性が優れるために、(A)シート状補強繊維基材の形態としては好ましい。
【0011】
本発明で用いる(A)シート状補強繊維基材の厚みとしては200μm以上であることが好ましい。本発明のFRP成形用中間材料は、マトリックス樹脂である硬化性樹脂組成物の流動性が悪い場合でも、大気圧のみで内部にボイドのない良好な成形品が得られる。よって、(A)シート状補強繊維基材の厚くとも可能であり、逆に、厚いほうが本発明の効果は顕著に発揮される。特に、(A)シート状補強繊維基材の厚みが300μm以上である厚物の場合は更に顕著である。厚みはシート状補強繊維基材の単位面積あたりの質量を、構成する補強繊維の密度で割った値で求めることができる。
【0012】
((B)硬化性樹脂組成物)
本発明に用いられる(B)硬化性樹脂組成物としては特に制限はなく、熱や光などのエネルギーによって反応し、架橋構造を形成する樹脂組成物であれば良い。例示すれば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、BT樹脂、ベンゾキサジン樹脂、ポリイミド樹脂などが挙げられる。中でもエポキシ樹脂は補強繊維との接着性、取扱い性に優れ、成形後のFRP物性のバランスに優れており、好適に用いられる。
【0013】
本発明で用いる(B)硬化性樹脂組成物は90℃×2時間の条件下で硬化することが好ましく、80℃×2時間の条件下で硬化することは更に好ましい。本発明のFRP成形用中間材料は、マトリックス樹脂である硬化性樹脂組成物の流動性が悪い場合でも、大気圧のみで内部にボイドのない良好な成形品が得られるので、(B)硬化性樹脂組成物が比較的低温で硬化する場合に適している。
一方、プリプレグに代表されるFRP成形用中間材料は室温での取扱い性が良好でなければならない。取扱い性の大きな要素としてはタック(べたつき具合)とドレープ性(柔軟性)であるが、タックとドレープ性を適正化するためにはマトリックス樹脂である硬化性樹脂組成物がある粘度範囲になければならない。熱硬化成樹脂組成物の粘度が低すぎるとタックが強すぎて非常に取扱いにくいものとなるし、又硬化性樹脂組成物の粘度が高すぎてもタックが弱すぎたり、ドレープ性がなくなったりしてこれも取扱いづらくなる。このように、FRP成形用中間材料として良好な取扱い性を発現するためには、硬化性樹脂組成物が適切な粘度範囲になければならない。従って、より低温で硬化するということは、それだけ硬化性樹脂組成物がより高粘度のうちに硬化するということなので、流動性があまりなくても良好な成形品が得られる、本発明のFRP成形用中間材料の硬化性樹脂組成物としては適している。
【0014】
(B)硬化性樹脂組成物が90℃×2時間の条件で硬化するか否かは次のようにして判断する。(B)硬化性樹脂組成物のみ、あるいは(B)硬化性樹脂組成物を(A)シート状補強繊維基材に含浸した状態で実際にオーブンを用いて90℃×2時間の条件で成形する。得られた硬化物が外観上明らかに硬化していれば90℃×2時間の条件で硬化するとみなす。又、80℃×2時間の条件で硬化するか否かについても同様である。硬化しているかどうかの判断が難しい場合は、成形体のTgを測定し、そのTgが30℃以上であった場合、硬化していると判断する。
【0015】
(FRP成形用中間材料の製造方法)、
一般にプリプレグなどのFRP成形用中間材料を製造する際、補強繊維基材にマトリックス樹脂を含浸する方法として、離型紙やポリオレフィンフィルム等の上に薄く塗布した硬化性樹脂組成物を、補強繊維基材上に供給して含浸する方法がある。その中でも、補強繊維基材の片側のみから供給して含浸するシングルフィルム法と、両側から供給して含浸するダブルフィルム法に大別される。本発明においては、ダブルフィルム法で供給するのが非常に好ましい。なぜなら、本発明では、低温で硬化する硬化性樹脂組成物、すなわち、流動性が比較的小さい硬化性樹脂組成物を用いることを想定しているためである。図2及び図3には、同じ厚みのシート状補強繊維基材に同じ樹脂量をそれぞれダブルフィルム法及びシングルフィルム法で供給した場合の模式図を示した。両図から明らかなようにダブルフィルム法を用いた方が、シングルフィルム法を用いた場合よりも、脱気回路を満たすために必要な成形中の硬化性樹脂組成物の移動量が少なくてすむので、完全に硬化する前に脱気回路を満たしやすい。一方、シングルフィルム法を用いた場合には、片側の面にある硬化性樹脂組成物が、他方の面まで移動することが必要なため、硬化性樹脂組成物が脱気回路を満たすまでに完全に硬化する恐れがあり、ボイドやピンホール発生の原因となりうる。
なお、(A)シート状補強繊維基材に(B)硬化性樹脂組成物を供給する際には、加熱せず室温で張り付けるのが好ましいが、室温での硬化性樹脂組成物の粘度が高すぎる場合は多少加熱して流動性を上げても良い。しかしその場合でも、後述するように内部に連続した硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分を残すために40℃以下、より好ましくは30℃以下で加熱することが好ましい。
【0016】
本発明のFRP成形用中間材料においては(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続的に存在していなければならない。本発明のFRP成形用中間材料においては、含浸されていない部分が脱気回路となり、この脱気回路の存在により、成形後のFRPには内部にボイドや表面にピンホール等が発生することがなくなる。しかし、この脱気回路が硬化性樹脂組成物で分断されていると、硬化性樹脂組成物で囲まれたエアが非常に抜けづらくなるため、ボイドやピンホール等の発生の原因となり得る。
【0017】
(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続的に存在しているか否かは以下のようにして判断する。まず、FRP成形用中間材料の長手方向に対し直角にカットする。カットの際はNTカッターなどを用いて一気にカットする。何度もなぞったりするとカット面が乱れるので好ましくない。カットした面の幅方向に対する両端10%をカットして切り落とす。残った幅方向に対して80%の部分に対し、全面を観察し内部に(B)硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続していることを確認する。この際、ルーペなどを用いて観察することが好ましい。
前出の図2は、硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続している模式図である。一方、図4は硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続していない例である。
【0018】
(FRP成形材料を用いた成形方法)
本発明のFRP成形用中間材料は成形中に脱気回路が形成され、ボイドが脱気回路を通じてFRP外へ導き出されるので、オーブン成形に非常に適している。
【0019】
オーブン成形に限らず、本発明のFRP成形用中間材料を用いて成形する場合には、本発明のFRP成形用中間材料を積層後、真空引きして、脱気回路を通じてFRP成形用中間材料内のエアを十分に脱気してから昇温することが好ましい。具体的には、700mmHg以下の真空度が好ましく、600mmHg以下であれば更に好ましい。十分に脱気する前に昇温を開始すると、硬化性樹脂組成物の粘度が下がりすぎ、FRP成形用中間材料中のエアが抜けきる前に脱気回路を塞いでしまうことがあるので好ましくない。また、成形途中で常圧に戻すと、一度脱気したエアが、FRP成形用中間材料に戻る恐れがあるので、成形中は常に真空引きしていることが好ましい。
【0020】
更に、本発明のFRP成形用中間材料を用いてFRPを成形する場合、硬化前の状態で、かつ(B)硬化性樹脂組成物の粘度が10000ポイズ以下の状態で1時間以上保持してから硬化させるのが好ましい。この間に硬化性樹脂組成物の移動が起こり内部のエアが成形品外部へ取り除かれ易くなる。5000ポイズ以下の状態で保持してから硬化させることは更に好ましく、又、その状態で2時間以上保持してから硬化させることが更に好ましい。硬化しているか否かの判断は前述の硬化性樹脂組成物の硬化条件の判定で用いた方法と同じである。
【0021】
【実施例】
以下では、より具体的に本発明について説明する。なお、本発明におけるTgの測定は以下の方法で行った。
(Tgの測定方法)
レオメトリックス社製RDA−700、又は同等の性能を有する粘弾性スペクトロメーターで、0℃付近から、2℃/分の昇温速度で昇温して、試料の動的剛性率G’を測定する。得られた測定結果を図1に示すように、横軸に温度、縦軸にG’の対数を取ってグラフ化し、ガラス領域での接線L1、転移領域の接線L2をそれぞれ引き、その交点Aの温度をTgとする(図1参照)。
【0022】
(実施例1)
(A)シート状補強繊維基材として三菱レイヨン社製炭素繊維クロスTRK510(繊維目付け646g/m2、2/2綾織、厚み355μm)を用い、又(B)硬化性樹脂組成物として、80℃×2時間で硬化可能であることを確認した三菱レイヨン社製エポキシ樹脂#830を用いた。
【0023】
この(B)硬化性樹脂組成物を離型紙に175g/m2の目付けで塗工した。この離型紙を、硬化性樹脂組成物面をそれぞれ内側にして、(A)シート状補強繊維基材の表裏両面に張り付けた。張り付け条件は室温で、(B)硬化性樹脂組成物のタックを利用して張り付けた。こうして得られた本発明のFRP成形用中間材料をカットして内部を観察したところ、硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が内部に連続して存在していることを確認した。
【0024】
得られた本発明のFRP成形用中間材料を同じ方向に10プライ積層し、800mm×800mmのパネルを成形した。成形条件は大気圧が700mmHg以下に下がったのを確認してから、昇温速度1℃/分で室温から昇温し、50℃で3時間保持し、更に昇温を続け80℃で2時間で硬化させた。尚、レオメトリックス社製DSR200で昇温速度2℃/分で測定した、#830の50℃での粘度は3500ポイズであった。
得られたFRPパネルの表面にはまったくピンホールは見られなかった。又このFRPパネルの中央部をカットして断面を観察したが内部のボイドも観察されなかった。
【0025】
(比較例1)
実施例1と同じ材料を用いてFRP成形用中間材料を調製した。ただし樹脂目付けは350g/m2で塗工し、(A)シート状補強繊維基材の片側のみに張り付けた。得られたFRP成形用中間材料を、実施例1と同様にして成形し、FRPパネルを得た。
得られたFRPパネルの表面にはピンホールは見られなかったが、中央部をカットして断面を観察したところ、小さな内部ボイドが多数見られた。
【0026】
(比較例2)
実施例1と同じ材料を用いてFRP成形用中間材料を調製した。実施例1と同様に樹脂目付け175g/m2で塗工したが、(A)シート状補強繊維基材の表裏面から単に張り付けただけではなく、60℃、0.1MPa、25cm/分でフュ−ジングプレスに2回通して押し付けることで、しっかりと含浸させた。
得られたFRP成形用中間材料をカットして断面を観察したところ、硬化性樹脂組成物は内部にまで含浸されており、硬化性樹脂組成物のない部分が所々に見られたが、各々は硬化性樹脂組成物によって分断されていた。
得られたFRP成形用中間材料を、実施例1と同様にして成形し、FRPパネルを得たが、得られたFRPパネルの表面には多数のピンホールが見られた。又中央部をカットして断面を観察したところ、大小たくさんの内部ボイドが見られた。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のFRP成形用中間材料は、(A)シート状補強繊維基材と(B)硬化性樹脂組成物とからなり、(B)硬化性樹脂組成物が(A)シート状補強繊維基材の両表面上に存在し、かつ(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物が含浸されていない部分が連続しているFRP成形用中間材料であるので、マトリックス樹脂が100℃以下の比較的低温で硬化する場合でも、大気圧のみで、内部ボイドのない良好な成形品が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬化性樹脂組成物の動的剛性率を測定したグラフの例、及びこのグラフからそのTgを求める方法を示した図である。
【図2】本発明のFRP成形用中間材料の例を示した模式図である。
【図3】片面から硬化性樹脂組成物を供給した場合の、FRP成形用中間材料の模式図である。
【図4】両面から硬化性樹脂組成物を供給しているが、硬化性樹脂組成物で含浸されていない部分が連続していない例を示した図である。
【符号の説明】
21,31,41・・・硬化性樹脂組成物及び硬化性樹脂組成物がシート状補強繊維基材に含浸している部分
22,32,42・・・硬化性樹脂組成物で含浸されていないシート状補強繊維基材部分
Claims (6)
- (A)シート状補強繊維基材と(B)硬化性樹脂組成物とからなり、(B)硬化性樹脂組成物が(A)シート状補強繊維基材の両表面上に存在し、かつ(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物で含浸されていない部分が連続しているFRP成形用中間材料。
- (A)シート状補強繊維基材の厚みが200μm以上である請求項1記載のFRP成形用中間材料。
- (A)シート状補強繊維基材が、織物、ステッチングシート、マット材、又は不織布のいずれかである請求項1又は2記載のFRP成形用中間材料。
- (A)シート状補強繊維基材を構成する補強繊維が、炭素繊維及び/又はガラス繊維である請求項1〜3いずれか一項記載のFRP成形用中間材料。
- (B)硬化性樹脂組成物が90℃×2時間の条件下で硬化可能である請求項1〜4いずれか一項記載のFRP成形用中間材料。
- (A)シート状補強繊維基材の両側に、離型紙又はポリオレフィンフィルム上に均一に塗布した(B)硬化性樹脂組成物を、室温下又は加熱して40℃以下の条件下で張り付けることにより両側から樹脂組成物を供給し、(A)シート状補強繊維基材の内部に(B)硬化性樹脂組成物で含浸されていない部分を連続的に存在させるFRP成形用中間材料の製造方法。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080729 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20081120 |