JP2006123404A - Frp成形用強化繊維基材の賦形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】賦形用型の上に配置した強化繊維基材の上から、シートを被せ、その上から圧力を加えることで強化繊維に形状を付与することを特徴とするFRP成形用強化繊維基材の賦形方法。
【選択図】図1
Description
しかしながら、これらの提案では、強化繊維基材の取り扱い性は向上するものの、結果的に人手作業に頼る賦形が必要であり、量産性においては不十分であった。つまり、例えば量産性を求められる成形品の成形には、織物等に樹脂を付与することでハンドリング性を良好にしただけでは達成できず、プリフォームを短時間で作製するための賦形方法が必要である。
そこで、人手の介在する時間を最小限にし、個体差の少ないプリフォームを短時間で得られる賦形技術が渇望されていた。
(1)賦形用型の上に配置した強化繊維基材の上から、シートを被せ、その上から圧力を加えることで強化繊維に形状を付与することを特徴とするFRP成形用強化繊維基材の賦形方法。
(2)シートの上から圧力を加える方法として、気体もしくは液体による圧力を用いる(1)に記載の賦形方法。
(3)シートの上から圧力を加える方法として、賦形用型の上に配置した強化繊維基材側を真空にすることにより、大気圧で加圧する(1)または(2)のいずれかに記載の賦形方法。
(4)強化繊維基材の一部を押さえつけた後、シート圧力を全体に加えることで強化繊維に所定の形状を付与する(2)または(3)のいずれかに記載の賦形方法。
(5)シートとして、予め、形状を付与してあるシートを用いる(1)〜(4)のいずれかに記載の賦形方法。
(6)賦形用型が加熱機構を有しており、賦形時に強化繊維基材を加熱する(1)〜(5)のいずれかに記載の賦形方法。
(7)冷却後、賦形用型から強化繊維基材の賦形品を取り出す(6)に記載の強化繊維基材の賦形方法。
(8)少なくとも引張弾性率が110〜600GPaである強化繊維を含む強化繊維基材を、少なくとも1層以上用いて、(1)〜(7)のいずれかに記載の賦形方法により作製した強化繊維基材の賦形品。
(9)強化繊維基材100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲で樹脂を表面に付与した強化繊維基材を用いて、(1)〜(8)のいずれかに記載の賦形方法により作製された強化繊維基材の賦形品。
基材a:東レ製 炭素繊維織物CO6343B (織り組織:平織り,織物目付:198g/m2,強化繊維:T300B−3K,弾性率:230GPa,強度:3530MPa,繊度198tex,フィラメント数:3,000本)
基材b:基材aに予め融点71℃の樹脂(エポキシ変性熱可塑樹脂)を10±2g/m2付着させた基材。
基材c:日東紡製 ガラス繊維サーフェースマットMF30P100BS6(布帛の形態:不織布,ガラス繊維の種類=Eガラス,織物目付30g/m2)
(実施例1)
図3に示すような断面形状を有する賦形型31を準備し、その上に下記構成の0.5m×2mの賦形基材32を配置した。
その上から、シリコンゴム製の押し子39a,39bをのせて、上から約100Nの力で押しつけて、賦形基材32を概略賦形型に沿わせた。
その後、賦形型31の周囲にシーラントテープ34a,34bをし、その上から、シート33としてナイロン製フィルム(厚み 約50μm)を被せ、ナイロン製フィルム33とシーラントテープ34a,34b、および賦形型31で構成される空間が密閉空間とした。このナイロン製フィルム33は賦形型31の周囲の長さよりも約15%長い長さとすることで全体的にゆとりのある長さとした。次に真空ポンプ35を用いてナイロン製フィルム33とシーラントテープ34a,34b、および賦形型31で構成される空間を真空にすることで、大気圧を利用してナイロン製フィルム33を成形型31に賦形基材32とナイロン製フィルム33が突っ張らないように押し当てた。
その後、ナイロンフィルム33の上より、加熱ヒーター36aで加熱し、ナイロン製フィルム33越しの賦形基材32の表面温度が90℃に到達したことを確認した。約5分間その状態を保持し、加熱ヒーター36aの加熱を停止した。賦形型31内に装着した冷却管36aに約15℃の冷水を注入し、賦形型31全体を約3分冷却後、賦形基材32の表面温度を測定したところ31℃であった。ナイロン製フィルム33を賦形型31より剥がし取り、賦形基材32を賦形型31より剥がし取ることで、賦形基材32を形状賦形したプリフォームを得た。
(実施例2) 実施例1で用いたシート33をナイロン製フィルムから厚み約2mmのシリコン製ゴムに変更した以外は、全く同じ方法で賦形基材32を賦形し、プリフォームを得た。
(実施例3)
図4に示すような断面形状を有する賦形型41を準備し、その上に下記構成の0.5m×2mの賦形基材42を配置した。
その後、賦形型41の周囲にシール44a,44bをし、その上から、予め相似形状を賦形したポリエチレン系シート(東レ製 “トーレペフ”(登録商標)10040 厚み 約2mm)43を被せ、その上から約100Nの力で押しつけて、賦形基材42を概略賦形型41に沿わせた。
その後、ポリエチレン系シート43の上より、加熱ヒーター46aで加熱を行い、ポリエチレン系シート43越しの賦形基材42の表面温度が90℃に到達したことを確認した。約5分間その状態を保持し、加熱ヒーター46aの加熱を停止した。賦形型41内に装着した冷却管46aに約15℃の冷水を注入し、賦形型41全体を約3分冷却後、賦形基材42の表面温度を測定したところ32℃であった。ポリエチレン系シート43を賦形型41より剥がし取り、賦形基材42を賦形型41より剥がし取ることで、賦形基材42を形状賦形したプリフォームを得た。
賦形型に賦形基材を配置してから約16分で、形状賦形されたプリフォームが得られた。
(実施例4)
図2に示すような断面形状を有する賦形型21を準備し、その上に下記構成の0.5m×2mの賦形基材22を配置した。
賦形基材22 = 基材b(0/90)/基材c/基材b(±45)/基材b(±45)/基材b(0/90)
その後、賦形型21の上に、チャンバーボックス28をシリコンゴム製シート(厚み 約2mm)23にて密封した上型Aをプレス機内でのせた。上型Aと賦形型21の間は、シール24a,24bにより密閉空間となった。真空ポンプ21を稼動させ、この賦形型21と上型Aの間にできた密閉空間を真空にすることで、シリコンゴム製シート23を賦形型21に密着させた。
次に上型A内に加圧ポンプ27から加圧空気を注入し、チャンバーボックス28内を0.2MPaで加圧保持した。この時、加熱ヒーター26aは予め120℃に設定し保持していた。この状態で賦形基材22の実物温度は92℃であり、約5分間この状態を保持した。そして、冷却管26b内に15℃の冷却水を注入し1分経過したところで、上型Aをプレス機で上方に上げた。その状態で3分保持した後、賦形基材22の表面温度を測定したところ約30℃であった。賦形基材22を賦形型21より脱型することで形状賦形したプリフォームを得た。
賦形型に賦形基材を配置してから約13分で、形状賦形されたプリフォームが得られた。
(実施例5)
図7に示すような断面形状を有する賦形型71を準備し、その上に下記構成の0.5m×2mの賦形基材72を配置した。
次に、排気能力が10m3/minの真空ブロワー75を稼動させ、直径5mmの穴で構成される74a,74b,74cに代表される吸入口を100mmピッチで配置した100個の穴から外気を吸入させた。その状態で、賦形基材72の上よりヒータ76を用いて加熱させながら、シート73としてナイロン製フィルム(厚み 約50μm)を被せた。そのシート33の上から、賦形基材72が突っ張らないように人手により形状賦形を行った。
その後、ヒーター76を停止し、真空ブロワー75を引いた状態で約5分間その状態を保持した。賦形基材72の表面温度を測定したところ33℃であった。シート73を賦形型71より剥がし取り、賦形基材72を賦形型71より剥がし取ることで、賦形基材72を形状賦形したプリフォームを得た。
(実施例6)
図8に示すような断面形状を有する賦形型81を準備し、その上に下記構成の1.5m×1.5mの賦形基材82を配置した。
次に、排気能力が15m3/minの真空真空ブロワー85を稼動させ、直径4mmの穴で構成される84a,84b,84c,84d,84e、84fに代表される吸入口を50mmピッチで配置した950個の穴から外気を吸入させた。その状態で、賦形基材82の上よりヒータ86を用いて加熱させながら、シート83として予め相似形状を賦形したポリエチレン系シート(東レ製 “トーレペフ”(登録商標)10040 厚み 約2mm)を被せた。そのシート43の上から、賦形基材82が突っ張らないように人手によりシート83を賦形型81に押さえつけることで形状賦形を行った。
その後、ヒーター86を停止し、真空ブロワー85を引いた状態で約5分間その状態を保持した。賦形基材82の表面温度を測定したところ30℃であった。シート83を賦形型81より剥がし取り、賦形基材82を賦形型81より剥がし取ることで、賦形基材82を形状賦形したプリフォームを得た。
賦形型に賦形基材を配置してから形状賦形したプリフォームが得られるまでに要した時間は約21分であった。
(比較例1)
図6に示すような断面形状を有する賦形型61を準備し、その上に0.5m×2mの賦形基材62の構成となるように、ドライヤーで各賦形基材を加熱し軟化させ、その上から人手により賦形を行い、順次配置した。
賦形基材62 = 基材b(0/90)/基材c/基材b(±45)/基材b(±45)/基材b(0/90)
その後、自然冷却させて、賦形基材62の表面温度を測定したところ約30℃であった。賦形基材62を賦形型61より脱型することで形状賦形したプリフォームを得た。
賦形型に賦形基材を配置してから約75分を要して形状賦形されたプリフォームが得られた。また、形状としての保持性が悪く安定性の良くないものであった。
12:強化繊維基材
13:シート
14a:シール
14b:シール
15:真空ポンプ
16a:加熱源や冷却源を配置する場合の位置
16b:加熱源や冷却源を配置する場合の位置
16c:加熱源や冷却源を配置する場合の位置
21:賦形型
22:強化繊維基材
23:シート
24a:シール
24b:シール
25:真空ポンプ
26a:加熱源
26b:加熱および冷却可能な熱源
26c:加熱および冷却可能な熱源
27:気体を加圧して送る装置
28:チャンバーボックス
31:賦形型
32:強化繊維基材
33:シート
34a:シール
34b:シール
35:真空ポンプ
36a:加熱源や冷却源を配置する場合の位置
36b:加熱源や冷却源を配置する場合の位置
39a:押し子
39b:押し子
41:賦形型
42:強化繊維基材
43:賦形型41の形状とほぼ相似形のシート
44a:シール
44b:シール
45:真空ポンプ
46a:加熱源や冷却源を配置する場合の位置
46b:加熱源や冷却源を配置する場合の位置
51:賦形型
52:強化繊維基材
53:シート
54a:シール
54b:シール
55:真空ポンプ
56a:加熱源
56b:加熱源
56c:加熱および冷却可能な熱源
57:加圧ポンプ
58:チャンバーボックス
59a:シリンダー駆動の押し子
59b:シリンダー駆動の押し子
61:賦形型
62:強化繊維基材
71:賦形型
72:強化繊維基材
73:シート
74a:吸入口
74b:吸入口
74c:吸入口
75:真空ブロワー
76:加熱源
81:賦形型
82:強化繊維基材
83:シート
84a:吸入口
84b:吸入口
84c:吸入口
84d:吸入口
84e:吸入口
84f:吸入口
85:真空ブロワー
86:加熱源
A:上型
B:上型
Claims (9)
- 賦形用型の上に配置した強化繊維基材の上から、シートを被せ、その上から圧力を加えることで強化繊維に形状を付与することを特徴とするFRP成形用強化繊維基材の賦形方法。
- シートの上から圧力を加える方法として、気体もしくは液体による圧力を用いる請求項1に記載の賦形方法。
- シートの上から圧力を加える方法として、賦形用型の上に配置した強化繊維基材側を真空にすることにより、大気圧で加圧する請求項1または2のいずれかに記載の賦形方法。
- 強化繊維基材の一部を押さえつけた後、シート圧力を全体に加えることで強化繊維に所定の形状を付与する請求項2または3のいずれかに記載の賦形方法。
- シートとして、予め、形状を付与してあるシートを用いる請求項1〜4のいずれかに記載の賦形方法。
- 賦形用型が加熱機構を有しており、賦形時に強化繊維基材を加熱する請求項1〜5のいずれかに記載の賦形方法。
- 冷却後、賦形用型から強化繊維基材の賦形品を取り出す請求項6に記載の強化繊維基材の賦形方法。
- 少なくとも引張弾性率が110〜600GPaである強化繊維を含む強化繊維基材を、少なくとも1層以上用いて、請求項1〜7のいずれかに記載の賦形方法により作製した強化繊維基材の賦形品。
- 強化繊維基材100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲で樹脂が表面に付与された強化繊維基材を用いて、請求項1〜8のいずれかに記載の賦形方法により作製された強化繊維基材の賦形品。
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