JP2004224471A - エレベータの安全救出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】渡し板の段差を無くすとともに、構造を簡素化し動作を確実なものとして信頼性を向上させ、さらにかごから突出する部分を無くしてエレベータの設置スペースを小さくすることができるエレベータの安全救出装置を得る。
【解決手段】隣接して設けられたエレベータの第1、第2のかご1A、1Bに設けられるエレベータの安全救出装置であって、第1、第2のかご1A、1Bの互いに対向するかごの側壁2aに開口するかご室側部救出口2cにそれぞれ開閉自在に設けられた救出扉3と、少なくとも一方の第1のかご1Aに設けられ、他方の第2かご2Bに向かって進退動可能に設けられ、第1のかご1Aの床下に後退した収納位置と、両かご1A、1B間に架け渡された救出位置との間を移動可能に設けられた渡し板5と、渡し板5に接続され、渡し板5を収納位置から引き出すとともに、救出位置に配置する引き出し手段10とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】隣接して設けられたエレベータの第1、第2のかご1A、1Bに設けられるエレベータの安全救出装置であって、第1、第2のかご1A、1Bの互いに対向するかごの側壁2aに開口するかご室側部救出口2cにそれぞれ開閉自在に設けられた救出扉3と、少なくとも一方の第1のかご1Aに設けられ、他方の第2かご2Bに向かって進退動可能に設けられ、第1のかご1Aの床下に後退した収納位置と、両かご1A、1B間に架け渡された救出位置との間を移動可能に設けられた渡し板5と、渡し板5に接続され、渡し板5を収納位置から引き出すとともに、救出位置に配置する引き出し手段10とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、故障等で停止したエレベータのかご内乗客を隣接して設けられた他のエレベータかごにより救出するときに使用するエレベータの安全救出装置であって、特に渡し板に段差がないように、また、かごの周囲に突出しないように改善されたエレベータの安全救出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビルの高層化が進む中で縱の交通の効率化を図る為、エレベータを高速化すると同時に一部不停止階を設けたエレベータの設置が増える傾向にある。この種のエレベータに於いては、万一、不停止階で非常停止した場合、隣接するエレベータかごに乗客を移行させて救出する為、かごの側壁にかご室側部救出口が設けられている。このかご室側部救出口を使用して乗客を救出する方法としては、例えば、かご室側部救出口に設けられた救出扉を開いた後に、予め救出扉の裏側に取り付けてある渡し板を外して、この渡し板を救出側のかごと故障側のかごに架け渡して乗客を救出する方法がある。
【0003】
しかしながら、上述の方法においては、まず救出扉の裏側に設置されている渡し板を取り外さなければならず、緊急を要する救出の際に時間がかかるので問題であった。さらに、救出側のかごと故障側のかごとの間隔が広い場合、長尺の渡し板を架け渡すことになるが、渡し板が長いと取り扱いが非常に難しくさらに時間がかかるので問題であった。
【0004】
この問題を解決すべく、例えば次の提案がされている。すなわち、かご室側部の支柱に回動自在に設けられ且つ2段回にスライドして延びるステップを設け、使用時にこのステップを水平に倒し、さらに2段目のステップをスライドさせて延長させることにより故障側のかごに渡す構造のもので、時間の短縮、及び操作性の改善を図るものである(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−101270号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の2段回スライドステップ方式のものは、1段目のステップと2段目のステップとの間に段差が生じ、救出者が渡る際にこの段差に注意を払う必要があり改善が求められていた。また、この先行技術のものは、装置がかご室の側部に設けられる為、かごの外形が大きくなりエレベータを設置する際に広いスペースを必要とするので問題であった。さらには、ヒンジや支持部材等の構成部品が多く構造が複雑で信頼性に欠け、さらに操作が難しいので改善が求められていた。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、渡し板の段差を無くすとともに、構造を簡素化し動作を確実なものとして信頼性を向上させ、さらにかごから突出する部分を無くしてエレベータの設置スペースを小さくすることができるエレベータの安全救出装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータの安全救出装置は、隣接して設けられたエレベータの第1、第2のかごに設けられるエレベータの安全救出装置であって、第1、第2のかごの互いに対向するかごの側壁に開口するかご室側部救出口にそれぞれ開閉自在に設けられた救出扉と、少なくとも一方の第1のかごに設けられ、他方の第2かごに向かって進退動可能に設けられ、第1のかごの床下に後退した収納位置と、両かご間に架け渡された救出位置との間を移動可能に設けられた渡し板と、渡し板に接続され、渡し板を収納位置から引き出すとともに、救出位置に配置する引き出し手段とを有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明のエレベータの安全救出装置の実施の形態1を示す要部の斜視図である。また、図2は図1の安全救出装置の渡し板を引き出してない状態の斜視図である。図3は隣接する2つのかごの上方から見た概略の断面図である。図4は安全救出装置の渡し板と引き出し手段のみを示す斜視図である。図5は安全救出装置を操作している様子を示す説明図である。
【0010】
隣接して設けられたエレベータの第1のかご1Aと第2のかご1Bにそれぞれ、エレベータの安全救出装置が設けられている。図では、主に第1のかご1Aに設けられた安全救出装置のみを示しているが、実際には両かご1A、1Bの各々に安全救出装置がほぼ対称に設けられている。動作を説明する上で、第1のかご1Aを救出側のかご、第2のかご1Bを故障側のかごとする。
【0011】
安全救出装置は、救出扉3、渡し板5及び引き出し手段10から構成されている。救出扉3は、第1、第2のかご1A、1Bのかご室2の互いに対向するかごの側壁2aに開口するかご室側部救出口2cに、それぞれ開閉自在に設けられている。救出扉3は、例えば鋼板を折り曲げて作製され、図示しない蝶番を介してかご室側部救出口2cの枠体に取り付けられている。救出扉3の裏面には、後で述べるロープ6の持手6aを掛けるフック3aが設けられている。
【0012】
かご床4の床下に渡し板5が収納されている。渡し板5は、例えば長尺矩形鋼板の両縁部を各々断面L字型に折り曲げて作製され、外側面の後端部にピン5aが立設されている。渡し板5は、かご床4下に設けられた図示しないガイド部材に形成されたガイド長穴4aにピン5aを係合させて、ガイド長穴4aに案内されて他方のかごに向かって出入可能に支持されている。かご床4の側面に形成され、渡し板5が出没する穴4cは、同時に、他方のかごから延びた渡し板5の先端部が挿入して支持される支持部を構成している(以後、穴4cをかご床挿入穴4cと称す)。そして、渡し板5は、かごの床下に後退した収納位置と両かご1A、1B間に架け渡される救出位置との間を移動する。収納位置では、渡し板5の全体がかごの床下に収納されており、さらに開口部から所定の距離退いた位置にあり、上述のかご床挿入穴4cが開口部に形成される。一方、救出位置では、かご床挿入穴4cから突出した渡し板5の先端部が、故障側のかご床挿入穴4cに係合して、両かご1A、1B間に架け渡される。
【0013】
次に、引き出し手段10について説明する。図4に示されるように、渡し板5の後端部に立設されたピン5aにロープ6の一端が接続されている。ロープ6の他端は、かごの床下にて救出位置側(かご床挿入穴4a側)に延びたのち、折り返し手段11としてのローラ4b及びパイプ2dにて折り返されて、常時は救出扉3の裏面のフック3aに掛けられている。そして、救出時には巾木台7上に引き出されて、かご室2の内から手繰れるように配設されている。ここで、ローラ4bは、かごの床下に回転自在に支持されている。パイプ2dは、かご室側部救出口2c下部のかごの側壁2aに垂直に固定されている。
【0014】
図5に示されるように、救出時には、救出側のかご1Aに乗り込んだ救出員が、救出扉3を空けてロープ6の持手6aを持ってこれを引く、或いはロープ6を手繰り寄せる。これにより、渡し板5が引き出されて、渡し板5の先端部が故障側のかご1Bのかご床挿入穴4cに挿入されて係合する。そして、故障側のかご1Bの乗客は、渡し板5を渡って救出側のかご1Aに移動する。つまり、ロープ6は、渡し板5に接続され、渡し板5を収納位置から引き出すとともに、救出位置に配置する引き出し手段10を構成している。
【0015】
このように構成されたエレベータの安全救出装置においては、第1、第2のかご1A、1Bの互いに対向するかごの側壁2aに開口するかご室側部救出口2cにそれぞれ開閉自在に設けられた救出扉3と、第1、第2のかご1A、1Bに設けられ、他方のかごに向かって進退動可能に設けられ、かごの床下に後退した収納位置と、両かご間に架け渡された救出位置との間を移動可能に設けられた渡し板5と、渡し板5に接続され、渡し板5を収納位置から引き出すとともに、救出位置に配置する引き出し手段10とを有している。そのため、渡し板5の段差を無くすことができるとともに、構造を簡素化し動作を確実なものとして信頼性を向上させることができる。
【0016】
また、渡し板5は、収納位置にて全体がかごの床下に収納されるので、さらにかごから突出する部分を無くしてエレベータの設置スペースを小さくすることができる。
【0017】
また、渡し板5は、救出位置にて先端部を故障側のかご1Bに設けられた支持部に支持される。そのため、渡し板5が安定して安全性が向上する。
【0018】
さらに、引き出し手段10は、渡し板5の後端部に接続され、かごの床下にて救出位置側に延びたのち、折り返し手段11にて折り返されて、かご室2の内に延び、かご室2の内から手繰れるように配設されたロープ6である。そのため、構造を簡素化し動作を確実なものとして信頼性を向上させることができる。
【0019】
尚、本実施の形態においては、隣接して設けられたエレベータの第1のかご1Aと第2のかご1Bにそれぞれ、エレベータの安全救出装置が設けられているが、設置条件等の関係により、いずれか一方のみに設けられてもよい。
【0020】
実施の形態2.
図6はこの発明のエレベータの安全救出装置の実施の形態2を示す要部の斜視図である。本実施の形態の引き出し手段20は、渡し板5に移動方向に沿って形成されたラック15aと、かごの床下に回転自在に設けられラック15aと噛合する小歯車15bと、小歯車15bの巻軸(中心軸)15cに巻き付けられたロープ16から構成されている。ロープ16の一端は、ローラ4dにて折り返されてかご室2の内部に延び、かご室2の内から手繰れるように配設されている。
【0021】
このように構成されたエレベータの安全救出装置においては、引き出し手段20の動作をさらに確実にすることができ、装置の信頼性がさらに向上する。
【0022】
実施の形態3.
図7はこの発明のエレベータの安全救出装置の実施の形態3を示す渡し板の先端部とかご床挿入穴の断面図である。本実施の形態の渡し板25の先端部には、係合部として係合凸部25aが設けられている。係合凸部25aは、先端部を半球形に形成さればね25cによって出没可能に配設されている。一方、かご床4に形成されたかご床挿入穴4cには、係合凸部25aと係合する非係合部としての係合凹部4eが形成されている。
【0023】
このように構成されたエレベータの安全救出装置においては、係合凸部25aと係合凹部4eとは、渡し板25が救出位置に位置する際に互いに係合し、渡し板25がかご床挿入穴(支持部)4cから外れることを防止する外れ止め防止手段30が設けられているので、渡し板25が外れることが防止され、装置の安全性がさらに向上する。
【0024】
【発明の効果】
この発明に係るエレベータの安全救出装置は、隣接して設けられたエレベータの第1、第2のかごに設けられるエレベータの安全救出装置であって、第1、第2のかごの互いに対向するかごの側壁に開口するかご室側部救出口にそれぞれ開閉自在に設けられた救出扉と、少なくとも一方の第1のかごに設けられ、他方の第2かごに向かって進退動可能に設けられ、第1のかごの床下に後退した収納位置と、両かご間に架け渡された救出位置との間を移動可能に設けられた渡し板と、渡し板に接続され、渡し板を収納位置から引き出すとともに、救出位置に配置する引き出し手段とを有するので、渡し板の段差を無くすとともに、構造を簡素化し動作を確実なものとして信頼性を向上させ、さらにかごから突出する部分を無くしてエレベータの設置スペースを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のエレベータの安全救出装置の実施の形態1を示す要部の斜視図である。
【図2】図1の安全救出装置の渡し板を引き出してない状態の斜視図である。
【図3】図3は隣接する2つのかごの上方から見た概略の断面図である。
【図4】安全救出装置の渡し板と引き出し手段のみを示す斜視図である。
【図5】安全救出装置を操作している様子を示す説明図である。
【図6】この発明のエレベータの安全救出装置の実施の形態2を示す要部の斜視図である。
【図7】この発明のエレベータの安全救出装置の実施の形態3を示す渡し板の先端部とかご床挿入穴の断面図である。
【符号の説明】
1A 第1のかご、1B 第2のかご、2 かご室、2a 側壁面、2c かご室側部救出口、2d パイプ、3 救出扉、3a フック、4 かご床、4aガイド長穴、4b ローラ、4c かご床挿入穴(支持部)、4d ローラ、4e 係合凹部(非係合部)、5 渡し板、5a ピン、6 ロープ、6a 持手、7 巾木台、10 引き出し手段、11 折り返し手段、15 渡し板、15a ラック、15b 小歯車、15c 巻軸(中心軸)、16 ロープ、20引き出し手段、25 渡し板、25a 係合凸部(係合部)、25c ばね、30 外れ止め防止手段。
【発明の属する技術分野】
この発明は、故障等で停止したエレベータのかご内乗客を隣接して設けられた他のエレベータかごにより救出するときに使用するエレベータの安全救出装置であって、特に渡し板に段差がないように、また、かごの周囲に突出しないように改善されたエレベータの安全救出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ビルの高層化が進む中で縱の交通の効率化を図る為、エレベータを高速化すると同時に一部不停止階を設けたエレベータの設置が増える傾向にある。この種のエレベータに於いては、万一、不停止階で非常停止した場合、隣接するエレベータかごに乗客を移行させて救出する為、かごの側壁にかご室側部救出口が設けられている。このかご室側部救出口を使用して乗客を救出する方法としては、例えば、かご室側部救出口に設けられた救出扉を開いた後に、予め救出扉の裏側に取り付けてある渡し板を外して、この渡し板を救出側のかごと故障側のかごに架け渡して乗客を救出する方法がある。
【0003】
しかしながら、上述の方法においては、まず救出扉の裏側に設置されている渡し板を取り外さなければならず、緊急を要する救出の際に時間がかかるので問題であった。さらに、救出側のかごと故障側のかごとの間隔が広い場合、長尺の渡し板を架け渡すことになるが、渡し板が長いと取り扱いが非常に難しくさらに時間がかかるので問題であった。
【0004】
この問題を解決すべく、例えば次の提案がされている。すなわち、かご室側部の支柱に回動自在に設けられ且つ2段回にスライドして延びるステップを設け、使用時にこのステップを水平に倒し、さらに2段目のステップをスライドさせて延長させることにより故障側のかごに渡す構造のもので、時間の短縮、及び操作性の改善を図るものである(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−101270号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の2段回スライドステップ方式のものは、1段目のステップと2段目のステップとの間に段差が生じ、救出者が渡る際にこの段差に注意を払う必要があり改善が求められていた。また、この先行技術のものは、装置がかご室の側部に設けられる為、かごの外形が大きくなりエレベータを設置する際に広いスペースを必要とするので問題であった。さらには、ヒンジや支持部材等の構成部品が多く構造が複雑で信頼性に欠け、さらに操作が難しいので改善が求められていた。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、渡し板の段差を無くすとともに、構造を簡素化し動作を確実なものとして信頼性を向上させ、さらにかごから突出する部分を無くしてエレベータの設置スペースを小さくすることができるエレベータの安全救出装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベータの安全救出装置は、隣接して設けられたエレベータの第1、第2のかごに設けられるエレベータの安全救出装置であって、第1、第2のかごの互いに対向するかごの側壁に開口するかご室側部救出口にそれぞれ開閉自在に設けられた救出扉と、少なくとも一方の第1のかごに設けられ、他方の第2かごに向かって進退動可能に設けられ、第1のかごの床下に後退した収納位置と、両かご間に架け渡された救出位置との間を移動可能に設けられた渡し板と、渡し板に接続され、渡し板を収納位置から引き出すとともに、救出位置に配置する引き出し手段とを有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明のエレベータの安全救出装置の実施の形態1を示す要部の斜視図である。また、図2は図1の安全救出装置の渡し板を引き出してない状態の斜視図である。図3は隣接する2つのかごの上方から見た概略の断面図である。図4は安全救出装置の渡し板と引き出し手段のみを示す斜視図である。図5は安全救出装置を操作している様子を示す説明図である。
【0010】
隣接して設けられたエレベータの第1のかご1Aと第2のかご1Bにそれぞれ、エレベータの安全救出装置が設けられている。図では、主に第1のかご1Aに設けられた安全救出装置のみを示しているが、実際には両かご1A、1Bの各々に安全救出装置がほぼ対称に設けられている。動作を説明する上で、第1のかご1Aを救出側のかご、第2のかご1Bを故障側のかごとする。
【0011】
安全救出装置は、救出扉3、渡し板5及び引き出し手段10から構成されている。救出扉3は、第1、第2のかご1A、1Bのかご室2の互いに対向するかごの側壁2aに開口するかご室側部救出口2cに、それぞれ開閉自在に設けられている。救出扉3は、例えば鋼板を折り曲げて作製され、図示しない蝶番を介してかご室側部救出口2cの枠体に取り付けられている。救出扉3の裏面には、後で述べるロープ6の持手6aを掛けるフック3aが設けられている。
【0012】
かご床4の床下に渡し板5が収納されている。渡し板5は、例えば長尺矩形鋼板の両縁部を各々断面L字型に折り曲げて作製され、外側面の後端部にピン5aが立設されている。渡し板5は、かご床4下に設けられた図示しないガイド部材に形成されたガイド長穴4aにピン5aを係合させて、ガイド長穴4aに案内されて他方のかごに向かって出入可能に支持されている。かご床4の側面に形成され、渡し板5が出没する穴4cは、同時に、他方のかごから延びた渡し板5の先端部が挿入して支持される支持部を構成している(以後、穴4cをかご床挿入穴4cと称す)。そして、渡し板5は、かごの床下に後退した収納位置と両かご1A、1B間に架け渡される救出位置との間を移動する。収納位置では、渡し板5の全体がかごの床下に収納されており、さらに開口部から所定の距離退いた位置にあり、上述のかご床挿入穴4cが開口部に形成される。一方、救出位置では、かご床挿入穴4cから突出した渡し板5の先端部が、故障側のかご床挿入穴4cに係合して、両かご1A、1B間に架け渡される。
【0013】
次に、引き出し手段10について説明する。図4に示されるように、渡し板5の後端部に立設されたピン5aにロープ6の一端が接続されている。ロープ6の他端は、かごの床下にて救出位置側(かご床挿入穴4a側)に延びたのち、折り返し手段11としてのローラ4b及びパイプ2dにて折り返されて、常時は救出扉3の裏面のフック3aに掛けられている。そして、救出時には巾木台7上に引き出されて、かご室2の内から手繰れるように配設されている。ここで、ローラ4bは、かごの床下に回転自在に支持されている。パイプ2dは、かご室側部救出口2c下部のかごの側壁2aに垂直に固定されている。
【0014】
図5に示されるように、救出時には、救出側のかご1Aに乗り込んだ救出員が、救出扉3を空けてロープ6の持手6aを持ってこれを引く、或いはロープ6を手繰り寄せる。これにより、渡し板5が引き出されて、渡し板5の先端部が故障側のかご1Bのかご床挿入穴4cに挿入されて係合する。そして、故障側のかご1Bの乗客は、渡し板5を渡って救出側のかご1Aに移動する。つまり、ロープ6は、渡し板5に接続され、渡し板5を収納位置から引き出すとともに、救出位置に配置する引き出し手段10を構成している。
【0015】
このように構成されたエレベータの安全救出装置においては、第1、第2のかご1A、1Bの互いに対向するかごの側壁2aに開口するかご室側部救出口2cにそれぞれ開閉自在に設けられた救出扉3と、第1、第2のかご1A、1Bに設けられ、他方のかごに向かって進退動可能に設けられ、かごの床下に後退した収納位置と、両かご間に架け渡された救出位置との間を移動可能に設けられた渡し板5と、渡し板5に接続され、渡し板5を収納位置から引き出すとともに、救出位置に配置する引き出し手段10とを有している。そのため、渡し板5の段差を無くすことができるとともに、構造を簡素化し動作を確実なものとして信頼性を向上させることができる。
【0016】
また、渡し板5は、収納位置にて全体がかごの床下に収納されるので、さらにかごから突出する部分を無くしてエレベータの設置スペースを小さくすることができる。
【0017】
また、渡し板5は、救出位置にて先端部を故障側のかご1Bに設けられた支持部に支持される。そのため、渡し板5が安定して安全性が向上する。
【0018】
さらに、引き出し手段10は、渡し板5の後端部に接続され、かごの床下にて救出位置側に延びたのち、折り返し手段11にて折り返されて、かご室2の内に延び、かご室2の内から手繰れるように配設されたロープ6である。そのため、構造を簡素化し動作を確実なものとして信頼性を向上させることができる。
【0019】
尚、本実施の形態においては、隣接して設けられたエレベータの第1のかご1Aと第2のかご1Bにそれぞれ、エレベータの安全救出装置が設けられているが、設置条件等の関係により、いずれか一方のみに設けられてもよい。
【0020】
実施の形態2.
図6はこの発明のエレベータの安全救出装置の実施の形態2を示す要部の斜視図である。本実施の形態の引き出し手段20は、渡し板5に移動方向に沿って形成されたラック15aと、かごの床下に回転自在に設けられラック15aと噛合する小歯車15bと、小歯車15bの巻軸(中心軸)15cに巻き付けられたロープ16から構成されている。ロープ16の一端は、ローラ4dにて折り返されてかご室2の内部に延び、かご室2の内から手繰れるように配設されている。
【0021】
このように構成されたエレベータの安全救出装置においては、引き出し手段20の動作をさらに確実にすることができ、装置の信頼性がさらに向上する。
【0022】
実施の形態3.
図7はこの発明のエレベータの安全救出装置の実施の形態3を示す渡し板の先端部とかご床挿入穴の断面図である。本実施の形態の渡し板25の先端部には、係合部として係合凸部25aが設けられている。係合凸部25aは、先端部を半球形に形成さればね25cによって出没可能に配設されている。一方、かご床4に形成されたかご床挿入穴4cには、係合凸部25aと係合する非係合部としての係合凹部4eが形成されている。
【0023】
このように構成されたエレベータの安全救出装置においては、係合凸部25aと係合凹部4eとは、渡し板25が救出位置に位置する際に互いに係合し、渡し板25がかご床挿入穴(支持部)4cから外れることを防止する外れ止め防止手段30が設けられているので、渡し板25が外れることが防止され、装置の安全性がさらに向上する。
【0024】
【発明の効果】
この発明に係るエレベータの安全救出装置は、隣接して設けられたエレベータの第1、第2のかごに設けられるエレベータの安全救出装置であって、第1、第2のかごの互いに対向するかごの側壁に開口するかご室側部救出口にそれぞれ開閉自在に設けられた救出扉と、少なくとも一方の第1のかごに設けられ、他方の第2かごに向かって進退動可能に設けられ、第1のかごの床下に後退した収納位置と、両かご間に架け渡された救出位置との間を移動可能に設けられた渡し板と、渡し板に接続され、渡し板を収納位置から引き出すとともに、救出位置に配置する引き出し手段とを有するので、渡し板の段差を無くすとともに、構造を簡素化し動作を確実なものとして信頼性を向上させ、さらにかごから突出する部分を無くしてエレベータの設置スペースを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のエレベータの安全救出装置の実施の形態1を示す要部の斜視図である。
【図2】図1の安全救出装置の渡し板を引き出してない状態の斜視図である。
【図3】図3は隣接する2つのかごの上方から見た概略の断面図である。
【図4】安全救出装置の渡し板と引き出し手段のみを示す斜視図である。
【図5】安全救出装置を操作している様子を示す説明図である。
【図6】この発明のエレベータの安全救出装置の実施の形態2を示す要部の斜視図である。
【図7】この発明のエレベータの安全救出装置の実施の形態3を示す渡し板の先端部とかご床挿入穴の断面図である。
【符号の説明】
1A 第1のかご、1B 第2のかご、2 かご室、2a 側壁面、2c かご室側部救出口、2d パイプ、3 救出扉、3a フック、4 かご床、4aガイド長穴、4b ローラ、4c かご床挿入穴(支持部)、4d ローラ、4e 係合凹部(非係合部)、5 渡し板、5a ピン、6 ロープ、6a 持手、7 巾木台、10 引き出し手段、11 折り返し手段、15 渡し板、15a ラック、15b 小歯車、15c 巻軸(中心軸)、16 ロープ、20引き出し手段、25 渡し板、25a 係合凸部(係合部)、25c ばね、30 外れ止め防止手段。
Claims (6)
- 隣接して設けられたエレベータの第1、第2のかごに設けられるエレベータの安全救出装置であって、
上記第1、第2のかごの互いに対向するかごの側壁に開口するかご室側部救出口にそれぞれ開閉自在に設けられた救出扉と、
少なくとも一方の第1のかごに設けられ、他方の第2かごに向かって進退動可能に設けられ、上記第1のかごの床下に後退した収納位置と、両かご間に架け渡された救出位置との間を移動可能に設けられた渡し板と、
上記渡し板に接続され、該渡し板を上記収納位置から引き出すとともに、
上記救出位置に配置する引き出し手段と
を有することを特徴とするエレベータの安全救出装置。 - 上記渡し板は、上記収納位置にて全体が上記第1のかごの床下に収納される
ことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの安全救出装置。 - 上記渡し板は、上記救出位置にて先端部を上記第2のかごに設けられた支持部に支持される
ことを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータの安全救出装置。 - 上記引き出し手段は、上記渡し板の後端部に接続され、上記第1のかごの床下にて上記救出位置側に延びたのち、折り返し手段にて折り返されて、該第1のかごの上記かご室の内に延び、該かご室の内から手繰れるように配設されたロープである
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエレベータの安全救出装置。 - 上記引き出し手段は、上記渡し板に移動方向に沿って形成されたラックと、上記第1のかごの床下に回転自在に設けられ上記ラックと噛合する小歯車と、上記小歯車の中心軸に巻き付けられ一端が上記第1のかごの上記かご室の内に延び、該かご室の内から手繰れるように配設されたロープとを有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエレベータの安全救出装置。
- 上記渡し板と上記支持部の間には、上記救出位置にて互いに係合し、該渡し板が該支持部から外れることを防止する外れ止め防止手段が設けられている
ことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のエレベータの安全救出装置。
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