JP2004223823A - 化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃焼時の問題のあるポリ塩化ビニル樹脂を使用しないアイオノマー樹脂系の化粧材において、熱伸縮性が小さく、通常の施工環境では熱伸縮による目隙きや反りを発生することのない化粧材を提供する。
【解決手段】無機充填剤を含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を主体とするバッカー層1の上に、下側アイオノマー樹脂層2、ポリエステル系樹脂層3、上側アイオノマー樹脂層6が積層された化粧材である。必要に応じて、ポリエステル系樹脂層3上に、絵柄層4、中間アイオノマー樹脂層5が設けられる。ポリエステル系樹脂層3は望ましくは、無機充填剤を含有し、二軸延伸されたものである。この化粧材は、建築物の内装用の床タイルとして好適である。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の内装用の床タイルなどに用いられる化粧材に関するものである。さらに詳しくは、柔軟性、表面硬度等の物性面において従来のポリ塩化ビニル樹脂製の化粧材と同等の性能を有しつつ、ポリ塩化ビニル樹脂を含有しないので燃焼時の有害物質発生の問題もなく、しかも、熱伸縮による目隙きや反り等の問題を発生しにくい化粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、住宅や店舗、オフィスビル等の内装用の床タイルとしては、柔軟で加工し易く、しかも安価なポリ塩化ビニル樹脂製のものが最も多用されていた。しかし、ポリ塩化ビニル樹脂は、燃焼時に塩化水素やダイオキシン等の毒性物質を発生する場合があり、火災時の問題や、使用後の焼却処分による環境汚染問題等が指摘され、内装材としての使用が問題視される様になった。
【0003】
係る問題点を解決するために、上記ポリ塩化ビニル樹脂製の化粧材に代わる非ハロゲン系の化粧材として、下記の特許文献1〜3に示される様に、アクリレート系共重合体樹脂を主成分とするバッカー層の上に、絵柄層等を介して、アイオノマー樹脂からなる上層を積層してなる化粧材が提案され、既に実用化が始まっている。
【0004】
【特許文献1】
特表平9−504584号公報
【特許文献2】
特開平9−207276号公報
【特許文献3】
特開平10−315422号公報
【0005】
このアイオノマー樹脂系の化粧材は、ポリ塩化ビニル樹脂製の化粧材と比較しても、柔軟性に優れ、施工がしやすい利点はあるが、その反面、樹脂の熱伸縮性が大きいために、施工環境によっては、熱伸縮による目隙きや反りのトラブルが発生する場合があり、問題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記のような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、燃焼時の問題のあるポリ塩化ビニル樹脂を使用しないアイオノマー樹脂系の化粧材において、熱伸縮性が小さく、通常の施工環境では熱伸縮による目隙きや反りを発生することのない化粧材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の化粧材は、下側から順に、無機充填剤を含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を主体とするバッカー層、下側アイオノマー樹脂層、ポリエステル系樹脂層、上側アイオノマー樹脂層が積層されてなることを特徴とするものである。
【0008】
また、前記ポリエステル系樹脂層と前記上側アイオノマー樹脂層との間に、中間アイオノマー樹脂層を具備することを特徴とするものである。
【0009】
また、前記ポリエステル系樹脂層の厚さが25〜100μmであることを特徴とするものである。
【0010】
また、前記ポリエステル系樹脂層が二軸延伸されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、前記ポリエステル系樹脂層が無機充填剤を含有することを特徴とするものである。
【0012】
前記ポリエステル系樹脂層の上面に絵柄層を具備することを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。図1及び図2は、本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図である。
【0014】
本発明の化粧材は、図1に示す様に、無機充填剤を含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を主体とするバッカー層1の上に、下側アイオノマー樹脂層2と、ポリエステル系樹脂層3と、上側アイオノマー樹脂層6とが、少なくともこの順に積層されて構成されるものである。
【0015】
ポリエステル系樹脂層3より上に設けられるアイオノマー樹脂層は、2層以上の任意の数の層から構成されていても良い。例えば、図2に示す例では、ポリエステル系樹脂層3の上に、中間アイオノマー樹脂層5と、上側アイオノマー樹脂層6との2層のアイオノマー樹脂層が積層されている。そのほか、任意の層間に絵柄層4を設けたり、最上層である上側アイオノマー樹脂層6の表面にエンボス7を施したりして、所望の意匠性を付与しても良い。
【0016】
バッカー層1は、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を主成分とし、熱伸縮性を低減するために無機充填剤を含有していることが重要である。無機充填剤としては、例えばシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、タルク等をそれぞれ単独で、若しくは複数種を混合して使用することができるが、熱伸縮性の低減効果の面からは、タルクを主成分として使用することが最も望ましい。無機充填剤の含有量は、一般的には、樹脂成分100重量部当たり少なくとも20重量部以上が必要であり、50〜500重量部程度の範囲で適宜設計することが望ましい。
【0017】
バッカー層1の樹脂成分としては、主成分である上記エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂のほか、これと相溶可能な任意の熱可塑性樹脂を混合して用いても良い。但し、燃焼時の問題を考慮すれば、非ハロゲン系の熱可塑性樹脂を用いることが望ましい。具体的には、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂等である。さらに、相溶性を向上させるために、例えばマレイン酸等の不飽和カルボン酸又はその無水物をグラフトした酸変性ポリオレフィン系樹脂等の相溶化剤を添加しても良い。
【0018】
バッカー層1を所望の色調に着色するために、無機顔料又は有機顔料等の着色剤を添加しても良い。その他、必要に応じて、例えば紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、内部離型剤、帯電防止剤、抗菌剤等の各種の添加剤を適宜添加しても良い。バッカー層1の厚みは、通例、2〜5mm程度の範囲で設計される。
【0019】
本発明の化粧材に使用されるアイオノマー樹脂とは、一般に有機及び無機の成分が共有結合とイオン結合によって結合されている樹脂のことである。本発明に特に好ましく使用されるアイオノマー樹脂としては、共重合体の分子間を金属イオンで架橋した樹脂が挙げられる。
【0020】
この場合の共重合体としてはアクリレート系共重合体、例えばエチレン−メタクリル酸共重合体などが挙げられる。金属イオンとしては、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛等のイオンが挙げられる。
【0021】
アイオノマー樹脂を得るには、例えば、カルボキシル基を側鎖に有する単量体(例えばアクリル酸)を共重合させたエチレン系のポリマーに、ナトリウム、カリウム、マグネシウム又は亜鉛等の金属の水酸化物、アルコキシド又は低級脂肪酸塩等を適当量添加して酸基を中和する方法が挙げられる。
【0022】
これにより、分子鎖に沿って分布するカルボキシル陰イオンが分子鎖間に存在する金属陽イオンと静電的に結合して一種の架橋を形成し、共重合体の分子間を金属イオンで完全に又は部分的に架橋した構造のアイオノマー樹脂が得られる。
【0023】
本発明に好ましく使用されるアイオノマー樹脂は、上述の共重合体樹脂であるため、その共重合組成によってシートの硬さが任意に選択でき、また金属イオンによる架橋結合は加熱により結合力が弱められ、冷却すると結合力が回復するという、ポリ塩化ビニル樹脂と非常に良く似た性質を有している。
【0024】
従って、上記アイオノマー樹脂を使用した本発明の化粧材は、例えば熱ラミネーション及びエンボス加工により製造されていた従来の塩化ビニル製の化粧材の製造設備を使用して、従来通りの工程で製造可能であるという利点がある。
【0025】
下側アイオノマー樹脂層2、中間アイオノマー樹脂層5、上側アイオノマー樹脂層6に用いられるアイオノマー樹脂フィルム乃至シートは、アイオノマー樹脂に必要に応じて例えば紫外線吸収剤や光安定剤、熱安定剤等の適宜の添加剤を添加したものを、例えば押出し法、カレンダー法又はインフレーション法等の適宜の方法で、フィルム状乃至シート状に成形することにより得られる。
【0026】
各アイオノマー樹脂層の厚さについては、まず上側アイオノマー樹脂層6の厚さは、化粧材の表面の適度の柔軟性、表面硬度、耐摩耗性、耐久性等を考慮して適宜設計する必要があり、本発明において特に限定されるものではないが、通常は100〜1000μm程度の厚さが適当である。
【0027】
中間アイオノマー樹脂層5は、ポリエステル系樹脂層3と、上記のとおり厚手の上側アイオノマー樹脂層6との熱接着性を考慮して設けられるもので、上側アイオノマー樹脂層6よりも薄手であって良く、通常、10〜100μm程度で良い。なお、ポリエステル系樹脂層3の上面にプライマー層(図示せず)を塗工する等の手段により、上側アイオノマー樹脂層6との熱接着性を十分に確保できる場合には、中間アイオノマー樹脂層5を省略することも可能である。
【0028】
下側アイオノマー樹脂層2は、ポリエステル系樹脂層3と、厚手で硬質のバッカー層1との熱接着性を考慮して設けられるもので、これも中間アイオノマー樹脂層5と同様に薄手であって良く、通常、10〜100μm程度で良い。なお、中間アイオノマー樹脂層5の場合と同様、下側アイオノマー樹脂層2の省略も理論的には可能であるが、現実的には、バッカー層1は上側アイオノマー層よりも厚手且つ硬質であるので、良好な接着状態を得るためには一般に、熱接着層兼緩衝層としての下側アイオノマー樹脂層2が必要である。
【0029】
ポリエステル系樹脂層3は、本発明の化粧材において、熱伸縮及び反りを低減させるために、バッカー層1と上側アイオノマー樹脂層6との間に導入した層である。すなわち、柔軟な上側アイオノマー樹脂層6の熱伸縮を抑制するために、バッカー層1としては、熱伸縮性の小さい、無機充填剤を含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を主体とするものを採用した訳であるが、このままでは熱伸縮差のために反りが発生し易い。そこで、両者の間に、熱伸縮性がバッカー層1よりもさらに小さいポリエステル系樹脂層3を挟んだことによって、上側アイオノマー樹脂層6の熱伸縮効果と相殺させ、化粧材全体としての熱伸縮性をさらに低減すると共に、熱伸縮差による反りをも低減させたものである。
【0030】
ポリエステル系樹脂層3を構成するポリエステル系樹脂は、周知の様に、ジカルボン酸成分とグリコール成分との重縮合反応に基づくエステル結合の繰り返しにより結合された線状のポリマーからなる熱可塑性樹脂であり、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート等や、それらの2種以上の混合物、共重合体等を用いることができ、中でもポリエチレンテレフタレートが最も代表的である。
【0031】
ポリエステル系樹脂層3の厚さは、前述した化粧材全体としての熱伸縮性のバランスを考慮して設計する必要があり、一般的には、25〜100μm程度の範囲内で良好な結果が得られる。
【0032】
ポリエステル系樹脂層3には、前述した目的のために、熱伸縮性が極力小さいことが要求されるので、無延伸の無定形状態のものよりも二軸延伸により強く配向(結晶化)されたものが望ましく、また、無充填物よりも無機充填剤を含有するものが望ましい。無機充填剤としては、前述したバッカー層1に含有されるものと同様のものを用いることができる。なお、無機充填剤以外にも、必要に応じて着色剤その他の添加剤が適宜添加されていても良い。
【0033】
ポリエステル系樹脂層3が無機充填剤を含有する場合には、このポリエステル系樹脂層3は透明度が低いものとなるので、絵柄層4は、少なくともポリエステル系樹脂層3よりも上側に設ける必要がある。寧ろ、バッカー層1の色のばらつきを隠蔽し、意匠性を安定させるためには、ポリエステル系樹脂層3としては、白色又は有彩色に着色された不透明のものを用いることが有利である。
【0034】
ポリエステル系樹脂層3は、アイオノマー樹脂よりも耐溶剤性が良く、特に、無機充填剤を含有するものは、表面が適度に粗面化されているために、インキの着肉性も良いなど、印刷適性に優れているので、絵柄層4は、ポリエステル系樹脂層3の上面に形成することが有利である。
【0035】
絵柄層4は、印刷等による所望の絵柄の意匠を付与するために設けられるものであり、絵柄の意匠が不要であれば省略することも可能であるが、一般的には設けられる場合が多い。絵柄層4のなす絵柄の種類は特に限定されず、例えば木目柄、石目柄、布目柄、砂目柄、抽象柄、幾何学図形、文字又は記号、或いはそれらの組み合わせ等、所望により任意である。
【0036】
絵柄層4に使用する印刷インキの種類は特に限定されず、従来より係る化粧材に使用されている任意の印刷インキを使用することができる。具体的には、例えばポリ塩化ビニル樹脂系、塩化ビニル?酢酸ビニル共重合体樹脂系、ブチラール系、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エポキシ系、アルキド系、ポリアミド系等のバインダー樹脂に、有機又は無機の染料又は顔料や、必要に応じて体質顔料、充填剤、粘着付与剤、分散剤、消泡剤、安定剤その他の添加剤を適宜添加し、適当な希釈溶剤で所望の粘度に調整してなる、従来公知の任意の印刷インキが使用可能である。
【0037】
絵柄層4の上側及び/又は下側には、必要に応じて、各樹脂層との層間密着性を確保するために、プライマー層(図示せず)を設けることもできる。プライマー層の材質としては、例えばイソシアネート硬化型ウレタン系樹脂や、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、側鎖又は末端に水酸基、アミノ基又はカルボキシル基等の官能基を導入した変性ポリオレフィン系樹脂等を、それぞれ単独で又は2種以上を適宜混合して使用することができる。
【0038】
次に、本発明の化粧材の製造方法について説明すると、基本的には従来のポリ塩化ビニル樹脂製の化粧材の場合と同様、熱ラミネーション法によって製造することができる。
【0039】
具体的には、まず、下側アイオノマー樹脂層2とポリエステル系樹脂層3との2層(図1に示す例の場合)、若しくは、それらと中間アイオノマー樹脂層3との3層(図2に示す例の場合)を積層した中間積層体を作製し、その下面にバッカー層1を、上面に上側アイオノマー樹脂層6を宛い、これら全層を熱ラミネート法により同時に貼り合わせて一体化した積層体を作製すれば良い。
【0040】
上記中間積層体中の各層間の積層に関しては、ポリエステル系又はポリウレタン系等のドライラミネート用接着剤を介したドライラミネート法や、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、アクリル系、ポリエステル系、変性ポリオレフィン系又はポリアミド系等の感熱接着剤を介した熱ラミネート法、ポリエステル系樹脂層3面にアイオノマー樹脂を加熱溶融状態で押し出すと同時に積層する押出ラミネート法等から適宜選択可能であるが、ドライラミネート法が最も一般的である。
【0041】
上記中間積層体とバッカー層1、上側アイオノマー樹脂層6との熱ラミネート法の方式としては、一般に、枚葉による多段プレス方式か、又は熱ロールを使用した連続熱ラミネート方式が採用され、本発明の化粧材の製造にはいずれの方式も適用可能であるが、連続熱ラミネート方式の方が生産性に優れ好適である。
【0042】
こうして得たバッカー層1から上側アイオノマー樹脂層6までの積層体の表面、すなわち上側アイオノマー樹脂層6の表面には、意匠性の向上又は滑り止め等の目的で、エンボスを施して凹部7を形成してもよい。エンボスを施す方法としては、凹凸面を有するエンボス版又はエンボスロールを使用して加熱しつつ加圧する、従来公知のエンボス方法を用いることができる。
【0043】
なお、エンボスは上述の熱ラミネートとは別工程で行うこともできるが、熱ラミネーションと同時に行うと、製造工程が短縮でき、熱エネルギーの無駄も低減できて、生産性が向上し製造原価が低減できるので有利である。
【0044】
本発明の化粧材は上述の様に、熱ラミネート法により容易に製造することが出来るが、その製造設備としては、例えば熱ラミネート及びエンボス加工により製造される従来のポリ塩化ビニル樹脂製の化粧材の製造設備等をそのまま適用することも可能であり、製造工程にも大きな変更はないから、新規設備投資の必要もなく容易且つ安価に製造可能である。
【0045】
【実施例】
以下に、本発明の化粧材の実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明する。
【0046】
<実施例1>
無機充填剤として二酸化チタンを含有する厚さ50μmの白色二軸延伸ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)フィルム(帝人デュポン社製、テトロンフィルム)の上面(コロナ処理面)に、ウレタン系印刷インキ(東洋インキ製造社製、V−XXXインキ)を使用してグラビア印刷法により石目柄を印刷し、その上下両面に、厚さ40μmの透明なアイオノマー樹脂フィルム(デュポン社製、ハイミランフィルム)を、ポリエステル系接着剤を介したドライラミネート法にて積層し、中間積層体を作製した。
【0047】
上記中間積層体の下面に、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を主成分とし、無機充填剤としてタルクを樹脂成分と等量含有する厚さ3mmのバッカー層を、上面には厚さ600μmの透明なアイオノマー樹脂フィルム(デュポン社製、ハイミランフィルム)をそれぞれ宛い、ラミネート温度120℃の条件で連続ラミネート方式により積層して貼り合わせると同時に、出来た積層体の表面にエンボスロールをラミネート温度と同じ120℃で加圧してエンボスを施し、凹凸模様を付与することにより、本発明の化粧材を作製した。
【0048】
<比較例1>
上記実施例1において、PETフィルムを用いずに、下側のアイオノマー樹脂フィルムの上面に印刷を行い、該印刷面に上側のアイオノマー樹脂フィルムをドライラミネート法にて積層した中間積層体を用い、その他は上記実施例1と同一の条件で化粧材を作製した。
【0049】
<比較例2>
特許文献2(特開平9−207276号公報)の実施例3に記載の条件で化粧材を作製した。
【0050】
上記実施例1及び比較例1〜2の化粧材について、温度80℃の雰囲気中に6時間放置後の寸法変化を測定したところ、実施例1は0.25%以下であったのに対し、比較例1は0.4%以上、比較例2は0.7%以上であった。また、実施例1の化粧材が最も反りが少なく、その反り量との比較における各比較例の化粧材の反り量は、比較例1は5倍以上、比較例2も3倍以上であった。
【0051】
【発明の効果】
以上詳細に説明した様に、本発明の化粧材は、ポリ塩化ビニル樹脂等のハロゲン系樹脂を使用していないので、廃棄時の焼却処分時や火災時に塩化水素ガスやダイオキシン等の有害物質が発生するおそれがないことは勿論のこと、ポリ塩化ビニル樹脂に近似した物性を有するアイオノマー樹脂を用いているので、柔軟性、表面硬度、耐摩耗性等において従来のポリ塩化ビニル樹脂製の化粧材と同等の性能を有しており、しかも、最表面の上側アイオノマー樹脂層と、裏面の無機充填剤を含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とするバッカー層との間に、ポリエステル系樹脂層を設けたことにより、熱伸縮性が小さくしかも反りにくく、例えば床タイルとして施工した際に、隣接する床タイル間での目隙きや、反りによる下地面との接着不良、不陸や段差等のトラブルを極めて発生しにくいことなど、数々の実用上の優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図である。
【図2】本発明の化粧材の実施の形態を示す側断面図である。
【符号の説明】
1 バッカー層
2 下側アイオノマー樹脂層
3 ポリエステル系樹脂層
4 絵柄層
5 中間アイオノマー樹脂層
6 上側アイオノマー樹脂層
7 エンボス

Claims (6)

  1. 下側から順に、無機充填剤を含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂を主体とするバッカー層、下側アイオノマー樹脂層、ポリエステル系樹脂層、上側アイオノマー樹脂層が積層されてなることを特徴とする化粧材。
  2. 前記ポリエステル系樹脂層と前記上側アイオノマー樹脂層との間に、中間アイオノマー樹脂層を具備することを特徴とする請求項1に記載の化粧材。
  3. 前記ポリエステル系樹脂層の厚さが25〜100μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧材。
  4. 前記ポリエステル系樹脂層が二軸延伸されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧材。
  5. 前記ポリエステル系樹脂層が無機充填剤を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧材。
  6. 前記ポリエステル系樹脂層の上面に絵柄層を具備することを特徴とする請求項5に記載の化粧材。
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