JP2004223328A - フラックス塗布方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】コンベヤ15で基板12を搬送し、フラックスFを噴霧するノズル25を基板12の搬送方向に対し交差する幅方向Xに往復移動させる。幅方向Xに往復移動するノズル25の折返し位置はセンサ37,38で検知する。センサ37,38の位置を基板12の幅方向Xの両側位置より内側に配置し、基板12の幅方向Xの両側にフラックスFを塗布しないフラックス非塗布領域b1,b2を設定する。フラックス非塗布領域b1,b2より内側域にノズル25からフラックスFを塗布する。基板12のフラックス非塗布領域b1,b2にフラックスFを塗布せず、基板12外へのフラックスFの飛散を防止する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、はんだ付け用のフラックスを被塗布体に塗布するフラックス塗布方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、部品が実装されたプリント配線基板(以下、プリント配線基板を、単に「基板」という)の搬送方向に対し交差する幅方向(以下、基板の搬送方向に対し交差する幅方向を、単に「幅方向」という)両側をコンベヤで支持し、このコンベヤによって基板を搬送しながら、この基板に対向してフラックスを噴霧するノズルを基板の幅方向に往復移動させることにより、フラックスを基板の全面に塗布している。
【0003】
そして、ノズルは基板の幅方向の一側および他側からそれぞれはみ出した位置で折り返して往復移動し、基板の幅方向全域に均一にフラックスを塗布している(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−212019号公報(第1頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のフラックス塗布方法では、ノズルが基板の幅方向の一側および他側からそれぞれはみ出した位置で折り返して往復移動することにより、基板の幅方向全域に均一にフラックスを塗布できる一方で、例えば基板の幅方向両側域に部品が実装されずフラックスの塗布が不要な場合でもフラックスを塗布することになり、しかも、基板外にもフラックスが飛散してしまうため、1枚の基板にフラックスを塗布するのに必要とするフラックスの使用量が多くなり、フラックスの塗布効率が低い問題がある。
【0006】
また、基板の幅方向両側方にフラックスが飛散してしまうため、基板を搬送するコンベヤなどの周囲にフラックスが付着して汚れる問題がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、被塗布体に対するフラックスの塗布効率を向上でき、フラックスの飛散で周囲が汚れるのを低減できるフラックス塗布方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載された発明は、フラックスを塗布する被塗布体を搬送し、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向にフラックスが供給されるノズルを往復移動させ、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向両側にフラックス非塗布領域を設定し、このフラックス非塗布領域より内側域にノズルから供給されるフラックスを塗布するフラックス塗布方法であり、被塗布体の幅方向両側のフラックス非塗布領域にフラックスを塗布せず、被塗布体の幅方向両側方へのフラックスの飛散を防止できるため、基板に対するフラックスの塗布効率を向上でき、フラックスの飛散で周囲が汚れるのを低減できる。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載に記載されたフラックス塗布方法において、フラックス非塗布領域は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの往復移動範囲を、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向両側縁位置より内側に制限して設定するものであり、フラックス非塗布領域を確実に設定できる。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項2に記載されたフラックス塗布方法において、ノズルの往復移動範囲は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの折返し位置を検知する折返し位置検知部の位置を被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に移動させて調整するものであり、フラックス非塗布領域を容易に調整できる。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項1に記載されたフラックス塗布方法において、フラックス非塗布領域は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの位置に基づきノズルからのフラックスの供給を制御して設定するものであり、フラックス非塗布領域の調整および設定を容易にできる。
【0012】
請求項5に記載された発明は、フラックスが塗布される被塗布体を搬送する搬送手段と、フラックスの供給を受けて搬送手段で搬送する被塗布体に対してフラックスを塗布させるノズルと、ノズルを被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動させるノズル移動手段と、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向両側にフラックス非塗布領域を設定し、このフラックス非塗布領域より内側域においてノズルから供給されるフラックスを塗布させる設定手段とを具備したフラックス塗布装置であり、被塗布体のフラックス非塗布領域にフラックスを塗布せず、被塗布体の幅方向両側方へのフラックスの飛散を防止できるため、基板に対するフラックスの塗布効率を向上でき、フラックスの飛散で周囲が汚れるのを低減できる。
【0013】
請求項6に記載された発明は、請求項5に記載されたフラックス塗布装置において、設定手段は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの往復移動範囲を、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向両側縁位置より内側に制限させるものであり、フラックス非塗布領域を確実に設定できる。
【0014】
請求項7に記載された発明は、請求項6に記載されたフラックス塗布装置において、ノズル移動手段は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動させるノズルの折返し位置を検知する折返し位置検知部を備え、設定手段は、折返し位置検知部の位置を被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に調整する検知位置調整手段を備えたものであり、フラックス非塗布領域を容易に調整できる。
【0015】
請求項8に記載された発明は、請求項7に記載されたフラックス塗布装置において、検知位置調整手段は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向への折返し位置検知部の調整に連動してその折返し位置検知部の位置情報を表示する表示手段を備えたものであり、折返し位置検知部の位置の調整を容易かつ確実にできる。
【0016】
請求項9に記載された発明は、請求項5に記載されたフラックス塗布装置において、設定手段は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に移動するノズルの位置を検知するノズル位置検知手段と、ノズル位置検知手段で検知するノズルの位置に基づきノズルからのフラックスの供給を制御するフラックス供給制御手段とを備えたものであり、フラックス非塗布領域の調整および設定を容易にできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1ないし図6を参照しながら、他の実施の形態を図7を参照しながらそれぞれ説明する。
【0018】
図3にフラックス塗布装置11を示し、このフラックス塗布装置11では、部品が実装された四角形板状のプリント配線基板である被塗布体としての基板12を搬送方向Yへ向けて搬送し、この基板12の下面に対してはんだ付け用のフラックスを塗布する。
【0019】
フラックス塗布装置11は、基板12を搬送方向Yへ向けて搬送する搬送手段としてのコンベヤ15を備えている。このコンベヤ15は、基板12の搬送方向Yに対し交差する幅方向Xの両側縁をそれぞれ支持して搬送方向Yに搬送する一対の搬送部16,17を有し、これら搬送部16,17が平行に配置されているとともに少なくともいずれか一方が他方に対して平行状態を保ったまま移動可能で、基板12の幅方向Xの幅寸法に対応して搬送部16,17の間隔を調整可能としている。
【0020】
各搬送部16,17は、搬送方向Yに沿って配設されたガイド枠18をそれぞれ有し、各ガイド枠18内に沿って図示しない無端チェンが回行可能に配設され、これら無端チェンが図示しない搬送用モータにより同期して回行駆動される。各ガイド枠18には互いに対向する内側面に沿ってスリット状の溝部19が形成され、各溝部19からは各無端チェンより突設された複数のピン20が突出されている。そして、両側の搬送部16,17から互いに突出する複数のピン20上に基板12の幅方向Xの両側部を支持し、無端チェンの回行によってピン20とともに基板12を搬送方向Yに搬送する。
【0021】
また、コンベヤ15の下側には、このコンベヤ15によって搬送する基板12の下面にフラックスFを塗布するノズルユニット23が配設されている。このノズルユニット23は、図3ないし図6に示すように、コンベヤ15による基板12の搬送方向Yに対し交差する幅方向Xに配設された断面略四角形枠状のノズルユニット本体24を有し、このノズルユニット本体24の外側方であって搬送方向Yの下流側にノズル25が配置され、ノズルユニット本体24の内部にノズル25を幅方向Xに往復移動させるノズル移動手段26が配設されている。
【0022】
ノズル25は、流体圧回路およびこの流体圧回路を制御する電磁弁などを有する図示しないフラックス供給装置に接続され、このフラックス供給装置からフラックスFの供給を受け、その供給を受けたフラックスFをコンベヤ15によって搬送する基板12の下面に向けて噴霧するスプレーノズルである。
【0023】
ノズル移動手段26では、ノズルユニット本体24の上面部24aの内面において幅方向Xの両側近傍にシャフト支持部28が取り付けられ、これらシャフト支持部28間に一対のガイドシャフト29が幅方向Xに沿って平行に架設され、これらガイドシャフト29にスライドブロック30が幅方向Xにスライド可能に係合されている。このスライドブロック30の下面にはノズルアーム31の一端側が取り付けられ、このノズルアーム31の他端側がノズルユニット本体24の下面部24bに幅方向Xに形成された溝部32を通じてノズルユニット本体24の外側方であって搬送方向Yの下流側に突出され、そのノズルアーム31の他端側の先端にノズル25が基板12の下面に対向するように上向きに取り付けられている。
【0024】
ノズルユニット本体24の上面部24aの内面において幅方向Xの両側にタイミングプーリ33が回転可能に軸支され、これらタイミングプーリ33にわたってタイミングベルト34が回行可能に張設され、このタイミングベルト34にスライドブロック30の上面に取り付けられた連結部材35が連結されている。一方のタイミングプーリ33はノズルユニット本体24の上面部24aの外面に配設されるノズル駆動部としてのノズル移動用モータ36によって正逆回転駆動され、回行するタイミングベルト34を介して、スライドブロック30およびノズルアーム31とともにノズル25が幅方向Xに往復移動する。ノズル移動用モータ36にはパルスモータが用いられている。
【0025】
ノズルユニット本体24内には、幅方向Xに往復移動するノズル25の幅方向Xにおける両側の各折返し位置を検知するための折返し位置検知部としてのセンサ37,38がそれぞれ略L字形のセンサ取付板39によって取り付けられている。これらセンサ37,38は、略コ字形でその先端間でセンサ光を投受光するフォトセンサであり、スライドブロック30に取り付けられた検知片40が各センサ37,38の先端間に侵入してセンサ光を遮光することでノズル25の幅方向Xの両側の各折返し位置を検知する。
【0026】
そして、図1に示すように、ノズル移動手段26では、ノズル25の移動方向に対応したセンサ37またはセンサ38でノズル25の各折返し位置を検知したとき、ノズル25の移動方向を反転させて折り返させることにより、これらセンサ37,38で設定される往復移動範囲a内でノズル25を幅方向Xに往復移動させるように制御する。
【0027】
また、図3および図6に示すように、各センサ37,38の幅方向Xにおける検知位置は検知位置調整手段41によって調整可能としている。この検知位置調整手段41では、各センサ37,38を取り付けたセンサ取付板39から突設された複数の各ねじ軸42が、ノズルユニット本体24の上面部24aに幅方向Xに対応して形成された各長孔43に挿通されるとともに、ノズルユニット本体24の上面部24aの上面に配置される指針板44に形成された丸孔である各挿通孔45に挿通され、この指針板44の各挿通孔45を挿通した各ねじ軸42の先端に各袋ナット46が螺着されている。そして、袋ナット46を緩めた状態で、センサ取付板39および指針板44と一体に各センサ37,38を幅方向Xに移動させて位置調整することができ、また、各センサ37,38の位置調整後には、袋ナット46を締め付けることで、各センサ37,38の調整位置を固定できる。
【0028】
そして、ノズル移動手段26、センサ37,38、および検知位置調整手段41などによって、図1に示すように、基板12の幅方向Xの両側にフラックスFを塗布しないフラックス非塗布領域b1,b2、およびこのフラックス非塗布領域b1,b2より内側でフラックスFの塗布を許容するフラックス塗布領域cを設定する設定手段47が構成されている。
【0029】
また、図3に示すように、ノズルユニット本体24の上面部24aの上面には、一側から略三角形の指針48が突設された指針板44に対して、この指針板44の指針48が指す目盛49が表示されたスケール50が平行に取り付けられている。スケール50には幅方向Xに対応して複数の長孔51が形成され、これら各長孔51を挿通する各ねじ52がノズルユニット本体24側に螺着されている。そして、ねじ52を緩めた状態で、スケール50を幅方向Xに移動させて位置調整することができ、また、スケール50の位置調整後には、ねじ52を締め付けることで、スケール50の調整位置を固定できる。
【0030】
スケール50の位置調整では、例えば、図2に示すようにノズル25が基板12の幅方向Xの縁部に一致する位置でセンサ37,38が検知するとき、あるいはノズル25から噴霧するフラックスFの塗布域の外側位置が基板12の幅方向Xの縁部に一致する位置でセンサ37,38が検知するとき、指針48が指すスケール50の目盛49が零になるように予め調整固定しておくことにより、検知位置調整手段41によってセンサ37,38の位置を調整する際に、基板12の幅方向Xの縁部からノズル25までの幅方向Xの距離d1,d2、あるいはフラックス非塗布領域b1,b2の幅を、スケール50の目盛49の零からの距離として表示できる。
【0031】
そして、指針板44およびスケール50によって、基板12の幅方向Xの縁部からノズル25までの幅方向Xの距離d1,d2、あるいはフラックス非塗布領域b1,b2の幅を表示するものであり、センサ37,38の幅方向Xへの調整に連動してそのセンサ37,38の位置情報を表示する表示手段53が構成されている。
【0032】
次に、図1ないし図6に示されたフラックス塗布装置11の作用を説明する。
【0033】
フラックスFを塗布する基板12の幅方向Xの幅寸法に合わせて、コンベヤ15の両側の搬送部16,17の間隔を調整する。
【0034】
このコンベヤ15で搬送する基板12の幅方向Xの両側に設定するフラックス非塗布領域b1,b2の幅に合わせて、検知位置調整手段41で各センサ37,38を幅方向Xに移動させて位置調整し、フラックス非塗布領域b1,b2を設定する。このとき、ノズル25から噴霧するフラックスFの塗布域の外側位置が基板12の幅方向Xの縁部に一致する位置でセンサ37,38が検知するときに、指針48が指すスケール50の目盛49が零になるようにスケール50の位置を予め調整しておくことにより、フラックス非塗布領域b1,b2の幅をスケール50の目盛49の零からの距離として表示でき、フラックス非塗布領域b1,b2の設定を容易にできる。
【0035】
そして、コンベヤ15で基板12を搬送方向Yに搬送する。このとき、基板12を定位置の図示しない基板検知センサで検知し、この基板検知センサによる基板12の検知とコンベヤ15による基板12の搬送距離とから、コンベヤ15上の基板12の搬送位置を監視できる。
【0036】
基板12が搬送方向Yにおける所定の塗布開始位置に移動した時点で、フラックス供給装置からフラックスFをノズル25に供給し、ノズル25からフラックスFを基板12に噴霧し、フラックスFの塗布を開始する。同時に、ノズル25の幅方向Xへの移動を開始し、ノズル25の移動方向に対応したセンサ37またはセンサ38でノズル25の各折返し位置を検知したとき、ノズル25の移動方向が反転して折り返し、これらセンサ37,38で設定される往復移動範囲a内でノズル25が幅方向Xに往復移動する。これにより、基板12の幅方向Xの両側のフラックス非塗布領域b1,b2にはフラックスFを塗布せず、フラックス非塗布領域b1,b2の内側のフラックス塗布領域cにのみフラックスFを塗布する。
【0037】
基板12が搬送方向Yにおける所定の塗布終了位置に移動した時点で、フラックス供給装置からのフラックスFの供給を停止し、フラックスFの塗布を終了する。
【0038】
なお、基板12の搬送方向Yの搬送位置から、基板12の搬送方向Yにおける塗布開始タイングおよび塗布終了タイミングを調整することで、基板12の幅方向Xの両側のフラックス非塗布領域b1,b2と同様に、基板12の搬送方向Yの両側にもフラックスFを塗布しないフラックス非塗布領域を設定できる。
【0039】
そして、フラックスFの塗布効率を確認するために、次の表1に示すように、基板12の幅方向Xの全域にフラックスFを塗布する場合つまりエッジオフ無の場合と、基板12の幅方向Xの両側に5mmのフラックス非塗布領域b1,b2を設定した場合つまりエッジオフ5mmの場合とについて、フラックスFの塗布試験をした。塗布試験では、各場合とも3枚ずつの各基板12について、フラックスFの塗布前の質量およびフラックスFの塗布後の質量を測定し、これら塗布前後の質量差からフラックスFの付着量を求め、さらに、各場合毎に、付着量の平均、および平均効率を求めた。ただし、ノズル25の幅方向Xにおける1往復当りのフラックスFの塗布量は一定とする。
【0040】
【表1】
【0041】
その結果、エッジオフ5mmの場合は、エッジオフ無の場合に比べて、ノズル25の幅方向Xにおける1往復当りの距離が短くなるので、単位面積当りのフラックスFの付着量が増加し、塗布効率を向上したことを確認できた。
【0042】
このように、基板12の幅方向Xの両側にフラックスFを塗布しないフラックス非塗布領域b1,b2を設定することにより、フラックス塗布が不要な基板12の幅方向Xの両側域にフラックスFを塗布せず、基板12の幅方向Xの両側方へのフラックスFの飛散を防止できるため、基板12に対するフラックスFの塗布効率を向上できるとともに、フラックスFの飛散でコンベヤ15などの周囲が汚れるのを低減できる。
【0043】
また、基板12の幅方向Xに往復移動するノズル25の折返し位置をセンサ37,38で検知し、ノズル25の往復移動範囲aを基板12の幅方向Xの両側縁位置より内側に制限させるため、フラックス非塗布領域b1,b2を確実に設定できる。
【0044】
さらに、検知位置調整手段41によって、基板12の幅方向Xに往復移動するノズル25の折返し位置を検知するセンサ37,38の位置を幅方向Xに移動させて調整することにより、フラックス非塗布領域b1,b2を容易に調整できる。
【0045】
さらに、指針板44およびスケール50を含む表示手段53が、センサ37,38の幅方向Xへの調整に連動してそのセンサ37,38の位置情報を表示するため、センサ37,38の位置の調整を容易かつ確実にできる。
【0046】
次に、図7に他の実施の形態を示す。なお、図1ないし図6に示された実施の形態と同様の構成には同一符号を付して、その説明を省略する場合もある。
【0047】
制御部61により、ノズル25にフラックスFを供給する流体圧回路およびこの流体圧回路を制御する電磁弁などを有するフラックス供給装置62、およびノズル25を幅方向Xに移動させるパルスモータであるノズル移動用モータ36を制御する。
【0048】
制御部61は、幅方向Xに移動するノズル25の位置を検知するノズル位置検知手段63の機能、このノズル位置検知手段63で検知するノズル25の位置に基づきノズル25からのフラックスFの供給を制御するフラックス供給制御手段64の機能を備えている。ノズル位置検知手段63では、パルスモータであるノズル移動用モータ36を駆動するために与えるパルス数とノズル移動用モータ36の駆動によって幅方向Xに移動するノズル25の移動量との関係を予め設定しておくことにより、ノズル移動用モータ36に与えるパルス数からノズル25の幅方向Xの位置を検知できる。
【0049】
そして、制御部61は、基板12の幅方向Xに往復移動するノズル25の位置に基づき、フラックス非塗布領域b1,b2に対してはノズル25へのフラックスFの供給を停止し、フラックス非塗布領域b1,b2より内側のフラックス塗布領域cに対してはノズル25へフラックスFを供給するように制御する。したがって、ノズル位置検知手段63およびフラックス供給制御手段64を有する制御部61によって、基板12の幅方向Xの両側にフラックスFを塗布しないフラックス非塗布領域b1,b2、およびこのフラックス非塗布領域b1,b2より内側でフラックスFの塗布を許容するフラックス塗布領域cを設定する設定手段47が構成されている。フラックス非塗布領域b1,b2などは制御部61に接続された入力手段65によって任意に入力設定可能とする。
【0050】
このように、幅方向Xに往復移動するノズル25の位置に基づき、フラックス非塗布領域b1,b2に対してはノズル25へのフラックスFの供給を停止し、フラックス非塗布領域b1,b2より内側のフラックス塗布領域cに対してはノズル25へフラックスFを供給するため、フラックス塗布が不要な基板12の幅方向Xの両側域にフラックスFを塗布せず、基板12外へのフラックスFの飛散を防止できるため、基板12に対するフラックスFの塗布効率を向上できるとともに、フラックスFの飛散でコンベヤ15などの周囲が汚れるのを低減できる。しかも、フラックス非塗布領域b1,b2の調整および変更を容易にできる。
【0051】
また、ノズル25の往復移動はノズル25の位置から判断してできるので、ノズル25の移動方向の折返し位置を検知するためのセンサ37,38などを省略でき、構成を簡素化できる。
【0052】
なお、幅方向Xに往復移動するノズル25の位置に基づき、フラックス非塗布領域b1,b2にフラックスFを塗布しないノズル25の往復移動範囲a内で、ノズル25を往復移動させるように制御することもでき、この場合にも、フラックス非塗布領域b1,b2を設定でき、調整および変更も容易にできる。
【0053】
また、幅方向Xに移動するノズル25の位置の検知には、ノズル25の移動量に応じたパルス出力をするエンコーダを用いることもできる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向にフラックスが供給されるノズルを往復移動させ、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向両側に設定されるフラックス非塗布領域より内側域にノズルから供給されるフラックスを塗布することにより、被塗布体の幅方向両側のフラックス非塗布領域にフラックスを塗布せず、被塗布体の幅方向両側方へのフラックスの飛散を防止できるため、基板に対するフラックスの塗布効率を向上でき、フラックスの飛散で周囲が汚れるのを低減できる。
【0055】
請求項2記載の発明によれば、フラックス非塗布領域は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの往復移動範囲を、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向両側縁位置より内側に制限して設定するため、フラックス非塗布領域を確実に設定できる。
【0056】
請求項3記載の発明によれば、ノズルの往復移動範囲は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの折返し位置を検知する折返し位置検知部の位置を被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に移動させて調整するため、フラックス非塗布領域を容易に調整できる。
【0057】
請求項4記載の発明によれば、フラックス非塗布領域は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの位置に基づきノズルからのフラックスの供給を制御して設定するため、フラックス非塗布領域の調整および設定を容易にできる。
【0058】
請求項5記載の発明によれば、ノズル移動手段によって被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向にフラックスが供給されるノズルを往復移動させ、設定手段によって被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向両側に設定されるフラックス非塗布領域より内側域にノズルから供給されるフラックスを塗布することにより、被塗布体の幅方向両側のフラックス非塗布領域にフラックスを塗布せず、被塗布体の幅方向両側方へのフラックスの飛散を防止できるため、基板に対するフラックスの塗布効率を向上でき、フラックスの飛散で周囲が汚れるのを低減できる。
【0059】
請求項6記載の発明によれば、設定手段によって被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの往復移動範囲を被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向両側縁位置より内側に制限させるため、フラックス非塗布領域を確実に設定できる。
【0060】
請求項7記載の発明によれば、設定手段によって被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの折返し位置を検知する折返し位置検知部の位置を被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に移動させて調整するため、フラックス非塗布領域を容易に調整できる。
【0061】
請求項8記載の発明によれば、表示手段が被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向への折返し位置検知部の調整に連動してその折返し位置検知部の位置情報を表示するため、折返し位置検知部の位置の調整を容易かつ確実にできる。
【0062】
請求項9記載の発明によれば、設定手段のフラックス供給制御手段によって、ノズル位置検知手段で検知する被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの位置に基づきノズルからのフラックスの供給を制御するため、フラックス非塗布領域の調整および設定を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すもので、フラックス塗布装置のノズルの往復移動範囲と基板との関係を示す正面図である。
【図2】同上フラックス塗布装置のノズルの往復移動範囲が基板の幅と同じ場合におけるノズルの往復移動動作を示す正面図である。
【図3】同上フラックス塗布装置の斜視図である。
【図4】同上フラックス塗布装置の平面図である。
【図5】同上フラックス塗布装置の正面図である。
【図6】同上フラックス塗布装置の断面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態を示すフラックス塗布装置のブロック図である。
【符号の説明】
11 フラックス塗布装置
12 被塗布体としての基板
15 搬送手段としてのコンベヤ
25 ノズル
26 ノズル移動手段
37,38 折返し位置検知部としてのセンサ
41 検知位置調整手段
47 設定手段
53 表示手段
63 ノズル位置検知手段
64 フラックス供給制御手段
b1,b2 フラックス非塗布領域
F フラックス
Claims (9)
- フラックスを塗布する被塗布体を搬送し、
被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向にフラックスが供給されるノズルを往復移動させ、
被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向両側にフラックス非塗布領域を設定し、このフラックス非塗布領域より内側域にノズルから供給されるフラックスを塗布する
ことを特徴とするフラックス塗布方法。 - フラックス非塗布領域は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの往復移動範囲を、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向両側縁位置より内側に制限して設定する
ことを特徴とする請求項1記載のフラックス塗布方法。 - ノズルの往復移動範囲は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの折返し位置を検知する折返し位置検知部の位置を被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に移動させて調整する
ことを特徴とする請求項2記載のフラックス塗布方法。 - フラックス非塗布領域は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの位置に基づきノズルからのフラックスの供給を制御して設定する
ことを特徴とする請求項1記載のフラックス塗布方法。 - フラックスが塗布される被塗布体を搬送する搬送手段と、
フラックスの供給を受けて搬送手段で搬送する被塗布体に対してフラックスを塗布させるノズルと、
ノズルを被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動させるノズル移動手段と、
被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向両側にフラックス非塗布領域を設定し、このフラックス非塗布領域より内側域においてノズルから供給されるフラックスを塗布させる設定手段と
を具備したことを特徴とするフラックス塗布装置。 - 設定手段は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動するノズルの往復移動範囲を、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向両側縁位置より内側に制限させる
ことを特徴とする請求項5記載のフラックス塗布装置。 - ノズル移動手段は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に往復移動させるノズルの折返し位置を検知する折返し位置検知部を備え、
設定手段は、折返し位置検知部の位置を被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に調整する検知位置調整手段を備えた
ことを特徴とする請求項6記載のフラックス塗布装置。 - 検知位置調整手段は、被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向への折返し位置検知部の調整に連動してその折返し位置検知部の位置情報を表示する表示手段を備えた
ことを特徴とする請求項7記載のフラックス塗布装置。 - 設定手段は、
被塗布体の搬送方向に対し交差する幅方向に移動するノズルの位置を検知するノズル位置検知手段と、
ノズル位置検知手段で検知するノズルの位置に基づきノズルからのフラックスの供給を制御するフラックス供給制御手段とを備えた
ことを特徴とする請求項5記載のフラックス塗布装置。
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