JP2004222651A - 鱗茎菜類の根切り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】茎が太く固い場合でも傾斜状態を修正すること。
【解決手段】搬送手段61により茎を保持して吊下状態で搬送される鱗茎菜類の根を切断する鱗茎菜類の根切り装置1であって、吊下状態の鱗茎菜類の根を下方に向けて揃える根伸ばし手段34と、鱗茎菜類Nの根を回転させる回転手段17と、回転手段17により回転状態にある根Mを切断する切断手段18,21とを備え、根伸ばし手段34と回転手段17との間の位置に、鱗茎菜類Nの下側部分を搬送手段61よりも高速で回転手段17に向けて搬送する下部送り手段200を設けた。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、玉葱などの鱗茎菜類の根切り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の鱗茎菜類の根切り装置は、玉葱などの鱗茎菜類の茎を保持して吊下状態で搬送する搬送手段と、吊下状態の鱗茎菜類の根を下方に引き延ばして揃える根伸ばし手段と、鱗茎菜類の根を回転させる回転手段と、回転手段により回転状態にある根を切断する切断手段とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
上記根伸ばし手段は、搬送方向に沿った中心線で互いに逆回転で回転する一対の根のばしローラを備え、各ローラ間でその根を下方に引き込ませるようにしつつ搬送することで根の引き延ばしを行う。
切断手段は、互いに逆回転をしながら外周で当接する一対のローラの内の一方のローラの上部に設けられ、当該ローラと共に回転する切り刃と、切り刃の上面に近接又は摺接する固定刃とを備え、各刃先が交差する位置において切断を行う。
また、この切断位置は一対のローラが圧接する位置とほぼ一致しており、各ローラは、それらの回転により挟み込まれた鱗茎菜類の根を切断位置に送り込む機能を有している。
回転手段は、上記切り刃が設けられたローラの上端面がこれに相当し、回転状態にあるローラ(或いは切り刃)の上端面に鱗茎菜類の下部がその中心から偏心した位置で接触することで摺動により鱗茎菜類に回転を生じさせる。
そして、搬送手段により吊下状態で搬送される鱗茎菜類に対して回転手段がその茎をねじるように回転させ、切断手段が回転状態にある鱗茎菜類の根をその全周から切り刃が当たるようにして切断を行っていた。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−327275号公報(第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
鱗茎菜類の根切り装置では、茎を保持して吊下状態で鱗茎菜類を搬送することから、根伸ばしを行うと鱗茎菜類の下部の送りスピードに遅れが生じ、鱗茎菜類の上部が搬送方向に先行する傾斜した状態で根切りが行われることになる。これを放置すると、切り刃及び固定刃が根に対して刃先が斜めに当たることとなり、その切り口が斜めになったり、根が不均一に切断され或いは一部の根が切断されずに残ってしまう。
このため、特許文献1に記載の根切り装置では、図18に示すように、一対のローラの上面が鱗茎菜類の下部に摺動することで鱗茎菜類の下部を強制的に送り、傾斜姿勢を修正するという対策が採られていた。
【0005】
しかしながら、上記根切り装置にあっても、鱗茎菜類の茎が太い場合或いは鱗茎菜類を十分に乾燥させて茎を柔らかくしなければ、茎の強度に負けて傾斜姿勢が修正されず、図19に示すように、切り口の傾斜,不均一の切断或いは切断残りを生じてしまうという不都合があった。
また、特許文献1に記載の根切り装置では、鱗茎菜類の傾斜姿勢を正す作業及び根切り作業が一対のローラ上において行われ、これらが近接しすぎることから傾斜姿勢の修正が十分に行われないということも上記不都合の要因となっていた。
【0006】
本発明は、鱗茎菜類の根を断面を傾斜せず揃えた状態で切断することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、搬送手段により茎を保持して吊下状態で搬送される鱗茎菜類の根を切断する鱗茎菜類の根切り装置であって、吊下状態の鱗茎菜類の根を下方に向けて揃える根伸ばし手段と、鱗茎菜類の根を回転させる回転手段と、回転手段により回転状態にある根を切断する切断手段とを備え、根伸ばし手段と回転手段との間の位置に、鱗茎菜類の下側部分を搬送手段よりも高速で回転手段に向けて搬送する下部送り手段を設ける、という構成を採っている。
【0008】
上記構成では、搬送手段により吊下状態で搬送される鱗茎菜類が根伸ばし手段によりその根を下方に向けて揃えられる。この際、鱗茎菜類は茎側(上側)が先行して傾斜状態で搬送されることとなる。
そして、回転手段の手前の位置で下送り手段により鱗茎菜類はその下部が搬送速度よりも高速で送られることから傾斜状態が修正され、その後、回転手段によりその根が回転され、回転状態で根の切断が行われる。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様の構成を備えると共に、下部送り手段は、搬送される鱗茎菜類の下部に当接して送りを行う転動機構を有する、という構成を採っている。
上記構成では、請求項1記載の発明と同様の作用を奏すると共に、回転手段手前位置における鱗茎菜類の下側の送り作業が転動機構により行われる。ここで、転動機構とは、例えば、鱗茎菜類の下部に摺接する回転ローラ機構や搬送ベルト機構等の、一定方向に移動する面を有する機構をいう。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明と同様の構成を備えると共に、転動機構の鱗茎菜類の下部との当接部は、連続する凸部又は凹部を有する、という構成を採っている。
上記構成では、請求項2記載の発明と同様の作用を奏すると共に、回転手段手前位置における鱗茎菜類の下側の送り作業が転動機構により行われる。このとき、転動機構の一定方向に移動する面に連続する凸部又は凹部が設けられているので、鱗茎菜類との間での滑りを有効に低減し、安定して鱗茎菜類の傾斜状態を修正する。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施形態の全体構成)
以下、図1〜16を参照して、本発明の実施の形態たる鱗茎菜類の根切り装置1(以下、根切り装置1)を詳細に説明する。本実施の形態の根切り装置1は、収穫された玉葱の根茎を所定に切り揃えて出荷状態とする玉葱調整機100に設けられ、玉葱の根を切り揃える「根切り処理」を行う。なお、本実施の形態においては、鱗茎菜類の一例として玉葱を主体に説明するが、その他の鱗茎菜類に適用可能であることは勿論である。
【0012】
始めに、図1を参照して、鱗茎菜類の根切り装置1を適用した玉葱調整機100の概略構成を説明する。図1に示すように、この玉葱調整機100は、基本的に以下の構造を有している。すなわち、玉葱調整機100は、玉葱Nを一括投入できるホッパー110と、ホッパー110から玉葱Nを定められた単位数量を取り上げるコンベア120と、コンベア120から供給された玉葱Nの姿勢を定めるフィーダー部130と、フィーダー部130で姿勢を定めて供給された玉葱Nの根M(図8に図示)と茎とを決められた長さに切断する根茎切断装置140と、等から構成される。根茎切断装置140は、高さ決めユニット141と、本実施の形態特有の根切り装置1と、茎切り装置142と、玉葱搬送ベルト61(搬送手段)と、等から構成される。また、根茎切断装置140には、所定の処理をされた玉葱Nが放出される放出口143と、茎くずが排出される茎排出部144と、が設けられている。根くずは根茎切断装置140の下部に排出される。
【0013】
コンベア120は、固定トレイ(図示しない)と、移動トレイ121…と、移動装置122と、等から構成される。固定トレイ(図示しない)は、ホッパー110から流れてきた玉葱Nを1単位個(例えば1個)ずつ受け止める。移動トレイ121…は、移動装置122により一定スピードで回転移動しており、固定トレイと一定時間ごとにすれ違い、固定トレイから玉葱Nを受け取って搬送する。
【0014】
フィーダー部130は、コンベア120から投入された玉葱Nを受ける玉葱受けユニット131と、玉葱Nの姿勢を整えるシャッターユニット132と、玉葱供給ユニット133と、等から構成されている。コンベア120の移動トレイ121…で取り上げられた玉葱Nは、移動トレイ121…がコンベア120の最上点に来たとき、移動トレイ121…から離れてフィーダー部130へと投入される。そして、フィーダー部130に一定タクトで供給される玉葱Nは、玉葱受けユニット131で受け止められる。
【0015】
玉葱受けユニット131は、コンベア120から投入される供給角度とほぼ同角度に傾斜した玉葱スロープ131aが設けられている。玉葱受けユニット131にコンベア120から供給される玉葱Nは、ほぼ一定の時間と角度で玉葱スロープ131aを転がりながら、投入口131bから内部の所定位置に入り、シャッターユニット132に受け渡される。シャッターユニット132に受け渡される玉葱Nの姿勢は、根Mの位置や茎の位置が定まらずまちまちである。シャッターユニット132は、この玉葱Nの姿勢を、茎上、根下の姿勢に定める。シャッターユニット132は、第1シャッター(図示しない)と第2シャッター(図示しない)とを備えている。第1シャッターは、玉葱の姿勢を、茎横向きから茎上向きまでの姿勢にして、一定タクトで第2シャッターに渡す。そして、第2シャッターで、玉葱の姿勢が、茎上、根下の姿勢に定められ玉葱供給ユニット133へと受け渡される。玉葱供給ユニット133は、茎把持ベルト134を備えており、この茎把持ベルト134は、茎上向きで供給された玉葱Nの茎を把持して、同一タクトで根茎切断装置140に供給する。そして、根茎切断装置140において、根切り装置1により「根切り処理」され、次いで、茎切り装置142により茎が所定に切断され、放出口143から放出される。
【0016】
以下、図を参照して、根切り装置1の構成を説明する。根切り装置1は、図2,3に示すように、回転刃軸11を回転駆動させ、回転刃軸11の上方に設けられた回転刃18(切断手段の一部)を回転させる回転刃駆動部10と、回転刃18と摺接して根M(図8に図示)を切断する固定刃21(切断手段の一部)を備える固定刃部20と、玉葱Nの根を回転刃18と固定刃21の摺接部分へと案内する根送りローラ32を備える根送りローラ部30と、回転刃駆動部10から根送りローラ部30へと駆動力を伝達する駆動伝達部40と、吊下状態で搬送される玉葱の根を下方に向けて揃える根伸ばし手段34と、玉葱Nの下側部分を玉葱搬送ベルト61よりも高速で回転手段としての後述する回転刃側ローラ17に向けて搬送する下部送り手段200と、図示しない駆動モータの出力を分岐して回転刃軸11と下送り手段200とに伝達する分岐伝達部250とを備え、この根切り装置1の上方には玉葱の茎を把持して玉葱Nを高さ決めユニット141,根切り装置1,茎切り装置142へと搬送する搬送手段としての一対の玉葱搬送ベルト61(図3,8に図示)が配設されている。
すなわち、玉葱Nは、玉葱搬送ベルト61に茎が把持され、根切り装置1に供給される。この根切り装置1では、根伸ばし手段34に根が引き込まれて伸ばされながら搬送される。また、根切り装置1には、根伸ばし手段34の搬送方向下流側に下送り手段200が配設され、さらに下流側には、回転刃軸11の上部に支持された回転刃側ローラ17(回転手段)と、この回転刃側ローラ17に圧接された状態で支持された根送りローラ32とが配設されている。そして、根切り装置1に搬送された玉葱Nの根Mが、根伸ばし処理を行われると、下送り手段200によりその下部の搬送速度が加速され、傾斜が修正された状態でこれらローラの圧接された部分にその根が引き込まれた後に、回転刃18と固定刃21とが摺接する部分に案内され、所定の根切り処理がなされる。
【0017】
回転刃駆動部10は、図2〜5に示すように、以下の構成を有している。回転刃軸11の下部には、従動タイミングプーリ12が止ねじ12aにより固定されている。また、従動タイミングプーリ12と後述する分岐伝達部250の主動タイミングプーリ253(図11に図示)との間にタイミングベルト13が設けられている。そして、回転刃軸11は、タイミングベルト13を介して、分岐伝達部250から動力が伝達され回転駆動される。
【0018】
また、回転刃軸11には、従動タイミングプーリ12の上面に、平歯車14が止ねじ14aにより固定されている。この平歯車14は、回転刃軸11に伝達された回転駆動力を、駆動伝達部40を介して根送りローラ軸31へと伝達する。また、下側ベアリング15が、その外周部が軸受取付台1Eに固定されて設けられ、平歯車14の上面に位置している。そして、回転刃軸11は下側ベアリング15を貫通して配設されている。これにより、回転刃軸11の下部は、軸受取付台1Eに対して回転自在に軸支されている。また、上側ベアリング16が、その外周部が回転刃軸ベアリング受け台1Dに固定されて設けられ、回転刃軸11は上側ベアリング16を貫通して配設されている。これにより、回転刃軸11の上部が、回転刃軸ベアリング受け台1Dに対して回転自在に軸支されている。以上により、回転刃軸11は、回転刃軸ベアリング受け台1Dと軸受取付台1Eとに貫通した状態で回転自在に配設されている。回転刃軸ベアリング受け台1Dは、断面L字状の形状をもち、一方の端部が止ねじ1Daにより側板1Fに固定され、側板1Fから回転刃軸11側に延在するように配設されている。軸受取付台1Eは、断面コ字状の形状をもち、その両端部は止ねじ1Ea、1Eaにより左右の側板1F、1Gに固定されている。
【0019】
また、回転刃軸ベアリング受け台1Dと軸受取付台1Eとの間には、回転刃軸11の回転がむきだしにならないように、軸カバー1Cが設けられている。この軸カバー1Cは、上側ベアリング16の外周面と下側ベアリング15の外周面とに嵌め合わされた状態で固定されている。
【0020】
また、回転刃軸11の上部には、回転刃側ローラ17が設けられている。この回転刃側ローラ17は、回転刃取付台17aと、弾性部材17bと、弾性体ローラシート17cとから構成されている。回転刃取付台17aは、止ねじ17abにより回転刃軸11に固定されている。回転刃取付台17aの外周面には、弾性部材17bが貼り付けられ、さらに、弾性部材17bの外周面には弾性体ローラシート17cが貼り付けられて一体に構成されている。このように、回転刃取付台17aの外周に弾性をもつ部材を備えることで、回転刃側ローラ17の外周部分に弾性が与えられている。なお、弾性体ローラシート17cの材質は、耐摩耗性に優れた材質が適宜選択されている。
【0021】
また、回転刃取付台17aの上面には、回転刃18が取り付けられている。また、回転刃18の直径は、上述の通りに構成される回転刃側ローラ17の直径よりも小さいものが適用されている。回転刃取付台17aは上面に凹部17aaが設けられており、上側から回転刃固定板19のボス部19aが嵌め合わせられる。回転刃18は、回転刃取付台17aの凹部17aaに嵌められ、その上から回転刃固定板19のボス部19aが嵌め合わせられることで位置決めして固定されている。
【0022】
また、回転刃18の上には、外周寸法が回転刃18と同程度で、内径が回転刃固定板19の外径に嵌まる形状の弾性体シート1A(シート部材)が設けられている。この弾性体シート1Aの材質としては、摩擦係数が大きい材質が適宜選択されている。
【0023】
また、回転刃固定板19の回転刃18を押さえるつば部19bの厚さは、弾性体シート1Aの厚さよりも薄くされている。さらに、弾性体シート1Aの上側からシート押え1Bを重ねた状態で、止ねじ1Aa、1Aaにより回転刃18および弾性体シート1Aが回転刃取付台17aに共締めされている。また、シート押え1Bの厚さは、玉葱Nの根Mの付け根から実部にかけての部分と、接触・干渉しない様に薄くされている。
【0024】
また、図5に示すように、回転刃18は、円形の外周縁部に丸鋸状の刃部18a…(丸鋸状の回転刃、回転刃の刃の部分)が設けられている。そして、個々の丸鋸状の刃部18a…の向きは、玉葱Nの搬送方向にやや傾いた状態となっている。このように刃部18a…が搬送方向に傾けられることで、玉葱Nがスムーズに回転刃18と固定刃21とが摺接する部分に導かれる。また、回転刃18の丸鋸状の刃部18a…は、搬送方向側に直線的に切れ刃が設けられている。このように切れ刃が直線的とされているので、刃が摩耗した場合においても研ぐことが容易であり、メンテナンス性が高い。また、丸鋸状の刃部18a…を備える円形の回転刃18は、切れ刃部分を研ぐ道具など、周知の各種メンテナンス工具(丸鋸刃用のものなど)を用いることができる。なお、本実施の形態では、回転刃18は、通常の金属切削で用いられるメタルソーを用いている。
【0025】
また、軸受取付台1Eのコ字状に開いた側を密閉して防塵するために、カバー1I(図4に図示)が設けられている。また、軸受取付台1Eの下桟の組立を容易にするために設けたドライバ穴は、めくら栓1H(図2に図示)で塞がれている。
【0026】
固定刃部20は、図2、3に示すように、以下の構成を有している。固定刃21は、図2に示すように、断面L字状の固定刃取付台22の上端面の位置決めボス(図示しない)に嵌め合わせられ、座金を介してボルト24により取付けられる。ここで、固定刃取付台22には、固定用ナット22cが溶接固定されている。また、固定刃取付台22は、側板1Gの外側で、ボルト22aとナット22bとにより固定されている。このように、固定刃21は、位置決めボスに嵌め合わせて取り付けることで、固定刃21を交換するときには、取付位置の復元性が容易に確保される。
【0027】
また、図6に示すように、固定刃21は、玉葱Nの根Mが導かれるときに邪魔とならないように、玉葱Nの搬送方向に対してゆるいテーパ部21aが設けられている。これにより、搬送される玉葱Nがスムーズに導かれるようになっている。さらに、搬送方向に進むと、固定刃21の刃先部分には、搬送方向に対してテーパ部21aよりも角度が付けられたテーパ部21bが設けられている。これにより、玉葱Nの搬送に支障をきたすことなく、スムーズに根切り処理がなされる。また、図7に示すように、回転刃18と固定刃21との位置関係は、互いが摺接する部分では、回転刃18の上側に固定刃21が位置するとともに、互いの刃の部分同士が圧接され適度な「たわみ」を持つように配設されている。すなわち、図7に示すように、回転刃18の上面が固定刃21の下面より高くなる配置で、かつ、固定刃21の上に回転刃18が位置するように配置して、これらを互いに弾性変形させている。このように構成することで、例えば、刃が摩耗した場合においても、常に互いの刃の部分が密着した状態となるために、刃先摩耗による隙間が生じず、確実に根切り処理される。
【0028】
そして、根切り処理に際しては、図5に示すように、回転刃18が時計方向に回転し根送りローラ32が反時計方向に回転することで、固定刃21の刃部21aと、丸鋸状の刃部18a…とが摺接して根Mを切断する。そして、両者が摺接する際には、回転刃18の刃部18a…は丸鋸状とされているので、回転刃18と固定刃21とが互いに摺接する部分が少なくされている。このように摺接する部分が少なくされていることで、摺動摩耗による耐久性が向上するとともに、摺接部分に玉葱Nの成分カスが付着した状態で、装置の不稼働状態が長期間経過した場合に、成分カスが固着して再始動が困難になることを抑制できる。
【0029】
また、根切り処理に際して、回転刃18が回転するときに、回転刃側ローラ17の上面に備えられる弾性体シート1Aの固定刃21の刃部21aと重なる部分は、固定刃21を乗り越えるようになっている(図8(a)に乗り越えられた部分の固定刃21を点線で図示)。また、搬送された玉葱Nは弾性体シート1Aの上面に乗り上げて根切り処理されるようになっている。すなわち、根切り処理の際には、玉葱Nの根Mの部分を除く底部が弾性体シート1Aの上面に位置した状態で、互いに摺接する固定刃21と回転刃18とにより、根の切断がなされるようになっている。従って、弾性体シート1Aの厚さを、ほぼ、「根切り処理」された玉葱の「根の長さ」の目標とする基本寸法P(図9に図示)に設定すれば、根切り処理後の玉葱の根の長さを基本寸法とすることができる。
【0030】
根送りローラ部30の主要部は、図2、3に示すように、基本的に、回転刃駆動部10と同様の構成となっており、同様の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。すなわち、図2に図示するように、根送りローラ部30には根送りローラ軸31が設けられ、この根送りローラ軸31は、根送りローラ軸ベアリング受け台33と軸受取付台1Eとに貫通した状態で回転自在に配設されている。根送りローラ軸ベアリング受け台33は、回転刃軸ベアリング受け台1Dと同様に、断面L字状の形状とされ、その端部が止ねじ33aにより側板1Gに固定されている。また、根送りローラ軸31の上部には、根送りローラ32が設けられている。根送りローラ32は、基本的に、回転刃側ローラ17と同様の構成となっており、取付台32aの外周面に、弾性部材17bが貼り付けられ、さらに、弾性部材17bの外周面には弾性体ローラシート17cが貼り付けられて一体に構成されている。取付台32aは止ねじ32aaにより根送りローラ軸31に固定されている。また、根送りローラ32の直径は、回転刃側ローラ17と同じ直径とされている。
【0031】
また、根送りローラ32と回転刃側ローラ17の配置は、図3に示すように、一対の玉葱搬送ベルト61の境界を中心にして、左右対称となる位置よりも根送りローラ32側に幾分偏っており、回転刃側ローラ17と根送りローラ32の中心間距離は互いに圧接する状態となるように設定されている。すなわち、回転刃側ローラ17と根送りローラ32との中心間距離が、回転刃側ローラ17の半径と根送りローラ32の半径との和よりも短くなるように配設される。この場合に、上述のように、互いのローラ17、32の外周部分には弾性が与えられているので、圧接された部分では互いに凹みあい長さをもって接触した状態となる。そして、この接触する長さが、搬送された玉葱Nの根Mの全体を挟み込むに十分な長さとなるように配設される。また、図2に図示するように、根送りローラ32の上面は、固定刃21の下面と接触しないように隙間が空けられている。
【0032】
また、図8(a)に図示するように、下送り手段200の一対の送りローラ201の中間位置を通過する玉葱の搬送方向に沿った線Aが、根送りローラ32と回転刃側ローラ17との接触部分から、回転刃側ローラ17側にオフセットするように配設されている。また、根送りローラ32は、玉葱Nの搬送方向に対して、回転刃側ローラ17よりもその軸心が手前側に配置される。これらにより、各玉葱搬送ベルト61(図8(b),図3に図示)により、根伸ばし手段34から下送り手段200を経て根切り装置1へと搬送される玉葱Nは、先に、回転刃側ローラ17に当接するように搬送される。このとき、玉葱Nは、回転刃側ローラ17の上面に設けられた弾性体シート1Aの上面に底部が乗り上げた状態となり(図8(b)に乗り上げる直前の状態を図示)、弾性体シート1Aの摩擦力により、玉葱Nに回転が与えられながら、確実かつスムーズに根送りローラ32と回転刃側ローラ17との圧接部分へと搬送する。
【0033】
また、図2に示すように、根送りローラ軸ベアリング受け台33と回転刃軸ベアリング受け台1Dとの間の部分には、搬送される玉葱Nの根Mが通過するときの邪魔とならないように、空間が確保されている。また、この空間は、根送りローラ軸ベアリング受け台33と回転刃軸ベアリング受け台1Dとの間から、軸受取付台1Eの上端まで確保されている。
【0034】
駆動伝達部40は、図2、3に示すように、以下の構成を有している。回転刃軸11の平歯車14と、根送りローラ軸31の平歯車14との間に、2つのアイドラー平歯車41、41が歯合して設けられている。また、2つのアイドラー平歯車41、41は、回転刃軸11および根送りローラ軸31の平歯車14と同一径とされている。アイドラー平歯車41、41の平歯車軸43、43には、平歯車軸受メタル42、42が圧入されている。そして、平歯車軸43、43の下側は座金44、44が止ねじ44a、44aで固定されている。また、これらアイドラー平歯車41、41は、止ねじ45により軸受取付台1Eに固定されている。これにより、回転刃軸11の回転駆動力が根送りローラ軸31へと伝達され、回転刃側ローラ17の回転と、根送りローラ32の回転が同期して、図5に示すように、玉葱Nを搬送方向に搬送するように回転する。
【0035】
図10は、根伸ばし手段34の構成を示すもので、(A)はその正面図、(B)は根伸ばしフィン34Aの正面図である。根伸ばし手段34は、あらゆる方向に向いている玉葱の根を回転している根伸ばしフィン34Aで真下に導きながら1本残らず伸ばしていく機能を有し、可撓性を有するゴム状の板にスリットを設けてくし状にした複数の根伸ばしフィン34Aと、長さの長い根が巻き付かない外径をした回転ドラム(回転体)34Bとからなる一対の根伸ばしローラから構成される。各回転ドラムは図3に示すように、二つのドラム保持板1K,1L間でいずれもその中心線が玉葱搬送ベルト61による搬送方向に平行となる状態で回転自在に支持されており、各玉葱搬送ベルト61により搬送される玉葱Nの根が通過する通過線を境界として隣接して配置されている。また、各回転ドラム34Bの根伸ばしフィン34Aは、その境界線を基準に互いに対象となる向きで回転ドラム34Aに装着されている。そして、各根伸ばしローラは互いの境界となる位置でそれぞれが下方に根を引き込む方向に回転駆動される。このように、これら根伸ばしローラが内方向に回転することにより、根伸ばし現象を発生させるものである。
この根伸ばし手段34を玉葱の下側部分が通過することにより、玉葱の根が真下方向に引っ張られて伸び、また、根部周辺に付着した畑の泥も合わせて下方に払い去ることが出来る。
【0036】
次に、図3,図11により下送り手段200について説明する。図11は下送り手段200及び分岐伝達部250を搬送方向上流側から見た正面図である。なお、この図11では下送り手段200及び分岐伝達部250よりも奥側となる装置の各構成については二点鎖線で図示している。
下送り手段200は、各玉葱搬送ベルト61の境界面を挟んで対象に配置され,同一中心軸線上に配置された一対の送りローラ201と、側板1Fと支持板1M又は側板1Gと支持板1Nに回転自在に支持された各送りローラ201の支軸202と、各送りローラ201の下方において側板1F及び側板1Gに回転自在に支持され,各支軸202に回転駆動力を伝達する伝達軸205と、支持板1Mと支持板1Nに支持された伝達軸205のカバー筒体206と、伝達軸205の一端部に設けられ,分岐伝達部250から回転駆動力を入力される入力歯車208と、伝達軸205に設けられた二つの主動プーリ207と、各支軸202にそれぞれ設けられた従動プーリ203と、各主動プーリ207とこれに対応する従動プーリ203との間に懸けられたタイミングベルト204とを備えている。
【0037】
各送りローラ201は、共通するその中心線が玉葱の搬送方向と直交する方向に沿っており、根伸ばし手段34よりも搬送方向下流側であって、回転刃側ローラ17の搬送方向すぐ手前の位置に配設されている。また、各送りローラ201の上端部は、回転刃側ローラ17の上端面(シート1Aの上面)と同一高さか或いは若干高くなるようにその配置が設定されている。また、各送りローラ201間には隙間が設けられ、搬送される玉葱の根の通過を妨げないようになっている。
さらに、各送りローラ201は、その外周面に玉葱の下部が接触することで回転波側ローラ17側に送られる方向にその回転駆動力が付与され、その際には玉葱Nの下部が玉葱搬送ベルト61の搬送速度よりも高速で送られる速度で回転駆動される。
また、接触により玉葱の下部を送り出す機能を効果的に達成する為に、その外周面の材質として摩擦係数の高いゴムが使用されている。また、この材質としてはナイロン,ビニール,プラスティック等の樹脂又は金属等であっても良いが、その中でも摩擦係数が高い種のもの或いはそのような表面形状や構造を有することが望ましい。
【0038】
上述の下送り手段200は、入力歯車208から回転駆動力が入力され、各主動プーリ207から各従動プーリ203にタイミングベルトを介して回転駆動力が伝達されることで、各送りローラ201は同一速度で回転駆動を行う。
従って、図12に示すように、各玉葱搬送ベルト61により玉葱Nが搬送されると、根伸ばし手段34を通過して上部が先行する方向に傾斜した玉葱Nの下部に各送りローラ201の外周面が当接し、加速して送り出すため、傾斜状態の玉葱の姿勢を垂直となるように修正することができる。
【0039】
このような玉葱Nの姿勢を修正する作用は、回転刃側ローラ17及び根送りローラ32の上面に玉葱下部が接触することによっても生じ得る。しかし、その場合には、姿勢の修正作用が生じる位置と切断を行う位置とがほぼ同一箇所であるため(近すぎるため)、特に玉葱の茎が太かったり未乾燥状態で固い状態では、十分に傾斜を修正することができない。
従って、下送り手段200は、回転刃側ローラ17の手前に配置することで、予め玉葱の下部の加速搬送を行い、十分に傾斜の修正を図っている。
【0040】
次に、分岐伝達部250について図3及び図11に基づいて説明する。
分岐伝達部250は、側板1Fの外面に設けられたケーシング1Pにより垂直方向に沿って回転自在に支持された主軸251と、主軸251の中間部に設けられ,図示しない駆動モータから回転駆動力が入力されるかさば歯車252と、主軸251に設けられ,タイミングベルト13を介して回転刃軸11に設けられた従動タイミングプーリ12に回転駆動力を伝達する主動タイミングプーリ253と、主軸251に設けられ,下送り手段200の入力歯車208に回転駆動力を伝達する出力歯車254と、主軸251に設けられ,根切り装置1以外の装置に駆動力を出力する為の出力用スプロケット255とを備えている。
なお、上記出力歯車254と前述した入力歯車208とはそれぞれの回転中心線が直交していることから、相互間での回転駆動力伝達を可能とする為に各歯車208,254ははす歯となっている。
【0041】
上記構成により、かさば歯車252から回転駆動力が入力されると、主軸251が回転駆動し、主動タイミングプーリ253からタイミングベルト13を介して回転刃軸11に回転駆動力が伝達されると共に、出力歯車254を介して下送り手段200の伝達軸205に回転駆動力が伝達される。
【0042】
次に、図2,3を参照して、根切り装置1の動作を説明する。スイッチ(図示しない)をONとすると、駆動モータ(図示略)が駆動され、分岐伝達部250の主軸251に回転駆動力が付与される。さらに、主軸251から回転刃軸11及び下送り手段200の伝達軸205に回転駆動力が伝達される。
【0043】
また、各玉葱搬送ベルト61が搬送方向に駆動される。一方、回転駆動される回転刃軸11の回転方向は、図3における時計方向とされる。また、回転刃軸11が時計方向に回転駆動されると、この回転駆動力が、回転刃軸11の平歯車14と歯合する側のアイドラー平歯車41に伝達され、このアイドラー平歯車41と歯合するもう一方のアイドラー平歯車14に伝達される。そして、このもう一方のアイドラー平歯車14と歯合する根送りローラ軸31の平歯車14に回転駆動力が伝達され、根送りローラ軸31が反時計方向に回転駆動される。これにより、図5に示すように、回転刃側ローラ17と根送りローラ32とが、玉葱Nの根Mを挟み込んで、搬送方向へと搬送することが可能な状態となる。
そして、回転刃軸11が回転駆動されると、その上部に設けられた回転刃側ローラ17が回転駆動される。この回転刃側ローラ17の回転速度は、玉葱Nが回転刃側ローラ17の弾性体シート1Aに当接して、回転刃側ローラ17の回転により搬送されるときの搬送速度が、玉葱搬送ベルト61の搬送速度よりも速くなるように設定されている。
【0044】
一方、下送り手段200では、伝達軸205の駆動により各送りローラ201が回転駆動を開始する。また、根伸ばし手段34も各回転ドラム34Bに回転駆動力が付与されて、回転を開始する。
【0045】
上述のように、各玉葱搬送ベルト61が駆動すると、図13に示すように玉葱Nが搬送方向への移動を開始する。根切り装置1へと供給される玉葱Nは、図14に示すように、各玉葱搬送ベルト61に茎が把持され、各根伸ばしローラの境界部分を通過することで各根伸ばしフィン34Aにより根Mが下方に引き込まれるようにしごかれた状態で搬送される。
この状態では、各根伸ばしローラにより根Mの前進が抑制されるので、搬送される玉葱Nは、やや搬送方向に傾いて前傾した状態となる。
【0046】
かかる状態で根伸ばし手段34から脱すると、玉葱Nは下送り手段200に到達する。このとき、図15に示すように、玉葱Nはその下部が回転駆動する各送りローラ201の外周面に当接し、その回転方向(搬送方向と一致)に向かって玉葱搬送ベルト61の搬送速度よりも早い速度に加速される。このため、根伸ばし手段34で傾斜した玉葱Nはその姿勢が垂直に修正されることとなる。
【0047】
そして、玉葱Nが下送り手段200により回転刃側ローラ17側に送り出されると、オフセットされている為に、玉葱Nは根送りローラ32より先に回転刃側ローラ17に到達する。従って、玉葱Nの根本付近の実部が、回転刃側ローラ17の弾性体シート1Aに当接する。これにより、回転刃18と固定刃21の刃先の交差位置よりも手前の位置で、玉葱Nは、各玉葱搬送ベルト61に挟まれた茎を中心にして、玉葱Nの自重と回転刃側ローラ17の弾性体シート1Aによる接触摩擦抵抗により、偶力が作用して回転が加えられる(図8(b)参照)。
さらに、玉葱Nの根Mは回転刃側ローラ17と根送りローラ32とに挟み込まれて、根Mは固定刃21と回転刃18との圧接部分へと導かれる。この途中では、根の挟まれたところから玉葱Nが回転しているので、根切り処理に先立って、根Mはよじられて生え際がひとまとめに揃えられる。
【0048】
また、図6に示すように、固定刃21と回転刃18の刃先が合うところから、根が切断されるまでは、回転刃18の刃部18a…の三角形状の切れ刃は、固定刃21の刃先の間でポケットLを形成し、回転刃18の回転が進むにつれて、このポケットLがだんだんと縮められて閉じられるようになる。そして、回転刃側ローラ17と根送りローラ32とに挟まれた根Mは、回転刃18の刃部18a…が形成するポケットLにはまり込み、絞られるようにして切断される。この時、弾性体シート1Aは伸縮性があるので、ポケットLに根Mが入り込むときに押しのけられて回転刃18の刃部18a…が剥き出しになることで切断される(図16)。
このように根Mが切断されることにより、玉葱Nの根Mが切断されて通り過ぎたあとは、図9に示すように、玉葱Nの根元の形状に沿って、弾性体シート1Aの厚みの寸法で「根切り処理」される。
【0049】
上記鱗茎菜類の根切り装置1によれば、玉葱Nの根Mが、回転した状態で根切り処理されるようになり、根の切断に際して大きな斜めカットとなることが抑制される。
また、根切り装置1は、回転刃側ローラ17及び根送りローラ32の手前に下送り手段250を設けたので、回転刃側ローラ17及び根送りローラ32の上面との摺接だけでは不充分であった傾斜姿勢の玉葱の姿勢修正をより効果的に行うことが可能となる。特に、下送り手段200は、回転刃側ローラ17及び根送りローラ32の手前に配置している為、切断位置に近すぎて充分傾斜修正を図れないような不都合は生じず、根が太い場合や未乾燥で固い場合であっても十分に垂直状態に修正を図ることが可能である。
【0050】
なお、下送り手段200の各送りローラ201は上述のものに限定されず、図17に示す各転動機構を使用しても良い。即ち、(A)に示すように、その外周面に複数の凹部を形成して摩擦力を高めたローラ201A、(B)に示すように、略多角形状であってその周囲に回転方向下流側に向かって突出した複数の凸部を形成したローラ201B、搬送ローラに張設されて駆動する搬送ベルト201C等のように、一定の摩擦力を持って玉葱Nの下部に送りを行うことか可能な構成を使用しても良い。
【0051】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、下送り手段により強制的に鱗茎菜類の下部が高速搬送されることから、未乾燥或いは茎が太い鱗茎菜類であっても、傾斜状態がより効果的に修正され、垂直吊下状態で根切り処理を行うことができ、切断面の傾斜やの根の不揃い或いは切り残しの発生を効果的に低減することが可能となる。
特に、下送り手段は根伸ばし手段と回転手段との間に設けられているので、従来の如く、切断手段とほぼ同位置にあるローラにより傾斜姿勢を修正する場合と異なり、傾斜状態の修正を十分に行うことができる為、かかる点からもより効果的に傾斜姿勢を正すことが可能である。
【0052】
請求項2記載の発明は、転動機構を備えるので、当該転動機構の一定方向に移動する面と鱗茎菜類の下部とを接触させて積極的に送り作業が行われ、より強力に鱗茎菜類の下部を搬送することができ、より効果的に鱗茎菜類の傾斜状態を解消することが可能となる。
【0053】
請求項3記載の発明は、転動機構の一定方向に移動する面に連続する凸部又は凹部が設けられているので、鱗茎菜類との間での滑りを有効に低減し、茎が乾燥していない場合や太い場合であっても、強固に下側の送りを実行することができ、安定して鱗茎菜類の傾斜状態を解消することが可能となる。従って、根切り処理後の切断面の傾斜やの根の不揃い或いは切り残しの発生を、さらに効果的に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施の形態の根切り装置を適用した玉葱処理機の構成を示す図である。
【図2】根切り装置の回転刃側ローラ及び根送りローラの周囲の構成を搬送方向上流側から見た側面図である。
【図3】図2の根切り装置の構成を示す上面図である。
【図4】図2の根切り装置の回転刃駆動部の構成を示す側面図である。
【図5】図2の根切り装置の回転刃の周辺の構成を示す図である。
【図6】図2の根切り装置の回転刃と固定刃とが摺接する部分を示す図である。
【図7】図6の回転刃と固定刃とが摺接する部分の側面図である。
【図8】図8(a)は図2の根切り装置において玉葱Nが搬送される様子を上方から見た図であり、図8(b)が同状態を正面から見た図である。
【図9】本発明を適用した一実施の形態の根切り装置により根切り処理された玉葱Nを示す図である。
【図10】図10(A)は図2の根切り装置における根伸ばし手段を示す平面図、図10(B)は根伸ばし手段の根伸ばしフィンを示す平面図である。
【図11】下送り手段及び分岐伝達部を搬送方向上流側から見た側面図である。
【図12】下送り手段の動作説明図であり、図12(A)は正面図、図12(B)は平面図である。
【図13】玉葱の根切り動作の開始時を示す動作説明図である。
【図14】玉葱の根切り動作における根伸ばし処理を示す動作説明図である。
【図15】玉葱Nの根切り動作における姿勢修正処理を示す動作説明図である。
【図16】玉葱Nの根切り動作における根が切断された状態を示す動作説明図である。
【図17】送りローラの他の例を示し、図17(A)は凹部を設けた例、図17(B)は凸部を設けた例、図17(C)はベルトを使用した例を示す。
【図18】従来例の動作説明図であり、根切りが正常の場合を示す。
【図19】従来例の動作説明図であり、根切りがうまくいかなかった状態を示す。
【符号の説明】
17 回転刃側ローラ(回転手段)
18 回転刃(切断手段)
21 固定刃(切断手段)
32 根送りローラ
34 根伸ばし手段
61 玉葱搬送ベルト(搬送手段)
200 下送り手段

Claims (3)

  1. 搬送手段により茎を保持して吊下状態で搬送される鱗茎菜類の根を切断する鱗茎菜類の根切り装置であって、
    前記吊下状態の鱗茎菜類の根を下方に向けて揃える根伸ばし手段と、
    前記鱗茎菜類の根を回転させる回転手段と、
    前記回転手段により回転状態にある根を切断する切断手段とを備え、
    前記根伸ばし手段と前記回転手段との間の位置に、前記鱗茎菜類の下側部分を前記搬送手段よりも高速で前記回転手段に向けて搬送する下部送り手段を設けたことを特徴とする鱗茎菜類の根切り装置。
  2. 前記下部送り手段は、前記搬送される鱗茎菜類の下部に当接して送りを行う転動機構を有することを特徴とする請求項1記載の鱗茎菜類の根切り装置。
  3. 前記転動機構の前記鱗茎菜類の下部との当接部は、連続する凸部又は凹部を有することを特徴する請求項2記載の鱗茎菜類の根切り装置。
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