JP2004219995A - 反射鏡 - Google Patents

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敏正 金井
Tsutomu Imamura
努 今村
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Abstract

【課題】光源ランプによって基材が長時間加熱されても、基材に熱が蓄積されることがなく、しかも可視光が後方側に漏れるのを防止することができる反射鏡を提供することを技術的課題とする。
【解決手段】基材10の前面側に反射膜11が形成されてなる反射鏡において、前記基材10は、3mm厚の場合、500nm以下における可視光透過率が10%以下、1500nmにおける赤外線透過率が70%以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶プロジェクターや映写機、一般照明、スポットライト、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)等の投影機器や照明機器に使用される光源ランプの反射鏡に関するものである。
一般に液晶プロジェクターや映写機等の投影機器や照明機器に使用される光源ランプの反射鏡は、前面側に、回転放物面や回転楕円面をなす凹状の反射面を有する基材からなり、その反射面には、赤外線を透過し、可視光線を反射する多層反射膜(例えばSiO2膜とTiO2膜が交互に25〜50層積層された多層膜)がスパッタリングや真空蒸着で形成され、背面側の中央部には突出した支持筒が形成され、この支持筒には光源ランプの取り付け孔が形成されている。
従来より反射鏡の基材としては、ガラス基材や結晶化ガラス基材が使用されているが、光源ランプから照射される赤外線によって基材に熱が蓄積され、この熱が基材の歪みや破損を引き起こすことがあった。また基材に熱が蓄積されることにより、可視光線を反射する多層膜が剥離しやすいという問題もある。
そこで、例えば特許文献1に開示されているように、赤外線透過率の高い結晶化ガラスから基材を作製し、基材に熱が蓄積しないようにすることが行われている。
また、このような投影機器や照明機器には、強い可視光が要求され、光源ランプとしては、超高圧水銀ランプ、アークメタルハライドランプ、ハロゲンランプ等のランプが使用されるが、反射鏡には、これらの光源ランプが固定される部分の周囲に、数ミリ程度の反射膜が被着されない部分が存在する。そのため、光源ランプを点灯した際に、反射鏡の前方に可視光が投射されると同時に、反射膜が形成されていない部分から可視光の一部が、基材を通して後方側に洩れるという問題があった。この後方側に洩れる光は、投影効果や照明効果を著しく損なうため、遮光のための器具や部品が必要となり、機器が大型で複雑なものとなってしまう。
そこで、例えば特許文献2に開示されているように、反射鏡基材の背面側に、可視光を吸収し、赤外線を透過する機能を有する遮光膜を形成し、これによって可視光が後方側に洩れるのを防止することが行われている。
特開2001−249206号公報 特開平10−69808号公報
上記の特許文献2には、遮光膜として、黒色のシリコン膜を真空蒸着で50nm〜2μmの膜厚となるように反射鏡基材の背面側に被着することによって、可視光が後方側に洩れるのを防止することが開示されている。
しかしながら反射鏡の遮光膜としてシリコン膜は、高温で長時間に亘って加熱されると、徐々に色あせするという現象が生じる。この色あせは、特に光源ランプに近い部分に発生し、反射鏡の使用開始時には十分な遮光性を備えていても、長時間使用している間に、遮光性能が徐々に低下し、光源ランプ付近から可視光が後方側に洩れやすくなる。
また遮光膜の厚みを大きくすれば、色あせによる遮光性能の低下を防止できるが、膜厚を大きくしようとするほど成膜時間が長くなり、コスト高となるため好ましくない。また膜厚が極端に大きくなると、膜のクラックや膜剥がれが発生しやすくなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、光源ランプによって基材が長時間加熱されても、基材に熱が蓄積されることがなく、しかも可視光が後方側に洩れるのを防止することできる反射鏡を提供することを技術的課題とする。
本発明の反射鏡は、基材の前面側に反射膜が形成されてなる反射鏡において、前記基材は、3mm厚の場合、500nm以下における可視光透過率が10%以下、1500nmにおける赤外線透過率が70%以上であることを特徴とする。
本発明の反射鏡は、光源ランプによって基材が長時間加熱されても、基材に熱が蓄積されることがなく、しかも可視光が後方側に洩れるのを防止することでき、実用上問題のない遮光性が得られる。
本発明は、3mm厚の場合、500nm以下における可視光透過率が10%以下、1500nmにおける赤外線透過率が70%以上である基材を使用することを特徴とする。このような特性を有する基材を使用すると、背面側に遮光膜を形成しなくても実質的に可視光が後方側に洩れるのを防止することでき、長時間加熱されても、遮光性能が低下することがない。また遮光膜が不要であるため、成膜作業にかかるコストを削減することができる。本発明において使用する基材のより好ましい光学特性は、可視光透過率が5%以下、さらには3%以下、最も望ましくは1%以下、1500nmにおける赤外線透過率が80%以上、さらには83%以上である。
また本発明で使用する基材は、質量%で、SiO2 60〜72%、Al23 14〜28%、Li2O 2〜6%、MgO 0〜3.5%、ZnO 0〜4%、BaO 0〜5%、TiO2+ZrO2 1〜15%、P25 0〜4%、Na2O 0〜3%、K2O 0〜3%、CaO 0〜2%の基本組成を有し、所望の透過率となるように着色剤を含有する結晶化ガラスから作製することが好ましい。
この結晶化ガラスは、主結晶としてβ−石英固溶体又はβ−スポジュメン固溶体を析出し、30〜380℃における熱膨張係数が、20×10-7/℃以下となる。基材の熱膨張係数が大きくなりすぎると、急激な温度変化に曝された時、破損しやすくなるが、上記の結晶化ガラスは、熱膨張係数が20×10-7/℃以下であるため、耐熱衝撃性に優れている。
主結晶としてβ−石英固溶体を析出した結晶化ガラスを使用すると、高い寸法精度が得られるため好ましい。すなわち、この種の反射鏡基材は、プレス成形で所望の形状に成形されるが、ガラス成形体を熱処理工程に供すると、その表面付近にサイズの大きい結晶が析出し、表面が凹凸になり、その結果、反射鏡基材の前面側に照射された光が乱反射したり、反射膜の成膜性が低下しやすくなることがある。そのため表面を研磨して表面粗さ(Ra)を0.05μm未満(好ましくは、0.03μm以下)にすることが要求されるが、コストが大幅に上昇するため好ましくない。ところが主結晶としてβ−石英固溶体を析出した結晶化ガラスは、結晶サイズが200nm以下と小さいため、未研磨であっても表面粗さ(Ra)を0.05μm未満にすることができる。
また主結晶としてβ−スポジュメン固溶体を析出した結晶化ガラスを使用すると、反射膜の膜剥がれを防止しやすいため好ましい。すなわちβ−スポジュメン固溶体を析出させると、30〜380℃の温度範囲における熱膨張係数を5×10-7/℃以上に調整するのが容易となり、反射膜の熱膨張係数(およそ30〜50×10-7/℃)との整合性が向上し、加熱しても膜剥がれが起こりにくくなる。鏡基材の好ましい熱膨張係数は、10〜20×10-7/℃、より好ましい熱膨張係数は、11〜18×10-7/℃である。さらに主結晶としてβ−スポジュメン固溶体を析出した結晶化ガラスは、リチウムイオンが離脱しやすい結晶構造を有しているため、イオン交換によって強化できるという利点もある。尚、β−スポジュメン固溶体の結晶粒径が大きくなりすぎると、赤外線透過率が低下しやすくなるため、1.0μm以下、好ましくは0.8μm以下となるように調整すべきである。
本発明において基材として適した結晶化ガラスの組成範囲を上記のように限定した理由は、次のとおりである。
SiO2は、ガラスの骨格を形成すると共に結晶を構成する主成分である。SiO2が、60%より少ないと、熱膨張係数が高くなり耐熱性が低下すると共に機械的強度が低くなり、72%より多いと、ガラスの粘度が上昇し、プレス成形が困難となる。SiO2の好ましい範囲は、62〜70%、より好ましい範囲は、63.0〜69.0%である。
Al23も、ガラスの骨格を形成すると共に結晶を構成する成分である。Al23が、14%より少ないと、ガラスが失透しやすくなり、均一な結晶が得られ難くなり、28%より多いと、ガラスの溶融性が困難となり、脈理が発生しやすくなる。Al23の好ましい範囲は、15〜24%、より好ましい範囲は、17〜22.5%である。
Li2Oは、結晶構成成分であり、結晶性に大きな影響を与えると共にガラスの粘性を低下させる働きがある。Li2Oが、2%より少ないと、ガラスの溶融性が低下すると共に熱膨張係数が高くなりすぎ、6%より多いと、失透性が強くなり、均一な結晶物が得られ難くなる。Li2Oの好ましい範囲は、3〜5%、より好ましい範囲は、3.1〜4.5%である。
MgOは、0〜3.5%、好ましくは0〜2.0%である。MgOが3.5%より多いと、結晶性が強くなり、ガラスが失透しやすくなる。
ZnOは、0〜4%、好ましくは0〜3%である。ZnOが4%より多いと、結晶性が強くなり、ガラスが失透しやすくなる。
BaOは清澄性を高めたり、結晶性を強める効果があり、その含有量は0〜5%、好ましくは0〜4%である。BaOが5%より多いと、結晶の析出を阻害し、十分な結晶量が得られず、また熱膨張係数が大きくなりすぎる。
TiO2とZrO2は、いずれも核形成剤であり、合量で1〜15%、好ましくは3〜12%、より好ましくは3.5〜10%である。両成分の合量が1%より少ないと、結晶化が弱まり、十分な結晶化が起こらず、15%より多いと、ガラスの溶融が困難となったり、ガラスが失透しやすくなる。
25は、ガラスの結晶性を向上させるための成分であり、その含有量は0〜4%、好ましくは0〜3%である。P25が4%より多いと、ガラスが失透しやすくなったり、熱膨張係数が大きくなりすぎるため好ましくない。
アルカリ金属酸化物であるNa2O、K2O及びアルカリ土類金属酸化物であるCaOは、いずれもガラスの溶融性と耐失透性を改善する作用を有するが、これらの成分が多くなりすぎると、熱膨張係数が高くなりすぎる。よってNa2Oは3%以下(好ましくは2%以下)、K2Oは3%以下(好ましくは1%以下)、CaOは2%以下(好ましくは1%以下)に規制するべきである。またアルカリ金属酸化物が多いと、金型が腐食しやすくなるため、長期間に亘って連続生産で所望の形状にガラスを成形することが困難となる。よってNa2O、K2O、Li2Oは、合量で10%以下に規制することが望ましい。
また本発明で使用する結晶化ガラスは、基材が3mm厚の場合、500nm以下における可視光透過率が10%以下、1500nmにおける赤外線透過率が70%以上となるように着色剤を含有する。着色剤としては、V25、Fe23、MnO2、NiO、CuOが使用でき、これらを合量で0.01〜3%含有することによって所望の透過率を得ることができる。特にV25は、結晶化ガラスの赤外線透過率を高く維持しつつ、可視光透過率を低下する作用に優れているため、0.001%以上含有させることが好ましい。ただしV25が1%を超えると、赤外線透過率が大幅に低下するため好ましくない。V25の好ましい範囲は、0.01〜0.8%、より好ましい範囲は、0.05〜0.5%である。
またFe23、MnO2、NiO、CoOも、可視光透過率を低下する成分であるが、Fe23が1%以上、MnO2が0.5%以上、NiOが0.5%以上、CoOが0.5%以上になると、可視光透過率のみならず、赤外線透過率も低下するため好ましくない。尚、Fe23は、結晶化ガラスを安定して着色し、基材の遮光性を高める作用を有するため、0.02%以上含有させることが好ましい。
また本発明においては、清澄剤として、As23、Sb23、SnO2、CeO2、硫酸塩、塩化物化合物などの成分を0.01〜2%含有しても良い。但し、As23は、環境負荷物質であるため、本質的に含有しないことが望ましい。さらにB23は、ガラスの粘性を低下させる目的で含有させても良いが、B23が多くなりすぎると、ガラスが失透しやすくなるため好ましくない。よってB23の含有量は5%以下に規制するべきである。
本発明の反射鏡基材の製造方法は、次のとおりである。
まず所望の組成となるように調製したガラス原料を1500〜1750℃で4〜20時間溶融した後、適量のガラス生地(ゴブ)を、底金型内に投入し、押金型によりプレス成形することによって、反射鏡基材の形状を有するガラス成形体を作製する。次にガラス成形体を脱型し、徐冷炉で室温まで冷却する。その後、ガラス成形体を焼成炉に入れ、600〜800℃の温度で1〜4時間保持することによって核形成を行い、さらに800〜1050℃の温度で0.5〜2時間保持することによって結晶化を行う。こうして主結晶としてβ−石英固溶体又はβ−スポジュメン固溶体を析出した結晶化ガラスからなる反射鏡基材が得られる。
また本発明の反射鏡は、基材の前面側(凹面側)に反射膜が形成されてなるため、光源ランプから放射された光が、効率良く前方に反射され、高輝度の投影機器や照明機器が得られる。本発明で使用する反射膜は、高屈折率膜と低屈折率膜を交互に25〜50層積層し、30〜380℃の温度範囲において30〜50×10-7/℃の熱膨張係数を有するものが適している。高屈折率膜としては、TiO2、Ta25、Nb25等の膜が適しており、低屈折率膜としては、SiO2、MgF2等の膜が適しているが、成膜性、耐熱性に優れ、安価であるという理由から、TiO2とSiO2の交互層膜が好適である。また成膜法としては、スパッタリング法や真空蒸着法等が使用できる。
またガラス基材の前面側の周辺部(縁部)には、光源ランプが破裂した時に飛び散るのを防止するための透明保護ガラス板を封着することが望ましい。この透明保護ガラス板は、低融点ガラスフリットを使用して基材の前面側に封着すれば良いが、基材と近似した熱膨張係数を有するガラス材質から作製すると良好な封着状態が得られるため好ましい。
さらに透明保護ガラス板の片面又は両面に反射防止膜を形成すると、光源ランプから放射される光が、透明保護ガラス板の表面で反射するのを抑えることができ、高輝度の投影機器や照明機器が得られるため好ましい。この反射防止膜としては、高屈折率膜と低屈折率膜を交互に3〜10層積層し、30〜380℃の温度範囲において30〜50×10-7/℃の熱膨張係数(30〜380℃の温度域)を有するものが適している。高屈折率膜としては、TiO2、Ta25、Nb25等の膜が適しており、低屈折率膜としては、SiO2、MgF2等の膜が適しているが、成膜性、耐熱性に優れ、安価であるという理由から、TiO2とSiO2の交互層膜が好適である。また成膜法としては、スパッタリング法や真空蒸着法が使用できる。
この透明保護ガラス板は、フロート法、ダウンドロー法、ロールアウト法等の成形法で板状に成形すればよい。また表面粗さ(Ra)は、0.01μm未満とすることが好ましく、成形面の粗さが大きい場合には、所望の値となるように表面を研磨すれば良い。
また透明保護ガラス板は、可視光透過率が低いと、光源ランプから放射された光が保護ガラス板を通過し難くなり、輝度が低下するため、420〜720nmの波長域で95%以上の透過率を有することが好ましい。より好ましい透過率は、97%以上である。
以下、本発明の反射鏡を実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の反射鏡を用いて作製した光源装置を示す説明図である。
図1において、反射鏡基材10は、その前面側に回転放物面をなす凹状の反射面10aを有し、反射面10aの周辺部に矩形状の縁部10bが形成されている。また、この反射鏡基材10の背面側には、突出した支持筒10cが形成され、この支持筒10cにはランプ取り付け孔10dが形成されている。
反射鏡基材10の反射面10aには、多層反射膜11が形成され、この多層反射膜11は、光の干渉作用が発生して冷光である可視光を反射し、赤外線を透過するという機能を有する。上記の反射鏡基材10の支持筒10cに形成されたランプ取り付け孔10dには、ショートアーク型高圧水銀放電ランプ12が装着されている。この高圧水銀放電ランプ12の放電容器12aは、石英ガラスからなる略球状体であり、放電容器12aの内部には、一対の電極、つまり陽極12bと陰極12cが対向配置されている。また放電容器12aの内部には、水銀と希ガスが封入されている。そして放電容器12aの両端には、封止部12dが一体に連結されている。封止部12dは、放電容器12aの両端から伸びる石英ガラスのパイプ体を溶融状態にして内部を減圧にすることにより形成されたもの、つまりシュリンクシール法により形成されたものであり、封止部12dの内部には電極12b、12cと外部リード12eとを電気的に接続するモリブデン箔(図示省略)が埋設されている。尚、直流点灯型の陽極12bと陰極12cの極性は図1に示す逆でも良く、更には交流点灯型であっても良い。また封止部12dは、石英ガラスのパイプ体を溶融状態にして圧潰するピンチシール法により形成しても良い。ショートアーク型高圧水銀放電ランプ12の水銀封入量は0.2mg/mm3であり、希ガスとしてアルゴンガスが10kPaの圧力で封入されている。また電極間距離は1.5mm、放電容器11の内容積は260mm3であり、定格電圧が82V、定格消費電極が200Vである。因みにショートアーク型高圧水銀放電ランプ12を液晶プロジェクションのランプとして使用するためには、水銀は0.16mg/mm3以上封入する必要がある。
高圧水銀放電ランプ12の軸線は、反射鏡基材10の光軸と一致し、且つ、点灯時に電極12b、12c間に形成されるアーク輝点が反射鏡基材10の第1焦点に位置した状態で、支持筒10cに充填された接着剤13により反射鏡基材10に固定されている。反射鏡基材10の縁部10bには、透明保護ガラス板14が低融点ガラスフリット(図示省略)で封着されている。
次に反射鏡基材10の製造方法を説明する。
まず質量%で、SiO2 68%、Al23 20%、Li2O 4%、MgO 0.8%、ZnO 0.5%、TiO2 4.6%、Na2O 0.5%、K2O 0.3%、As23 1.2%、V25 0.1%のガラス組成となるように調合した原料を白金ルツボに投入し、電気炉中において約1580℃で16時間溶融し、溶融ガラスを金型に流し出した後、所定の形状にプレスした。このガラス成形体は、わずかに黄色味かかった透明体であった。またその形状は、略円椀形状で、その縁部が矩形状であり、背面側の中央部に突出した支持筒10cを備えてなるものであり、支持筒10cにはランプ取り付け孔10dの孔あけ加工を施した。次にこのガラス成形体を、電気炉に入れ、700℃−2時間(核形成工程)及び850℃−1時間(結晶成長工程)の温度スケジュールで熱処理を行って結晶化させた後、徐冷した。尚、昇温速度は、室温から核形成温度までを300℃/時、核形成温度から結晶成長温度までを80℃/時とした。こうして得られた結晶化ガラス基材10は、主結晶としてβ−石英固溶体結晶を析出し、30〜380℃における平均熱膨張係数が0.2×10-7/℃であり、その外観は黒褐色を呈していた。また、この結晶化ガラスを板状に成形し、3mm厚に光学研磨し、分光光度計により透過率を測定したところ、図2に示すように、波長500nm以下における可視光透過率は全て10%以下であり、波長1500nmにおける赤外線透過率は約85%であった。尚、上記した結晶化ガラス中の結晶は、X線回折装置によって同定し、平均熱膨張係数は、ディラトメーターによって測定した。
その後、反射鏡基材10の前面側に真空蒸着法で、二酸化チタン膜と二酸化珪素膜を交互に40層積層することによって多層反射膜11を形成した。
こうして得られた反射鏡を備えた光源装置を3500時間点灯した後、後方への光の洩れを目視で観察したが、全く光は観察されず、遮光性に優れていた。
本発明に係る反射鏡を備えた光源装置を示す説明図である。 実施例で使用した結晶化ガラスの透過率を示すグラフである。
符号の説明
10 反射鏡基材
10a 反射面
10b 縁部
10c 支持筒
10d ランプ取り付け孔
11 多層反射膜
12 ショートアーク型高圧水銀放電ランプ
13 接着剤
14 透明保護ガラス板

Claims (4)

  1. 基材の前面側に反射膜が形成されてなる反射鏡において、前記基材は、3mm厚の場合、500nm以下における可視光透過率が10%以下、1500nmにおける赤外線透過率が70%以上であることを特徴とする反射鏡。
  2. 基材の背面側に遮光膜が形成されていないことを特徴とする請求項1記載の反射鏡。
  3. 基材が、質量%で、SiO2 60〜72%、Al23 14〜28%、Li2O 2〜6%、MgO 0〜3.5%、ZnO 0〜4%、BaO 0〜5%、TiO2+ZrO2 1〜15%、P25 0〜4%、Na2O 0〜3%、K2O 0〜3%、CaO 0〜2%の基本組成を有し、3mm厚の場合、500nm以下における可視光透過率が10%以下、1500nmにおける赤外線透過率が70%以上の透過率となるように着色剤を含有する結晶化ガラスからなることを特徴とする請求項1記載の反射鏡。
  4. 着色剤が、V25 0.001〜1%、Fe23 0〜1%、MnO2 0〜0.5%、NiO 0〜0.5%、CoO 0〜0.5%であることを特徴とする請求項3記載の反射鏡。
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