JP2004062009A - 反射鏡及びその製造方法 - Google Patents

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金井 敏正
Tsutomu Imamura
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Abstract

【目的】基材の背面側に形成された遮光膜が、光源ランプによって長時間加熱されても、可視光が後方側に洩れるのを防止することができ、また遮光膜を安価に形成することが可能な反射鏡とその製造方法を提供する。
【構成】反射鏡基材10の背面側には、遮光膜12が形成され、この遮光膜12は、シリコン膜からなり、基材10の中央部、つまり支持筒10cの外周やその付近の膜厚は約400nmであり、基材10の周辺部、つまり縁部10b付近の膜厚は約130nmである。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶プロジェクターや映写機、一般照明、スポットライト、オーバーヘッドプロジェクター(OHP)等の投影機器や照明機器に使用される光源ランプの反射鏡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に液晶プロジェクターや映写機等の投影機器や照明機器に使用される光源ランプの反射鏡は、前面側に、回転放物面や回転楕円面をなす凹状の反射面を有するガラス基材からなり、その反射面には、赤外線を透過し、可視光線を反射する多層反射膜(例えばSiO膜とTiO膜が交互に25〜50層積層された多層膜)がスパッタリングや真空蒸着で形成され、背面側の中央部には突出した支持筒が形成され、この支持筒には光源ランプの取り付け孔が形成されている。
【0003】
このような投影機器や照明機器には、強い可視光が要求され、光源ランプとしては、超高圧水銀ランプ、アークメタルハライドランプ、ハロゲンランプ等のランプが使用されるが、反射鏡には、これらの光源ランプが固定される部分の周囲に、数ミリ程度の反射膜が被着されない部分が存在する。そのため、光源ランプを点灯した際に、反射鏡の前方に可視光が投射されると同時に、反射膜が形成されていない部分から可視光の一部が後方側に洩れるという問題があった。この後方側に洩れる光は、投影効果や照明効果を著しく損なうため、遮光のための器具や部品が必要となり、機器が大型で複雑なものとなってしまう。
【0004】
このような事情から特開平10−69808号公報には、反射鏡基材の背面側に、可視光を吸収し、赤外線を透過する機能を有する遮光膜を形成し、これによって可視光が後方側に洩れるのを防止することが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公開特許公報には、遮光膜として、黒色のシリコン膜を真空蒸着で50nm〜2μmの膜厚となるように反射鏡基材の背面側に被着することによって、可視光が後方側に洩れるのを防止することが開示されている。
【0006】
しかしながら反射鏡の遮光膜としてシリコン膜は、高温で長時間に亘って加熱されると、徐々に色あせするという現象が生じる。この色あせは、特に光源ランプに近い部分に発生し、反射鏡の使用開始時には十分な遮光性を備えていても、長時間使用している間に、光源ランプ付近から可視光が後方側に洩れやすくなる。
【0007】
また遮光膜の厚みを大きくすれば、色あせによる遮光性能の低下を防止できるが、膜厚を大きくしようとするほど成膜時間が長くなり、コスト高となるため好ましくない。また膜厚が極端に大きくなると、クラックや膜剥がれが発生しやすくなる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、基材の背面側に形成された遮光膜が、光源ランプによって長時間加熱されても、可視光が後方側に洩れるのを防止することでき、また遮光膜を安価に形成することが可能な反射鏡とその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の反射鏡は、基材の前面側に反射膜が形成され、背面側に遮光膜が形成されてなる反射鏡において、前記遮光膜の厚みが、基材の中央部で大きく、周辺部で小さいことを特徴とする。
【0010】
また本発明の反射鏡の製造方法は、基材の前面側に反射膜が形成され、背面側に遮光膜が形成されてなる反射鏡の製造方法であって、前記遮光膜の厚みが、基材の中央部で大きく、周辺部で小さくなるようにスパッタリング法で成膜することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
反射鏡基材の背面側に遮光膜としてシリコン膜を形成すると、遮光膜が光源ランプによって長時間加熱される間に、特にシリコン膜の光源ランプに近い部分、つまり基材の中央部が色あせし、遮光性能が大幅に低下する。
【0012】
そこで本発明では、反射鏡基材の背面側に形成された遮光膜の厚みを、基材の中央部で大きくしたため、遮光膜の光源ランプに近い部分が加熱され、色あせしても、膜厚が大きいが故に遮光性能の大幅な低下を抑えることできる。また基材の周辺部の膜厚を小さくしたため、膜全体の厚みを大きくする場合に比べて、成膜時間の短縮化を図ることができ、安価に生産することが可能となる。
【0013】
反射鏡に形成される遮光膜は、厚みが大きくなるほど、成膜時間が長くなってコストが上昇し、逆に厚みが小さくなるほど、遮光性能が低下する。またシリコン膜が加熱されることによる色あせの現象は、光源ランプに近い部分、すなわち基材の中央部で発生しやすい。よって本発明では、遮光膜の最大厚みを150〜1500nm(好ましくは200〜1000nm、より好ましくは250〜600nm)とし、最小厚みを10〜500nm(好ましくは30〜300nm、より好ましくは50〜250nm)とした。尚、遮光膜の最大厚みを1500nm以下とした理由は、1500nm超になると、成膜コストが非常に大きくなると共に、クラックや膜剥がれが発生しやすくなるためである。
【0014】
また本発明で使用する遮光膜は、可視光を吸収し、赤外線を透過する膜であれば、いずれも使用できる。具体的には、シリコン膜、ゲルマニウム膜、着色無機顔料を含む有機樹脂からなる膜等が使用できるが、特にシリコン膜は、成膜性や耐熱性に優れ、赤外線透過率が高く、基材の温度上昇を抑える効果に優れているため好適である。さらにシリコン膜は、熱膨張係数が、約40×10−7/℃であり、基材や反射膜のそれと一致させやすいという長所もある。
【0015】
本発明における遮光膜の成膜方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、スプレーコート法等が適しているが、特にスパッタリング法を採用すると、膜厚を調整しやすいため好ましい。すなわち本発明の遮光膜を真空蒸着法で作成する場合は、基材を傾斜させたり、回転させながら成膜しなければならないが、スパッタリング法を採用する場合には、基材の背面側にターゲットを配置固定し、両者の距離5〜30cm(好ましくは10〜20cm)、ガス圧1〜10mTorr(好ましくは2〜4mTorr)の条件で成膜することによって基材の中央部から周辺部に向かって徐々に膜厚が小さくなった遮光膜を作成することができる。尚、通常のSiターゲットには、数%のAlが含まれているが、Alを含むSiターゲットを使用すると、赤外線透過率の低い遮光膜となるため好ましくない。よって本発明で使用するSiターゲットは、Alを含まない純シリコンや、これに数%のBを添加した材料から作製することが望ましい。
【0016】
また本発明の反射鏡は、遮光膜の酸化を防止し、色あせを抑える目的で、その表面(空気側の面)や両面に、Si、Al、Tiから選択される酸化膜、窒化膜、酸窒化膜のいずれか1種を成膜しても良い。例えば、酸化膜としては、SiO膜、Al膜、TiO膜等が使用でき、窒化膜としてはSi膜等が使用でき、酸窒化膜としてはSiON膜等が使用できる。これらの膜もスパッタリング法で成膜することが可能であり、その場合、遮光膜の成膜装置と同じものを使用し、膜厚が、基材の中央部で大きく、周辺部で小さくなるように設計しても良い。
【0017】
また本発明の反射鏡は、基材の前面側(凹面側)に反射膜が形成されてなるため、光源ランプから放射された光が、効率良く前方に反射され、高輝度の投影機器や照明機器が得られる。本発明で使用する反射膜は、高屈折率膜と低屈折率膜を交互に25〜50層積層し、30〜50×10−7/℃の熱膨張係数(30〜380℃の温度域)を有するものが適している。高屈折率膜としては、TiO、Ta、Nb等の膜が適しており、低屈折率膜としては、SiO、MgF等の膜が適しているが、成膜性、耐熱性に優れ、安価であるという理由から、TiOとSiOの交互層膜が好適である。また成膜法としては、スパッタリング法や真空蒸着法等が使用できる。
【0018】
また本発明の反射鏡基材の材料としては、30〜380℃の温度域で、5〜60×10−7/℃の熱膨張係数を有するアルミノシリケートガラス、ホウケイ酸ガラス、及び結晶化ガラスの一種が好ましい。すなわち基材の熱膨張係数が5×10−7/℃より小さいと、反射膜や遮光膜の熱膨張係数との差が大きくなり、膜クラックや膜剥がれが発生しやすくなり、60×10−7/℃より大きいと、急激な温度変化に曝されるとガラスが破損しやすくなるためである。基材の好ましい熱膨張係数は、20〜50×10−7/℃、さらには30〜48×10−7/℃である。
【0019】
反射鏡基材をアルミノシリケートガラスから作製する場合は、質量%で、SiO 50〜80%、Al 5〜35%、LiO+NaO 0.5〜15%の組成を有するアルミノシリケートガラスが好適である。
【0020】
このようにアルミノシリケートガラスの組成を限定した理由は、次のとおりである。
【0021】
SiOはガラスの骨格を形成する成分であり、その含有量は50〜80%、好ましくは55〜75%、より好ましくは60〜72%である。SiOが50%より少ないと、歪点が低下すると共に熱膨張係数が大きくなりすぎて耐熱衝撃性が低下し、80%より多いとガラスの溶融が困難となる。
【0022】
Alもガラスの骨格を形成するための成分であり、その含有量は5〜35%、好ましくは10〜30%、より好ましくは12〜28%である。Alが5%より少ないと、上記効果が得られ難く、また歪点が低下すると共にガラスが失透し易くなり、35%より多いと、ガラスの粘度が大きくなりすぎてガラスの溶融が困難となる。
【0023】
LiOとNaOは、ガラスの粘度を調整する成分であり、合量で0.5〜15%、好ましくは1〜10%、より好ましくは3〜8%含有される。LiOとNaOの合量が、0.5%より少ないと、上記効果が得られず、15%より多いと、ガラスが失透し易くなる。
【0024】
またこのガラスは、上記成分以外にも、粘度、熱膨張係数、失透性、溶融性等を調整する目的で、KO、MgO、CaO、ZnO、BaO、B、TiO、ZrO、P等を各々10%まで、清澄剤を2%まで含有させることができ、特に、SiO 60〜72%、Al 12〜28%、LiO 1〜7%、NaO 0〜5%、KO 0〜5%、MgO 0〜5%、ZnO 0〜5%、BaO 0〜8%、TiO 0〜8%、ZrO 0〜7%、P 0〜7%、清澄剤 0〜2%の組成を有するガラスが生産性に優れているため好ましい。尚、清澄剤は、As、Sb、SnO、Cl等を単独で使用したり、これらの複数を適宜組み合わせて使用すれば良いが、Asは環境上、有害であるため使用しない方が良い。
【0025】
また反射鏡基材をホウケイ酸ガラスから作製する場合は、質量%で、SiO70〜85%、B 5〜18%、Al 1〜5%、LiO+NaO3〜10%の組成を有し、30〜380℃における平均熱膨張係数が、40×10−7/℃以下のガラスが好ましい。
【0026】
このようにホウケイ酸ガラスの組成を限定した理由は、次の通りである。SiOが70%より少ないと、熱膨張係数が上昇し、耐熱性が低下する。一方、85%より多いと、ガラスの溶融性が低下する。Bが5%より少ないと、ガラスの溶融性が低下し、18%より多いと、化学的耐久性が低下し、ガラスが不安定となる。Alが1%より少ないと、化学的耐久性が低下し、ガラスが不安定となり、5%より多いと、ガラスの溶融性が低下する。LiOとNaOの合量が3%より少ないと、ガラスの溶融性が低下すると共に、イオン交換による強化が困難となり、10%より多いと、熱膨張係数が上昇し、耐熱性が低下しやすくなる。また他の成分として、Cl、F、Sb、As、Bi、CaO、ZrO等を合量で3%まで含有させても良いが、Asは環境上、有害であるため使用しない方が良い。
【0027】
また反射鏡基材を結晶化ガラスから作製する場合は、質量%で、SiO 55〜80%、Al 15〜30%、LiO+NaO 1〜10%、KO0〜10%、MgO+CaO+BaO+ZnO 0.5〜5%、TiO+ZrO+P 0.5〜10%、As+Sb 0〜2%の組成を有し、熱処理によりβ−石英固溶体結晶やβ−スポジューメン結晶を析出し、30〜380℃における平均熱膨張係数が−10〜+25×10−7/℃の結晶化ガラスが好ましい。
【0028】
このように結晶化ガラスの組成を限定した理由は、次の通りである。SiOが55%より少ないと、ガラスが失透しやすくなり、80%より多いと、ガラスの溶融が困難となる。Alが15%より少ないと、熱膨張係数が上昇し、耐熱性が低下しやすく、30%より多いと、ガラスの溶融が困難となる。LiO+NaOが1%より少ないと、ガラスの溶融性が低下し、LiO+NaOが10%より多くなったり、KOが10%より多くなると、熱膨張係数が上昇し、耐熱性が低下する。MgO+CaO+BaO+ZnOが0.5%より少ないと、ガラスの溶融が困難となり、5%より多いと、熱膨張係数が上昇し、耐熱性が低下する。TiO、ZrO、Pは核形成剤として作用するが、これらの成分の合量が0.5%より少ないと、結晶化が困難となり、10%より多いと、ガラスの溶融が困難となる。AsとSbは、清澄剤として作用し、2%まで添加可能であるが、Asは環境上、有害であるため使用しない方が良い。
【0029】
また本発明におけるガラス基材は、プレス成形法で略円椀形状に成形されるが、成形後のガラス基材の前面部の表面粗さ(Ra)が0.05μm以上であると、光が乱反射したり、反射膜の成膜性が低下しやすくなるため、その場合には、表面を研磨して表面粗さ(Ra)を0.05μm未満(好ましくは、0.03μm以下)にすることが要求される。
【0030】
またガラス基材の前面側の周辺部(縁部)には、光源ランプが破裂した時に飛び散るのを防止するための透明保護ガラス板を封着することが望ましい。この透明保護ガラス板は、低融点ガラスフリットを使用して基材の前面側に封着すれば良いが、基材と同じガラス材質から作製すると良好な封着状態が得られるため好ましい。
【0031】
さらに透明保護ガラス板の片面又は両面に反射防止膜を形成すると、光源ランプから放射される光が、透明保護ガラス板の表面で反射するのを抑えることができ、高輝度の投影機器や照明機器が得られるため好ましい。この反射防止膜としては、高屈折率膜と低屈折率膜を交互に3〜10層積層し、30〜50×10−7/℃の熱膨張係数(30〜380℃の温度域)を有するものが適している。高屈折率膜としては、TiO、Ta、Nb等の膜が適しており、低屈折率膜としては、SiO、MgF等の膜が適しているが、成膜性、耐熱性に優れ、安価であるという理由から、TiOとSiOの交互層膜が好適である。また成膜法としては、スパッタリング法や真空蒸着法が使用できる。
【0032】
この透明保護ガラス板は、フロート法、ダウンドロー法、ロールアウト法等の成形法で板状に成形すればよい。また表面粗さ(Ra)は、0.01μm未満とすることが好ましく、成形面の粗さが大きい場合には、所望の値となるように表面を研磨すれば良い。
【0033】
また透明保護ガラス板は、可視光透過率が低いと、光源ランプから放射された光が保護ガラス板を通過し難くなり、輝度が低下するため、420〜720nmの波長域で95%以上の透過率を有することが好ましい。より好ましい透過率は、97%以上である。
【0034】
【実施例】
以下、本発明の反射鏡を実施例に基づき詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の反射鏡を用いて作製した光源装置を示す説明図である。
【0036】
図1において、反射鏡基材10は、その前面側に回転放物面をなす凹状の反射面10aを有し、反射面10aの周辺部に矩形状の縁部10bが形成されている。また、この反射鏡基材10の背面側には、突出した支持筒10cが形成され、この支持筒10cにはランプ取り付け孔10dが形成されている。
【0037】
反射鏡基材10の反射面10aには、多層反射膜11が形成され、この多層反射膜11は、光の干渉作用が発生して冷光である可視光を反射し、赤外線を透過するという機能を有する。また反射鏡基材10の背面側には、遮光膜12が形成され、この遮光膜12は、シリコン膜からなり、基材10の中央部、つまり支持筒10cの外周やその付近の膜厚は約400nmであり、基材10の周辺部、つまり縁部10b付近の膜厚は約130nmである。
【0038】
上記の反射鏡基材10の支持筒10cに形成されたランプ取り付け孔10dには、ショートアーク型高圧水銀放電ランプ13が装着されている。この高圧水銀放電ランプ13の放電容器13aは、石英ガラスからなる略球状体であり、放電容器13aの内部には、一対の電極、つまり陽極13bと陰極13cが対向配置されている。また放電容器13aの内部には、水銀と希ガスが封入されている。そして放電容器13aの両端には、封止部13dが一体に連結されている。封止部13dは、放電容器13aの両端から伸びる石英ガラスのパイプ体を溶融状態にして内部を減圧にすることにより形成されたもの、つまりシュリンクシール法により形成されたものであり、封止部13dの内部には電極13b、13cと外部リード13eとを電気的に接続するモリブデン箔(図示省略)が埋設されている。尚、直流点灯型の陽極13bと陰極13cの極性は図1に示す逆でも良く、更には交流点灯型であっても良い。また封止部13dは、石英ガラスのパイプ体を溶融状態にして圧潰するピンチシール法により形成しても良い。ショートアーク型高圧水銀放電ランプ13の水銀封入量は0.2mg/mmであり、希ガスとしてアルゴンガスが10kPaの圧力で封入されている。また電極間距離は1.5mm、放電容器11の内容積は260mmであり、定格電圧が82V、定格消費電極が200Vである。因みにショートアーク型高圧水銀放電ランプ13を液晶プロジェクションのランプとして使用するためには、水銀は0.16mg/mm以上封入する必要がある。
【0039】
高圧水銀放電ランプ13の軸線は、反射鏡基材10の光軸と一致し、且つ、点灯時に電極13b、13c間に形成されるアーク輝点が反射鏡基材10の第1焦点に位置した状態で、支持筒10cに充填された接着剤14により反射鏡基材10に固定されている。反射鏡基材10の縁部10bには、透明保護ガラス板15が低融点ガラスフリット(図示省略)で封着されている。
【0040】
次に反射鏡基材10の製造方法を説明する。
【0041】
まず質量%で、SiO 66%、Al 22%、LiO 4%、NaO 0.5%、KO 0.5%、MgO 0.5%、TiO 2%、ZrO2%、P 1.5%、Sb 1%のガラス組成となるように調合した原料を白金ルツボに投入し、電気炉中において約1580℃で溶融し、溶融ガラスを金型に流し出した後、所定の形状にプレスした。このガラス成形体は、略円椀形状で、その縁部が矩形状であり、背面側の中央部に突出した支持筒10cを備えてなるものであり、支持筒10cにはランプ取り付け孔10dの孔あけ加工を施した。次にこのガラス成形体を、電気炉に入れ、780℃−2時間(核形成工程)及び1160℃−1時間(結晶成長工程)の温度スケジュールで熱処理を行って結晶化させた後、徐冷した。尚、昇温速度は、室温から核形成温度までを300℃/時、核形成温度から結晶成長温度までを100〜200℃/時とした。こうして得られたガラス基材10は、主結晶としてβ−スポジューメン固溶体を析出し、30〜380℃における平均熱膨張係数が約10×10−7/℃であり、表面に強い圧縮応力層が形成された。
【0042】
次いで、このガラス基材10の背面側にSiターゲット(Al不含有)を配置し、両者の距離を15cm、ガス圧を3mTorrに設定し、Ar雰囲気下でスパッタリングすることによって、基材10の中央部から周辺部に向かって徐々に膜厚が減少した遮光膜12を形成した。その後、反射鏡基材10の前面側に真空蒸着法で、二酸化チタン膜と二酸化珪素膜を交互に40層積層することによって多層反射膜11を形成した。
【0043】
こうして得られた反射鏡を備えた光源装置を3500時間点灯した後、後方への光の洩れを目視で観察したが、全く光は観察されず、遮光性に優れていた。
【0044】
また比較のため、遮光膜を、膜厚が約130nmの均一な膜とした以外は、全て実施例と同様の条件で反射鏡を作製し、この反射鏡を備えた光源装置を3500時間点灯した後、後方への光の洩れを目視で観察したところ、光源ランプに近い基材の中央部から後方に光の洩れが観察された。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の反射鏡は、基材の背面側に遮光膜が形成され、この遮光膜の厚みが、基材の中央部で大きいため、長時間の加熱によって遮光膜が色あせしても、遮光性能が大幅に低下するのを抑え、可視光の後方側への洩れを低減することが可能であるため、実用上問題のない遮光性が得られる。
【0046】
また本発明における遮光膜は、厚みが基材の周辺部で小さいため、膜全体の厚みを大きくする場合に比べて、成膜時間の短縮化を図ることができ、安価に生産することが可能となり、特にスパッタリング法を使用すれば、容易に成膜できるため好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反射鏡を備えた光源装置を示す説明図である。
【符号の説明】
10 反射鏡基材
10a 反射面
10b 縁部
10c 支持筒
10d ランプ取り付け孔
11 多層反射膜
12 遮光膜
13 ショートアーク型高圧水銀放電ランプ
14 接着剤
15 透明保護ガラス板

Claims (5)

  1. 基材の前面側に反射膜が形成され、背面側に遮光膜が形成されてなる反射鏡において、前記遮光膜の厚みが、基材の中央部で大きく、周辺部で小さいことを特徴とする反射鏡。
  2. 遮光膜は、最大厚みが、150〜1500nmであり、最小厚みが、10〜500nmであることを特徴とする請求項1記載の反射鏡。
  3. 遮光膜が、シリコン膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射鏡。
  4. 基材の前面側に反射膜が形成され、背面側に遮光膜が形成されてなる反射鏡の製造方法であって、前記遮光膜の厚みが、基材の中央部で大きく、周辺部で小さくなるようにスパッタリング法で成膜することを特徴とする反射鏡の製造方法。
  5. スパッタリング法による成膜の条件が、基材とターゲットの距離5〜30cm、ガス圧1〜10mTorrであることを特徴とする請求項4記載の反射鏡の製造方法。
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