JP2004218544A - 車両のエンジン制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員の不快感を可及的に抑制しつつ、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる車両のエンジン制御装置を提供すること。
【解決手段】エンジン制御装置には、現時点での車両の位置を検出する位置検出手段21cと、少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段41と、上記位置検出手段21cによる車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、車両の運転状態の如何に拘らずエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段7が設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】エンジン制御装置には、現時点での車両の位置を検出する位置検出手段21cと、少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段41と、上記位置検出手段21cによる車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、車両の運転状態の如何に拘らずエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段7が設けられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御するエンジン制御手段を備えた車両のエンジン制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特許文献1に示されるように、予め設定された所定条件に基づいて、エンジンの運転状態と停止状態とを相互に自動的に切り換える自動停止・復帰制御を行うことが可能な車両のエンジン制御装置において、エンジンの自動停止実行モードと自動停止の実行を禁止するモードとを切換可能なスイッチを備えたものが提案されている。
【0003】
上記特許文献1のエンジン制御装置は、上記スイッチにより自動停止の実行禁止モードが選択された場合には、乗員の希望に応じた道路環境におけるエンジンの自動停止を禁止しつつ、上記道路環境以外の環境ではエンジンを自動停止させることが可能となる一方、自動停止の実行モードが選択された場合には、上記所定条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行させることが可能となる結果、不要なエンジンの作動を抑制して燃料を節約することができるとともに、排気エミッションを向上させることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平12−110608号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1のエンジン制御装置は、上記スイッチにより自動停止の実行禁止モードが選択された場合、乗員の希望に応じた道路環境において一律にエンジンの自動停止を禁止することとしているため、上記道路環境のうち、実際にはエンジンの自動停止を実行した方がよい道路環境内の特定位置においても、一律にエンジンの自動停止を禁止してしまい、このことは、不要なエンジンの作動を助長する結果、燃料を浪費してしまうとともに、排気エミッションを低下させる要因となっていた。
【0006】
一方、上記スイッチにより自動停止モードが選択された場合には、全ての道路環境において、上記所定条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行することとしているため、乗員の経験上、エンジンの自動停止を禁止した方がスムーズに走行することができると判断された特定位置においても、エンジンの自動停止を実行してしまい、このことは、乗員の希望する走行が妨げられる結果、乗員の不快感を募らせるおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、乗員の不快感を可及的に抑制しつつ、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる車両のエンジン制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御するエンジン制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備え、
上記エンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、車両の運転状態の如何に拘らずエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段が設けられていることを特徴とするエンジン制御装置である。
【0009】
この発明によれば、車両のエンジン制御装置は、予め設定された自動停止条件及び、再始動条件が成立したときにエンジンの自動停止、再始動制御が実行されるようになっている。また、エンジン制御装置には、現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備えているため、上記地図上における現時点での車両位置を検出することができる。
【0010】
さらに、エンジン制御装置のエンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、車両の運転状態の如何に拘らずエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段が設けられている。すなわち、自動停止禁止手段が、複数の信号機が近接して設置された走行路で信号機毎にエンジンの自動停止が実行された場合に、以後の走行時に、最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止するように構成されている。そのため、上記最先の信号機に対応する位置でエンジンの自動停止を禁止することにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で車両が停止してしまうことを回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員が受ける不快感を可及的に抑制することができる。
【0011】
一方、上記最先の信号機以外の信号機に対応する位置においては、自動停止条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行することとなるため、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【0012】
また、本発明は、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御するエンジン制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備え、
上記エンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止が実行されにくい方向に上記自動停止条件を補正する条件補正手段が設けられていることを特徴とするエンジン制御装置である。
【0013】
この発明によれば、車両のエンジン制御装置は、予め設定された自動停止条件及び、再始動条件が成立したときにエンジンの自動停止、再始動制御が実行されるようになっている。また、エンジン制御装置には、現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備えているため、上記地図上における現時点での車両位置を検出することができる。
【0014】
さらに、エンジン制御装置のエンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止が実行されにくい方向に上記自動停止条件を補正する条件補正手段が設けられている。すなわち、条件補正手段が、複数の信号機が隣接して設置された走行路で信号機毎にエンジンの自動停止が実行された場合に、以後の走行時に、最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止が実行されにくい方向に自動停止条件を補正するように構成されている。そのため、上記最先の信号機に対応する位置でエンジンの自動停止が実行されにくくすることにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で車両が停止してしまうことを可及的に回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員が受ける不快感を可及的に抑制することができる。
【0015】
一方、上記最先の信号機以外の信号機に対応する位置においては、自動停止条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行することとなるため、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【0016】
さらに、本発明は、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御するエンジン制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備え、
上記エンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの再始動が実行され易い方向に上記再始動条件を補正する条件補正手段が設けられていることを特徴とするエンジン制御装置である。
【0017】
この発明によれば、車両のエンジン制御装置は、予め設定された自動停止条件及び、再始動条件が成立したときにエンジンの自動停止、再始動制御が実行されるようになっている。また、エンジン制御装置には、現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備えているため、上記地図上における現時点での車両位置を検出することができる。
【0018】
さらに、エンジン制御装置のエンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの再始動が実行され易い方向に上記自動停止条件を補正する条件補正手段が設けられている。すなわち、条件補正手段が、複数の信号機が隣接して設置された走行路で信号機毎にエンジンの自動停止が実行された場合に、以後の走行時に、最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの再始動が実行され易い方向に自動停止条件を補正するように構成されている。そのため、上記最先の信号機に対応する位置でエンジンの再始動が実行され易くすることにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で車両が停止してしまうことを可及的に回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員が受ける不快感を可及的に抑制することができる。
【0019】
一方、上記最先の信号機以外の信号機に対応する位置においては、自動停止条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行することとなるため、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【0020】
上記エンジン制御装置において、近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンの自動停止が実行されたと判定された場合、上記自動停止禁止手段又は条件補正手段が、乗員を目的地まで案内するために設定された誘導経路と、上記自動停止が実行された位置とを対応付けて上記記憶手段に記憶させるとともに、以後の走行時に設定された誘導経路と、上記記憶手段に記憶された誘導経路とのそれぞれに上記近接する信号機を含む経路が設定されている場合に、以後の走行時に、当該誘導経路に対応して記憶された上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止し、又は上記自動停止条件若しくは再始動条件を補正することが好ましい。
【0021】
上記のように構成することにより、以後の走行時に誘導経路が設定され、この誘導経路に上記近接する信号機を含む経路が設定されている場合には、上記記憶手段に既に記憶された上記最先の信号機に対応する位置においてエンジンの自動停止を禁止する等により、早期に発進可能とすることが可能となる結果、これから走行する経路において、効率的にエンジンの自動停止の禁止を実行することができる。すなわち、例えば、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置を含み、二番目の信号機に対応する位置を含まない誘導経路が新たに設定された場合に、上記最先の信号機に対応する位置における自動停止の禁止を回避することが可能となる結果、無意味なエンジンの自動停止の禁止を抑制し、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【0022】
上記エンジン制御装置において、道路側に設けられた発信機から発信される信号機の点灯色の変化タイミングに関する信号機情報を受信する信号機情報取得手段をさらに備え、上記自動停止禁止手段又は条件補正手段が、この信号機情報取得手段により受信された信号機情報に基づいて、上記近接する信号機のうち少なくとも二番目以降に自動停止の実行された信号機が赤に変化してから所定時間以内に当該信号機でエンジンの自動停止が実行されたか否かを判定するとともに、所定時間以内に当該信号機で自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止し、又は上記自動停止条件若しくは再始動条件を補正することが好ましい。
【0023】
上記のように構成することにより、二番目に自動停止の実行された信号機が赤に変化してから所定時間以内に当該信号機でエンジンの自動停止が実行されている場合、すなわち、最先に自動停止が実行された信号機に対応する位置から上記所定時間以上早く発進していれば、二番目の信号機に対応する位置で停止する必要のなかった場合、上記自動停止禁止手段又は条件補正手段が、以後の走行時に、上記最先の信号機に対応する位置での自動停止を禁止する等により早期に発進可能とすることが可能となるように構成されているため、より確実に乗員へ与える不快感を抑制することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0025】
図1は、本発明に係るエンジン制御装置の実施形態を示すブロック図である。この制御装置は、各種演算処理を実行するCPU40と、このCPU40の指令に応じて入出力可能に各情報を記憶する記憶手段41とを備えている。このCPU40は、エンジンの自動停止及び、自動再始動を行うエンジン制御手段1と、車両のインストルメントパネル等に設けられた後述の表示部27及び、車両の乗員を目的地まで案内するために設けられた後述の車両用ナビゲーション装置21を制御する表示制御手段2と、自動変速機に対する作動油の供給状態を制御するAT制御手段3と、坂道における停車時に車両の後ずさり等を防止するヒルホルダー制御手段4とを備えている。
【0026】
上記エンジン制御手段1には、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させる自動停止制御手段5と、予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させる再始動制御手段6と、上記自動停止条件が成立し、かつ予め設定された自動停止禁止条件が成立したときにエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段7が設けられている。
【0027】
上記自動停止制御手段5は、運転者によるブレーキペダルの踏込状態を検出するブレーキセンサ10、車両の走行速度を検出する車速センサ11、自動変速機のシフトレバー位置を検出するインヒビタスイッチ12、パーキングブレーキの操作状態を検出するパーキングブレーキスイッチ13、方向指示器を作動させるためのウィンカスイッチ14及び、エアコンの作動状態を検出するエアコンセンサ15等からの出力信号に応じ、エンジンの自動停止条件が成立したか否かを判別し、この自動停止条件が成立したことが確認された場合に、燃料噴射弁16からの燃料噴射を停止させるとともに、点火コイル17による混合気の点火を停止させることにより、エンジンの作動を自動的に停止させるように構成されている。
【0028】
エンジンの自動停止を行うか否かを判別する自動停止条件としては、図2に示すように、通常モードと、緩和モードと、厳格モードとの3種類があり、この3種類のうちの一つが運転者により選択されて使用されるようになっている。通常モードの自動停止条件には、例えば第1にブレーキセンサ10がONであること、第2に車速センサ11により検出された車速が0であること、第3にインヒビタスイッチ12により検出された自動変速機のシフトレバー位置が非走行レンジであること、第4にウィンカスイッチ14がOFF状態にあること、第5にエアコンセンサ15からエアコンが停止状態であることを示す検出信号が出力されていることの5項目の条件がある。そして、これら5項目の条件が全て満たされたときに、エンジンの自動停止条件が成立したと判別してエンジンを自動的に停止させる制御が実行されるようになっている。
【0029】
一方、緩和モードの自動停止条件は、シフトレバー位置がR(後退)レンジ以外である場合に上記第3の条件が満たされたと判定され、かつ上記第4及び、第5の条件が考慮されない点を除き、上記通常モードの自動停止条件と同様に設定されている。
【0030】
また、厳格モードの自動停止条件は、ブレーキセンサ10により検出されたブレーキペダル踏込操作量が予め設定された所定値以上である場合に上記第1の条件が満たされたと判定されるとともに、シフトレバー位置がP(駐車)レンジである場合に上記第3の条件が満たされたと判定され、かつパーキングブレーキスイッチ13がON状態であることが第6の条件として追加されている点を除き、上記通常モードの自動停止条件と同様に設定されている。
【0031】
なお、エンジンの自動停止を行うか否かを判定する自動停止条件として、Gセンサ等からなる勾配検出手段により検出された路面勾配が予め設定された所定値未満であるという条件を付加してもよい。例えば、通常モードの自動停止条件に基づいて上記判定を行う際に、路面勾配の検出値が予め設定された第1基準値未満であること、つまり路面勾配があまり大きくないことを必須条件として、上記エンジンの自動停止制御を実行するようにしてもよい。また、厳格モードの自動停止条件に基づいて上記判定を行う際に、路面勾配の検出値が、上記第1基準値よりも小さな値に設定された第2基準値未満であること、つまり路面勾配が極めて小さいことを必須条件として、上記エンジンの自動停止制御を実行し、また緩和モードの自動停止条件に基づいて上記判定を行う際に、上記路面勾配を考慮することなく上記エンジンの自動停止制御を実行するようにしてもよい。
【0032】
上記実施形態では、エアコンセンサ15からエアコンが停止状態であることを示す検出信号が出力されていることを第5の条件として設定しているが、エアコンが停止状態であるという条件と、エアコンの作動時に、その目標温度と実際の車室内温度との偏差が所定値未満であるという条件との何れか一方が成立した場合に、第5の条件が満たされたと判定するように構成してもよい。また、ウィンカスイッチ14の検出信号に応じて上記第4の条件が満たされたか否かを判定するように構成された上記実施形態に代え、ステアリングハンドルの操舵角度を検出する舵角センサの出力信号に応じ、上記操舵角度が予め設定された基準角度よりも小さいことが確認された場合に、第4の条件が満たされたと判定するようにしてもよい。
【0033】
上記再始動制御手段6は、エンジンの自動停止中に、ブレーキセンサ10、車速センサ11、インヒビタスイッチ12、ウィンカスイッチ14、エアコンセンサ15、ブレーキ負圧、つまりブレーキ操作力を補うための倍力装置を構成するブースター内の負圧を検出するブレーキ負圧センサ18及び、スロットル弁の開度を検出するスロットルセンサ19から出力される各検出信号に応じ、エンジンの再始動条件が成立したか否かを判別し、再始動条件が成立したことが確認された場合に、エンジンのカムシャフトを回転駆動する再始動モータ42を作動させることにより、停止状態にあるエンジンを自動的に再始動させるように構成されている。
【0034】
エンジンの再始動を行うか否かを判定する再始動条件としては、図3に示すように、通常モードと、緩和モードと、厳格モードの3種類があり、この3種類のうちから運転者により一つが選択されて使用される。通常モードの再始動条件は、例えば第1にブレーキセンサ10がON状態からOFF状態に移行したこと、第2に車速センサ11により検出された車速が所定値よりも大きい状態が第1基準時間T1以上に亘って継続したこと、第3にインヒビタスイッチ12の検出信号に応じて自動変速機のシフトレバー位置が変化したこと、つまりシフトレバー位置が非走行レンジから走行レンジに変化し、あるいは所定の走行レンジにあったシフトレバー位置が他の走行レンジに変化したこと、第4にウィンカスイッチ14がON状態にあること、第5にブレーキ負圧センサ18により検出されたブレーキ負圧が所定の第2基準値bよりも高くなったこと(つまりブースター内の負圧の絶対値が|基準値b|よりも小さくなったこと)、第6にエアコンセンサ15から停止状態にあったエアコンが作動状態に変化したことを示す検出信号が出力されたことの6項目の条件がある。そして、これら6項目の条件のうち、一つでも成立したときに、エンジンの再始動条件が成立したと判別されて停止状態のエンジンを再始動させる制御が実行されるようになっている。
【0035】
一方、緩和モードの再始動条件は、ブレーキペダルの踏込解除速度が所定値よりも大きい場合に上記第1の条件が満たされたと判定され、かつ上記第2基準値bよりも小さな値に設定された第1基準値aよりもブレーキ負圧が高くなった場合(ブースター内の負圧の絶対値が|基準値a|よりも小さくなった場合)に、上記第5の条件が満たされたと判断されるように構成されている点を除き、上記通常モードの再始動条件と同様に設定されている。
【0036】
また、上記厳格モードの再始動条件は、スロットルセンサ19の検出信号に応じてアクセルペダルが踏み込まれたことが確認された場合に、上記第1の条件が満たされたと判定されるとともに、上記第1基準時間T1よりも長い時間に設定された第2基準時間T2以上に亘り、車速が所定値よりも大きい状態で継続したことが確認された場合に、上記第2の条件が満たされたと判定され、かつ上記第2基準値bよりも大きな値に設定された第3基準値cよりもブレーキ負圧が高くなった場合(ブースター内の負圧の絶対値が|基準値c|よりも小さくなった場合)に、上記第5の条件が満たされたと判定され、さらに上記第3、第4、第6の条件が考慮されないように設定されている。
【0037】
なお、上記通常モード、緩和モード及び、厳格モードの再始動条件として、第7にエンジンの水温が所定値未満に低下したことを追加するとともに、第8にバッテリ電圧が所定値未満に低下したことをそれぞれ追加し、これらの条件の一つでも成立したときにエンジンを再始動させるようにしてもよい。
【0038】
上記自動停止禁止手段7は、エンジンの冷却水温度を検出するエンジン水温センサ20、車両用ナビゲーション装置21、信号機の点灯色の変化タイミング(すなわち、赤から青又は、青から赤に変化するタイミング)に関する信号機情報を発信するために道路側に設けられた発信機から前記信号機情報を検出する信号機情報取得手段43及び、前回にエンジンの自動停止が行われた後に、エンジンが再始動された時点から現時点までの経過時間を計測する図外のタイマの出力信号に応じ、自車が所定の運転状態にあると判別された場合に、上記自動停止条件が成立した場合にあっても、上記エンジンの自動停止を禁止してエンジンを作動状態に維持するように構成されている。
【0039】
エンジンの自動停止を禁止するか否かを判定する判定条件としては、図4に示すように、緩和モードと、通常モードと、厳格モードとの3種類があり、この3種類のうちの一つが運転者により選択されて使用される。通常モードの判定条件には、例えば第1に上記水温センサ20の検出信号に応じてエンジンの冷却水温度が所定値未満であること、つまりエンジンが未暖機状態にあること、第2に上記タイマの出力信号に応じて上記経過時間が予め設定された第2設定時間t2未満であること、第3に上記車両用ナビゲーション装置21の出力信号(後述する位置検出手段21cによる出力信号)に応じて車両が特定位置にあること、つまり予め設定された交差点または建物内に車両が位置することの3項目がある。そして、3項目の条件の一つでも成立したことが上記自動停止禁止手段7において確認された場合に、上記自動停止制御手段5によるエンジンの自動停止制御の実行が禁止されるようになっている。
【0040】
一方、緩和モードの自動停止禁止条件は、上記経過時間が、通常モードの第2設定時間t2よりも長い時間に設定された第1設定時間t1未満であることが確認された場合に、上記第2の条件が満たされたと判定される点を除いて上記通常モードの自動停止禁止条件と同様に設定されている。
【0041】
また、厳格モードの自動停止禁止条件は、上記経過時間が、通常モードの第2設定時間t2よりも短い時間に設定された第3設定時間t3未満であることが確認された場合に、上記第2の条件が満たされたと判定され、かつ上記車両用ナビゲーション装置21の出力信号(後述する位置検出手段21cによる出力信号)に応じて求められる車両の特定位置(エンジンの自動停止を禁止すべき位置)が、踏切内等の必要最小限に設定されている点を除き、上記通常モードの自動停止禁止条件と同様に設定されている。
【0042】
なお、エンジンの自動停止を禁止するか否かを判定する第1の条件として、上記エンジンの水温に代えて、エンジンの始動後における時間を検出するタイマの計測時間を使用し、エンジンの始動後に一定時間が経過する前であることが確認された場合に、エンジンが未暖機状態にあると判定するようにしてもよい。また、速やかに発進しようとする運転者の意思を尊重するという観点から、上記第2の条件における第1〜第3設定時間t1〜t3を、シフトレバー位置の変速レンジに対応させて変化させ、シフトレバー位置がD(走行)レンジにある場合には、上記第1〜第3設定時間t1〜t3をN(ニュートラル)レンジにある場合に比べてそれぞれ大きな値に設定するように構成することが望ましい。
【0043】
上記自動停止条件、再始動条件および自動停止禁止条件を構成する3種類のモードは、例えば、エンジン制御装置に設けられたモード選択スイッチ50を運転者が手動操作することにより、何れか一つのモードが選択されて使用されるようになっている。なお、エンジンのスタートと同時に通常モードに設定された後、車両の状態に対応したモードが自動的に選択されるようにしてもよい。また、上記モードの手動選択状態と、自動選択状態とを切換可能に構成することも可能である。
【0044】
上記表示制御手段2は、エンジン制御手段1の自動停止制御手段5によるエンジンの自動停止時に、表示部27に設けられた自動停止中ランプ28を点灯させる指令信号を出力して上記自動停止制御が実行中であることを表示するとともに、上記自動停止禁止手段7によるエンジンの自動停止禁止中に、表示部27に設けられた自動停止禁止中ランプ29を点灯させる指令信号を出力して自動停止禁止制御が実行中であることを表示する一方、上記再始動制御手段6によるエンジンの再始動時に、表示部27に設けられた再始動ランプ30を点灯させる指令信号を出力して上記再始動制御が実行されていることを表示するように構成されている。
【0045】
また、上記表示制御手段2は、運転者を目的地まで誘導するために設けられた上記車両用ナビゲーション装置21を制御するように構成されている。車両用ナビゲーション装置21は、地図情報や自車の現在位置等を表示する表示画面21aと、この表示画面21aの周囲に設けられたパネルスイッチと、自車の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)等で構成される位置検出手段21cと、必要事項の連絡を運転者に対して音声で報知する図略の報知手段とを備えている。
【0046】
上記パネルスイッチには、図5に示すように、目的地を案内するナビゲーション画面または、テレビ画面を上記表示画面21aへ切り替え表示させるためのナビスイッチW1、テレビスイッチW2と、上記表示画面21aへエンジンの自動停止の禁止位置を表示させるアイドルストップ実行禁止位置表示スイッチW3(以下自動停止禁止位置表示スイッチW3と示す)と、上記位置検出手段21cにより検出された現在位置を表示させる現在位置表示スイッチW4と、運転者の希望目的地を上記地図上に設定するための目的地セットスイッチW5と、上記表示画面21aに表示される設定項目を必要に応じて選択するとともに、表示された地図情報を上下左右へスクロールするためのカーソルキーW6と、上記車両用ナビゲーション装置21の電源をON/OFFするための電源スイッチW7とが設けられている。
【0047】
また、本実施形態では、上記表示画面21aは、液晶式のタッチパネルからなっており、上記パネルスイッチの操作に応じて表示される画面において当該表示画面21aの特定部位を触れることにより設定項目を選択するためのアイコンや、当該表示画面21aの特定部位を触れることにより、上記のように選択された設定項目を確定させるためのアイコンボタンを表示可能に構成されている。本実施形態において、上記パネルスイッチ、表示画面21aに表示されるアイコン及び、アイコンボタンが入力部21bを構成している。
【0048】
すなわち、上記表示制御手段2は、上記入力部21bの操作に応じ、上記地図情報、上記位置検出手段21cにより検出される車両の現在位置及び、自動停止を禁止した位置を表示画面21aへ表示させるように構成されている。また、上記表示制御手段2は、上記目的地セットスイッチW5が操作されるのに応じて、上記入力部21bにより設定された目的地へ運転者を案内するために上記地図情報に基づいて検索された適切な誘導経路を表示画面21aへ表示させ、さらに当該誘導経路に沿って車両を走行させるために、運転者への音声案内を上記報知手段に出力させる機能を備えている。さらに、上記表示制御手段2は、入力部21bにより設定された設定項目を上記記憶手段41へ記憶させる一方、入力部21bにより設定された項目と上記記憶手段41に記憶された設定項目とを比較して、同一の設定項目が記憶手段41内に既に記憶されている場合に、当該設定項目を記憶手段41から抽出するとともに、当該設定項目及び、これと関連する項目を表示画面21aへ表示させる機能を備えている。例えば、上記のように誘導経路が設定された場合には、当該誘導経路が記憶手段41内に記憶されているか否かを判定し、この判定の結果、当該誘導経路が既に記憶手段41に記憶されている場合には、当該誘導経路と、この経路を過去に走行した際にエンジンの自動停止が禁止された位置とを表示画面21aに表示させる機能を有している。
【0049】
上記AT制御手段3は、自動停止制御手段5によるエンジンの自動停止制御が実行されることにより、自動変速機に供給される作動油の圧力が低下した場合に、ATF切換弁32に切換指令信号を出力して上記作動油の供給経路をエンジンによって駆動される図外の機械式オイルポンプ側から電動オイルポンプ33側に切り換えるとともに、この電動オイルポンプ33を作動させる作動指令信号を出力して、この電動オイルポンプ33から自動変速機に所定圧力の作動油を供給するように構成されている。
【0050】
上記ヒルホルダー制御手段4は、車両が坂道で停止状態となった場合に、ブレーキオイルの供給通路を遮断するヒルホルダー用ソレノイド弁34に作動指令信号を出力することにより、上記ブレーキオイルの圧力が低下することに起因した車両の後ずさり等を防止するように構成されている。
【0051】
上記記憶手段41には、上述した地図情報、自動停止条件、再始動条件、自動停止禁止条件及び、自動停止位置情報が上記エンジン制御手段1及び表示制御手段2の要求に応じて読み出し可能に記憶されている。上記自動停止位置情報には、過去に自動停止制御が実行された位置、過去に自動停止禁止制御が実行された位置、過去に走行した誘導経路及び、上記地図情報における信号機の位置及び、信号機を通過した日時等の情報が含まれている。
【0052】
そして、上記自動停止位置情報は、上記車両用ナビゲーション装置21の出力信号に応じて随時更新されるとともに、このように更新された自動停止位置情報は、上記自動停止禁止条件における第3の条件、すなわち図4に示すように自動停止禁止制御を行う特定位置の条件とリンクした状態で記憶手段41へ記憶されることとなる。
【0053】
一方、上記自動停止条件、再始動条件及び、自動停止禁止条件は、上記エンジン制御手段1の要求に応じて随時記憶手段41から読み出され、エンジン制御手段1は、これらの情報に基づきエンジンの自動停止、再始動及び、自動停止禁止制御を行うようになっている。また、後述するように、上記自動停止禁止手段7は、上記位置検出手段21cによる車両の現在位置及び上記地図情報に基づいて、現在の車両位置が所定の条件に合致するか否かを判定する機能と、この判定により合致すると判定された場合に、車両の現在位置を上記記憶手段41へ記憶させ、上記自動停止禁止条件を更新させる機能とを有している。
【0054】
このように構成されたエンジン制御装置による制御動作を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。エンジン制御装置の処理が開始すると、まず車両が走行しているか否かを判定する(ステップS1)。ここで、車両が走行していると判定されると(ステップS1でYES)、上記自動停止禁止中ランプ29及び、再始動ランプ30が点灯している場合には、これらを消灯して(ステップS2)、ステップS1にリターンする一方、車両が走行していないと判定されると(ステップS1でNO)、自動停止制御が実行されているか否かを判定する(ステップS3)。ここで、自動停止制御が実行されていないと判定されると(ステップS3でNO)、上記自動停止条件が成立しているか否かを判定し(ステップS4)、成立していないと判定されると(ステップS4でNO)、上記ステップS1にリターンする。一方、ステップS4で自動停止条件が成立していると判定されると(ステップS4でYES)、自動停止禁止条件が成立したか否かを判定し(ステップS5)、ここで自動停止禁止条件が成立していないと判定されると(ステップS5でNO)、自動停止制御を実行する(ステップS6)。
【0055】
すなわち、上記自動停止制御では、燃料噴射弁16及び、点火コイル17を停止状態とすることにより、エンジンの作動を停止させるとともに、エンジンが自動停止状態にあることを示す自動停止中ランプ28を点灯する。また、上記AT制御手段3からATF切換弁32に切換指令信号を出力して自動変速機に対する作動油の供給経路を機械式オイルポンプ側から電動オイルポンプ33側に切り換えるとともに、上記ヒルホルダー制御手段4からヒルホルダー用ソレノイド弁34への作動指令信号を出力することにより、ブレーキオイルの供給通路を遮断する。これによりブレーキ装置に供給されるブレーキオイルの圧力低下が防止されることになる。
【0056】
上記のような自動停止制御を開始すると、次いで、自動停止制御が開始された直後の状態にあることを示す自動停止フラグを1に設定し(ステップS7)、上記ステップS1にリターンする。
【0057】
一方、上記ステップS5で自動停止禁止条件が成立していると判定されると(ステップS5でYES)、自動停止禁止制御を実行する(ステップS8)。すなわち、エンジンの運転状態を維持しつつ、上記自動停止禁止中ランプ29を点灯し、上記ステップS1にリターンする。
【0058】
また、上記ステップS3で自動停止制御が実行中であると判定されると(ステップS3でYES)、上記自動停止フラグが1であるか否かを判定する(ステップS9)。ここで、自動停止フラグが1であると判定され、現在の状態が自動停止制御の実行された直後の状態であることが判定されると(ステップS9でYES)、上記車両用ナビゲーション装置21による経路誘導が実行中であるか否かを判定する(ステップS10)。ここで、経路誘導中ではないと判定されると(ステップS10でNO)、上記自動停止フラグを0にリセットして(ステップS13)、上記ステップS1にリターンする。
【0059】
一方、上記ステップS10で経路誘導中であると判定されると(ステップS10でYES)、現在実行中の自動停止制御が何回目のものであるかを示す自動停止カウンタを増加し(ステップS11)、現在位置を自動停止が実行された位置として上記記憶手段41に仮記憶する(ステップS12)。ここで、仮記憶とは、後述する停止位置判定処理Tにおいて、当該自動停止実行位置が後に自動停止禁止位置として設定されることがあるために上記記憶手段41にこの位置を記憶させるという意味であり、換言すると、停止位置判定処理Tで自動停止禁止位置に設定されない場合には、当該自動停止実行位置のデータを記憶手段41から削除させるという意味である。次いで、上記自動停止フラグを0にリセットし(ステップS13)、上記ステップS1にリターンする。
【0060】
一方、上記ステップS9で自動停止フラグが1ではないと判定されると(ステップS9でNO)、停止位置判定処理Tが実行される。
【0061】
図7は、図6の停止位置判定処理Tの処理を示すフローチャートである。
【0062】
図7を参照して、停止位置判定処理Tが開始すると、まず、上記自動停止カウンタが2であるか否か、すなわち、現在実行中の自動停止制御が2回目であるか否かを判定し(ステップT1)、自動停止カウンタが2ではないと判定されると(ステップT1でNO)、当該処理は、ステップS14へ移行する。一方、上記ステップT1で自動停止カウンタが2であると判定されると(ステップT1でYES)、経路誘導中であり、かつ車両の現在位置が信号機に対応する位置であるか否かを判定し(ステップT2)、経路誘導中で、かつ現在位置が信号機に対応する位置であると判定されると(ステップT2でYES)、現在位置と近接する以前の信号機で自動停止が実行されたか否かを判定する(ステップT3)。すなわち、上記自動停止禁止手段7が上記記憶手段41に以前に仮記憶された自動停止実行位置と、現在位置とが、上記地図上における近接する信号機に対応する位置であるか否かを判定し、ここで、近接する信号機に対応する位置で自動停止が実行されたと判定されると(ステップT3でYES)、上記信号機情報取得手段43の受信信号に基づいて、現在位置に対応する信号機が赤に変化してから所定時間以内であるか否かを判定する(ステップT4)。
【0063】
上記ステップT4で所定時間以内であると判定されると(ステップT4でYES)、車両の現在位置と、最先の信号機からの誘導経路に沿って所定距離前方(本実施形態では、300mとしている)までの経路とを上記記憶手段41に対応付けて記憶し、上記のように近接する信号機のうち、最先の信号機に対応する位置を自動停止の禁止位置として、上記自動停止禁止条件の第3の条件に追加する(ステップT5)。
【0064】
すなわち、以後の走行時に誘導経路が設定された場合に、上記自動停止禁止手段7が、この設定された誘導経路に上記最先の信号機から300m前方までの経路が含まれていることを条件として上記ステップS5で自動停止禁止条件が成立したと判定することとなる。
【0065】
次いで、上記記憶手段41に仮記憶された自動停止位置をクリア(削除)するとともに、上記自動停止カウンタを0にリセットし(ステップT6)、上記のように設定された自動停止禁止位置を表示画面21aに表示する(ステップT7)。
【0066】
すなわち、上記表示制御手段2は、図9に示すように、現在誘導中の誘導経路PHと、この誘導経路PH上に新たに設定された自動停止禁止位置アイコンKICとを表示画面21aに表示させる。なお、上述したように本実施形態では、表示画面21aにタッチパネルを採用しているため、上記自動停止禁止位置アイコンKICが表示された表示画面21a上の特定部位を触れることによって、当該自動停止禁止位置アイコンKICに対応する自動停止禁止位置の選択及び、選択解除が可能とされている。
【0067】
一方、上記ステップT2〜T4のうち、何れか一つでもNOであると判定されると、自動停止カウンタを1に設定するとともに、仮記憶された最先の自動停止位置(1回目の自動停止実行時に仮記憶されたもの)を記憶手段41から削除する(ステップT8)。すなわち、前回に実行された自動停止位置をクリアすることにより、現在実行中の自動停止を1回目の自動停止位置として新たに設定する。次いで、当該処理は、ステップS14へ移行する。
【0068】
再び図6を参照して、上記停止位置判定処理Tが実行されると、次いで上記再始動条件が成立したか否かを判定する(ステップS14)。ここで、再始動条件が成立していないと判定されると(ステップS14でNO)、上記ステップS1にリターンする一方、再始動条件が成立したと判定されると(ステップS14でYES)、再始動制御を実行する(ステップS15)。
【0069】
すなわち、上記再始動制御では、燃料噴射弁16及び、点火コイル17の作動停止状態を解除して再始動モータ42を作動させることにより、エンジンを自動的に再始動させるとともに、上記自動停止中ランプ28を消灯し、エンジンが再始動状態にあることを示す再始動ランプ30を点灯する。また、上記AT制御手段3からATF切換弁32に切換指令信号を出力して自動変速機に対する作動油の供給経路を電動オイルポンプ33側から機械式オイルポンプ側に切り換えるとともに、上記ヒルホルダー制御手段4からヒルホルダー用ソレノイド弁34への作動指令信号の出力を停止してブレーキオイルの供給通路を開放することにより、通常のブレーキ油圧供給状態に復帰させる。
【0070】
上記のような再始動制御(ステップS15)を実行した後、当該処理は、上記ステップS1へリターンすることとなる。
【0071】
なお、上記停止位置判定処理Tにおいては、ステップT2〜ステップT4のすべてがYESと判定された場合に、近接する信号機のうち最先の信号機に対応する位置を自動停止禁止位置として記憶するようにしているが、ステップT4、すなわち、二番目の信号機の点灯色が赤に変化してからの経過時間を考慮することなく、ステップT2及びステップT3がともにYESと判定された場合に、上記最先の信号機に対応する位置を自動停止禁止位置として記憶するようにしてもよい。
【0072】
また、上記制御動作においては、自動停止禁止条件を常に判定する処理として説明しているが、仮に運転者により自動停止禁止を拒否するモードに設定されている場合には、上記ステップT5で設定された自動停止禁止位置のみを上記ステップS5で随時判定させ、当該ステップS5では、上記自動停止禁止条件(図4参照)を判定しないようにすることもできる。
【0073】
以上説明したエンジン制御装置の制御動作によって、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させ、さらに、上記自動停止条件が成立し、かつ予め設定された自動停止禁止条件が成立したときにエンジンの自動停止を禁止させることとなる。また、エンジン制御装置は、以下説明する制御動作により上記車両用ナビゲーション装置21の操作に応じて上記のように設定された自動停止禁止位置における自動停止の禁止を解除可能に構成されている。
【0074】
図8は、自動停止禁止位置における自動停止禁止を解除する場合の処理を示すフローチャートである。
【0075】
図5及び図8を参照して、エンジン制御装置の処理が開始すると、上記車両用ナビゲーション装置21の自動停止禁止位置表示スイッチW3が押込操作されたか否か(以下、ONとされたか否かと示す)を判定する(ステップU1)。ここで、自動停止禁止位置表示スイッチW3がOFFであると判定されると(ステップU1でNO)、ステップU1にリターンする一方、自動停止禁止位置表示スイッチW3がONにされたと判定されると(ステップU1でYES)、上記車両用ナビゲーション装置21の表示画面21aにアイコンボタンを表示する(ステップU2)。
【0076】
すなわち、このとき表示画面21aには、図9に示すように、表示画面21aに表示された地図情報等を拡大及び縮小表示させるための拡大表示ボタンIC1及び縮小表示ボタンIC2と、上記自動停止禁止位置アイコンKICに対応する位置の自動停止の禁止を解除させるための禁止解除ボタンIC3と、各ボタンIC1〜IC3を非表示にするための戻るボタンIC4とを含むアイコンボタンが表示されることとなる。上述したように本実施形態では、表示画面21aにタッチパネルを採用しているため、上記各ボタンIC1〜IC4が表示された表示画面21a上の特定部位を触れることによって、当該各ボタンIC1〜IC4に予め設定された機能(例えば、拡大表示ボタンIC1の場合、地図情報等の拡大表示)を実行するようになっている。
【0077】
上記のように各アイコンボタンIC1〜IC4を表示すると(ステップU2)、現在誘導経路が設定されているか否かを判定し(ステップU3)、誘導経路が設定されていないと判定されると(ステップU3でNO)、自動禁止位置の解除が誘導経路の設定時にのみ機能することを運転者へ報知するとともに(ステップU4)、上記各アイコンボタンIC1〜IC4を非表示として当該処理を終了する。すなわち、本実施形態においては、上記ステップT5(図7参照)で説明したように、誘導経路と、この誘導経路の走行中に自動停止が実行された位置とを対応付けて上記記憶手段41に記憶するとともに、上記誘導経路と今後走行する誘導経路とのそれぞれに上記近接する信号機が含まれている場合に、上記最先の自動停止実行位置における自動停止を禁止することとしているため、本処理においては、誘導経路が設定されていることを必須条件としている。
【0078】
換言すると、上記ステップT5において近接する信号機に対応する各位置で順次連続して自動停止が実行された場合に、誘導経路と関係なく自動停止実行位置を記憶させることも可能であり、このように制御した場合には上記ステップU3の処理が不要となり、後述するステップU5において、記憶手段41に記憶された全ての自動停止禁止位置を表示画面21aへ表示させるようにすればよい。
【0079】
一方、上記ステップU3で誘導経路PHが設定されていると判定されると(ステップU3でYES)、設定された誘導経路PHに対して少なくとも一部が一致する経路を上記記憶手段41から抽出するとともに、この経路上に設定されている自動停止禁止位置(すなわち、自動停止禁止位置アイコンKIC)を表示画面21aに表示する(ステップU5)。すなわち、表示制御手段2は、上記ステップT5で記憶された誘導経路PH(最先の信号機に対応する位置から300m前方までの経路)が新たに設定された誘導経路PHの一部と一致するか否かを判定するとともに、それぞれ一致すると判定された場合に、上記表示制御手段2が、当該経路を記憶手段41から抽出するとともに、当該経路上に設定された自動停止禁止位置アイコンKICを新たに設定された誘導経路PH上に表示する(図9参照)。
【0080】
上記のように自動停止禁止位置アイコンKICを表示すると(ステップU5)、次いで、上記禁止解除ボタンIC3がONとされたか否かを判定し(ステップU6)、禁止解除ボタンIC3がOFFであると判定されると(ステップU6でNO)、上記戻るボタンIC4がONとされたか否かを判定する(ステップU7)。ここで、戻るボタンIC4がOFFであると判定されると(ステップU7でNO)、上記ステップU6にリターンする一方、戻るボタンIC4がONであると判定されると(ステップU7でYES)、上記各アイコンボタンIC1〜IC4を非表示として当該処理を終了する。
【0081】
一方、上記ステップU6で禁止解除ボタンがONであると判定されると(ステップU6でYES)、解除希望位置(すなわち、自動停止禁止位置アイコンKIC)が選択されたか否かを判定する(ステップU8)。ここで、解除希望位置が選択されていないと判定されると(ステップU8でNO)、解除希望位置を選択する旨の要求画面を上記表示画面21aに表示するとともに、上記報知手段により解除希望位置を選択を指示する旨を音声にて報知する(ステップU9)。次いで、上記禁止解除ボタンIC3がONとされてから所定時間が経過したか否かを判定し(ステップU10)、ここで、未だ所定時間が到来していないと判定されると(ステップU10でNO)、上記ステップU8にリターンする。一方、上記ステップU10で所定時間が経過したと判定されると(ステップU10でYES)、上記各アイコンボタンIC1〜IC4を非表示として当該処理を終了する。
【0082】
一方、上記ステップU8で解除希望位置が選択されたと判定されると(ステップU8でYES)、選択された自動停止禁止位置における自動停止の禁止を解除する(ステップU11)。すなわち、選択された自動停止禁止位置を記憶手段41から削除することにより、当該位置における自動停止の禁止を解除する。このように選択された自動停止禁止位置において自動停止の禁止を解除すると(ステップU11)、上記ステップU1へリターンする。
【0083】
以上説明したようにエンジン制御装置は、予め設定された自動停止条件及び、再始動条件が成立したときにエンジンの自動停止、再始動制御が実行されるようになっている。また、エンジン制御装置には、現時点での車両の位置を検出する位置検出手段21cと、少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段41とを備えているため、上記地図上における現時点での車両位置を検出することができる。
【0084】
さらに、エンジン制御手段1には、上記位置検出手段21cによる車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、車両の運転状態の如何に拘らずエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段7が設けられている。すなわち、自動停止禁止手段7が、複数の信号機が隣接して設置された走行路で信号機毎にエンジンの自動停止が実行された場合に、以後の走行時に、最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止するように構成されている。そのため、上記最先の信号機に対応する位置でエンジンの自動停止を禁止することにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で停止してしまう事態を回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員へ与える違和感を抑制することができる。
【0085】
一方、上記最先の信号機以外の信号機に対応する位置においては、自動停止条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行することとなるため、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【0086】
また、近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンの自動停止が実行されたと判定された場合、上記自動停止禁止手段7が乗員を目的地まで案内するために設定された誘導経路PHと、上記自動停止が実行された位置とを対応付けて上記記憶手段41に記憶させるとともに、以後の走行時に設定された誘導経路と、上記記憶手段に記憶された誘導経路とのそれぞれに上記近接する信号機を含む経路が設定されている場合に、以後の走行時に、当該誘導経路PHに対応して記憶された上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止することとしているため、以後の走行時に誘導経路PHが設定され、この誘導経路PHに上記近接する信号機を含む経路が設定されている場合には、上記記憶手段41に既に記憶された上記最先の信号機に対応する位置においてエンジンの自動停止を禁止する等により、早期に発進可能とすることが可能となる結果、これから走行する経路において、効率的にエンジンの自動停止の禁止を実行することができる。すなわち、例えば、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置を含み、二番目の信号機に対応する位置を含まない誘導経路PHが新たに設定された場合に、自動停止の禁止を可及的に回避することが可能となる結果、無意味なエンジンの自動停止の禁止を抑制し、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【0087】
さらに、エンジン制御装置には、道路側に設けられた発信機から発信される信号機の点灯色の変化タイミングに関する信号機情報を受信する信号機情報取得手段43が設けられ、上記自動停止禁止手段7が、この信号機情報取得手段43により受信された信号機情報に基づいて、上記近接する信号機のうち少なくとも二番目以降に自動停止の実行された信号機が赤に変化してから所定時間以内に当該信号機でエンジンの自動停止が実行されたか否かを判定するとともに、所定時間以内に当該信号機で自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止することとしているため、二番目に自動停止の実行された信号機が赤に変化してから所定時間以内に当該信号機でエンジンの自動停止が実行されている場合、すなわち、最先に自動停止が実行された信号機に対応する位置から上記所定時間異常早く発進していれば、二番目の信号機に対応する位置で停止する必要のなかった場合、上記自動停止禁止手段7が、以後の走行時に、上記最先の信号機に対応する位置での自動停止を禁止する等により早期に発進可能とすることが可能となる結果、より確実に乗員へ与える違和感を抑制することができる。
【0088】
なお、上記実施形態においては、近接する信号機に対応する各位置において順次連続して自動停止が実行された場合に、最先の自動停止実行位置を自動停止の禁止する位置として設定するようにしているが、この構成に代え、或いはこの構成に加えて、上記最先の自動停止実行位置において、エンジンの自動停止が実行されにくい方向、すなわち厳格モード(図2参照)となるように上記自動停止条件を補正するようにしてもよい。この場合、図1の自動停止禁止手段7が自動停止条件を補正する手段としての機能を有し、この自動停止禁止手段7により、具体的には図10に示す処理が実行されることとなる。
【0089】
図10は、第2の実施形態に係るエンジン制御装置の停止位置判定処理Tを示すフローチャートである。
【0090】
図7及び、図10を参照して、本実施形態における停止位置判定処理Tは、上記図7に示すものとステップT5以外は全て同一であるため、これらについては、説明を省略する。上記ステップT4の処理が実行されると、車両の現在位置と、最先の信号機からの誘導経路に沿って所定距離(300m)前方までの経路とを上記記憶手段41に対応付けて記憶し、上記近接する信号機のうち、最先の信号機に対応する位置における自動停止条件を厳格モードに設定する(ステップT51)。
【0091】
すなわち、以後の走行時に上記最先の信号機から300m前方までの経路を含む誘導経路が設定された場合に、上記近接する信号機の最先の信号機に対応する位置においてエンジンの自動停止を実行しにくくするように自動停止条件を設定する。
【0092】
上記のように最先の信号機に対応する位置でエンジンの自動停止が実行されにくくすることにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で車両が停止してしまうことを可及的に回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員が受ける不快感を可及的に抑制することができる。
【0093】
また、上記のように自動停止が実行されにくくなるように自動停止条件を補正する上記実施形態の構成に代え、或いはこの構成に加えて、上記最先の自動停止実行位置において、エンジンの再始動が実行され易くなる方向、すなわち緩和モード(図3参照)となるように上記再始動条件を補正するようにしてもよい。この場合においても、図1の自動停止禁止手段7が再始動条件を補正する手段としての機能を有し、この自動停止禁止手段7により、具体的には図11に示す処理が実行されることとなる。
【0094】
図11は、第3の実施形態に係るエンジン制御装置の停止位置判定処理Tを示すフローチャートである。
【0095】
図7及び、図11を参照して、本実施形態における停止位置判定処理Tは、上記図7に示すものとステップT5以外は全て同一であるため、これらについては、説明を省略する。上記ステップT4の処理が実行されると、車両の現在位置と、最先の信号機からの誘導経路に沿って所定距離(300m)前方までの経路とを上記記憶手段41に対応付けて記憶し、上記のように近接する信号機のうち、最先の信号機に対応する位置における自動停止条件を緩和モードに設定する(ステップT52)。
【0096】
すなわち、以後の走行時に上記最先の信号機から300m前方までの経路を含む誘導経路が設定された場合に、上記近接する信号機の最先の信号機に対応する位置においてエンジンの再始動が実行され易くなるように再始動条件を設定する。
【0097】
上記のように最先の信号機に対応する位置でエンジンの自動停止が実行されにくくすることにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で車両が停止してしまうことを可及的に回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員が受ける不快感を可及的に抑制することができる。
【0098】
なお、上記各実施形態においては、エンジン制御装置のCPU40の制御によって、車両用ナビ装置21による経路誘導を実行させるようにしているが、この構成に代えて、車両用ナビ装置21に別途CPUを設けることも可能である。このように構成することにより、車両用ナビ装置21のCPUが経路誘導を実行し、エンジン制御装置のCPU40が自動停止、再始動、自動停止禁止等の制御を実行することが可能となる結果、各処理に対する処理速度を向上させることができるとともに、周知の車両用ナビ装置を可及的に設計変更せずに使用することが可能となる。上記のように構成した場合には、上記表示制御手段2が記憶手段41から自動停止位置情報を読み出すとともに、これを車両用ナビ装置21のCPUへ出力し、車両用ナビ装置21のCPUが当該自動停止位置情報を表示画面21aへ表示することとなる。そして、表示画面21aに表示された自動停止位置情報に対して、例えば上記入力部21b等により自動停止禁止位置が設定された場合には、車両用ナビ装置21のCPUが当該設定内容をエンジン制御装置のCPU40へ出力し、このCPU40が上記設定内容に応じて、記憶手段41内の自動停止禁止条件の更新を行うこととなる。
【0099】
また、上記各実施形態においては、記憶手段41内に地図情報が記憶されているが、この構成に代えて、車両用ナビ装置21に別途記憶媒体読取手段を設け、記憶媒体(例えばDVD−ROM等)に記憶された地図情報を読み取らせるようにしてもよい。
【0100】
さらに、上記各実施形態では、エンジンのカムシャフトを回転駆動する再始動モータ42を作動させることにより、停止状態にあるエンジンを自動的に再始動させるように構成した例について説明したが、この構成に代えて上記特許文献1の実施形態に開示されているように、エンジンの出力軸により駆動されるモータ・ジェネレータを再始動用のモータ若しくはエンジン始動用のセルフスタータを使用してエンジンの自動停止後に再始動させ、あるいは特願2002−287471号のようにエンジンの自動停止後に再始動させる際に、膨張行程にある気筒に対して燃料噴射させて点火、燃焼を行わせることによりエンジンを再始動させるように構成してもよい。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のエンジン制御装置は、予め設定された自動停止条件及び、再始動条件が成立したときにエンジンの自動停止、再始動制御が実行されるようになっている。また、エンジン制御装置には、現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備えているため、上記地図上における現時点での車両位置を検出することができる。
【0102】
さらに、エンジン制御装置のエンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、車両の運転状態の如何に拘らずエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段が設けられている。すなわち、自動停止禁止手段が、複数の信号機が隣接して設置された走行路で信号機毎にエンジンの自動停止が実行された場合に、以後の走行時に、最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止するように構成されている。そのため、上記最先の信号機に対応する位置でエンジンの自動停止を禁止することにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で車両が停止してしまうことを回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員が受ける不快感を可及的に抑制することができる。
【0103】
一方、上記最先の信号機以外の信号機に対応する位置においては、自動停止条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行することとなるため、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジン制御装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】エンジンの自動停止条件を示す表である。
【図3】エンジンの再始動条件を示す表である。
【図4】エンジンの自動停止禁止条件を示す表である。
【図5】車両用ナビ装置を示す正面図である。
【図6】エンジン制御装置による制御動作を示すフローチャートである。
【図7】図6の停止位置判定処理の処理を示すフローチャートである。
【図8】自動停止禁止位置における自動停止禁止を解除する場合の処理を示すフローチャートである。
【図9】自動停止禁止を解除する画面の一例を示す画面図である。
【図10】第2の実施形態に係るエンジン制御装置の停止位置判定処理を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施形態に係るエンジン制御装置の停止位置判定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン制御手段
5 自動停止制御手段
6 再始動制御手段
7 自動停止禁止手段
21c 位置検出手段
40 CPU
41 記憶手段
43 信号機情報取得手段
PH 誘導経路
【発明の属する技術分野】
本発明は、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御するエンジン制御手段を備えた車両のエンジン制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば特許文献1に示されるように、予め設定された所定条件に基づいて、エンジンの運転状態と停止状態とを相互に自動的に切り換える自動停止・復帰制御を行うことが可能な車両のエンジン制御装置において、エンジンの自動停止実行モードと自動停止の実行を禁止するモードとを切換可能なスイッチを備えたものが提案されている。
【0003】
上記特許文献1のエンジン制御装置は、上記スイッチにより自動停止の実行禁止モードが選択された場合には、乗員の希望に応じた道路環境におけるエンジンの自動停止を禁止しつつ、上記道路環境以外の環境ではエンジンを自動停止させることが可能となる一方、自動停止の実行モードが選択された場合には、上記所定条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行させることが可能となる結果、不要なエンジンの作動を抑制して燃料を節約することができるとともに、排気エミッションを向上させることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平12−110608号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1のエンジン制御装置は、上記スイッチにより自動停止の実行禁止モードが選択された場合、乗員の希望に応じた道路環境において一律にエンジンの自動停止を禁止することとしているため、上記道路環境のうち、実際にはエンジンの自動停止を実行した方がよい道路環境内の特定位置においても、一律にエンジンの自動停止を禁止してしまい、このことは、不要なエンジンの作動を助長する結果、燃料を浪費してしまうとともに、排気エミッションを低下させる要因となっていた。
【0006】
一方、上記スイッチにより自動停止モードが選択された場合には、全ての道路環境において、上記所定条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行することとしているため、乗員の経験上、エンジンの自動停止を禁止した方がスムーズに走行することができると判断された特定位置においても、エンジンの自動停止を実行してしまい、このことは、乗員の希望する走行が妨げられる結果、乗員の不快感を募らせるおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、乗員の不快感を可及的に抑制しつつ、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる車両のエンジン制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御するエンジン制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備え、
上記エンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、車両の運転状態の如何に拘らずエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段が設けられていることを特徴とするエンジン制御装置である。
【0009】
この発明によれば、車両のエンジン制御装置は、予め設定された自動停止条件及び、再始動条件が成立したときにエンジンの自動停止、再始動制御が実行されるようになっている。また、エンジン制御装置には、現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備えているため、上記地図上における現時点での車両位置を検出することができる。
【0010】
さらに、エンジン制御装置のエンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、車両の運転状態の如何に拘らずエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段が設けられている。すなわち、自動停止禁止手段が、複数の信号機が近接して設置された走行路で信号機毎にエンジンの自動停止が実行された場合に、以後の走行時に、最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止するように構成されている。そのため、上記最先の信号機に対応する位置でエンジンの自動停止を禁止することにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で車両が停止してしまうことを回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員が受ける不快感を可及的に抑制することができる。
【0011】
一方、上記最先の信号機以外の信号機に対応する位置においては、自動停止条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行することとなるため、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【0012】
また、本発明は、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御するエンジン制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備え、
上記エンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止が実行されにくい方向に上記自動停止条件を補正する条件補正手段が設けられていることを特徴とするエンジン制御装置である。
【0013】
この発明によれば、車両のエンジン制御装置は、予め設定された自動停止条件及び、再始動条件が成立したときにエンジンの自動停止、再始動制御が実行されるようになっている。また、エンジン制御装置には、現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備えているため、上記地図上における現時点での車両位置を検出することができる。
【0014】
さらに、エンジン制御装置のエンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止が実行されにくい方向に上記自動停止条件を補正する条件補正手段が設けられている。すなわち、条件補正手段が、複数の信号機が隣接して設置された走行路で信号機毎にエンジンの自動停止が実行された場合に、以後の走行時に、最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止が実行されにくい方向に自動停止条件を補正するように構成されている。そのため、上記最先の信号機に対応する位置でエンジンの自動停止が実行されにくくすることにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で車両が停止してしまうことを可及的に回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員が受ける不快感を可及的に抑制することができる。
【0015】
一方、上記最先の信号機以外の信号機に対応する位置においては、自動停止条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行することとなるため、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【0016】
さらに、本発明は、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御するエンジン制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備え、
上記エンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの再始動が実行され易い方向に上記再始動条件を補正する条件補正手段が設けられていることを特徴とするエンジン制御装置である。
【0017】
この発明によれば、車両のエンジン制御装置は、予め設定された自動停止条件及び、再始動条件が成立したときにエンジンの自動停止、再始動制御が実行されるようになっている。また、エンジン制御装置には、現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備えているため、上記地図上における現時点での車両位置を検出することができる。
【0018】
さらに、エンジン制御装置のエンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの再始動が実行され易い方向に上記自動停止条件を補正する条件補正手段が設けられている。すなわち、条件補正手段が、複数の信号機が隣接して設置された走行路で信号機毎にエンジンの自動停止が実行された場合に、以後の走行時に、最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの再始動が実行され易い方向に自動停止条件を補正するように構成されている。そのため、上記最先の信号機に対応する位置でエンジンの再始動が実行され易くすることにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で車両が停止してしまうことを可及的に回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員が受ける不快感を可及的に抑制することができる。
【0019】
一方、上記最先の信号機以外の信号機に対応する位置においては、自動停止条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行することとなるため、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【0020】
上記エンジン制御装置において、近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンの自動停止が実行されたと判定された場合、上記自動停止禁止手段又は条件補正手段が、乗員を目的地まで案内するために設定された誘導経路と、上記自動停止が実行された位置とを対応付けて上記記憶手段に記憶させるとともに、以後の走行時に設定された誘導経路と、上記記憶手段に記憶された誘導経路とのそれぞれに上記近接する信号機を含む経路が設定されている場合に、以後の走行時に、当該誘導経路に対応して記憶された上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止し、又は上記自動停止条件若しくは再始動条件を補正することが好ましい。
【0021】
上記のように構成することにより、以後の走行時に誘導経路が設定され、この誘導経路に上記近接する信号機を含む経路が設定されている場合には、上記記憶手段に既に記憶された上記最先の信号機に対応する位置においてエンジンの自動停止を禁止する等により、早期に発進可能とすることが可能となる結果、これから走行する経路において、効率的にエンジンの自動停止の禁止を実行することができる。すなわち、例えば、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置を含み、二番目の信号機に対応する位置を含まない誘導経路が新たに設定された場合に、上記最先の信号機に対応する位置における自動停止の禁止を回避することが可能となる結果、無意味なエンジンの自動停止の禁止を抑制し、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【0022】
上記エンジン制御装置において、道路側に設けられた発信機から発信される信号機の点灯色の変化タイミングに関する信号機情報を受信する信号機情報取得手段をさらに備え、上記自動停止禁止手段又は条件補正手段が、この信号機情報取得手段により受信された信号機情報に基づいて、上記近接する信号機のうち少なくとも二番目以降に自動停止の実行された信号機が赤に変化してから所定時間以内に当該信号機でエンジンの自動停止が実行されたか否かを判定するとともに、所定時間以内に当該信号機で自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止し、又は上記自動停止条件若しくは再始動条件を補正することが好ましい。
【0023】
上記のように構成することにより、二番目に自動停止の実行された信号機が赤に変化してから所定時間以内に当該信号機でエンジンの自動停止が実行されている場合、すなわち、最先に自動停止が実行された信号機に対応する位置から上記所定時間以上早く発進していれば、二番目の信号機に対応する位置で停止する必要のなかった場合、上記自動停止禁止手段又は条件補正手段が、以後の走行時に、上記最先の信号機に対応する位置での自動停止を禁止する等により早期に発進可能とすることが可能となるように構成されているため、より確実に乗員へ与える不快感を抑制することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0025】
図1は、本発明に係るエンジン制御装置の実施形態を示すブロック図である。この制御装置は、各種演算処理を実行するCPU40と、このCPU40の指令に応じて入出力可能に各情報を記憶する記憶手段41とを備えている。このCPU40は、エンジンの自動停止及び、自動再始動を行うエンジン制御手段1と、車両のインストルメントパネル等に設けられた後述の表示部27及び、車両の乗員を目的地まで案内するために設けられた後述の車両用ナビゲーション装置21を制御する表示制御手段2と、自動変速機に対する作動油の供給状態を制御するAT制御手段3と、坂道における停車時に車両の後ずさり等を防止するヒルホルダー制御手段4とを備えている。
【0026】
上記エンジン制御手段1には、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させる自動停止制御手段5と、予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させる再始動制御手段6と、上記自動停止条件が成立し、かつ予め設定された自動停止禁止条件が成立したときにエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段7が設けられている。
【0027】
上記自動停止制御手段5は、運転者によるブレーキペダルの踏込状態を検出するブレーキセンサ10、車両の走行速度を検出する車速センサ11、自動変速機のシフトレバー位置を検出するインヒビタスイッチ12、パーキングブレーキの操作状態を検出するパーキングブレーキスイッチ13、方向指示器を作動させるためのウィンカスイッチ14及び、エアコンの作動状態を検出するエアコンセンサ15等からの出力信号に応じ、エンジンの自動停止条件が成立したか否かを判別し、この自動停止条件が成立したことが確認された場合に、燃料噴射弁16からの燃料噴射を停止させるとともに、点火コイル17による混合気の点火を停止させることにより、エンジンの作動を自動的に停止させるように構成されている。
【0028】
エンジンの自動停止を行うか否かを判別する自動停止条件としては、図2に示すように、通常モードと、緩和モードと、厳格モードとの3種類があり、この3種類のうちの一つが運転者により選択されて使用されるようになっている。通常モードの自動停止条件には、例えば第1にブレーキセンサ10がONであること、第2に車速センサ11により検出された車速が0であること、第3にインヒビタスイッチ12により検出された自動変速機のシフトレバー位置が非走行レンジであること、第4にウィンカスイッチ14がOFF状態にあること、第5にエアコンセンサ15からエアコンが停止状態であることを示す検出信号が出力されていることの5項目の条件がある。そして、これら5項目の条件が全て満たされたときに、エンジンの自動停止条件が成立したと判別してエンジンを自動的に停止させる制御が実行されるようになっている。
【0029】
一方、緩和モードの自動停止条件は、シフトレバー位置がR(後退)レンジ以外である場合に上記第3の条件が満たされたと判定され、かつ上記第4及び、第5の条件が考慮されない点を除き、上記通常モードの自動停止条件と同様に設定されている。
【0030】
また、厳格モードの自動停止条件は、ブレーキセンサ10により検出されたブレーキペダル踏込操作量が予め設定された所定値以上である場合に上記第1の条件が満たされたと判定されるとともに、シフトレバー位置がP(駐車)レンジである場合に上記第3の条件が満たされたと判定され、かつパーキングブレーキスイッチ13がON状態であることが第6の条件として追加されている点を除き、上記通常モードの自動停止条件と同様に設定されている。
【0031】
なお、エンジンの自動停止を行うか否かを判定する自動停止条件として、Gセンサ等からなる勾配検出手段により検出された路面勾配が予め設定された所定値未満であるという条件を付加してもよい。例えば、通常モードの自動停止条件に基づいて上記判定を行う際に、路面勾配の検出値が予め設定された第1基準値未満であること、つまり路面勾配があまり大きくないことを必須条件として、上記エンジンの自動停止制御を実行するようにしてもよい。また、厳格モードの自動停止条件に基づいて上記判定を行う際に、路面勾配の検出値が、上記第1基準値よりも小さな値に設定された第2基準値未満であること、つまり路面勾配が極めて小さいことを必須条件として、上記エンジンの自動停止制御を実行し、また緩和モードの自動停止条件に基づいて上記判定を行う際に、上記路面勾配を考慮することなく上記エンジンの自動停止制御を実行するようにしてもよい。
【0032】
上記実施形態では、エアコンセンサ15からエアコンが停止状態であることを示す検出信号が出力されていることを第5の条件として設定しているが、エアコンが停止状態であるという条件と、エアコンの作動時に、その目標温度と実際の車室内温度との偏差が所定値未満であるという条件との何れか一方が成立した場合に、第5の条件が満たされたと判定するように構成してもよい。また、ウィンカスイッチ14の検出信号に応じて上記第4の条件が満たされたか否かを判定するように構成された上記実施形態に代え、ステアリングハンドルの操舵角度を検出する舵角センサの出力信号に応じ、上記操舵角度が予め設定された基準角度よりも小さいことが確認された場合に、第4の条件が満たされたと判定するようにしてもよい。
【0033】
上記再始動制御手段6は、エンジンの自動停止中に、ブレーキセンサ10、車速センサ11、インヒビタスイッチ12、ウィンカスイッチ14、エアコンセンサ15、ブレーキ負圧、つまりブレーキ操作力を補うための倍力装置を構成するブースター内の負圧を検出するブレーキ負圧センサ18及び、スロットル弁の開度を検出するスロットルセンサ19から出力される各検出信号に応じ、エンジンの再始動条件が成立したか否かを判別し、再始動条件が成立したことが確認された場合に、エンジンのカムシャフトを回転駆動する再始動モータ42を作動させることにより、停止状態にあるエンジンを自動的に再始動させるように構成されている。
【0034】
エンジンの再始動を行うか否かを判定する再始動条件としては、図3に示すように、通常モードと、緩和モードと、厳格モードの3種類があり、この3種類のうちから運転者により一つが選択されて使用される。通常モードの再始動条件は、例えば第1にブレーキセンサ10がON状態からOFF状態に移行したこと、第2に車速センサ11により検出された車速が所定値よりも大きい状態が第1基準時間T1以上に亘って継続したこと、第3にインヒビタスイッチ12の検出信号に応じて自動変速機のシフトレバー位置が変化したこと、つまりシフトレバー位置が非走行レンジから走行レンジに変化し、あるいは所定の走行レンジにあったシフトレバー位置が他の走行レンジに変化したこと、第4にウィンカスイッチ14がON状態にあること、第5にブレーキ負圧センサ18により検出されたブレーキ負圧が所定の第2基準値bよりも高くなったこと(つまりブースター内の負圧の絶対値が|基準値b|よりも小さくなったこと)、第6にエアコンセンサ15から停止状態にあったエアコンが作動状態に変化したことを示す検出信号が出力されたことの6項目の条件がある。そして、これら6項目の条件のうち、一つでも成立したときに、エンジンの再始動条件が成立したと判別されて停止状態のエンジンを再始動させる制御が実行されるようになっている。
【0035】
一方、緩和モードの再始動条件は、ブレーキペダルの踏込解除速度が所定値よりも大きい場合に上記第1の条件が満たされたと判定され、かつ上記第2基準値bよりも小さな値に設定された第1基準値aよりもブレーキ負圧が高くなった場合(ブースター内の負圧の絶対値が|基準値a|よりも小さくなった場合)に、上記第5の条件が満たされたと判断されるように構成されている点を除き、上記通常モードの再始動条件と同様に設定されている。
【0036】
また、上記厳格モードの再始動条件は、スロットルセンサ19の検出信号に応じてアクセルペダルが踏み込まれたことが確認された場合に、上記第1の条件が満たされたと判定されるとともに、上記第1基準時間T1よりも長い時間に設定された第2基準時間T2以上に亘り、車速が所定値よりも大きい状態で継続したことが確認された場合に、上記第2の条件が満たされたと判定され、かつ上記第2基準値bよりも大きな値に設定された第3基準値cよりもブレーキ負圧が高くなった場合(ブースター内の負圧の絶対値が|基準値c|よりも小さくなった場合)に、上記第5の条件が満たされたと判定され、さらに上記第3、第4、第6の条件が考慮されないように設定されている。
【0037】
なお、上記通常モード、緩和モード及び、厳格モードの再始動条件として、第7にエンジンの水温が所定値未満に低下したことを追加するとともに、第8にバッテリ電圧が所定値未満に低下したことをそれぞれ追加し、これらの条件の一つでも成立したときにエンジンを再始動させるようにしてもよい。
【0038】
上記自動停止禁止手段7は、エンジンの冷却水温度を検出するエンジン水温センサ20、車両用ナビゲーション装置21、信号機の点灯色の変化タイミング(すなわち、赤から青又は、青から赤に変化するタイミング)に関する信号機情報を発信するために道路側に設けられた発信機から前記信号機情報を検出する信号機情報取得手段43及び、前回にエンジンの自動停止が行われた後に、エンジンが再始動された時点から現時点までの経過時間を計測する図外のタイマの出力信号に応じ、自車が所定の運転状態にあると判別された場合に、上記自動停止条件が成立した場合にあっても、上記エンジンの自動停止を禁止してエンジンを作動状態に維持するように構成されている。
【0039】
エンジンの自動停止を禁止するか否かを判定する判定条件としては、図4に示すように、緩和モードと、通常モードと、厳格モードとの3種類があり、この3種類のうちの一つが運転者により選択されて使用される。通常モードの判定条件には、例えば第1に上記水温センサ20の検出信号に応じてエンジンの冷却水温度が所定値未満であること、つまりエンジンが未暖機状態にあること、第2に上記タイマの出力信号に応じて上記経過時間が予め設定された第2設定時間t2未満であること、第3に上記車両用ナビゲーション装置21の出力信号(後述する位置検出手段21cによる出力信号)に応じて車両が特定位置にあること、つまり予め設定された交差点または建物内に車両が位置することの3項目がある。そして、3項目の条件の一つでも成立したことが上記自動停止禁止手段7において確認された場合に、上記自動停止制御手段5によるエンジンの自動停止制御の実行が禁止されるようになっている。
【0040】
一方、緩和モードの自動停止禁止条件は、上記経過時間が、通常モードの第2設定時間t2よりも長い時間に設定された第1設定時間t1未満であることが確認された場合に、上記第2の条件が満たされたと判定される点を除いて上記通常モードの自動停止禁止条件と同様に設定されている。
【0041】
また、厳格モードの自動停止禁止条件は、上記経過時間が、通常モードの第2設定時間t2よりも短い時間に設定された第3設定時間t3未満であることが確認された場合に、上記第2の条件が満たされたと判定され、かつ上記車両用ナビゲーション装置21の出力信号(後述する位置検出手段21cによる出力信号)に応じて求められる車両の特定位置(エンジンの自動停止を禁止すべき位置)が、踏切内等の必要最小限に設定されている点を除き、上記通常モードの自動停止禁止条件と同様に設定されている。
【0042】
なお、エンジンの自動停止を禁止するか否かを判定する第1の条件として、上記エンジンの水温に代えて、エンジンの始動後における時間を検出するタイマの計測時間を使用し、エンジンの始動後に一定時間が経過する前であることが確認された場合に、エンジンが未暖機状態にあると判定するようにしてもよい。また、速やかに発進しようとする運転者の意思を尊重するという観点から、上記第2の条件における第1〜第3設定時間t1〜t3を、シフトレバー位置の変速レンジに対応させて変化させ、シフトレバー位置がD(走行)レンジにある場合には、上記第1〜第3設定時間t1〜t3をN(ニュートラル)レンジにある場合に比べてそれぞれ大きな値に設定するように構成することが望ましい。
【0043】
上記自動停止条件、再始動条件および自動停止禁止条件を構成する3種類のモードは、例えば、エンジン制御装置に設けられたモード選択スイッチ50を運転者が手動操作することにより、何れか一つのモードが選択されて使用されるようになっている。なお、エンジンのスタートと同時に通常モードに設定された後、車両の状態に対応したモードが自動的に選択されるようにしてもよい。また、上記モードの手動選択状態と、自動選択状態とを切換可能に構成することも可能である。
【0044】
上記表示制御手段2は、エンジン制御手段1の自動停止制御手段5によるエンジンの自動停止時に、表示部27に設けられた自動停止中ランプ28を点灯させる指令信号を出力して上記自動停止制御が実行中であることを表示するとともに、上記自動停止禁止手段7によるエンジンの自動停止禁止中に、表示部27に設けられた自動停止禁止中ランプ29を点灯させる指令信号を出力して自動停止禁止制御が実行中であることを表示する一方、上記再始動制御手段6によるエンジンの再始動時に、表示部27に設けられた再始動ランプ30を点灯させる指令信号を出力して上記再始動制御が実行されていることを表示するように構成されている。
【0045】
また、上記表示制御手段2は、運転者を目的地まで誘導するために設けられた上記車両用ナビゲーション装置21を制御するように構成されている。車両用ナビゲーション装置21は、地図情報や自車の現在位置等を表示する表示画面21aと、この表示画面21aの周囲に設けられたパネルスイッチと、自車の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)等で構成される位置検出手段21cと、必要事項の連絡を運転者に対して音声で報知する図略の報知手段とを備えている。
【0046】
上記パネルスイッチには、図5に示すように、目的地を案内するナビゲーション画面または、テレビ画面を上記表示画面21aへ切り替え表示させるためのナビスイッチW1、テレビスイッチW2と、上記表示画面21aへエンジンの自動停止の禁止位置を表示させるアイドルストップ実行禁止位置表示スイッチW3(以下自動停止禁止位置表示スイッチW3と示す)と、上記位置検出手段21cにより検出された現在位置を表示させる現在位置表示スイッチW4と、運転者の希望目的地を上記地図上に設定するための目的地セットスイッチW5と、上記表示画面21aに表示される設定項目を必要に応じて選択するとともに、表示された地図情報を上下左右へスクロールするためのカーソルキーW6と、上記車両用ナビゲーション装置21の電源をON/OFFするための電源スイッチW7とが設けられている。
【0047】
また、本実施形態では、上記表示画面21aは、液晶式のタッチパネルからなっており、上記パネルスイッチの操作に応じて表示される画面において当該表示画面21aの特定部位を触れることにより設定項目を選択するためのアイコンや、当該表示画面21aの特定部位を触れることにより、上記のように選択された設定項目を確定させるためのアイコンボタンを表示可能に構成されている。本実施形態において、上記パネルスイッチ、表示画面21aに表示されるアイコン及び、アイコンボタンが入力部21bを構成している。
【0048】
すなわち、上記表示制御手段2は、上記入力部21bの操作に応じ、上記地図情報、上記位置検出手段21cにより検出される車両の現在位置及び、自動停止を禁止した位置を表示画面21aへ表示させるように構成されている。また、上記表示制御手段2は、上記目的地セットスイッチW5が操作されるのに応じて、上記入力部21bにより設定された目的地へ運転者を案内するために上記地図情報に基づいて検索された適切な誘導経路を表示画面21aへ表示させ、さらに当該誘導経路に沿って車両を走行させるために、運転者への音声案内を上記報知手段に出力させる機能を備えている。さらに、上記表示制御手段2は、入力部21bにより設定された設定項目を上記記憶手段41へ記憶させる一方、入力部21bにより設定された項目と上記記憶手段41に記憶された設定項目とを比較して、同一の設定項目が記憶手段41内に既に記憶されている場合に、当該設定項目を記憶手段41から抽出するとともに、当該設定項目及び、これと関連する項目を表示画面21aへ表示させる機能を備えている。例えば、上記のように誘導経路が設定された場合には、当該誘導経路が記憶手段41内に記憶されているか否かを判定し、この判定の結果、当該誘導経路が既に記憶手段41に記憶されている場合には、当該誘導経路と、この経路を過去に走行した際にエンジンの自動停止が禁止された位置とを表示画面21aに表示させる機能を有している。
【0049】
上記AT制御手段3は、自動停止制御手段5によるエンジンの自動停止制御が実行されることにより、自動変速機に供給される作動油の圧力が低下した場合に、ATF切換弁32に切換指令信号を出力して上記作動油の供給経路をエンジンによって駆動される図外の機械式オイルポンプ側から電動オイルポンプ33側に切り換えるとともに、この電動オイルポンプ33を作動させる作動指令信号を出力して、この電動オイルポンプ33から自動変速機に所定圧力の作動油を供給するように構成されている。
【0050】
上記ヒルホルダー制御手段4は、車両が坂道で停止状態となった場合に、ブレーキオイルの供給通路を遮断するヒルホルダー用ソレノイド弁34に作動指令信号を出力することにより、上記ブレーキオイルの圧力が低下することに起因した車両の後ずさり等を防止するように構成されている。
【0051】
上記記憶手段41には、上述した地図情報、自動停止条件、再始動条件、自動停止禁止条件及び、自動停止位置情報が上記エンジン制御手段1及び表示制御手段2の要求に応じて読み出し可能に記憶されている。上記自動停止位置情報には、過去に自動停止制御が実行された位置、過去に自動停止禁止制御が実行された位置、過去に走行した誘導経路及び、上記地図情報における信号機の位置及び、信号機を通過した日時等の情報が含まれている。
【0052】
そして、上記自動停止位置情報は、上記車両用ナビゲーション装置21の出力信号に応じて随時更新されるとともに、このように更新された自動停止位置情報は、上記自動停止禁止条件における第3の条件、すなわち図4に示すように自動停止禁止制御を行う特定位置の条件とリンクした状態で記憶手段41へ記憶されることとなる。
【0053】
一方、上記自動停止条件、再始動条件及び、自動停止禁止条件は、上記エンジン制御手段1の要求に応じて随時記憶手段41から読み出され、エンジン制御手段1は、これらの情報に基づきエンジンの自動停止、再始動及び、自動停止禁止制御を行うようになっている。また、後述するように、上記自動停止禁止手段7は、上記位置検出手段21cによる車両の現在位置及び上記地図情報に基づいて、現在の車両位置が所定の条件に合致するか否かを判定する機能と、この判定により合致すると判定された場合に、車両の現在位置を上記記憶手段41へ記憶させ、上記自動停止禁止条件を更新させる機能とを有している。
【0054】
このように構成されたエンジン制御装置による制御動作を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。エンジン制御装置の処理が開始すると、まず車両が走行しているか否かを判定する(ステップS1)。ここで、車両が走行していると判定されると(ステップS1でYES)、上記自動停止禁止中ランプ29及び、再始動ランプ30が点灯している場合には、これらを消灯して(ステップS2)、ステップS1にリターンする一方、車両が走行していないと判定されると(ステップS1でNO)、自動停止制御が実行されているか否かを判定する(ステップS3)。ここで、自動停止制御が実行されていないと判定されると(ステップS3でNO)、上記自動停止条件が成立しているか否かを判定し(ステップS4)、成立していないと判定されると(ステップS4でNO)、上記ステップS1にリターンする。一方、ステップS4で自動停止条件が成立していると判定されると(ステップS4でYES)、自動停止禁止条件が成立したか否かを判定し(ステップS5)、ここで自動停止禁止条件が成立していないと判定されると(ステップS5でNO)、自動停止制御を実行する(ステップS6)。
【0055】
すなわち、上記自動停止制御では、燃料噴射弁16及び、点火コイル17を停止状態とすることにより、エンジンの作動を停止させるとともに、エンジンが自動停止状態にあることを示す自動停止中ランプ28を点灯する。また、上記AT制御手段3からATF切換弁32に切換指令信号を出力して自動変速機に対する作動油の供給経路を機械式オイルポンプ側から電動オイルポンプ33側に切り換えるとともに、上記ヒルホルダー制御手段4からヒルホルダー用ソレノイド弁34への作動指令信号を出力することにより、ブレーキオイルの供給通路を遮断する。これによりブレーキ装置に供給されるブレーキオイルの圧力低下が防止されることになる。
【0056】
上記のような自動停止制御を開始すると、次いで、自動停止制御が開始された直後の状態にあることを示す自動停止フラグを1に設定し(ステップS7)、上記ステップS1にリターンする。
【0057】
一方、上記ステップS5で自動停止禁止条件が成立していると判定されると(ステップS5でYES)、自動停止禁止制御を実行する(ステップS8)。すなわち、エンジンの運転状態を維持しつつ、上記自動停止禁止中ランプ29を点灯し、上記ステップS1にリターンする。
【0058】
また、上記ステップS3で自動停止制御が実行中であると判定されると(ステップS3でYES)、上記自動停止フラグが1であるか否かを判定する(ステップS9)。ここで、自動停止フラグが1であると判定され、現在の状態が自動停止制御の実行された直後の状態であることが判定されると(ステップS9でYES)、上記車両用ナビゲーション装置21による経路誘導が実行中であるか否かを判定する(ステップS10)。ここで、経路誘導中ではないと判定されると(ステップS10でNO)、上記自動停止フラグを0にリセットして(ステップS13)、上記ステップS1にリターンする。
【0059】
一方、上記ステップS10で経路誘導中であると判定されると(ステップS10でYES)、現在実行中の自動停止制御が何回目のものであるかを示す自動停止カウンタを増加し(ステップS11)、現在位置を自動停止が実行された位置として上記記憶手段41に仮記憶する(ステップS12)。ここで、仮記憶とは、後述する停止位置判定処理Tにおいて、当該自動停止実行位置が後に自動停止禁止位置として設定されることがあるために上記記憶手段41にこの位置を記憶させるという意味であり、換言すると、停止位置判定処理Tで自動停止禁止位置に設定されない場合には、当該自動停止実行位置のデータを記憶手段41から削除させるという意味である。次いで、上記自動停止フラグを0にリセットし(ステップS13)、上記ステップS1にリターンする。
【0060】
一方、上記ステップS9で自動停止フラグが1ではないと判定されると(ステップS9でNO)、停止位置判定処理Tが実行される。
【0061】
図7は、図6の停止位置判定処理Tの処理を示すフローチャートである。
【0062】
図7を参照して、停止位置判定処理Tが開始すると、まず、上記自動停止カウンタが2であるか否か、すなわち、現在実行中の自動停止制御が2回目であるか否かを判定し(ステップT1)、自動停止カウンタが2ではないと判定されると(ステップT1でNO)、当該処理は、ステップS14へ移行する。一方、上記ステップT1で自動停止カウンタが2であると判定されると(ステップT1でYES)、経路誘導中であり、かつ車両の現在位置が信号機に対応する位置であるか否かを判定し(ステップT2)、経路誘導中で、かつ現在位置が信号機に対応する位置であると判定されると(ステップT2でYES)、現在位置と近接する以前の信号機で自動停止が実行されたか否かを判定する(ステップT3)。すなわち、上記自動停止禁止手段7が上記記憶手段41に以前に仮記憶された自動停止実行位置と、現在位置とが、上記地図上における近接する信号機に対応する位置であるか否かを判定し、ここで、近接する信号機に対応する位置で自動停止が実行されたと判定されると(ステップT3でYES)、上記信号機情報取得手段43の受信信号に基づいて、現在位置に対応する信号機が赤に変化してから所定時間以内であるか否かを判定する(ステップT4)。
【0063】
上記ステップT4で所定時間以内であると判定されると(ステップT4でYES)、車両の現在位置と、最先の信号機からの誘導経路に沿って所定距離前方(本実施形態では、300mとしている)までの経路とを上記記憶手段41に対応付けて記憶し、上記のように近接する信号機のうち、最先の信号機に対応する位置を自動停止の禁止位置として、上記自動停止禁止条件の第3の条件に追加する(ステップT5)。
【0064】
すなわち、以後の走行時に誘導経路が設定された場合に、上記自動停止禁止手段7が、この設定された誘導経路に上記最先の信号機から300m前方までの経路が含まれていることを条件として上記ステップS5で自動停止禁止条件が成立したと判定することとなる。
【0065】
次いで、上記記憶手段41に仮記憶された自動停止位置をクリア(削除)するとともに、上記自動停止カウンタを0にリセットし(ステップT6)、上記のように設定された自動停止禁止位置を表示画面21aに表示する(ステップT7)。
【0066】
すなわち、上記表示制御手段2は、図9に示すように、現在誘導中の誘導経路PHと、この誘導経路PH上に新たに設定された自動停止禁止位置アイコンKICとを表示画面21aに表示させる。なお、上述したように本実施形態では、表示画面21aにタッチパネルを採用しているため、上記自動停止禁止位置アイコンKICが表示された表示画面21a上の特定部位を触れることによって、当該自動停止禁止位置アイコンKICに対応する自動停止禁止位置の選択及び、選択解除が可能とされている。
【0067】
一方、上記ステップT2〜T4のうち、何れか一つでもNOであると判定されると、自動停止カウンタを1に設定するとともに、仮記憶された最先の自動停止位置(1回目の自動停止実行時に仮記憶されたもの)を記憶手段41から削除する(ステップT8)。すなわち、前回に実行された自動停止位置をクリアすることにより、現在実行中の自動停止を1回目の自動停止位置として新たに設定する。次いで、当該処理は、ステップS14へ移行する。
【0068】
再び図6を参照して、上記停止位置判定処理Tが実行されると、次いで上記再始動条件が成立したか否かを判定する(ステップS14)。ここで、再始動条件が成立していないと判定されると(ステップS14でNO)、上記ステップS1にリターンする一方、再始動条件が成立したと判定されると(ステップS14でYES)、再始動制御を実行する(ステップS15)。
【0069】
すなわち、上記再始動制御では、燃料噴射弁16及び、点火コイル17の作動停止状態を解除して再始動モータ42を作動させることにより、エンジンを自動的に再始動させるとともに、上記自動停止中ランプ28を消灯し、エンジンが再始動状態にあることを示す再始動ランプ30を点灯する。また、上記AT制御手段3からATF切換弁32に切換指令信号を出力して自動変速機に対する作動油の供給経路を電動オイルポンプ33側から機械式オイルポンプ側に切り換えるとともに、上記ヒルホルダー制御手段4からヒルホルダー用ソレノイド弁34への作動指令信号の出力を停止してブレーキオイルの供給通路を開放することにより、通常のブレーキ油圧供給状態に復帰させる。
【0070】
上記のような再始動制御(ステップS15)を実行した後、当該処理は、上記ステップS1へリターンすることとなる。
【0071】
なお、上記停止位置判定処理Tにおいては、ステップT2〜ステップT4のすべてがYESと判定された場合に、近接する信号機のうち最先の信号機に対応する位置を自動停止禁止位置として記憶するようにしているが、ステップT4、すなわち、二番目の信号機の点灯色が赤に変化してからの経過時間を考慮することなく、ステップT2及びステップT3がともにYESと判定された場合に、上記最先の信号機に対応する位置を自動停止禁止位置として記憶するようにしてもよい。
【0072】
また、上記制御動作においては、自動停止禁止条件を常に判定する処理として説明しているが、仮に運転者により自動停止禁止を拒否するモードに設定されている場合には、上記ステップT5で設定された自動停止禁止位置のみを上記ステップS5で随時判定させ、当該ステップS5では、上記自動停止禁止条件(図4参照)を判定しないようにすることもできる。
【0073】
以上説明したエンジン制御装置の制御動作によって、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させ、さらに、上記自動停止条件が成立し、かつ予め設定された自動停止禁止条件が成立したときにエンジンの自動停止を禁止させることとなる。また、エンジン制御装置は、以下説明する制御動作により上記車両用ナビゲーション装置21の操作に応じて上記のように設定された自動停止禁止位置における自動停止の禁止を解除可能に構成されている。
【0074】
図8は、自動停止禁止位置における自動停止禁止を解除する場合の処理を示すフローチャートである。
【0075】
図5及び図8を参照して、エンジン制御装置の処理が開始すると、上記車両用ナビゲーション装置21の自動停止禁止位置表示スイッチW3が押込操作されたか否か(以下、ONとされたか否かと示す)を判定する(ステップU1)。ここで、自動停止禁止位置表示スイッチW3がOFFであると判定されると(ステップU1でNO)、ステップU1にリターンする一方、自動停止禁止位置表示スイッチW3がONにされたと判定されると(ステップU1でYES)、上記車両用ナビゲーション装置21の表示画面21aにアイコンボタンを表示する(ステップU2)。
【0076】
すなわち、このとき表示画面21aには、図9に示すように、表示画面21aに表示された地図情報等を拡大及び縮小表示させるための拡大表示ボタンIC1及び縮小表示ボタンIC2と、上記自動停止禁止位置アイコンKICに対応する位置の自動停止の禁止を解除させるための禁止解除ボタンIC3と、各ボタンIC1〜IC3を非表示にするための戻るボタンIC4とを含むアイコンボタンが表示されることとなる。上述したように本実施形態では、表示画面21aにタッチパネルを採用しているため、上記各ボタンIC1〜IC4が表示された表示画面21a上の特定部位を触れることによって、当該各ボタンIC1〜IC4に予め設定された機能(例えば、拡大表示ボタンIC1の場合、地図情報等の拡大表示)を実行するようになっている。
【0077】
上記のように各アイコンボタンIC1〜IC4を表示すると(ステップU2)、現在誘導経路が設定されているか否かを判定し(ステップU3)、誘導経路が設定されていないと判定されると(ステップU3でNO)、自動禁止位置の解除が誘導経路の設定時にのみ機能することを運転者へ報知するとともに(ステップU4)、上記各アイコンボタンIC1〜IC4を非表示として当該処理を終了する。すなわち、本実施形態においては、上記ステップT5(図7参照)で説明したように、誘導経路と、この誘導経路の走行中に自動停止が実行された位置とを対応付けて上記記憶手段41に記憶するとともに、上記誘導経路と今後走行する誘導経路とのそれぞれに上記近接する信号機が含まれている場合に、上記最先の自動停止実行位置における自動停止を禁止することとしているため、本処理においては、誘導経路が設定されていることを必須条件としている。
【0078】
換言すると、上記ステップT5において近接する信号機に対応する各位置で順次連続して自動停止が実行された場合に、誘導経路と関係なく自動停止実行位置を記憶させることも可能であり、このように制御した場合には上記ステップU3の処理が不要となり、後述するステップU5において、記憶手段41に記憶された全ての自動停止禁止位置を表示画面21aへ表示させるようにすればよい。
【0079】
一方、上記ステップU3で誘導経路PHが設定されていると判定されると(ステップU3でYES)、設定された誘導経路PHに対して少なくとも一部が一致する経路を上記記憶手段41から抽出するとともに、この経路上に設定されている自動停止禁止位置(すなわち、自動停止禁止位置アイコンKIC)を表示画面21aに表示する(ステップU5)。すなわち、表示制御手段2は、上記ステップT5で記憶された誘導経路PH(最先の信号機に対応する位置から300m前方までの経路)が新たに設定された誘導経路PHの一部と一致するか否かを判定するとともに、それぞれ一致すると判定された場合に、上記表示制御手段2が、当該経路を記憶手段41から抽出するとともに、当該経路上に設定された自動停止禁止位置アイコンKICを新たに設定された誘導経路PH上に表示する(図9参照)。
【0080】
上記のように自動停止禁止位置アイコンKICを表示すると(ステップU5)、次いで、上記禁止解除ボタンIC3がONとされたか否かを判定し(ステップU6)、禁止解除ボタンIC3がOFFであると判定されると(ステップU6でNO)、上記戻るボタンIC4がONとされたか否かを判定する(ステップU7)。ここで、戻るボタンIC4がOFFであると判定されると(ステップU7でNO)、上記ステップU6にリターンする一方、戻るボタンIC4がONであると判定されると(ステップU7でYES)、上記各アイコンボタンIC1〜IC4を非表示として当該処理を終了する。
【0081】
一方、上記ステップU6で禁止解除ボタンがONであると判定されると(ステップU6でYES)、解除希望位置(すなわち、自動停止禁止位置アイコンKIC)が選択されたか否かを判定する(ステップU8)。ここで、解除希望位置が選択されていないと判定されると(ステップU8でNO)、解除希望位置を選択する旨の要求画面を上記表示画面21aに表示するとともに、上記報知手段により解除希望位置を選択を指示する旨を音声にて報知する(ステップU9)。次いで、上記禁止解除ボタンIC3がONとされてから所定時間が経過したか否かを判定し(ステップU10)、ここで、未だ所定時間が到来していないと判定されると(ステップU10でNO)、上記ステップU8にリターンする。一方、上記ステップU10で所定時間が経過したと判定されると(ステップU10でYES)、上記各アイコンボタンIC1〜IC4を非表示として当該処理を終了する。
【0082】
一方、上記ステップU8で解除希望位置が選択されたと判定されると(ステップU8でYES)、選択された自動停止禁止位置における自動停止の禁止を解除する(ステップU11)。すなわち、選択された自動停止禁止位置を記憶手段41から削除することにより、当該位置における自動停止の禁止を解除する。このように選択された自動停止禁止位置において自動停止の禁止を解除すると(ステップU11)、上記ステップU1へリターンする。
【0083】
以上説明したようにエンジン制御装置は、予め設定された自動停止条件及び、再始動条件が成立したときにエンジンの自動停止、再始動制御が実行されるようになっている。また、エンジン制御装置には、現時点での車両の位置を検出する位置検出手段21cと、少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段41とを備えているため、上記地図上における現時点での車両位置を検出することができる。
【0084】
さらに、エンジン制御手段1には、上記位置検出手段21cによる車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、車両の運転状態の如何に拘らずエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段7が設けられている。すなわち、自動停止禁止手段7が、複数の信号機が隣接して設置された走行路で信号機毎にエンジンの自動停止が実行された場合に、以後の走行時に、最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止するように構成されている。そのため、上記最先の信号機に対応する位置でエンジンの自動停止を禁止することにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で停止してしまう事態を回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員へ与える違和感を抑制することができる。
【0085】
一方、上記最先の信号機以外の信号機に対応する位置においては、自動停止条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行することとなるため、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【0086】
また、近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンの自動停止が実行されたと判定された場合、上記自動停止禁止手段7が乗員を目的地まで案内するために設定された誘導経路PHと、上記自動停止が実行された位置とを対応付けて上記記憶手段41に記憶させるとともに、以後の走行時に設定された誘導経路と、上記記憶手段に記憶された誘導経路とのそれぞれに上記近接する信号機を含む経路が設定されている場合に、以後の走行時に、当該誘導経路PHに対応して記憶された上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止することとしているため、以後の走行時に誘導経路PHが設定され、この誘導経路PHに上記近接する信号機を含む経路が設定されている場合には、上記記憶手段41に既に記憶された上記最先の信号機に対応する位置においてエンジンの自動停止を禁止する等により、早期に発進可能とすることが可能となる結果、これから走行する経路において、効率的にエンジンの自動停止の禁止を実行することができる。すなわち、例えば、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置を含み、二番目の信号機に対応する位置を含まない誘導経路PHが新たに設定された場合に、自動停止の禁止を可及的に回避することが可能となる結果、無意味なエンジンの自動停止の禁止を抑制し、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【0087】
さらに、エンジン制御装置には、道路側に設けられた発信機から発信される信号機の点灯色の変化タイミングに関する信号機情報を受信する信号機情報取得手段43が設けられ、上記自動停止禁止手段7が、この信号機情報取得手段43により受信された信号機情報に基づいて、上記近接する信号機のうち少なくとも二番目以降に自動停止の実行された信号機が赤に変化してから所定時間以内に当該信号機でエンジンの自動停止が実行されたか否かを判定するとともに、所定時間以内に当該信号機で自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止することとしているため、二番目に自動停止の実行された信号機が赤に変化してから所定時間以内に当該信号機でエンジンの自動停止が実行されている場合、すなわち、最先に自動停止が実行された信号機に対応する位置から上記所定時間異常早く発進していれば、二番目の信号機に対応する位置で停止する必要のなかった場合、上記自動停止禁止手段7が、以後の走行時に、上記最先の信号機に対応する位置での自動停止を禁止する等により早期に発進可能とすることが可能となる結果、より確実に乗員へ与える違和感を抑制することができる。
【0088】
なお、上記実施形態においては、近接する信号機に対応する各位置において順次連続して自動停止が実行された場合に、最先の自動停止実行位置を自動停止の禁止する位置として設定するようにしているが、この構成に代え、或いはこの構成に加えて、上記最先の自動停止実行位置において、エンジンの自動停止が実行されにくい方向、すなわち厳格モード(図2参照)となるように上記自動停止条件を補正するようにしてもよい。この場合、図1の自動停止禁止手段7が自動停止条件を補正する手段としての機能を有し、この自動停止禁止手段7により、具体的には図10に示す処理が実行されることとなる。
【0089】
図10は、第2の実施形態に係るエンジン制御装置の停止位置判定処理Tを示すフローチャートである。
【0090】
図7及び、図10を参照して、本実施形態における停止位置判定処理Tは、上記図7に示すものとステップT5以外は全て同一であるため、これらについては、説明を省略する。上記ステップT4の処理が実行されると、車両の現在位置と、最先の信号機からの誘導経路に沿って所定距離(300m)前方までの経路とを上記記憶手段41に対応付けて記憶し、上記近接する信号機のうち、最先の信号機に対応する位置における自動停止条件を厳格モードに設定する(ステップT51)。
【0091】
すなわち、以後の走行時に上記最先の信号機から300m前方までの経路を含む誘導経路が設定された場合に、上記近接する信号機の最先の信号機に対応する位置においてエンジンの自動停止を実行しにくくするように自動停止条件を設定する。
【0092】
上記のように最先の信号機に対応する位置でエンジンの自動停止が実行されにくくすることにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で車両が停止してしまうことを可及的に回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員が受ける不快感を可及的に抑制することができる。
【0093】
また、上記のように自動停止が実行されにくくなるように自動停止条件を補正する上記実施形態の構成に代え、或いはこの構成に加えて、上記最先の自動停止実行位置において、エンジンの再始動が実行され易くなる方向、すなわち緩和モード(図3参照)となるように上記再始動条件を補正するようにしてもよい。この場合においても、図1の自動停止禁止手段7が再始動条件を補正する手段としての機能を有し、この自動停止禁止手段7により、具体的には図11に示す処理が実行されることとなる。
【0094】
図11は、第3の実施形態に係るエンジン制御装置の停止位置判定処理Tを示すフローチャートである。
【0095】
図7及び、図11を参照して、本実施形態における停止位置判定処理Tは、上記図7に示すものとステップT5以外は全て同一であるため、これらについては、説明を省略する。上記ステップT4の処理が実行されると、車両の現在位置と、最先の信号機からの誘導経路に沿って所定距離(300m)前方までの経路とを上記記憶手段41に対応付けて記憶し、上記のように近接する信号機のうち、最先の信号機に対応する位置における自動停止条件を緩和モードに設定する(ステップT52)。
【0096】
すなわち、以後の走行時に上記最先の信号機から300m前方までの経路を含む誘導経路が設定された場合に、上記近接する信号機の最先の信号機に対応する位置においてエンジンの再始動が実行され易くなるように再始動条件を設定する。
【0097】
上記のように最先の信号機に対応する位置でエンジンの自動停止が実行されにくくすることにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で車両が停止してしまうことを可及的に回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員が受ける不快感を可及的に抑制することができる。
【0098】
なお、上記各実施形態においては、エンジン制御装置のCPU40の制御によって、車両用ナビ装置21による経路誘導を実行させるようにしているが、この構成に代えて、車両用ナビ装置21に別途CPUを設けることも可能である。このように構成することにより、車両用ナビ装置21のCPUが経路誘導を実行し、エンジン制御装置のCPU40が自動停止、再始動、自動停止禁止等の制御を実行することが可能となる結果、各処理に対する処理速度を向上させることができるとともに、周知の車両用ナビ装置を可及的に設計変更せずに使用することが可能となる。上記のように構成した場合には、上記表示制御手段2が記憶手段41から自動停止位置情報を読み出すとともに、これを車両用ナビ装置21のCPUへ出力し、車両用ナビ装置21のCPUが当該自動停止位置情報を表示画面21aへ表示することとなる。そして、表示画面21aに表示された自動停止位置情報に対して、例えば上記入力部21b等により自動停止禁止位置が設定された場合には、車両用ナビ装置21のCPUが当該設定内容をエンジン制御装置のCPU40へ出力し、このCPU40が上記設定内容に応じて、記憶手段41内の自動停止禁止条件の更新を行うこととなる。
【0099】
また、上記各実施形態においては、記憶手段41内に地図情報が記憶されているが、この構成に代えて、車両用ナビ装置21に別途記憶媒体読取手段を設け、記憶媒体(例えばDVD−ROM等)に記憶された地図情報を読み取らせるようにしてもよい。
【0100】
さらに、上記各実施形態では、エンジンのカムシャフトを回転駆動する再始動モータ42を作動させることにより、停止状態にあるエンジンを自動的に再始動させるように構成した例について説明したが、この構成に代えて上記特許文献1の実施形態に開示されているように、エンジンの出力軸により駆動されるモータ・ジェネレータを再始動用のモータ若しくはエンジン始動用のセルフスタータを使用してエンジンの自動停止後に再始動させ、あるいは特願2002−287471号のようにエンジンの自動停止後に再始動させる際に、膨張行程にある気筒に対して燃料噴射させて点火、燃焼を行わせることによりエンジンを再始動させるように構成してもよい。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のエンジン制御装置は、予め設定された自動停止条件及び、再始動条件が成立したときにエンジンの自動停止、再始動制御が実行されるようになっている。また、エンジン制御装置には、現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備えているため、上記地図上における現時点での車両位置を検出することができる。
【0102】
さらに、エンジン制御装置のエンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、車両の運転状態の如何に拘らずエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段が設けられている。すなわち、自動停止禁止手段が、複数の信号機が隣接して設置された走行路で信号機毎にエンジンの自動停止が実行された場合に、以後の走行時に、最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止するように構成されている。そのため、上記最先の信号機に対応する位置でエンジンの自動停止を禁止することにより、当該信号機に近接する次の信号機に対応する位置で車両が停止してしまうことを回避できる結果、車両のスムーズな走行を実現させるとともに、上記双方の信号機に対応する位置で自動停止を実行した場合に乗員が受ける不快感を可及的に抑制することができる。
【0103】
一方、上記最先の信号機以外の信号機に対応する位置においては、自動停止条件が成立した時点でエンジンの自動停止を実行することとなるため、燃料の節約及び、排気エミッションの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエンジン制御装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】エンジンの自動停止条件を示す表である。
【図3】エンジンの再始動条件を示す表である。
【図4】エンジンの自動停止禁止条件を示す表である。
【図5】車両用ナビ装置を示す正面図である。
【図6】エンジン制御装置による制御動作を示すフローチャートである。
【図7】図6の停止位置判定処理の処理を示すフローチャートである。
【図8】自動停止禁止位置における自動停止禁止を解除する場合の処理を示すフローチャートである。
【図9】自動停止禁止を解除する画面の一例を示す画面図である。
【図10】第2の実施形態に係るエンジン制御装置の停止位置判定処理を示すフローチャートである。
【図11】第3の実施形態に係るエンジン制御装置の停止位置判定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン制御手段
5 自動停止制御手段
6 再始動制御手段
7 自動停止禁止手段
21c 位置検出手段
40 CPU
41 記憶手段
43 信号機情報取得手段
PH 誘導経路
Claims (5)
- 予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御するエンジン制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備え、
上記エンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、車両の運転状態の如何に拘らずエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段が設けられていることを特徴とするエンジン制御装置。 - 予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御するエンジン制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備え、
上記エンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止が実行されにくい方向に上記自動停止条件を補正する条件補正手段が設けられていることを特徴とするエンジン制御装置。 - 予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御するエンジン制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
現時点での車両の位置を検出する位置検出手段と、
少なくとも信号機の位置に関する情報を含む地図情報を記憶する記憶手段とを備え、
上記エンジン制御手段には、上記位置検出手段による車両の位置情報及び上記地図情報に基づいて、車両が近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンを自動停止したか否かを判定するとともに、この判定で連続して自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの再始動が実行され易い方向に上記再始動条件を補正する条件補正手段が設けられていることを特徴とするエンジン制御装置。 - 請求項1乃至請求項3の何れかに記載のエンジン制御装置において、近接する信号機に対応する各位置において順次連続してエンジンの自動停止が実行されたと判定された場合、上記自動停止禁止手段又は条件補正手段が、乗員を目的地まで案内するために設定された誘導経路と、上記自動停止が実行された位置とを対応付けて上記記憶手段に記憶させるとともに、以後の走行時に設定された誘導経路と、上記記憶手段に記憶された誘導経路とのそれぞれに上記近接する信号機を含む経路が設定されている場合に、以後の走行時に、当該誘導経路に対応して記憶された上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止し、又は上記自動停止条件若しくは再始動条件を補正することを特徴とするエンジン制御装置。
- 請求項1乃至請求項4の何れかに記載のエンジン制御装置において、道路側に設けられた発信機から発信される信号機の点灯色の変化タイミングに関する信号機情報を受信する信号機情報取得手段をさらに備え、上記自動停止禁止手段又は条件補正手段が、この信号機情報取得手段により受信された信号機情報に基づいて、上記近接する信号機のうち少なくとも二番目以降に自動停止の実行された信号機が赤に変化してから所定時間以内に当該信号機でエンジンの自動停止が実行されたか否かを判定するとともに、所定時間以内に当該信号機で自動停止が実行されたと判定された場合に、以後の走行時に、上記近接する信号機のうち最先に自動停止の実行された信号機に対応する位置において、エンジンの自動停止を禁止し、又は上記自動停止条件若しくは再始動条件を補正することを特徴とするエンジン制御装置。
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- 2003-01-15 JP JP2003007374A patent/JP2004218544A/ja active Pending
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