JP4175120B2 - 車両のエンジン制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように構成された車両のエンジン制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、予め設定された所定条件に基づいて、エンジンを運転状態と停止状態とに相互に自動的に切り換える自動停止・復帰制御を行うことが可能な車両のエンジン制御装置において、エンジンの自動停止・復帰制御を行う場合の条件として、車両の乗員により選択される走行経路の道路環境を追加する条件追加手段を備えたものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1のエンジン制御装置は、上記条件追加手段により特定の道路環境、例えば、踏切周辺や交差点等をエンジンの自動停止を禁止する環境として条件設定することができるため、乗員の希望に応じた道路環境ではエンジンの自動停止を禁止しつつ、選択された道路環境以外の環境ではエンジンを自動停止させることが可能となる。そして、その結果、不要なエンジンの作動を抑制して燃料を節約することができるとともに、排気エミッションを向上させることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平12−110608号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1のエンジン制御装置は、選択された踏切周辺や交差点等の道路環境において一律にエンジンの自動停止を禁止することができる一方、この道路環境内の特定位置を選択することができないため、例えば、特定の交差点のみでエンジンの自動停止を禁止させたい場合であっても、乗員は、全ての交差点でエンジンの自動停止を禁止するか、もしくはエンジンの自動停止を実行するかのどちらかを選択しなければならなかった。すなわち、乗員の経験上、エンジンの自動停止を禁止した方がスムーズに走行できると判断された道路環境内の特定位置のみをエンジンの自動停止の禁止位置として選択することができないため、乗員の希望する走行が妨げられる結果、乗員の負担を増大させる要因となっていた。一方、特定の道路環境について一律にエンジンの自動停止を禁止した場合には、乗員の経験上、エンジンの自動停止を実行した方がよい道路環境内の特定位置において、エンジンの自動停止が実行されず、燃料を浪費してしまうとともに、排気エミッションを低下させることとなっていた。
【0006】
ここで、上記のような問題を解決するにあたって、乗員が予め地図情報等に基づいて、道路環境別にエンジンの自動停止の禁止条件を設定することも考えられるが、この場合、乗員において各道路環境の個別状況に関する記憶が曖昧であり、的確かつ簡便にその設定を行うことは困難である。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、道路環境における特定位置をエンジンの自動停止を禁止する位置として個別に設定することにより乗員の負担を軽減させるとともに、燃料の節約及び排気エミッションの向上を図り、しかもエンジンの自動停止の禁止位置の設定を確実かつ簡便に行うことができる車両のエンジン制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御する制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、道路地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、上記道路地図情報と関連付けて車両の現在位置を検出する位置検出手段と、現在の車両の停止位置におけるエンジンの自動停止を禁止する指令信号を乗員による操作に基づき上記制御手段に入力するとともに、この禁止指令入力に加え、車両の現在位置に拘わらずエンジンの自動停止を全面的に禁止する全面禁止入力を乗員による操作に基づき上記制御手段に入力する自動停止禁止入力手段と、この自動停止禁止入力手段による禁止指令入力があった際の現在位置を自動停止禁止位置として記憶する禁止位置記憶手段とを備え、上記制御手段は、所定時間内における上記自動停止禁止入力手段の入力回数を計測し、この入力回数に応じて上記禁止指令入力及び全面禁止入力を区別するように構成されるとともに、上記禁止指令入力に応じて上記禁止位置記憶手段に記憶された自動停止禁止位置で上記自動停止条件が成立した場合でも、上記エンジンの自動停止を禁止するように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
この発明によれば、地図情報記憶手段と位置検出手段とを備えているので、道路地図上の車両の現在位置を特定することができる。そして、車両の停止中に自動停止禁止入力手段による禁止指令入力があった場合に、現時点における車両の停止位置が禁止位置記憶手段に記憶され、禁止位置記憶手段に記憶された位置で上記自動停止条件が成立した場合でも、上記エンジンの自動停止を禁止するように制御手段が構成されている。従って、道路環境の特定位置をエンジンの自動停止を禁止する位置として個別に設定することができ、自動停止を乗員の希望に応じて実行することができる。このため、乗員の負担が軽減されるとともに、同一の道路環境においても、設定された上記自動停止禁止位置以外の位置ではエンジンの自動停止を実行して燃料の節約及び排気エミッションの向上を図ることができる。しかも、車両の停止位置をエンジンの自動停止を禁止する位置として設定するので、道路環境の個別状況を的確に把握した上で、かつ自動停止禁止入力手段による入力操作だけで、禁止位置の設定を的確かつ簡便に行うことができる。
【0010】
また、上記自動停止禁止入力手段は、上記禁止指令入力に加え、車両の現在位置に拘わらずエンジンの自動停止を禁止する全面禁止入力を乗員による操作に基づき上記制御手段に入力可能に構成されているもので、必要に応じてエンジンの自動停止の実行を全面的に禁止することができ、乗員の希望をより反映することができる。
【0011】
しかも、上記制御手段は、所定時間内における上記自動停止禁止入力手段の入力回数を計測し、この入力回数に応じて上記禁止指令入力と全面禁止入力とを区別するように構成されているので、禁止指令入力と全面禁止入力とを入力するにあたって別個の入力手段を設ける必要がなく、装置を簡素に構成することができ、しかも部品点数が少なくなることから、その製造コストを抑制することができる。
【0012】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の車両のエンジン制御装置において、上記制御手段は、上記自動停止禁止入力手段の入力回数を計測してこの入力k愛数に応じて禁止指令入力と全面禁止入力とを区別することに代えて、上記自動停止禁止入力手段の操作時間を計測し、この操作時間に応じて上記禁止指令入力と全面禁止入力とを区別して制御するように構成されているものである。
【0013】
このように構成しても、上記自動停止禁止入力手段により禁止指令入力と全面禁止入力とを入力するにあたって請求項1に係る発明と同様の効果を得ることができる。
【0014】
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の車両のエンジン制御装置において、車両の目的地を予め設定することにより上記道路地図情報及び車両の現在位置に基づいて車両の目的地までの経路情報を提供する経路情報提供手段を備え、上記禁止位置記憶手段は、上記経路情報提供手段による経路情報提供中に上記自動停止禁止入力手段により上記禁止指令入力操作があった場合には、車両の現在位置を該現在位置からの所定距離に亘る経路情報と関連付けて記憶するように構成されている一方、上記制御手段は、上記経路情報提供手段により提供されている経路情報の少なくとも一部が上記禁止位置記憶手段に既に記憶されている経路情報と一致する場合にこの記憶されている経路情報と関連付けられた位置でのエンジンの自動停止を禁止するように構成されているものである。
【0015】
すなわち、現在位置からの走行経路によってはエンジンの自動停止を禁止するか否かの判断が異なってくる場合がある。例えば車両が信号によって交差点の手前で停止している場合に、走行経路によっては近接した位置に別の信号が設置されており、その経路を走行する場合にはエンジンの自動停止を禁止してスムーズな発進を確保する必要があると判断することがある。このような場合に、上記のように構成すれば、経路情報提供手段が設けられているので車両の走行経路を予測することができ、この予測経路に照らしてエンジンの自動停止を禁止するか否かを判断することができる。そして、この経路情報提供手段により経路情報が提供されている間は、禁止位置記憶手段は、この経路情報に対応付けてエンジンの自動停止の禁止位置を記憶するように構成され、制御手段は上記経路情報提供手段により提供されている現在の経路情報の少なくとも一部が上記禁止位置記憶手段に既に記憶されている経路情報と一致する場合にこの記憶されている経路情報と関連付けられた位置でのエンジンの自動停止を禁止するように構成されているので、走行経路と対応付けて個別にエンジンの自動停止を禁止するか否か判断することができ、エンジンの自動停止を禁止する条件の設定をより乗員の希望に応じたものとすることができる。このため、乗員の負担をより一層確実に軽減することができるとともに、燃料の節約及び排気エミッションの向上を図ることができる。
【0016】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両のエンジン制御装置において、上記制御手段は、エンジンの自動停止中に上記自動停止禁止入力手段からの入力があった場合に、上記再始動条件に拘わらずエンジンを自動的に再始動させるように構成されているものである。
【0017】
このように構成すれば、乗員の希望に即座に応えることができ、その後の車両のスムーズな発進が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明に係るエンジン制御装置の実施形態を示すブロック図である。この制御装置は、各種演算処理を実行する制御手段40と、この制御手段40の指令に応じて入出力可能に各情報を記憶する記憶手段41とを備えている。この制御手段40は、エンジンの自動停止及び、自動再始動を行うエンジン制御手段1と、車両のインストルメントパネル等に設けられた後述の表示部27及び後述の車両用ナビゲーション装置21を制御する表示制御手段2と、自動変速機に対する作動油の供給状態を制御するAT制御手段3と、坂道における停車時に車両の後ずさり等を防止するヒルホルダー制御手段4とを備えている。
【0020】
エンジン制御手段1は、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させる一方、所定の自動停止禁止条件が成立したときに自動停止条件に拘わらずエンジンの自動停止を禁止するように制御するものである。これらの各条件は記憶手段41に記憶され、エンジン制御手段1の要求に応じて読み出し可能に構成されている。
【0021】
具体的には、上記エンジン制御手段1には、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させる自動停止制御手段5と、予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させる再始動制御手段6と、所定の自動停止禁止条件が成立したときに上記自動停止制御手段6によるエンジンの自動停止を禁止する自動停止禁止手段7とが設けられている。
【0022】
上記自動停止制御手段5は、運転者によるブレーキペダルの踏込状態を検出するブレーキセンサ10、車両の走行速度を検出する車速センサ11、自動変速機のシフトレバー位置を検出するインヒビタスイッチ12、パーキングブレーキの操作状態を検出するパーキングブレーキスイッチ13、方向指示器を作動させるためのウィンカスイッチ14及び、エアコンの作動状態を検出するエアコンセンサ15等からの出力信号に応じ、エンジンの自動停止条件が成立したか否かを判別し、この自動停止条件が成立したことが確認された場合に、燃料噴射弁16からの燃料噴射を停止させるとともに、点火コイル17による混合気の点火を停止させることにより、エンジンの作動を自動的に停止させるように構成されている。
【0023】
エンジンの自動停止を行うか否かを判別する自動停止条件としては、図2に示すように、通常モードと、緩和モードと、厳格モードとの3種類がある。この通常モードの自動停止条件には、例えば第1にブレーキセンサ10がONであること、第2に車速センサ11により検出された車速が0であること、第3にインヒビタスイッチ12により検出された自動変速機のシフトレバー位置が非走行レンジであること、第4にウィンカスイッチ14がOFF状態にあること、第5にエアコンセンサ15からエアコンが停止状態であることを示す検出信号が出力されていることの5項目の条件がある。そして、これら5項目の条件が全て満たされたときに、自動停止制御手段5においてエンジンの自動停止条件が成立したと判別され、エンジンを自動的に停止させる制御が実行されるようになっている。
【0024】
一方、緩和モードの自動停止条件は、シフトレバー位置がR(後退)レンジ以外である場合に上記第3の条件が満たされたと判定され、かつ上記第4及び、第5の条件が考慮されない点を除き、上記通常モードの自動停止条件と同様に設定されている。
【0025】
また、厳格モードの自動停止条件は、ブレーキセンサ10により検出されたブレーキペダル踏込操作量が予め設定された所定値以上である場合に上記第1の条件が満たされたと判定されるとともに、シフトレバー位置がP(駐車)レンジである場合に上記第3の条件が満たされたと判定され、かつパーキングブレーキスイッチ13がON状態であることが第6の条件として追加されている点を除き、上記通常モードの自動停止条件と同様に設定されている。
【0026】
なお、エンジンの自動停止を行うか否かを判定する自動停止条件として、Gセンサ等からなる勾配検出手段により検出された路面勾配が予め設定された所定値未満であるという条件を付加してもよい。例えば、通常モードの自動停止条件に基づいて上記判定を行う際に、路面勾配の検出値が予め設定された第1基準値未満であること、つまり路面勾配があまり大きくないことを必須条件として、上記エンジンの自動停止制御を実行するようにしてもよい。また、厳格モードの自動停止条件に基づいて上記判定を行う際に、路面勾配の検出値が、上記第1基準値よりも小さな値に設定された第2基準値未満であること、つまり路面勾配が極めて小さいことを必須条件として、上記エンジンの自動停止制御を実行し、また緩和モードの自動停止条件に基づいて上記判定を行う際に、上記路面勾配を考慮することなく上記エンジンの自動停止制御を実行するようにしてもよい。
【0027】
上記実施形態では、エアコンセンサ15からエアコンが停止状態であることを示す検出信号が出力されていることを第5の条件として設定しているが、エアコンが停止状態であるという条件と、エアコンの作動時に、その目標温度と実際の車室内温度との偏差が所定値未満であるという条件との何れか一方が成立した場合に、第5の条件が満たされたと判定するように構成してもよい。また、ウィンカスイッチ14の検出信号に応じて上記第4の条件が満たされたか否かを判定するように構成された上記実施形態に代え、ステアリングハンドルの操舵角度を検出する舵角センサの出力信号に応じ、上記操舵角度が予め設定された基準角度よりも小さいことが確認された場合に、第4の条件が満たされたと判定するようにしてもよい。
【0028】
上記再始動制御手段6は、エンジンの自動停止中に、ブレーキセンサ10、車速センサ11、インヒビタスイッチ12、ウィンカスイッチ14、エアコンセンサ15、ブレーキ負圧、つまりブレーキ操作力を補うための倍力装置を構成するブースター内の負圧を検出するブレーキ負圧センサ18及び、スロットル弁の開度を検出するスロットルセンサ19から出力される各検出信号に応じ、エンジンの再始動条件が成立したか否かを判別し、この再始動条件が成立したことが確認された場合に、エンジンのカムシャフトを回転駆動する再始動モータ42を作動させることにより、停止状態にあるエンジンを自動的に再始動させるように構成されている。
【0029】
エンジンの再始動を行うか否かを判定する再始動条件としては、図3に示すように、通常モードと、緩和モードと、厳格モードとの3種類があり、この3種類のうち一つが運転者により選択されて使用される。通常モードの再始動条件は、例えば第1にブレーキセンサ10がON状態からOFF状態に移行したこと、第2に車速センサ11により検出された車速が所定値よりも大きい状態が第1基準時間T1以上に亘って継続したこと、第3にインヒビタスイッチ12の検出信号に応じて自動変速機のシフトレバー位置が変化したこと、つまりシフトレバー位置が非走行レンジから走行レンジに変化し、あるいは所定の走行レンジにあったシフトレバー位置が他の走行レンジに変化したこと、第4にウィンカスイッチ14がON状態にあること、第5にブレーキ負圧センサ18により検出されたブレーキ負圧が所定の第2基準値bよりも高くなったこと(つまりブースター内の負圧の絶対値が|基準値b|よりも小さくなったこと)、第6にエアコンセンサ15から停止状態にあったエアコンが作動状態に変化したことを示す検出信号が出力されたことの6項目の条件がある。そして、これら6項目の条件のうちの一つでも成立したときに、エンジンの再始動条件が成立したと判別されて停止状態のエンジンを再始動させる制御が実行されるようになっている。
【0030】
一方、緩和モードの再始動条件は、ブレーキペダルの踏込解除速度が所定値よりも大きい場合に上記第1の条件が満たされたと判定され、かつ上記第2基準値bよりも小さな値に設定された第1基準値aよりもブレーキ負圧が高くなった場合(ブースター内の負圧の絶対値が|基準値a|よりも小さくなった場合)に、上記第5の条件が満たされたと判断されるように構成されている点を除き、上記通常モードの再始動条件と同様に設定されている。
【0031】
また、上記厳格モードの再始動条件は、スロットルセンサ19の検出信号に応じてアクセルペダルが踏み込まれたことが確認された場合に、上記第1の条件が満たされたと判定されるとともに、上記第1基準時間T1よりも長い時間に設定された第2基準時間T2以上に亘り、車速が所定値よりも大きい状態で継続したことが確認された場合に、上記第2の条件が満たされたと判定され、かつ上記第2基準値bよりも大きな値に設定された第3基準値cよりもブレーキ負圧が高くなった場合(ブースター内の負圧の絶対値が|基準値c|よりも小さくなった場合)に、上記第5の条件が満たされたと判定され、さらに上記第3、第4、第6の条件が考慮されないように設定されている。
【0032】
なお、上記通常モード、緩和モード及び、厳格モードの再始動条件として、第7にエンジンの水温が所定値未満に低下したことを追加するとともに、第8にバッテリ電圧が所定値未満に低下したことをそれぞれ追加し、これらの条件の一つでも成立したときにエンジンを再始動させるようにしてもよい。
【0033】
上記自動停止禁止手段7は、エンジンの冷却水温度を検出するエンジン水温センサ20、車両用ナビゲーション装置21、及び前回にエンジンの自動停止が行われた後に、エンジンが再始動された時点から現時点までの経過時間を計測する図外のタイマの出力信号に応じ、車両が所定の運転状態にあると判別された場合に、上記自動停止条件が成立した場合にあっても、上記エンジンの自動停止を禁止してエンジンを作動状態に維持するように構成されている。
【0034】
エンジンの自動停止を禁止するか否かを判定する判定条件としては、図4に示すように、緩和モードと、通常モードと、厳格モードとの3種類があり、この3種類のうちの一つが運転者により選択されて使用される。通常モードの判定条件には、例えば第1に上記水温センサ20の検出信号に応じてエンジンの冷却水温度が所定値未満であること、つまりエンジンが未暖機状態にあること、第2に上記タイマの出力信号に応じて上記経過時間が予め設定された第2設定時間t2未満であること、つまりエンジンの自動停止制御が頻繁に繰り返される状態にあること、第3に上記車両用ナビゲーション装置21の出力信号に応じて車両が自動停止禁止位置にあることの3項目がある。そして、これら3項目の条件の一つでも成立したことが上記自動停止禁止手段7において確認された場合に、上記自動停止制御手段5によるエンジンの自動停止制御の実行が禁止されるようになっている。
【0035】
ここで、特にこの第3の条件は、後述する実行禁止入力スイッチW4として構成されている自動停止禁止入力手段によりエンジンの自動停止が禁止される自動停止禁止位置として追加することができる一方、後述する禁止解除ボタンIC3として構成されている禁止解除手段の入力により特定の上記自動停止禁止位置を削減することができる。これらの詳細については、後述する。
【0036】
また、上記第3の条件における自動停止禁止位置には、本実施形態においては2種類設けられている。すなわち、記憶手段41に記憶されている自動停止禁止位置に車両が停止した場合に一律にエンジンの自動停止が禁止される無条件自動停止禁止位置と、車両用ナビゲーション装置21により経路情報が提供されており、この現在の提供されている経路情報の少なくとも一部が記憶手段41に既に記憶されている経路情報と一致し、この記憶されている経路情報と関連付けられている自動停止禁止位置に車両が停止した場合にエンジンの自動停止が禁止される条件付自動停止禁止位置との2種類がある。従って、条件付自動停止禁止位置に車両が停止した場合であっても、例えば車両用ナビゲーション装置21等により経路情報が提供されていないときや、経路情報が提供されている場合であっても該条件付自動停止位置に関連付けられた経路情報が、提供されている経路情報の少なくとも一部と一致しないときは、エンジンの自動停止が実行されることとなる。この無条件自動停止禁止位置と条件付自動停止禁止位置の設定は、車両停止位置を自動停止禁止位置として設定された際の状況に応じて異なるが、これについては後述する。
【0037】
一方、緩和モードの自動停止禁止条件は、上記経過時間が、通常モードの第2設定時間t2よりも長い時間に設定された第1設定時間t1未満であることが確認された場合に、上記第2の条件が満たされたと判定されている点を除いて上記通常モードの自動停止禁止条件と同様に設定されている。
【0038】
また、厳格モードの自動停止禁止条件は、上記経過時間が、通常モードの第2設定時間t2よりも短い時間に設定された第3設定時間t3未満であることが確認された場合に、上記第2の条件が満たされたと判定される点を除き、上記通常モードの自動停止禁止条件と同様に設定されている。
【0039】
なお、エンジンの自動停止を禁止するか否かを判定する第1の条件として、上記エンジンの水温に代えて、エンジンの始動後における時間を検出するタイマの計測時間を使用し、エンジンの始動後に一定時間が経過する前であることが確認された場合に、エンジンが未暖機状態にあると判定するようにしてもよい。また、速やかに発進しようとする運転者の意思を尊重するという観点から、上記第2の条件における第1〜第3設定時間t1〜t3を、シフトレバー位置の変速レンジに対応させて変化させ、シフトレバー位置がD(走行)レンジにある場合には、上記第1〜第3設定時間t1〜t3をN(ニュートラル)レンジにある場合に比べてそれぞれ大きな値に設定するように構成することが望ましい。
【0040】
上記自動停止条件、再始動条件および自動停止禁止条件を構成する3種類のモードは、例えば、エンジン制御装置に設けられたモード選択スイッチ50を運転者が手動操作することにより、何れか一つのモードが選択されて使用されるようになっている。なお、エンジンのスタートと同時に通常モードに設定された後、車両の状態に対応したモードが自動的に選択されるようにしてもよい。また、上記モードの手動選択状態と、自動選択状態とを切換可能に構成することも可能である。
【0041】
上記表示制御手段2は、車両用ナビゲーション装置21を制御するとともに、この車両用ナビゲーション装置21の出力に応じて停止中車両の現在位置を自動停止禁止位置として記憶手段41に記憶させ、またエンジンの運転状況に応じて表示部27を制御するものである。すなわち、上記表示制御手段2は、エンジン制御手段1の自動停止制御手段5によるエンジンの自動停止時に、表示部27に設けられた自動停止中ランプ28を点灯させる指令信号を出力して上記自動停止制御が実行中であることを表示するとともに、上記自動停止禁止手段7によるエンジンの自動停止禁止中に、表示部27に設けられた自動停止禁止中ランプ29を点灯させる指令信号を出力して自動停止禁止制御が実行中であることを表示する一方、上記再始動制御手段6によるエンジンの再始動時に、表示部27に設けられた再始動ランプ30を点灯させる指令信号を出力して上記再始動制御が実行されていることを表示するように構成されている。このように、エンジン制御手段1が上記各種制御を実行している時に各種ランプを点灯することにより、乗員にエンジンの運転状況を報知し、誤解の発生を未然に防止するものとなされている。なお、この表示部27は、報知手段であればランプにより構成されるものでなくてもよく、例えば音声により聴覚を介して報知するものであってもよい。
【0042】
また、上記表示制御手段2は、目的地までの経路情報を表示するために設けられた上記車両用ナビゲーション装置21を制御するように構成されている。この車両用ナビゲーション装置21は、各種情報を画面表示する表示画面21aと、この表示画面21aの周囲に配置された各種パネルスイッチと、車両の現在地を検出するGPS(Global Positioning System)や各種センサ等で構成される位置検出手段21cと、所定事項を運転者に対して音声で報知する図略の報知手段とを備えている。
【0043】
表示画面21aは、液晶式のタッチパネルからなっており、上記パネルスイッチの操作に応じて表示される画面において当該表示画面21aの特定部位を触れることにより設定項目を選択するためのアイコンや、当該表示画面21aの特定部位を触れることにより、上記のように選択された設定項目を確定させるためのアイコンボタンを表示可能に構成されている。
【0044】
本実施形態において、上記表示画面21aに表示されるアイコン及び、アイコンボタン、上記パネルスイッチが入力部21bを構成している。
【0045】
このパネルスイッチには、図5に示すように、目的地までの経路情報を表示するナビゲーション画面または、テレビ画面を表示画面21aにおいて切り替え表示させるためのナビスイッチW1、テレビスイッチW2と、上記表示画面21aへエンジンの自動停止の禁止位置情報を表示させる実行禁止位置表示スイッチW3と、車両停止中に現在位置をエンジンの自動停止を禁止させたい位置として希望する場合に該位置を自動停止禁止位置として表示制御手段2を介して記憶手段41に記憶させる実行禁止入力スイッチW4(自動停止禁止入力手段)と、上記位置検出手段21cにより検出された現在位置を道路地図情報と関連付けて表示させる現在位置表示スイッチW5と、車両の目的地を上記道路地図情報上に設定するための目的地セットスイッチW6と、上記表示画面21aに表示される設定項目を必要に応じて選択するとともに、表示された地図情報を上下左右へスクロールするためのカーソルキーW7と、上記車両用ナビゲーション装置21の電源をON/OFFするための電源スイッチW8とが設けられている。
【0046】
すなわち、上記表示制御手段2は、上記入力部21bの操作に応じ、上記地図情報、上記位置検出手段21cにより検出される車両の現在位置、及び自動停止禁止位置を表示画面21aへ表示させるように構成されている。また、上記表示制御手段2は、上記目的地セットスイッチW6が操作されるのに応じて、上記入力部21bにより設定された目的地への車両の経路情報を表示するために上記地図情報に基づいて検索された適切な経路情報を表示画面21aへ表示させ、さらに当該経路情報に従って車両を走行させるために、運転者への音声案内を上記報知手段に出力させる機能を備えている。すなわち、この表示制御手段2と車両用ナビゲーション装置21が本願発明にいう経路情報提供手段に相当する。
【0047】
さらに、上記表示制御手段2は、入力部21bからの入力に応じ自動停止禁止条件を追加、削除するように構成されている。この表示制御手段2による自動停止禁止条件の追加、削除は、車両が停止している場合にのみ実行されるように構成されている。そして、表示制御手段2は、所定時間内の上記実行禁止入力スイッチW4の押圧回数を計測し、この押圧回数に応じて異なる自動停止禁止条件を追加するものとなされている。
【0048】
具体的には、表示制御手段2は、停止中の車両において、実行禁止入力スイッチW4が所定時間(例えば0.2秒)内に所定回数(本実施形態では1回)押圧操作された場合には、自動停止条件に拘わらずあらゆる位置でのエンジンの自動停止の実行が禁止されるような条件を自動停止禁止条件として記憶手段41に記憶させる一方、該実行禁止入力スイッチW4が所定時間内に所定回数(本実施形態では2回)押圧操作された場合には、該停止中車両の現在位置をエンジンの自動停止禁止位置として上記記憶手段41に記憶させる。すなわち、実行禁止入力スイッチW4は、所定時間内に1回押圧操作された場合に表示制御手段2に対して全面禁止入力がなされ、所定時間内に2回押圧操作された場合に表示制御手段2に対して禁止指令入力がなされる。なお、この全面禁止のキャンセルは、例えば図外のイグニッションスイッチをOFFにしたり、別途解除スイッチを操作したりすることにより行われる。
【0049】
また、上記表示制御手段2は、上記車両用ナビゲーション装置21により目的地までの経路情報が提供されている場合には、停止中車両の現在位置を記憶手段41に記憶させるとともに、該現在位置から所定距離前方の経路情報を該現在位置と相互に関連付けて記憶させるように制御する。そして、上記車両用ナビゲーション装置21により目的地までの経路情報が提供されている場合に、この提供されている経路情報の少なくとも一部と、記憶手段41に記憶されている経路情報とが一致したときは、上記実行禁止位置表示スイッチW3の操作に応じ、この経路情報に加えこの経路情報と相互に関連付けられた自動停止禁止位置が表示されるように構成されている(図10参照)。なお、上記所定距離の設定について、例えば提供されている経路情報に沿って進行方向前方に位置する信号機付停止線までの距離を所定距離として設定してもよいし、提供経路に沿って前方200m或いは300mまでとしてもよい。
【0050】
上記AT制御手段3は、自動停止制御手段5によるエンジンの自動停止制御が実行されることにより、自動変速機に供給される作動油の圧力が低下した場合に、ATF切換弁32に切換指令信号を出力して上記作動油の供給経路をエンジンによって駆動される機械式オイルポンプ側から電動オイルポンプ33側に切り換えるとともに、この電動オイルポンプ33を作動させる作動指令信号を出力して、この電動オイルポンプ33から自動変速機に所定圧力の作動油を供給するように構成されている。
【0051】
上記ヒルホルダー制御手段4は、車両が坂道で停止状態となった場合に、ブレーキオイルの供給通路を遮断するヒルホルダー用ソレノイド弁34に作動指令信号を出力することにより、上記ブレーキオイルの圧力が低下することに起因した車両の後ずさり等を防止するように構成されている。
【0052】
上記記憶手段41には、上述した道路地図情報、自動停止条件、再始動条件、自動停止禁止条件及び、自動停止禁止位置情報が上記エンジン制御手段1及び表示制御手段2の要求に応じて読み出し可能に記憶されている。上記自動停止禁止位置情報には、上記実行禁止入力スイッチW4による禁止指令入力があった際の車両の現在位置が記憶されているとともに、車両用ナビゲーション装置21により目的地までの経路情報が提供されているときにおいて上記禁止指令入力があった場合にはその際の停止中車両の現在位置、及びこの現在位置と関連付けられた経路情報が含まれている。
【0053】
そして、上記自動停止禁止位置情報は、上記車両用ナビゲーション装置21の出力信号に応じて随時更新、すなわち(書換、削除)されるとともに、このように更新された自動停止禁止位置は、上記自動停止禁止条件における第3の条件、すなわち図4に示すように自動停止禁止制御を行う特定位置の条件とリンクした状態で記憶手段41へ記憶されることとなる。
【0054】
一方、上記自動停止条件、再始動条件及び、自動停止禁止条件は、上記エンジン制御手段1の要求に応じて随時記憶手段41から読み出され、エンジン制御手段1は、これらの情報に基づきエンジンの自動停止、再始動及び、自動停止禁止制御を行うようになっている。
【0055】
なお、上記記憶手段41が地図情報記憶手段、禁止位置記憶手段を構成しており、これらの各記憶手段は別個に設けるものであってもよい。特に禁止位置記憶手段については、車両に対して単独で着脱可能なものとして構成すれば、車両の乗り換え、地図情報記憶手段の取り替えにあたっても該禁止位置記憶手段を取り外して新たに別車両に取付等することにより、新たに禁止位置を設定する必要がなく、その取り扱いが便利になる。
【0056】
このように構成されたエンジン制御装置による制御動作を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0057】
この制御動作がスタートすると、まず車両が走行しているか否かを判定する(ステップS1)。ここで、車両が走行していると判定されると(ステップS1でYES)、上記自動停止禁止中ランプ29が点灯している場合には、これらを消灯して(ステップS2)、そのままリターンする。一方、車両が走行していないと判定されると(ステップS1でNO)、車両停止中であることが確認され、実行禁止入力スイッチW4からの信号出力の有無に基づいて運転者により実行禁止入力スイッチW4が押圧操作されているか否かを判定する(ステップS3)。そして、この実行禁止入力スイッチW4が押圧操作されていないと判定されると(ステップS3でNO)、エンジンが自動停止しているか否かを判定し(ステップS4)、このステップS4でNOと判定された場合、すなわち自動停止していないと判定された場合には、自動停止制御手段5により運転者によって選択されたモードに応じた自動停止条件が成立しているか否かが判定される(ステップS5)。このステップS5でNOと判定された場合には、そのままリターンする。
【0058】
一方、上記ステップS5において各モードに応じた自動停止条件が成立していると判定された場合には、自動停止禁止条件が成立しているか否かが判定され(ステップS6)、自動停止禁止条件が成立していない(ステップS6でNO)と判定されると、ステップS7で全面禁止フラグが1に設定されているか否かが判定される。さらに、このステップS7でNOと判定されると、自動停止制御手段5によりエンジンの自動停止制御が実行される(ステップS8)。
【0059】
すなわち、上記自動停止制御では、燃料噴射弁16及び、点火コイル17を停止状態とすることにより、エンジンの作動を停止させるとともに、エンジンが自動停止状態にあることを示す自動停止中ランプ28を点灯する。また、上記AT制御手段3からATF切換弁32に切換指令信号を出力して自動変速機に対する作動油の供給経路を機械式オイルポンプ側から電動オイルポンプ33側に切り換えるとともに、上記ヒルホルダー制御手段4からヒルホルダー用ソレノイド弁34への作動指令信号を出力することにより、ブレーキオイルの供給通路を遮断する。これによりブレーキ装置に供給されるブレーキオイルの圧力低下が防止されることになる。
【0060】
一方、上記ステップS6及びステップS7のいずれかにおいてYESと判定された場合、すなわち自動停止禁止条件が成立している或いは全面禁止フラグが1に設定されている場合には、上記自動停止成立条件が成立しているにも拘わらずエンジンの作動が継続されていることとなるので、自動停止禁止中ランプ29が点灯され(ステップS9)、運転者等の乗員に現在エンジンの自動停止の実行が禁止されていることを報知してリターンする。
【0061】
次に、上記ステップS4においてエンジンの自動停止が実行中であると判定されると(ステップS4においてYES)、ステップS10において再始動条件が成立しているか否かが判定される。このステップS10においてNOと判定されるとそのままリターンされる一方、YESと判定されるとステップS11に移行する。ステップS11において、再始動ランプ30が所定時間点灯されるとともに自動停止中ランプ28が消灯され、その後エンジンに対して再始動制御が実行される(ステップS12)。
【0062】
すなわち、上記再始動制御では、燃料噴射弁16及び、点火コイル17の作動停止状態を解除して再始動モータ42を作動させることにより、エンジンを自動的に再始動させる。また、上記AT制御手段3からATF切換弁32に切換指令信号を出力して自動変速機に対する作動油の供給経路を電動オイルポンプ33側から機械式オイルポンプ側に切り換えるとともに、上記ヒルホルダー制御手段4からヒルホルダー用ソレノイド弁34への作動指令信号の出力を停止してブレーキオイルの供給通路を開放することにより、通常のブレーキ油圧供給状態に復帰させる。
【0063】
一方、上記ステップS3においてYESと判定されると、実行禁止入力スイッチW4が所定時間内(例えば0.2秒)内に2回以上操作されたか否かを判定する(ステップS13)。実行禁止入力スイッチW4からの出力信号に基づいて該スイッチW4が所定時間内に2回以上操作されたと判定された場合には(ステップS13においてYES)、停止中車両の現在位置を自動停止禁止位置として自動停止禁止条件に追加して(ステップS14)、ステップS15に移行する。上記ステップS13においてNO、すなわち実行禁止入力スイッチW4が所定時間内に1回だけ押圧操作されたと判定された場合には、ステップS16において全面禁止フラグを1に設定して、ステップS14をスキップしてステップS15に移行する。ここで、ステップS14において自動停止禁止条件を追加する制御動作については、後述する。
【0064】
ステップS15においては、ステップS4と同様、エンジンの自動停止が実行されているか否かを判定し、まだ自動停止が実行されていないと判定した場合には(ステップS15においてNO)、そのままリターンする。一方、ステップS15において、YESと判定した場合、すなわち既にエンジンの自動停止が実行されていると判定した場合には、停止中車両の現在位置においてエンジンの自動停止が実行されることを運転者が希望しないということであるので、運転者の希望に応ずべく、ステップS17、ステップS18において、再始動ランプ30を所定時間点灯するとともに自動停止中ランプ28を消灯し、その後にエンジンの再始動制御を実行し、リターンする。
【0065】
以上説明したエンジン制御装置の制御動作によって、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させる一方、上記自動停止条件が成立した場合であっても、かつ設定された上記各自動停止禁止条件が成立したときには、エンジンの自動停止を禁止させることとなる。
【0066】
エンジン制御装置は、以下説明する制御動作により上記車両用ナビゲーション装置21の操作に応じて自動停止禁止条件を追加設定可能に構成されている。
【0067】
図7は、自動停止禁止位置を自動停止禁止条件として追加する場合におけるこの装置の制御動作を示すフローチャートである。すなわち、図6において上記ステップS14に移行すると、自動停止禁止条件の追加動作が実行される(スタートする)。まず、現在、車両用ナビゲーション装置21により車両の目的地までの経路情報が提供されているか否かを判定する(ステップS20)。このステップ20において経路情報が提供中でないと判定されると(ステップS20においてNO)、停止中の車両における現在位置を自動停止禁止位置として記憶手段41に記憶する(ステップS21)。すなわち、停止中車両の現在位置が自動停止禁止位置として自動停止禁止条件に追加される。ここで、停止中車両の現在位置が記憶手段41に記憶されるにあたって、表示画面21aに現在位置が、以降第1マークM1として表示されるように記憶される。従って、以降、後述するように実行禁止位置表示スイッチW3が押圧操作された場合には、図9に示すように、この実行禁止位置表示スイッチW3が押圧操作された時点での車両の現在位置が第4マークM4(図では三角形マーク)として表示されている一方、ステップS21において記憶された自動停止禁止としての特定位置は、第1マークM1(図では八角形マーク)として表示される。
【0068】
一方、上記ステップS20において経路情報が提供中であると判定されると(ステップS20においてYES)、停止中の車両における現在位置が自動停止禁止位置として記憶手段41に記憶されるとともに、該現在位置から所定距離前方の経路情報が該現在位置と相互に関連付けられて記憶手段41に記憶される(ステップS22)。このように現在位置だけでなく、該現在位置に関連付けて経路情報を記憶させる理由は、以降、車両用ナビゲーション装置21等により経路情報が提供されている場合に、その際提供されている経路情報の少なくとも一部が記憶手段41に記憶されている経路情報と一致するときにのみ、この記憶されている経路情報と関連付けられて記憶されている現在位置を自動停止禁止位置として自動停止禁止条件に追加するためである。すなわち、ステップS22において記憶された現在位置は、その後に経路情報が提供され、かつこの提供されている経路情報の少なくとも一部が記憶手段41に記憶されている経路情報と一致し、かつこの記憶されている経路情報と関連付けられて記憶されている現在位置に車両が停止したときに、エンジンの自動停止が禁止されるという、条件付自動停止禁止位置として自動停止禁止条件に追加される。ここで、停止中車両の現在位置が条件付自動停止禁止位置として記憶手段41に記憶されるにあたって、表示画面21aに現在位置が第2マークM2として表示されるように記憶される。従って、以降、後述するように経路情報提供中に実行禁止位置表示スイッチW3が押圧操作された場合には、図10に示すように、この実行禁止位置表示スイッチW3が押圧操作された時点での車両の現在位置が第4マークM4(図では三角形マーク)として表示されている一方、ステップS22において記憶された現在位置は、提供中の経路情報PH1とともに第2マークM2として表示される。なお、この際、後述するように第1マークM1も併せて表示される。
【0069】
次に、図8を用いて表示画面21aに自動停止禁止位置を表示する場合、及び追加された自動停止禁止位置を抹消する場合におけるこの装置の制御動作を説明する。
【0070】
記憶手段41に記憶されている自動停止禁止位置情報は、表示画面21a上に該表示画面21aに表示されている道路地図情報の範囲で表示することができ、またこの表示状態で自動停止禁止位置を個別に消去することができる。
【0071】
すなわち、自動停止禁止位置を表示画面21aに表示させるには、実行禁止位置表示スイッチW3を押圧操作すればよい。この実行禁止位置表示スイッチW3が押圧操作されると、まずステップS100において車両用ナビゲーション装置21等により経路情報が提供されているか否かを判定する(ステップS100)。このステップS100において経路情報提供中でないと判定されると(ステップS100においてNO)、ステップS101において記憶手段41に記憶されている自動停止禁止位置のうち、図7におけるステップS21で記憶された自動停止禁止位置が第1マークM1として、表示画面21a上に表示された道路地図上に表示され、ステップS103に移行する。このとき表示画面21aには、図9に示すように、道路地図情報、第1マークM1以外に、道路地図情報等を拡大及び縮小表示させるための拡大表示ボタンIC1及び縮小表示ボタンIC2、運転者により選択された自動停止禁止位置でのエンジンの自動停止禁止を解除させるため、すなわち選択された自動停止禁止位置でのエンジンの自動停止を実行させるための禁止解除ボタンIC3及び、第1マークM1や各ボタンIC1〜IC3を非表示にするための表示終了ボタンIC4等が表示画面下端縁に表示されている。また、表示画面21aの上端左隅には、表示されている内容を示すタイトル(本実施形態では「アイドルストップ実行禁止位置表示&リセット」というタイトル)が表示されている。なお、本実施形態では、表示画面21aにタッチパネルを採用しているため、これらの各ボタンIC1〜IC4が表示された表示画面21a上の特定部位を触れることによって、当該各ボタンIC1〜IC4に予め設定された機能(例えば、拡大表示ボタンIC1の場合、地図情報等の拡大表示)を実行するようになっている。
【0072】
一方、上記ステップS100において経路情報提供中であると判定されると(ステップS100においてYES)、ステップS102において記憶手段41に記憶されている自動停止禁止位置が第1マークM1、第2マークM2として表示される(図10参照)とともに、第2マークM2として表示されている自動停止禁止位置と関連付けられて記憶手段41に記憶されている経路情報PH1が表示され、ステップS103に移行する。具体的には、記憶手段41に記憶されている自動停止禁止位置のうち、図7におけるステップS21で記憶された自動停止禁止位置が第1マークM1として、ステップS22で記憶された自動停止禁止位置が第2マークM2として、表示画面21a上に表示された道路地図情報上に表示される。そして、このとき表示画面21aには、図10に示すように、道路地図情報、第1マークM1、第2マークM2以外に、車両目的地までの経路情報のうち表示画面21aに表示されている範囲の経路情報PH1と、上記拡大表示ボタンIC1、縮小表示ボタンIC2、禁止解除ボタンIC3、表示終了ボタンIC4並びに表示されている内容を示すタイトル等が表示されている。なお、図10中、五芒星形で表示されているマークは、車両の目的地を示す第3マークM3である。
【0073】
次にステップS103においては、禁止解除ボタンIC3に基づく出力信号により該禁止解除ボタンIC3が操作されたか否かを判定する。そして、禁止解除ボタンIC3が操作されていないと判定された場合には(ステップS103においてNO)そのままリターンする。一方、ステップS103で禁止解除ボタンIC3が操作されたと判定された場合には、ステップS104に移行して運転者等の乗員により1個ないし複数個の自動停止禁止位置が選択されているか否かを判定する。
【0074】
ここで、上記自動停止禁止位置の選択は、次のようにして行われる。すなわち、上述したように本実施形態では、表示画面21aにタッチパネルを採用しているため、表示されている第1または第2マークM2のうち、エンジンの自動停止を実行したい位置に対応するマークが表示された表示画面21a上の特定の部位を触れることによって自動停止禁止位置の選択を行うことができる。
【0075】
このステップS104においてNOと判定された場合には、表示画面21a上に例えば「エンジンの実行停止を実行したい位置を選んでください。」等の選択操作の催促を表示して(ステップS105)、ステップS103にリターンする。一方、ステップS104において一ないし複数の自動停止禁止位置が選択されている場合には(ステップS104でYES)、選択されている実行停止禁止位置をリセットする(ステップS106)。すなわち、選択されている実行停止禁止位置情報を上記自動停止禁止条件から抹消する。具体的には、記憶手段41に記憶されている自動停止禁止位置情報のうち運転者等の乗員により選択された自動停止禁止位置情報を消去する。第2マークM2を選択することにより自動停止禁止位置が選択された場合にはこの第2マークM2に対応する自動停止禁止位置情報の消去とともに、この自動停止禁止位置情報と関連付けられた経路情報を記憶手段41から消去する。
【0076】
以上説明したエンジン制御装置によれば、予め設定された自動停止条件、再始動条件及び、設定された自動停止禁止条件が成立したときにエンジンの自動停止、再始動及び、エンジンの自動停止の禁止が実行されるようになっている。
【0077】
そして、車両用ナビゲーション装置21により車両の現在位置を特定することができ、そして、車両の停止中に実行禁止入力スイッチW4による禁止指令入力があった場合に、表示制御手段2を介してその停止中車両の現在位置が禁止位置記憶手段も兼ねる記憶手段41に記憶され、この記憶手段41に記憶された位置で上記自動停止条件が成立した場合でも、エンジンの自動停止を禁止するように制御手段40が構成されている。従って、車両が停止した場合に、乗員が経験上、或いは周りの道路環境を見渡して道路環境の個別状況を把握した上で、該停止中の車両の現在位置においてはエンジンの自動停止制御を実行するよりもその自動停止制御を禁止した方が車両の円滑な発進、走行を確保することができると判断した場合には、乗員の意思に基づいて実行禁止入力スイッチW4を押圧操作することにより該位置を自動停止禁止位置として個別に設定することができる。このような乗員による判断が下される具体的状況としては、例えば、走行経路上に信号が近接して設置されているような道路環境において手前側の信号により停車した場合に、エンジンの自動停止・再始動が行われると車両の迅速な発進が困難で奥側の信号においてさらに停車を強いられることが経験上明らかである場合、エンジンの自動停止が実行されると運転者等の乗員において不快感が募る一方、従来の装置では停車の度にエンジンの自動停止を禁止するための切換操作を強いられるといった車両の円滑な発進が阻害される負担が増大する結果となる。このような場合でも、本実施形態のエンジン制御装置によれば、乗員の意思に基づいてエンジンの自動停止の実行を禁止する位置を個別に設定することができ、その後においては自動停止禁止位置として記憶手段41に記憶されることから、乗員の希望に応じた場所でエンジンの自動停止が実行されるようになり、乗員の負担を軽減することができる。
【0078】
一方、上記のようにエンジンの自動停止の実行禁止が乗員の希望に応じて行われるので、同一の道路環境においてエンジンの自動停止を禁止する位置と、実行する位置とを分けることができ、乗員の負担の軽減を図りながら燃料の節約及び排気エミッションの向上を図ることができる。
【0079】
しかも、実行禁止入力スイッチW4を押圧操作するだけで、上記したように停止している車両の現在位置をエンジンの自動停止を禁止する位置として設定できるので、道路環境の個別状況を的確に把握することができ、簡単な操作で設定することができる。このため、自動停止禁止位置の設定を的確かつ簡便に行うことができる。
【0080】
また、この装置では、所定時間内の実行禁止入力スイッチW4を1回押圧操作するだけで、エンジンの自動停止の実行を全面的に禁止することができる、すなわち所定時間内の実行禁止入力スイッチW4の押圧回数を変更することにより、車両の現在位置に拘わらずエンジンの自動停止が禁止されるので、乗員の気分に応じて適宜切り換えることができ、乗員の負担をさらに軽減することができる。しかも、禁止指令入力と全面禁止入力とを実行禁止入力スイッチW4の操作回数により区別するものとなされているので、装置を簡素化等することができる。
【0081】
さらに、経路情報提供手段としての車両用ナビゲーション装置21及び表示制御手段2を備え、記憶手段41は、車両用ナビゲーション装置21等による経路情報提供中に実行禁止入力スイッチW4による禁止指令入力あった場合には、車両の現在位置を該現在位置からの所定距離に亘る経路情報と関連付けて記憶するように構成されている。また、制御手段40(エンジン制御手段1)、特に自動停止禁止手段7は、提供されている経路情報の少なくとも一部が記憶手段41に記憶されている一致する場合に、この記憶されている経路情報と関連付けられた位置でのエンジンの自動停止を禁止するように構成されている。従って、エンジンの自動停止の禁止を実行する位置を、車両の走行予定経路を加味して判断することができ、走行経路と対応付けて個別にエンジンの自動停止の禁止を設定することができる。このため、エンジンの自動停止を禁止する特定位置の設定をより乗員の希望に応じて設定することができる。このため、乗員の負担をより一層確実に軽減することができるとともに、燃料の節約及び排気エミッションの向上を図ることができる。
【0082】
また、制御手段40、特に再始動制御手段6は、エンジンの自動停止中に上記実行禁止入力スイッチW4からの入力があった場合に、上記再始動条件に拘わらずエンジンを自動的に再始動させるように構成されているので、その入力後において停止中の車両をスムーズに発進させることができ、乗員の負担を軽減し、しかも燃料の節約及び排気エミッションの向上を図ることができる。
【0083】
なお、以上にこの発明に係る車両のエンジン制御装置の実施形態について説明したが、この発明に係るエンジン制御装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の趣旨に反しない範囲で種々の変更が可能である。
【0084】
(1)上記実施形態では、エンジン制御手段1は自動停止制御手段5と自動停止禁止手段7とを備えて構成されているが、エンジン制御手段1の構成はこれに限定するものではなく、例えば自動停止禁止手段7の機能を自動停止制御手段に行わせるものであってもよい。すなわち、自動停止禁止入力手段の入力に基づいて自動停止条件を補正するものであってもよい。
【0085】
(2)上記実施形態では、実行禁止入力スイッチW4の押圧回数に応じて全面禁止入力(1回の押圧操作)と禁止指令入力(2回の押圧操作)とを区別するように構成され、経路情報提供中に禁止指令入力があった場合に記憶手段41に条件付自動停止禁止位置情報が記憶されるように構成されているが、例えば上記構成に加え、経路情報提供中に実行禁止入力スイッチW4が3回押圧操作された場合に停止中車両の現在位置を経路情報とは無関係に自動停止禁止位置として記憶手段41に記憶させるものであってもよい。
【0086】
(3)上記実施形態では、表示制御手段2が所定時間内における上記自動停止禁止入力手段である実行禁止入力スイッチW4の入力回数(押圧回数)を計測し、この入力回数に応じて禁止指令入力と全面禁止入力とを区別して制御するように構成されているものについて説明しているが、自動停止禁止入力手段からの禁止指令入力と全面禁止入力とを区別する具体的な構成としては、上記のものに限定されない。例えば、上記制御手段は、上記自動停止禁止入力手段の操作時間を計測し、この操作時間に応じて上記禁止指令入力と全面禁止入力とを区別して制御するように構成されているものであってもよい。具体的には、表示制御手段は、実行禁止入力スイッチの押圧操作時間を計測し、所定時間よりも長ければ全面禁止入力であると判断するように構成されているものであってもよい。
【0087】
(4)自動停止禁止入力手段は、スイッチとして構成されるものだけでなく、音声入力可能なもの等、その他の入力手段であってもよい。
【0088】
(5)上記実施形態では、エンジン制御装置の制御手段40の制御によって、車両用ナビ装置21等により経路情報を提供するように構成されているが、この構成に代えて、車両用ナビ装置21に別途CPUを設けることも可能である。このように構成することにより、車両用ナビ装置21のCPUが経路情報を提供し、エンジン制御装置の制御手段40が自動停止、再始動、自動停止禁止等の制御を実行することが可能となる結果、各処理に対する処理速度を向上させることができる。しかも、周知の車両用ナビ装置を可及的に設計変更せずに使用することが可能となる。上記のように構成した場合には、上記表示制御手段2が記憶手段41から自動停止禁止位置情報を読み出すとともに、これを車両用ナビ装置21のCPUへ出力し、車両用ナビ装置21のCPUが当該自動停止位置情報を表示画面21aへ表示することとなる。そして、実行禁止入力スイッチW4により自動停止禁止位置が設定された場合には、車両用ナビ装置21のCPUが当該設定内容をエンジン制御装置の制御手段40へ出力し、この制御手段40が上記設定内容に応じて、記憶手段41内の自動停止禁止条件の更新を行うこととなる。
【0089】
(6)上記実施形態においては、記憶手段41内に地図情報が記憶されているが、この構成に代えて、車両用ナビ装置21に別途記憶媒体読取手段を設け、記憶媒体(例えばDVD−ROM等)に記憶された地図情報を読み取らせるようにしてもよい。
【0090】
(7)上記実施形態では、エンジンのカムシャフトを回転駆動する再始動モータ42を作動させることにより、停止状態にあるエンジンを自動的に再始動させるように構成した例について説明したが、この構成に代えて上記特許文献1の実施形態に開示されているように、エンジンの出力軸により駆動されるモータ・ジェネレータを再始動用のモータもしくはエンジン始動用のセルフスタータを使用してエンジンを自動的に再始動させ、あるいは特願2002−287471号で採用されているようにエンジンの自動停止後に再始動させる際に、膨張行程にある気筒に対して燃料噴射させて点火、燃焼を行わせることによりエンジンを再始動させるように構成してもよい。
【0091】
【発明の効果】
以上説明したように、予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御する制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、道路地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、上記道路地図情報と関連付けて車両の現在位置を検出する位置検出手段と、停止中車両の現在位置におけるエンジンの自動停止の禁止を上記制御手段に入力する自動停止禁止入力手段と、この自動停止禁止入力手段による禁止指令入力があった際の現在位置を記憶する禁止位置記憶手段とを備え、上記制御手段は、上記禁止位置記憶手段に記憶された特定の禁止位置で上記自動停止条件が成立した場合でも、上記エンジンの自動停止を禁止するように構成されているため、道路環境の特定位置をエンジンの自動停止を禁止する位置として個別に設定することができ、エンジンの自動停止の実行禁止制御を乗員の希望に応じて実行させて乗員の負担を軽減するとともに、同一の道路環境における上記自動停止禁止位置として設定した位置以外の位置ではエンジンの自動停止を実行して燃料の節約及び排気エミッションの向上を図ることができる。しかも、停止している車両の現在位置をエンジンの自動停止を禁止する位置として設定するので、道路環境の個別状況を的確に把握した上で、かつ自動停止禁止入力手段による入力だけで禁止位置の設定を行うことができ、その設定を的確かつ簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両のエンジン制御装置の実施形態を示すブロック図である。
【図2】 エンジンの自動停止条件を示す表である。
【図3】 エンジンの再始動条件を示す表である。
【図4】 エンジンの自動停止禁止条件を示す表である。
【図5】 車両用ナビ装置を示す正面図である。
【図6】 エンジン制御装置による制御動作を示すフローチャートである。
【図7】 自動停止禁止条件の追加設定時におけるエンジン制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図8】 表示画面に自動停止禁止位置を表示する場合、及び追加された自動停止禁止位置を抹消する場合におけるエンジン制御装置の制御動作を示すフローチャートである。
【図9】 経路情報提供中でない場合に実行禁止位置表示スイッチが押圧操作された場合に表示される画面を示す画面図である。
【図10】 経路情報提供中に実行禁止位置表示スイッチが押圧操作された場合に表示される画面を示す画面図である。
【符号の説明】
1 エンジン制御手段
2 表示制御手段
5 自動停止制御手段
6 再始動制御手段
7 自動停止禁止手段
21 車両用ナビゲーション装置
21c 位置検出手段
40 制御手段
41 記憶手段(地図情報記憶手段、禁止位置記憶手段)
W4 実行禁止入力スイッチ(自動停止禁止入力手段)
Claims (4)
- 予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御する制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
道路地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、上記道路地図情報と関連付けて車両の現在位置を検出する位置検出手段と、現在の車両の停止位置におけるエンジンの自動停止を禁止する指令信号を乗員による操作に基づき上記制御手段に入力するとともに、この禁止指令入力に加え、車両の現在位置に拘わらずエンジンの自動停止を全面的に禁止する全面禁止入力を乗員による操作に基づき上記制御手段に入力する自動停止禁止入力手段と、この自動停止禁止入力手段による禁止指令入力があった際の現在位置を自動停止禁止位置として記憶する禁止位置記憶手段とを備え、
上記制御手段は、所定時間内における上記自動停止禁止入力手段の入力回数を計測し、この入力回数に応じて上記禁止指令入力及び全面禁止入力を区別するように構成されるとともに、上記禁止指令入力に応じて上記禁止位置記憶手段に記憶された自動停止禁止位置で上記自動停止条件が成立した場合でも、上記エンジンの自動停止を禁止するように構成されていることを特徴とする車両のエンジン制御装置。 - 予め設定された自動停止条件が成立したときにエンジンを自動的に停止させるとともに、エンジンの自動停止中に予め設定された再始動条件が成立したときにエンジンを自動的に再始動させるように制御する制御手段を備えた車両のエンジン制御装置において、
道路地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、上記道路地図情報と関連付けて車両の現在位置を検出する位置検出手段と、現在の車両の停止位置におけるエンジンの自動停止を禁止する指令信号を乗員による操作に基づき上記制御手段に入力するとともに、この禁止指令入力に加え、車両の現在位置に拘わらずエンジンの自動停止を全面的に禁止する全面禁止入力を乗員による操作に基づき上記制御手段に入力する自動停止禁止入力手段と、この自動停止禁止入力手段による禁止指令入力があった際の現在位置を自動停止禁止位置として記憶する禁止位置記憶手段とを備え、
上記制御手段は、上記自動停止禁止入力手段の操作時間を計測し、この操作時間に応じて上記禁止指令入力と全面禁止入力とを区別するように構成されているとともに、上記禁止指令入力に応じて上記禁止位置記憶手段に記憶された自動停止禁止位置で上記自動停止条件が成立した場合でも、上記エンジンの自動停止を禁止するように構成されていることを特徴とする車両のエンジン制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両のエンジン制御装置において、車両の目的地を予め設定することにより上記道路地図情報及び車両の現在位置に基づいて車両の目的地までの経路情報を提供する経路情報提供手段を備え、上記禁止位置記憶手段は、上記経路情報提供手段による経路情報提供中に上記自動停止禁止入力手段により上記禁止指令入力操作があった場合に、車両の現在位置を該現在位置からの所定距離に亘る経路情報と関連付けて記憶するように構成されている一方、上記制御手段は、上記経路情報提供手段により提供されている経路情報の少なくとも一部が上記禁止位置記憶手段に既に記憶されている経路情報と一致する場合にこの記憶されている経路情報と関連付けられた位置でのエンジンの自動停止を禁止するように構成されていることを特徴とする車両のエンジン制御装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車両のエンジン制御装置において、上記制御手段は、エンジンの自動停止中に上記自動停止禁止入力手段による入力操作があった場合に、上記再始動条件に拘わらずエンジンを自動的に再始動させるように構成されていることを特徴とする車両のエンジン制御装置。
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