JP2011202638A - アイドルストップ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像センサ等を用いることなく、簡単かつ安価な構成で、一旦停止の標識が出現する裏通り等を走行する場合や、渋滞等の場合には、走行中のアイドルストップが働かないようにしてエンジンの不要な停止、再始動を行なわないようにする。
【解決手段】制御処理部7の走行状態判断手段により、所定速度以上の走行状態が所定時間以上継続するか否かを判断する。このとき、継続しなければ一旦停止の標識が繰り返し出現する裏通りや田舎道などの走行中や渋滞中等である。そして、制御処理部7のアイドルストップ許可手段により、走行状態判断手段の継続の判断に基づいて走行中のアイドルストップを許可し、走行状態判断手段が継続しないと判断したときは走行中のアイドルストップを禁止し、一旦停止の標識が出現する裏通り等を走行する場合や、渋滞等の場合には、走行中のアイドルストップが働かないようにしてエンジンの不要な停止、再始動を行なわないようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定条件が成立する減速走行中にエンジンを停止する走行中のアイドルストップの機能を備えたアイドルストップ制御装置に関し、詳しくは、走行中のアイドルストップによるエンジンの不要な停止、再始動の防止に関する。
従来、車両のアイドルストップ制御装置は、ブレーキペダルが踏み込まれて車両の走行が完全に停止することを条件としてアイドルストップの制御を行なう。具体的には、車両の走行が完全に停止すると、その停止中にブレーキ液圧が第1基準液圧(エンジン停止判定液圧)以上になることにより、エンジンを停止してアイドルストップに制御する。この場合、アイドルストップ中にブレーキペダルの踏み込みが緩められて前記第1基準液圧より低い第2基準液圧(エンジン始動判定液圧)を下回ると、エンジンが始動されてアイドルストップは終了する(例えば、特許文献1(段落[0023]−[0035]、図1、図3等)参照)。
ところで、信号機は設置されていないが一旦停止の標識が出現する裏通りや田舎道などを走行する場合や、渋滞等の場合には、一旦停止の標識が出現したり、先行車が停止等する毎にアイドルストップが働くと、その都度、走行を停止してエンジンが停止してから、エンジンを再始動して再び走行することになるので、煩わしく、ドライバに不快感を与え、また、停止することによって後続車との衝突の可能性も生じる。
そこで、一旦停止の標識が出現する裏通りや田舎道などを走行する場合に関しては、CCDカメラ等の画像センサを備え、その撮影画像から一旦停止の標識の地点等を認識し、そのような地点ではアイドルストップを行なわないようにすることが提案されている(例えば、特許文献2(段落[0014]−[0020]、[0048]−[0049]、図1等)参照)。
特開平11−270378号公報 特開2001−50076号公報
前記特許文献1に記載のアイドルストップ制御装置は、ブレーキペダルが踏み込まれて車両の走行が完全に停止することを条件としてアイドルストップに制御している。
一方、最近のアイドルストップ制御装置においては、燃費向上等を図るため、ブレーキペダルが踏み込まれて車速が所定値以下になり、かつ、ブレーキ液圧やブレーキペダルの踏み込み量で代表されるブレーキ度合いが所定値以上になることを所定条件とし、この所定条件が成立する減速走行中にエンジンを停止する、走行中のアイドルストップの機能を備え、車両の走行が完全に停止することを条件とする従来からのアイドルストップに優先して走行中のアイドルストップを行なうことが考えられている。
図4は上記の走行中のアイドルストップと車速等との関係を示し、実線aが車速、実線bがエンジンの回転数である。そして、アイドルストップを行なうため、時刻t1にブレーキペダルの踏み込みが開始され、時刻t2に前記所定条件を満足すると、走行中の時刻t3にエンジンが停止し、アイドルストップの状態になる。そして、時刻t4に車速が0になって走行が停止する。
このとき、直ちに走行を再開するため、走行停止後の時刻t5にブレーキペダルの踏み込みが緩められると、エンジンが再始動されて走行が再開される。なお、破線cは走行停止後にエンジンを停止するアイドルストップが働く場合を示し、この場合は、例えば時刻t7にエンジンが停止するので、その後にエンジンの再始動が可能になる。
そして、走行中のアイドルストップが働く場合にも、前記した一旦停止の標識が出現する裏通りや田舎道などを走行する場合や、渋滞等の場合には、エンジンを一旦停止して再始動するので、煩わしく、ドライバに不快感を与え、さらに、エンジンを再始動するまで車速が低下して後続車との衝突の可能性も生じる。
ところで、走行停止後にアイドルストップが働く場合、走行停止後、図4の所定期間τの経過を待ってからエンジンを停止することが考えられる。この場合、所定期間τ内にはエンジンが停止しないのでエンジンを再始動することなく、速やかに走行を開始できる。反面、停止期間τにもエンジンが回転し続けるので燃費の面で効率が悪い。
一方、走行中のアイドルストップが働く場合、走行が停止したときには既にエンジンが停止しているので、所定期間τを設けて上記のようにエンジンの再始動を行なわないようにすることはできない。
そこで、走行中のアイドルストップが働く場合は、前記特許文献2に記載のアイドルストップ制御装置のように、画像センサを備え、その撮影画像から一旦停止の標識等を認識し、一旦停止の標識がある地点ではアイドルストップが働かないようにしてエンジンの停止、再始動を行なわないようにすることが考えられるが、この場合は、高価な画像センサ(カメラ)が必要であり、処理が複雑になるとともに高価になる。
本発明は、画像センサ等を用いることなく、簡単かつ安価な構成で、一旦停止の標識が出現する裏通り等を走行する場合や、渋滞等の場合には、走行中のアイドルストップが働かないようにしてエンジンの不要な停止、再始動を行なわないようにすることを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明のアイドルストップ制御装置は、所定条件が成立する減速走行中にエンジンを停止する走行中のアイドルストップの機能を備えたアイドルストップ制御装置であって、所定速度以上の走行状態が所定時間以上継続するか否かを判断する走行状態判断手段と、前記走行状態判断手段の前記継続の判断により前記走行中のアイドルストップを許可するアイドルストップ許可手段とを備えたことを特徴としている(請求項1)。
請求項1に係る本発明のアイドルストップ制御装置の場合、裏通りや田舎道などの走行中や、渋滞で断続的に進むような場合には、一旦停止の標識の出現や先行車の停止等により、その都度、ブレーキペダルが踏みこまれて車速が低下することに着目し、走行状態判断手段により、所定速度以上の走行状態が所定時間以上継続するか否かを判断する。このとき、そのような走行状態が継続すれば一旦停止の標識が出現しない幹線道や高速道等を渋滞等なくスムーズに走行しているときであり、継続しなければ、一旦停止の標識が繰り返し出現する裏通りや田舎道などの走行中や渋滞中等である。
そして、アイドルストップ許可手段により、走行状態判断手段の継続の判断に基づいて走行中のアイドルストップを許可し、走行状態判断手段が継続しないと判断したときは走行中のアイドルストップを禁止する。
したがって、画像センサ等を用いることなく、簡単かつ安価な構成で、一旦停止の標識が出現する裏通り等を走行する場合や、渋滞等の場合には、走行中のアイドルストップが働かないようにしてエンジンの不要な停止、再始動を行なわないようにすることができる。
本発明の一実施形態のアイドルストップ制御装置の一部のブロック図である。 図1の動作を説明するための異なる車速例の波形図である。 図1の動作説明用のフローチャートである。 走行中のアイドルストップを説明するための車速、ブレーキ液圧の一例の波形図である。
つぎに、本発明をより詳細に説明するため、一実施形態について、図1〜図3を参照して詳述する。なお、以下の説明においては、アイドルストップを「IDS」と称し、走行中のIDSを「減速時IDS」と称する。
図1は車両1に搭載された本実施形態のIDS制御装置のエンジン制御の要部を示し、図1において、2は車速を検出する車速センサ、3はブレーキ機構(図示せず)のブレーキ液圧(具体的にはマスタシリンダのブレーキ液圧)を検出するブレーキ液圧センサ、4はストップランプ(図示せず)の点灯中にオンするストップランプスイッチ、5はエンジン(図示せず)の回転数を検出するエンジン回転数センサ、6はハンドルの操舵量を検出する舵角センサである。
7はマイクロコンピュータ等からなるECU構成の制御処理部であり、時計部71を内蔵し、予め設定されたIDS制御の各種プログラムを実行して本発明の走行状態判断手段、IDS許可手段等を形成し、スタータ8を介してエンジンの始動を制御する。また、E/G(エンジン)ECU9を介してエンジンを停止する。
なお、スタータ8は、「タンデムソレノイドスタータ」と呼ばれる、モータとピニオンを独立制御可能な構造の周知のスタータであり、このスタータ8を用いると、エンジンの停止制御中(回転中)にもエンジンの再始動が可能となり、始動のタイムラグを少なくできる利点がある。
制御処理部7の走行状態判断手段は、(1)所定速度(例えば、40km/h)Va以上の走行状態が所定時間(例えば、10秒)Ta以上継続することを減速時IDS許可条件とし、車速センサ2が検出する車速Vxと、時計部71のクロックとに基づき、所定速度Va以上の走行状態が所定時間Ta以上継続するか否かを判断する。
一旦停止の標識が出現しない幹線道や高速道等の走行中には、所定速度Va以上の走行状態が所定時間Ta以上継続し、一旦停止の標識が繰り返し出現する裏通りや田舎道などでは、その都度ブレーキペダルが踏み込まれて減速し、所定速度Va以上の走行状態が所定時間Ta以上継続することが少ないからである。
図2は上記減速時IDSの許可条件と車速Vxとの関係を示し、実線dは所定速度Va
であり、実線eは所定速度Va以上の走行状態が所定時間Ta以上継続する車速Vxの例であり、実線fは所定速度Va以上の走行状態が所定時間Ta継続しない車速Vxの例である。
ところで、本実施形態の場合、走行状態をさらに詳しく分類し、減速時IDSを許可するだけなく、禁止する判断も行なうため、走行状態判断手段には、つぎの(2)〜(5)の減速時IDS禁止条件(取消条件)も設定される。
(2)後述する前回停止直後始動を検知してから所定時間(例えば1分)Tb以上経過している。
なお、前回停止直後始動とは、停止からエンジンの再始動までの時間が所定値(例えば2秒)Tc以下と短いエンジンの再始動である。
そして、走行状態判断手段は、車速Vxから走行停止を検出し、エンジン回転数センサ5の回転数からエンジンの始動(再始動)、停止を検出し、さらに、走行停止からエンジンの再始動までの時間を時計部71のクロックで計時する。そして、走行状態判断手段は、計時した時間が所定値(例えば2秒)Tc以下であれば、そのような瞬時の走行停止後のエンジンの再始動からの経過時間を時計部71のクロックで計時して所定時間Tb以上経過したか否かを検知する。そのような瞬時の走行の停止は本来は停止したくない一旦停止の標識の地点等で発生し、そのようなときは減速時IDSは禁止すべきだからである。
(3)車速Vxが所定速度(例えば30km/h)Vb以下で舵角センサ6の操舵角θxが所定値(例えば90°)θa以上になった。
このとき、右折や左折が行なわれて車両1の走行路が変わったので、減速時IDSが許可されていれば、その許可を一旦取り消し、走行停止後のIDSだけを行なうようにすることが、不要なエンジンの停止や再始動が発生せず、好ましいからである。
(4)前回停止から所定時間(例えば5分)Td以上、走行停止を検知していない。
幹線路等の走行中は、通常、交通信号機が1〜2分以内で現れ、その時間間隔で車両1は走行と停止を繰り返す。そのため、車速Vxが5分以上0にならず、車両1が停止しない場合は、高速道路や自動車専用道路等の信号機が少ない道路の走行中である。このような場合、減速時IDSが許可されていれば、その許可を一旦取り消し、従来と同じ走行停止後のIDSを行なうようにすることが、不要なエンジンの停止や再始動が発生せず、好ましいからである。
(5)エンジンが停止した。
エンジン回転数センサ5のエンジン回転数から、エンジンの停止を検出したときは、減速時IDS禁止の初期状態に戻し、従来と同じ走行停止後のIDSを行なうようにすることが、不要なエンジンの停止や再始動が発生せず、好ましいからである。
制御処理部7のIDS許可手段は、前記(1)の減速時IDS許可条件が成立し、所定速度Va以上の走行状態が所定時間Ta以上継続すると走行状態判断手段が判断したときに、その判断に基づいて、例えば、減速時IDSの許可フラグをオン(セット)する。また、前記(2)〜(5)のいずれかの減速時IDS禁止条件が成立したときに、走行状態判断手段の判断に基づいて、前記減速時IDSの許可フラグをオフ(リセット)する。
ところで、制御処理部7は、減速時IDSの主制御手段により、例えば、車速Vxがしきい値車速(数km/h)Vα以下(Vx≦Vα)に低下し、かつ、ブレーキ液圧センサ3のブレーキ液圧Pxが十分なブレーキ力のしきい値圧Pα以上(Px≧Pα)になること、すなわち、「Vx≦VαかつPx≧Pα」の所定条件が成立することにより、減速時IDSの制御を実行し、E/GECU9を介してエンジンに与える停止指令を発生する。なお、前記所定条件は、ストップランプの点灯も加え、「Vx≦VαかつPx≧Pαかつストップランプスイッチ4のオン(点灯)」であってもよい。
そして、IDS許可手段の前記減速時IDSの許可フラグは、減速時IDSを実行する際の追加の条件フラグであり、前記減速時IDSの許可フラグがセットされていれば、主制御手段の前記停止指令によるエンジンの停止が行なわれて減速時IDSが実行される。一方、前記減速時IDSの許可フラグがリセットされているときは、主制御手段の前記停止指令によるエンジンの停止が行なわれず、減速時IDSは実行されない。
なお、減速時IDSが実行されない場合、IDSがドライバの操作で解除されない限り、制御処理部7は、ブレーキペダルが踏み込まれて車両1の走行が完全に停止することを条件としてIDSの制御を実行する。
図3は制御処理部7の走行状態判断手段、IDS許可手段による減速時IDSの許可、禁止の処理手順例を示し、まず、減速時IDSの禁止中(減速時IDSの許可フラグがリセット)か否かを判断し(ステップS1)、禁止中であれば、ステップS1をYESで通過する。そして、前記(1)の減速時IDSの許可条件の成立を判断するため、Vx≧Vaか否かを判断し(ステップS2)、Vx≧Vaであれば、ステップS2をYESで通過し、その状態がTa以上継続しているか否かを判断し(ステップS3)、継続していれば、減速時IDS許可条件が成立するので、ステップS3をYESで通過し、許可フラグをセットして減速時IDSを許可する(ステップS4)。なお、ステップS2、S3において、Vx≧Va、Vx≧Vaそれぞれでなければ、ステップS2、S3をNOで通過してステップS1に戻る。
ステップS1において、減速時IDSの禁止中でなければ(減速時IDSの許可フラグがセットされている)、ステップS1をNOで通過する。そして、前記(2)〜(5)の減速時IDSの禁止条件の成立を、例えば(4)、(3)、(2)、(5)の順に判断するため、まず、前回停止からTd以上、走行停止を検知しないで経過しているか否かを判断する(ステップS5)、経過していなければステップS5をNOで通過し、Vx≦Vbかつθx≧θaか否かを判断する(ステップS6)、Vx≦Vb、かつ、θx≧θaでなければステップS6をNOで通過し、前回停止直後始動を検知してからTb以上経過したか否かを判断し(ステップS7)、経過していなければステップS7をNOで通過し、エンジンが停止したか否かを判断し(ステップS8)、停止していなければステップS8をNOで通過してステップS1に戻る。
一方、ステップS5〜S8のいずれかの条件が成立すると、ステップS5〜S8のいずれかをYESで通過し、許可フラグをリセットして減速時IDSを禁止する(ステップS9)。
したがって、前記実施形態の場合、一旦停止の標識が繰り返し出現する裏通りや田舎道などを走行する場合や、渋滞等の場合には、一旦停止の標識が出現する毎、あるいは、先行車が停止等する毎に、プレーキペダルが多少は踏み込まれて減速し、Vx≧Vaの走行が所定時間Ta継続することがないことから、減速時IDSが許可されず、画像センサ等を用いることなく、簡単かつ安価な構成で、減速時IDSが働かないようにしてエンジンの不要な停止、再始動を行なわないようにすることができ、エンジン停止を繰り返す不快感を取り除き、減速時IDSによる燃費向上の利点を得ることが可能となる。
また、減速時IDSが許可されていても、前記(2)〜(5)の条件の成立に基づいてさらに適切に減速時IDSが禁止されるので、エンジンの不要な停止、再始動を一層適切に行なわないようにすることができる。
そして、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行なうことが可能であり、例えば、少なくとも前記(1)の減速時IDS許可条件が成立するか否かを判断すればよく、前記(2)〜(5)の減速時IDS禁止条件(取消条件)が成立するか否かの判断は一部または全部を省いてもよい。逆に、減速時IDS許可条件、減速時IDS禁止条件(取消条件)として前記(1)〜(5)と異なる条件を追加してもよい。
また、制御処理部7の構成および処理手順等は、前記実施形態の構成および処理手順等に限るものではない。
さらに、所定速度Va,Vb、所定時間Ta、Tb、Td、所定値Tc,θa等は、実験等に基づいて、適当に設定してよいのは勿論である。
そして、本発明は、種々の車両のアイドルストップ制御装置に適用できる。
1 自車
7 制御処理部

Claims (1)

  1. 所定条件が成立する減速走行中にエンジンを停止する走行中のアイドルストップの機能を備えたアイドルストップ制御装置であって、
    所定速度以上の走行状態が所定時間以上継続するか否かを判断する走行状態判断手段と、
    前記走行状態判断手段の継続の判断により前記走行中のアイドルストップを許可するアイドルストップ許可手段とを備えたことを特徴とするアイドルストップ制御装置。
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