JP2004217911A - 吸水性樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加圧下吸収倍率、初期の吸収立ち上がり、戻り量の少ない吸水性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 水溶液重合で得られる吸水性樹脂と逆相懸濁または逆相乳化重合で得られる吸水性樹脂とを含み、CSFが20g/g以上、またはAAPが20g/g以上、またはSFC10(単位10−7×cm×s×g−1)以上である。異なる製造方法で得られる樹脂はその形状を異にし、該樹脂同士の間隙が毛管現象に至適な間隙幅となり、加圧下吸収倍率に優れるだけでなく、界面活性剤や乳化剤などの影響も受けずに、戻り量が少なく初期の立ち上がりに優れる樹脂組成物となる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、異なる重合方法で得られる形状の違う複数の吸水性樹脂の混合物であって、かつ加圧下吸収倍率、通液性(生理食塩水流れ誘導性)、毛管吸収倍率、初期の吸収立ち上がり、戻り量の減少など吸収特性に優れる吸水性樹脂組成物に関する。
自重の数十倍から数百倍の水を吸収する吸水性樹脂が開発され、生理用品や紙おむつ等の衛生材料分野をはじめとして、農園芸用分野、鮮度保持等の食品分野、結露防止や保冷材等の産業分野等、吸水や保水を必要とする用途に種々に使用されている。このような吸水性樹脂として、例えば、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体の鹸化物、アクリロニトリル共重合体の加水分解物またはその架橋体、ポリエチレンイミン架橋体やポリアリルアミン架橋体などの架橋重合体、部分中和型ポリアクリル酸塩架橋体等が知られている。
吸水性樹脂は、その用途に応じて要求される性能が異なり、例えば、紙おむつなどの衛生材料向けの吸水性樹脂に望まれる特性としては、水性液体に対する加圧下での高い吸水倍率に優れる必要がある。このため、吸水性樹脂の表面近傍の分子鎖を架橋させて表面層の架橋密度を上げ、重合体が吸水して膨潤したときに液体が移動できる空隙を粒子間に確保し、それにより吸水性樹脂を加圧したときにも吸水倍率を低下させない技術がある。ところが、一般に表面積の大きさと加圧下吸収倍率とは相反し、粒子の表面積を大きくすると架橋剤の均一な混合が困難になるため均一な表面架橋が困難になる。特定の界面活性剤存在下の逆相懸濁重合で得られる表面多孔性アクリル酸ナトリウム重合体表面近傍を架橋処理する方法(特許文献1、特許文献2、特許文献3)などがあるが、これらの方法においても、多孔性重合体の表面近傍を架橋処理する場合、加圧下での吸水倍率を高めるため表面架橋密度を高くすると、多孔性重合体ではその構造上架橋密度の制御が困難なため、表面の親水度が低下する。その結果、たとえ多孔性重合体を用いても、結局は吸水速度が低下するなどの問題があった。
一方、特性の異なる複数の吸水性樹脂を混合して吸水性樹脂の特性を向上させる技術がある。例えば、1000〜500μmと750〜250μmにそれぞれ粒度分布のピークを有する吸水剤が開示されている(特許文献4)。分布をもたせた粗粒子と微粒子とを混在させると粒子間に適度な空隙の確保された適度な不連続配列が実現されるため、横方向への速やかな拡散と垂直方向への素早い吸収の両方を満足する吸収性物品が得られるとしている。また、粉末状の吸水性樹脂であって、粒度分布の正規標準偏差が130以上であり、好ましくは前記粒度分布がピークを2つ以上有するものである吸水性樹脂が開示されている(特許文献5)。互いに平均粒径の異なる二種以上の粉末状の吸水性樹脂を得るために、吸水性樹脂を分級した後、分級によって得られた互いに重複しない粒度範囲の二種以上の吸水性樹脂を混合している。また、吸水性樹脂粒子の表面に、前記吸水性樹脂粒子の吸収倍率よりも低い吸収倍率を有する吸水性微粒子が固着してなる吸水剤が開示されている(特許文献6)。更に、生理食塩水に対する無荷重下での吸収量が55g/g以上かつ吸収速度が40秒以下の吸水性樹脂(A1)と、生理食塩水に対する40g/cm荷重下での吸収量が20g/g以上かつゲル弾性率が750N/m以上の吸水性樹脂(A2)からなり、(A1):(A2)が質量基準で(3:7)〜(7:3)の比率で混合されてなる吸収性物品に好適な吸水剤が開示されている(特許文献7)。なお、上記、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7では、実施例において水溶液重合して得られる吸水性樹脂を混合して使用している。
一方、二つ以上の頻度分布を有し、且つその最大メジアン粒子径に対するそれより小さなメジアン粒子径の比が1/3000〜1/1.5の範囲にあるビーズ状吸水性樹脂単粒子を結着してなり、平均粒子径が200〜10000μmであることを特徴とする顆粒状吸水性樹脂が開示されている(特許文献8)。該顆粒状吸水性樹脂は、逆相懸濁重合において途中で撹拌速度を変えることで該粒子を得ている。
更に、吸収速度の速い吸水性樹脂と吸収速度の遅い吸水性樹脂を90/10〜10/90の比で使用し、吸収性樹脂濃度が70質量%以上の吸収体が開示されている(特許文献9)。また、2つの超吸収体粉末の組み合わせにより毛管吸収能を高めることも開示されている(特許文献10)。
国際公開94/2053号公報 特表平6−519801号公報 欧州特許第0695762号明細書 特開平11−28355号公報 特開平11−246625号公報 特開平11−333292号公報 特開2000−15093号公報 特開平11−130968号公報 特開2000−354760号公報 特表2000−513392
しかしながら、特開平11−28355号公報、特開平11−246625号公報、特開平11−333292号公報、特開2000−15093号公報で使用される吸水性樹脂は、いずれも水溶液重合で得られた重合体を粉砕して得られる不定形状の吸水性樹脂であり、そのため嵩比重が比較的低く、吸収体の薄型化や吸水性樹脂をコンパクトに輸送する際に不利である。一方、特開平11−130968号公報や特表2000−513392号公報で使用される吸水性樹脂は、逆相懸濁重合で得られるものであり、球状ないし、その凝集物であるがゆえに、嵩比重は0.9g/ml前後と比較的高いが、吸収体作成時に吸収体から吸水性樹脂が脱落しやすいという問題がある。さらに、逆相懸濁または逆相乳化重合により得られた吸水性樹脂では、メカニズムの詳細は不明であるが、その製造時に界面活性剤や乳化剤等を使用するため、尿等の吸収液の表面張力を低下させ、その結果、吸収体として使用した際に戻り量が増加するという問題がある。
特表2000−513392号公報で記載される毛管吸収能は加圧下吸収倍率のことであり、本発明における毛管吸収倍率とは全く異なり、後段に詳しく説明するが図1に略図を示した装置を用いて測定するものであり、測定試料(吸水性樹脂)を液溜容器の生理食塩水の水面より数十cm高い位置に置いて、その高さでの水柱による負の圧力に抗して液を吸い上げる毛管吸収能力を測定するものである。従来、負の圧力の無い状態つまり液溜容器の液面と試料位置が同じ高さでの吸収能力を測定された例は見られるが(WO88/01282)、吸水性樹脂単体について、このような負の圧力下における毛管吸収能力が測定された例は無く、本発明の方法で用いた吸水性樹脂の毛管吸収能力と吸水樹脂の混合物との相関関係も知られていなかった。
また、吸水性樹脂の用途として紙おむつがある。赤ちゃんが絶えず動き回るため吸水性樹脂に係る荷重が一定せず、高い加圧下吸収倍率を示す吸水性樹脂であっても、圧力に対する吸水能が一定しない場合がある。このため、赤ちゃんの一般体重(10kg前後)から予想される荷重、せいぜい10〜数10g/cmに対して高い加圧下吸水倍率を示すだけでは、吸水性樹脂を実際のおむつに組み込んでも必ずしも満足のいく働きをせず、無加圧下での吸水性や負の圧力下における毛管吸収能力が高く、戻り量が少ないことも極めて重要な要素である。しかしながら、加圧下吸収倍率を高めると表面架橋密度が高くなるために無加圧下吸収倍率が低下し、バランスの良い吸収物性を得ることが困難となり、吸収体の物性改良も不十分である。
本発明者は、吸水性樹脂の重合方法の相違および平均粒度等について詳細に検討した結果、不定形状を有する吸水性樹脂と球状ないしその造粒物である吸水性樹脂とを組み合わせることにより、異なる形状の吸水性樹脂を混合することで、具体的には、水溶液重合により得られた吸水性樹脂および逆相懸濁あるいは乳化重合により得られた吸水性樹脂とを混合し、該混合物の負の圧力勾配下での毛管吸収倍率が20g/g以上、または加圧下吸収倍率が20g/g以上、または生理食塩水流れ誘導性が10以上のいずれかを満たすように調合することで、吸水性樹脂組成物の毛管吸収力や加圧下吸収倍率、尿等を吸収する際における液の拡散性に対してバランス良く、しかも、きわめて吸水性能の高い吸水性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させた。しかも、該吸水性樹脂組成物を紙オムツ等の吸収体として使用した場合は、逆相懸濁あるいは乳化重合により得られた吸水性樹脂を使用するにも関わらず、該吸水性樹脂のみを用いた吸水性樹脂組成物使用の場合に生じる界面活性剤や乳化剤による戻り量増大効果を抑制し、毛管吸収力を高めることが実現できるものである。同時に、嵩比重が高まるために吸収体に使用するとコンパクトな薄型化が容易となり、輸送や貯蔵もコンパクト化が可能である。
本発明によれば、異なる重合方法で得られる複数の吸水性樹脂の混合物を使用することで加圧下吸収倍率や負の圧力下での毛管吸収倍率、生理食塩水流れ誘導性、初期の吸収立ち上がりに優れ、かつバランスの良い吸収物性を示し、戻り量の少ない吸水性樹脂組成物が得られる。特に、従来の逆相懸濁または乳化重合により得られた吸水性樹脂のみを用いた吸水性樹脂組成物ではなしえなかった戻り量の低減に顕著な効果を示す。
本発明の第一は、水溶液重合で得られる吸水性樹脂(R1)と逆相懸濁または逆相乳化重合で得られる吸水性樹脂(R2)とを含み、
(a)0.9質量%生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水溶液)の20cm負の圧力勾配下での毛管吸収倍率が20g/g以上、
(b)4.83kPa下での0.9質量%生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水溶液)の加圧下吸収倍率(60分値)が20g/g以上、
(c)0.69質量%生理食塩水(0.69質量%塩化ナトリウム水溶液)流れ誘導性が10(単位10−7×cm×s×g−1)以上
の上記(a)〜(c)のいずれかを満たす吸水性樹脂組成物である。
一般に、逆相懸濁および逆相乳化重合で得られた重合物はその重合機構に依存して球形状ないしその凝集物を呈し、水溶液重合で得られる重合体はいわゆる不定形状(粉砕形状もしくは破砕形状)となる。本来、逆相懸濁および逆相乳化重合は乳化剤や界面活性剤の存在下に行われるため、得られる吸水性樹脂は表面に乳化剤や界面活性剤をそのまま保持した状態となる。そのため、吸収体として使用した場合、吸水性樹脂表面に存在する乳化剤や界面活性剤が吸収しきれない尿等に対して影響を及ぼし表面張力の低下を引き起こす。そのため、吸収物品として使用する場合に吸収しきれない尿等が吸収体から逆流し、戻り量が増大する弊害が生じる。しかし、重合方法の異なる吸水性樹脂を混合することで結果として、異なる形状の吸水性樹脂を混合することになり、吸水性樹脂相互の間隙の負の圧力下におけるにおける毛管吸収能力が至適なものとなり、その結果、毛管吸収倍率、加圧下吸収倍率(60分値)、生理食塩水流れ誘導性で評価した場合の吸収特性に優れるため、吸水性樹脂組成物濃度が高濃度の吸収体において吸収液拡散性と吸収量が高く、戻り量が少ないバランスの良い吸収物性を示すものと推測される。以下、本発明を詳細に説明する。
(1)吸水性樹脂
本発明で使用する水溶液重合で得られる吸水性樹脂(R1)は、重合方法として、疎水性分散溶媒等モノマーの分散溶媒を用いずに重合性単量体の水溶液を直接重合する方法であり、連続ベルト重合、連続またはバッチニーダー重合等で製造できる。また、本発明で使用する逆相懸濁または逆相乳化重合で得られる吸水性樹脂(R2)としては、重合方法として重合性単量体の水溶液を疎水性有機溶媒に懸濁あるいは乳化させる、モノマーを分散させる重合方法で製造できる。以下、本発明の吸水性樹脂組成物に使用する原料や反応条件等について、以下に説明する。
(i)重合性単量体
本発明の吸水性樹脂(R1)、(R2)に使用する重合性単量体としては、例えば、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、エタアクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、けい皮酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、ビニルリン酸などのアニオン性不飽和単量体およびその塩;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジンなどのノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アルキレンアミン、ビニルアミン、アリルアミン、N−ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、ビニルピリジンアミンオキシド、エチレンイミンおよびそれらの四級塩などのカチオン性不飽和単量体などを挙げることができる。なお、重合性単量体にアニオン性不飽和単量体を用いる場合、その塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩が挙げられる。アルカリ金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、ルビジウム塩等が挙げられるが、得られる重合体の性能、工業的入手の容易さ、安全性等の面から、ナトリウム塩、又はカリウム塩が好ましい。上記重合性単量体のうちでアクリル酸およびその塩が最も好ましい。
使用する重合性単量体がアクリル酸および又はその塩である場合、その構成単位としてはアクリル酸0〜50モル%およびアクリル酸塩100〜50モル%(但し、両者の合計量は70〜100モル%とする)の範囲にあるものが好ましく、アクリル酸10〜40モル%およびアクリル酸塩90〜60モル%の範囲内にあるものがより好ましい。なお、この酸および塩との比(塩/(酸+塩))を中和率と呼ぶ。上記塩を形成するためには単量体の状態でアクリル酸を中和しても良く、アクリル酸およびアクリル酸塩を混合しても良く、また、重合性単量体の重合途中または重合後に重合体として中和しても良く、それらを併用しても良い。
(ii)架橋性単量体
本発明に用いられる吸水性樹脂は、吸水性樹脂の特性を発揮するために架橋構造を有するが、架橋剤を使用しない自己架橋型のものであってもよく、2個以上の重合性不飽和基または2個以上の反応性基を有する架橋性重合体を共重合または反応させた型のものであってもよい。好ましくは架橋性単量体を共重合または反応させた架橋構造を有する吸水性樹脂粒子である。このような架橋性単量体としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエ−テル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリアリル、トリメチロールプロパンジ(メタ)アリルエーテル、テトラアリロキシエタン、グリセロールプロポキシトリアクリレートなどを挙げることが出来る。またこれらの架橋性重合体は2種以上使用してもよい。中でも得られる吸水性樹脂粒子の吸水特性などから、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を架橋性単量体として用いることが好ましく、その使用量としては前記単量体成分に対して0.005〜2モル%が好ましく、0.01〜2モル%がより好ましく、0.03〜1モル%が最も好ましい。一方、架橋性単量体が0.005モル%未満では、得られる吸水性樹脂の水可溶性成分量の割合が多くなり、また吸水してゲル化した際の強度が低下するため、充分な加圧下における吸収量を確保できないことがある。一方、架橋性単量体の量が2モル%を超えると架橋密度が高くなり過ぎて、得られる吸水性樹脂の吸収倍率が低下し、その使用において不十分な物性となる。
(iii)重合開始剤
本願発明で使用する吸水性樹脂を合成するに際し好ましく使用できる重合開始剤としては、乳化重合に使用される水溶性重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過酢酸カリウム、過酢酸ナトリウム、過炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム等の過酸化物;t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素等がある。また、乳化重合に使用される油溶性重合開始剤としては、例えば、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシドなどの過酸化物などが挙げられる。
また、上記ラジカル重合開始剤のほかにも、紫外線および電子線などの活性エネルギー線等を用いたり、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等の光重合開始剤を使用して単独あるいは活性エネルギー線と併用しても良い。
また、上記過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩および他の過酸化物などの酸化性ラジカル重合開始剤を用いる場合は亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の(重)亜硫酸(塩)、硫酸鉄(II)、塩化鉄(II)、塩化銅(I)などの還元性金属塩、アミン類、L−アスコルビン酸(塩)、エリソルビン酸(塩)等、酸化性ラジカル重合開始剤の分解を促進する還元剤を重合性単量体と架橋性単量体の合計に対して0〜2モル%程度併用し、両者を組み合わせることによりレドックス系重合開始剤を使用することもできる。本発明では、水溶液重合、逆相懸濁重合、逆相乳化重合などの重合方法に応じて、至適な重合開始剤を選択すればよい。なお、重合開始剤の使用量は単量体中に通常、重合性単量体と架橋性単量体の合計に対して0.001〜2モル%、好ましくは0.01〜0.1モル%である。これらの重合開始剤の使用量が0.001モル%未満の場合には、未反応の単量体が多くなり、従って、得られる吸水性樹脂中の残存単量体量が増加するので好ましくない。一方、重合開始剤の使用量が2モル%を超える場合には、重合の制御が困難となり、得られる吸水性樹脂の水可溶性成分量が増加することがあるので好ましくない。
重合開始時の温度は、使用する重合開始剤の種類にもよるが、15〜130℃の範囲が好ましく、20〜120℃の範囲がより好ましい。重合開始時の温度あるいは反応中の重合温度が上記の範囲から外れると、得られる吸水性樹脂の残存単量体量が増加したり、過度の自己架橋反応が進行して吸水性樹脂の吸水倍率が低下する等の不都合を招来する場合がある。また、反応時間および重合圧力は特に限定されるものではなく、単量体や重合開始剤の種類、反応温度等に応じて適宜設定すれば良い。
(iv)界面活性剤ないし分散剤
逆相懸濁法および逆相乳化法の際に使用された界面活性剤ないし分散剤としては、例えば、ア二オン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を例示できる。
具体的に、用いられるアニオン性界面活性剤としては、混合脂肪酸ナトリウム石鹸、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸ナトリウム、高級アルコール硫酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩等がある。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル等がある。
カチオン性界面活性剤および両性界面活性剤としてはアルキルアミン類やアルキルベタイン等がある。
また、その他分散剤としてエチルセルロースやエチルヒドロキシエチルセルロース等がある。
その他、特開昭56−93716号公報、特開昭56−131608号公報、特開昭57−158209号公報、特開昭61−115904号公報、特開昭61−157513号公報、特開昭61−231003号公報、特開昭61−231004号公報、特開昭62−95307号公報、特許第2574032号公報記載の界面活性剤や分散剤を例示することができる。
これら界面活性剤や分散剤使用量は重合の種類によって適宜選択することができる。一般には、重合性単量体と架橋性単量体からなる単量体成分全体の質量100質量部に対し、1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは3〜5質量部である。また、これらの分散剤ないし界面活性剤の使用量について後記する有機溶媒に対して0.001〜10質量(重量)%、好ましくは0.001〜1質量%である。
(v)有機溶媒
逆相懸濁重合ないし逆相乳化重合の際に使用する有機溶媒としては、基本的に水に溶け難く重合に不活性であればいかなるものも使用できる。その一例を挙げれば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環状炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。この中、工業的入手の安定性、品質等から見てn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンが好ましい溶媒として挙げることができる。これら疎水性溶媒の使用量は重合性単量体含有水溶液に対して、0.5〜10質量倍、好ましくは0.6〜5質量倍が採用される。
逆相乳化重合に使用する有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン等を挙げることができ、中でもエタノール、イソプロパノールが好ましい。
(vi)他の配合物
本発明では、上記重合性単量体や架橋性単量体と共に、必要に応じて消臭剤、抗菌剤、香料、二酸化珪素や酸化チタン等の無機粉末、澱粉・セルロース等の多糖類やその誘導体、ポリビニルアルコール等の親水性高分子、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性樹脂、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、可塑剤、次亜リン酸(塩)等の連鎖移動剤等を、重合性単量体と架橋性単量体を含む単量体成分に対して、5質量%以下、好ましくは1質量%以下含むことができる。
(vii)重合方法
本発明で使用する水溶液重合で得られる吸水性樹脂(R1)は、以下の(1)〜(4)の方法で、製造することができる。
(1)親水性基を有する重合性単量体と架橋性単量体とを含む単量体水溶液を重合し、得られる含水ゲル状重合体を乾燥し、必要により粉砕および表面架橋する方法。また、目的に応じて必要により重合開始剤の存在下に不活性ガスの気泡を分散させた状態で重合してもよい。
(2)親水性基を有する重合性単量体と架橋性単量体とを含む単量体水溶液を重合し、重合の際またはその後に重合後のカルボキシル基の少なくとも一部中和し、得られる含水ゲル状重合体を乾燥し、必要により粉砕および表面架橋する方法。
(3)親水性基を有する重合性単量体水溶液を重合し、その後に重合体の有する官能基と反応し得る複数の官能基を有する化合物を反応せしめて重合体中に架橋構造を導入し、必要により乾燥、粉砕および表面架橋する方法。
(4)重合性単量体エステル化合物を重合し、架橋の前または後に重合体を鹸化する方法。
なお、吸水性樹脂(R1)は上記(1)〜(4)の製造方法の他、特開平11−28355号公報、特開平11−246625号公報、特開平11−333292号公報、特開2000−15093号、特開2000−302876号公報記載の重合方法で製造してもよい。
逆相懸濁または逆相懸濁重合で得られる吸水性樹脂(R2)は以下(5)、(6)の方法で製造することができる。
(5)架橋性単量体を含む重合性単量体を、有機溶媒、重合開始剤および分散剤の存在下に逆相懸濁重合する方法。
(6)架橋性単量体を含む重合性単量体を、有機溶媒、重合開始剤および乳化剤の存在下に逆相乳化重合する方法。
なお、吸水性樹脂(R2)は特開昭56−93716号公報、特開昭56−131608号公報、特開昭57−158209号公報、特開昭61−115904号公報、特開昭61−157513号公報、特開昭61−231003号公報、特開昭61−231004号公報、特開昭62−95307号公報、特許第2574032号公報記載の重合方法で製造してもよい。より好ましくは逆相懸濁重合による製造である。
本発明に用いられる吸水性樹脂(R1)、(R2)を得るために上述単量体を重合する際は、バルク重合および沈殿重合を行うことが可能であるが、性能面や重合の制御の容易さ、さらに吸収特性の観点から、重合性単量体の溶液とする重合が望ましく、上記(1)〜(3)、(5)、(6)に示す方法では重合性単量体の水溶液として重合することが望ましい。尚、上記重合性単量体を水溶液とする場合の該水溶液中の単量体の濃度は、水溶液の温度および単量体によって決まり、特に限定されるものではないが、10〜70質量%の範囲が好ましく、20〜60質量%の範囲がさらに好ましい。また、単量体水溶液を使用する際は、水以外の溶媒を必要に応じて併用しても良く、併用して用いられる溶媒の種類は特に限定されない。
上記(1)〜(4)の方法としては、双腕型ニーダー中で単量体水溶液を、得られる含水ゲル状重合体を砕きながら重合し、または所定の容器中や駆動するベルト上に単量体水溶液を供給し、重合し、得られた含水ゲル状重合体をミートチョッパー等で粉砕する方法が挙げられる。
(viii)乾燥方法
本発明の吸水性樹脂(R1)を得るための水溶液重合により、重合反応中あるいは重合反応終了後に得られる含水ゲル状重合体は、所定の方法によって約0.1mm〜約50mm、さらには0.2〜10mm、より好ましくは0.5〜5mm程度の破片に砕断し、乾燥すると本発明に好適な吸水性樹脂とすることができる。乾燥温度は、特に限定されるものではないが、例えば、100〜250℃の範囲内、より好ましくは120〜200℃の範囲内とすればよい。また、乾燥時間は適宜決定され、特に限定されるものではないが、10秒〜5時間程度、さらには1分〜2時間程度が好適である。また、本発明の吸水性樹脂(R2)を得るための逆相懸濁または乳化重合により、重合反応中あるいは重合反応終了後に得られる含水ゲル状重合体は、例えば炭化水素等の有機溶媒中に分散した状態で共沸脱水して固形分量を60質量%以上、好ましくは70質量%以上とした後に、デカンテーションあるいは蒸発により有機溶媒と分離し、必要に応じてさらに乾燥することができる。
また、乾燥方法としては、加熱乾燥、熱風乾燥、減圧乾燥、赤外線乾燥、マイクロ波乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶媒との共沸による脱水、高温の水蒸気を用いた高湿乾燥等、種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。
(ix)表面架橋処理
本発明の吸水性樹脂(R1)および/または吸水性樹脂(R2)は、さらに表面架橋処理を行っても良い。本発明で好適に使用可能な表面架橋剤としてはカルボキシル基と反応し得る架橋剤であり、具体的には例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル等のエポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドポリアミンの多価アミン化合物;エピクロロヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;上記多価アミン化合物と上記ハロエポキシ化合物との縮合物;2,4−トリレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;オキサゾリジノン化合物、オキセタン化合物、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の多価金属塩等が挙げられるが、特に限定されるものではない。特に、多価アルコール化合物、エポキシ化合物、多価アミン化合物、多価アミン化合物とハロエポキシ化合物との縮合物、オキセタン化合物、およびアルキレンカーボネート化合物がより好ましい。
本発明では、これらの表面架橋剤は単独でも使用してもよく、また、2種類以上併用しても良い。なお、吸水性樹脂に対する該使用量は、吸水性樹脂の固形分100質量部に対して0.001〜10質量部の範囲内、より好ましくは0.01〜5質量部の範囲内とすればよい。
該架橋剤の上記範囲内の使用量で吸水性樹脂の表面を架橋することで、得られる吸水性樹脂の表面の架橋密度を吸水性樹脂内部よりも高くすることができ、加圧下での吸収特性に優れる吸水性樹脂を得ることができる。
上記架橋剤の使用量が0.001質量部未満であれば、得られる吸水性樹脂の表面の架橋密度を吸水性樹脂内部よりも高めることができず、加圧下での吸収特性の改良効果が充分に得られない場合がある。一方、上記架橋剤の使用量が10質量部を超えると、添加した架橋剤が効率よく使用されずに不経済であるばかりか、該表面架橋剤が過剰量となるため吸水性樹脂の表面の架橋密度を適正に制御することが困難となるために、無加圧下での吸収量が大きく低下するおそれがあるので好ましくない。
該表面架橋剤の添加方法としては特に制限はなく、(1)吸水性樹脂と該架橋剤とを無溶媒で混合する方法、(2)シクロヘキサンやペンタン等の疎水性溶媒に吸水性樹脂を分散させた後、該架橋剤を親水性溶媒あるいは疎水性溶媒に溶解させて混合する方法、(3)親水性溶媒に該架橋剤を溶解もしくは分散させた後、該溶液もしくは分散液を吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下して混合する方法、(4)特定範囲に含水率を調整した吸水性樹脂に該架橋剤を添加する方法等がある。ただし、これらに制限されるものではない。上記の中でも、本発明において好ましい方法は(3)の方法である。その際に使用する親水性溶媒としては、水、または水と水に可溶な有機溶媒(親水性溶媒)との混合物が好適である。上記の有機溶媒としては、具体的には、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、一価アルコールのエチレンオキシド(EO)付加物、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド、ε−カプロラクタム等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。これら有機溶媒は、単独で用いてもよく、また、2種類以上を併用してもよい。また、上記吸水性樹脂ならびに該表面架橋剤に対する親水性溶媒の使用量は、吸水性樹脂や該架橋剤、親水性溶媒の組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100質量部に対して0〜200質量部、より好ましくは0.001〜50質量部の範囲内、さらに好ましくは0.1〜50質量部の範囲内、特に好ましくは0.5〜30質量部の範囲内とすればよい。
吸水性樹脂と該架橋剤を含む溶液とを混合する際に用いられる混合装置は、両者を均一かつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、高速撹拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が好適である。
本発明で使用する吸水性樹脂の表面の架橋密度を上げるために、更に表面架橋性化合物を添加した後、加熱する。加熱温度は、所望する架橋密度等に応じて適宜選択すればよいが、好ましい加熱温度は熱媒温度が100〜250℃、より好ましくは150〜250℃の範囲である。また、加熱時間は好ましくは1分から2時間、加熱温度と加熱時間の組み合わせの好適例としては、180℃で0.1〜1.5時間、200℃で0.1〜1時間で適宜選択すれば良い。
吸水性樹脂の表面架橋処理に際しては、吸水性樹脂(R1)および吸水性樹脂(R2)をそれぞれ別々に表面架橋処理を行う手法の他に、その目的や必要に応じて、あらかじめ吸水性樹脂(R1)と吸水性樹脂(R2)を後段に示す方法で混合後に表面架橋処理を行っても良く、適宜選択される。
(x)吸水性樹脂(R1)と(R2)との混合
本発明の吸水性樹脂組成物を調製する際に、吸水性樹脂(R1)と(R2)とを混合するには、温度10〜150℃、より好ましくは10〜100℃で混合される。150℃を超える場合は吸水性樹脂および/または吸水性樹脂組成物の吸収特性が劣化する場合がある。一方、10℃を下回ると冷却等の問題により不経済となる。また、混合時の相対湿度は特に限定されるものではないが、0〜50%RH、好ましくは0〜40%RHの範囲で混合されるのが望ましく、混合時に加湿や水、水性液等の溶媒を添加せずに該吸水性樹脂(R1)と(R2)の固形分が90%質量以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは98質量%以上で、いわゆる乾式混合により混合することが望ましい。
上記混合によって、吸水性樹脂(R1)と(R2)との均一な混合を実現することができ、それにより偏析することなく嵩比重の高い吸水性樹脂組成物を得ることができる。いわゆる不定形状である吸水性樹脂(R1)粒子と球形状ないしその凝集物、または葡萄房形状の吸水性樹脂(R2)粒子とが、密な充填された状態で均一に混合されることから、吸水性樹脂粒子どうしを結着させて造粒物を得る場合においても、強固な結着強度を有する造粒物を製造するのに好適な混合物となる。
混合する際に用いられる混合装置は吸水性樹脂(R1)と(R2)をバッチ式に混合しても、連続的に混合しても良いが、吸水性樹脂(R1)と(R2)とを均一かつ確実に混合することが望ましい。このような混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、高速攪拌型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、双腕型ニーダー、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機、バッチ式レディゲミキサー、流動床混合機、連続式レディゲミキサー等が好適である。
(xi)造粒工程
本発明において、吸水性樹脂(R1)と(R2)を混合する前または混合した後に、目的やその必要に応じてSiOなどの不溶性無機粒子や親水性溶媒、好ましくは水を添加混合して造粒しても良い。
この際、使用される水の量は、使用する吸水性樹脂の含水率にもよるが、通常、吸水性樹脂の固形分100質量部に対し、0.5〜20質量部、好ましくは0.5〜10質量部の範囲である。また、本発明において、水以外に親水性有機溶媒を用いてもよい。該吸水性樹脂混合物に対して0〜10質量部、好ましくは0〜5質量部、より好ましくは0〜3質量部の範囲である。親水性溶媒の添加に際しての温度は混合性から好ましくは0〜80℃、さらには40〜70℃の範囲である。また、親水性溶媒を該吸水性樹脂混合物に噴霧あるいは滴下する方法が好ましく、噴霧する方法がより好ましい。噴霧される液滴の大きさは、1〜300μmが好ましく、1〜200μmがより好ましい。親水性溶媒の添加に際し、本発明の効果を妨げない範囲で水不溶性微粒子粉体や界面活性剤を共存させてもよい。
水または親水性溶媒の添加後の吸水性樹脂(R1)と(R2)の混合物は、好ましくは加熱処理される。上記加熱処理を行う際の条件としては、加熱温度は50〜260℃、好ましくは100〜250℃、より好ましくは150〜250℃であり、加熱時間は、好ましくは1分〜2時間の範囲である。温度と時間の組み合わせの好適例としては、180℃で0.1〜1.5時間、200℃で0.1〜1時間である。
前記添加に用いられる好適な添加混合装置は、均一な混合を確実にするため大きな混合力を生み出せることが必要である。本発明に用いることのできる混合装置としては種々の混合機が使用されるが、好ましくは、高速攪拌形混合機、特に高速攪拌形連続混合機であり、例えば、商品名タービュライザー(ホノカワミクロン社製)や商品名レディゲミキサー(レディゲ社製)などが用いられる。
また、加熱処理は、通常の乾燥機又は加熱炉を用いて行うことができる。乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、ディスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。また、加熱後の吸水性樹脂は必要に応じて冷却してもよい。
(2)吸水性樹脂組成物
本発明の吸水性樹脂組成物は上記の方法により得られた吸水性樹脂(R1)と吸水性樹脂(R2)を混合することにより得られ、必要によりパルプや繊維材料、バインダー等の添加材を混合しても良いが、吸水性樹脂組成物中の吸水性樹脂(R1)と吸水性樹脂(R2)の合計量の割合は80質量%以上、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、最も好ましくは98質量%以上であり、実質粒子状のものである。 本発明の吸水性樹脂を構成する吸水性樹脂(R1)と吸水性樹脂(R2)としては上記記載方法で得られたものの他、例えば吸水性樹脂(R1)としては、特開平11−28355号公報、特開平11−246625号公報、特開平11−333292号公報、米国特許4625001号、米国4873299号、米国4286082号、米国4973632号、米国4985518号、米国5124416号、米国5250640号、米国5264495号、米国5145906号、米国5370808号、欧州0811636号、欧州0955086号、欧州0922717号記載の吸水性樹脂を使用することもでき、吸水性樹脂(R2)として特開平11−130968号公報、特表2000−513392号公報、米国特許4093776号、同4367323号、同4446261号、同4683274号、同5244735号記載の吸水性樹脂を使用することもできる。
(i)重量(質量)平均粒度
本発明の吸水性樹脂組成物においては、重量平均粒度が好ましくは100〜600μm、より好ましくは100〜500μmの範囲である。重量平均粒度が600μmを超える場合、尿や体液等の吸収時における吸収速度が遅くなり、また、おむつ等の衛生材料として使用した場合に装着感に問題が生じるため好ましくない。一方、重量平均粒度が100μmを下回ると、一般に45μm以下の微粒子の割合が増加するため好ましくない。
本発明は吸水性樹脂組成物の粒度が上記範囲にあることで、重合方法に由来して相違する吸水性樹脂の形状と相まって毛管現象の発揮に好適な間隙が確保され、毛管吸収能力が高く、加圧下吸収倍率20g/g以上の優れた吸水性が確保され、かつコンパクト化が可能で、同時に戻り量の少ない吸水性樹脂組成物が得られる。なお、吸水性樹脂(R1)、吸水性樹脂(R2)の重量平均粒度は、吸水性樹脂組成物の重量平均粒度が上記範囲にあれば、この範囲を外れていてもよいが、それぞれ100〜600μm、より好ましくは100〜500μmの範囲であることが好ましい。
更に、吸水性樹脂組成物に含まれる粒子の粒度は、含まれる吸水性樹脂が水溶液重合で得られたものであるか逆相懸濁重合または逆相乳化重合で得られたものであるかを問わず、吸水性樹脂組成物中に粒子径が850μm〜75μmの粒子が85質量%以上含まれていることが好ましく、より好ましくは90質量%以上、最も好ましくは95質量%である。従来、吸水性樹脂および吸水性樹脂組成物の吸水速度を向上させるため、吸水性樹脂の粒子径を細かくする方法は知られているが、75μm未満の微粒子が15質量%を超え、特に45μm未満の微粒子が5質量%を超えると、吸収時のゲル化の際に、吸収体中で液の目詰まりが生じ、吸収体中への吸収液の拡散を阻害し、これを使用した紙おむつ等では漏れを引き起こす。一方、45μm以下の割合は5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。45μm以下の微粒子が5質量%を超えると、吸水性樹脂組成物の表面積が大きくなり、吸収体としての使用時に空気との接触面積が大きくなることで、尿等の排泄液に可溶化しやすくなり、吸収物性を大きく損なう場合がある。なお、吸水性樹脂組成物に含まれる粒子には、上記する吸水性樹脂(R1)、(R2)のほかに添加可能な他の配合剤も含むものとする。
なお、本発明の粒度の測定は、後述する実施例の「重量平均粒子径」の測定項目及び測定方法に記載の方法による。
このような粒度分布を有する本発明の吸水性樹脂組成物を得るには、水溶液重合で得られる吸水性樹脂(R1)と逆相懸濁または逆相乳化重合で得られる吸水性樹脂(R2)を質量比(R1/R2)の比を1/9〜9/1、好ましくは9/1〜3/7、より好ましくは9/1〜5/5として、相対湿度40%RH以下の雰囲気下でバッチ式または連続的に乾式混合させればよい。
(ii)可溶分
本発明の吸水性樹脂組成物には、水や水溶液への可溶性成分である可溶分(水可溶分ともいう)が該吸水性樹脂組成物中に0〜20質量%であることが好ましく、特に好ましくは15質量%以下である。該吸水性樹脂組成物に使用する吸水性樹脂を製造する際に使用する架橋剤量、重合開始温度等の重合条件や重合方法により可溶分の含有量(可溶分量ともいう)は相違するが、可溶分量が20質量%を超える場合、紙おむつ等の吸収体に使用において、吸水時に可溶分が吸収体中へ溶出されるため、実質的な吸収倍率の低下や尿等の液の粘度が増加することによる吸収体への液の拡散を阻害する場合があるので好ましくない。
(iii)加圧下吸収倍率
本発明の吸水性樹脂組成物は、4.83kPaの加圧下吸収倍率が20g/g以上の、好ましくは23g/g以上の、より好ましくは25g/g以上である。本発明の加圧下吸収倍率は、4.83kPaの加圧下吸収倍率が20g/g以上の表面架橋処理された吸水性樹脂(R1)と、表面架橋処理された吸水性樹脂(R2)を混合することにより得られる。また、該加圧下吸収倍率を実現するために、吸水性樹脂(R1)と(R2)の混合後に4.83kPaの加圧下吸収倍率が20g/g以上となるように表面架橋処理をしても良い。なお、本発明において加圧下を4.83kPaと既定したのは、赤ちゃんの一般体重(10kg前後)から予想される荷重、10〜数10g/cmを想定したためである。しかしながら、本発明の吸水性樹脂組成物では、吸水性樹脂(R1)と(R2)との混合物を使用することで、嵩比重が高くコンパクト性に優れ、かつ加圧下吸収倍率が20g/g以上であるため、例えば薄型かつ高性能の紙おむつ等への実用的使用に対して至適な吸水性樹脂組成物となる。しかも、同時に0.69質量%生理食塩水流れ誘導性に優れるため吸水速度の立ち上がりが早く、かつ戻り量が極めて少ないという特徴がある。
(iv)毛管吸収倍率(Capillary Suction Force/CSF)と毛管吸収力増加指数
本願における毛管吸収倍率とは吸水性樹脂および吸水性樹脂組成物が負の圧力に抗して吸収液を吸収する能力のことで、紙おむつ等の吸収体に使用した際に尿などの排泄液の取り込む能力を現す。本発明における吸水性樹脂組成物の毛管吸収倍率(CSF)は20g/g以上であることが好ましい。該毛管吸収倍率を実現するためには吸水性樹脂(R1)のいわゆる不定形状と吸水性樹脂(R2)の球形状または葡萄の房形状である吸水性樹脂(R2)粒子とが、密な充填された状態で均一に混合されることによって得られる。CSFは、本発明で得られる吸水性樹脂組成物を紙おむつ等の吸収体に使用した場合、尿等の液が排泄された際に吸収体への取り込む吸引力に影響を与え、さらに例えば赤ちゃん等が立ったまま紙おむつを使用した場合に、紙おむつ中の吸収体上部にまで液を引き上げる力を増大させ、吸収体に液を十分に行き渡らせ、吸液量を増大させ液の漏れを防止する効果が著しく向上する。本発明の吸水性樹脂組成物のCSFは、好ましくは20g/g以上、より好ましくは25g/g以上、特に好ましくは30g/g以上である。
また、毛管吸収力増加指数とは該吸水性樹脂を構成する吸水性樹脂(R1)と吸水性樹脂(R2)の毛管吸収倍率と、吸水性樹脂(R1)と吸水性樹脂(R2)の構成比から予想される毛管吸収倍率に対する該吸水性樹脂組成物の毛管吸収倍率の比であり、吸水性樹脂(R1)(R2)を混合することによる吸水性樹脂組成物の毛管吸収力の増減を現す。本発明の吸水性樹脂組成物は毛管吸収力増加指数が1.0を超えるもので、好ましくは1.10以上、より好ましくは1.15以上である。
(v)0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(Saline Flow Conductivity/ SFC)
本発明における吸水性樹脂組成物は、0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)が10(単位:10−7×cm×s×g−1)以上であることが好ましい。SFCは、本発明で得られる吸水性樹脂組成物の膨潤後の通液性に影響を与える。つまり、例えば本発明の吸水性樹脂組成物を紙おむつの吸収体の一部に使用した場合の通液性を良好にし、吸収体に液を十分に行き渡らせ、使用時における尿等の排泄液に対する吸収量を増大させ、液の漏れを防止する効果が著しく向上する。SFCは好ましくは10(単位:10−7×cm×s×g−1)以上、より好ましくは15(単位:10−7×cm×s×g−1)以上である。
なお、本願における可溶分、加圧下吸収倍率、毛管吸収倍率(CSF)、毛管吸収力増加指数、0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)は、後記する実施例で定義した「可溶分」、「加圧下吸収倍率」、「毛管吸収倍率(CSF)」、「毛管吸収力増加指数」「0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)」とする。
本発明の吸水性樹脂組成物は、「加圧下吸収倍率」、「毛管吸収倍率(CSF)」、「毛管吸収力増加指数」、「0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)」の上記に示した値の好ましくは2つ以上、より好ましくはCSFとAAP、CSFとSFCの組み合わせを有し、さらには3つ以上の組み合わせを有するものである。
(3)CSFまたはSFCに優れる吸水性樹脂組成物の製造方法
上記したように、水溶液重合で得られる吸水性樹脂(R1)と、逆相懸濁または逆相乳化重合で得られる吸水性樹脂(R2)との混合物であり、該混合物の加圧下吸収倍率が20g/g以上である吸水性樹脂組成物は、CSFやSFCに優れる。これはこのような樹脂組成物の加圧下吸収倍率が20g/g以上を目安にすると、毛管吸収倍率(CSF)が20g/g以上、または0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)が10(単位:10−7×cm×s×g−1)以上の吸水性樹脂組成物が得られることを意味する。該製造方法において、吸水性樹脂(R1)と吸水性樹脂(R2)との混合は乾式混合によることが好ましい。
(4)用途
(i)吸水性物品
本発明の吸水性樹脂組成物は、例えば、パルプ等の繊維質材料と複合化する(組み合わせる)ことにより、成形され吸水性物品とされる。吸水性物品としては、シート状、層状、テープ条、筒状などに成形され、例えば、紙おむつや生理用ナプキン、失禁パット、創傷保護材、創傷治癒材等の衛生材料(体液吸収物品);ペット用の尿等の吸収物品;建材や土壌用保水材、止水材、パッキング材、ゲル水嚢等の土木建築用資材;ドリップ吸収材や鮮度保持材、保冷材等の食品用物品;油水分離材、結露防止材、凝固材などの各種産業用物品;植物や土壌等の保水材等の農園芸用物品;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
(ii)紙おむつ
本発明の吸水性樹脂組成物を用いた紙おむつは、例えば、液不透過性の材料からなるバックシート(裏面材)、本発明の吸水性樹脂と繊維質材料を含むコア層(吸収体)、および液透過性の材料からなるトップシート(表面材)を、この順に積層して互いに固定するとともに、この積層物に、ギャザー(弾性部)やいわゆるテープファスナー等を取り付けることにより形成される。また、紙おむつには、幼児に排尿・排便の躾をする際に用いられる紙おむつ付きパンツも含まれる。本発明の吸収性樹脂は、高い耐圧吸水比を有することから、紙おむつにおいて、高濃度コア(吸水性樹脂/(繊維基材+吸水性樹脂)wt/wt)として用いることができ、その濃度は、30〜100%コア、より好ましくは40〜95%コア、特には50〜90%コアであり、これにより薄型おむつとすることができる。
(iii)その他
本発明の吸水性樹脂組成物は、さらに消臭剤、抗菌剤、キレート剤、香料、各種の無機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊維、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等を吸水性樹脂組成物に対して0〜30質量%、好ましくは0〜10質量%添加し、これにより吸収性物品に種々の機能を付与させてもよい。
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらの実施例等により限定されるものではない。尚、これらに記載の毛管吸収倍率、嵩比重、0.69質量%生理食塩水流れ誘導性、無加圧下吸収倍率、加圧下吸収倍、重量平均粒子径、可溶分量は以下の方法により測定したものである。なお、特に記載のない場合、「部」は質量部を意味する。
(測定方法)
(1)毛管吸収倍率(0.9質量%生理食塩水の20cm負の圧力勾配での毛管吸収倍率(CSF))
本発明の毛管吸収倍率は20cmの負の圧力勾配における所定時間内での吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物の液体の吸収能力を0.06psi(0.41kPa)荷重下で測定したものである。図1を参照して、毛管吸収倍率を測定するための装置および方法を説明する。
1)多孔質ガラス板1(グラスフィルター粒子番号#3;(株)相互理化学硝子製作所製のBuchner型フィルターTOP 17G-4(code no. 1175-03))からなる液吸収面を有する直径60mmのグラスフィルター2の下部に導管3をつなぎ、この導管3を直径10cmの液溜容器4の下部に備え付けられている口に接続する。前記グラスフィルター2の多孔質ガラス板1は平均孔径が20〜30μmであって、その毛管力によって60cmの液面高さの差をつけた状態でも水柱の負圧に抗して多孔質ガラス板1内に水を保持することができ、空気の導入がない状態を保持し得る。グラスフィルター2に高さを上下させるための支持リング5をはめ、系に生理食塩水(0.9質量%NaCl溶液)6を満たし、液溜容器を天秤上7に載せる。導管中、およびグラスフィルター2の多孔質ガラス板1の下部に空気がないことを確認してから液溜容器4中の生理食塩水(0.9質量%NaCl溶液)6上部の液面レベルと多孔質ガラス板1上部レベルの高さの差が20cmになるように調節してグラスフィルター2をスタンド8に固定する。
2) 25±1℃、湿度60±5%RHの条件下で、多孔質ガラス板1上に測定試料9(吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物)0.44gを均一にすばやく散布し、さらその上に直径59mmの荷重10(0.419kPa)を載せ、30分後に測定試料9に吸収された生理食塩水(0.9質量%NaCl溶液)の値(W30)を測定する。本発明の毛管吸収倍率は以下の式で求められる。
Figure 2004217911
上記により求めた毛管吸収倍率から、以下の式で定義される毛管吸収力増加指数を求める。
Figure 2004217911
(2)嵩比重
嵩比重測定器(蔵持科学器械製作所製)を用いJIS K3362(1998年度)に準じて、特開2000−302876号公報に記載の方法により吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物の嵩比重を測定した。
(3)0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)
特表平9−509591号公報の0.69質量%生理食塩水流れ誘導性(SFC)試験に準じて行った。
図2に示す装置を用い、容器40に均一に入れた吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物(0.900g)を人工尿(1)中で0.3psi(2.07kPa)の加圧下60分間膨潤させ、膨潤ゲル44のゲル層の高さを記録し、次に0.3psi(2.07kPa)の加圧下、0.69質量%塩化ナトリウム水溶液33を、一定の静水圧でタンク31から膨潤したゲル層を通液させる。このSFC試験は室温(20〜25℃)で行う。コンピューターと天秤を用い、時間の関数として20秒間隔でゲル層を通過する液体量を10分間記録する。膨潤したゲル44の主に粒子間を通過する流速F(t)は増加質量(g)を増加時間(s)で割ることによりg/sの単位で決定する。一定の静水圧と安定した流速が得られた時間をtとし、tと10分間の間に得たデータだけを流速計算に使用して、tと10分間の間に得た流速を使用してF(t=0)の値、つまりゲル層を通る最初の流速を計算する。F(t=0)はF(t)対時間の最小2乗法の結果をt=0に外挿することにより計算される。
Figure 2004217911
図2に示す装置としては、タンク31には、ガラス管32が挿入されており、ガラス管32の下端は、0.69質量%塩化ナトリウム水溶液33をセル41中の膨潤ゲル44の底部から、5cm上の高さに維持できるように配置する。タンク31中の0.69質量%塩化ナトリウム水溶液33は、コック付きL字管34を通じてセル41へ供給する。セル41の下には、通過した液を補集する容器48が配置されており、補集容器48は上皿天秤49の上に設置される。セル41の内径は6cmであり、下部の底面にはNo.400ステンレス製金網(目開き38μm)42が設置される。ピストン46の下部には液が通過するのに十分な穴47があり、底部には吸水性樹脂例えば吸水剤あるいはその膨潤ゲルが、穴47へ入り込まないように透過性の良いガラスフィルター45が取り付けてある。セル41は、セルを乗せるための台の上に置かれ、セルと接する台の面は、液の透過を妨げないステンレス製の金網43の上に設置する。
なお、上記人工尿(1)は、塩化カルシウムの2水和物0.25g、塩化カリウム2.0g、塩化マグネシウムの6水和物0.50g、硫酸ナトリウム2.0g、りん酸2水素アンモニウム0.85g、リン酸水素2アンモニウム0.15g、および、純水994.25gを加えたものである。
(4)無加圧下吸収倍率(0.90質量%生理食塩水に対する無加圧下で30分の吸収倍率(GV))
室温(20〜25℃)、湿度50RH%の条件下で、吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物0.20gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れてシールした後、室温で0.9質量%生理食塩水中に浸漬した。30分後に袋を引き上げ、遠心分離機(株式会社コクサン社製、遠心機:型式 H−122)を用いて250Gで3分間水切りを行った後、袋の質量W(g)を測定した。また、同様の操作を吸水性樹脂または吸水性樹脂組成物を用いずに行い、その時の質量W(g)を測定した。そして、これらW、Wから、次式に従って無加圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
Figure 2004217911
(5)加圧下吸収倍率(0.90質量%生理食塩水に対する4.83kPaで60分の加圧下吸収倍率(AAP))
内径60mmのプラスチック製支持円筒の底に、ステンレス製400メッシュの金網(目の大きさ38μm)を融着させ、室温(20〜25℃)、湿度50RH%の条件下で、該網上に吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物0.90gを均一に散布し、その上に、吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物に対して4.83kPa(0.7psi)の荷重を均一に加えることができるよう調整された、外径が60mmよりわずかに小さく支持円筒との隙間が生じず、かつ上下の動きが妨げられないピストンと荷重とをこの順に載置し、この測定装置一式の質量W(g)を測定した。
直径150mmのペトリ皿の内側に直径90mmのガラスフィルター(株式会社相互理化学硝子製作所社製、細孔直径:100〜120μm)を置き、0.90質量%生理食塩水(20〜25℃)をガラスフィルターの上面と同じレベルになるように加えた。
その上に、直径90mmの濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社、品名:(JIS P 3801、No.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を載せ、表面が全て濡れるようにし、かつ過剰の液を除いた。
上記測定装置一式を前記湿った濾紙上に載せ、液を荷重下で吸収させた。1時間後、測定装置一式を持ち上げ、その質量W(g)を測定した。そして、W、Wから、次式に従って加圧下吸収倍率(g/g)を算出した。
Figure 2004217911
(6)重量平均粒度
吸水性樹脂粉末または吸水性樹脂組成物を目開き850μm、600μm、500μm、425μm、300μm、212μm、150μm、106μm、75μmなどのJIS標準ふるいで篩い分けし、残留百分率Rを対数確率紙にプロットした。これにより、重量平均粒度(D50)を読み取った。
篩い分け、および、後述の粒度別のSFCを測定する際の分級方法は、吸水性樹脂粉末または吸水性樹脂組成物10.0gを、室温(20〜25℃)、湿度50RH%の条件下で、目開き850μm、600μm、500μm、300μm、150μmのJIS標準ふるい(THE IIDA TESTING SIEVE:径8cm)に仕込み、振動分級器(IIDA SIEVE SHAKER、TYPE:ES-65型、SER.No.0501)により、10分間、分級を行った。なお、重量平均粒度(D50)とは、米国特許第5051259号などにあるように、一定目開きの標準篩で粒子全体の50重量%に対応する標準篩(目開き)の粒子径のことであり、例えば、目開き300μm標準篩で粒子全体の50重量%が分級される場合、重量平均粒子径(D50)は300μmである。
(7)可溶分量
250ml容量の蓋付きプラスチック容器に0.9質量%生理食塩水溶液(生理食塩水)の184.3gを測り取り、その水溶液中に吸水性樹脂1.00gを加え16時間攪拌することにより樹脂中の可溶分を抽出した。この抽出液を濾紙1枚(ADVANTEC東洋株式会社、品名:(JIS P 3801、No.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)を用いて濾過することにより得られた濾液の50.0gを測り取り測定溶液とした。
はじめに生理食塩水だけを、まず、0.1NのNaOH水溶液でpH10まで滴定を行い、その後、0.1NのHCl水溶液でpH2.7まで滴定して空滴定量([bNaOH]ml、[bHCl]ml)を得た。
同様の滴定操作を測定溶液についても行うことにより滴定量([NaOH]ml、[HCl]ml)を求めた。
例えば、既知量のアクリル酸とそのナトリウム塩からなる吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物の場合、そのモノマーの平均分子量と上記操作により得られた滴定量をもとに、吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物中の可溶分量を以下の計算式により算出することができる。未知量の場合は滴定により求めた中和率を用いてモノマーの平均分子量を算出する。なお、酸基を含有しない吸水性樹脂の場合は、ろ液の重量より測定する。
Figure 2004217911
Figure 2004217911
(8) 吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物の戻り量評価(戻り量)
吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物を1.0g秤量して採取し、直径9cmのガラス製シャーレに均一に散布した。次に室温の人工尿(2)を30gシャーレに注いだ。人工尿(2)は尿素1.9質量%、塩化ナトリウム0.8質量%、塩化カルシウム0.1質量%および硫酸マグネシウム0.1質量%を含む組成の水溶液である。
30分後、膨潤ゲル化した吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物の上面に直径9cmの円形に切り出した不織布をのせ、さらにその上部に、予め計量した直径90mmの濾紙10枚(ADVANTEC東洋株式会社、品名:(JIS P 3801、No.2)、厚さ0.26mm、保留粒子径5μm)をのせ、濾紙の上から荷重500g(15g/cm)の重りをのせて1分間放置した。1分後、濾紙10枚の質量を測定し、吸水性樹脂ないし吸水性樹脂組成物の戻り量(戻り量(g))を測定した。
参考例1:吸水性樹脂Aの製造方法
アクリル酸ナトリウム(中和率71モル%)の38質量%水溶液5500部に、ポリエチレングリコールジアクリレート(n=8)8.1部を溶解させて反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で30間脱気した。次いで、開閉可能な蓋付きのシグマ型羽根を2本有するジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸アンモニウム2.4部およびL−アスコルビン酸0.12部を添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、20〜95℃(ピーク温度)で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。
得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5〜0.5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで乾燥物を、粉砕に用いられるロール同士が所定の間隔(ロールギャップが約1.63mm、約0.43mm、約0.15mm)を有するように3段に形成されたロールグラニュレータ型粉砕機を用いて粉砕し、さらに目開き850μmの篩を通過して不定形破砕状の吸水性樹脂A’を得た。
得られた吸水性樹脂A’100部に、1,4−ブタンジオール0.3部と、プロピレングリコール0.5部、水3部とからなる表面架橋剤組成液を混合した。上記の混合物を210℃で30分間加熱処理し、目開き850μmの篩を通過させることにより、吸水性樹脂Aを得た。以下、実施例、比較例、参考例で得られた吸水性樹脂の粒度、GV、AAP、SFC、可溶分量を表1〜6、図3〜5に、かさ比重を表7〜9に、CSFを表10〜12に、毛管吸収力増加指数を表11、12に、戻り量を表13〜15に示す。
参考例2:吸水性樹脂Bの製造方法
アクリル酸ナトリウム(中和率75モル%)の33質量%水溶液5500部に、ポリエチレングリコールジアクリレート(n=8)8.3部を溶解させて反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で30間脱気した。次いで、開閉可能な蓋付きのシグマ型羽根を2本有するジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸アンモニウム 2.4部およびL−アスコルビン酸0.12部を添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30〜90℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。
得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュ(目開き300μm)の金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで乾燥物を、振動ミルを用いて粉砕し、さらに目開き850μmの篩の金網で分級することにより、不定形破砕状の吸水性樹脂B’を得た。
得られた吸水性樹脂B’100部に、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05部と、グリセリン0.75部と、水3部、乳酸0.3部、イソプロピルアルコール1部とからなる表面架橋剤組成液を混合した。上記の混合物を195℃で40分間加熱処理し、目開き850μmの篩を通過させることにより、吸水性樹脂Bを得た。
参考例3:吸水性樹脂Cの製造方法
アクリル酸21.6部及びアクリル酸ナトリウムの37質量%水溶液228.6部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.0185部(対モノマー0.01モル%)、ヒドロキシエチルセルロース0.106部、イオン交換水53部を用いてモノマー濃度35質量%、中和率75モル%の単量体水溶液を得、この単量体水溶液に過硫酸カリウム0.09部を溶解させ、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管および滴下ロートを付した四つ口セパラブルフラスコ中にシクロヘキサン800部を取り、分散剤としてショ糖脂肪酸エステル(HLB=6)4部を加えて溶解させ、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。次いで、単量体水溶液を上記セパラブルフラスコに攪拌下に加えて分散させた。その後、浴温を65℃に昇温して重合反応を開始させた後、2時間この温度に保持して重合を完結させた。重合終了後、共沸脱水により大部分の水分を取除いた後、濾過し更に100℃で減圧乾燥することにより含水率8%の吸水性樹脂C’を得た。得られた吸水性樹脂C’100部にエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部、水3部、イソプロパノール1部を混合し、得られた混合物を120℃、30分間加熱処理を行なったのち粒子をメタノールで処理することで吸水性樹脂Cを得た。
参考例4:吸水性樹脂Dの製造方法
アクリル酸21.6部及びアクリル酸ナトリウムの37質量%水溶液228.6部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.0148部(対モノマー0.008モル%)、ヒドロキシエチルセルロース0.106部、イオン交換水53部を用いてモノマー濃度35質量%、中和率75モル%の単量体水溶液を得、この単量体水溶液に過硫酸カリウム0.09部を溶解させ、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管および滴下ロートを付した四つ口セパラブルフラスコ中にシクロヘキサン800部を取り、分散剤としてショ糖脂肪酸エステル(HLB=6)4部を加えて溶解させ、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。次いで、単量体水溶液を上記セパラブルフラスコに攪拌下に加えて分散させた。その後、浴温を65℃に昇温して重合反応を開始させた後、2時間この温度に保持して重合を完結させた。重合終了後、共沸脱水により大部分の水分を取除いた後、濾過し更に100℃で減圧乾燥することにより含水率8%の吸水性樹脂D’を得た。得られた吸水性樹脂D’100部にエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部、水3部、イソプロパノール1部を混合し、得られた混合物を120℃、30分間加熱処理を行なったのち粒子をメタノールで処理することで吸水性樹脂Dを得た。
参考例5:吸水性樹脂Eの製造方法
アクリル酸21.6部及びアクリル酸ナトリウムの37質量%水溶液228.6部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.0056部(対モノマー0.003モル%)、ヒドロキシエチルセルロース0.106部、イオン交換水53部を用いてモノマー濃度35質量%、中和率75モル%の単量体水溶液を得、この単量体水溶液に過硫酸カリウム0.09部を溶解させ、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管および滴下ロートを付した四つ口セパラブルフラスコ中にシクロヘキサン800部を取り、分散剤としてショ糖脂肪酸エステル(HLB=6)4部を加えて溶解させ、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。次いで、単量体水溶液を上記セパラブルフラスコに攪拌下に加えて分散させた。その後、浴温を65℃に昇温して重合反応を開始させた後、2時間この温度に保持して重合を完結させた。重合終了後、共沸脱水により大部分の水分を取除いた後、濾過し更に100℃で恒量まで減圧乾燥することにより含水率8%の吸水性樹脂E’を得た。得られた吸水性樹脂E’100部にエチレングリコールジグリシジルエーテル0.1部、水3部、イソプロパノール1部を混合し、得られた混合物を120℃、30分間加熱処理を行なったのち粒子をメタノールで処理することで吸水性樹脂Eを得た。
参考例6:吸水性樹脂Fの製造方法
アクリル酸21.6部及びアクリル酸ナトリウムの37質量%水溶液228.6部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.0185部(対モノマー0.01モル%)、ヒドロキシエチルセルロース0.106部、イオン交換水53部を用いてモノマー濃度35%、中和率75%の単量体水溶液を得、この単量体水溶液に過硫酸カリウム0.09部を溶解させ、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を1ppm以下に追い出した。
撹拌機、還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管および滴下ロートを付した四つ口セパラブルフラスコ中にシクロヘキサン800部を取り、分散剤としてショ糖脂肪酸エステル(HLB=6)4部を加えて溶解させ、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。次いで、単量体水溶液を上記セパラブルフラスコに攪拌下に加えて分散させた。その後、浴温を65℃に昇温して重合反応を開始させた後、2時間この温度に保持して重合を完結させた。重合終了後、共沸脱水により大部分の水分を取除いた後、濾過し更に120℃で恒量まで減圧乾燥することにより吸水性樹脂Fを得た。
参考例7:吸水性樹脂Gの製造方法
参考例2で得られた吸水性樹脂Bを106μmの篩を通過させ吸水性樹脂Gを得た。
参考例8:吸水性樹脂Hの製造方法
参考例2で、吸水性樹脂B’に100部にエチレングリコールジアクリレート0.1部、プロピレングリコール0.3部、水3部からなる表面架橋剤組成液を混合し、上記混合物を195℃で30分間加熱処理し、500μmおよび106μmの篩を通過させ、500μmから106μmの篩で分取して吸水性樹脂Hを得た。
実施例1
参考例1で得られた吸水性樹脂A30部と参考例3で得られた吸水性樹脂C70部を25℃、相対湿度40%RH下でレディゲミキサー(レディゲ社製・タイプ:M5R)に投入し、330rpmで15秒間攪拌することで均一に混合し、吸水性樹脂組成物(1)を得た。
実施例2
参考例1〜7で得られた吸水性樹脂A〜Eをそれぞれ表8に記載した組成比(質量換算)で実施例1と同じ操作で混合し、吸水性樹脂組成物(2)〜(11)を得た。
比較例1
参考例1〜8で得られた吸水性樹脂A〜Hをそれぞれ表9に記載した組成比(質量換算)で実施例1と同じ操作で混合し、比較吸水性樹脂組成物(1)〜(15)を得た。
Figure 2004217911
Figure 2004217911
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(結果)
吸水性樹脂組成物1〜3は吸水性樹脂AとCとの混合比を代えた混合物であり、吸水性樹脂組成物4〜6は吸水性樹脂AとDとの混合比を代えた混合物であり、吸水性樹脂組成物7〜9は吸水性樹脂BとCとの混合比を代えた混合物であり、吸水性樹脂組成物10、11は吸水性樹脂AとEとの混合比を代えた混合物である。図3に示すように、本発明の吸水性樹脂組成物は、吸水性樹脂の混合によって嵩比重が増加し、原料樹脂の相加的な嵩比重以上の嵩比重を示した。
一方、比較吸水性樹脂組成物1〜3は吸水性樹脂AとBとの混合比を代えた混合物であり、比較吸水性樹脂組成物4〜6は吸水性樹脂AとFとの混合比を代えた混合物であり、比較吸水性樹脂組成物7〜9は吸水性樹脂AとGとの混合比を代えた混合物である。図4に示すように、吸水性樹脂AとBとを混合した樹脂組成物の嵩比重は、いずれの配合量においても原料樹脂の相加的な嵩比重を超えることはできなかった。
比較吸水性樹脂組成物12〜14は、懸濁重合によって得られた吸水性樹脂CとDとの混合比を代えた混合物である。図5に示すように、懸濁重合による吸水性樹脂同士の混合物の嵩比重は、原料樹脂の相乗的嵩比重の上昇は観察されなかった。
図6は、図3で嵩比重を比較した樹脂組成物について、混合比に対する毛管吸収率(CSF)を示す図である。嵩比重と同様に、原料樹脂の相乗的なCSF値の増加が観察された。
図7は、比較吸水性樹脂組成物1〜6、10〜14について、混合比に対する毛管吸収率(CSF)を示す図である。原料樹脂の相乗的なCSF値の増加は観察されなかった。
図8は、比較吸水性樹脂組成物7〜9について、混合比に対する毛管吸収率(CSF)を示す図である。原料樹脂の相加的なCSF値を大きく下回るCSF値であった。
吸水性樹脂組成物1〜11、比較吸水性樹脂1〜14について無加圧下吸収倍率と戻り量との関係を図9に示す。本発明の吸水性樹脂組成物は、いずれも原料樹脂A〜Gのいずれよりも戻り量が少ないことが明らかである。
吸水性樹脂組成物1〜11、比較吸水性樹脂1〜14について加圧下吸収倍率と戻り量との関係を図10に示す。本発明の吸水性樹脂組成物は、加圧下吸収倍率が20g/gを超えることで原料樹脂A〜Gのいずれよりも戻り量を少なくすることができた。
本発明における20cm高さの毛管吸収倍率の測定に用いる測定装置の概略の断面図。 加圧下通液量の測定に用いる測定装置の概略の断面図。 吸水性樹脂の配合比の相違による嵩比重の相違を示す図である。 吸水性樹脂の配合比の相違による嵩比重の相違を示す図である。 吸水性樹脂の配合比の相違による嵩比重の相違を示す図である。 吸水性樹脂の配合比の相違によるCSFの相違を示す図である。 吸水性樹脂の配合比の相違によるCSFの相違を示す図である。 吸水性樹脂の配合比の相違によるCSFの相違を示す図である。 吸水性樹脂の配合比の相違による戻り量の相違を示す図である。 吸水性樹脂の配合比の相違による戻り量の相違を示す図である。
符号の説明
1 多孔質ガラス板、2 グラスフィルター、3 導管、4 液溜容器、5 支持リング、6 生理食塩水、7 天秤、8 スタンド、9 測定試料(吸水性樹脂)、10 荷重(0.419kPa)、31 タンク、32 ガラス管、33 0.69質量%塩化ナトリウム水溶液、34 コック付きL字管、35 コック、40 容器、41 セル、42 ステンレス製金網、43 ステンレス製金網、44 膨潤ゲル、45 ガラスフィルター、46 ピストン、47 ピストン中の穴、48 補集容器、49 上皿天秤。

Claims (8)

  1. 水溶液重合で得られる吸水性樹脂(R1)と逆相懸濁または逆相乳化重合で得られる吸水性樹脂(R2)とを含み、下記(a)〜(c)のいずれかを満たす吸水性樹脂組成物。
    (a)0.9質量%生理食塩水の20cm負の圧力勾配下での毛管吸収倍率が20g/g以上、
    (b)4.83kPa下での0.9質量%生理食塩水の加圧下吸収倍率(60分値)が20g/g以上、
    (c)0.69質量%生理食塩水流れ誘導性が10(単位10−7×cm×s×g−1)以上。
  2. 前記吸水性樹脂組成物は、前記(a)と(b)の要件を満たす、または(a)と(c)の要件を満たすものである、請求項1記載の吸水性樹脂組成物。
  3. 前記吸水性樹脂組成物は、前記(a)、(b)および(c)の全ての要件を満たす、請求項1記載の吸水性樹脂組成物。
  4. 前記吸水性樹脂組成物の重量平均粒度が100〜600μmである請求項1〜3記載の吸水性樹脂組成物。
  5. 粒子径が850μm〜75μmの粒子が85質量%以上であり、かつ45μm未満の粒子が5質量%以下である請求項1〜4記載の吸水性樹脂組成物。
  6. 可溶分量が吸水性樹脂組成物中に20質量%以下である、請求項1〜5のいずれかに記載の吸水性樹脂組成物。
  7. 水溶液重合で得られる吸水性樹脂(R1)と逆相懸濁または逆相乳化重合で得られる吸水性樹脂(R2)を、質量比(R1/R2)が1/9〜9/1で、相対湿度0〜40%の雰囲気下でバッチ式または連続的に乾式混合する、請求項1〜6記載の吸水性樹脂組成物の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の吸水性樹脂組成物を含む吸水性物品。
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