JP2003335970A - 吸収剤、これを用いてなる吸収体及び吸収性物品 - Google Patents

吸収剤、これを用いてなる吸収体及び吸収性物品

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JP2003335970A
JP2003335970A JP2002145720A JP2002145720A JP2003335970A JP 2003335970 A JP2003335970 A JP 2003335970A JP 2002145720 A JP2002145720 A JP 2002145720A JP 2002145720 A JP2002145720 A JP 2002145720A JP 2003335970 A JP2003335970 A JP 2003335970A
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Takao Saitou
太香雄 斉藤
Kazumasa Hosoya
和正 細谷
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San Dia Polymers Ltd
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San Dia Polymers Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸収性構造物中の吸収剤の含有量が、吸収剤及
び繊維状物の合計重量に基づいて、40%以上でもゲル
ブロッキング現象を起こしにくい吸収剤を提供し、さら
にこの吸収剤を用いた超薄型の吸収性物品を提供するこ
とである。 【解決手段】吸水性樹脂(A)を含有してなり、微分変
曲点吸収量(Si)の値が55g/g以上90g/g以
下であり、かつゲル摩擦指数(τi)の値が、10Pa
以上30Pa以下であることを特徴とする吸収剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸収剤、吸水性樹
脂の製造方法、吸収性構造物及び吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、吸収性物品(紙おむつ、生理用ナ
プキン、尿取りパッド等)の使用時における不快感や違
和感を軽減するため、吸収性物品の薄型化が進められて
いる。薄型の吸収性物品としては、吸収性構造物中の吸
収剤の繊維状物に対する使用比率(吸収剤/繊維状物)
を高くした吸収性物品等が知られている(特開平08−
337726号公報等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
吸収性物品に使用される吸収性構造物中の吸収剤の含有
量が、吸収剤及び繊維状物の合計重量に基づいて40%
以上になると、荷重がかかった状態で吸収剤のゲルブロ
ッキング現象を生じ、これに伴い吸収性能が悪化し、吸
収性物品としての機能を発揮し得なくなる。上記および
以下において%は重量%を表す。本発明の目的は、吸収
性構造物中の吸収剤の使用比率が高くても(例えば40
%以上でも)ゲルブロッキング現象を起こし難い吸収性
物品を与える吸収剤、これを用いた超薄型化可能な吸収
性物品を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、吸水性
樹脂(A)からなる吸収剤において、(A)が、下記測
定法(I)で求められる、55〜90g/gの微分変曲
点吸収量(Si)および10〜30Paのゲル摩擦指数
(τi)を有することを特徴とする、吸収剤が提供され
る。
【0005】測定法(I):内径26.0mmの円筒容
器に0.2gの(A)を投入し、それぞれ20倍〜10
0倍まで5倍おきの添加倍率(S)の生理食塩水を加
え、30分放置して調製した、各測定用膨潤ゲルについ
て、JIS K6394に規定の動的粘弾性測定法にお
ける強制振動非共振方法かつ剪断方法により、上記円筒
容器内でゲルと接触するジオメトリーの円盤部の直径2
5.0mm、荷重0.1N、周波数1.0Hz、歪み振
幅0.5%、試験温度25℃の条件下で回転振動により
剪断を加えて剪断応力(τ)を測定し、測定される剪断
応力(τ)を添加倍率(S)に対してプロットした剪断
応力(τ)−添加倍率(S)曲線(L)の、微分変曲点
[(τ)を(S)で微分した値(dτ/dS)を(S)
に対してプロットした曲線の変曲点(傾きの絶対値が最
大となる点)]における添加倍率(Si)および剪断応
力(τi)を、それぞれ微分変曲点吸収量およびゲル摩
擦指数とする。
【0006】また、本発明の別の態様に従って、水溶性
単量体もしくはその前駆体および必要により架橋剤およ
び/または多糖類を重合させ、必要により後処理,後架
橋,乾燥,粉砕および/または分級して、吸水性樹脂を
製造し、その微分変曲点吸収量(Si)およびゲル摩擦
指数(τi)を下記測定法(II)で測定して選別する
ことにより、優れた耐ゲルブロッキング性を有する吸水
性樹脂を得ることを特徴とする、吸水性樹脂の製造方
法;並びに上記方法で選別された吸水性樹脂を与える条
件下で、水溶性単量体もしくはその前駆体および必要に
より架橋剤および/または多糖類の重合および必要によ
り後処理,後架橋,乾燥,粉砕,分級,混合体形成およ
び/または表面改質処理を行うことにより、優れた耐ゲ
ルブロッキング性を有する吸水性樹脂を得ることを特徴
とする、吸水性樹脂の製造方法が提供される。
【0007】測定法(II):円筒容器に吸水性樹脂を
投入し、異なる添加倍率(S)の生理食塩水を加えて調
製した、各測定用膨潤ゲルについて、JIS K639
4に規定の動的粘弾性測定法における強制振動非共振方
法かつ剪断方法により、上記円筒容器内で回転振動によ
り剪断を加えて剪断応力(τ)を測定し、測定される剪
断応力(τ)を添加倍率(S)に対してプロットした剪
断応力(τ)−添加倍率(S)曲線(L)の、微分変曲
点[(τ)を(S)で微分した値(dτ/dS)を
(S)に対してプロットした曲線の変曲点(傾きの絶対
値が最大となる点)]における添加倍率(Si)および
剪断応力(τi)を、それぞれ微分変曲点吸収量および
ゲル摩擦指数とする。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の吸収剤を構成する吸水性
樹脂(A)は、通常55以上、好ましくは60g/g以
上さらに65g/g以上とくに70g/g以上、最も好
ましくは75g/g以上で、通常100g/g以下、好
ましくは95g/g以下さらに90g/g以下とくに8
5g/g以下、最も好ましくは80g/g以下の微分変
曲点吸収量(Si)を有し;また、通常10Pa以上、
好ましくは12Pa以上さらに14Paとくに16Pa
以上とりわけ18Pa以上、最も好ましくは20Pa以
上で、通常30Pa以下、好ましくは28Pa以下さら
に26Pa以下とくに24Pa以下、最も好ましくは2
2Pa以下のゲル摩擦指数(τi)を有する。更に、
(Si)と(τi)が、下記の関係式(1)、さらに
(2)とくに(3)を満たすものが好ましい。
【0009】
【数1】 上記範囲内の(Si)および(τi)を有する(A)か
らなる吸収剤は、吸収性物品に優れたドライ性及び耐モ
レ性を与えることができる。
【0010】本発明の吸収剤を構成する(A)の測定法
(I)による(Si)および(τi)の測定は、以下の
ようにして行うことができる。内径26.0mmの円筒
(コップ状)容器に、0.2gの吸収剤を均一な厚みに
なるように投入し、吸水剤に対して重量倍率で、それぞ
れ20倍〜100倍まで5倍おき(20倍、25倍、3
0倍、・・・、95倍、100倍)の添加倍率(S)の
生理食塩水を加え、30分放置して、各添加倍率の測定
用ゲルを調製する。円筒容器の高さは通常40.0mm
である。
【0011】測定に用いる装置としては、JISK63
94に規定された動的粘弾性を測定する基本原理に基づ
く、強制振動非共振方法かつ剪断方法により、上記円筒
容器内で回転振動により剪断を加えて、剪断応力(τ)
を測定する。測定装置としては、例えば公知のレオメー
ター(例えばレオメトリック社 レオメーターVAR−
50)において、被験体1をセットする測定ユニットの
形状を図1に示されるように円筒(コップ状)容器に設
計した装置が使用できる。(τ)の測定は、例えば図1
に示されるように、円筒容器(1)内の膨潤ゲル上に、
直径25.0mmの円盤部を有するジオメトリーを載せ
て、その軸を中心として円盤部を回動させることにより
剪断を加えて行われる。測定は、荷重0.1N、周波数
1.0Hz、歪み振幅0.5%、試験温度25℃の条件
下で行われる。
【0012】測定されたそれぞれの剪断応力(τ)を添
加倍率(S)に対しプロットし、図2の上部に示される
ような、剪断応力(τ)−添加倍率(S)曲線(L)を
作成する。得られた剪断応力(τ)−添加倍率(S)曲
線(L)から、その微分変曲点(i)における剪断応力
(τi)および添加倍率(Si)を求め、(τi)およ
び(Si)の値をそれぞれゲル摩擦指数(τi)および
微分変曲点吸収量(Si)とする。微分変曲点(i)
は、図2の下部に示されるように、(τ)を(S)で微
分した値(dτ/dS)を(S)に対してプロットした
曲線を作成し、その変曲点(傾きの絶対値が最大となる
点)の(S)の値(Si)に相当する曲線L上の点を意
味する。
【0013】吸水性樹脂(A)としては、通常の水膨潤
性架橋ポリマー(a)を、(Si)および(τi)が所
定の範囲内となるように改質および/または調整したも
のが使用できる。(a)としては、水溶性単量体もしく
はその前駆体および必要により架橋剤および/または多
糖類を重合させ必要により後処理,後架橋,乾燥,粉砕
および/または分級してなる水膨潤性架橋ポリマーが使
用できる。(a)の製造に用いる水溶性単量体、その前
駆体、架橋剤および多糖類としては、例えば米国特許第
4076663号明細書に記載の水溶性単量体、加水分
解により水溶性となる単量体、架橋剤および多糖類、及
び以下に挙げる公報および明細書に記載のものが挙げら
れる。(a)として好ましいのはアクリル酸(塩)を主
構成単位とするエチレン性不飽和単量体の架橋重合体で
ある。上記および以下において、アクリル酸(塩)はア
クリル酸および/またはアクリル酸塩を表し、同様の表
現を用いる。
【0014】(a)の具体例には、例えば(a1)特開
昭55−133413号公報等に記載のような、水溶液
重合(断熱重合,薄膜重合,噴霧重合等)により得られ
る架橋ポリアクリル酸(塩);(a2)特公昭54−3
0710号公報,特開昭56−26909号公報,特開
平11−5808号公報等に記載のような、逆相懸濁重
合により得られる架橋ポリアクリル酸(塩);(a3)
特公昭53−46199号公報,特公昭53−4620
0号公報等に記載のような、デンプン−アクリル酸
(塩)グラフト架橋共重合体;(a4)特開昭52−1
4689号公報、特開昭52−27455号公報等に記
載のような、ビニルエステルと不飽和カルボン酸(誘導
体)との共重合体のケン化物;(a5)特開昭58−2
312号公報,特開昭61−36309号公報等に記載
のような、アクリル酸(塩)とスルホ(塩)基含有モノ
マーとの共重合体;(a6)米国特許4389513号
明細書等に記載のような、イソブチレン−無水マレイン
酸共重合架橋体;(a7)特開昭46−43995号公
報等に記載のような、デンプン−アクリロニトリル共重
合体の加水分解物;および(a8)米国特許46507
16号明細書等に記載のような架橋カルボキシメチルセ
ルロース誘導体;並びにこれらの2種以上の混合物が含
まれる。これらのうち、製造コストの点から好ましいの
は、(a1),(a2)及び(a3)、とくに(a1)
及び(a2)である。
【0015】さらに、(a)には、上記のような水膨潤
性架橋ポリマーを表面架橋処理(表面近傍を架橋)して
なるポリマーが含まれる。このようなポリマーは吸水速
度および荷重下吸収量(KK)が優れる点で好ましい。
表面架橋剤としては、例えば特開昭59−189103
号公報等に記載の多価グリシジル;特開昭58−180
233号公報,特開昭61−16903号公報等に記載
の多価アルコール,多価アミン,多価アジリジン及び多
価イソシアネート;特開昭61−211305号公報,
特開昭61−252212号公報等に記載のシランカッ
プリング剤;並びに特開昭51−136588号公報,
特開昭61−257235号公報等に記載の多価金属
(化合物)が挙げられる。これらのうち、カルボキシル
(塩)基と強い共有結合を形成して吸水速度及び加圧下
の吸水量の双方に優れた吸水性樹脂が得られるという観
点や架橋反応を比較的低い温度で行わせることができて
経済的であるという観点等から、多価グリシジル、多価
アミン及びシランカップリング剤が好ましく、さらにシ
ランカップリング剤およびとくに多価グリシジルが好ま
しい。
【0016】表面架橋剤の使用量は特に限定されず、表
面架橋剤の種類,架橋させる条件,目標とする性能等に
より種々変化させることができる。吸水性能の観点か
ら、(a)の原料単量体の全重量に基づいて、3%以下
さらに2%以下とくに1%以下が好ましく、また0.0
01%以上さらに0.005%以上とくに0.01%以
上が好ましい。表面架橋処理は、(a)と水を含有する
含水樹脂の乾燥前、乾燥中および/または乾燥後の何れ
の段階でも行うことができる。目標性能に対して架橋条
件の調整が容易である点から、乾燥中又は乾燥後の段階
で行うのが好ましい。
【0017】この表面架橋処理を行う方法としては、従
来公知の方法が適用できる。例えば表面架橋剤、水及び
有機溶媒からなる混合溶液を(a)又は含水樹脂と混合
し、加熱反応させる方法が挙げられる。表面架橋処理に
使用する水の量は、表面架橋剤の(a)の内部への浸透
を適度にする観点から、(a)の原料単量体の全重量に
基づいて、10%以下さらに8%以下とくに7%以下が
好ましく、また1%以上さらに1.5%以上とくに2%
以上が好ましい。
【0018】表面架橋処理に使用する有機溶媒として
は、従来公知の親水性溶媒が使用可能であり、表面架橋
剤の(a)の内部への浸透度合い、表面架橋剤の反応性
等を考慮し、適宜選択することができる。水に溶解しう
る親水性有機溶媒、例えばアルコール系溶媒(メタノー
ル、エタノール、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール等)が好ましい。このよ
うな溶媒は単独で使用しても、2種以上併用してもよ
い。有機溶媒の使用量は、有機溶媒の種類により種々変
化させることができる。(a)の原料単量体の全重量に
基づいて、0.2%以上さらに0.5%以上とくに1%
以上が好ましく、また20%以下さらに15%以下とく
に10%以下が好ましい。
【0019】また、水に対する有機溶媒の使用比率は任
意に変化させることができる。有機溶媒の使用量は、水
の重量に基づいて、80%以下さらに75%以下とくに
70%以下が好ましく、また20%以上さらに25%以
上とくに30%以上が好ましい。表面架橋処理の温度
は、200℃以下さらに180℃以下とくに160℃以
下が好ましく、また80℃以上さらに90℃以上とくに
100℃以上が好ましい。
【0020】表面架橋処理の反応時間は反応温度により
異なるが、一般に、60分以下さらに50分以下とくに
40分以下が好ましく、また3分以上さらに5分以上と
くに10分以上が好ましい。表面架橋剤で表面架橋して
得られる(a)又は含水樹脂を、更にこれと同種もしく
は異種の表面架橋剤で追加の表面架橋を施すこともでき
る。追加の表面架橋剤の使用量、処理方法、処理温度、
処理時間等は上記の場合と同様である。
【0021】(a)の形状はとくに限定されないが、粒
状、とくに球状,顆粒状,破砕状,針状,薄片状及びこ
れらの一次粒子が互いに融着したような凝集状が好まし
い。膨潤ゲル間の摩擦を低減できる点から、真球状が最
も好ましい。(a)の大きさはとくに制限がないが、
(a)の全重量の90%以上(好ましくは93%以上と
くに95%以上)の粒子径が、好ましくは1180μm
以下さらに1000μm以下とくに850μm以下、最
も好ましくは710μm以下であり、また好ましくは3
8μm以上さらに63μm以上とくに106μm以上、
最も好ましくは150μm以上である。
【0022】(a)の大きさの測定は、ロータップ試験
ふるい振とう機及びJIS Z8801−2000に規
定されたふるいを用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジ
ニアーズ・ハンドブック第6版(マックグロー−ヒル・
ブック・カンパニー、1984年、21頁)に記載の方
法で行うことができる。(以下、粒子径の測定は本方法
による。)
【0023】上記のような水膨潤性架橋ポリマー(a)
を、(Si)および(τi)が所定の範囲内となるよう
に改質および/または調整して、本発明の吸収剤を構成
する吸水性樹脂(A)として使用することができる。こ
のような吸水性樹脂(A)としては、(a)の少なくと
も一部を表面改質剤(b)により処理して得られる吸収
性樹脂が好適である。
【0024】表面改質剤(b)としては、(a)の表面
に付着(物理吸着)および/または固着(化学結合)し
た状態となることにより、(a)の表面を改質し、吸水
して生成する含水ゲル状樹脂の間において水浸透性を付
与できるものを使用することができる。ここで、(b)
は、(a)の表面状態を改質し、加圧下吸収性能を保っ
たままドライネス性能を改良するものであるのに対し、
表面架橋剤は、(a)の表面を架橋し加圧下吸収性能を
向上させるだけのものである。両者は、このような使用
目的および作用効果の相違に応じて、それらの特性値が
異なり、例えば表面架橋剤の表面張力が通常40〜20
0ダイン/cmであるのに対して(b)の表面張力は通
常10〜30ダイン/cmである点で明確に異なる。
【0025】(b)としては、(a)の表面に安定して
(b)が存在することができ吸水時のゲル間の浸透効果
が持続することができる点で、(a)と化学結合し得る
結合基を1種または2種以上有するものが好ましい。そ
の結合様式としては、水素結合、イオン結合及び共有結
合等が挙げられる。
【0026】水素結合で結合する結合基としては、水酸
基(−OH)、エーテル結合からなる基(−O−)、カ
ルボキシル(塩)基(−COOM)、カルボン酸無水物
からなる基(−CO−O−CO−)、スルホ(塩)基
(−SO3M)、硫酸エステル(塩)からなる基(−O
SO3M)及びホスホノ(塩)基[−PO(OM)2,>
PO−OM]等が挙げられる。なお、Mは、水素原子、
アルカリ金属、アルカリ土類金属又はアンモニウムを表
す。
【0027】これらの結合基中の酸素原子が(a)中の
カルボキシル基中の水素原子と水素結合する。さらに、
結合基が水酸基、カルボキシル基、スルホ基、硫酸エス
テルからなる基又はホスホノ基の場合には、結合基中の
水素原子が(a)中のカルボキシル基中の酸素原子と水
素結合する。イオン結合で結合する結合基としては、例
えばアミノ基(−NH2)、アルキルアミノ基(−NH
R)、ジハイドロカルビルアミノ基(−NR2)、アミ
ド結合からなる基(−CONH2、−CONHR、−C
ONR2等)及びイミド結合からなる基(−CONHC
O−、−CO−NR−CO−等)が挙げられる。なお、
カッコ内のRはC(炭素数、以下同様)1〜30(好ま
しくは1〜20とくに1〜18)のハイドロカルビル基
(アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル
基、アルアルケニル基等)、ヒドロキシアルキル基等
(2個のRが結合してNと共に複素環を形成していても
よい)を表す。これらの結合基中の窒素原子が(a)中
のカルボキシル基とイオン結合する。
【0028】共有結合で結合する結合基は、(a)中の
カルボキシル(塩)基(−COOM)と化学反応し結合
しうる官能基等が用いられる。例えば、エポキシ基(カ
ルボキシル基と付加反応しエステル結合を生成)、水酸
基(カルボキシル基とエステル化反応しエステル結合を
生成)、アミノ基(カルボキシル基とアミド化反応しア
ミド結合を生成)及びイソシアネート基(カルボキシル
基と反応しアミド結合を生成)等が挙げられる。これら
の結合基のうち、反応の容易さの観点から、水素結合で
結合する結合基及びイオン結合で結合する結合基が好ま
しく;更に、水酸基、エーテル結合からなる基、アミノ
基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボキ
シル(塩)基、スルホ(塩)基、硫酸エステル(塩)か
らなる基及びホスホノ(塩)基、とくに水酸基、エーテ
ル結合からなる基、アミノ基、カルボキシル(塩)基、
スルホ(塩)基、硫酸エステル(塩)からなる基及びホ
スホノ(塩)基が好ましい。
【0029】(b)は結合基を少なくとも1個、好まし
く少なくとも5個とくに少なくとも7個、最も好ましく
は少なくとも10個有し、好ましくは20個以下さらに
18個以下とくに16個以下、最も好ましくは15個以
下有する。結合基の数がこの範囲であるとさらに安定且
つ均一に(a)の表面に(b)が存在し易くなる傾向が
ある。
【0030】(b)の表面張力は、好ましくは10ダイ
ン/cm以上さらに11ダイン/cm以上とくに13ダ
イン/cm以上、最も好ましくは15ダイン/cm以
上、好ましくは30ダイン/cm以下さらに28ダイン
/cm以下とくに27ダイン/cm以下、最も好ましく
は26ダイン/cm以下である。表面張力がこの範囲で
あると、含水ゲル状樹脂の間の浸透性がさらに良好にな
り、ドライネスがさらに向上する傾向がある。表面張力
は、輪環法[C.Hub,S.G.Mason,Col
loid&Polymer Science,253巻
(1974年),566頁記載]により測定される。
【0031】(b)としては、例えば、フッ素原子を含
有してもよい炭化水素基を有する有機化合物(b1)及
びシリコーン化合物(b2)等が使用できる。フッ素原
子を含有していてもよい炭化水素基には、C3以上(好
ましくはC8以上とくにC12以上、重量平均分子量
[GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)
による。以下Mwと略記]が30,000以下(好まし
くは20,000以下さらに15,000以下とくに1
0,000以下)の炭化水素基[脂肪族炭化水素基、芳
香族炭化水素基(C6以上)、脂環式炭化水素基(C5
以上)等]、及び少なくとも3個(好ましくは少なくと
も10個とくに少なくとも15個)60個以下(好まし
くは50個以下とくに40個以下)のフッ素原子を有す
るC1以上(好ましくはC2以上さらに3以上とくに5
以上最も好ましくは8以上)C30以下(好ましくは2
5以下とくに20以下)のフッ素含有炭化水素基等が含
まれる。
【0032】脂肪族炭化水素には、ハイドロカルビル基
およびハイドロカルビレン基が含まれる。ハイドロカル
ビル基としては、直鎖および分岐のアルキル基、例えば
n−およびi−プロピル基、n−,i−,s−およびt
−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2
−エチルヘキシル基、ドデシル基、ステアリル基、エイ
コシル基及びトリアコンチル基;アルケニル基、例え
ば、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセ
ニル基、オクテニル基、ドデセニル基、オクタデセニル
基、エイコセニル基及びトリアコンテニル基;並びにシ
クロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキ
シル基及びメチルシクロヘキシル基が挙げられる。
【0033】ハイドロカルビレン基としては、アルキレ
ン基、例えばプロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン
基、オクチレン基、ドデシレン基、オクタデシレン基及
びエイコシレン基;アルケニレン基、例えばプロペニレ
ン基、ブテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン
基、ドデセニレン基、オクタデセニレン基、エイコセニ
レン基及びトリアコンテニレン基;シクロアルキレン
基、例えばシクロヘキシレン基及びダイマー酸残基(2
個のカルボキシル基を除いた残基);並びにポリオレフ
ィン[C2〜20またはそれ以上のオレフィン(エチレ
ン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、α−オレフ
ィン等)の1種以上の(共)重合体、それらの熱減成物
等]の残基(2個の水素原子を除いた残基)、例えばポ
リエチレンおよびその熱減成物(C4以上、好ましくは
8以上とくに12以上、Mw20,000以下、好まし
くは15,000以下とくに10,000以下)やポリ
プロピレンおよびその熱減成物(C6以上、好ましくは
9以上とくに12以上、Mw20,000以下、好まし
くは15,000以下とくに10,000以下)の残基
が挙げられる。
【0034】芳香族炭化水素基としては、(アルキルお
よび/またはアリール)アリール基、例えばフェニル
基、エチルフェニル基、テトラデシルフェニル基、ノニ
ルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル
基、ジヘプチルフェニル基、ジノニルフェニル基、ジノ
ニルフェニルフェニル基、トリル基、メシチル基、クメ
ニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニリル基、ナフ
チル基、アントリル基及びフェナントリル基;アラルキ
ル基、例えばベンジル基及びフェネチル基;アリーレン
基、例えばフェニレン基、エチルフェニレン基、テトラ
デシルフェニレン基、ノニルフェニレン基、ジメチルフ
ェニレン基、ジエチルフェニレン基、ジヘプチルフェニ
レン基、ジノニルフェニレン基、ジノニルフェニルフェ
ニレン基、トリレン基、メシチレン基、クメニレン基、
キシリレン基、メチレンビスフェニレン基(ジフェニル
メタン残基)、ナフチレン基、アントリレン基、フェナ
ントリレン基及びビスフェノール類(ビフェノール、ビ
スフェノールA、ビスフェノールF等)のフェノール性
水酸基を除いた残基等が挙げられる。
【0035】これらのうち、より小さい表面張力を有す
る(b)を与えるという観点から好ましいのは、脂肪族
炭化水素基、とくにアルキル基,アルケニル基及びアル
ケニレン基である。更に好ましいのは、ペンチル基、ヘ
キシル基、ドデシル基、ステアリル基、トリアコンチル
基、オクチレン基、ドデシレン基、並びにとくにオクチ
ル基および以下のものである。最も好ましいのは、ドデ
シル基、ステアリル基、トリアコンチル基、並びにポリ
エチレン、ポリプロピレンおよびそれらの熱減成物の残
基である。
【0036】フッ素含有炭化水素基には、フッ素含有脂
肪族炭化水素基及びフッ素含有芳香族炭化水素基等が含
まれる。フッ素含有脂肪族炭化水素基の例およびその好
ましいものには、以下のものが含まれる。パーフルオロ
アルキル基(C1〜30、好ましくは5〜25とくに8
〜20)、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオ
ロエチル基、好ましいのはペンタフルオロプロピル基
(ペンタフルオロエチルメチル基等)、ヘプタフルオロ
プロピル基、ヘプタフルオロブチル基(ヘプタフルオロ
メチル基等)、ノナフルオロヘキシル基(ノナフルオロ
ブチルエチル基等)、トリデカフルオロオクチル基(ト
リデカフルオロヘキシルエチル基等)及びヘプタデカフ
ルオロドデシル基(ヘプタデカフルオロオクチルブチル
基等);
【0037】パーフルオロアルキル(C1〜30、好ま
しくは5〜25とくに8〜20)−アルキレン基(C1
〜20、好ましくは1〜10とくに2〜8)、例えばペ
ンタフルオロエチル−エチレン基、ヘプタフルオロプロ
ピル−エチレン基、好ましいのはノナフルオロブチル−
エチレン基、トリデカフルオロヘキシル−エチレン基及
びヘプタデカフルオロオクチル−エチレン基;
【0038】パーフルオロアルキレン基(C1〜30、
好ましくは5〜25とくに8〜20)、例えばジフルオ
ロメチレン基、好ましいのはテトラフルオロエチレン
基、ヘキサフルオロプロピレン基、オクタフルオロブチ
レン基、ドデカフルオロヘキシレン基、ヘキサデカフル
オロオクチレン基及びテトラコサフルオロドデシレン
基;
【0039】パーフルオロアルケニル基(C3〜3
0)、例えばペンタフルオロプロペニル基、ヘプタフル
オロブテニル基、好ましいのはノナフルオロペンテニル
基、ウンデカフルオロヘキセニル基、ペンタデカオクテ
ニル基、トリコサドデセニル基及びノナペンタコンタフ
ルオロトリアコンテニル基;並びに
【0040】パーフルオロアルケニレン基(C3〜3
0)、例えばテトラフルオロプロペニレン基、好ましい
のはヘキサフルオロブテニレン基、デカフルオロヘキセ
ニレン基、テトラデカフルオロオクテニレン基、ドコサ
フルオロドデセニレン基及びオクタペンタコンタフルオ
ロトリアコンテニレン基等。
【0041】フッ素含有芳香族炭化水素基の例およびそ
の好ましいものには、パーフルオロアリール基(C6〜
30)、例えばペンタフルオロフェニル基、好ましいの
はヘプタフルオロメチルフェニル基、ノナフルオロエチ
ルフェニル基、トリトリアコンタフルオロテトラデシル
フェニル基、ノナフルオロジメチルフェニル基、トリデ
カフルオロジエチルフェニル基及びトリトリアコンタフ
ルオロジヘプチルフェニル基;並びに
【0042】パーフルオロアリーレン基(C6〜3
0)、例えばテトラフルオロフェニレン基、好ましいの
はヘキサフルオロメチルフェニレン基、オクタフルオロ
エチルフェニレン基、ジトリアコンタフルオロテトラデ
シルフェニレン基、オクタフルオロジメチルフェニレン
基、ドデカフルオロジエチルフェニレン基及びジトリア
コンタフルオロジヘプチルフェニレン基が含まれる。
【0043】(b1)のうち、フッ素原子を含有してい
ない炭化水素基を有するものの例には、以下のものが含
まれる。 結合基として水酸基を有するもの:アルコール類、例え
ばオクチルアルコール、オクチレンジオール、トリアコ
ンチルアルコール、オクテニルアルコール、トリアコン
テニルアルコール及びオクテニレンジオール; 結合基としてエーテル結合からなる基を有するもの:上
記アルコール類のアルキレンオキサイド[C2〜12ま
たはそれ以上(好ましくはC2〜4):エチレンオキサ
イド(以下EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下
とPO略記)、1,2−,2,3−,1,3−および
1,4−ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイ
ド、及び置換アルキレンオキサイドたとえばスチレンオ
キサイド等の1種または2種以上(ランダムおよび/ま
たはブロック)]付加物(付加モル数1〜30モルまた
はそれ以上)、例えばオクチルアルコールEO(1〜2
0モル)付加物、オクチレンジオールEO(1〜20モ
ル)付加物、トリアコンチルアルコールEO(1〜20
モル)付加物、オクテニルアルコールEO(1〜20モ
ル)付加物、トリアコンテニルアルコールEO(1〜2
0モル)付加物及びオクテニレンジオールEO(1〜2
0モル)付加物;
【0044】結合基としてカルボキシル基を有するも
の:例えばオクタンカルボン酸、オクタンジカルボン酸
及びトリアコンタンカルボン酸; 結合基としてカルボン酸無水物からなる基を有するも
の:例えばポリエチレン−マレイン酸変性物(Mw50
0〜30,000、好ましくは600〜15,000と
くに800〜10,000)及びポリプロピレン−マレ
イン酸変性物(Mw500〜30,000、好ましくは
600〜15,000とくに800〜10,000); 結合基としてスルホ基又はホスホノ基を有するもの:例
えばオクチルスルホン酸及びトリアコンチルホスホン
酸; 結合基としてアミノ基を有するもの:例えばオクチルア
ミン、ジオクチルアミン、トリアコンチルアミン、トリ
アコンチルメチルアミン及びオクチレンジアミン;
【0045】結合基としてアミド結合からなる基を有す
るもの:例えばポリエチレン−マレイン酸アミド変性物
(Mw500〜30,000、好ましくは600〜1
5,000とくに800〜10,000)及びポリプロ
ピレン−マレイン酸アミド変性物(Mw500〜30,
000、好ましくは600〜15000とくに800〜
10,000); 結合基としてイミド結合からなる基を有するもの:ポリ
エチレン−マレイン酸イミド変性物(Mw500〜3
0,000、好ましくは600〜15,000とくに8
00〜10,000)及びポリプロピレン−マレイン酸
イミド変性物(Mw500〜30,000、好ましくは
600〜15,000とくに800〜10,000);
並びに 結合基としてエポキシ基を有するもの:オクチルグリシ
ジルエーテル、オクチレンジグリシジルエーテル及びト
リアコンチルグリシジルエーテル。
【0046】(b1)のうちフッ素原子を含有している
ものの例には、以下のものが含まれる。 結合基として水酸基を有するもの:例えばノナフルオロ
ヘキシルアルコール、ドデカフルオロヘキシレンジオー
ル、テトラコサフルオロドデシレンジオール、デカフル
オロヘキセニルアルコール、テトラフルオロフェノー
ル、テトラフルオロフジヒドロキシベンゼン、トリ(ト
リアコンタフルオロヘプチル)フェノール及びトリ(ト
リアコンタフルオロヘプチル)ジヒドロキシベンゼン;
【0047】結合基としてエーテル結合からなる基を有
するもの:例えばノナフルオロヘキシルアルコールEO
(1〜20モル)付加物、ドデカフルオロヘキシレンジ
オールEO(1〜20モル)付加物、テトラコサフルオ
ロドデシレンジオールEO(1〜20モル)付加物、デ
カフルオロヘキセニルアルコールEO(1〜20モル)
付加物、テトラフルオロフェノールEO(1〜20モ
ル)付加物、テトラフルオロフジヒドロキシベンゼンE
O(1〜20モル)付加物、トリ(トリアコンタフルオ
ロヘプチル)フェノールEO(1〜20モル)付加物及
びトリ(トリアコンタフルオロヘプチル)ジヒドロキシ
ベンゼンEO(1〜20モル)付加物;
【0048】結合基としてカルボキシル基を有するも
の:例えばノナフルオロヘキサンカルボン酸及びドデカ
フルオロヘキサンジカルボン酸; 結合基としてスルホ基又はホスホノ基を有するもの:例
えばノナフルオロヘキシルスルホン酸及びノナフルオロ
ヘキシルホスホン酸; 結合基としてカルボン酸塩からなる基を有するもの:例
えばノナフルオロヘキサンカルボン酸ナトリウム塩及び
ドデカフルオロヘキサンジカルボン酸ジナトリウム塩;
【0049】結合基としてアミノ基を有するもの:例え
ばノナフルオロヘキシルアミン、ジ(ノナフルオロヘキ
シル)アミン、ドデカフルオロヘキシレンジアミン、テ
トラコサフルオロドデシレンジアミン及びデカフルオロ
ヘキセニルアミン;並びに 結合基としてエポキシ基を有するもの:例えばノナフル
オロヘキシルグリシジルエーテル及びドデカフルオロヘ
キレンジグリシジルエーテル。
【0050】(b)のうち、表面張力及び結合形成の容
易さの観点から好ましいのは、水素結合で結合する結合
基[水酸基、エーテル結合からなる基、カルボキシル
(塩)基、カルボン酸無水物からなる基、スルホ(塩)
基、硫酸エステル(塩)からなる基及びホスホノ(塩)
基)及びイオン結合で結合する結合基(アミノ基、アル
キルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アミド結合からな
る基及びイミド結合からなる基]を有するもの、とくに
トリアコンチルアルコール、トリアコンテニルアルコー
ル、トリアコンチルアルコールEO(1〜20モル)付
加物、トリアコンテニルアルコールEO(1〜20モ
ル)付加物、トリアコンチルカルボン酸、ポリエチレン
−マレイン酸変性物、ポリプロピレン−マレイン酸変性
物、トリアコンチルホスホノ酸、ジオクチルアミン、ト
リアコンチルアミン、トリアコンチルメチルアミン、ポ
リエチレン−マレイン酸アミド変性物、ポリプロピレン
−マレイン酸アミド変性物、ポリエチレン−マレイン酸
イミド変性物、ポリプロピレン−マレイン酸イミド変性
物、ノナフルオロヘキシルアルコール、ドデカフルオロ
ヘキレンジオール、テトラコサフルオロドデシレンジオ
ール、デカフルオロヘキセニルアルコール、テトラフル
オロフェノール、テトラフルオロフジヒドロキシベンゼ
ン、トリトリアコンタフルオロヘプチルフェノール、ト
リトリアコンタフルオロヘプチルジヒドロキシベンゼ
ン、ノナフルオロヘキシルアルコールEO(1〜20モ
ル)付加物、ドデカフルオロヘキレンジオールEO(1
〜20モル)付加物、テトラコサフルオロドデシレンジ
オールEO(1〜20モル)付加物、デカフルオロヘキ
セニルアルコールEO(1〜20モル)付加物、テトラ
フルオロフェノールEO(1〜20モル)付加物、テト
ラフルオロフジヒドロキシベンゼンEO(1〜20モ
ル)付加物、トリトリアコンタフルオロヘプチルフェノ
ールEO(1〜20モル)付加物、トリトリアコンタフ
ルオロヘプチルジヒドロキシベンゼンEO(1〜20モ
ル)付加物、ノナフルオロヘキシルカルボン酸、ドデカ
フルオロヘキレンジカルボン酸、ノナフルオロヘキシル
スルホン酸、ノナフルオロヘキシルホスホン酸、ノナフ
ルオロヘキシルカルボン酸ナトリウム、ドデカフルオロ
ヘキレンジカルボン酸ナトリウム、ノナフルオロヘキシ
ルアミン、ジノナフルオロヘキシルアミン、ドデカフル
オロヘキレンジアミン、テトラコサフルオロドデシレン
ジアミン及びデカフルオロヘキセニルアミンである。
【0051】シリコーン化合物(b2)としては、例え
ばポリエーテル変性シリコーンオイル(ポリEO変性シ
リコーン及びポリEO・ポリPO変性シリコーン等、例
えば信越化学工業社製、商品名:KF−351,KF−
352,KF−353およびKF−615A、東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン社製、商品名:BY−16−
004,SH3746およびSF8410);カルボキ
シル変性シリコーンオイル(例えば信越化学工業社製、
商品名:X−22−162C,X−22−3701Eお
よびX−22−3710、東レ・ダウコーニング・シリ
コーン社製、商品名:BY−16−750およびSF8
418);アルキル変性シリコーンオイル(例えば信越
化学工業社製、商品名:KF−412,KF−413お
よびKF−414、東レ・ダウコーニング・シリコーン
社製、商品名:SH203,SH230およびSF84
16);エポキシ変性シリコーンオイル(例えば信越化
学工業社製、商品名:KF−105,X−22−163
A,X−22−163C,KF−1001およびX−2
2−169B、東レ・ダウコーニング・シリコーン社
製、商品名:BY16−855D,SF8411,BY
16−839およびSF8421);アミノ変性シリコ
ーンオイル(例えば信越化学工業社製、商品名:KF−
880,KF−885,KF−867,KF−8003
およびKF−8004、東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン社製、商品名:BY−16−853C,BY16−
208,BY16−209,BY16−850およびB
Y16−872);アルコキシ変性シリコーンオイル
(例えば信越化学工業社製、商品名:KF−857,K
F−862およびKF−8001);並びにこれらの2
種以上を併用が挙げられる。これらのうち、比較的安価
に入手しうるという点で、ポリエーテル変性シリコーン
オイルとくにポリEO変性シリコーンが好ましい。
【0052】(b)は、(a)との均一混合性の観点か
ら、2,000cSt以下さらに1,500cSt以下
とくに1000cSt以下の25℃における粘度を有す
るのが好ましく;また(b)が(a)の内部へ浸透せず
目的とする効果を発揮しやすい点で,10cSt以上と
くに20cSt以上の25℃における粘度を有するのが
好ましい。
【0053】(b)は、水および/または揮発性溶剤
に、溶解又は乳化した形態で使用することもできる。揮
発性溶剤としては、20℃での蒸気圧が17.5〜70
0mmHgのもの、さらに20〜600mmHg、とく
に30〜500mmHgのものが好ましい。揮発性溶剤
としては、例えばアルコール(メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール等)、炭化水素(ヘキサ
ン、シクロヘキサン、トルエン等)、エーテル(ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等)、ケトン(アセト
ン、メチルエチルケトン等)、エステル(酢酸エチル、
酢酸イソプロピル、炭酸ジエチル等)が挙げられる。水
又は揮発性溶剤を使用する場合、これらの使用量は、
(a)の重量に基づいて、好ましくは1〜900%、さ
らに5〜700%、とくに10〜400%である。
【0054】(b)は、吸水速度(とくに加圧下の初期
吸水量)及び加圧下の吸水倍率がさらに向上し、かつ耐
吸湿ブロッキング性能のさらに良好な吸水性重合体の粒
子としやすい点から、7以上(さらに8以上とくに10
以上)18以下のHLB(グリフィンのHLB)を有す
る。
【0055】(b)の使用量は、(a)の重量に基づい
て、(b)による処理効果の点で、好ましくは0.00
1%以上さらに0.005%以上とくに0.07%以
上、最も好ましくは0.1%以上であり;また、粉体流
動性の点から、好ましくは3%以下さらに2%以下とく
に1.5%以下、最も好ましくは1.0%以下である。
【0056】本発明における吸水性樹脂(A)として
は、(Si)および(τi)が所定の範囲内となるよう
に、(a)を(b)で改質してなるものであればよい
が;(a)の表面近傍に(b)が存在することが好まし
い。(b)による改質は、単量体を重合させた後の
(a)と(b)とを混合・処理することにより行うのが
望ましい。(A)の(Si)および(τi)は、(a)
および(b)の種類、(b)の量、2種以上の樹脂の併
用およびその混合割合等により調整することができる。
また、逆相懸濁重合により(a)を製造する場合、重合
工程中、重合工程直後、脱水工程中(水分10%前後ま
で脱水する工程中)、脱水工程直後、重合で得られた
(a)と重合に用いた有機溶剤とを分離する工程中、表
面架橋処理工程直前、表面架橋処理工程中、表面架橋処
理工程直後又は乾燥工程中(10%以下まで乾燥する工
程)に(b)を混合・処理する方法等が挙げられる。こ
れらのうち、(a)の粒子表面を均一に処理する観点か
ら、重合工程直後、脱水工程中、脱水工程直後、重合で
得られた吸水性樹脂と重合に用いた有機溶剤とを分離す
る工程中、表面架橋処理工程直前、表面架橋処理工程
中、表面架橋処理工程直後又は乾燥工程中に混合・処理
することが好ましい。(b)の結合基と(a)との結合
しやすさの観点から、さらに好ましいのは、重合工程直
後、脱水工程中、脱水工程直後、重合で得られた吸水性
樹脂と重合に用いた有機溶剤とを分離する工程中、表面
架橋処理工程直前、表面架橋処理工程中又は表面架橋処
理工程直後に混合処理すること、とくに脱水工程中、表
面架橋処理工程直前、表面架橋処理工程中又は表面架橋
処理工程直後に混合・処理することである。
【0057】すなわち、(a)と(b)とを混合・処理
する工程としては、何れの段階でもよいが、含水樹脂か
ら水の除去前、除去中又は除去後に行うのが好ましく、
(b)の結合基と(a)との結合しやすさの観点から、
さらに好ましくは含水樹脂の水分が10%以上の段階、
すなわち水の除去前又は除去中の段階である。
【0058】(a)と(b)とを混合・処理する方法と
しては、予め(b)を高濃度[例えば(a)の粒子に対
し5〜20%](a)に添加・混合してマスターバッチ
を作成しておき、マスターバッチを(b)として所定の
添加量になる様に(a)に添加して、混合・処理する方
法、(a)を撹拌しながら(b)を添加、又はスプレー
して混合・処理する方法等が挙げられる。上記方法にお
いて、添加混合処理、スプレー混合処理は、室温で行う
ことができるが、必要により何れか一方または双方を加
熱しておいて行ってもよい。例えば、(b)の粘度が
1,000〜2,000cSt又はこれ以上の場合、
(a)及び/又は(b)を加熱(たとえば30〜200
℃、好ましくは40〜160℃とくに50〜120℃)
してから(a)と(b)とを混合・処理することができ
る。また、混合処理の時間は、通常10分〜60分また
はそれ以上、好ましくは15〜45分である。(a)と
(b)との混合処理に用いる工業的な装置としては、と
くに制限はない。例えばコニカルブレンダー、ナウター
ミキサー、双腕型ニーダー、V型混合機、流動層式混合
機、タービュライザー、スクリュー式のラインブレンド
装置、リボンミキサー及びモルタルミキサー等の機械的
混合装置が好適に用いられる。
【0059】(a)が表面架橋剤でその粒子の表面近傍
を表面架橋処理された架橋重合体である場合は、表面架
橋剤溶液の中に(b)を添加しておいてもよい。(b)
の結合基の結合様式が主に共有結合の場合、(a)と
(b)とを混合した後、加熱工程を設けて加熱反応を行
うことが好ましい。加熱温度は、80〜200℃が好ま
しく、さらに好ましくは90〜160℃、とくに好まし
くは100〜140℃である。反応時間は、反応温度に
より変化させることができるが、3〜60分が好まし
く、さらに好ましくは5〜40分、とくに好ましくは8
〜30分である。(b)の結合基の結合様式が主に水素
結合又は主にイオン結合の場合、(a)と(b)とを混
合した後、とくに加熱する工程を設ける必要はない。
【0060】本発明の吸収剤における吸水性樹脂(A)
としては、(a)[(a1)〜(a8)の1種または2
種以上の混合物、好ましくは(a1)〜(a3)の1種
または2種以上の混合物とくに(a1)および/または
(a2)]の少なくとも一部を(b)で改質処理したも
のが使用できるが、水溶液重合により得られるアクリル
酸(塩)を主構成単位とするエチレン性不飽和単量体の
架橋重合体(a1)を(b)により処理して得られる吸
水性樹脂(A1)および逆相懸濁重合により得られるア
クリル酸(塩)を主構成単位とするエチレン性不飽和単
量体の架橋重合体(a2)を(b)により処理される吸
水性樹脂(A2)からなるものが好適である。
【0061】(A2)の配合量は、(A1)の重量に基
づいて、好ましくは0.5%〜45%さらに1〜40%
とくに5.0〜35%、最も好ましくは10〜20%で
ある。
【0062】(A)[(A1)および(A2)]の形状
はとくに限定はないが、粒状が好ましい。さらに好まし
いのは、球状、顆粒状、破砕状、針状、薄片状及びこれ
らの一次粒子が互いに融着したような凝集状、とくに真
球状である。真球状であれば、膨潤ゲル間の摩擦を低減
できる。(A)[(A1)および(A2)]の大きさは
とくに制限がないが、(A)の全重量の90%以上(好
ましくは93%以上とくに95%以上)の粒子径が、好
ましくは1180μm以下さらに1000μm以下とく
に850μm以下、最も好ましくは710μm以下であ
り、また好ましくは38μm以上さらに63μm以上と
くに106μm以上、最も好ましくは150μm以上で
ある。
【0063】本発明の吸収剤は、吸水性樹脂(A)に加
えて、必要により添加剤(B)を含有することができ
る。(B)としては、例えば防腐剤、防かび剤、抗菌
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、芳香剤、消臭
剤、無機質粉末及び有機質繊維状物等が使用できる。防
腐剤としては、例えばサリチル酸、ソルビン酸、デヒド
ロ酢酸及びメチルナフトキノン等の保存料、並びにクロ
ラミンB及びニトロフラゾン等の殺菌料等が挙げられ
る。防かび剤としては、例えばp−オキシ安息香酸ブチ
ル等が挙げられ;抗菌剤としては、例えば塩化ベンザル
コニウム塩及びグルコン酸クロルヘキシジン等が挙げら
れる。
【0064】酸化防止剤としては、例えばトリエチレン
グリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,
6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドトキシフェニルプロピオネート及び3,5−ジ−t−
ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジ
エチルエステル等のヒンダードフェノール系酸化防止
剤;n−ブチルアミン、トリエチルアミン及びジエチル
アミノメチルメタクリレート等のアミン系酸化防止剤;
並びにこれらの2種以上の混合物が挙げられる。紫外線
吸収剤としては、例えば2−(5−メチル−2−ヒドロ
キシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ
−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキ
シフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール及び2−
(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)
ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤;2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリア
ジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノ
ール等のトリアジン系紫外線吸収剤;2−ヒドロキシ−
4−n−オクチルオキシベンゾフェノン等のベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤;2−エトキシ−2'−エチルオキ
サリック酸ビスアニリド等の蓚酸アニリド系紫外線吸収
剤等;並びにこれらの2種以上の混合物等が挙げられ
る。
【0065】着色剤としては、例えばカーボンブラッ
ク、酸化チタン及びフェライト等の無機顔料;アゾレー
キ系、ベンジイミダゾロン系及びフタロシアニン系等の
有機顔料;並びにニグロシン系及びアニリン系等の染料
等が挙げられる。芳香剤としては、例えばじゃ香、アビ
エス油及びテレピン油等の天然香料;並びにメントー
ル、シトラール、p−メチルアセトフェノン及びフロー
ラル等の合成香料が挙げられる。消臭剤としては、例え
ばゼオライト、シリカ、フラボノイド及びシクロデキス
トリンが挙げられる。
【0066】無機質粉末としては、炭酸カルシウム、カ
オリン、タルク、マイカ、ベントナイト、クレー、セリ
サイト、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、ガラス
粉、ガラスバルーン、シラスバルーン、石炭粉、金属粉
末、セラミック粉末、シリカ、ゼオライト、スレート粉
等が挙げられる。形態は任意でよく、光散乱法で求めた
個数平均粒径は0.1μm〜1mmが好ましい。有機質
繊維状物としては、天然繊維〔セルロース(木綿、オガ
クズ、ワラ等)、並びにその他の草炭、羊毛、ミクロフ
ィブリル及びバクテリアセルロース等〕、人造繊維(レ
ーヨン及びアセテート等のセルロース系等)、合成繊維
(ポリアミド、ポリエステル及びアクリル等)、パルプ
〔メカニカルパルプ(丸太からの砕木パルプ及びアスプ
ルンド法砕木パルプ等)、ケミカルパルプ(亜硫酸パル
プ、ソーダパルプ、硫酸塩パルプ、硝酸パルプ及び塩素
パルプ等)、セミケミカルパルプ、再生パルプ(例えば
パルプを一旦製紙して作った紙の機械的破砕又は粉砕
物、及び故紙の機械的破砕若しくは粉砕物である再生故
紙パルプ等)等が挙げられる。
【0067】(B)を使用する場合、これらの量は添加
目的によって異なるが、(a)の重量に基づいて、好ま
しくは0.01〜20%、さらに0.02〜10%、と
くに0.03〜8%である。(B)は、任意の段階で添
加することができる。添加する方法としては、例えば
1)予め(a)に添加剤(B)を混合しておく方法;
2)(b)に(B)を混合してから、(a)と混合・処
理する方法;3)(a)と(b)とを混合しながら
(B)を添加する方法;4)(a)を(b)で処理した
後に(B)を添加・混合する方法;これらの2つ以上を
組合せた方法が挙げられる。これらの方法のうちで好ま
しいのは、2)及びとくに3)と4)である。
【0068】本発明の別の態様に係る吸水性樹脂の製造
方法において、水溶性単量体もしくはその前駆体および
必要により架橋剤および/または多糖類を重合させ、必
要により後処理,後架橋,乾燥,粉砕および/または分
級して、吸水性樹脂を製造する工程は、前記(a)の製
造と同様にして行うことができる。その製造に用いる水
溶性単量体、その前駆体、架橋剤および多糖類等ならび
に重合方法としては、米国特許第4076663号明細
書その他、前掲の公報および明細書に記載のものが使用
できる。これらを重合させて得られる吸水性樹脂として
は、前記(a)[(a1)〜(a8)]と同様のものが
挙げられる。また、後処理(前駆体として加水分解によ
り水溶性となる単量体を用いた場合の加水分解),後架
橋(表面架橋),乾燥,粉砕および/または分級も、前
記(a)と同様にして、又は前掲の公報および明細書に
記載の方法と同様にして行うことができる。このように
して製造された吸水性樹脂は2種以上[例えば(a1)
と(a2)]を併用することができる。(a1)と(a
2)を併用する場合、(a2)の配合量は、(a1)の
重量に基づいて、好ましくは0.5%〜45%さらに1
〜40%とくに5.0〜35%、最も好ましくは10〜
20%である。このような吸水性樹脂[(a1)〜(a
8)の1種または2種以上の混合体]は、その少なくと
も一部を表面改質剤(b)により処理することができ
る。(b)および表面改質の方法は、前記吸水性樹脂
(A)と同様のものが用いられる。
【0069】このようにして製造された吸水性樹脂は、
前記測定法(II)で微分変曲点吸収量(Si)および
ゲル摩擦指数(τi)を測定して選別することにより、
優れた耐ゲルブロッキング性を有する吸水性樹脂を得る
ことができる。測定法(II)は、前記測定法(I)と
同様にして行うのが好ましいが、その測定原理[粘弾性
測定原理に基づいて回転振動下の剪断応力(τ)を測
定]を逸脱しない範囲で、その測定条件等を変更するこ
とができる。例えば、生理食塩水の添加倍率(S)の範
囲および/または間隔を増減する[20〜100倍に代
えて例えば30〜80倍にする、および/または5倍お
きに代えて3倍おき,10倍おき等、または等間隔に代
えて異なる間隔にする(周辺部を広く中心部を狭い間隔
にする)等]、円筒容器の内径を26.0mmより大き
くする(好ましくは40mm以下とくに25mm以下)
または小さくする(好ましくは20mm以上)、荷重を
0.1Nより大きくする(好ましくは0.5N以下)、
周波数を1.0Hzより大きくする(好ましくは2.0
Hz以下)、歪み振幅を0.5%より小さくする(好ま
しくは0.1%以上)、試験温度を増減する(好ましく
は20〜26℃)ことができる。
【0070】製造条件を種々変えて吸水性樹脂を製造
し、上記測定法で(Si)および(τi)を測定するこ
とにより、優れた耐ゲルブロッキング性を有する吸水性
樹脂[好ましくは55〜90g/gの(Si)および1
0〜30Paの(τi)を有するもの]を選別すること
ができ;それによって、そのような好適な性能(優れた
耐ゲルブロッキング性)を有する吸水性樹脂を与える吸
水性樹脂製造条件が判明する。上記方法で選別された吸
水性樹脂を与える条件下で、水溶性単量体もしくはその
前駆体および必要により架橋剤および/または多糖類の
重合および必要により後処理,後架橋,乾燥,粉砕,分
級,混合体形成および/または表面改質処理を行うこと
によって、優れた耐ゲルブロッキング性を有する吸水性
樹脂を製造することが可能となる。本発明の上記製造方
法で製造された吸水性樹脂の形状および大きさは(A)
と同様である。上記製造方法で製造された吸水性樹脂
は、(A)と同様に、必要により添加剤(B)を含有さ
せて、吸収剤として使用することができ;用いる(B)
およびその添加量は(A)からなる吸収剤におけると同
様である。
【0071】本発明の吸収剤[吸水性樹脂(A)からな
る吸収剤および本発明の上記製造方法で製造された吸水
性樹脂からなる吸収剤を包含する。以下同様]は、吸収
性構造物の形成に用いられる。吸収性構造物は吸収剤と
親水性繊維材料からなる。親水性繊維材料としては、セ
ルロース繊維、レーヨン、ポリエステル繊維、親水化疎
水性繊維(界面活性剤処理またはシリカ処理してなる熱
可塑性繊維)が挙げられる。好ましいのはセルロース繊
維、とくに木材パルプ繊維(フラッフパルプ)である。
親水性繊維材料の含有量は、用途および要求される性能
に応じて適宜採択される。一般に、吸収剤と親水性繊維
材料の合計重量に基づいて、吸収性物品をより薄型にす
ることができる点で、通常60%以下、好ましくは58
%以下さらに56%以下とくに54%以下とりわけ52
%以下、より好ましくは50%以下さらに47.5%以
下とくに45%以下、最も好ましくは42.5%以下さ
らに40%以下とくに48%以下であり;また、吸収性
物品に荷重下において更に優れたドライ性及び耐モレ性
を与える点で、通常0.1%以上、好ましくは0.5%
以上さらに1%以上とくに2.5%以上、より好ましく
は5%以上さらに7.5%以上とくに10%以上とりわ
け12.5%以上、最も好ましくは15%以上さらに1
7.5%以上とくに20%以上である。本発明の吸収剤
は、吸水及び/又は保水が要望される吸収性物品等に好
適であり、例えば、紙おむつ(子供用紙おむつ及び大人
用紙おむつ)、生理用ナプキン、失禁用パッド、母乳パ
ッド、手術用アンダーパッド及びペットシート等の衛生
用品に最適である。さらに鮮度保持材、保冷材、乾燥
剤、ドリップ吸収材、結露防止剤、植物や土壌等の保水
剤、ヘドロ等の凝固剤、土木建築用の止水材やパッキン
グ材、電線ケーブルや光ファイバーケーブルの止水材及
び人工雪等の各種用途にも極めて有用である。
【0072】吸収性物品は、吸収剤を必須構成成分とし
てなる吸収性構造物を配してなるものである。この吸収
性構造物を得る方法としては、1)本発明の吸収剤と繊維
状物とを気流中で同時に混合し積繊する方法、2)本発明
の吸収剤と繊維状物とをあらかじめ混合しておき気流中
で積繊する方法、及び3)繊維状物の上に、本発明の吸収
剤を積繊し、さらに繊維状物を積繊する方法等が挙げら
れる。これら方法のうち、2)及びとくに1)の方法が好ま
しい。これらの方法に使用される装置についてはとくに
限定はなく通常の装置が使用でき、例えばドラムフォー
ミング装置が挙げられる。
【0073】吸収性構造物に含まれる本発明の吸収剤の
目付量(吸収性構造物層の単位面積当りの吸水性樹脂の
含有量)は、好ましくは10g/m2以上さらに20g
/m2以上とくに30g/m2以上、最も好ましくは40
g/m2以上であり;また、好ましくは1000g/m2
以下さらに900g/m2以下とくに800g/m2
下、最も好ましくは700g/m2以下である。本発明
の吸収性構造物を衛生用品に適用する場合、本発明の吸
収剤の目付量は、好ましくは10g/m2以上さらに2
0g/m2以上とくに30g/m2以上、最も好ましくは
40g/m2以上であり;また、好ましくは400g/
2さらに300g/m2以下とくに250g/m2
下、最も好ましくは200g/m2以下である。目付量
がこの範囲であると、吸収性構造物の保水量がより高く
なり、吸収性物品に適用したとき、荷重下においてさら
に優れたドライ性及び耐モレ性を示す傾向にある。
【0074】吸収性構造物に含まれる繊維状物の目付量
は、好ましくは10g/m2以上さらに20g/m2以上
とくに30g/m2以上、最も好ましくは40g/m2
上であり;また、好ましくは1000g/m2以下さら
に900g/m2以下とくに800g/m2以下、最も好
ましくは700g/m2以下である。本発明の吸収性構
造物を衛生用品に適用する場合、本発明の吸収剤の目付
量は、好ましくは10g/m2以上さらに20g/m2
上とくに30g/m2以上、最も好ましくは40g/m2
以上であり;また、好ましくは400g/m2さらに3
00g/m2以下とくに250g/m2以下、最も好まし
くは200g/m2以下である。目付量がこの範囲であ
ると、吸収性物品として適用したとき、荷重下において
さらに優れたドライ性及び耐モレ性を示す傾向にある。
【0075】吸収性構造物の厚みは、好ましくは0.5
mm以上とくに1.0mm以上、より好ましくは1.5
mm以上とくに2.0mm以上、最も好ましくは2.5
mm以上であり;また、好ましくは5.0mm以下とく
に4.5mm以下、より好ましくは4.0mm以下とく
に3.5mm以下、最も好ましくは3.0mm以下であ
る。吸収性構造物の厚みがこの範囲であると、吸収性能
を低下させることなく吸収性物品をより薄型にすること
ができ、吸収性物品の使用時における不快感や違和感を
軽減することができる。
【0076】荷重下におけるドライ性は、荷重下SDM
E表面ドライネス(DS)によって定量化することがで
きる。本発明の吸収剤を必須構成成分としてなる吸収性
構造物を含有してなる吸収性物品の荷重下SDME表面
ドライネス(DS)は、好ましくは40%以上さらに4
5%以上とくに50%以上、最も好ましくは52%以上
であり;また、好ましくは100%以下さらに99%以
下とくに98%以下、最も好ましくは95%以下であ
る。荷重下SDME表面ドライネスがこの範囲である
と、吸収性物品のドライ性がさらに良好になる傾向があ
る。
【0077】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明をさら
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、とくに定めない限り、部は重量部を示す。ま
た、フラクタル次数、加圧下の初期吸収量、加圧下の吸
収倍率、発塵度、吸水性重合体を用いて作成した吸収性
物品のSDMEドライネスを下記の方法により測定し
た。
【0078】<微分変曲点吸収量(Si)およびゲル摩
擦指数(τi)の測定法>内径26.0mm、高さ4
0.0mmのコップ状の円筒容器に均一な厚みになるよ
うに0.200gの吸収剤を投入し、吸水剤に対して重
量倍率で20倍の生理食塩水を加え、30分放置して測
定用ゲルとした。吸収剤に対して加えた生理食塩水の重
量倍率を生食添加倍率と定義する。同様にして生食添加
倍率が25倍から100倍まで5倍おきの生食添加倍率
の測定用ゲルを調製した。
【0079】以上の測定用ゲルを調製するコップ状の円
筒容器を、レオメトリック社レオメーターVAR−50
の測定ユニットにセットし剪断応力を測定する。コップ
状の円筒容器の大きさは、内径26.0mm、高さ4
0.0mm、回転させるジオメトリーの円盤部の直径は
25.0mmのものを使用した。測定条件は、それぞれ
の添加倍率(S)の生理食塩水を加え30分放置して調
製した膨潤ゲルの剪断応力(τ)を、荷重0.1N、周
波数1.0Hz、歪み振幅0.5%、試験温度25℃と
した。測定されたそれぞれの(τ)を(S)に対しプロ
ットし、得られた曲線Lから微分変曲点(i)を決定し
た。微分変曲点(i)は、曲線Lの傾き(α)の変化率
の絶対値が最大となる点[(τ)を(S)で微分した値
(dτ/dS)を(S)に対してプロットした場合、傾
き(α)の絶対値が最大となる点]とした。曲線Lにお
ける微分変曲点(i)の添加倍率(S)を微分変曲点吸
収量(Si)とし、Lにおける(i)の剪断応力(τ)
の値をゲル摩擦指数(τi)とした。
【0080】<SDMEドライネス>SDME試験器
(Systems Engineering社製)のス
キャナーを全体がつかるように水に浸した吸収性物品
(紙おむつ)の上に置き、100%ドライネス値を設定
し、次に、SDME試験器の検出器を100℃で5時間
以上乾燥した吸収性物品(紙おむつ)の上に置き0%ド
ライネスを設定し、SDME試験器の校正を行った。吸
収性物品の中心に内径6.0cm、高さ4.0cmの円
筒を置き、その内部に人工尿80mlを投入し吸収性物
品に人工尿を吸収させる。そのまま30分放置し、再度
同じように人工尿80mlを投入する。2回目に投入し
た人工尿が吸収性物品に吸収された1秒後にスキャナー
を吸収性物品の中心にセットし、吸収性物品中心の表面
の光の反射率を5分間測定し、この値をSDMEドライ
ネス(%)とした。
【0081】実施例1 ガラス製反応容器にアクリル酸ナトリウム95部、アク
リル酸27部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド
0.3部および脱イオン水430部を仕込み、撹拌・混
合しながら内容物の温度を5℃に保った。内容物に窒素
を流入して溶存酸素量を1ppm以下とした後、過酸化
水素の1%水溶液1部およびアスコルビン酸の0.3%
水溶液1部を添加して重合を開始させた。過酸化水素及
びアスコルビン酸を添加した10分後に重合による温度
の上昇が始まり、温度が上昇し始めてから40分後に6
0℃に到達した。さらに、60℃で12時間重合させ含
水樹脂(WA1)を得た。
【0082】WA1を130〜150℃で20分間熱風
乾燥し、ジューサーミキサーを用いて粉砕して60メッ
シュの篩をパスせず30メッシュの篩をパスする粒子を
得ることで粒度調整し105〜850μmの吸水性樹脂
(a)粒子を得た。a粒子の赤外水分計(FD−1
00型、Kett製)で測定した水分は15%であっ
た。a粒子100部を卓上型ニーダー(PN−1型、
入江商会製)に入れ、これに改質剤b[パーフルオロ
アルキルアルコールEO付加物(大日本インキ化学、メ
ガファックF−142D、表面張力19.0)]0.0
2部を添加し、25℃にて30分間、50rpmで撹拌
して、表面改質された吸水性樹脂(A)粒子を得た。
A粒子100部を卓上型ニーダーにて50rpmで撹
拌しながら、エチレングリコールジグリシジルエーテル
の10%水溶液1部を噴霧し、約140℃で30分間加
熱処理することにより表面近傍が架橋処理された表面改
質吸水性樹脂(A−1)粒子を得た。さらに約140℃
で加熱処理し水分を5%に調整して、本発明の吸収剤
(Q1)を得た。
【0083】実施例2 実施例1において、改質剤bに代えて改質剤b[ポ
リオキシエチレン変性シリコーン(信越化学KF−35
1、表面張力22.0)]0.02部を用いた以外は実
施例1と同様にして、本発明の吸収剤(Q2)を得た。
【0084】実施例3 アクリル酸207.7部と水13.5部との混合液を3
0〜20℃に冷却しながら25%水酸化ナトリウム水溶
液346.2部を添加した。生成した溶液に過硫酸カリ
ウム0.10部及び次亜リン酸ソーダ0.020部を添
加してモノマー水溶液を調製した。次いで、撹拌機、還
流冷却器、温度計及び窒素ガス導入管を備えた4つ口フ
ラスコに、シクロヘキサン624部を入れ、これにポリ
オキシエチレンオクチルフェニルエーテルリン酸エステ
ル(第一工業製薬社、商品名:ブライサーフA210
G)1.56部を添加して溶解させた後、400rpm
で撹拌しつつ窒素ガスを導入した後、70℃まで昇温し
た。そして、70℃に温度を保ったまま、調製したモノ
マー水溶液を6.6部/分で6分間滴下した。滴下終了
後75℃で15分間保持した後、6.6部/分で54分
間に亘って滴下した。その後、75℃で30分熟成し
た。この後、水をシクロヘキサンとの共沸によって樹脂
の含水率が約20%[赤外水分計(FD−100型、K
ett製)で測定]となるまで除去した。30℃に冷却
し撹拌を停止すると樹脂粒子が沈降し、デカンテーショ
ンにより、樹脂粒子(a)をシクロヘキサンから分離
した。
【0085】a80部とシクロヘキサン140部とを
ナスフラスコに入れ、これにグリセリンポリグリシジル
エーテル(ナガセ化成工業社、商品名:デナコールEX
−314)0.35%と改質剤b0.025%を含む
シクロヘキサン溶液3.4部を添加した後、60℃で加
熱して30分間保持した後、さらに加熱してシクロヘキ
サンの還流下に30分間保持した。次いで濾過して表面
改質された樹脂粒子を取得し80℃で減圧乾燥すること
により、吸収剤(Q3)を得た。吸収剤(Q3)の1.
8、重量平均粒径は355μmであった。
【0086】実施例4 実施例3において、改質剤bに代えて改質剤bを用
いた以外は実施例3と同様にして、本発明の吸収剤(Q
4)を得た。得られた吸収剤(Q4)の重量平均粒径は
355μmであった。
【0087】実施例5 吸収剤(Q1)75部と吸収剤(Q2)25部を粉体混
合機(YOKOGAWA SERTIC社製 SKH−
40)で30分混合して、吸収剤(Q5)を得た。
【0088】実施例6 吸収剤(Q2)75部と吸収剤(Q4)25部を、実施
例5と同様にして混合して、吸収剤(Q6)を得た。
【0089】比較例1 実施例1において、改質剤bを添加しなかった以外は
実施例1と同様にして、吸収剤(X1)を得た。
【0090】比較例2 実施例3において、改質剤bを添加しなかった以外は
実施例3と同様にして吸収剤(X2)を得た。
【0091】比較例3 吸収剤(X1)75部と吸収剤(X2)25部を、実施
例5と同様にして混合して、吸収剤(X3)を得た。
【0092】<吸収性構造物の製造>吸収剤(Q1)〜
(Q6)及び(X1〜X3)のそれぞれについて、以下
のようにして吸収性構造物(Z1)〜(Z9)を作成し
た。吸収剤12部と日本薬局方脱脂綿(川本産業株式会
社製)12部とを外観上均一となるまで、混合しながら
手で約500回解繊した。その後、解繊した混合物を1
5cm×45cmの大きさに積繊した後、NPAシステ
ム(株)製ヒータプレートプレス機(型番N4008−
00)を用い、50℃において、8Kg/cm2で30
秒間プレスすることにより、吸収性構造物を得た。
【0093】<吸収性物品(紙おむつ)の製法>市販さ
れている紙おむつ(マミーポコ:ユニチャーム社製)の
接着されているシートを、アセトンを用いてはがし、内
部から吸収性構造物層を取出した。吸収性構造物層を取
出したおむつ内部に、(Z1)〜(Z9)の各吸収性構
造物を入れて、はがしたシートをFUJI IMPUL
SE社製ヒートシーラーFI−K600−5Wを用いて
シールすることにより接着した。その後吸収性物品(紙
おむつ)全体を再度25℃において、8kg/cm2
30秒間プレスすることにより、吸収性物品(紙おむ
つ)を得た。
【0094】上記各吸収剤について、微分変曲点吸収量
(Si)およびゲル摩擦指数(τi)の測定、および上
記各吸収性構造物を用いて作成した吸収性物品の性能
(SDMEドライネス)の評価を行った。それらの結果
を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
【発明の効果】本発明の吸収剤は、吸収性構造物中の吸
収剤の使用比率が高くても優れた耐ゲルブロッキング性
(SDMEドライネス)を発揮するものである。この吸
収剤を吸収性物品に用いることにより、その超薄型化を
可能ならしめる。また、本発明の吸水性樹脂製造方法
は、優れた性能(耐ゲルブロッキング性)を有する吸水
性樹脂を与える好適な吸水性樹脂製造条件を解明し、及
び優れた耐ゲルブロッキング性を有する吸水性樹脂の製
造を可能ならしめる。
【図面の簡単な説明】
【図1】測定装置の剪断応力を測定する部位の側断面
図。
【図2】添加倍率(S)と、剪断応力(τ)、および
(τ)を(S)で微分した値(dτ/dS)との関係を
示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61F 13/49 Fターム(参考) 3B029 BA17 4C003 AA21 4C098 AA09 DD02 DD03 DD05 DD14 DD16 DD17 DD19 DD21 DD23 DD25 DD27 DD29 DD30 4J002 BG011 BG012 GD02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸水性樹脂(A)からなる吸収剤におい
    て、(A)が、下記測定法で求められる、55〜90g
    /gの微分変曲点吸収量(Si)および10〜30Pa
    のゲル摩擦指数(τi)を有することを特徴とする、吸
    収剤。 測定法:内径26.0mmの円筒容器に0.2gの
    (A)を投入し、それぞれ20倍〜100倍まで5倍お
    きの添加倍率(S)の生理食塩水を加え、30分放置し
    て調製した、各測定用膨潤ゲルについて、JIS K6
    394に規定の動的粘弾性測定法における強制振動非共
    振方法かつ剪断方法により、上記円筒容器内でゲルと接
    触するジオメトリーの円盤部の直径25.0mm、荷重
    0.1N、周波数1.0Hz、歪み振幅0.5%、試験
    温度25℃の条件下で回転振動により剪断を加えて剪断
    応力(τ)を測定し、測定される剪断応力(τ)を添加
    倍率(S)に対してプロットした剪断応力(τ)−添加
    倍率(S)曲線(L)の、微分変曲点[(τ)を(S)
    で微分した値(dτ/dS)を(S)に対してプロット
    した曲線の変曲点(傾きの絶対値が最大となる点)]に
    おける添加倍率(Si)および剪断応力(τi)を、そ
    れぞれ微分変曲点吸収量およびゲル摩擦指数とする。
  2. 【請求項2】 (A)が、水溶液重合により得られるア
    クリル酸(塩)を主構成単位とするエチレン性不飽和単
    量体の架橋重合体(a1)、および逆相懸濁重合により
    得られるアクリル酸(塩)を主構成単位とするエチレン
    性不飽和単量体の架橋重合体(a2)からなる、請求項
    1記載の吸収剤。
  3. 【請求項3】 (a1)の重量に基づいて、0.5〜4
    5%の(a2)を含有する、請求項2記載の吸収剤。
  4. 【請求項4】 (A)の少なくとも一部が、アクリル酸
    (塩)を主構成単位とするエチレン性不飽和単量体の架
    橋重合体を表面改質剤で処理してなる、請求項1〜3の
    何れか記載の吸収剤。
  5. 【請求項5】 水溶性単量体もしくはその前駆体および
    必要により架橋剤および/または多糖類を重合させ、必
    要により後処理,後架橋,乾燥,粉砕および/または分
    級して、吸水性樹脂を製造し、その微分変曲点吸収量
    (Si)およびゲル摩擦指数(τi)を下記測定法で測
    定して選別することにより、優れた耐ゲルブロッキング
    性を有する吸水性樹脂を得ることを特徴とする、吸水性
    樹脂の製造方法。 測定法:円筒容器に吸水性樹脂を投入し、異なる添加倍
    率(S)の生理食塩水を加えて調製した、各測定用膨潤
    ゲルについて、JIS K6394に規定の動的粘弾性
    測定法における強制振動非共振方法かつ剪断方法によ
    り、上記円筒容器内で回転振動により剪断を加えて剪断
    応力(τ)を測定し、測定される剪断応力(τ)を添加
    倍率(S)に対してプロットした剪断応力(τ)−添加
    倍率(S)曲線(L)の、微分変曲点[(τ)を(S)
    で微分した値(dτ/dS)を(S)に対してプロット
    した曲線の変曲点(傾きの絶対値が最大となる点)]に
    おける添加倍率(Si)および剪断応力(τi)を、そ
    れぞれ微分変曲点吸収量およびゲル摩擦指数とする。
  6. 【請求項6】 吸水性樹脂が少なくとも2種の吸水性樹
    脂の混合体からなる、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 該混合体が、水溶性単量体もしくはその
    前駆体および必要により架橋剤および/または多糖類を
    水溶液重合させ必要により後処理および/または後架橋
    してなる重合体を乾燥,粉砕および必要により分級して
    なる吸水性樹脂と、水溶性単量体もしくはその前駆体お
    よび必要により架橋剤および/または多糖類を逆相懸濁
    重合させてなる吸水性樹脂からなる、請求項6記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 吸水性樹脂の少なくとも一部が、アクリ
    ル酸(塩)を主構成単位とするエチレン性不飽和単量体
    の架橋重合体を表面改質剤で表面改質処理してなる、請
    求項5〜7の何れか記載の方法。
  9. 【請求項9】 55〜90g/gの微分変曲点吸収量
    (Si)および10〜30Paのゲル摩擦指数(τi)
    を有する吸水性樹脂を選別する、請求項5〜8の何れか
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 請求項5〜9の何れか記載の方法で選
    別された吸水性樹脂を与える条件下で、水溶性単量体も
    しくはその前駆体および必要により架橋剤および/また
    は多糖類の重合および必要により後処理,後架橋,乾
    燥,粉砕,分級,表面改質処理および/または混合体形
    成を行うことにより、優れた耐ゲルブロッキング性を有
    する吸水性樹脂を得ることを特徴とする、吸水性樹脂の
    製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項5〜10の何れか記載の方法で
    製造される吸水性樹脂からなる吸収剤。
  12. 【請求項12】 請求項1〜4の何れか又は請求項11
    記載の吸収剤を含有することを特徴とする吸収性構造
    物。
  13. 【請求項13】 親水性繊維材料を、吸収剤と親水性繊
    維材料の合計重量に基づいて、0.1〜60%含有す
    る、請求項12記載の吸収性構造物。
  14. 【請求項14】請求項12または13記載の吸収性構造
    物を具備する吸収性物品。
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