JP2004217781A - 回路接続用異方導電性接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造体 - Google Patents

回路接続用異方導電性接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造体 Download PDF

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Jun Taketazu
潤 竹田津
Itsuo Watanabe
伊津夫 渡辺
Yasushi Goto
泰史 後藤
Yukihisa Hirozawa
幸寿 廣澤
Masanori Fujii
正規 藤井
Aya Fujii
綾 藤井
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Abstract

【課題】低抵抗の電気接続が得られ、かつ隣接電極間でショート発生のない電気・電子用の回路接続用異方導電性接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造体を提供する。
【解決手段】導電粒子表面に、導電粒子の重量に対し1〜10000ppmの炭素量を含む有機高分子化合物で被覆した導電粒子を必須成分として含有する回路接続用異方導電性接着剤組成物。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路接続用異方導電性接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造体、特にCHIP−ON−GLASS実装(以下COG実装と呼ぶ)またはCHIP−ON−FLEX(以下COF実装と呼ぶ)における回路接続用異方導電性接着剤組成物、回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示用ガラスパネルへの液晶駆動用ICの実装は、液晶駆動用ICを直接ガラスパネル上に回路接続部材で接合するCOG実装方法や、液晶駆動用ICを、金属配線を有するフレキシブルテープに接合しガラスパネルと回路接続部材で接合するCOF実装方法が用いられる。液晶表示の高精細化に伴い、液晶駆動用ICの電極である金バンプは狭ピッチ化、狭面積化している。このため、接合材料中の導電粒子が隣接電極間に流出し、ショートを発生させるといった問題や、バンプ上に捕捉される接合材料中の導電粒子数が減少し、その結果回路間の接続抵抗が上昇し接続不良を起こすといった問題がある。そこで、これらの問題を解決するため、接合材料の少なくとも片面に絶縁性の接着層を形成することで、COG実装及びCOF実装における接合品質の低下を防ぐ方法(例えば特開平8−279371号公報)や、導電粒子の表面を電気的絶縁性の皮膜で被覆する方法(例えば特許第2794009号公報)が開発されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平08−279371号公報
【特許文献2】
特許第2794009号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、片面に絶縁性の接着層を形成する方法では、バンプ面積が3000μm未満となった場合、安定した接続抵抗値を得るために粒子の充填量を増やすと、隣接回路間でのショート発生率が上昇し、絶縁不良が発生するという問題があった。
また、導電粒子の表面を電気的絶縁性の皮膜で被覆する方法では、接続抵抗値が上昇し、安定した電気抵抗が得られないという問題があった。
本発明は、COG実装やCOF実装に対して低抵抗の電気接続が得られ、かつ隣接電極間でショート発生のない電気・電子用の回路接続用異方導電性接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物は、相対峙する回路電極間に介在され、相対向する回路電極を加熱加圧し、加圧方向の電極間を電気的に接続する接着剤組成物であって、[1] 導電粒子表面に、導電粒子の重量に対し1〜10000ppmの炭素量を含む有機高分子化合物で被覆した導電粒子を必須成分として含有する回路接続用異方導電性接着剤組成物である。有機高分子化合物で被覆する量は、炭素量が導電粒子の重量に対し1〜1000ppmがより好ましい。1ppm未満では良好な絶縁性が得られない場合があり、10000ppmを超えると有機高分子化合物が電極と導電粒子との間からの排除性が悪く、良好な接続が得られず好ましくない。本発明に用いる導電粒子は、表面が、金、銀、白金属の金属から選ばれる少なくとも一種で構成されると好ましく、さらにその金属表面を有機高分子化合物で被覆する。
また、本発明は、[2] 有機高分子化合物がポリビニルアルコールである上記[1]に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物である。
また、本発明は、[3] ポリビニルアルコールのけん化度が80%から99%である上記[2]に記載の回路接続用異方導電性接着剤である。ポリビニルアルコールは水溶性であり、また、けん化度が80%から99%であると水溶性に優れ被覆作業性が良好で好ましい。本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物は、導電粒子を含有する層とその他の層とに分解した多層構成とすることができる。
また、本発明は、[4] 回路接続用異方導電性接着剤組成物が、(1)加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤、(2)ラジカル重合性物質、(3)フィルム形成材を含む上記[3]に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物である。
また、本発明は、[5] フィルム形成材がフェノキシ樹脂である上記[4]に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物である。
また、本発明は[6] フェノキシ樹脂が、分子内に多環芳香族化合物に起因する分子構造を含む上記[5]に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物である。
また、本発明は、[7] 多環芳香族化合物に起因する分子構造が、フルオレン環である上記[6]に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物である。
本発明は、[8] 第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に上記[1]ないし[7]のいずれかに記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させる回路端子の接続方法である。
また、本発明は、[9] 上記[8]に記載の回路端子の接続方法により得られる回路接続構造体であって、回路端子に直流50V印加した際に隣接電極間の絶縁抵抗が10Ω以上である回路接続体である。
また、本発明は、[10] 少なくとも一方の接続端子を有する回路部材が、ICチップである上記[9]に記載の回路接続構造体である。
また、本発明は、[11] ICチップの接続端子と、第二の回路部材上との接続端子間の接続抵抗が、1Ω以下である上記[9]または上記[10]に記載の回路接続構造体である。
また、本発明は、[12] 少なくとも一方の接続端子の表面が金、銀、錫、白金族の金属、インジュウム−錫酸化物(ITO)から選ばれる少なくとも一種で構成させる上記[9]ないし上記[11]のいずれかに記載の回路接続構造体である。
また、本発明は、[13] 少なくとも一方の回路部材表面が窒化シリコン、シリコーン化合物、ポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも一種でコーティングもしくは付着されている上記[9]ないし上記[12]のいずれかに記載の回路接続構造体である。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物は、相対峙する回路電極間に介在され、相対向する回路電極を加熱加圧し、加圧方向の電極間を電気的に接続する接着剤組成物であり、導電粒子表面に、導電粒子の重量に対し1〜10000ppmの炭素量を含む有機高分子化合物で被覆した導電粒子を必須成分として含有する回路接続用異方導電性接着剤組成物である。有機高分子化合物で被覆する量は、炭素量が導電粒子の重量に対し1〜1000ppmがより好ましく、1ppm未満では良好な絶縁性が得られない場合があり、10000ppmを超えると有機高分子化合物が電極と導電粒子との間からの排除性が悪く、良好な接続が得られず好ましくない。有機高分子化合物としては、水溶性高分子が好ましく、アルギン酸、ペクチン酸、カルボキシメチルセルロース、寒天、カードラン及びプルラン等の多糖類;ポリアルパラギン酸、ポリグルタミン酸、ポリリシン、ポリリンゴ酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸アンモニウム塩、ポリメタクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、ポリフマル酸、ポリ(p−スチレンカルボン酸)、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリウム塩、ポリアミド酸、ポリアミド酸アンモニウム塩、ポリアミド酸ナトリウム塩及びポリグリオキシル酸等のポリカルボン酸、ポリカルボン酸エステル及びその塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン及びポリアクロレイン等のビニル系ポリマー等が挙げられる。これらは単一の化合物を用いてもよく、二以上の化合物を併用してもよい。これらの中で、ポリビニルアルコールが好ましく、そのけん化度が80%から99%であると好ましい。
【0007】
本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物は、(1)加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤、(2)ラジカル重合性物質、(3)フィルム形成材を含むと好ましい。
加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤は、加熱によってラジカルを発生する化合物であれば特に制限はなく、過酸化物、アゾ化合物などがあり、目的とする接続温度、接続時間、保存安定性等を考慮し適宜選択されるが、高反応性と保存安定性の点から、半減期10時間の温度が、40℃以上かつ、半減期1分の温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、半減期10時間の温度が、50℃以上かつ、半減期1分の温度が170℃以下の有機過酸化物が特に好ましい。接続時間を10秒とした場合、十分な反応率を得るための硬化剤の配合量は、ラジカル重合性物質とフィルム形成材の合計100重量部に対して、0.1〜30重量部とするのが好ましく1〜20重量部がより好ましい。硬化剤の配合量が0.1重量部未満では、十分な反応率を得ることができず良好な接着強度や小さな接続抵抗が得られにくくなる傾向にある。配合量が30重量部を超えると、接着剤組成物の流動性が低下したり、接続抵抗が上昇したり、接着剤組成物のポットライフが短くなる傾向にある。
使用される有機過酸化物の具体的な化合物としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドなどから選定できる。また、回路部材の接続端子の腐食を押さえるために、塩素イオンや有機酸は5000ppm以下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものがより好ましい。具体的には、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイドから選定され、高反応性が得られるパーオキシエステルから選定されることがより好ましい。上記硬化剤は、適宜混合して用いることができる。
【0008】
ジアシルパーオキサイド類としては、イソブチルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、3、5、5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、スクシニックパーオキサイド、ベンゾイルパーオキシトルエン、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
【0009】
パーオキシジカーボネート類としては、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシメトキシパーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシルパーオキシ)ジカーボネート、ジメトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチルパーオキシ)ジカーボネート等が挙げられる。
【0010】
パーオキシエステル類としては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシノエデカノエート、t−へキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−へキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−へキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノネート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−へキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等を挙げることができる。
【0011】
パーオキシケタール類では、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)デカン等が挙げられる。
【0012】
ジアルキルパーオキサイド類では、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド等が挙げられる。
【0013】
ハイドロパーオキサイド類では、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
【0014】
シリルパーオキサイド類としては、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジメチルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリビニルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジビニルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)ビニルシリルパーオキサイド、t−ブチルトリアリルシリルパーオキサイド、ビス(t−ブチル)ジアリルシリルパーオキサイド、トリス(t−ブチル)アリルシリルパーオキサイド等が挙げられる。
【0015】
また、回路部材の接続端子の腐食を抑えるために、前述のように、硬化剤中に含有される塩素イオンや有機酸は5000ppm以下であることが好ましく、さらに、加熱分解後に発生する有機酸が少ないものがより好ましい。また、作製した回路接続材料の安定性が向上することから室温(25℃)、常圧下で24時間の開放放置後に20重量%以上の重量保持率を有することが好ましい。これらは適宜混合して用いることができる。
これらの遊離ラジカル発生剤は単独または混合して使用することができ、分解促進剤、抑制剤等を混合して用いても良い。
また、これらの遊離ラジカル発生剤をポリウレタン系、ポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化したものは、可使時間が延長されるために好ましい。
【0016】
本発明で使用する(2)ラジカル重合性物質としては、ラジカルにより重合する官能基を有する化合物で、(メタ)アクリレート樹脂(アクリレート樹脂とメタアクリレート樹脂を示す、以下同じ)、マレイミド樹脂、シトラコンイミド樹脂、ナジイミド樹脂などがあり、2種類以上を混合して使用してもよい。またラジカル重合性化合物は、モノマー、オリゴマーいずれの状態でも使用することができ、モノマーとオリゴマーを混合して用いてもよい。
(メタ)アクリレート樹脂としては、(メタ)アクリレートをラジカル重合させることで得られるもので、(メタ)アクリレートとしてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールテトラ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリテート、イソシアヌール酸エチレンオキシド変性ジアクリレートなどが挙げられ、単独または2種類以上を混合して用いても良い。また、必要によっては、ハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン等のラジカル重合禁止剤を硬化性が損なわれない範囲で使用しても良い。また、ジシクロペンテニル基及び/又はトリシクロデカニル基および/またはトリアジン環を有する場合は、耐熱性が向上するので好ましい。
【0017】
さらに、ラジカル重合性化合物としてリン酸エステル化合物を使用した場合、金属等無機物に対する接着力を向上することができる。このリン酸エステル化合物の使用量は、0.1〜10重量部であり、好ましくは0.5〜5重量部である。リン酸エステル化合物は、無水リン酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの反応生成物として得られる。具体的には、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、ジ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等が有り、単独でも混合して使用しても良い。
【0018】
マレイミド樹脂としては、分子中にマレイミド基を少なくとも1個有しているもので、例えば、フェニルマレイミド、1−メチル−2,4−ビスマレイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが有り、単独でも2種類以上を混合して使用しても良い。
【0019】
シトラコンイミド樹脂としては、分子中にシトラコンイミド基を少なくとも1個有しているシトラコンイミド化合物を重合させたもので、シトラコンイミド化合物としては、例えば、フェニルシトラコンイミド、1−メチル−2,4−ビスシトラコンイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−p−フェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスシトラコンイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスシトラコンイミド、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−シトラコンイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが有り、単独でも2種類以上を混合して使用しても良い。
【0020】
ナジイミド樹脂としては、分子中にナジイミド基を少なくとも1個有しているナジイミド化合物を重合したもので、ナジイミド化合物としては、例えば、フェニルナジイミド、1−メチル−2,4−ビスナジイミドベンゼン、N,N’−m−フェニレンビスナジイミド、N,N’−p−フェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−ビフェニレンビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルビフェニレン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジメチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−(3,3−ジエチルジフェニルメタン)ビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルメタンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルプロパンビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルエーテルビスナジイミド、N,N’−4,4−ジフェニルスルホンビスナジイミド、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(3−s−ブチル−3,4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、1,1−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)デカン、4,4’−シクロヘキシリデン−ビス(1−(4−ナジイミドフェノキシ)フェノキシ)−2−シクロヘキシルベンゼン、2,2−ビス(4−(4−ナジイミドフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが有り、単独でも2種類以上を混合して使用しても良い。
本発明の接着剤組成物には、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルまたはアクリロニトリルのうち少なくとも一つをモノマー成分とした重合体又は共重合体を使用することができ、グリシジルエーテル基を含有するグリシジルアクリレートやグリシジルメタクリレートを含む共重合体系アクリルゴムを併用した場合、応力緩和に優れるので好ましい。これらアクリルゴムの分子量(重量平均)は接着剤の凝集力を高める点から20万以上が好ましい。
【0021】
本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物の(3)フィルム形成材とは、液状物を固形化し、構成組成物をフィルム形状とした場合に、そのフィルムの取扱いが容易で、容易に裂けたり、割れたり、べたついたりしない機械特性等を付与するものであり、通常の状態でフィルムとしての取扱いができるものである。
フィルム形成材は、フィルム形成性、接着性、硬化時の応力緩和性を付与するため、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、尿素樹脂等高分子成分が使用される。これら高分子成分は、分子量が10000〜10,000,000のものが好ましい。また、これら樹脂は、ラジカル重合性の官能基で変成されていても良く、この場合、耐熱性が向上する。さらに、ラジカル重合性の官能基やエポキシ基,カルボキシル基などで変成されていても良く、この場合耐熱性が向上する。フィルム形成材の配合量は、2〜80重量%であり、5〜70重量%が好ましく、10〜60重量%が特に好ましい。2重量%未満では、フィルム形成性、応力緩和や接着力が十分でなく、80重量%を超えると流動性が低下する。
【0022】
フィルム形成材の中でも接着性、相溶性、耐熱性、機械強度に優れることからフェノキシ樹脂が好ましい。
フェノキシ樹脂は2官能フェノール類とエパハロヒドリンを高分子量まで反応させるか、又は2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類を重付加させることにより得られる樹脂である。具体的には、2官能フェノール類1モルとエピハロヒドリン0.985〜1.015モルとをアルカリ金属水酸化物の存在下において非反応性溶媒中で40〜120℃の温度で反応させることにより得ることができる。
また、樹脂の機械的特性や熱的特性の点からは、特に2官能性エポキシ樹脂と2官能性フェノール類の配合等量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/1.1としアルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒の存在下で沸点が120℃以上のアミド系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系等の有機溶剤中で反応固形分が50重量部以下で50〜200℃に加熱して重付加反応させて得たものが好ましい。2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などがある。2官能フェノール類は2個のフェノール性水酸基を持つもので、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS等のビスフェノール類などが挙げられる。フェノキシ樹脂はラジカル重合性の官能基により変性されていてもよい。
【0023】
本発明で使用するフェノキシ樹脂は、その分子内に多環芳香族化合物に起因する分子構造を有することが好ましい。例えばナフタレン、ビフェニル、アセナフテン、フルオレン、ジベンゾフラン、アントラセン、フェナンスレン等のジヒドロキシ化合物であり、特に好ましくは9,9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンである。このフェノキシ樹脂もラジカル重合性の官能基により変性されていてもよく、フェノキシ樹脂は、単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0024】
本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物には、さらに、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、難燃化剤、色素、チキソトロピック剤、カップリング剤及びフェノール樹脂やメラミン樹脂、イソシアネート類等を含有することもできる。
充填剤を含有した場合、接続信頼性等の向上が得られるので好ましい。充填剤の最大径が導電粒子の粒径未満であれば使用でき、5〜60体積部(接着剤樹脂成分100体積部に対して)の範囲が好ましい。60体積部を超えると信頼性向上の効果が飽和することがあり、5体積部未満では添加の効果が少ない。
【0025】
カップリング剤としてはケチミン、ビニル基、アクリル基、アミノ基、エポキシ基及びイソシアネート基含有物が、接着性の向上の点から好ましい。具体的には、アミノ基を有するシランカップリング剤として、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。ケチミンを有するシランカップリング剤として、上記のアミノ基を有するシランカップリング剤に、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン化合物を反応させて得られたものが挙げられる。
【0026】
本発明で使用する導電粒子としては、Au、Ag、Ni、Cu、はんだ等の金属粒子やカーボン等があり、十分なポットライフを得るためには、表層はNi、Cu等の遷移金属類ではなくAu、Ag、白金属の貴金属類が好ましくAuがより好ましい。また、Ni等の遷移金属類の表面をAu等の貴金属類で被覆したものでもよい。また、非導電性のガラス、セラミック、プラスチック等に前記した導通層を被覆等により形成し最外層を貴金属類とした場合や熱溶融金属粒子の場合、加熱加圧により変形性を有するので接続時に電極との接触面積が増加したり、回路電極の厚みばらつきを吸収し信頼性が向上するので好ましい。貴金属類の被覆層の厚みは良好な抵抗を得るためには、100オングストローム以上が好ましい。しかし、Ni等の遷移金属の上に貴金属類の層をもうける場合では、貴金属類層の欠損や導電粒子の混合分散時に生じる貴金属類層の欠損等により生じる酸化還元作用で遊離ラジカルが発生し保存性低下を引き起こすため、300オングストローム以上が好ましい。そして、厚くなるとそれらの効果が飽和してくるので最大1μmにするのが望ましいが制限するものではない。導電性粒子は、接着剤樹脂成分100体積部に対して0.1〜30体積部の範囲で用途により使い分ける。過剰な導電性粒子による隣接回路の短絡等を防止するためには、0.1〜10体積部とするのがより好ましい。
【0027】
本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物をフィルムに形成し、接着剤組成物を2層以上に分割し、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤を含有する層と導電粒子を含有する層に分割した場合、ポットライフの向上が得られる。
本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物は、ICチップとチップ搭載基板との接着や電気回路相互の接着用のフィルム状接着剤として使用することもできる。すなわち、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に本発明の回路接続用接着剤組成物(フィルム状接着剤)を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させることができる。
このような回路部材としては半導体チップ、抵抗体チップ、コンデンサチップ等のチップ部品、プリント基板等の基板が用いられる。
これらの回路部材には接続端子が通常は多数(場合によっては単数でもよい)設けられており、前記回路部材の少なくとも1組をそれらの回路部材に設けられた接続端子の少なくとも一部を対向配置し、対向配置した接続端子間に本発明の回路接続用異方導電性接着剤を介在させ、加熱加圧することで対向配置した接続端子同士を電気的に接続して回路接続体とする。
【0028】
回路部材の少なくとも1組を加熱加圧することにより、対向配置した接続端子同士は、接着剤組成物中の導電性粒子を介して電気的に接続する。
本発明の接着剤組成物は、COG実装やCOF実装における、フレキシブルテープやガラス基板とICチップとの接着用のフィルム状接着剤として使用することもできる。すなわち、第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に本発明の接着剤組成物(フィルム状接着剤)を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させることができる。
本発明の回路端子の接続方法は、本発明の回路接続用異方導電性接着剤組成物を、接続端子の表面が、金、銀、錫、白金族の金属、インジュウム−錫酸化物(ITO)から選ばれる少なくとも一種から構成される接続端子(電極回路)に形成した後、もう一方の接続端子(回路電極)を位置合わせし加熱加圧して接続することができる。このとき、一方の回路部材側から光を照射してもよい。
本発明においては、フレキシブルテープがポリイミド樹脂等の有機絶縁物質、ガラス基板の表面が窒化シリコン、シリコーン化合物、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂から選ばれる少なくとも一種でコーティングもしくは付着した回路部材に対して特に良好な接着強度が得られる電気・電子用の回路接続用異方導電性接着剤組成物の提供が可能となる。
【0029】
【実施例】
(実施例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂と9、9’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンからガラス転移温度が80℃のフェノキシ樹脂を合成した。この樹脂50gを、重量比でトルエン/酢酸エチル=50/50の混合溶剤に溶解して、固形分40重量%の溶液とした。
フィルム形成材として固形重量比でフェノキシ樹脂 60g、ラジカル重合性物質としてジシクロペンテニルジアルコールジアクリレート 39g、リン酸エステル型アクリレート 1g、加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤として、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート 5gとなるように配合し、表面を有機高分子化合物(ポリビニルアルコールを使用)の炭素重量が導電粒子の100ppmとなるように被覆した導電性粒子(ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.04μmの金層を設け、平均粒径5μmの導電粒子を使用)を5体積%配合分散させ、厚み80μmの片面を表面処理したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが10μmのフィルム状接着剤組成物を得た。
また、固形重量比でフェノキシ樹脂 60g、ジシクロペンテニルジアルコールジアクリレート 39g、リン酸エステル型アクリレート 1g、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノネート 5gとなるように配合し、厚み80μmの片面を表面処理したPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに塗工装置を用いて塗布し、70℃、10分の熱風乾燥により、接着剤層の厚みが10μmのフィルム状接着剤組成物を得た。これらの接着剤組成物をラミネーターを用い貼り合わせ、二層構成のフィルム状接着剤組成物を得た。
【0030】
(実施例2)
固形重量比でフェノキシ樹脂 50g、ジシクロペンテニルジアルコールジアクリレート 49gとなるように配合したほかは実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0031】
(比較例1)
導電粒子に、表面を有機高分子化合物で被覆しない導電性粒子を用いたほかは実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0032】
(比較例2)
表面を有機高分子化合物(ポリビニルアルコールを使用)の有機炭素重量が導電粒子の20000ppmとなるように被覆した導電性粒子(ポリスチレンを核とする粒子の表面に、厚み0.2μmのニッケル層を設け、このニッケル層の外側に、厚み0.04μmの金層を設け、平均粒径5μmの導電粒子を使用)を用いた他は実施例1と同様にしてフィルム状接着剤組成物を得た。
【0033】
(回路の接続)
バンプ面積50μm×50μm、ピッチ100μm、高さ20μmの金バンプを配置したICチップと厚み1.1mmのガラス上にインジュウム−錫酸化物(ITO)を蒸着により形成したITO基板(表面抵抗<20Ω/□)とを、上記接着剤組成物を用い、石英ガラスと加圧ヘッドで挟み、200℃、100MPaで10秒間加熱加圧して接続した。このとき、フィルム状接着剤組成物はあらかじめITO基板上に、接着剤組成物の接着面を70℃、0.5MPaで5秒間加熱加圧して貼り付け、その後、PETフィルムを剥離してICチップと接続し回路接続構造体を得た。
【0034】
(炭素量の測定)
表面を有機高分子化合物で被覆した導電性粒子1gを純水100g中に分散し、70℃で1h抽出した抽出水を、燃焼酸化赤外分光法を用い水中の炭素量を測定することで、導電粒子表面の炭素量の値を求めた。
【0035】
(接続抵抗の測定)
回路の接続後、上記接続部の電気抵抗値を、初期と、−40℃/30minと100/30minの温度サイクル槽中に500サイクル保持した後に2端子測定法を用いマルチメータで測定した。
【0036】
(隣接電極間の絶縁抵抗測定)
回路の接続後、上記接続部に、直流(DC)50Vの電圧を1min間印加し、印加後の絶縁抵抗を、2端子測定法を用いマルチメータで測定した。
得られた結果をまとめて表1に示した。
【0037】
【表1】
Figure 2004217781
【0038】
表1に示したように、導電粒子表面を有機高分子で被覆していない導電粒子を用いた比較例1は、接続抵抗は低くて良好であるが、隣接電極間の絶縁抵抗が極めて低くてショートを生じている。また、導電粒子表面の炭素量が20000ppmと大きい比較例2では、接続抵抗の初期値が高く、温度サイクル後の接続抵抗も高くなり好ましくない。一方、実施例1、2の導電粒子表面の炭素量が100ppmである場合は、接続抵抗が低く、絶縁抵抗が高くて好ましい。実施例では、導電粒子表面の炭素量が0〜20000ppmの場合を示したが、1〜10000ppmでは、実施例1,2に示したと同様な傾向を示した。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、COG実装やCOF実装において、バンプ間距離の狭い駆動用ICであっても、低抵抗かつ隣接電極間では絶縁性の高い電気接続が得られ、高信頼性の、電気・電子用の回路接続用異方導電性接着剤組成物、それを用いた回路端子の接続方法及び回路端子の接続構造体の提供が可能となる。

Claims (13)

  1. 導電粒子表面に、導電粒子の重量に対し1〜10000ppmの炭素量を含む有機高分子化合物で被覆した導電粒子を必須成分として含有する回路接続用異方導電性接着剤組成物。
  2. 有機高分子化合物がポリビニルアルコールである請求項1に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物。
  3. ポリビニルアルコールのけん化度が80%から99%である請求項2に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物。
  4. 回路接続用異方導電性接着剤組成物が、(1)加熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤、(2)ラジカル重合性物質、(3)フィルム形成材を含む請求項3に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物。
  5. フィルム形成材がフェノキシ樹脂である請求項4に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物。
  6. フェノキシ樹脂が、分子内に多環芳香族化合物に起因する分子構造を含む請求項5に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物。
  7. 多環芳香族化合物に起因する分子構造が、フルオレン環である請求項6に記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物。
  8. 第一の接続端子を有する第一の回路部材と、第二の接続端子を有する第二の回路部材とを、第一の接続端子と第二の接続端子を対向して配置し、前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子の間に請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の回路接続用異方導電性接着剤組成物を介在させ、加熱加圧して前記対向配置した第一の接続端子と第二の接続端子を電気的に接続させる回路端子の接続方法。
  9. 請求項8に記載の回路端子の接続方法により得られる回路接続構造体であって、回路端子に直流50V印加した際に隣接電極間の絶縁抵抗が10Ω以上である回路接続体。
  10. 少なくとも一方の接続端子を有する回路部材が、ICチップである請求項9に記載の回路接続構造体。
  11. ICチップの接続端子と、第二の回路部材上との接続端子間の接続抵抗が、1Ω以下である請求項9または10に記載の回路接続構造体。
  12. 少なくとも一方の接続端子の表面が金、銀、錫、白金族の金属、インジュウム−錫酸化物(ITO)から選ばれる少なくとも一種で構成される請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の回路接続構造体。
  13. 少なくとも一方の回路部材表面が窒化シリコン、シリコーン化合物、ポリイミド樹脂から選ばれる少なくとも一種でコーティングもしくは付着している請求項9ないし請求項12のいずれかに記載の回路接続構造体。
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