JP2019044043A - 回路接続用接着剤組成物及び構造体 - Google Patents

回路接続用接着剤組成物及び構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】低接続抵抗及び高接続信頼性を示す構造体を得ることが可能な回路接続用接着剤組成物を提供すること。【解決手段】(A)Bi含有量が20〜60質量%であり且つSn含有量が40〜80質量%であるはんだ粒子と、(B)リン酸エステル系有機化合物と、(C)ラジカル重合性化合物と、(D)ラジカル発生剤と、を含有する、回路接続用接着剤組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、回路接続用接着剤組成物、及び、それを用いた構造体に関する。
近年、半導体、液晶ディスプレイ等の分野において、電子部品の固定、又は、回路接続を行うために各種の接着剤が使用されている。これらの用途では、ますます高密度化又は高精細化が進み、高い接着性又は信頼性が接着剤に求められている。特に、回路接続材料としては、液晶ディスプレイとテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package:TCP)との接続、フレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits:FPC)とTCPとの接続、FPCとプリント配線板(Printed Wiring Board:PWB)との接続、半導体シリコンチップと基板との接続、FPCとタッチパネルモジュールとの接続、FPCとFPCとの接続、COF(Chip On Flex)実装方式によるCOF用FPCとPWBとの接続、COF用FPCとFPCとの接続等において、導電粒子を含有する異方導電性接着剤が使用されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
特開昭60−191228号公報 特開平1−251787号公報
近年、有機EL素子(OLED)、液晶のディスプレイ端末(スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ等)、及び、ウェアラブル端末(身につける端末)が増えてきている。近年、これらの端末用に、回路接続用接着剤組成物を介してFPC/FPC接続、COF用FPC/FPC接続、FPC/PWB接続、又は、COF用FPC/PWB接続を行った接続構造体が増加している。これらの接続構造体については、表示品質向上及び低消費電力のため、接続抵抗の低抵抗化が求められている。また、上述した端末は高温高湿環境下に置かれる場合が多いため、接続構造体には、高温高湿環境下でも接続抵抗を低く維持することが可能な高い接続信頼性が求められている。
そこで、本発明は、低接続抵抗及び高接続信頼性を示す構造体を得ることが可能な回路接続用接着剤組成物、及び、それを用いた構造体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、(A)Bi含有量が20〜60質量%であり且つSn含有量が40〜80質量%であるはんだ粒子と、(B)リン酸エステル系有機化合物と、(C)ラジカル重合性化合物と、(D)ラジカル発生剤と、を含有する、回路接続用接着剤組成物を提供する。
上記回路接続用接着剤組成物によれば、上記特定の成分を含有することにより、低接続抵抗を示し、優れた表示品質を示すことができ、且つ、消費電力を低減することができる構造体を得ることができる。また、上記回路接続用接着剤組成物を用いた構造体は、高温高湿環境試験後においても安定して低い接続抵抗を示すため、厳しい環境下でも優れた表示品質を維持できる高い信頼性を有する。上記回路接続用接着剤組成物によれば、これらの性能を示す構造体を提供することができる。
FPC/FPC接続、FPC/PWB接続においては、最表面に金めっき層が形成された電極同士を接続する接続方式が多く、通常の回路接続用接着剤組成物が使用可能である。上記回路接続用接着剤組成物に使用される導電粒子としては、Auめっきプラスチック粒子、Niめっきプラスチック粒子、金属Ni粒子等があり、上記回路接続用接着剤組成物に使用される樹脂の種類としては、エポキシアニオン系、ラジカルアクリレート系が挙げられる。しかし、これらの回路接続用接着剤組成物を用いた場合において、電気的接続は導電粒子表面と電極表面との限定された物理的接触によりなされるため、近年、高表示品質、低消費電力、高接続信頼性等の市場要求には応えられなくなってきている。
また、COF用FPC/PWB接続、COF用FPC/FPC接続においては、COF用FPCの電極表面がSnめっき、PWB及びFPCの電極表面が金めっきであり、これらの接続においても、上述した通常の金属粒子における電気的接続は、導電粒子表面と電極表面との限定された物理的接触によりなされるため、低抵抗化は困難である。
また、本発明者らは、回路接続用接着剤組成物において、電極表面と導電粒子表面との密接された界面又は部分的な金属接合を形成させることで、低接続抵抗化を図る検討を行った。任意のはんだ粒子、任意のはんだ接続用のフラックスの検討を行ったが、限定された物理的接触のままであり、低抵抗化はできず、85℃85%RHにおける信頼性試験後の抵抗は上昇した。ここでいう金属接合とは、導電粒子としてのはんだの金属元素と電極めっき最表面の金属元素とが混合された層(金属層間化合物)が圧着体に形成されていることを言う。
本発明者らは、130〜180℃の到達圧着温度に適するはんだ粒子を検討した。BiSnはんだ粒子の融点が139℃であり、市場要求において最適であると考えた。これらの検討において、低抵抗化は実現できたが、85℃85%RH等の環境試験においては抵抗上昇が起こることが判明した。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、ラジカル硬化系の回路接続用接着剤組成物において、(A)Bi含有量が20〜60質量%であり且つSn含有量が40〜80質量%であるはんだ粒子と、(B)リン酸エステル系有機化合物と、(C)ラジカル重合性化合物と、(D)ラジカル発生剤と、を含有する回路接続用接着剤組成物により、圧着構造体の接続抵抗の低抵抗化が可能であり、且つ、厳しい環境においても抵抗上昇を抑制することが可能であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の回路接続用接着剤組成物において、上記(A)はんだ粒子のBi含有量が21〜40質量%であり且つSn含有量が79〜60質量%であってもよい。
本発明の回路接続用接着剤組成物において、上記(B)リン酸エステル系有機化合物が、単官能又は多官能のリン酸エステル系(メタ)アクリレートモノマーを含んでいてもよい。
本発明の回路接続用接着剤組成物は、(E)有機微粒子を更に含有していてもよい。
本発明の接着剤組成物は、シランカップリング剤を更に含んでいてもよい。
本発明はまた、本発明の回路接続用接着剤組成物又はその硬化物を備える構造体を提供する。
本発明は更に、第一の回路電極を有する第一の回路部材と、第二の回路電極を有する第二の回路部材と、上記第一の回路部材及び上記第二の回路部材の間に配置された回路接続部材と、を備え、上記第一の回路電極及び上記第二の回路電極が電気的に接続されており、上記回路接続部材が、本発明の回路接続用接着剤組成物又はその硬化物を含む、構造体を提供する。
本発明の構造体において、上記第一の回路電極が、最表面にAuめっき層を有する電極であり、上記第二の回路電極が、最表面にAuめっき層又はSnめっき層を有する電極であってもよい。
本発明によれば、低接続抵抗及び高接続信頼性を示す構造体を得ることが可能な回路接続用接着剤組成物、及び、それを用いた構造体(回路接続構造体等)を提供することができる。
本発明によれば、構造体(回路接続構造体等)又はその製造への回路接続用接着剤組成物又はその硬化物の応用を提供することができる。本発明によれば、回路接続への回路接続用接着剤組成物又はその硬化物の応用を提供することができる。本発明によれば、ウェアラブル用途への構造体の応用を提供することができる。
本発明の構造体の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の構造体の他の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の構造体の他の一実施形態を示す模式断面図である。 本発明の構造体の他の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではない。
本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、及び、それに対応するメタクリレートの少なくとも一方を意味する。「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」等の他の類似の表現においても同様である。以下で例示する材料は、特に断らない限り、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。「常温」とは、25℃を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<接着剤組成物>
本実施形態の接着剤組成物は、(A)Bi含有量が20〜60質量%であり且つSn含有量が40〜80質量%であるはんだ粒子(以下、「(A)成分」ともいう)と、(B)リン酸エステル系有機化合物(以下、「(B)成分」ともいう)と、(C)ラジカル重合性化合物(以下、「(C)成分」ともいう)と、(D)ラジカル発生剤(以下、「(D)成分」ともいう)と、を含有する回路接続用接着剤組成物である。また、接着剤組成物は、(E)有機微粒子(以下、「(E)成分」ともいう)を更に含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
((A)成分:はんだ粒子)
本実施形態の接着剤組成物は、導電粒子としてはんだ粒子を含有する。はんだ粒子は、種類によって、ある温度では、固体状態と液体状態の混在状態で存在する。例えば、Sn88−In8.0−Ag3.5−Bi0.5はんだは、160℃付近では固体であるが、196℃付近で吸熱し、200℃付近では固体と液体状態が混在している。更に206℃付近で吸熱し完全に液体となる。これらのはんだの特性を調査するためにDSC(示差走査熱量計)を用いた。例えば、上記はんだの吸熱ピークは、1点目は196℃付近、2点目は206℃付近に発生する。これを本明細書においてはそれぞれ第1発熱ピーク、第2発熱ピークと記載する。第1発熱ピーク、第2発熱ピークは、本実施形態においては、昇温速度10℃/minで、Heガスフロー中にて測定した値である。
本実施形態におけるはんだ粒子は、圧着温度の観点からDSCにおける吸熱第1ピークが130〜170℃のはんだ粒子が好ましく、DSCにおける吸熱第1ピークが139℃であるBiSnはんだ粒子がより好ましい。
本実施形態においては、(A)成分としてBi(ビスマス)含有量が20〜60質量%であり且つSn(スズ)含有量が40〜80質量%であるはんだ粒子を用いる。(A)はんだ粒子は、Bi含有量が21〜58質量%であり且つSn含有量が79〜42質量%であるはんだ粒子であることが好ましく、Bi含有量が21〜40質量%であり且つSn含有量が79〜60質量%であるはんだ粒子がより好ましい。BiとSnの組成が上記範囲であると、加熱圧着時、139℃付近で溶融した液体状態のはんだ成分と、固体状態のはんだ成分が混在することになり、電極の接続間距離を保ちながら電極表面にはんだ粒子がぬれ広がり、密接かつ広範囲な物理的接触と部分的な金属接合を形成することが可能である。これにより接続抵抗の低抵抗化と高接続信頼性を達成することが可能となる。
(A)はんだ粒子は、含まれる金属元素がBi及びSnのみであってよく、Bi含有量及びSn含有量が上述した範囲内であれば他の金属元素を更に含んでいてもよい。他の金属元素としては、はんだに含まれ得る一般的な金属元素が挙げられる。低接続抵抗化及び高接続信頼性の観点からは、(A)はんだ粒子に含まれる金属元素はBi及びSnのみ(すなわち、Bi含有量及びSn含有量の合計が100質量%)であることが好ましい。
(A)はんだ粒子の平均粒径は、圧着構造体の電極とスペース部のサイズに応じて任意に選択してよい。隣接する回路電極間の結合によるショートを避けるため、平均粒径は、スペース部の大きさの1/3〜1/50倍が好ましい。一般的には、(A)はんだ粒子の平均粒径は、0.1〜30μmであってもよく、0.5〜10μmであってもよい。(A)はんだ粒子の平均粒径は、例えば、レーザー回折法等の機器分析を用いて測定することができる。
(A)はんだ粒子の添加量は、要求する抵抗と、隣接する回路電極間の粒子連結によるショートを避けることとを考慮しながら適宜調整することが好ましい。一般的には、添加する樹脂成分とラジカル重合性化合物の和を100質量部とした場合、それに対して1〜30質量部を添加する場合が多く、2〜20質量部を添加してもよい。
((B)成分:リン酸エステル系有機化合物)
(B)リン酸エステル系有機化合物は、はんだ粒子表面と回路電極の表面の活性を上げ、はんだ粒子界面と電極界面との部分的な金属接合、はんだ粒子との密接かつ広い接触界面を発現する効果を有する。リン酸エステル系有機化合物は、単官能又は多官能のリン酸エステル系ラジカル重合性化合物であることが好ましい。特に、リン酸エステル系ラジカル重合性化合物として、下記一般式(I)又は(II)で表されるリン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物を用いることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物等のラジカル重合性化合物と、式(I)又は(II)で表されるリン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物とを併用することがより好ましい。なお、本発明において、リン酸エステル系ラジカル重合性化合物は、後述する(C)ラジカル重合性化合物ではなく、(B)リン酸エステル系有機化合物に分類する。
Figure 2019044043

[式中、nは1〜3の整数を示し、Rは、水素原子又はメチル基を示す。]
Figure 2019044043

[式中、aは1〜3の整数を示す。]
上記リン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物は、例えば、無水リン酸と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを反応させることにより得られる。上記リン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物の具体例としては、モノ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート等が挙げられる。式(I)又は(II)で表されるリン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
式(I)又は(II)で表されるリン酸エステル構造を有するラジカル重合性化合物の含有量は、はんだ粒子界面と電極界面との部分的な金属接合を形成しやすくする観点から、(C)成分及びフィルム形成材(必要により使用される成分)の総量90質量部に対して、0.5〜15質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。この含有量が0.5質量部以上であれば、部分的金属接合の効果が発現しやすく、15質量部以下であると、べたつきによる転写工程及び加熱加圧工程における作業性の低下を抑制することができる。
(B)リン酸エステル系有機化合物の含有量は、部分的金属接合の効果と転写工程及び圧着工程における作業性の観点から、(C)成分及びフィルム形成材(必要により使用される成分)の総量90質量部に対して、0.5〜15質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。
((C)成分:ラジカル重合性化合物)
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能な官能基を有する化合物である。このようなラジカル重合性化合物としては、(メタ)アクリレート化合物、マレイミド化合物、シトラコンイミド化合物、ナジイミド化合物等が挙げられる。「(メタ)アクリレート化合物」とは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を意味する。ラジカル重合性化合物は、モノマー又はオリゴマーの状態で用いてもよく、モノマーとオリゴマーとを併用することもできる。ラジカル重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシポリエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリス((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性トリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリレート化合物以外のラジカル重合性化合物としては、例えば、国際公開第2009/063827号に記載の化合物を好適に使用することができる。(メタ)アクリレート化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)ラジカル重合性化合物としては、更に優れた接続信頼性を得る観点から、(メタ)アクリレート化合物が好ましく、ウレタン(メタ)アクリレートがより好ましい。(メタ)アクリレート化合物は、耐熱性が向上する観点から、ジシクロペンテニル基、トリシクロデカニル基及びトリアジン環からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有することが好ましい。
(C)ラジカル重合性化合物は、アリル(メタ)アクリレートを含んでいてもよい。この場合、アリル(メタ)アクリレートの含有量は、(C)ラジカル重合性化合物及びフィルム形成材(必要により使用される成分)の合計100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。
(C)ラジカル重合性化合物の含有量は、初期接着力及び信頼性試験後の接着力維持の観点から、下記の下限値以上であることが好ましく、転写工程における作業性及び接続工程における作業性の観点から下記の上限値以下であることが好ましい。(C)ラジカル重合性化合物の含有量は、接着剤組成物の接着剤成分(接着剤組成物中の導電粒子以外の固形分。以下同様)の全質量を基準として下記の範囲が好ましい。(C)ラジカル重合性化合物の含有量は、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが更に好ましい。(C)ラジカル重合性化合物の含有量は、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましく、70質量%以下であることが更に好ましい。これらの観点から、(C)ラジカル重合性化合物の含有量は、10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜70質量%であることが更に好ましい。
((D)成分:ラジカル発生剤)
ラジカル発生剤は、熱、超音波、電磁波等により分解して遊離ラジカルを発生する硬化剤(ラジカル重合開始剤等)である。
ラジカル発生剤としては、過酸化物(有機過酸化物等)、アゾ系化合物などが挙げられる。ラジカル発生剤は、目的とする接続温度、接続時間、ポットライフ等により適宜選定される。ラジカル発生剤の10時間半減期温度は、高反応性及びポットライフの向上の観点から、40℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましい。ラジカル発生剤の1分間半減期温度は、高反応性及びポットライフの向上の観点から、180℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましい。ラジカル発生剤は、高反応性及びポットライフの向上の観点から、10時間半減期温度が40℃以上、且つ、1分間半減期温度が180℃以下の有機過酸化物が好ましく、10時間半減期温度が60℃以上、且つ、1分間半減期温度が170℃以下の有機過酸化物がより好ましい。
熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤である過酸化物の具体例としては、ジアシルパーオキサイド(ベンゾイルパーオキサイド等)、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、パーオキシケタール、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられる。
ラジカル発生剤としては、電極(回路電極等)の腐食を抑える観点から、含有される塩素イオン及び有機酸の濃度が5000ppm以下である硬化剤が好ましく、熱分解後に発生する有機酸が少ない硬化剤がより好ましい。このような硬化剤の具体例としては、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキシエステル、ジアルキルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、シリルパーオキサイド等が挙げられ、高反応性が得られる観点から、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネート及びパーオキシエステルからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
パーオキシエステルとしては、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(m−トルオイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシアセテート等が挙げられる。パーオキシエステルは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記パーオキシエステル以外の、熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤としては、例えば、国際公開第2009/063827号に記載の化合物を好適に使用することができる。
熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤であるアゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(イミダゾリン−2−イル)プロパン]等が挙げられる。
ラジカル発生剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。熱により遊離ラジカルを発生する硬化剤(過酸化物、アゾ系化合物等)と、分解促進剤、分解抑制剤等とを併用してもよい。また、ラジカル発生剤をポリウレタン系又はポリエステル系の高分子物質等で被覆してマイクロカプセル化してもよい。マイクロカプセル化した硬化剤は、可使時間が延長されるために好ましい。
ラジカル発生剤の含有量は、接続時間が25秒以下である場合、充分な反応率が容易に得られる観点から、下記の範囲が好ましい。ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更に好ましい。ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが更に好ましい。これらの観点か20ら、ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、0.1〜40質量部であることが好ましく、0.5〜30質量部であることがより好ましく、1〜30質量部であることが更に好ましい。
ラジカル発生剤の含有量は、接続時間が25秒以下である場合、充分な反応率が容易に得られる観点から、下記の範囲が好ましい。ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物及びフィルム形成材(必要により使用される成分)の合計100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更に好ましい。ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物及びフィルム形成材(必要により使用される成分)の合計100質量部に対して、40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、20質量部以下であることが更に好ましい。これらの観点から、ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物及びフィルム形成材(必要により使用される成分)の合計100質量部に対して、0.1〜40質量部であることが好ましく、0.5〜30質量部であることがより好ましく、1〜20質量部であることが更に好ましい。
接続時間を限定しない場合のラジカル発生剤の含有量は、充分な反応率が容易に得られる観点から、下記の範囲が好ましい。ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更に好ましい。ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、15質量部以下であることが更に好ましい。これらの観点から、ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましく、1〜15質量部であることが更に好ましい。
接続時間を限定しない場合のラジカル発生剤の含有量は、充分な反応率が容易に得られる観点から、下記の範囲が好ましい。ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物及びフィルム形成材(必要により使用される成分)の合計100質量部に対して、0.1質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、1質量部以上であることが更に好ましい。ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物及びフィルム形成材(必要により使用される成分)の合計100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましく、15質量部以下であることが更に好ましい。これらの観点から、ラジカル発生剤の含有量は、ラジカル重合性化合物及びフィルム形成材(必要により使用される成分)の合計100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましく、1〜15質量部であることが更に好ましい。
((E)成分:有機微粒子)
本実施形態の接着剤組成物は、高接続信頼性の観点から、さらに精度良く圧着後の構造体の電極間の接続距離を一定に保つことができる方が好ましい。この観点から、(E)有機微粒子(有機絶縁微粒子)をギャップコントロール剤として使用してもよい。これらの有機絶縁微粒子は、(A)はんだ粒子の平均粒径の1/6倍から1.5倍の平均粒径であることが好ましく、かつ、常温におけるフィッシャー硬度試験機による平面圧子試験において、最大荷重5mN、加重速度0.33mN/secにおいて、変形後の短径が(A)はんだ粒子の平均粒径の1/6〜2/3倍となる特性を有する有機微粒子が好ましい。これらの特性を有する有機微粒子の例として、これから挙げる例に本発明の内容が制限されるものではないが、ポリスチレン微粒子、ポリアクリル酸メチル微粒子、ポリメタクリル酸メチル微粒子等が挙げられる。有機微粒子の平均粒径は、はんだ粒子の平均粒径と同様の方法で測定することができる。
(E)有機粒子の含有量は、高接続信頼性の観点、及び、さらに精度良く圧着後の構造体の電極間の接続距離を一定に保つ観点から、(A)はんだ粒子の含有量に対して質量比で1/300〜2/3倍であることが好ましく、1/200〜1/2倍であることがより好ましい。
(シランカップリング剤)
本実施形態の接着剤組成物は、シランカップリング剤を含有してもよい。シランカップリング剤を用いることにより、接着剤組成物の密着力(ガラスに対する密着力等)を上昇させることができる。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、及び、これらの縮合物が挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、接着剤組成物の接着剤成分の全質量を基準として、0.1〜10質量%が好ましく、0.25〜5質量%がより好ましい。シランカップリング剤の含有量が0.1質量%以上であれば、回路部材と回路接続材料との界面の剥離気泡の発生を抑制する効果が更に大きくなる傾向があり、シランカップリング剤の含有量が10質量%以下であると、接着剤組成物のポットライフが長くなる傾向がある。
(フィルム形成材)
本実施形態の接着剤組成物は、必要に応じて、フィルム形成材を含有してもよい。フィルム形成材は、液状の接着剤組成物をフィルム状に固形化した場合に、通常の状態(常温常圧)でのフィルムの取扱い性を向上させ、裂け難い、割れ難い、べたつき難い等の特性をフィルムに付与することができる。フィルム形成材としては、フェノキシ樹脂、ポリビニルホルマール、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリアミド、キシレン樹脂、ポリウレタン等が挙げられる。これらの中でも、接着性、相溶性、耐熱性及び機械的強度に優れる観点から、フェノキシ樹脂が好ましい。フィルム形成材は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
フェノキシ樹脂としては、例えば、2官能エポキシ樹脂と2官能フェノール類とを重付加させることにより得られる樹脂、及び、2官能フェノール類とエピハロヒドリンとを高分子化するまで反応させることにより得られる樹脂が挙げられる。フェノキシ樹脂は、例えば、2官能フェノール類1モルと、エピハロヒドリン0.985〜1.015モルとをアルカリ金属水酸化物等の触媒の存在下、非反応性溶剤中で40〜120℃の温度で反応させることにより得ることができる。フェノキシ樹脂としては、樹脂の機械的特性及び熱的特性に優れる観点から、特に、2官能性エポキシ樹脂と2官能性フェノール類との配合当量比をエポキシ基/フェノール水酸基=1/0.9〜1/1.1とし、アルカリ金属化合物、有機リン系化合物、環状アミン系化合物等の触媒の存在下、沸点が120℃以上の有機溶剤(アミド系、エーテル系、ケトン系、ラクトン系、アルコール系等)中で、反応固形分が50質量%以下の条件で50〜200℃に加熱して重付加反応させて得た樹脂が好ましい。フェノキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
2官能エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニルジグリシジルエーテル、メチル置換ビフェニルジグリシジルエーテル等が挙げられる。2官能フェノール類は、2個のフェノール性水酸基を有する化合物である。2官能フェノール類としては、ハイドロキノン類、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、ビスフェノールフルオレン、メチル置換ビスフェノールフルオレン、ジヒドロキシビフェニル、メチル置換ジヒドロキシビフェニル等のビスフェノール類などが挙げられる。フェノキシ樹脂は、ラジカル重合性の官能基、又は、その他の反応性化合物により変性(例えば、エポキシ変性)されていてもよい。
フィルム形成材の含有量は、接着剤組成物の接着剤成分の全質量を基準として、10〜90質量%であることが好ましく、20〜60質量%であることがより好ましい。
(その他の成分)
本実施形態の接着剤組成物は、必要に応じて、(A)はんだ粒子以外の他の導電粒子を含有してもよい。他の導電粒子の構成材料としては、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、はんだ等の金属、カーボンなどが挙げられる。また、非導電性の樹脂、ガラス、セラミック、プラスチック等を核とし、この核に上記金属(金属粒子等)又はカーボンを被覆した被覆導電粒子でもよい。被覆導電粒子(例えば、プラスチックを核とする導電粒子)又は熱溶融金属粒子は、加熱加圧により変形性を有するため、接続時に回路電極の高さばらつきを解消し、接続時に電極との接触面積が増加することから信頼性が向上するため好ましい。また、他の導電粒子として、(A)成分であるはんだ粒子以外の組成を有するはんだ粒子を用いてもよい。
他の導電粒子の平均粒径は、分散性及び導電性に優れる観点から、1〜30μmであることが好ましい。導電粒子の平均粒径は、例えば、レーザー回折法等の機器分析を用いて測定することができる。他の導電粒子を添加する場合、その含有量は、導電性に優れる観点から、接着剤組成物の接着剤成分100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましい。導電粒子の含有量は、電極(回路電極等)の短絡を抑制しやすい観点から、接着剤組成物の接着剤成分100質量部に対して、100質量部以下が好ましく、50質量部以下がより好ましい。これらの観点から、導電粒子の含有量は、0.1〜100質量部が好ましく、1〜50質量部がより好ましい。
本実施形態の接着剤組成物は、必要に応じて、ハイドロキノン、メチルエーテルハイドロキノン類等の重合禁止剤を適宜含有してもよい。
本実施形態の接着剤組成物は、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル及びアクリロニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1種のモノマー成分を重合させて得られる単独重合体又は共重合体を更に含有していてもよい。本実施形態の接着剤組成物は、応力緩和に優れる観点から、グリシジルエーテル基を有するグリシジル(メタ)アクリレートを重合させて得られる共重合体であるアクリルゴム等を含有することが好ましい。上記アクリルゴムの重量平均分子量は、接着剤組成物の凝集力を高める観点から、20万以上が好ましい。
本実施形態の接着剤組成物は、導電粒子((A)はんだ粒子又は他の導電粒子)の表面を高分子樹脂等で被覆した被覆微粒子を含有してもよい。このような被覆微粒子を導電粒子と併用した場合、導電粒子の含有量が増加した場合であっても、導電粒子同士の接触による短絡を抑制しやすいことから、隣接した回路電極間の絶縁性を向上させることができる。導電粒子を用いることなく上記被覆微粒子を単独で用いてもよく、被覆微粒子と導電粒子とを併用してもよい。
本実施形態の接着剤組成物は、ゴム微粒子、充填剤、軟化剤、促進剤、老化防止剤、着色剤、難燃化剤、チキソトロピック剤、カップリング剤、フェノール樹脂、メラミン樹脂、イソシアネート類等を含有することもできる。本実施形態の接着剤組成物は、密着性向上剤(カップリング剤を除く)、増粘剤、レベリング剤、着色剤、耐候性向上剤等の添加剤を適宜含有してもよい。
ゴム微粒子は、(A)はんだ粒子の平均粒径の2倍以下の平均粒径を有し、且つ、常温での貯蔵弾性率が、(A)はんだ粒子及び接着剤組成物の常温での貯蔵弾性率の1/2以下である粒子が好ましい。特に、ゴム微粒子の材質がシリコーン、アクリルエマルジョン、SBR、NBR又はポリブタジエンゴムである場合、ゴム微粒子は、単独で又は2種以上を混合して用いることが好適である。3次元架橋したゴム微粒子は、耐溶剤性に優れており、接着剤組成物中に容易に分散される。
充填剤は、回路電極間の電気特性(接続信頼性等)を向上させることができる。充填剤としては、例えば、(A)はんだ粒子の平均粒径の1/4以下の平均粒径を有する粒子を好適に使用できる。導電性を有さない粒子を充填剤と併用する場合、導電性を有さない粒子の平均粒径以下の粒子を充填剤として使用できる。充填剤の含有量は、接着剤組成物の接着剤成分の全質量を基準として5〜60質量%であることが好ましい。上記含有量が60質量%以下であることにより、接続信頼性の向上効果を更に充分に得られる傾向がある。上記含有量が5質量%以上であることにより、充填剤の添加効果を充分に得られる傾向がある。
本実施形態の接着剤組成物は、常温で液状である場合にはペースト状で使用することができる。接着剤組成物が常温で固体状である場合には、加熱して使用する他、溶剤を使用してペースト化してもよい。使用できる溶剤としては、接着剤組成物中の成分に対して反応性がなく、且つ、充分な溶解性を示す溶剤であれば、特に制限はない。溶剤は、常圧での沸点が50〜150℃である溶剤が好ましい。沸点が50℃以上であると、常温での溶剤の揮発性に乏しいため、開放系でも使用できる。沸点が150℃以下であると、溶剤を揮発させることが容易であるため、接着後に良好な信頼性が得られる。
本実施形態の接着剤組成物は、フィルム状であってもよい。必要に応じて溶剤等を含有する接着剤組成物の溶液を、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、剥離性基材(離型紙等)上に塗布した後、溶剤等を除去することによりフィルム状の接着剤組成物を得ることができる。また、不織布等の基材に上記溶液を含浸させて剥離性基材上に載置した後、溶剤等を除去することによりフィルム状の接着剤組成物を得ることができる。接着剤組成物をフィルム状で使用すると、取扱性等に優れる観点から一層便利である。
剥離性基材付きのフィルム状接着剤組成物を接続構造体形成に使用する場合は、フィルム状接着剤組成物側を第1の被着体側に設置し、反対側の剥離性基材側から加熱圧着することにより、フィルム状接着剤組成物を第1の被着体に転写し、剥離性基材をフィルム状接着剤組成物から剥離する工程が必要である(転写工程)。加熱温度は特に制限はないが、所定秒数到達時(所定秒数の加熱圧着を行った際の到達温度)に50〜100℃の温度が好ましい。圧力は、被着体に損傷を与えない範囲であれば特に制限はないが、0.1〜2MPaが好ましい。加熱及び加圧は、0.3秒から3秒の範囲で行うことが好ましい。転写工程により剥離性基材を剥離したフィルム状接着剤組成物が貼付された第1の被着体に対して、第2の被着体を設置してから、加熱加圧工程に移行する。
本実施形態の接着剤組成物は、例えば、加熱加圧することにより接着させることができる。加熱及び光照射を併用することにより、更に低温短時間で接着できる。加熱温度は、特に制限はないが、所定秒数到達時に130〜180℃の温度が好ましい。圧力は、被着体に損傷を与えない範囲であれば、特に制限はないが、0.1〜10MPaが好ましい。加熱及び加圧は、0.5秒〜30秒間の範囲で行うことが好ましい。
本実施形態の接着剤組成物は、同一種の被着体の接着剤として使用してもよく、熱膨張係数の異なる異種の被着体の接着剤として使用してもよい。具体的には、異方導電接着剤、銀ペースト、銀フィルム等に代表される回路接続材料;CSP用エラストマー、CSP用アンダーフィル材、LOCテープ等に代表される半導体素子接着材料などとして使用することができる。
<構造体及びその製造方法>
(第一の態様)
本実施形態の構造体(回路接続構造体)は、本実施形態の接着剤組成物又はその硬化物を備える。本実施形態の構造体は、例えば、ディスプレイ入力用回路用又はコネクタ代替回路としての接続構造体である。本実施形態の構造体の一態様として、回路接続構造体は、第一の回路電極を有する第一の回路部材と、第二の回路電極を有する第二の回路部材と、第一の回路部材及び第二の回路部材の間に配置された回路接続部材とを備える。
図1は構造体の第一の態様を示す模式断面図である。図1に示す構造体100において、第一の回路部材は、ガラスエポキシ基板等の基板11と、該基板11上に形成された回路電極15とを備える、FR−4基板等のプリント配線板(PWB)10である。回路電極15は、銅回路(銅箔回路)12上にNi(ニッケル)めっき層13及びAu(金)めっき層14が順次形成された、Auめっき層14を最表面に有する電極である。基板11の主面(回路電極15が設けられている面)上には、場合により絶縁層(図示せず)が配置されていてもよい。第二の回路部材は、ポリイミドフィルム基板等の基板21と、該基板21上に形成された回路電極25とを備えるフレキシブル回路基板(FPC)20である。回路電極25は、銅回路(銅箔回路)22上にNiめっき層23及びAuめっき層24が順次形成された、Auめっき層24を最表面に有する電極である。基板21の主面(回路電極25が設けられている面)上には、場合により絶縁層(図示せず)が配置されていてもよい。
構造体100において、回路電極15(第一の回路電極)及び回路電極25(第二の回路電極)は、相対向すると共に電気的に接続されている。プリント配線板10とフレキシブル回路基板20との間には、これらを接続する回路接続部材50が配置されている。回路接続部材50は、本実施形態の接着剤組成物又はその硬化物を含んでいる。すなわち、回路接続部材は、絶縁性物質(導電粒子を除く成分又はその硬化物)51及び導電粒子52を含有しており、導電粒子は(A)はんだ粒子を含む。
(第二の態様)
図2は構造体の第二の態様を示す模式断面図である。図2に示す構造体200において、第一及び第二の回路部材はいずれも、第一の態様において説明したフレキシブル回路基板20である。構造体200において、回路電極25(第一の回路電極)及び回路電極25(第二の回路電極)は、相対向すると共に電気的に接続されている。フレキシブル回路基板20とフレキシブル回路基板20との間には、これらを接続する回路接続部材50が配置されている。回路接続部材50は、本実施形態の接着剤組成物又はその硬化物を含んでいる。
(第三の態様)
図3は構造体の第三の態様を示す模式断面図である。図3に示す構造体300において、第一の回路部材は、第一の態様において説明したプリント配線板10である。第二の回路部材は、ポリイミドフィルム基板等の基板31と、該基板31上に形成された回路電極35とを備える、COF実装方式に用いられるフレキシブル回路基板(COF用FPC)30である。回路電極35は、銅回路(銅箔回路)32上にSnめっき層33が形成された、Snめっき層33を最表面に有する電極である。基板31の主面(回路電極35が設けられている面)上には、場合により絶縁層(図示せず)が配置されていてもよい。構造体300において、回路電極15(第一の回路電極)及び回路電極35(第二の回路電極)は、相対向すると共に電気的に接続されている。プリント配線板10とCOF用フレキシブル回路基板30との間には、これらを接続する回路接続部材50が配置されている。回路接続部材50は、本実施形態の接着剤組成物又はその硬化物を含んでいる。
(第四の態様)
図4は構造体の第四の態様を示す模式断面図である。図4に示す構造体400において、第一の回路部材は、第一の態様において説明したフレキシブル回路基板20であり、第二の回路部材は、第三の態様において説明したCOF実装方式に用いられるフレキシブル回路基板30である。構造体400において、回路電極25(第一の回路電極)及び回路電極35(第二の回路電極)は、相対向すると共に電気的に接続されている。フレキシブル回路基板20とCOF用フレキシブル回路基板30との間には、これらを接続する回路接続部材50が配置されている。回路接続部材50は、本実施形態の接着剤組成物又はその硬化物を含んでいる。
上述した第一及び第二の態様の構造体は、最表面にAuめっきが施された電極同士を接続したものであり、第三及び第四の態様の構造体は、最表面にAuめっきが施された電極と最表面にSnめっきが施された電極とを接続したものである。これらの接続方式において、本実施形態の接着剤組成物又はその硬化物を含む回路接続部材を介して電極間を接続することにより、接続抵抗の低抵抗化、及び、高温高湿環境下でも接続抵抗を低く維持することが可能な高い信頼性を実現することができる。
本実施形態の構造体の製造方法は、本実施形態の接着剤組成物を硬化させる工程を備える。本実施形態の構造体の製造方法の一態様として、回路接続構造体の製造方法は、第一の回路電極を有する第一の回路部材と、第二の回路電極を有する第二の回路部材との間に、本実施形態の接着剤組成物を配置する配置工程と、第一の回路部材と第二の回路部材とを加圧して第一の回路電極と第二の回路電極とを電気的に接続させると共に、接着剤組成物を加熱して硬化させる加熱加圧工程と、を備える。配置工程において、第一の回路電極と第二の回路電極とが相対向するように配置することができる。加熱加圧工程において、第一の回路部材と第二の回路部材とを相対向する方向に加圧することができる。本実施形態の構造体の製造方法は、相対向する半導体素子の回路電極と半導体搭載用基板の回路電極との間に本実施形態の接着剤組成物を介在させ、相対向する回路電極を加圧して加圧方向の電極間を電気的に接続する態様であってもよい。
上記加熱加圧工程において、加熱温度は、特に制限はないが、所定秒数到達時に130〜180℃の温度が好ましい。圧力は、第一の回路部材及び第二の回路部材に損傷を与えない範囲であれば、特に制限はないが、0.1〜10MPaが好ましい。加熱及び加圧は、0.5秒〜30秒間の範囲で行うことが好ましい。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
<フィルム状の回路接続材料の作製>
(実施例1)
フェノキシ樹脂(商品名:PKHC、ユニオンカーバイド株式会社製、重量平均分子量45000)50gを、トルエン/酢酸エチル(質量比:50/50)の混合溶剤に溶解して、固形分40質量%のフェノキシ樹脂溶液を用意した。ラジカル重合性化合物として、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート(商品名:M−215、東亜合成株式会社製)、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート(リン酸エステル、商品名:ライトエステルP−2M、共栄社化学株式会社製)、ウレタンアクリレート(商品名:U−2PPA、新中村化学株式会社製)を用いた。シランカップリング剤として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−503、信越化学工業株式会社製)を用意した。ラジカル発生剤として、パーオキシエステル(商品名:パーヘキサ25O、日油株式会社製、1分間半減期温度:118.8℃、10時間半減期温度:66.2℃)を用意した。はんだ粒子として、三井金属鉱業株式会社製のBi28Sn72はんだ粒子(Bi含有量28質量%、Sn含有量72質量%、平均粒径5μm、商品名:ST−5(Bi28Sn72の組成のもの))を使用した。Bi28Sn72はんだ粒子のDSCにおける第1吸熱ピークは139℃、第2吸熱ピークは190℃であった。
上記材料を固形分質量でフェノキシ樹脂/イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート/ウレタンアクリレート/2−メタクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート/シランカップリング剤/ラジカル発生剤を50g/20g/20g/5g/3g/3gの割合で混合し、接着剤組成物含有液Aを調製した。さらに、Bi28Sn72はんだ粒子(平均粒径5μm)10質量部をメチルエチルケトン15質量部に加えて超音波にて十分に分散させ、調製液Bを調製した。101質量部の接着剤組成物含有液Aに対して調製液Bを25質量部(はんだ粒子は10質量部)分散させて回路接続材料含有液(回路接続用接着剤組成物)を調製した。
塗工装置を用いて、片面を表面処理した厚み50μmのPETフィルム上に上記回路接続材料含有液を塗布した後、70℃で3分間熱風乾燥させることにより、PETフィルム上に厚み25μm及び35μmのフィルム状の回路接続材料をそれぞれ得た。
(実施例2)
(B)成分として、P−2MをPM−21(エチレン性不飽和結合を含むリン酸エステル、日本化薬株式会社製、製品名)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、フィルム状の回路接続材料を作製した。
(実施例3)
(A)成分として、Bi28Sn72はんだ粒子をBi58Sn42はんだ粒子(Bi含有量58質量%、Sn含有量42質量%、平均粒径5μm、商品名:ST−5(Bi58Sn42の組成のもの)、三井金属鉱業株式会社製)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、フィルム状の回路接続材料を作製した。Bi58Sn42はんだ粒子の第1吸熱ピークは139℃、第2級熱ピークは存在しなかった。
(実施例4)
(A)成分として、Bi28Sn72はんだ粒子をBi58Sn42はんだ粒子に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、フィルム状の回路接続材料を作製した。
(実施例5)
ポリスチレン微粒子(商品名:PB−3006W、松浦株式会社製、平均粒径6μm)を3質量部用意し、これをMEK/トルエン混合溶液7質量部に分散させ、分散液Cを得た。実施例2における接着剤組成物含有液Aを101質量部と調製液Bを25質量部(はんだ粒子は10質量部)とを混合した後、分散液Cを10質量部(ポリスチレン微粒子は3質量部)を加えて混合し、回路接続材料含有液を調製した。その後、実施例1と同様にして、フィルム状の回路接続材料を作製した。
(比較例1)
P−2Mを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、フィルム状の回路接続材料を作製した。
(比較例2)
(A)成分として、Bi28Sn72はんだ粒子をBi58Sn42はんだ粒子に変更したこと以外は、比較例1と同様にして、フィルム状の回路接続材料を作製した。
(比較例3)
フラックスとしてプロピオン酸5質量部を45質量部のエタノールに溶解し、これを比較例1の回路接続材料含有液に添加した。その後、実施例1と同様にして、フィルム状の回路接続材料を作製した。
(比較例4)
Bi28Sn72はんだ粒子を、平均粒径5μmであるニッケル粒子(ニッコーシ株式会社製、商品名:Ni123)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、フィルム状の回路接続材料を作製した。
<接続抵抗評価(初期抵抗及び信頼性試験後の接続抵抗の評価)>
(1)FPC(最表層Auめっき)/PWB(最表層Auめっき)の接続の場合
上記製法によって得たフィルム状の回路接続材料(0.6mm幅)を、ライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み35μmの銅回路にNi/Auめっき処理が施された回路電極を150本有するFR−4基板(PWB)に静置させた。PETフィルム側に厚み200μmのシリコーン製クッション材を敷いて、PETフィルム側から熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、日化設備エンジニアリング株式会社製)を用いて到達温度70℃、1MPaで2秒間の加熱加圧を行った。その後、PETフィルムを剥離した。
PETフィルムを剥離した上記フィルム状の回路接続材料を介して、ライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み18μmの銅回路にNi/Auめっき処理が施された回路電極を150本有するフレキシブル回路基板(FPC)と、上記のFR−4基板(PWB)とを、熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、日化設備エンジニアリング株式会社製)を用いて、回路接続面積30,000μm(1電極当たり)にて、厚み200μmのシリコーン製クッション材を敷いてFPC側からツールを当て、到達温度160℃、5MPaで5秒間の加熱加圧を行って幅30mmにわたり接続し、回路接続構造体を作製した。このとき、フィルム状の回路接続材料は、厚み35μm品を使用した。
次に、接続された回路1端子当たりの抵抗を4端子法により測定した。測定電流は、1mAであり、測定電圧V(mV)を測定し、1接続端子当たりの接続抵抗を算出した。算出した接続抵抗に基づき、初期抵抗及び信頼性試験後の接続抵抗を下記のように評価した。
初期抵抗(X):複数の回路電極を有する回路接続構造体の測定電極のうち、初期抵抗の最大値をX(Ω)とした。Xが0.01Ω以下であったものを「○」、0.01Ωを超えたものを「×」と評価した。
信頼性試験後の接続抵抗(Y):回路接続構造体を85℃85%RHの環境下に100時間置き、接続抵抗を測定した。その後、複数の回路電極を有する回路接続構造体の測定電極のうち、接続抵抗の最大値をY(Ω)とした。抵抗値の上昇率(Z)=Y/Xが3以下であったものを「A」、3を超え5以下であったものを「B」、5を超えたものを「C」と評価した。
(2)FPC(最表層Auめっき)/FPC(最表層Auめっき)の接続の場合
上記製法によって得たフィルム状の回路接続材料(1.2mm幅)を、ライン幅50μm、ピッチ100μm、厚み12μmの銅回路にNi/Auめっき処理が施された回路電極を300本有する第1のフレキシブル回路基板(第1FPC)に静置させた。PETフィルム側に厚み200μmのシリコーン製クッション材を敷いて、PETフィルム側から熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、日化設備エンジニアリング株式会社製)を用いて到達温度70℃、1MPaで2秒間の加熱加圧を行った。その後、PETフィルムを剥離した。
PETフィルムを剥離した上記フィルム状の回路接続材料を介して、ライン幅50μm、ピッチ100μm、厚み12μmの銅回路にNi/Auめっき処理が施された回路電極を300本有する第2のフレキシブル回路基板(第2FPC)と、上記の第1のフレキシブル回路基板(第1FPC)とを、熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、日化設備エンジニアリング株式会社製)を用いて、回路接続面積30,000μm(1電極当たり)にて、厚み200μmのシリコーン製クッション材を敷いて第2FPC側からツールを当て、到達温度160℃、5MPaで5秒間の加熱加圧を行って幅30mmにわたり接続し、回路接続構造体を作製した。このとき、フィルム状の回路接続材料は、厚み25μm品を使用した。接続抵抗評価方法は上記(1)と同様である。
(3)COF用FPC(最表層Snめっき)/PWB(最表層Auめっき)の接続の場合
上記製法によって得たフィルム状の回路接続材料(0.6mm幅)を、ライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み35μmの銅回路にNi/Auめっき処理が施された回路電極を150本有するFR−4基板(PWB)に静置させた。PETフィルム側に厚み200μmのシリコーン製クッション材を敷いて、PETフィルム側から熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、日化設備エンジニアリング株式会社製)を用いて到達温度70℃、1MPaで2秒間の加熱加圧を行った。その後、PETフィルムを剥離した。
PETフィルムを剥離した上記フィルム状の回路接続材料を介して、ライン幅100μm、ピッチ200μm、厚み8μmの銅回路にSnめっき処理が施された回路電極を150本有するフレキシブル回路基板(COF用FPC)と、上記のFR−4基板(PWB)とを、熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、日化設備エンジニアリング株式会社製)を用いて、回路接続面積30,000μm(1電極当たり)にて、厚み200μmのシリコーン製クッション材を敷いてCOF用FPC側からツールを当て、到達温度160℃、5MPaで5秒間の加熱加圧を行って幅30mmにわたり接続し、回路接続構造体を作製した。このとき、フィルム状の回路接続材料は、厚み35μm品を使用した。接続抵抗評価方法は上記(1)と同様である。
(4)COF用FPC(最表層Snめっき)/FPC(最表層Auめっき)の接続の場合
上記製法によって得たフィルム状の回路接続材料(1.2mm幅)を、ライン幅50μm、ピッチ100μm、厚み12μmの銅回路にNi/Auめっき処理が施された回路電極を300本有する第1のフレキシブル回路基板(FPC)に静置させた。PETフィルム側に厚み200μmのシリコーン製クッション材を敷いて、PETフィルム側から熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、日化設備エンジニアリング株式会社製)を用いて到達温度70℃、1MPaで2秒間の加熱加圧を行った。その後、PETフィルムを剥離した。
PETフィルムを剥離した上記フィルム状の回路接続材料を介して、ライン幅50μm、ピッチ100μm、厚み8μmの銅回路にSnめっき処理が施された回路電極を300本有するフレキシブル回路基板(COF用FPC)と、上記の第1のフレキシブル回路基板(FPC)とを、熱圧着装置(加熱方式:コンスタントヒート型、日化設備エンジニアリング株式会社製)を用いて、回路接続面積30,000μm(1電極当たり)にて、厚み200μmのシリコーン製クッション材を敷いてCOF用FPC側からツールを当て、到達温度160℃、5MPaで5秒間の加熱加圧を行って幅30mmにわたり接続し、回路接続構造体を作製した。このとき、フィルム状の回路接続材料は、厚み25μm品を使用した。接続抵抗評価方法は上記(1)と同様である。
接続抵抗評価(初期抵抗及び信頼性試験後の接続抵抗の評価)の結果を表1に示す。表中、COF用FPCは「COF」と表し、回路接続材料は「ACF」と表す。
Figure 2019044043
以上より、実施例では、比較例と比較して、低接続抵抗であり且つ信頼性試験後でも抵抗上昇が少なく安定して低い抵抗を示す回路接続構造体が得られることが確認された。
10…プリント配線板(PWB)、20…フレキシブル回路基板(FPC)、30…COF用フレキシブル回路基板(COF用FPC)、11,21,31…基板、12,22,32…銅回路、13,23…Niめっき層、33…Snめっき層、14,24…Auめっき層、15,25,35…回路電極、50…回路接続部材、51…絶縁性物質、52…導電粒子、100,200,300,400…構造体。

Claims (7)

  1. (A)Bi含有量が20〜60質量%であり且つSn含有量が40〜80質量%であるはんだ粒子と、
    (B)リン酸エステル系有機化合物と、
    (C)ラジカル重合性化合物と、
    (D)ラジカル発生剤と、
    を含有する、回路接続用接着剤組成物。
  2. 前記(A)はんだ粒子のBi含有量が21〜40質量%であり且つSn含有量が79〜60質量%である、請求項1に記載の回路接続用接着剤組成物。
  3. 前記(B)リン酸エステル系有機化合物が、単官能又は多官能のリン酸エステル系(メタ)アクリレートモノマーを含む、請求項1又は2に記載の回路接続用接着剤組成物。
  4. (E)有機微粒子を更に含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の回路接続用接着剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の回路接続用接着剤組成物又はその硬化物を備える、構造体。
  6. 第一の回路電極を有する第一の回路部材と、
    第二の回路電極を有する第二の回路部材と、
    前記第一の回路部材及び前記第二の回路部材の間に配置された回路接続部材と、を備え、
    前記第一の回路電極及び前記第二の回路電極が電気的に接続されており、
    前記回路接続部材が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の回路接続用接着剤組成物又はその硬化物を含む、構造体。
  7. 前記第一の回路電極が、最表面にAuめっき層を有する電極であり、
    前記第二の回路電極が、最表面にAuめっき層又はSnめっき層を有する電極である、請求項6に記載の構造体。
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