JP2004217599A - アシロキシイソ酪酸塩とその製造方法 - Google Patents

アシロキシイソ酪酸塩とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新規なアシロキシイソ酪酸塩、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】一般式RCOOC(CHCOOM(Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属)で表されるアシロキシイソ酪酸塩。脂肪酸低級アルコールエステルとヒドロキシイソ酪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩をノニオン又はアニオン性界面活性剤及びアルカリ触媒の存在下、有機溶媒中でエステル交換させることを特徴とする該アシロキシイソ酪酸塩の製造方法。脂肪酸ハライドとヒドロキシイソ酪酸を脱ハロゲン化水素しながら反応させ、次にアルカリ金属又はアルカリ土類金属で塩を生成することを特徴とする該アシロキシイソ酪酸塩の製造方法。
【選択図】 無し

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアシロキシイソ酪酸塩およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
脂肪酸乳酸エステル塩は、食品、化粧品、洗浄剤などの用途に有用であることが知られており、その製造法は開示されている(特許文献1〜5参照)。
しかしながら、乳酸を用いた上述の方法により製造される反応生成物中には目的とする脂肪酸乳酸エステル以外に未反応の乳酸や脂肪酸が相当量残存し、ポリ乳酸やその脂肪酸エステル等の副生物も多い。また、当該混合物はアルカリ中和により脂肪酸乳酸エステルの一部が加水分解を受けるため、最終的な製品の純度は極めて低いものとなる。
【0003】
これに対し、乳酸の代わりにヒドロキシイソ酪酸を用いる方法では、ヒドロキシイソ酪酸のヒドロキシ基が3級であり、自己縮合による重合の速度が乳酸に比べて著しく遅いことから、反応収率の向上および精製工程の向上が図れる。しかも、ヒドロキシイソ酪酸はメチル基を2つ有しており、通常の使用においては耐加水分解性を示す一方、広く生物が有するリパーゼで容易に加水分解を受けることから界面活性剤としての性能と生分解性を兼ね備えた製品としての用途拡大が期待できる。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第2733252号公報
【特許文献2】
米国特許第2789992号公報
【特許文献3】
特開平9−157216号公報
【特許文献4】
特開昭64−6237号公報
【特許文献5】
特開平4−23900号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、新規なアシロキシイソ酪酸塩、および炭素数8〜24の脂肪酸低級アルコールエステルとヒドロキシイソ酪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩から得られるアシロキシイソ酪酸塩の製造方法、または脂肪酸ハライドとヒドロキシイソ酪酸から得られるアシロキシイソ酪酸塩の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、炭素数8〜24の脂肪酸低級アルコールエステルとヒドロキシイソ酪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、または脂肪酸ハライドとヒドロキシイソ酪酸から、新規な化合物であるアシロキシイソ酪酸塩が容易に得られ、本発明の目的が達成されることを見い出した。
すなわち本発明は、
(1)一般式RCOOC(CHCOOM(Rは炭素数8〜24の脂肪族炭化水素、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属)で表されるアシロキシイソ酪酸塩。
(2)炭素数8〜24の脂肪酸低級アルコールエステルとヒドロキシイソ酪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩(以下、ヒドロキシイソ酪酸塩ということがある。)をノニオン又はアニオン性界面活性剤及びアルカリ触媒の存在下、有機溶媒中でエステル交換させることを特徴とする、一般式RCOOC(CHCOOM(Rは炭素数8〜24の脂肪族炭化水素、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属)で表されるアシロキシイソ酪酸塩の製造方法。
(3)炭素数8〜24の脂肪酸ハライドとヒドロキシイソ酪酸を脱ハロゲン化水素しながら反応させ、次にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、重炭酸塩および/または炭酸塩で塩を生成することを特徴とする、一般式RCOOC(CHCOOM(Rは炭素数8〜24の脂肪族炭化水素、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属)で表されるアシロキシイソ酪酸塩の製造方法。
に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、より詳細に説明する。
本発明(1)の一般式RCOOC(CHCOOM(Rは炭素数8〜24の脂肪族炭化水素、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属)で表されるアシロキシイソ酪酸塩としては、ラウロイルオキシイソ酪酸カリウム、ラウロイルオキシイソ酪酸ナトリウム、パルミトイルオキシイソ酪酸カリウム、ステアロリル酪酸ナトリウム、オレオイルオキシイソ酪酸ナトリウム、リシノレオイルオキシイソ酪酸カリウム等が挙げられる。
【0008】
本発明(2)で用いる脂肪酸低級アルコールエステルの脂肪酸成分としては通常、炭素数8〜24、好ましくは10〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸(例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エルカ酸、エライジン酸、リシノレイン酸など)が挙げられる。また、必要に応じてイソステアリン酸のような分岐鎖状の脂肪酸を用いることも出来る。
【0009】
一方、本発明(2)で用いる脂肪酸低級アルコールエステルの低級アルコール成分としては、炭素数1〜4の一級アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど)が、副生アルコールの除去及び原料入手の容易さの面から好ましい。なお、これらの脂肪酸低級アルコールエステルは混合物として用いることも出来る。
【0010】
本発明(2)で用いるヒドロキシイソ酪酸塩はヒドロキシイソ酪酸エステルおよび/またはヒドロキシイソ酪酸をアルカリで中和して得られる。金属は目的用途に応じて選択されるが、アルカリ金属ではリチウム、ナトリウム、カリウム、またアルカリ土類金属としてはマグネシウム、カルシウム、バリウムが用いられる。ヒドロキシイソ酪酸塩は、通常、予め脱水処理し含水量0.1重量%以下、好ましくは0.07重量%以下としておくのが好ましい。
【0011】
本発明(2)において、ヒドロキシイソ酪酸塩と脂肪酸低級アルコールエステルとの反応では仕込モル比率は1:1〜1:5、好ましくは1:1〜1:3とする。多価アルコール型など水酸基を有する界面活性剤を用いる場合は脂肪酸低級アルコールエステルの一部が界面活性剤と反応するので、脂肪酸低級アルコールエステルを過剰に仕込むのが好ましい。
【0012】
本発明(2)に使用する有機溶媒は、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルピペリジン等の第3級アミン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシドなどが挙げられる。特にジメチルスルホキシド(DMSO)が好ましい。有機溶媒の使用量は、ヒドロキシイソ酪酸塩と脂肪酸低級アルコールエステルを含めた仕込合計量に対し、通常20〜80重量%、好ましくは30〜70重量%である。
本発明(2)では、アルカリ触媒としてアルカリ金属の水酸化物や炭酸塩が用いられる。特に炭酸塩(例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等)が好ましい。触媒量は、脂肪酸低級アルコールエステルに対し、0.5〜5モル%、好ましくは1〜3モル%加える。
【0013】
本発明(2)に用いる界面活性剤は、ノニオン性又はアニオン性のものが用いられる。ノニオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル及びその有機酸エステル誘導体、ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の多価アルコールエステル型、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油及び硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシエチレン系のエーテル又はエーテルエステル型、その他脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等の含窒素型、アルキルグルコシド等が挙げられる。またアニオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩、N−アシルアミノ酸塩等のカルボン酸塩、アルキル及びアルキルアリルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、アルキル及びアルキルエーテル硫酸エステル塩等の硫酸エステル塩、リン酸エステル塩などが挙げられる。より好ましいのはノニオン性界面活性剤であり、中でも蔗糖脂肪酸エステルが特に好ましい。
【0014】
本発明(2)で用いる界面活性剤の添加量は通常、ヒドロキシイソ酪酸塩に対して5〜50モル%、好ましくは15〜35モル%である。上記範囲より少ないと反応が十分進行しない。一方、多過ぎると本来ヒドロキシイソ酪酸塩と反応すべき脂肪酸低級アルコールエステルが界面活性剤と反応するため、反応の進行が妨げられ、目的物の収率も低下する。なお、本発明では界面活性剤を加える代わりに、上記の界面活性剤量に相当するアルコール(グリセリン、プロピレングリコール、蔗糖等)量を添加して反応系内で脂肪酸アルコールエステルを直接生成させても良い。
【0015】
本発明(2)のエステル交換反応は通常30〜150℃、好ましくは60〜120℃で行われる。また圧力は通常10〜6700Pa、好ましくは100〜2700Paである。特に有機溶媒の沸点条件下で、副生アルコールを反応系外に留去しながら行うのが好ましい。反応器の上部にコンデンサー又は蒸留塔を連結して溶媒と副生アルコールを分離し、有機溶媒を反応器に戻しながら反応させる。副生アルコールの留去を促進し、かつ製品の着色を防止するため、窒素などの不活性ガスを吹き込むことが望ましい。
【0016】
本発明(2)のエステル交換反応では、反応器に原料、触媒、有機溶媒及び界面活性剤を一括で仕込み、所定の反応温度、圧力で一定時間反応させる方法が一般的であるが、場合により反応原料の一方又は両方を逐次的に供給する方法でも良い。
【0017】
反応終了後に、酸でアルカリ触媒を中和した後、有機溶媒を留去して目的生成物を回収することが出来る。この際、中和に用いる酸としてはヒドロキシイソ酪酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、グリコール酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の有機酸を用いることができるが、ヒドロキシイソ酪酸が特に好ましい。
もし中和を行わず、アルカリ触媒が活性な状態で溶媒留去を行うと、加水分解により目的とするアシロキシイソ酪酸塩の収率が低下する。
【0018】
本発明(3)で用いる脂肪酸ハライドの脂肪酸成分としては通常、炭素数8〜24、好ましくは10〜22の飽和又は不飽和の脂肪酸(例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エルカ酸、エライジン酸、リシノレイン酸など)が挙げられる。また、必要に応じてイソステアリン酸のような分岐鎖状の脂肪酸を用いることも出来る。
【0019】
本発明(3)で用いる脂肪酸ハライドのハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素を用いることができ、通常塩素が用いられる。
【0020】
本発明(3)の脱ハロゲン化水素反応では、溶媒を用いても用いなくても良いが、反応を制御するためには溶媒を用いることが好ましい。溶媒を用いる場合、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メンタンなどの脂環族炭化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素またはこれらの混合物のように、脂肪酸ハライドに不活性である溶媒が好ましい。
【0021】
本発明(3)の脱ハロゲン化水素反応は、通常30〜150℃、好ましくは60〜120℃で行われる。また圧力は通常10〜101325Pa、好ましくは13000〜101325Paである。特に溶媒の沸点条件下で、副生するハロゲン化水素を反応系外に除去しながら行うのが好ましい。反応器の上部にコンデンサー又は蒸留塔を連結して溶媒とハロゲン化水素を分離し、溶媒を反応器に戻しながら反応させる。ハロゲン化水素の除去を促進し、かつ製品の着色を防止するため、窒素などの不活性ガスを吹き込むことが望ましい。また除去したハロゲン化水素は、公知の方法によりアルカリと反応させて塩とし、無害化することが望ましい。
脱ハロゲン化水素反応方式では反応器に原料を一括して仕込むことも可能であるが、通常は急激な発熱を抑制するため脂肪酸ハライドを分割して、または連続的に加える。ハロゲン化水素の除去量により反応の終点を決定する。
【0022】
アシロキシイソ酪酸エステルが生成した後、必要なアルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、重炭酸塩および/または炭酸塩を系内に添加する。添加量はアシロキシイソ酪酸と未反応脂肪酸ハライドとの和に対し、1.0倍モル以上、好ましくは1.0〜1.2倍モルである。
本発明で得られたアシロキシイソ酪酸塩は、必要に応じて洗浄、再結晶、更に液−液抽出等の方法により精製し、より高純度のものを得ることが出来る。特に精製されたアシロキシイソ酪酸塩は中性付近のpH領域で既存の市販品と比較して著しく優れた界面活性能を示す。
【0023】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、反応生成物中のアシロキシイソ酪酸塩の分析は、下記の方法に従い行った。
《試料の調製》反応液を濃縮して得られた反応生成物を精秤し、テトラヒドロフラン/水=20/1(体積)溶液に溶解する。希硫酸でpH3.0に調整した後、9−アンスリルジアゾメタン(ADAM)(フナコシ(株)社製)のメタノール/アセトン=1/1(体積)溶液を加える。室温で1時間暗所に保存し反応させる。これによりアシロキシイソ酪酸塩をはじめとする反応液中のカルボン酸化合物はADAMエステル誘導体となる。
《分析条件》高速液体クロマトグラフィーにて
定量カラム :東ソー ODS−5(4.6mmφ×250mm)
カラム温度:35℃
移動相 :アセトニトリル
流速 :2.0ml/min
検出器 :蛍光検出器(島津製作所RF−10A)
励起波長=365nm、蛍光波長=412nm
上記の条件で分析すると、ADAMエステル誘導体は、アシロキシイソ酪酸エステル、脂肪酸の順に検出され、予め作成した検量線から分析試料中のアシロキシイソ酪酸塩量を定量出来る。
【0024】
実施例1
加熱ジャケット付き攪拌型反応容器に、ヒドロキシイソ酪酸カリウム710gとノニオン性界面活性剤としてHLB15の蔗糖ラウリン酸エステル(三菱化学(株)製、リョートーシュガーエステルLWA−1570、平均置換度1.3の凍結乾燥品)438gおよびDMSO、3000gを仕込み80℃、2000Paの条件下で溶媒を15分間全還流した後、DMSO、1000gを留出させて反応系内の水分を除去した。この時の系内の液の水分量は0.05%であった。次いでラウリン酸メチル1091gと炭酸カリウム21gを加え、90℃、2600Paの条件下、500rpmで攪拌しながらDMSOを沸騰させて10時間反応した。
ヒドロキシイソ酪酸カリウムの転化率は75%であった。反応液に50%ヒドロキシイソ酪酸水溶液を64g添加して触媒を中和した後、更に減圧度を上げて溶媒のDMSOを留出した。
反応生成物中のラウロイルオキシイソ酪酸カリウム量を前述の高速液体クロマトグラフィーにより定量したところ、収率90%(ヒドロキシイソ酪酸カリウム換算)であった。
【0025】
実施例2
蔗糖ラウリン酸エステルの代わりにパルミチン酸メチルを用いた以外は実施例1と同様に反応を行い、収率の測定を行なった。
結果は、収率91%(ヒドロキシイソ酪酸カリウム換算)であった。
【0026】
実施例3
蔗糖ラウリン酸エステルの代わりにステアリン酸メチルを用いた以外は実施例1と同様に反応を行い、収率の測定を行なった。
結果は、収率89%(ヒドロキシイソ酪酸カリウム換算)であった。
【0027】
実施例4
加熱ジャケット、撹拌機を備えたグラスライニング反応器に常圧でヒドロキシイソ酪酸710gとヘキサン2000gを仕込み、58℃に昇温した。塩化ラウロイル1000gを3時間かけ、ヘキサンの沸点を保ちながら滴下した。滴下終了後、圧力を67000Paとし、ヘキサンを留去しながら更に5時間反応を継続した。ヘキサンを完全に留去し、液温を120℃にした後炭酸ナトリウム25gを加え、水と二酸化炭素を除去しながら1時間攪拌を継続した。
反応生成物中のラウロイルオキシイソ酪酸ナトリウム量を定量したところ、収率90%(ヒドロキシイソ酪酸換算)であった。
【0028】
実施例5
塩化ラウロイルの代わりに塩化パルミチルを用いた以外は実施例4と同様に反応を行い、収率の測定を行なった。
結果は、収率91%(ヒドロキシイソ酪酸換算)であった。
【0029】
実施例6
塩化ラウロイルの代わりに塩化ステアリルを用いた以外は実施例4と同様に反応を行い、収率の測定を行なった。
結果は、収率89%(ヒドロキシイソ酪酸換算)であった。
【0030】
比較例1
ヒドロキシイソ酪酸カリウムの代わりに、乳酸カリウムを用いた以外は実施例1と同様に反応を行い、収率の測定を行なった。
結果は、収率75%(乳酸カリウム換算)であった。
【0031】
比較例2
ヒドロキシイソ酪酸の代わりに乳酸を用いた以外は実施例4と同様に反応を行い、収率の測定を行なった。
結果は、収率60%(乳酸換算)であった。
【0032】
実施例7
特開平2001−11489号公報記載の下記の方法で乳化力指数を測定した。
アニリン点70℃で且つ25℃における粘度が15〜25mPa・sの鉱物油97質量部と、乳化剤3質量部を配合し、このうちの5質量部を、別途25℃に温調しておいた95質量部のイオン交換水の入った100mlの蓋付きメスシリンダーに投入する。次いでメスシリンダーを上下に20回振り、25℃にて静置する。60分後の乳化状態を観察し、以下に示す基準にて評価した点数を乳化力指数とした。
10:全体が均一に乳化した状態
9:全体は乳白色であるが一部油層が分離(2mm未満)
8:全体は乳白色であるが一部油層が分離(2mm以上5mm未満)
7:全体は乳白色であるが一部油層が分離(5mm以上8mm未満)
6:全体は乳白色であるが一部油層が分離(8mm以上10mm未満)
5:全体は乳白色であるが一部油層が分離(10mm以上13mm未満)
4:油層がほぼ分離(13mm以上)、油層は乳白色、水層最下部に透明感
3:油層がほぼ分離(13mm以上)、油層は乳白色、水層下部半分に透明感
2:油層がほぼ分離(13mm以上)、油層は乳白色、水層全体がほぼ透明
1:完全分離、油層・水層ともほぼ透明
実施例1で合成したアシロキシイソ酪酸塩を乳化剤として乳化力指数を測定したところ、10であった。
【0033】
比較例3
比較例1で合成したアシロキシ乳酸塩を乳化剤として同様に乳化力指数を測定したところ、8であった。
【0034】
実施例8
生物化学的酸素要求量(BOD)を、JIS規格K0102−1989に準じて25℃で15日間攪拌させた際に消費される溶存酸素の量から求め、同時に同試料について計算で求めた理論的酸素要求量(TOD)と共に用いて次式から生分解率を算出した。
生分解率(%)=(BOD/TOD)×100
BOD:試料の生物化学的酸素要求量
TOD:試料の理論的酸素要求量
実施例1で合成したアシロキシイソ酪酸塩では、生分解率90%であった。
【0035】
比較例4
界面活性剤としてp−デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムについて、生分解率を測定したところ、55%であった。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、炭素数8〜24の脂肪酸低級アルコールエステルとヒドロキシイソ酪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩、または脂肪酸ハライドとヒドロキシイソ酪酸から、新規な化合物であるアシロキシイソ酪酸塩が容易に得られる。
アシロキシイソ酪酸塩は、既存の市販品に比較して著しく優れた界面活性能を示し、しかも生分解性に優れ環境への負荷を低減することができ、産業における意義は大きい。

Claims (3)

  1. 一般式RCOOC(CHCOOM(Rは炭素数8〜24の脂肪族炭化水素、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属)で表されるアシロキシイソ酪酸塩。
  2. 炭素数8〜24の脂肪酸低級アルコールエステルとヒドロキシイソ酪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩をノニオン又はアニオン性界面活性剤及びアルカリ触媒の存在下、有機溶媒中でエステル交換させることを特徴とする、一般式RCOOC(CHCOOM(Rは炭素数8〜24の脂肪族炭化水素、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属)で表されるアシロキシイソ酪酸塩の製造方法。
  3. 炭素数8〜24の脂肪酸ハライドとヒドロキシイソ酪酸を脱ハロゲン化水素しながら反応させ、次にアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、重炭酸塩および/または炭酸塩で塩を生成することを特徴とする、一般式RCOOC(CHCOOM(Rは炭素数8〜24の脂肪族炭化水素、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属)で表されるアシロキシイソ酪酸塩の製造方法。
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