JP2001253859A - リンゴ酸アミド誘導体の製造方法 - Google Patents

リンゴ酸アミド誘導体の製造方法

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JP2001253859A
JP2001253859A JP2000067908A JP2000067908A JP2001253859A JP 2001253859 A JP2001253859 A JP 2001253859A JP 2000067908 A JP2000067908 A JP 2000067908A JP 2000067908 A JP2000067908 A JP 2000067908A JP 2001253859 A JP2001253859 A JP 2001253859A
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malic acid
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acid
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malic
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JP2000067908A
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Akinori Nagatomo
昭憲 長友
Masaru Wada
勝 和田
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄剤原料として有用なリンゴ酸アミド誘導
体を、高収率、高純度で製造できる方法を提供する。 【解決手段】 水の存在下、リンゴ酸とアミン誘導体を
加熱により縮合してリンゴ酸イミド誘導体を生成した
後、イミド環を部分加水分解することを特徴とする一般
式(3) 【化1】 (但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖のアル
キル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基であ
り、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
アンモニウムまたは有機アミンを示す。)で表されるリ
ンゴ酸アミド誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリンゴ酸誘導体の製
造方法に関する。さらに詳しくは、洗浄剤用界面活性剤
として有用なリンゴ酸アミド誘導体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、洗浄剤として用いられる界面活性
剤は環境への負荷を低減すべく、生分解性や安全性が高
く、皮膚や眼に対して刺激の低い化合物が望まれてい
る。これらの要求を満足するものとして、アシル化アミ
ノ酸、イミダゾリン系活性剤、アルキルリン酸エステル
塩、ベタイン型活性剤、糖系活性剤など様々な界面活性
剤が開発されてきた。しかし、これらの界面活性剤は環
境適合性、安全性に優れる反面、起泡性、洗浄性が不充
分であった。
【0003】近年、皮膚刺激性が少なく、肌マイルド性
であり、泡立ち、泡質、すすぎ時のさっぱり感に優れた
洗浄剤組成物としてヒドロキシアミドカルボン酸または
その塩を含有したものが開発されている(特開平8−2
91123号公報、特開平10−121090号公
報)。しかしながら、開示されているこれらヒドロキシ
アミドカルボン酸の製造方法は工業的製造方法とは言い
難いものである。具体的にはアミンとヒドロキシジカル
ボン酸(例えばリンゴ酸)とを、無溶媒、または適当な
溶媒を用いて脱水縮合させてヒドロキシジカルボン酸イ
ミド(例えばリンゴ酸イミド)を得た後、部分加水分解
することによりヒドロキシアミドカルボン酸(例えばリ
ンゴ酸アミド)を得る方法であるが、選択率、収率とも
に満足できる数字ではなかった。即ち、反応中に縮合反
応のみならずヒドロキシジカルボン酸(例えばリンゴ
酸)骨格中のヒドロキシル基が脱水し二重結合を有する
副生物が生成することにより選択率、収率共に低下した
り、さらに精製工程を設ける必要があり、操作的にも負
荷がかかる等の問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、洗浄
剤用界面活性剤として有用なアミドカルボン酸(リンゴ
酸アミド誘導体)を高収率、高純度で得ることの出来る
製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来技術の
問題点に鑑み、鋭意検討した結果、リンゴ酸とアミン誘
導体とを加熱により縮合させる際、反応系に水を存在さ
せることにより、副反応で生成する一般式(4)
【0006】
【化4】
【0007】(但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または
分岐鎖のアルキル基、アルケニル基またはヒドロキシア
ルキル基を示す。)で表されるマレイミド体の量が抑制
されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち本発明は、水の存在下、リンゴ酸と一
般式(1)
【0009】
【化5】
【0010】(但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または
分岐鎖のアルキル基、アルケニル基またはヒドロキシア
ルキル基を示す。)で表されるアミン誘導体を加熱によ
り縮合して一般式(2)
【0011】
【化6】
【0012】(但し、Rは前記と同じ意味を示す。)で
表されるリンゴ酸イミド誘導体を生成した後、イミド環
を部分加水分解することを特徴とする一般式(3)
【0013】
【化7】
【0014】(但し、Rは前記と同じ意味を示し、Mは
水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニ
ウムまたは有機アミンを示す。)で表されるリンゴ酸ア
ミド誘導体の製造方法を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳述
する。
【0016】本発明において用いられるリンゴ酸はL
体、D体の光学活性体、DLのラセミ体のいずれでも良
く、またはこれらの混合物でも構わない。
【0017】本発明に用いられる反応溶媒は水または含
水有機溶媒であるが、反応溶媒として無水の有機溶媒を
使用する場合でも、反応中に生成してくる水を系外に留
去しない事で実質的には含水有機溶媒となる。本発明に
おいて系内に必要な水の量は、特に限定されないが、生
成リンゴ酸イミド誘導体に対して0.1〜20重量倍、
好ましくは0.3〜10重量倍が用いられる。0.1重
量倍より少ない量では、マレイミド体の生成を制御でき
ないことがあり、また、20重量倍より多く用いても、
マレイミド体の生成量はほとんど変化しない傾向にあ
る。
【0018】本発明において用いられる有機溶媒は特に
限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプ
タン、オクタン等に代表される脂肪族炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、メシチレン等に代表される芳
香族炭化水素、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタ
ン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−ジク
ロロベンゼン等に代表されるハロゲン化炭化水素、ニト
ロベンゼン等に代表される芳香族ニトロ化合物、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、モノグライム、ジ
グライム、ジフェニルエーテル等に代表されるエーテル
類、酢酸エチル、酢酸ブチル等に代表されるエステル
類、イソプロパノール、t−ブタノール等に代表される
2級または3級アルコール類、N,N−ジメチルホルム
アミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピ
ロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、
ジメチルスルホキシド、スルホラン等に代表される非プ
ロトン性極性溶媒等が挙げられる。
【0019】本発明において使用される含水有機溶媒の
水と有機溶媒の重量比は特に限定されず、水:有機溶媒
の重量比は、0:100〜100:0、好ましくは3
0:70〜100:0の範囲で用いられる。
【0020】本発明において用いられる含水溶媒の量は
特に限定されないが、通常、反応後に生成する一般式
(2)で表されるリンゴ酸イミド誘導体の濃度として5
重量%〜60重量%、好ましくは10重量%〜50重量
%になるように調整される。5重量%未満の濃度では容
積効率が悪く、経済性の観点からコスト高に繋がる可能
性がある。また、60重量%より高い濃度では、アミン
の種類にも依るが、反応液が高粘度もしくは攪拌負荷の
大きいスラリーになる傾向にあり、操作性の面で負荷が
大きくなる。
【0021】本発明において用いられる一般式(1)で
表されるアミンの種類は特に限定されないが、直鎖また
は分岐のアルキルアミンが好ましい。特に洗浄剤として
の性能を考慮すると炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖
のアルキル基を有する方が好ましい。具体的にはオクチ
ルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、
ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルア
ミン、オクタデシルアミン、ベヘニルアミン等の一級ア
ミンが挙げられる。
【0022】本発明において、一般式(1)で表される
アミンの使用量は特に限定されないが、通常、リンゴ酸
に対して0.1モル倍〜1.5モル倍、好ましくは0.
8モル倍〜1.2モル倍使用される。過剰分のリンゴ酸
は一般式(2)で表されるリンゴ酸イミド誘導体または
一般式(3)で表されるリンゴ酸アミド誘導体を単離し
た後の濾液から回収し、再び反応に用いる事が出来る
が、0.1倍モル未満の量では、リンゴ酸に対する収率
が低すぎるため、効率的でない。また、1.5倍モルよ
り多く用いた場合、リンゴ酸1分子に2分子のアミンが
縮合したジアミド体が生成し、選択率が低下する傾向に
ある。
【0023】本発明において、リンゴ酸および一般式
(1)で表されるアミンの仕込み方法は特に限定されな
い。リンゴ酸、アミンおよび溶媒を一括で仕込んでも、
アミンと溶媒を先に仕込んで加熱した後にリンゴ酸また
はリンゴ酸水溶液を滴下装入しても良い。また、リンゴ
酸水溶液またはリンゴ酸と溶媒を先に仕込んで加熱した
後、アミンまたはアミンと溶媒との混合液を滴下装入し
ても良い。
【0024】本発明においてリンゴ酸と一般式(1)で
表されるアミンを反応させる際の反応温度は特に限定さ
れないが、通常、80℃〜250℃、好ましくは100
℃〜200℃で行われる。80℃未満の温度では反応速
度が遅くあまり効率的でない。また、250℃より高い
温度では、副反応のため選択率が低下する傾向にある。
【0025】本発明においてリンゴ酸と一般式(1)で
表されるアミンとの反応においては、水の存在下で反応
を行なうため、常圧における反応では反応温度を120
℃〜130℃以上に高くすることが困難である。これ以
上の反応温度にする場合は、耐圧反応容器に封じ込んだ
状態で反応を行なえば良い。含水溶媒を構成する有機溶
媒の種類および水の含有率によっても異なるが、耐圧反
応容器内の圧力は0.8MPa程度まで上昇する事もあ
る。
【0026】本発明においてリンゴ酸と一般式(1)で
表されるアミンを反応させる際の反応時間は、特に限定
されず、反応温度によっても異なるが、通常、2時間〜
100時間行なわれる。2時間未満では反応が未完結で
あることが多い。また100時間より長く反応させても
反応収率等にはあまり影響せず、経済的に不利となる可
能性がある。
【0027】本発明においてリンゴ酸と一般式(1)で
表されるアミンを反応させる際、反応速度を向上させる
目的で触媒を添加しても良い。触媒としては通常、酸触
媒が用いられる。塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタ
ンスルホン酸等のプロトン酸、ナフィオン等の固体酸、
塩化亜鉛(II)、塩化亜鉛(IV)、塩化アルミニウ
ム、塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、塩化鉄(I
I)、塩化鉄(IV)等のルイス酸が挙げられる。これ
らの触媒は単独で用いても、2種以上を混合して用いて
も構わない。
【0028】本発明においてリンゴ酸と一般式(1)で
表されるアミンを反応させる際に用いられる触媒の量は
特に限定されないが、通常、リンゴ酸に対して0.01
モル%〜50モル%、好ましくは0.1モル%〜10モ
ル%が用いられる。0.01モル%より少ない量では触
媒添加効果が観られないことがある。また、50モル%
より多く用いても反応収率的には殆ど影響が観られない
ことがある。
【0029】本発明においてリンゴ酸と一般式(1)で
表されるアミンを反応させる際、反応効率を向上させる
ために界面活性剤等を添加することも出来る。各種分子
量のポリエチレングリコール等に代表されるポリアルキ
レングリコール、各種ポリエーテル類等のノニオン系界
面活性剤、テトラブチルアンモニウムブロマイド等に代
表されるテトラアルキルアンモニウムハライド等の四級
アンモニウム塩等のカチオン界面活性剤、各種カルボキ
シレート、スルホネート等のアニオン界面活性剤が挙げ
られる。
【0030】本発明においてリンゴ酸と一般式(1)で
表されるアミンを反応させる際に用いられる界面活性剤
の量は特に限定されないが、通常、リンゴ酸に対して
0.001重量%〜30重量%、好ましくは0.01重
量%〜10重量%が用いられる。0.001重量%より
少ない使用量では添加効果が観られないことがある。ま
た、30重量%より多く用いても反応収率には殆ど影響
が観られないことがある。
【0031】本発明の方法において、リンゴ酸と一般式
(1)で表されるアミンを反応させて得られる一般式
(2)で表されるリンゴ酸イミド誘導体は、反応液から
一旦、単離した後に次の加水分解工程に供しても良い
し、反応液のまま加水分解工程に供しても良い。
【0032】本発明において、リンゴ酸と一般式(1)
で表されるアミンを反応させて得られる一般式(2)で
表されるリンゴ酸イミド誘導体は、反応液から濃縮、濃
縮乾固、貧溶媒による再沈殿、再結晶、濾過、遠心分離
等の通常の取り出し操作により単離される。場合によっ
ては再結晶、スラッジング等の精製操作を加えても構わ
ない。単離された一般式(2)で表されるリンゴ酸イミ
ド誘導体は溶媒を含んだ湿体のまま加水分解工程に供し
ても良いし、一度乾燥した後に加水分解工程に供しても
良い。
【0033】本発明において、一般式(2)で表される
リンゴ酸イミド誘導体のイミド環を加水分解する方法は
特に限定されず、通常、水および塩基の存在下で行な
う。
【0034】本発明において、一般式(2)で表される
リンゴ酸イミド誘導体のイミド環を加水分解する際に用
いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等に代表されるアルカリ金属水酸化物、水酸化カル
シウム、水酸化マグネシウム等に代表されるアルカリ土
類金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウ
ム等に代表されるアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸ナトリ
ウム、炭酸カリウム等に代表されるアルカリ金属炭酸
塩、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、t
−ブトキシカリウム等の金属アルコラート、アンモニ
ア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、アニリ
ン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ピリジン、
β−ピコリン、N−メチルモルホリン等の有機アミンが
挙げられる。
【0035】本発明において、一般式(2)で表される
リンゴ酸イミド誘導体のイミド環を加水分解する際の温
度は特に限定されず、通常、−20℃〜120℃、好ま
しくは0℃〜80℃の温度で行なわれる。−20℃より
低い温度では加水分解速度が遅いことがある。120℃
より高い温度ではイミド環のみならず、生成した一般式
(3)で表されるリンゴ酸アミド誘導体のアミド結合部
分まで加水分解されることがある。
【0036】本発明において、一般式(2)で表される
リンゴ酸イミド誘導体のイミド環を加水分解することに
より得られた一般式(3)で表されるリンゴ酸アミド誘
導体は、加水分解に用いた塩基との塩のまま単離しても
良いし、一旦、酸により中和してカルボキシル基をフリ
ーの型にして単離しても良いが、通常、酸により一度カ
ルボキシル基を中和した後、抽出、濾過等の操作により
単離される。
【0037】本発明において、一般式(3)で表される
リンゴ酸アミド誘導体を酸により中和して単離する際に
用いられる酸は得に限定されないが、通常、塩酸、硝
酸、硫酸、リン酸等の鉱酸類、メタンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等
の有機酸が用いられる。
【0038】本発明において、酸により中和された後に
単離され得られたリンゴ酸アミド誘導体は、そのまま、
あるいは各種塩基により中和して塩とした後、洗剤等に
配合される。そうして得られた本発明の一般式(3)で
表されるリンゴ酸アミド誘導体の具体例としては、リン
ゴ酸−モノ−オクチルアミドおよびその塩、リンゴ酸−
モノ−2−エチルヘキシルアミドおよびその塩、リンゴ
酸−モノ−デシルアミドおよびその塩、リンゴ酸−モノ
−ラウリルアミドおよびその塩、リンゴ酸−モノ−テト
ラデシルアミドおよびその塩、リンゴ酸−モノ−ヘキサ
デシルアミドおよびその塩、リンゴ酸−モノ−オクタデ
シルアミドおよびその塩、リンゴ酸−モノ−ベヘニルア
ミドおよびその塩等が挙げられる。塩としてはアルカリ
金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機ア
ミンとの塩が挙げられ、具体的にはナトリウム塩、カリ
ウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム
塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
【0040】尚、リンゴ酸ラウリルアミドおよびリンゴ
酸ラウリルイミドは、以下の様な条件でのHPLCによ
り同定した。
【0041】カラム:ODSカラム 移動相:メタノール/水/PIC※=850/150/
5(pH=3) 検出 :IR ※PIC:イオンペア試薬
【0042】実施例1 リンゴ酸27.37g(0.20モル)、ラウリルアミ
ン37.1g(0.20モル)、混合キシレン60gを
仕込み、キシレン還流下で反応を開始した。反応が進行
するに連れ水が生成してくるが、水を系外に抜く事なく
反応を継続した。反応温度は水の生成に連れ徐々に下が
り、最終的には110〜115℃で還流した。20hr
後に反応液を分析すると、原料リンゴ酸、ラウリルアミ
ンは完全に消失し、リンゴ酸ラウリルイミドが70モル
%(対リンゴ酸)生成していた。また、マレイミド体が
1.1モル%(対リンゴ酸)生成していた。該反応液に
ヘキサンを装入して晶析した後、濾過、洗浄、乾燥して
リンゴ酸ラウリルイミドの白色結晶35.1gを得た。
純度98.1%、純度換算収率は60.8モル%(対リ
ンゴ酸)であった。マレイミド体を0.6重量%含有し
ていた。
【0043】得られたリンゴ酸ラウリルイミド28.4
g(0.1モル)を水に懸濁し、49重量%NaOH
8.98g(0.11モル)を滴下しながら加水分解を
行なった後、36%塩酸を用いて中和・酸析してリンゴ
酸ラウリルアミドの白色結晶29.8gを得た。収率9
8.9%(対リンゴ酸ラウリルイミド)、純度99%で
あった。また、マレイミド体の加水分解物であるマレア
ミド体は0.1重量%しか含有していなかった。
【0044】実施例2 リンゴ酸27.37g(0.20モル)、ラウリルアミ
ン37.1g(0.20モル)、スルホラン40gおよ
び水20gを300mlのオートクレーブに仕込み、封
じ込め状態で180℃/3hr反応させた。ゲージ圧は
0.78MPaまで上昇した。反応後の液を分析した結
果、原料は消失し、リンゴ酸ラウリルイミドが80モル
%(対リンゴ酸)生成していた。一方、マレイミド体は
1.6モル%(対リンゴ酸)であった。該反応液にヘキ
サンを装入した後、共沸脱水により系内の水を大部分除
去した後に冷却して晶析を行ない、濾過、洗浄、乾燥し
てリンゴ酸ラウリルイミドの白色結晶41.2gを得
た。純度99%、純度換算収率72.0%(対リンゴ
酸)であり、マレイミド体は含有していなかった。
【0045】得られたリンゴ酸ラウリルイミドは実施例
1と同様の操作で加水分解を行ない、純度98.1%、
純度換算収率99%(対リンゴ酸ラウリルイミド)でリ
ンゴ酸ラウリルアミドの白色結晶を得た。
【0046】実施例3 リンゴ酸30.2g(0.22モル)、ラウリルアミン
37.1g(0.20モル)、水120g、界面活性剤
(CB−50)0.05gを300mlのオートクレー
ブに仕込み、封じ込め状態で、150℃/3hr反応さ
せた。反応液を分析した結果、原料リンゴ酸、ラウリル
アミンは消失し、リンゴ酸ラウリルイミドが91.6モ
ル%(対リンゴ酸)生成していた。また、マレイミド体
は0.9モル%(対リンゴ酸)であった。
【0047】該反応液に水200gを加え、19.59
g(0.24モル)の49重量%濃度のNaOH水を滴
下装入しながら30℃で加水分解を行ない、その後36
%塩酸で中和し、得られた沈殿を濾過、洗浄、乾燥し
て、リンゴ酸ラウリルアミドの白色結晶54.7gを得
た。純度98.8%、純度換算収率85.6%(リンゴ
酸)であり、マレアミド体は含有していなかった。
【0048】比較例1 リンゴ酸27.37g(0.20モル)、ラウリルアミ
ン37.1g(0.20モル)、混合キシレン60gを
仕込み、キシレン還流下で共沸脱水により系内の水を抜
きながら反応を行なった。約4hr後に水の留出が止ま
ったが、その後2hr熟成し、反応液を分析した結果、
原料リンゴ酸、ラウリルアミンは完全に消失し、リンゴ
酸ラウリルイミドが60モル%生成していたが、マレイ
ン酸ラウリルイミドが12モル%生成していた。該反応
液にヘキサン90gを滴下装入し晶析を行ない、得られ
た沈殿を濾過、洗浄、乾燥してリンゴ酸ラウリルイミド
の白色結晶28.4gを得た。純度95%、収率50%
(対リンゴ酸)であり、2重量%のマレイミド体を含有
していた。
【0049】得られたリンゴ酸ラウリルイミド28.4
g(0.1モル)を水に懸濁し、49重量%NaOH
8.98g(0.11モル)を滴下しながら加水分解を
行なった後、36%塩酸を用いて中和・酸析してリンゴ
酸ラウリルアミドの白色結晶29.8gを得た。収率9
8.9%(対リンゴ酸ラウリルイミド)、純度96%
で、1.0重量%のマレアミド体(マレイミド体の加水
分解物)を含有していた。
【0050】比較例2 反応溶媒として、91gのo−ジクロロベンゼンを用い
て180℃還流下で反応させた以外は比較例1と同様の
仕込みで反応を行なった。6hr後に反応液を分析した
結果、原料リンゴ酸、ラウリルアミン共に消失し、リン
ゴ酸ラウリルイミドが72.0モル%(対リンゴ酸)生
成していた。また、マレイミド体は24モル%(リンゴ
酸)も生成していた。
【0051】
【発明の効果】本発明の方法によれば、副反応としての
マレイミド体の生成を抑え、洗浄剤用界面活性剤として
有用なリンゴ酸アミド誘導体を高収率、高純度で得る事
が出来る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水の存在下、リンゴ酸と一般式(1) 【化1】 (但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖のアル
    キル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基を示
    す。)で表されるアミン誘導体を加熱により縮合して一
    般式(2) 【化2】 (但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖のアル
    キル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基を示
    す。)で表されるリンゴ酸イミド誘導体を生成した後、
    イミド環を部分加水分解することを特徴とする一般式
    (3) 【化3】 (但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖のアル
    キル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基であ
    り、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、
    アンモニウムまたは有機アミンを示す。)で表されるリ
    ンゴ酸アミド誘導体の製造方法。
JP2000067908A 2000-03-13 2000-03-13 リンゴ酸アミド誘導体の製造方法 Pending JP2001253859A (ja)

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