JP3537489B2 - N−長鎖アシルアミノ酸及びその塩の製造法、並びに中間体アミドニトリル、及びその製造法 - Google Patents

N−長鎖アシルアミノ酸及びその塩の製造法、並びに中間体アミドニトリル、及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−長鎖アシルアミノ
酸及びその塩の製造法、並びに中間体アミドニトリル、
及びその製造法に関し、詳しくは、反応器の材質にとら
われることなく、簡便な方法でかつ安価な原料を用いて
純度の高いアミドニトリル、並びにN−長鎖アシルアミ
ノ酸及びその塩を製造できる工業的生産に適した製造法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】N−長鎖アシルアミノ酸及びその塩は優
れた界面活性作用や静菌作用等を有し、低刺激性である
ことから様々な分野において用いられている。従来、N
−長鎖アシルアミノ酸塩の製造法としては、アルカリ物
質存在下アミノ酸と脂肪酸ハライドを反応させるショッ
テン−バウマン(Schotten-Baumann)反応が知られてお
り、種々の改良方法も開示されている(特公昭46−8
685号、特公昭51−38681号、特開平4−36
8378号、特開平5−70418号各公報)。またさ
らに、上記反応により得られた塩を強酸で複分解し、N
−長鎖アシルアミノ酸を得る反応も知られている。これ
らの反応の反応式を以下に示す。
【0003】
【化7】
【0004】(式中、RCO-は長鎖アシル基、R'は炭素数
1〜5のアルキレン基を示す。) しかし、ショッテン−バウマン反応又はその改良法を用
いた場合、いずれにしても原料としてアミノ酸及び脂肪
酸ハライドを用いる必要があり、それらはいずれも工業
的に入手するには高価であり、また、脂肪酸ハライドを
取り扱う材質に制限がある等の欠点がある。
【0005】さらに、脂肪酸ハライドの品質がN−長鎖
アシルアミノ酸の品質に大きく影響を与えることも知ら
れており(特開平4−321656号、特開平5−97
787号各公報)、高品質のものを得るには工程が複雑
化する欠点もあり、工業生産に適した製造法の開発が望
まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価な原料
を用いて純度の高いN−長鎖アシルアミノ酸及びその塩
を製造することのできる工業生産に適した製造法、及び
その製造に用いられる中間体アミドニトリル、更にその
アミドニトリルの製造法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、アミノ酸
の代わりに安価な原料であるアミノニトリルを利用して
目的物を得る方法について鋭意検討の結果、次に示すよ
うに2段反応となるものの特定の反応条件を選択するこ
とにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を
完成した。即ち本発明は、中間体アミドニトリル及びそ
の製造法、並びにN−長鎖アシルアミノ酸及びその塩の
製造法であって、下記1)〜7)に係わるものである。 1) 一般式(1')で表されるアミドニトリル。
【0008】
【化8】
【0009】を示し、R2はH 或いは炭素数1〜3の直鎖
又は分岐のアルキル基を示し、R3'-CH 2CH 2-を示
す。)
【0010】
【化9】
【0011】(式中、R1は前記の意味を示し、R4は炭素
数1〜4のアルキル基を示す。)で表される脂肪酸の低
級アルキルエステルと、一般式(3)
【0012】
【化10】
【0013】(式中、Rは前記の意味を示し、R3は炭
素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基を示す。)で
表されるアミノニトリルを塩基性触媒の存在下反応させ
ることを特徴とする、一般式(1) で表されるアミドニト
リルの製造法。
【0014】
【化11】
【0015】(式中、R1, R2及びR3は前記の意味を示
す。) 3) 一般式(2) で表される脂肪酸の低級アルキルエステ
ルと、一般式(3) で表されるアミノニトリルを塩基性触
媒の存在下反応させた後、塩基性触媒を除去し、次いで
蒸留精製を行うことを特徴とする上記2)記載のアミドニ
トリルの製造法。 4) 一般式(2) で表される脂肪酸の低級アルキルエステ
ルと、一般式(3) で表されるアミノニトリルを塩基性触
媒の存在下、不活性ガスで加圧状態で反応させることを
特徴とする上記2)記載のアミドニトリルの製造法。 5) 一般式(2) で表される脂肪酸の低級アルキルエステ
ルと、一般式(3) で表されるアミノニトリルを塩基性触
媒の存在下、低級アルコールを添加して反応させること
を特徴とする上記2)記載のアミドニトリルの製造法。 6) 前記一般式(1) で表されるアミドニトリルを塩基性
物質の存在下加水分解することを特徴とする一般式(4)
で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩の製造法。
【0016】
【化12】
【0017】(式中、R1、R2及びR3は前記の意味を示
し、M は陽イオンを示す。) 7) 上記6)記載の製造法で得られた一般式(4) で表され
るN−長鎖アシルアミノ酸塩の水溶液を鉱酸でpH1〜5
に調整し、得られたN−長鎖アシルアミノ酸を分離する
ことを特徴とする一般式(5) で表されるN−長鎖アシル
アミノ酸の製造法。
【0018】
【化13】
【0019】(式中、R1、R2及びR3は前記の意味を示
す。)以下各反応について詳細に説明する。
【0020】a) アミドニトリルの製造法 一般式(1) で表されるアミドニトリルは、一般式(2) で
表される脂肪酸の低級アルキルエステルと、一般式(3)
で表されるアミノニトリルを塩基性触媒の存在下反応さ
せることにより得られる。
【0021】一般式(2) で表される脂肪酸の低級アルキ
ルエステルとしては、直鎖又は分岐の炭素数8〜22、好
ましくは炭素数12〜18の飽和又は不飽和の脂肪酸の低級
アルキル(アルキル基の炭素数1〜4)エステルであれ
ばいずれでもよく、具体的には、ラウリン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の単一組成の脂肪
酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸のメチ
ル、エチル、ブチルエステル等が挙げられ、好ましくは
メチルエステルである。
【0022】一般式(3) で表されるアミノニトリル中の
R2は、H 或いは炭素数1〜3の直鎖又は分岐のアルキル
基、R3は炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基で
あるが、好ましくはR2としては H又はCH3-、R3としては
-CH2CH2-である。一般式(3)で表されるアミノニトリル
の具体例としては、
【0023】
【化14】
【0024】等が挙げられ、より好ましくはH2NCH2CH2C
N である。これらは何れの方法で製造されたものであっ
てもよいが、例えばH2NCH2CH2CNならばアンモニアとア
クリロニトリルから安価に製造することができる(特開
昭48−99116号、特公昭52−27138号各公
報、化学技術誌MOL, 20, 57(1982)) 。
【0025】塩基性触媒としては、塩基性を示すものな
らいずれでもよいが、取り扱いの容易さ、価格等の点よ
りアルカリ金属又はアルカリ土類金属等のアルコラート
(炭素数1〜3)が好ましく、ナトリウムメチラート、
ナトリウムエチラートが特に好ましい。
【0026】塩基性触媒はいずれの量でも一般式(1) で
表されるアミドニトリルを得ることは可能であるが、好
ましくは一般式(3) で表されるアミノニトリルに対し1
〜20モル%である。1モル%よりも少ないと、反応時間
が増大し工業的に効率が悪くなり、20モル%より多いと
反応時間の短縮の効果もほとんどなく、経済的に無駄で
ある。アミド化の反応温度は50〜 120℃の範囲が好まし
い。50℃より低い温度では反応速度が遅く実用的でな
い。なお、生成物の融点が高く反応中に固化するような
場合には、適量の溶剤を用いるのが好ましい。また、12
0 ℃より高温にすると反応は速いものの、アミドニトリ
ルが分解し、脂肪酸アミドが副生し、収率が低下する。
【0027】このようにして得られた一般式(1) で表さ
れるアミドニトリルはそのまま各種反応原料等として利
用できるが、着色があるため、蒸留、再結晶等の精製工
程を必要とする。一般に再結晶には濾過器、乾燥器とい
った工業上負荷がかかる設備が必要であり、また溶剤を
使用するためその回収設備も必要となり好ましくなく、
蒸留精製が好ましい。なお、塩基性触媒を含有するアミ
ドニトリルをそのまま蒸留すると、アミドニトリルの回
収率は10%程度で、蒸留中に殆ど脂肪酸アミドに変換し
てしまう。ここで回収率とは、蒸留前のアミドニトリル
量と蒸留留分中のアミドニトリル量の比である。従って
塩基性触媒を除去した後に蒸留精製を行うことが好まし
い。塩基性触媒を除去する方法としては、塩基性触媒を
鉱酸で中和後、生成する無機塩を濾過、遠心分離等によ
り除去する方法が特に好ましい。鉱酸としては、塩酸、
硫酸、リン酸等があげられる。鉱酸の使用量は使用した
塩基性触媒に対し1.0 〜5.0 当量である。1.0 当量より
少ないと中和が不完全で回収率が悪くなる。一方、鉱酸
を5.0 当量より多く加えると、アミドニトリルの分解が
起こり回収率が悪くなる。中和温度は特に規定はない
が、反応温度と同程度が好ましい。
【0028】また、一般式(2) で表される脂肪酸の低級
アルキルエステルと、一般式(3) で表されるアミノニト
リルを塩基性触媒の存在下、不活性ガスで加圧状態で反
応させるか、低級アルコールを添加して反応させること
により、得られる一般式(1)で表されるアミドニトリル
の着色が抑制でき、上記のような精製工程の負荷を軽減
することができる。
【0029】不活性ガスとしては、例えば窒素、アルゴ
ン等が用いられ、好ましくは窒素が用いられる。圧力は
ゲージ圧 0.1kg/cm2(以下、kg/cm2 Gと表す)以上で
あれば良く、好ましくは 0.1〜20kg/cm2 Gである。
0.1kg/cm2 G未満では着色抑制の効果が明らかになら
ず、また20kg/cm2 Gを超えても着色抑制の効果は大差
なく、設備的な負荷が増大するだけで無駄である。
【0030】また、低級アルコールとしては、炭素数1
〜4のアルコールが用いられ、例えばメタノール、エタ
ノール、2−プロパノール、ブタノール等が挙げられ、
メタノール、エタノール、2−プロパノールが特に好ま
しい。ここで低級アルコールのアルキル基が、原料とし
て用いる一般式(2) で表される脂肪酸の低級アルキルエ
ステルの低級アルキル基(一般式(2) におけるR4)と同
じであれば、未反応の脂肪酸低級アルキルエステルを回
収する場合有利である。低級アルコールの添加量は、一
般式(2) で表される脂肪酸の低級アルキルエステルに対
して0.01〜10重量倍が好ましい。低級アルコールの添加
量が0.01重量倍未満では着色抑制の効果が明らかになら
ず、10重量倍を超えても着色抑制効果は大差なく、また
反応が希釈されるため反応時間が増大し、工業的に効率
が悪く無駄である。用いる低級アルコールの沸点が反応
温度よりも低い場合、密閉容器で加圧状態で反応させる
ことも可能である。
【0031】なお、上記2つの反応条件を組み合わせる
ことも可能である。このようにして得られたアミドニト
リルは、着色が大幅に抑制されるだけでなく、収率も常
圧下、低級アルコール無添加での反応に比べ向上してお
り、各種反応原料として広い範囲で使用できる。
【0032】なお、脂肪酸低級アルキルエステルとアミ
ンよりアミド化合物を得る反応は公知であるが、一般に
副生する低級アルコールを系外に除去しながら反応を行
う。具体的には、減圧下もしくは窒素ガスなどを流通さ
せながら行う。このような条件をアミドニトリルの製造
に応用すると、副生する低級アルコールを系外に除去せ
ず行なう反応に比べ著しい着色があり、低収率である。
従って本発明においては、副生する低級アルコールを系
外に除去せずに反応させることが好ましい。
【0033】また、一般式(1) で表されるアミドニトリ
ルの製造にあたり、一般式(2) で表される脂肪酸の低級
アルキルエステルの代わりに脂肪酸を用いることが一般
に知られている方法であるが、この反応では脂肪酸と一
般式(3) で表されるアミノニトリルを混合した際生成す
るアミンの脂肪酸塩は不安定で発熱を伴い分解する(比
較例参照)ため行うことができない。
【0034】上記のようにして得られた一般式(1) で表
されるアミドニトリルのうちR3-CH 2CH 2-である、上記
一般式(1')で表されるアミドニトリルは本発明において
初めて合成された新規化合物であり、N−長鎖アシルア
ミノ酸又はその塩の合成中間体として有用である。
【0035】b) N−長鎖アシルアミノ酸塩の製造法 上記のようにして得られた一般式(1) で表されるアミド
ニトリルを塩基性物質の存在下加水分解することにより
前記一般式(4) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩が
得られる。一般式(4) において、R2がH 又はCH3-であ
り、R3が -CH2CH2- のものが好ましく、特にR2がH であ
り、R3が -CH2CH2- のものが好ましい。M で示される陽
イオンとしてはナトリウム、カリウム、トリエタノール
アミン等が挙げられる。
【0036】一般式(1) で表されるアミドニトリルの加
水分解は、アミド基を保持しつつシアノ基のみ加水分解
する条件を選ぶ必要がある。酸を触媒とした場合、加水
分解の中間体であるジアミドの生成は認められるもの
の、N−長鎖アシルアミノ酸塩は殆ど生成しない。ま
た、アミド基の加水分解物である長鎖脂肪酸の生成も顕
著であり、酸性触媒は本発明には使用できない。一方、
塩基性物質を触媒として用いた場合、原因は明らかでは
ないが、アミドニトリルの消失速度は酸に比べ著しく早
く、またアミド基の分解は僅かである。ここで塩基性物
質としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸
化物、炭酸塩或いは重炭酸塩から選ばれる1種又は2種
以上が好ましく、より好ましくは水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムである。塩基性物質の量は一般式(1) で表
されるアミドニトリルに対し 0.9当量以上が必要であ
る。0.9 当量より少ないと下記反応式に示した加水分解
中間体であるジアミドの含量が増えてしまい目的物であ
る一般式(4) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩の純
度が低下してしまう。 0.9当量以上あれば、純度よく、
一般式(4) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩が得ら
れる。更に塩基性物質の量を増やし、一般式(1) で表さ
れるアミドニトリルに対し 2.0当量より多くなると、生
成した一般式(4) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩
の加水分解速度が増し、純度低下の原因となる。従っ
て、塩基性物質の量は 0.9〜2.0 当量の範囲が好まし
い。
【0037】
【化15】
【0038】一般式(1) で表されるアミドニトリルの加
水分解の反応温度は60〜150 ℃、好ましくは80〜110 ℃
の範囲が適当であり、60℃より低温だと加水分解に長時
間かけなければならず、工業的に不利である。また、 1
50℃より高いと反応圧力が増し、強耐圧の設備が必要に
なる。一方、反応温度が高いほど反応速度が上がるた
め、両者のバランスから80〜110 ℃がより好ましい。こ
のような条件を兼ね備えることにより、高品質の一般式
(4) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩を含む水溶液
を工業的に有利に製造することが可能となった。
【0039】このようにして得られたN−長鎖アシルア
ミノ酸塩は用途によってはそのまま使用することも可能
であるが、原料として用いた脂肪酸の低級アルキルエス
テル由来の低級アルコール及び/又はアミドニトリルの
加水分解時に生成するアンモニアを含んでいるため、こ
れらの成分を除去後使用することが望ましい。除去方法
は特に限定されないが、加熱留去、水蒸気蒸留等が挙げ
られる。また、カラムクロマトグラフィー、溶剤洗浄等
の通常の精製方法により、より高純度のものとすること
ができる。なお、原料である一般式(1) で表されるアミ
ドニトリルとして、前記したようにアミドニトリルの合
成反応に用いた塩基性触媒を除去した後、蒸留精製した
ものや、一般式(2) で表される脂肪酸の低級アルキルエ
ステルと、一般式(3) で表されるアミノニトリルを塩基
性触媒の存在下、不活性ガスで加圧状態で、或いは低級
アルコールを添加して反応させることにより得られたも
のを用いれば、より高純度の一般式(4) で表されるN−
長鎖アシルアミノ酸塩が得られ、好ましい。
【0040】c) N−長鎖アシルアミノ酸の製造法 前記一般式(5) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸は、
上記のようにして得られた一般式(4) で表されるN−長
鎖アシルアミノ酸塩の水溶液を鉱酸でpH1〜5に調整
し、得られたN−長鎖アシルアミノ酸を分離することに
より得られる。一般式(5) において、R2がH 又はCH3-で
あり、R3が -CH2CH2- のものが好ましく、特にR2がH で
あり、R3が -CH2CH2- のものが好ましい。
【0041】一般式(4) で表されるN−長鎖アシルアミ
ノ酸塩から一般式(5) で表されるN−長鎖アシルアミノ
酸への変換は特に困難はなく、硫酸、塩酸、リン酸等の
鉱酸でpHを1〜5に調整すれば良い。即ち、N−長鎖ア
シルアミノ酸塩を含む水溶液に、攪拌しながら鉱酸を加
えpHを1〜5に調整するとよい。ここでの温度は特に規
定されない。
【0042】このようにして得られたN−長鎖アシルア
ミノ酸を晶析分離等の方法により分離すればよいわけで
あるが、結晶を濾過分離する工程は特別の設備を必要と
する上、結晶内に取り込まれた不純物の洗浄にさらに多
量の洗浄水が必要となる等の欠点がある。従って、N−
長鎖アシルアミノ酸の分離法としては、N−長鎖アシル
アミノ酸の融解状態下で、水層とN−長鎖アシルアミノ
酸を含む有機層に分層し、次いで有機層より該N−長鎖
アシルアミノ酸を分離取得する分層処理法が特に好まし
い。
【0043】水層とN−長鎖アシルアミノ酸を含む有機
層とを分層するための温度条件は、N−長鎖アシルアミ
ノ酸が融解している温度であれば良いが、通常、室温か
ら100 ℃の間で行われる。100 ℃を越えると、水の沸点
を越すため、加圧下での分層が必要となり多額の設備費
用が必要となり、不利である。なお、N−長鎖アシルア
ミノ酸が融解している状態とは、流動性を保ち液状化し
ている状態をいう。分層を該N−長鎖アシルアミノ酸の
融点以上の温度で実施することはもちろん可能である
が、該N−長鎖アシルアミノ酸は含水すると融点以下の
温度でも融解するため、比較的低温でも分層が実施でき
る利点がある。この融解物と水との混合物を静置すれば
通常容易に分層するが、分層性が悪い場合、例えば硫酸
ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機塩を添加し、改善
することも可能である。分層したものより水層を分離
し、N−長鎖アシルアミノ酸が得られる。更に純度を上
げるために、上記のような分層処理を2回以上繰り返す
こともできる。なお、分層処理はバッチ式、連続式のい
ずれを採用しても差し支えない。
【0044】上記のような分層処理を実施して得られる
有機層は、水分を含んだN−長鎖アシルアミノ酸である
が、これを乾燥する方法は特に困難ではない。例えば、
真空加熱により乾燥する方法、空気、窒素等の気体で置
換しながら乾燥する方法、冷却固化後、粉砕して乾燥す
る方法、又は噴霧乾燥する方法等である。また、該N−
長鎖アシルアミノ酸を、例えばナトリウム、カリウム、
トリエタノールアミン等のN−長鎖アシルアミノ酸塩水
溶液として用いる場合のように、特に乾燥したN−長鎖
アシルアミノ酸が必要ない場合、上記のような分層処理
を実施して得られる水分を含んだN−長鎖アシルアミノ
酸をそのまま使用できる。また、噴霧冷却、転動造粒等
を行うことにより、水分を持ったまま微粒化することも
可能である。
【0045】上記のような本発明の製造方法によって得
られた一般式(5) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸
は、必要に応じて常法により無機塩又は有機塩へと変換
することにより、界面活性剤等の分野において幅広く利
用することができるものである。
【0046】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、低刺激性活
性剤等として極めて有用なN−長鎖アシルアミノ酸又は
その塩を、安価な原料を用い、品質良く工業的に有利に
製造することができる。また、本発明によれば、N−長
鎖アシルアミノ酸又はその塩の合成中間体として有用な
新規なアミドニトリル、及びその製造法を提供すること
ができる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
尚、例中の%は特記しないかぎり重量基準である。
【0048】アミドニトリルの製造法の実施例 実施例1〜7 ラウリン酸メチル1072g(5mol)を攪拌機、冷却管、温度
計を具備した5リットルの4つ口丸底フラスコに入れて
攪拌した。反応容器内を窒素により置換後、β−アミノ
プロピオニトリル 350g(5mol)、次いで28%ナトリウム
メチラートメタノール溶液を添加し、所定の温度まで昇
温しその温度で熟成し、目的のアミドニトリルであるN
−ラウロイル−β−アミノプロピオニトリルを得た。28
%ナトリウムメチラートメタノール溶液の量(触媒
量)、熟成温度の収率に及ぼす影響を調べた。その結果
を表1に示す。収率は液体クロマトグラフィーにより定
量し、β−アミノプロピオニトリルに対するモル収率で
示した。
【0049】
【表1】
【0050】また、実施例3で得られたN−ラウロイル
−β−アミノプロピオニトリルをメタノールで再結晶し
たものの融点、IR及びNMRの測定結果は以下の通り
である。 ・融点:96〜97℃
【0051】
【化16】
【0052】比較例1 ラウリン酸 100.0g(0.5mol)を攪拌後、冷却管、温度計
を具備した 500ml4つ口丸底フラスコに入れて、50℃で
攪拌した。反応容器内を窒素により置換後、β−アミノ
プロピオニトリル35.0g(0.5mol)を添加し昇温したとこ
ろ、60℃付近で発熱を伴い、白煙が生じた。5分後フラ
スコ内の温度は 130℃になっており、フラスコ内は赤黒
色のタール状であった。収率を液体クロマトグラフィー
で定量したところ、N−ラウロイル−β−アミノプロピ
オニトリルの収率は5%以下であった。
【0053】実施例8〜11 実施例3で得られたN−ラウロイル−β−アミノプロピ
オニトリル(純度78%)を90℃でリン酸を添加し中和し
た。中和物を減圧濾過し、得られた脱触媒されたN−ラ
ウロイル−β−アミノプロピオニトリルを含む濾液を減
圧下蒸留し、リン酸添加量によるN−ラウロイル−β−
アミノプロピオニトリルの回収率の影響を調べた。蒸留
は、バッチ式ガラス蒸留装置で行い、0.5〜1.0mmHg、 1
80〜 220℃で行った。結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】実施例12〜14 ラウリン酸メチル 214.3g(1mol)、β−アミノプロピオ
ニトリル70g(1.0mol)、28%ナトリウムメチラートメタ
ノール溶液 9.6gを1リットルオートクレーブに仕込ん
だ。室温で反応容器内を窒素で置換後、窒素で所定の圧
力をかけた。この状態で90℃に昇温し、6時間熟成し
た。圧力と得られたN−ラウロイル−β−アミノプロピ
オニトリルの収率及び色相に及ぼす影響を調べた。その
結果を表3に示す。色相はN−ラウロイル−β−アミノ
プロピオニトリル 3.0gを10%含水ジメチルホルムアミ
ド17gに溶解し、測定した。また、収率は液体クロマト
グラフィーにより定量し、β−アミノプロピオニトリル
に対するモル収率で示した。
【0056】実施例15〜17 ラウリン酸メチル 214.3g(1mol)、β−アミノプロピオ
ニトリル70g(1.0mol)、28%ナトリウムメチラートメタ
ノール溶液 9.6g及び所定量のメタノールを1リットル
オートクレーブに仕込んだ。室温で反応容器内を窒素で
置換後、密閉し、この状態で90℃に昇温し、8時間熟成
した。添加したメタノール量と得られたN−ラウロイル
−β−アミノプロピオニトリルの収率及び色相に及ぼす
影響を調べた。その結果を表3に示す。
【0057】実施例18 ラウリン酸メチル214.3g(1mol)、β−アミノプロピオニ
トリル70g(1.0mol)、28%ナトリウムメチラートメタノ
ール溶液 9.6g及びメタノール21.4gを1リットルオー
トクレーブに仕込んだ。室温で反応容器内を窒素で置換
後、窒素で 1.0kg/cm2 Gにし、この状態で90℃に昇温
し、8時間熟成した。得られたN−ラウロイル−β−ア
ミノプロピオニトリルの収率及び色相を調べた。その結
果を表3に示す。
【0058】参考例1 ラウリン酸メチル 214.3g(1mol)、β−アミノプロピオ
ニトリル70g(1.0mol)、28%ナトリウムメチラートメタ
ノール溶液 9.6gを攪拌器、冷却管、温度計を具備した
1リットルの4つ口フラスコに入れ、室温で反応容器内
を窒素で置換後、この状態で90℃に昇温し、6時間熟成
した。得られたN−ラウロイル−β−アミノプロピオニ
トリルの収率及び色相を調べた。その結果を表3に示
す。
【0059】参考例2 ラウリン酸メチル 214.3g(1mol)、β−アミノプロピオ
ニトリル70g(1.0mol)、28%ナトリウムメチラートメタ
ノール溶液 9.6gを1リットルの4つ口フラスコに入
れ、室温で反応容器内を窒素で置換後、200mmHg の減圧
下、90℃に昇温し、6時間熟成した。得られたN−ラウ
ロイル−β−アミノプロピオニトリルの収率及び色相を
調べた。その結果を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】N−長鎖アシルアミノ酸塩の製造法の実施
実施例19 実施例3で得られたN−ラウロイル−β−アミノプロピ
オニトリル(純度77%)49.2g(0.15mol) 、イオン交換
水36g、20%水酸化カリウム50.5g(0.18mol)を攪拌
機、冷却管、温度計を具備した 500ml4つ口丸底フラス
コに仕込み、90℃で15時間反応させた。その結果、32.4
%のN−ラウロイル−β−アラニンカリウム塩水溶液が
得られ、N−ラウロイル−β−アミノプロピオニトリル
のN−ラウロイル−β−アラニンカリウム塩への変換率
(収率)は95モル%であった。また色相はガードナー5
であった。
【0062】実施例20 実施例9で得られた蒸留N−ラウロイル−β−アミノプ
ロピオニトリル(純度95%)39.9g(0.15mol) 、イオン
交換水43.2g、20%水酸化カリウム50.5g(0.18mol) を
攪拌機、冷却管、温度計を具備した 500ml4つ口丸底フ
ラスコに仕込み、90℃で15時間反応させた。その結果、
33%のN−ラウロイル−β−アラニンカリウム塩水溶液
が得られ、N−ラウロイル−β−アミノプロピオニトリ
ルのN−ラウロイル−β−アラニンカリウム塩への変換
率(収率)は95モル%であった。ラウリン酸カリウムの
生成率は2モル%であった。また色相はAPHA 50 であっ
た。
【0063】実施例21 20%水酸化カリウムの代わりに20%水酸化ナトリウム水
溶液を用いた以外は実施例20と同様な方法で反応させ
た。その結果、N−ラウロイル−β−アミノプロピオニ
トリルのN−ラウロイル−β−アラニンナトリウム塩へ
の変換率(収率)は95モル%であった。ラウリン酸ナト
リウムの生成率は2モル%であった。
【0064】実施例22 実施例13で得られたN−ラウロイル−β−アミノプロ
ピオニトリル(純度81%)46.8g(0.15mol) 、イオン交
換水38.4g、20%水酸化カリウム50.5g(0.18mol) を攪
拌機、冷却管、温度計を具備した 500ml4つ口丸底フラ
スコに仕込み、90℃で15時間反応させた。その結果、3
2.8%のN−ラウロイル−β−アラニンカリウム塩水溶
液が得られ、N−ラウロイル−β−アミノプロピオニト
リルのN−ラウロイル−β−アラニンカリウム塩への変
換率(収率)は96モル%であった。また色相はガードナ
ー1であった。
【0065】実施例23 実施例16で得られたN−ラウロイル−β−アミノプロ
ピオニトリル(純度56%)67.6g(0.15mol) 、イオン交
換水17.6g、20%水酸化カリウム50.5g(0.18mol) を攪
拌機、冷却管、温度計を具備した 500ml4つ口丸底フラ
スコに仕込み、90℃で15時間反応させた。その結果、3
2.5%のN−ラウロイル−β−アラニンカリウム塩水溶
液が得られ、N−ラウロイル−β−アミノプロピオニト
リルのN−ラウロイル−β−アラニンカリウム塩への変
換率(収率)は95モル%であった。また色相はAPHA 80
であった。
【0066】実施例24 実施例9で得られた蒸留N−ラウロイル−β−アミノプ
ロピオニトリル(純度95%)39.9g(0.15mol) 、イオン
交換水43.2g、20%水酸化カリウム50.5g(0.18mol)
を、500ml オートクレーブに仕込み、120 ℃で5時間反
応させた。その結果、32.8%のN−ラウロイル−β−ア
ラニンカリウム塩水溶液が得られ、N−ラウロイル−β
−アミノプロピオニトリルのN−ラウロイル−β−アラ
ニンカリウム塩への変換率(収率)は95モル%であっ
た。ラウリン酸カリウムの生成率は2モル%であった。
【0067】比較例2 実施例9で得られた蒸留N−ラウロイル−β−アミノプ
ロピオニトリル(純度95%)37.9g(0.15mol) 、イオン
交換水72.2g、98%硫酸22.5g(0.23mol) を攪拌機、冷
却管、温度計を具備した 500ml4つ口丸底フラスコに仕
込み、90℃で15時間反応させた。その結果、N−ラウロ
イル−β−アラニンは検出されなかった。N−ラウロイ
ル−β−アミノプロピオニトリルは82モル%未反応で存
在し、ジアミド(6モル%) 、ラウリン酸(7モル%) の生
成が認められた。
【0068】比較例3 98%硫酸の代わりに35%塩酸24.0g(0.23mol) を用いた
以外は比較例2と同様な方法で反応させた。その結果、
N−ラウロイル−β−アラニンは検出されなかった。N
−ラウロイル−β−アミノプロピオニトリルは58モル%
未反応で存在し、ジアミド (16モル%)、ラウリン酸
(18モル%) の生成が認められた。
【0069】N−長鎖アシルアミノ酸の製造法の実施例 実施例25 実施例20で得られた33%N−ラウロイル−β−アラニ
ンカリウム塩水溶液100 gを攪拌機、冷却管、温度計を
具備した500 ml4つ口丸底フラスコに仕込み、70℃で35
%塩酸24.5g(0.24mol) を1時間かけて滴下した。同温
度で1時間熟成後、減圧濾過した。得られたケークを70
℃の温水100 gで洗浄し減圧乾燥した。得られた結晶の
収量は29gであった。白色度93%、純度92%、ラウリン
酸6%であった。ここで白色度とは、標準白板との色差
であり、日本電色工業(株)製SZ−Σ80を用いて測
定した。
【0070】実施例26 実施例20で得られた33%N−ラウロイル−β−アラニ
ンカリウム塩水溶液100 gを攪拌機、冷却管、温度計を
具備した500 ml4つ口丸底フラスコに仕込み、70℃で35
%塩酸24.5g(0.24mol)を1時間かけて滴下した。同温
度で1時間熟成してN−ラウロイル−β−アラニンの結
晶を含むスラリーを得た。これを85℃に昇温すると、N
−ラウロイル−β−アラニンが融解した。90℃で15分間
静置すると、有機層と水層に分層した。有機層を分離
し、含水N−ラウロイル−β−アラニンを33g得た。こ
れを真空加熱(120℃、200mmHg)により乾燥し、29gのN
−ラウロイル−β−アラニンを得た。得られたN−ラウ
ロイル−β−アラニンの白色度93%、純度96%、ラウリ
ン酸4%であった。
【0071】比較例4(Schotten-Baumann 法) β−アラニン98gをイオン交換水 399gに溶解させ、こ
れに48%水酸化カリウム水溶液 129gを加えてβ−アラ
ニンカリウム塩水溶液を得た。次いでラウリン酸クロリ
ド 219gを30%水酸化カリウム水溶液 187gを用いてpH
11.5に調整しながら、約 1.5時間かけて添加した。さら
に50℃で1時間攪拌し、ラウロイル−β−アラニンカリ
ウム塩を28.5%含む水溶液1032gを得た。ここに35%塩
酸を加えてpH1に調整し、析出したラウロイル−β−ア
ラニンを減圧濾過した。得られたケークを70℃の温水10
00gで洗浄し、減圧乾燥した。結晶の収量は 267gであ
った。白色度92%、純度92%、ラウリン酸7%であり、
実施例25と同等の品質であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭48−62760(JP,A) 特開 昭50−49420(JP,A) 有機合成化学協会誌, Vol.30, No.1 (1972) p.68−p.75 Justus Liebig Ann alen der Chemie, V ol.764 (1972) p.69−p.93 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 255/29 C07C 253/30 C07C 231/12 C07C 233/47 C07C 233/49 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1')で表されるアミドニトリル。 【化1】 を示し、R2はH 或いは炭素数1〜3の直鎖又は分岐のア
    ルキル基を示し、R3'-CH 2CH 2-を示す。)
  2. 【請求項2】 一般式(2) 【化2】 (式中、R1は前記の意味を示し、R4は炭素数1〜4のア
    ルキル基を示す。)で表される脂肪酸の低級アルキルエ
    ステルと、一般式(3) 【化3】 (式中、R2は前記の意味を示し、R3は炭素数1〜5の直
    鎖又は分岐のアルキレン基を示す。)で表されるアミノ
    ニトリルを塩基性触媒の存在下反応させることを特徴と
    する、一般式(1) で表されるアミドニトリルの製造法。 【化4】 (式中、R1, R2及びR3は前記の意味を示す。)
  3. 【請求項3】 R2がH 又はCH3-であり、R3が -CH2CH2-
    である請求項記載のアミドニトリルの製造法。
  4. 【請求項4】 塩基性触媒がアルカリ金属又はアルカリ
    土類金属のアルコラート(炭素数1〜3)である請求項
    記載のアミドニトリルの製造法。
  5. 【請求項5】 副生する低級アルコールを系外に除去せ
    ずに反応を行なう請求項記載のアミドニトリルの製造
    法。
  6. 【請求項6】 一般式(2) で表される脂肪酸の低級アル
    キルエステルと、一般式(3) で表されるアミノニトリル
    を塩基性触媒の存在下反応させた後、塩基性触媒を除去
    し、次いで蒸留精製を行うことを特徴とする請求項
    載のアミドニトリルの製造法。
  7. 【請求項7】 塩基性触媒の除去を、塩基性触媒を鉱酸
    で中和後生成した塩を除去することにより行う請求項
    記載のアミドニトリルの製造法。
  8. 【請求項8】 一般式(2) で表される脂肪酸の低級アル
    キルエステルと、一般式(3) で表されるアミノニトリル
    を塩基性触媒の存在下、不活性ガスで加圧状態で反応さ
    せることを特徴とする請求項記載のアミドニトリルの
    製造法。
  9. 【請求項9】 加圧状態が、 0.1〜20kg/cm2ゲージ圧
    である請求項記載のアミドニトリルの製造法。
  10. 【請求項10】 一般式(2) で表される脂肪酸の低級ア
    ルキルエステルと、一般式(3) で表されるアミノニトリ
    ルを塩基性触媒の存在下、低級アルコールを添加して反
    応させることを特徴とする請求項記載のアミドニトリ
    ルの製造法。
  11. 【請求項11】 低級アルコールの添加量が、一般式
    (2) で表される脂肪酸の低級アルキルエステルに対して
    0.01〜10重量倍である請求項10記載のアミドニトリル
    の製造法。
  12. 【請求項12】 低級アルコールが、メタノール、エタ
    ノール及び2−プロパノールからなる群から選ばれた少
    なくとも1種である請求項10記載のアミドニトリルの
    製造法。
  13. 【請求項13】 請求項2記載の製造法により得られる
    一般式(1) で表されるアミドニトリルを塩基性物質の存
    在下加水分解することを特徴とする一般式(4) で表され
    るN−長鎖アシルアミノ酸塩の製造法。 【化5】 (式中、R1、R2及びR3は前記の意味を示し、M は陽イオ
    ンを示す。)
  14. 【請求項14】 R2がH 又はCH3-であり、R3が -CH2CH2
    - である請求項13記載のN−長鎖アシルアミノ酸塩の
    製造法。
  15. 【請求項15】 塩基性物質が、アルカリ金属又はアル
    カリ土類金属の水酸化物、炭酸塩或いは重炭酸塩である
    請求項13記載のN−長鎖アシルアミノ酸塩の製造法。
  16. 【請求項16】 一般式(1) で表されるアミドニトリル
    として請求項記載の製造法により得られるアミドニト
    リルを用いることを特徴とする請求項13記載のN−長
    鎖アシルアミノ酸塩の製造法。
  17. 【請求項17】 一般式(1) で表されるアミドニトリル
    として請求項記載の製造法により得られるアミドニト
    リルを用いることを特徴とする請求項13記載のN−長
    鎖アシルアミノ酸塩の製造法。
  18. 【請求項18】 一般式(1) で表されるアミドニトリル
    として請求項10記載の製造法により得られるアミドニ
    トリルを用いることを特徴とする請求項13記載のN−
    長鎖アシルアミノ酸塩の製造法。
  19. 【請求項19】 請求項13記載の製造法で得られた一
    般式(4) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩の水溶液
    を鉱酸でpH1〜5に調整し、得られたN−長鎖アシルア
    ミノ酸を分離することを特徴とする一般式(5) で表され
    るN−長鎖アシルアミノ酸の製造法。 【化6】 (式中、R1、R2及びR3は前記の意味を示す。)
  20. 【請求項20】 N−長鎖アシルアミノ酸の分離法が、
    N−長鎖アシルアミノ酸の融解状態下で、水層とN−長
    鎖アシルアミノ酸を含む有機層に分層し、次いで有機層
    より該N−長鎖アシルアミノ酸を分離取得する方法であ
    る請求項19記載のN−長鎖アシルアミノ酸の製造法。
  21. 【請求項21】 一般式(5)において、R2がH又はCH3-で
    あり、R3が-CH2CH2-である請求項19記載のN−長鎖ア
    シルアミノ酸の製造法。
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