JPH07247254A - N−長鎖アシルアミノ酸又はその塩の製造法、並びに中間体アミドニトリルの製造法 - Google Patents

N−長鎖アシルアミノ酸又はその塩の製造法、並びに中間体アミドニトリルの製造法

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JPH07247254A
JPH07247254A JP6040778A JP4077894A JPH07247254A JP H07247254 A JPH07247254 A JP H07247254A JP 6040778 A JP6040778 A JP 6040778A JP 4077894 A JP4077894 A JP 4077894A JP H07247254 A JPH07247254 A JP H07247254A
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JP6040778A
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Yohei Kaneko
洋平 金子
Toru Tsutsumi
徹 堤
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡便な方法でかつ安価な原料を用いて純度の
高いアミドニトリル、並びにN−長鎖アシルアミノ酸又
はその塩を製造できる工業的生産に適した製造法の提
供。 【構成】 脂肪酸ハライド(1) とアミノニトリル(2) を
塩基性物質の存在下反応させ、アミドニトリル(3) を
得、次いで塩基性物質の存在下加水分解して、N−長鎖
アシルアミノ酸塩(4) を得る。 【化1】 【化2】 (R1CO- はC8-22 の脂肪酸残基、X はハロゲン原子、R2
はH 又はC1-3のアルキル基、R3はC1-5のアルキレン基、
M は陽イオンを示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、N−長鎖アシルアミノ
酸又はその塩の製造法、並びに中間体アミドニトリルの
製造法に関し、詳しくは、簡便な方法でかつ安価な原料
を用いて純度の高いアミドニトリル、並びにN−長鎖ア
シルアミノ酸又はその塩を製造できる工業的生産に適し
た製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】N−長鎖アシルアミノ酸及びその塩は優
れた界面活性作用や静菌作用等を有し、低刺激性である
ことから様々な分野において用いられている。従来、N
−長鎖アシルアミノ酸塩の製造法としては、アルカリ物
質存在下アミノ酸と脂肪酸ハライドを反応させるショッ
テン−バウマン(Schotten-Baumann)反応が知られてお
り、種々の改良方法も開示されている(特公昭46−8
685号、特公昭51−38681号、特開平4−36
8378号、特開平5−70418号各公報)。またさ
らに、上記反応により得られた塩を強酸で複分解し、N
−長鎖アシルアミノ酸を得る反応も知られている。これ
らの反応の反応式を以下に示す。
【0003】
【化9】
【0004】(式中、RCO-は長鎖アシル基、R'は炭素数
1〜5のアルキレン基、M は陽イオンを示す。) しかし、ショッテン−バウマン反応又はその改良法を用
いた場合、いずれにしても原料としてアミノ酸を用いる
必要があり、それは工業的に入手するには高価である等
の欠点があり、工業生産に適した製造法の開発が望まれ
ている。
【0005】本発明者らは上記のような高価なアミノ酸
を用いることなく、下記の反応式に示すように安価な脂
肪酸の低級アルキルエステル(6) とアミノニトリル(7)
を用いてアミドニトリル(8) を得、更に加水分解してN
−長鎖アシルアミノ酸塩(9)を得る方法を見いだし既に
特許出願した(特願平5−266166号)。
【0006】
【化10】
【0007】(式中、R4CO- は炭素数8〜22の飽和また
は不飽和の脂肪酸残基を示し、R5はHあるいは炭素数1
〜3の直鎖又は分岐のアルキル基を示し、R6は炭素数1
〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基を示し、R7は炭素数
1〜4のアルキル基を示し、Mは陽イオンを示す。) しかしこの方法においてナトリウムメチラートのような
塩基性触媒を使用することでアミドニトリル(8) が得ら
れるが、着色が著しく、蒸留、再結晶等の精製工程が必
要であり、精製工程は設備的な負荷があり工業的に有利
な方法とは言えない。
【0008】また、アミドニトリル(8) の製造にあた
り、脂肪酸低級アルキルエステルの代わりに脂肪酸を用
いると、脂肪酸とアミノニトリル(7) を混合した際生成
するアミンの脂肪酸塩は不安定で発熱を伴い分解するた
め、アミドニトリル(8) をほとんど得ることができな
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、安価な原料
を用いて純度の高いN−長鎖アシルアミノ酸又はその塩
を製造することのできる工業生産に適した製造法、及び
その製造に用いられる中間体アミドニトリルの製造法を
提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはアミノ酸の
代わりに安価な原料であるアミノニトリルを利用して目
的物を得る方法について鋭意検討の結果、次に示すよう
に特定の反応条件を選択することにより上記課題を解決
できることを見出し、本発明を完成した。即ち本発明
は、一般式(1)
【0011】
【化11】
【0012】(式中、R1CO- は炭素数8〜22の飽和また
は不飽和の脂肪酸残基を示し、X はハロゲン原子を示
す。)で表される脂肪酸ハライドと一般式(2)
【0013】
【化12】
【0014】(式中、R2はH あるいは炭素数1〜3の直
鎖又は分岐のアルキル基を示し、R3は炭素数1〜5の直
鎖又は分岐のアルキレン基を示す。)で表されるアミノ
ニトリルを塩基性物質の存在下反応させることを特徴と
する、一般式(3)
【0015】
【化13】
【0016】(式中、R1,R2,R3は前記の意味を示
す。)で表されるアミドニトリルの製造法を提供するも
のである。
【0017】本発明はまた、上記のようにして一般式
(3) で表されるアミドニトリルを得、次いで塩基性物質
の存在下加水分解することを特徴とする一般式(4) で表
されるN−長鎖アシルアミノ酸塩の製造法を提供するも
のである。
【0018】
【化14】
【0019】(式中、R1,R2及びR3は前記の意味を示
し、M は陽イオンを示す。) 更に、本発明は、上記のようにして得られた一般式(4)
で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩の水溶液を鉱酸で
pH1〜5に調整し、得られたN−長鎖アシルアミノ酸を
分離することを特徴とする一般式(5) で表されるN−長
鎖アシルアミノ酸の製造法を提供するものである。
【0020】
【化15】
【0021】(式中、R1, R2及びR3は前記の意味を示
す。) 以下各反応について詳細に説明する。
【0022】a) アミドニトリルの製造法 一般式(3) で表されるアミドニトリルは、一般式(1) で
表される脂肪酸ハライドと、一般式(2) で表されるアミ
ノニトリルを塩基性物質の存在下反応させることにより
得られる。以下、この反応をアミド化という。一般式
(1) で表される脂肪酸ハライドとしては、直鎖又は分岐
の炭素数8〜22、好ましくは炭素数12〜18の飽和又は不
飽和の脂肪酸ハライドであればいずれでもよく、具体的
には、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸等の単一組成の脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪
酸等の混合脂肪酸の酸ハライド等が挙げられ、好ましく
は酸クロリドである。酸ハライドはいずれの方法で製造
されたものであってもよいが、一般に塩素化剤として三
塩化リン、ホスゲン、塩化チオニルを使用したものを用
いるのが好ましい。
【0023】一般式(2) で表されるアミノニトリル中の
R2は、H 或いは炭素数1〜3の直鎖又は分岐のアルキル
基、R3は炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキレン基で
あるが、好ましくはR2としては H又はCH3-、R3としては
-CH2CH2-である。一般式(2)で表されるアミノニトリル
の具体例としては、
【0024】
【化16】
【0025】等が挙げられ、より好ましくはH2NCH2CH2C
N である。これらは何れの方法で製造されたものであっ
てもよいが、例えばH2NCH2CH2CNならばアンモニアとア
クリロニトリルから安価に製造することができる(特開
昭48−99116号、特公昭52−27138号各公
報、化学技術誌MOL, 20, 57(1982)) 。
【0026】塩基性物質としては、塩基性を示すものな
らいずれでもよいが、取り扱いの容易さ、価格等の点よ
りアルカリ金属あるいはアルカリ土類金属等の水酸化
物、炭酸塩又は重炭酸塩が好ましく、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムが特に好ましい。これらは2種類以
上混合して使用することも可能である。塩基性物質はい
ずれの量でも一般式(3) で表されるアミドニトリルを得
ることは可能であるが、好ましくは一般式(2) で表され
るアミノニトリルに対し0.9 〜5.0 当量である。なお、
前記一般式(3) で表されるアミドニトリルを単離するの
であれば、 0.9〜3.0 当量が特に好ましい。また、ここ
で得た一般式(3) で表されるアミドニトリルを単離する
ことなく、塩基性物質の存在下加水分解し、一般式(4)
で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩を得るのであれ
ば、加水分解に使用する塩基性物質をあらかじめアミド
化時に添加することもできる。この場合、塩基性物質の
量は一般式(2) で表されるアミノニトリルに対し、 2.0
〜5.0 当量である。
【0027】アミド化の反応温度は0〜50℃の範囲が好
ましい。50℃より高い温度では脂肪酸が副生し、アミド
ニトリルの純度が低下する。この反応は一般に水を溶媒
として使用するが、トルエン、ベンゼン、アセトン、テ
トラヒドロフラン等の有機溶剤を併用することも可能で
ある。
【0028】このようにして得られた一般式(3) で表さ
れるアミドニトリルは、蒸留、再結晶等の方法で精製す
ることも可能であるが、そのまま精製せずに各種反応原
料として利用できる。
【0029】特に、ここで得たアミドニトリルを加水分
解し、N−長鎖アシルアミノ酸塩を得るのであれば、精
製の必要はなく、同一容器内でそのまま加水分解ができ
設備的にも有利である。
【0030】b) N−長鎖アシルアミノ酸塩の製造法 上記のようにして得られた一般式(3) で表されるアミド
ニトリルを塩基性物質の存在下加水分解することにより
前記一般式(4) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩が
得られる。一般式(4) において、R2がH 又はCH3-であ
り、R3が -CH2CH2- のものが好ましく、特にR2がH であ
り、R3が -CH2CH2- のものが好ましい。M で示される陽
イオンとしてはナトリウム、カリウム、トリエタノール
アミン等が挙げられる。
【0031】一般式(3) で表されるアミドニトリルの加
水分解は、アミド基を保持しつつシアノ基のみ加水分解
する条件を選ぶ必要がある。酸を触媒とした場合、加水
分解の中間体であるジアミドの生成は認められるもの
の、N−長鎖アシルアミノ酸塩は殆ど生成しない。ま
た、アミド基の加水分解物である長鎖脂肪酸の生成も顕
著であり、酸性触媒は本発明には使用できない。一方、
塩基性物質を触媒として用いた場合、原因は明らかでは
ないが、アミドニトリルの消失速度は酸に比べ著しく早
く、またアミド基の分解は僅かである。ここで塩基性物
質としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸
化物、炭酸塩或いは重炭酸塩から選ばれる1種又は2種
以上が好ましく、より好ましくは水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムである。塩基性物質の量は一般式(3) で表
されるアミドニトリルに対し 0.9当量以上が必要であ
る。0.9 当量より少ないと下記反応式に示した加水分解
中間体であるジアミドの含量が増えてしまい目的物であ
る一般式(4) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩の純
度が低下してしまう。 0.9当量以上あれば、純度よく、
一般式(4) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩が得ら
れる。更に塩基性物質の量を増やし、一般式(3) で表さ
れるアミドニトリルに対し 2.0当量より多くなると、生
成した一般式(4) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩
の加水分解速度が増し、純度低下の原因となる。従っ
て、塩基性物質の量は 0.9〜2.0 当量の範囲が好まし
い。
【0032】
【化17】
【0033】一般式(3) で表されるアミドニトリルの加
水分解の反応温度は60〜110 ℃の範囲が適当であり、60
℃より低温だと加水分解に長時間かけなければならず、
工業的に不利である。また、 110℃より高いと反応圧力
が増し、耐圧の設備が必要になる。このような条件を兼
ね備えることにより、高品質の一般式(4) で表されるN
−長鎖アシルアミノ酸塩を含む水溶液を工業的に有利に
製造することが可能となった。このようにして得られた
N−長鎖アシルアミノ酸塩は用途によってはそのまま使
用することも可能であるが、要すれば、晶析、カラムク
ロマトグラフィー、溶剤洗浄等、通常の精製方法によ
り、より高純度のものとすることができる。
【0034】c) N−長鎖アシルアミノ酸の製造法 前記一般式(5) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸は、
上記のようにして得られた一般式(4) で表されるN−長
鎖アシルアミノ酸塩の水溶液を鉱酸でpH1〜5に調整
し、得られたN−長鎖アシルアミノ酸を分離することに
より得られる。一般式(5) において、R2がH 又はCH3-で
あり、R3が -CH2CH2- のものが好ましく、特にR2がH で
あり、R3が -CH2CH2- のものが好ましい。
【0035】一般式(4) で表されるN−長鎖アシルアミ
ノ酸塩から一般式(5) で表されるN−長鎖アシルアミノ
酸への変換は特に困難はなく、硫酸、塩酸、リン酸等の
鉱酸でpHを1〜5に調整すれば良い。即ち、N−長鎖ア
シルアミノ酸塩を含む水溶液に、攪拌しながら鉱酸を加
えpHを1〜5に調整するとよい。ここでの温度は特に規
定されない。
【0036】このようにして得られたN−長鎖アシルア
ミノ酸を晶析分離等の方法により分離すればよいわけで
あるが、結晶を濾過分離する工程は特別の設備を必要と
する上、結晶内に取り込まれた不純物の洗浄にさらに多
量の洗浄水が必要となる等の欠点がある。従って、N−
長鎖アシルアミノ酸の分離法としては、N−長鎖アシル
アミノ酸の融解状態下で、水層とN−長鎖アシルアミノ
酸を含む有機層に分層し、次いで有機層より該N−長鎖
アシルアミノ酸を分離取得する分層処理法が特に好まし
い。
【0037】水層とN−長鎖アシルアミノ酸を含む有機
層とを分層するための温度条件は、N−長鎖アシルアミ
ノ酸が融解している温度であれば良いが、通常、室温か
ら100 ℃の間で行われる。100 ℃を越えると、水の沸点
を越すため、加圧下での分層が必要となり多額の設備費
用が必要となり、不利である。なお、N−長鎖アシルア
ミノ酸が融解している状態とは、流動性を保ち液状化し
ている状態をいう。分層を該N−長鎖アシルアミノ酸の
融点以上の温度で実施することはもちろん可能である
が、該N−長鎖アシルアミノ酸は含水すると融点以下の
温度でも融解するため、比較的低温でも分層が実施でき
る利点がある。この融解物と水との混合物を静置すれば
通常容易に分層するが、分層性が悪い場合、例えば硫酸
ナトリウム、塩化ナトリウム等の無機塩を添加し、改善
することも可能である。分層したものより水層を分離
し、N−長鎖アシルアミノ酸が得られる。更に純度を上
げるために、上記のような分層処理を2回以上繰り返す
こともできる。なお、分層処理はバッチ式、連続式のい
ずれを採用しても差し支えない。
【0038】上記のような分層処理を実施して得られる
有機層は、水分を含んだN−長鎖アシルアミノ酸である
が、これを乾燥する方法は特に困難ではない。例えば、
真空加熱により乾燥する方法、空気、窒素等の気体で置
換しながら乾燥する方法、冷却固化後、粉砕して乾燥す
る方法、又は噴霧乾燥する方法等である。また、該N−
長鎖アシルアミノ酸を、例えばナトリウム、カリウム、
トリエタノールアミン等のN−長鎖アシルアミノ酸塩水
溶液として用いる場合のように、特に乾燥したN−長鎖
アシルアミノ酸が必要ない場合、上記のような分層処理
を実施して得られる水分を含んだN−長鎖アシルアミノ
酸をそのまま使用できる。また、噴霧冷却、転動造粒等
を行うことにより、水分を持ったまま微粒化することも
可能である。
【0039】上記のような本発明の製造方法によって得
られた一般式(5) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸
は、必要に応じて常法により無機塩又は有機塩へと変換
することにより、界面活性剤等の分野において幅広く利
用することができるものである。
【0040】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、低刺激性活
性剤等として極めて有用なN−長鎖アシルアミノ酸又は
その塩、並びにその合成中間体であるアミドニトリル
を、安価な原料を用い、品質良く工業的に有利に製造す
ることができる。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
尚、例中の%は特記しないかぎり重量基準である。
【0042】アミドニトリルの製造法の実施例 実施例1 攪拌機、冷却管、温度計を具備した2リットルの4つ口
丸底フラスコに、β−アミノプロピオニトリル40.0g
(0.56mol)、イオン交換水 750g、20%NaOH水溶液 11
3.5g(0.51mol)を仕込み攪拌した。系内温度を20℃に
保ちながらラウリン酸クロリド 111.2g(0.51mol)を1
時間かけて滴下した。同温度で1時間熟成しラウロイル
−β−アミノプロピオニトリルを含むスラリーを得た。
これを濾過し、減圧乾燥したところ、127.4 gの白色結
晶を得た。ラウロイル−β−アミノプロピオニトリルの
含有量を液体クロマトグラフィーにより定量したとこ
ろ、98%であり、ラウリン酸クロリドに対するモル収率
は97%であった。また、得られた結晶の20%ジメチルホ
ルムアミド溶液の色相はガードナー1以下であった。
【0043】実施例2 攪拌機、冷却管、温度計を具備した2リットルの4つ口
丸底フラスコに、β−アミノプロピオニトリル40.0g
(0.56mol)、イオン交換水 750gを仕込み攪拌した。系
内温度を20℃に保ちながらラウリン酸クロリド111.2 g
(0.51mol) 及び20%NaOH水溶液 113.5g(0.51mol) を同
時に1時間かけて滴下した。同温度で1時間熟成しラウ
ロイル−β−アミノプロピオニトリルを含むスラリーを
得た。これを濾過し、減圧乾燥したところ、127.4 gの
白色結晶を得た。ラウロイル−β−アミノプロピオニト
リルの含有量を液体クロマトグラフィーにより定量した
ところ、98%であり、ラウリン酸クロリドに対するモル
収率は97%であった。また、得られた結晶の20%ジメチ
ルホルムアミド溶液の色相はガードナー1以下であっ
た。
【0044】実施例3 攪拌機、冷却管、温度計を具備した2リットルの4つ口
丸底フラスコに、β−アミノプロピオニトリル40.0g
(0.56mol) 、イオン交換水 750g、20%NaOH水溶液 11
3.5g(0.51mol)を仕込み攪拌した。系内温度を50℃に
保ちながらラウリン酸クロリド 111.2g(0.51mol)を1
時間かけて滴下した。同温度で1時間熟成しラウロイル
−β−アミノプロピオニトリルを含むスラリーを得た。
これを濾過し、減圧乾燥したところ、 127.4gの白色結
晶を得た。ラウロイル−β−アミノプロピオニトリルの
含有量を液体クロマトグラフィーにより定量したとこ
ろ、90%であり、ラウリン酸クロリドに対するモル収率
は89%であった。また、得られた結晶の20%ジメチルホ
ルムアミド溶液の色相はガードナー1以下であった。
【0045】比較例1 ラウリン酸 100.0g(0.5mol)を攪拌後、冷却管、温度計
を具備した500ml 4つ口丸底フラスコに入れて、50℃で
攪拌した。反応容器内を窒素により置換後、β−アミノ
プロピオニトリル35.0g(0.5mol) を添加し昇温したと
ころ、60℃付近で発熱を伴い、白煙が生じた。5分後フ
ラスコ内の温度は 130℃になっており、フラスコ内は赤
黒色のタール状であった。収率を液体クロマトグラフィ
ーで定量したところ、ラウロイル−β−アミノプロピオ
ニトリルの収率は5%以下であった。
【0046】比較例2 ラウリン酸メチル1072g(5mol)を攪拌機、冷却管、温
度計を具備した5リットルの4つ口丸底フラスコに入れ
攪拌した。反応容器内を窒素により置換後、β−アミノ
プロピオニトリル 350g(5mol)、次いで28%ナトリウ
ムメチラートメタノール溶液48g(0.25mol)を添加し、
90℃で6時間熟成し、ラウロイル−β−アミノプロピオ
ニトリルを得た。ラウリン酸メチルに対するモル収率は
90%であった。また、得られた熟成終了物の20%ジメチ
ルホルムアミド溶液の色相はガードナー6であった。
【0047】N−長鎖アシルアミノ酸塩の製造法の実施
実施例4 攪拌機、冷却管、温度計を具備した2リットルの4つ口
丸底フラスコに、実施例1で得られたラウロイル−β−
アミノプロピオニトリル 127.4g(0.49mol)、イオン交
換水 430g、20%NaOH水溶液 112.0g(0.56mol) を仕込
み攪拌した。90℃で15時間反応させた結果、20.5%のN
−ラウロイル−β−アラニンナトリウム塩水溶液が得ら
れ、ラウロイル−β−アミノプロピオニトリルのN−ラ
ウロイル−β−アラニンナトリウム塩への変換率は95モ
ル%であった。
【0048】実施例5 攪拌機、冷却管、温度計を具備した2リットルの4つ口
丸底フラスコに、実施例1で得られたラウロイル−β−
アミノプロピオニトリル 127.4g(0.49mol) 、イオン交
換水 430g、30%KOH 水溶液 104.7g(0.56mol) を仕込
み攪拌した。90℃で15時間反応させた結果、21.8%のN
−ラウロイル−β−アラニンカリウム塩水溶液が得ら
れ、ラウロイル−β−アミノプロピオニトリルのN−ラ
ウロイル−β−アラニンカリウム塩への変換率は95モル
%であった。
【0049】比較例3 実施例1で得られたラウロイル−β−アミノプロピオニ
トリル(純度98%)37.9g(0.15mol) 、イオン交換水7
2.2g、98%硫酸22.5g(0.23mol) を攪拌機、冷却管、
温度計を具備した500ml 4つ口丸底フラスコに仕込み、
90℃で15時間反応させた。その結果、N−ラウロイル−
β−アラニンは検出されなかった。ラウロイル−β−ア
ミノプロピオニトリルは82モル%未反応で存在し、ジア
ミド(6モル%)、ラウリン酸(7モル%)の生成が認
められた。
【0050】比較例4 98%硫酸の代わりに35%塩酸24.0g (0.23mol)を用いた
以外は比較例3と同様な方法で反応させた。その結果、
N−ラウロイル−β−アラニンは検出されなかった。ラ
ウロイル−β−アミノプロピオニトリルは58モル%未反
応で存在し、ジアミド(16モル%)、ラウリン酸(18モ
ル%)の生成が認められた。
【0051】N−長鎖アシルアミノ酸の製造法の実施例 実施例6 実施例4で得られた20.5%N−ラウロイル−β−アラニ
ンナトリウム塩水溶液500gを攪拌機、冷却管、温度計
を具備した1リットル4つ口丸底フラスコに仕込み、70
℃で35%塩酸54.6g(0.52mol)を1時間かけて滴下し、
pHを1にした。同温度で1時間熟成後、減圧濾過した。
得られたケークを70℃の温水 500gで洗浄し減圧乾燥し
た。得られた結晶の収量は100.1 gであった。白色度93
%、純度93%、ラウリン酸6%であった。ここで白色度
とは、標準白板との色差であり、日本電色工業(株)製
SZ−Σ80を用いて測定した。
【0052】実施例7 実施例5で得られた21.8%N−ラウロイル−β−アラニ
ンカリウム塩水溶液500gを攪拌機、冷却管、温度計を具
備した1リットル4つ口丸底フラスコに仕込み、70℃で
35%塩酸55.1g(0.53mol)を1時間かけて滴下し、pHを
1にした。同温度で1時間熟成してN−ラウロイル−β
−アラニンの結晶を含むスラリーを得た。これを85℃に
昇温すると、N−ラウロイル−β−アラニンが融解し
た。90℃で15分間静置すると、有機層と水層に分層し
た。有機層を分離し、含水N−ラウロイル−β−アラニ
ンを 109.5g得た。これを真空加熱(120 ℃、200mmHg)
により乾燥し、98.6gのN−ラウロイル−β−アラニン
を得た。得られたN−ラウロイル−β−アラニンの白色
度93%、純度96%、ラウリン酸4%であった。
【0053】実施例8 攪拌機、冷却管、温度計を具備した2リットルの4つ口
丸底フラスコに、β−アミノプロピオニトリル40.0g
(0.56mol) 、イオン交換水 750gを仕込み攪拌した。系
内温度を20℃に保ちながらラウリン酸クロリド 111.2g
(0.51mol) 及び20%NaOH水溶液 113.5g(0.51mol) を同
時に1時間かけて滴下した。同温度で1時間熟成しラウ
ロイル−β−アミノプロピオニトリルを含むスラリーを
得た。ラウロイル−β−アミノプロピオニトリルの含有
量を液体クロマトグラフィーにより定量したところ、2
4.1%であり、ラウリン酸クロリドに対するモル収率は9
7%であった。ここで得たスラリーに20%NaOH水溶液 11
2.0g(0.56mol) を添加し、90℃で15時間反応させた結
果、12.2%のN−ラウロイル−β−アラニンナトリウム
塩水溶液が得られ、ラウロイル−β−アミノプロピオニ
トリルのN−ラウロイル−β−アラニンナトリウム塩へ
の変換率は95モル%であった。更にここに35%塩酸87.6
g(0.84mol)を70℃で1時間かけて滴下し、pHを1にし
た。これを同温度で1時間熟成してN−ラウロイル−β
−アラニンの結晶を含むスラリーを得た。これを減圧濾
過後、得られたケークを70℃の温水 500gで洗浄し減圧
乾燥した。得られた結晶の収量は 137.1gであった。白
色度93%、純度93%、ラウリン酸6%であった。
【0054】実施例9 攪拌機、冷却管、温度計を具備した2リットルの4つ口
丸底フラスコに、β−アミノプロピオニトリル40.0g
(0.56mol)、イオン交換水 750gを仕込み攪拌した。系
内温度を20℃に保ちながらラウリン酸クロリド 111.2g
(0.51mol)及び20%NaOH水溶液 113.5g(0.51mol)を同
時に1時間かけて滴下した。同温度で1時間熟成しラウ
ロイル−β−アミノプロピオニトリルを含むスラリーを
得た。ラウロイル−β−アミノプロピオニトリルの含有
量を液体クロマトグラフィーにより定量したところ、2
4.1%であり、ラウリン酸クロリドに対するモル収率は9
7%であった。ここで得たスラリーに20%NaOH水溶液 11
2.0g(0.56mol) を添加し、90℃で15時間反応させた結
果、12.2%のN−ラウロイル−β−アラニンナトリウム
塩水溶液が得られ、ラウロイル−β−アミノプロピオニ
トリルのN−ラウロイル−β−アラニンナトリウム塩へ
の変換率は95モル%であった。更にここに35%塩酸87.6
g(0.84mol) を70℃で1時間かけて滴下し、pHを1にし
た。これを同温度で1時間熟成してN−ラウロイル−β
−アラニンの結晶を含むスラリーを得た。これを85℃に
昇温するとN−ラウロイル−β−アラニンが融解した。
90℃で15分間静置すると、有機層と水層に分層した。有
機層を分離し、含水N−ラウロイル−β−アラニンを 1
52.4g得た。これを真空加熱(120℃、200mmHg)により乾
燥し、 134.1gのN−ラウロイル−β−アラニンを得
た。白色度93%、純度95%、ラウリン酸6%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 255/29 9357−4H // C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1CO- は炭素数8〜22の飽和または不飽和の脂
    肪酸残基を示し、X はハロゲン原子を示す。)で表され
    る脂肪酸ハライドと一般式(2) 【化2】 (式中、R2はH あるいは炭素数1〜3の直鎖又は分岐の
    アルキル基を示し、R3は炭素数1〜5の直鎖又は分岐の
    アルキレン基を示す。)で表されるアミノニトリルを塩
    基性物質の存在下反応させることを特徴とする、一般式
    (3) 【化3】 (式中、R1,R2,R3は前記の意味を示す。)で表される
    アミドニトリルの製造法。
  2. 【請求項2】 一般式(1) 【化4】 (式中、R1, X は前記の意味を示す。)で表される脂肪
    酸ハライドと一般式(2) 【化5】 (式中、R2, R3は前記の意味を示す。)で表されるアミ
    ノニトリルを塩基性物質の存在下反応させ、一般式(3) 【化6】 (式中、R1,R2,R3は前記の意味を示す。)で表される
    アミドニトリルを得、次いで塩基性物質の存在下加水分
    解することを特徴とする一般式(4) で表されるN−長鎖
    アシルアミノ酸塩の製造法。 【化7】 (式中、R1,R2及びR3は前記の意味を示し、M は陽イオ
    ンを示す。)
  3. 【請求項3】 R2がH 又はCH3-であり、R3が-CH2CH2-で
    ある請求項1又は2記載の製造法。
  4. 【請求項4】 塩基性物質がアルカリ金属あるいはアル
    カリ土類金属の水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩である請
    求項1又は2記載の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の製造法で得られた一般式
    (4) で表されるN−長鎖アシルアミノ酸塩の水溶液を鉱
    酸でpH1〜5に調整し、得られたN−長鎖アシルアミノ
    酸を分離することを特徴とする一般式(5) で表されるN
    −長鎖アシルアミノ酸の製造法。 【化8】 (式中、R1, R2及びR3は前記の意味を示す。)
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