JPH0751539B2 - 2,6‐ジハロアニリン誘導体の製造方法 - Google Patents
2,6‐ジハロアニリン誘導体の製造方法Info
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- JPH0751539B2 JPH0751539B2 JP62277205A JP27720587A JPH0751539B2 JP H0751539 B2 JPH0751539 B2 JP H0751539B2 JP 62277205 A JP62277205 A JP 62277205A JP 27720587 A JP27720587 A JP 27720587A JP H0751539 B2 JPH0751539 B2 JP H0751539B2
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般式(I): (式中、Rは水素原子、直鎖もしくは分枝したアルキル
基または置換もしくは無置換芳香族基、およびXはハロ
ゲン原子を表わす)で示される2,6−ジハロアニリン誘
導体の製造方法に関する。さらに詳しくは、2,2,6,6−
テトラハロシクロヘキサンイミン誘導体を脱ハロゲン化
水素せしめて2,6−ジハロアニリン誘導体を製造する新
規な方法に関する。
基または置換もしくは無置換芳香族基、およびXはハロ
ゲン原子を表わす)で示される2,6−ジハロアニリン誘
導体の製造方法に関する。さらに詳しくは、2,2,6,6−
テトラハロシクロヘキサンイミン誘導体を脱ハロゲン化
水素せしめて2,6−ジハロアニリン誘導体を製造する新
規な方法に関する。
2,6−ジハロアニリン誘導体は医薬品や農薬として有用
であり、とくに一般式(II): (式中、R1は低級アルキル基、低級アルコキシ基、原子
番号35までのハロゲン原子、あるいはトリフルオロメチ
ル基を表わし、R2とR3とはそれぞれ水素原子、低級アル
キル基、低級アルコキシ基、あるいは原子番号35までの
ハロゲン原子を表わし、R4は水素原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、原子番号35までのハロゲン原子
あるいはトリフルオロメチル基を表わし、R5とR6とはそ
れぞれ水素原子、低級アルキル基またはベンジン基を表
わす)で示される置換フェニル酢酸の中間体として有用
である(特公昭42−23418号公報参照)。
であり、とくに一般式(II): (式中、R1は低級アルキル基、低級アルコキシ基、原子
番号35までのハロゲン原子、あるいはトリフルオロメチ
ル基を表わし、R2とR3とはそれぞれ水素原子、低級アル
キル基、低級アルコキシ基、あるいは原子番号35までの
ハロゲン原子を表わし、R4は水素原子、低級アルキル
基、低級アルコキシ基、原子番号35までのハロゲン原子
あるいはトリフルオロメチル基を表わし、R5とR6とはそ
れぞれ水素原子、低級アルキル基またはベンジン基を表
わす)で示される置換フェニル酢酸の中間体として有用
である(特公昭42−23418号公報参照)。
2,6−ジハロアニリン誘導体は、従来から知られている
種々の手順にしたがって合成される。たとえば、N−ア
セチルスルファニルクロリドをハロゲン化して2,6−ジ
ハロ−N−アセチルスルファニルクロリドをえ、えられ
た2,6−ジハロ−N−アセチルスルファニルクロリドを
加水分解により、脱スルホン酸および脱酢酸して2,6−
ジハロアニリンへ誘導し、さらにえられた2,6−ジハロ
アニリンとヨードベンゼン、ブロモベンゼンなどのハロ
ゲン化物とを銅粉末および炭酸カリウムの存在下に高温
でウルマン反応により縮合させて、2,6−ジハロアニリ
ン誘導体をうる方法が開示されている(特公昭42−2341
8号公報参照)。この方法においては、2,6−ジハロアニ
リンをうるのに数工程を必要とするので収率低下、廃棄
物が多くなるという問題点、または2,6−ジハロアニリ
ン誘導体をうるためには高価なヨード化合物を必要とす
るので製品のコストが高くなるという問題点、ブロモ化
合物を用いたばあいには2−ハロ−6−ブロモアニリン
誘導体が副生するので、その分離および精製に多大の労
力を要するという問題点などがある。
種々の手順にしたがって合成される。たとえば、N−ア
セチルスルファニルクロリドをハロゲン化して2,6−ジ
ハロ−N−アセチルスルファニルクロリドをえ、えられ
た2,6−ジハロ−N−アセチルスルファニルクロリドを
加水分解により、脱スルホン酸および脱酢酸して2,6−
ジハロアニリンへ誘導し、さらにえられた2,6−ジハロ
アニリンとヨードベンゼン、ブロモベンゼンなどのハロ
ゲン化物とを銅粉末および炭酸カリウムの存在下に高温
でウルマン反応により縮合させて、2,6−ジハロアニリ
ン誘導体をうる方法が開示されている(特公昭42−2341
8号公報参照)。この方法においては、2,6−ジハロアニ
リンをうるのに数工程を必要とするので収率低下、廃棄
物が多くなるという問題点、または2,6−ジハロアニリ
ン誘導体をうるためには高価なヨード化合物を必要とす
るので製品のコストが高くなるという問題点、ブロモ化
合物を用いたばあいには2−ハロ−6−ブロモアニリン
誘導体が副生するので、その分離および精製に多大の労
力を要するという問題点などがある。
本発明は、医薬や農薬の中間体として非常に有用な2,6
−ジハロアニリン誘導体を安価な原料を用いて短い工程
でしかも高収率かつ高純度で製造する非常にすぐれた方
法を提供することを目的とする。
−ジハロアニリン誘導体を安価な原料を用いて短い工程
でしかも高収率かつ高純度で製造する非常にすぐれた方
法を提供することを目的とする。
しかして本発明者らは、従来技術の問題点に鑑み鋭意検
討した結果、2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサンイミ
ン誘導体を脱ハロゲン化水素せしめると2,6−ジハロア
ニリン誘導体がえられ、とくに溶媒としてN,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのア
ミド類、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、シアノベン
ゼン、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの脂肪族
ニトリル化合物、ジメチルスルホキシドなどのアプロテ
ィック極性溶媒を用いたばあいには、効率よく脱ハロゲ
ン化水素反応が進むことを見出し本発明を完成するに至
った。
討した結果、2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサンイミ
ン誘導体を脱ハロゲン化水素せしめると2,6−ジハロア
ニリン誘導体がえられ、とくに溶媒としてN,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのア
ミド類、クロロベンゼン、ニトロベンゼン、シアノベン
ゼン、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの脂肪族
ニトリル化合物、ジメチルスルホキシドなどのアプロテ
ィック極性溶媒を用いたばあいには、効率よく脱ハロゲ
ン化水素反応が進むことを見出し本発明を完成するに至
った。
すなわち本発明は、2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサ
ンイミン誘導体を触媒の存在下または不存在下で脱ハロ
ゲン化水素せしめることを特徴とする一般式(I): (式中、Rは水素原子、直鎖もしくは分枝したアルキル
基または置換もしくは無置換芳香族基、およびXはハロ
ゲン原子を表わす)で示される2,6−ジハロアニリン誘
導体の製造方法に関する。
ンイミン誘導体を触媒の存在下または不存在下で脱ハロ
ゲン化水素せしめることを特徴とする一般式(I): (式中、Rは水素原子、直鎖もしくは分枝したアルキル
基または置換もしくは無置換芳香族基、およびXはハロ
ゲン原子を表わす)で示される2,6−ジハロアニリン誘
導体の製造方法に関する。
本発明の出発原料として用いられる2,2,6,6−テトラハ
ロシクロヘキサンイミン誘導体は、いずれも安価な原料
で容易に入手可能であるシクロヘキサノンのハロゲン化
により容易にえられる2,2,6,6−テトラハロシクロヘキ
サノンと第1アミンまたはアンモニアとの脱水縮合によ
り容易にえられる。また、2,2,6,6−テトラハロシクロ
ヘキサノンのハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子またはヨウ素原子などである。
ロシクロヘキサンイミン誘導体は、いずれも安価な原料
で容易に入手可能であるシクロヘキサノンのハロゲン化
により容易にえられる2,2,6,6−テトラハロシクロヘキ
サノンと第1アミンまたはアンモニアとの脱水縮合によ
り容易にえられる。また、2,2,6,6−テトラハロシクロ
ヘキサノンのハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子またはヨウ素原子などである。
本発明の目的化合物である2,6−ジハロアニリン誘導体
は、出発原料である2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサ
ンイミン誘導体を触媒、とくに塩基触媒または熱分解に
より反応式: (式中、Rは水素原子、直鎖もしくは分枝したアルキル
基または置換もしくは無置換芳香族基、およびXはハロ
ゲン原子を表わす)で示されるように脱ハロゲン化水素
せしめることによりえられる。
は、出発原料である2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサ
ンイミン誘導体を触媒、とくに塩基触媒または熱分解に
より反応式: (式中、Rは水素原子、直鎖もしくは分枝したアルキル
基または置換もしくは無置換芳香族基、およびXはハロ
ゲン原子を表わす)で示されるように脱ハロゲン化水素
せしめることによりえられる。
前記塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土
類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
マグネシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ金属また
はアルカリ土類金属の炭酸塩;酸化マグネシウム、酸化
カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属
の酸化物;トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアニ
リン、アニリンなどの有機塩基であるアミン類を例示す
ることができる。適当な塩基触媒を用いたばあいには反
応はより一層温和な条件で高選択性で進行する。用いる
触媒の添加量は2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサンイ
ミンに1モルに対して1.0〜2.4モルであるのが好まし
く、また反応時間は2〜8時間の範囲内であるのが好ま
しい。このときの反応温度は50〜120℃であるのが好ま
しい。
ウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物;水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土
類金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸
マグネシウム、炭酸カルシウムなどのアルカリ金属また
はアルカリ土類金属の炭酸塩;酸化マグネシウム、酸化
カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属
の酸化物;トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアニ
リン、アニリンなどの有機塩基であるアミン類を例示す
ることができる。適当な塩基触媒を用いたばあいには反
応はより一層温和な条件で高選択性で進行する。用いる
触媒の添加量は2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサンイ
ミンに1モルに対して1.0〜2.4モルであるのが好まし
く、また反応時間は2〜8時間の範囲内であるのが好ま
しい。このときの反応温度は50〜120℃であるのが好ま
しい。
また、本発明は無触媒下であっても熱分解によって効率
よく脱ハロゲン化水素せしめることができる。このとき
の反応温度は好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは9
0〜130℃であるのがよい。たとえば、2,2,6,6−テトラ
ハロシクロヘキサンイミン誘導体のハロゲン原子が、塩
素原子であるばあい、反応温度が50℃未満では全く反応
が起こらず、150℃をこえるばあい急激に副反応が多く
なり、1分子あたり塩素原子が3個脱離して2−クロロ
アニリン誘導体が生ずる。この副生成物は目的物との分
離が困難で、分離精製するためには大幅な収率の低下を
まぬがれない。また、反応温度が90℃未満では反応速度
が遅く130℃をこえるばあいには副反応が多くなる傾向
にある。このばあい2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサ
ンイミン誘導体または生成物である2,6−ジハロアニリ
ン誘導体自身の触媒作用、すなわち2,6−ジハロアニリ
ン誘導体自身がアミンであり塩基性であるため有機塩基
触媒として作用することによって脱ハロゲン化水素が促
進されているものと考えられる。
よく脱ハロゲン化水素せしめることができる。このとき
の反応温度は好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは9
0〜130℃であるのがよい。たとえば、2,2,6,6−テトラ
ハロシクロヘキサンイミン誘導体のハロゲン原子が、塩
素原子であるばあい、反応温度が50℃未満では全く反応
が起こらず、150℃をこえるばあい急激に副反応が多く
なり、1分子あたり塩素原子が3個脱離して2−クロロ
アニリン誘導体が生ずる。この副生成物は目的物との分
離が困難で、分離精製するためには大幅な収率の低下を
まぬがれない。また、反応温度が90℃未満では反応速度
が遅く130℃をこえるばあいには副反応が多くなる傾向
にある。このばあい2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサ
ンイミン誘導体または生成物である2,6−ジハロアニリ
ン誘導体自身の触媒作用、すなわち2,6−ジハロアニリ
ン誘導体自身がアミンであり塩基性であるため有機塩基
触媒として作用することによって脱ハロゲン化水素が促
進されているものと考えられる。
前記2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサンイミン誘導体
は塩基または熱により脱ハロゲン化水素せしめられキノ
ン構造をとったのち、プロトトロピーにより2,6−ジハ
ロアニリン誘導体となる。2,2,6,6−テトラハロシクロ
ヘキサンイミン誘導体は立体的に非常に混み合ってお
り、水の存在下では加水分解しやすいので非水系で反応
が行なわれるのが好ましい。しかしながら、反応に溶媒
を用いるばあい極性溶媒を用いた方が脱ハロゲン化水素
しやすいため、反応前に加水分解を防止するために溶媒
を充分乾燥させておく必要がある。
は塩基または熱により脱ハロゲン化水素せしめられキノ
ン構造をとったのち、プロトトロピーにより2,6−ジハ
ロアニリン誘導体となる。2,2,6,6−テトラハロシクロ
ヘキサンイミン誘導体は立体的に非常に混み合ってお
り、水の存在下では加水分解しやすいので非水系で反応
が行なわれるのが好ましい。しかしながら、反応に溶媒
を用いるばあい極性溶媒を用いた方が脱ハロゲン化水素
しやすいため、反応前に加水分解を防止するために溶媒
を充分乾燥させておく必要がある。
本発明において用いられる溶媒は脱ハロゲン化水素反応
において非常に重要な因子である。溶媒の具体例として
はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの脂肪族アミ
ド;クロロベンゼン、ニトロベンゼン、シアノベンゼ
ン、アニソールなどの芳香族極性溶媒;アセトニトリ
ル、プロピオニトリルのような脂肪族ニトリル;ジメチ
ルスルホキシドなどのアプロティック極性溶媒を例示す
ることができる。本発明は溶媒を用いることなく溶融状
態として反応させることができるが、温度制御のしやす
さ、反応の選択性や収率を向上させるために一般には有
機溶媒中で行う。
において非常に重要な因子である。溶媒の具体例として
はN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、ヘキサメチルホスホニルアミドなどの脂肪族アミ
ド;クロロベンゼン、ニトロベンゼン、シアノベンゼ
ン、アニソールなどの芳香族極性溶媒;アセトニトリ
ル、プロピオニトリルのような脂肪族ニトリル;ジメチ
ルスルホキシドなどのアプロティック極性溶媒を例示す
ることができる。本発明は溶媒を用いることなく溶融状
態として反応させることができるが、温度制御のしやす
さ、反応の選択性や収率を向上させるために一般には有
機溶媒中で行う。
以下に本発明を製造例および実施例にもとづいてさらに
詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるも
のではない。
詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるも
のではない。
製造例1 1容ガラス製反応器に2,2,6,6−テトラクロロシクロ
ヘキサノン90g(0.39モル)、トルエン200gおよび四塩
化チタン81g(0.43モル)を入れ、氷浴中で5℃に冷却
し、撹拌しながら、この溶液にアニリン145g(1.56モ
ル)を徐々に滴下した。その際反応温度が5〜20℃にな
るようにアニリンの滴下速度を調節した。アニリンの滴
下終了後、室温で2時間熟成を行なった。反応終了後、
反応液を300gの冷水(10℃)中に撹拌しながら移し、四
塩化チタンを加水分解した。トルエン層と水層とに分離
した反応液のうちトルエン層を減圧下で濃縮して黒色固
形物120gをえた。この固形物をメタノール中で再結晶さ
せることにより黄色針状晶のN−フェニル−2,2,6,6−
テトラクロロシクロヘキサンイミン108gをえた(収率:8
9.6%、mp:71.8〜72.6℃)。1H−NMR,IRおよび元素分析
による分析結果を以下に示す。1 H−NMR(溶媒:CDCl3、内部標準:TMS) IR(KBr錠剤) νN-C:1665(cm-1) 元素分析 C(%) H(%) N(%) Cl(%) 実測値 46.29 3.47 4.51 45.38 理論値 46.34 3.57 4.50 45.59 実施例1 1容ガラス製反応器に製造例1でえられたN−フェニ
ル−2,2,6,6−テトラクロロシクロヘキサンイミン100g
(0.32モル)およびクロロベンゼン500gを入れ、撹拌し
ながら油浴中で加熱した。その際反応温度が100℃にな
るように制御しながら5時間反応させた。反応後、25℃
まで冷却し、10%水酸化ナトリウム水溶液300gを用いて
洗浄したのち有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減
圧下でクロロベンゼンを留去して黒色固形状のN−フェ
ニル−2,6−ジクロロアニリン64.7gをえた(収率:85
%、mp:49.5〜50.7℃)。また、えられたN−フェニル
−2,6−ジクロロアニリンの純度は、ガスクロマトグラ
フィーによって測定したところ92.1%であり、以下に述
べる実施例においても同様の方法で測定した。
ヘキサノン90g(0.39モル)、トルエン200gおよび四塩
化チタン81g(0.43モル)を入れ、氷浴中で5℃に冷却
し、撹拌しながら、この溶液にアニリン145g(1.56モ
ル)を徐々に滴下した。その際反応温度が5〜20℃にな
るようにアニリンの滴下速度を調節した。アニリンの滴
下終了後、室温で2時間熟成を行なった。反応終了後、
反応液を300gの冷水(10℃)中に撹拌しながら移し、四
塩化チタンを加水分解した。トルエン層と水層とに分離
した反応液のうちトルエン層を減圧下で濃縮して黒色固
形物120gをえた。この固形物をメタノール中で再結晶さ
せることにより黄色針状晶のN−フェニル−2,2,6,6−
テトラクロロシクロヘキサンイミン108gをえた(収率:8
9.6%、mp:71.8〜72.6℃)。1H−NMR,IRおよび元素分析
による分析結果を以下に示す。1 H−NMR(溶媒:CDCl3、内部標準:TMS) IR(KBr錠剤) νN-C:1665(cm-1) 元素分析 C(%) H(%) N(%) Cl(%) 実測値 46.29 3.47 4.51 45.38 理論値 46.34 3.57 4.50 45.59 実施例1 1容ガラス製反応器に製造例1でえられたN−フェニ
ル−2,2,6,6−テトラクロロシクロヘキサンイミン100g
(0.32モル)およびクロロベンゼン500gを入れ、撹拌し
ながら油浴中で加熱した。その際反応温度が100℃にな
るように制御しながら5時間反応させた。反応後、25℃
まで冷却し、10%水酸化ナトリウム水溶液300gを用いて
洗浄したのち有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減
圧下でクロロベンゼンを留去して黒色固形状のN−フェ
ニル−2,6−ジクロロアニリン64.7gをえた(収率:85
%、mp:49.5〜50.7℃)。また、えられたN−フェニル
−2,6−ジクロロアニリンの純度は、ガスクロマトグラ
フィーによって測定したところ92.1%であり、以下に述
べる実施例においても同様の方法で測定した。
また、えられたN−フェニル−2,6−ジクロロアニリン
をメタノール中で再結晶により精製したのち1H−NMR,IR
および元素分析した結果を以下に示す。1 H−NMR(溶媒:CDCl3、内部標準:TMS) δppm:7.53〜6.55(8H、m、核)、5.83(1H、S、NH) IR(KBr錠剤) νNH 3380(cm-1) 元素分析 C(%) H(%) N(%) Cl(%) 実測値 60.53 3.81 5.88 29.78 理論値 60.48 3.89 5.92 29.70 以下の実施例2〜29でえられたN−フェニル−2,6−ジ
クロロアニリンについても実施例1と同様の分析結果が
えられた。
をメタノール中で再結晶により精製したのち1H−NMR,IR
および元素分析した結果を以下に示す。1 H−NMR(溶媒:CDCl3、内部標準:TMS) δppm:7.53〜6.55(8H、m、核)、5.83(1H、S、NH) IR(KBr錠剤) νNH 3380(cm-1) 元素分析 C(%) H(%) N(%) Cl(%) 実測値 60.53 3.81 5.88 29.78 理論値 60.48 3.89 5.92 29.70 以下の実施例2〜29でえられたN−フェニル−2,6−ジ
クロロアニリンについても実施例1と同様の分析結果が
えられた。
実施例2 実施例1において、触媒として炭酸ナトリウム40g(0.3
8モル)を用い反応温度を95℃に制御したほかは、実施
例1と同様にして反応を行ない、N−フェニル−2,6−
ジクロロアニリン66.3gをえた(収率:87%、純度:95.1
%)。実施例3〜10 実施例2においてクロロベンゼンのかわりに第1表に示
す溶媒を500g用いたほかは実施例2と同様に反応を行な
い、N−フェニル−2,6−ジクロロアニリンをえた。そ
れぞれの収率および純度の測定結果を第1表に示す。
8モル)を用い反応温度を95℃に制御したほかは、実施
例1と同様にして反応を行ない、N−フェニル−2,6−
ジクロロアニリン66.3gをえた(収率:87%、純度:95.1
%)。実施例3〜10 実施例2においてクロロベンゼンのかわりに第1表に示
す溶媒を500g用いたほかは実施例2と同様に反応を行な
い、N−フェニル−2,6−ジクロロアニリンをえた。そ
れぞれの収率および純度の測定結果を第1表に示す。
実施例11〜24 実施例6において炭酸ナトリウムのかわりに第2表に示
す触媒を同表に示す量用いたほかは実施例6と同様にし
て反応を行ないN−フェニル2,6−ジクロロアニリンを
えた。それぞれの収率および純度の測定結果を第2表に
示す。
す触媒を同表に示す量用いたほかは実施例6と同様にし
て反応を行ないN−フェニル2,6−ジクロロアニリンを
えた。それぞれの収率および純度の測定結果を第2表に
示す。
実施例25〜29 実施例1において反応温度を100℃とするかわりに第3
表に示す反応温度としたほかは実施例1と同様にして反
応を行ない、N−フェニル−2,6−ジクロロアニリンを
えた。それぞれの収率および純度の測定結果を第3表に
示す。
表に示す反応温度としたほかは実施例1と同様にして反
応を行ない、N−フェニル−2,6−ジクロロアニリンを
えた。それぞれの収率および純度の測定結果を第3表に
示す。
実施例30〜34 実施例1においてN−フェニル2,2,6,6−テトラクロロ
シクロヘキサンイミンのかわりに第4表に示す2,2,6,6
−テトラハロシクロヘキサンイミン誘導体を用いたほか
は実施例1と同様の方法にしたがって反応を行ない、そ
れぞれの2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサンイミン誘
導体から誘導される2,6−ジハロアニリン誘導体をえ
た。それぞれの2,6−ジハロアニリン誘導体の構造式、
収率および純度の測定結果を第4表に示す。
シクロヘキサンイミンのかわりに第4表に示す2,2,6,6
−テトラハロシクロヘキサンイミン誘導体を用いたほか
は実施例1と同様の方法にしたがって反応を行ない、そ
れぞれの2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサンイミン誘
導体から誘導される2,6−ジハロアニリン誘導体をえ
た。それぞれの2,6−ジハロアニリン誘導体の構造式、
収率および純度の測定結果を第4表に示す。
〔発明の効果〕 本発明は医薬や農薬の中間体として非常に有用な2,6ジ
ハロアニリン誘導体を安価な原料を用いて短い工程でし
かも高収率かつ高純度で製造しうるという効果を奏す
る。
ハロアニリン誘導体を安価な原料を用いて短い工程でし
かも高収率かつ高純度で製造しうるという効果を奏す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 229/42 // B01J 23/02 27/232 31/02 102 C07B 61/00 300
Claims (6)
- 【請求項1】2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサンイミ
ン誘導体を触媒の存在下または不存在下で脱ハロゲン化
水素せしめることを特徴とする一般式(I): (式中、Rは水素原子、直鎖もしくは分枝したアルキル
基または置換もしくは無置換芳香族基、およびXはハロ
ゲン原子を表わす)で示される2,6−ジハロアニリン誘
導体の製造方法。 - 【請求項2】脱ハロゲン化水素を熱分解によって行なう
特許請求の範囲第1項記載の2,6−ジハロアニリン誘導
体の製造方法。 - 【請求項3】触媒が塩基触媒である特許請求の範囲第1
項記載の2,6−ジハロアニリン誘導体の製造方法。 - 【請求項4】塩基触媒がアルカリ金属またはアルカリ土
類金属の炭酸塩、酸化物および水酸化物ならびに有機塩
基からなる群より選ばれた少なくとも1種である特許請
求の範囲第3項記載の2,6−ジハロアニリン誘導体の製
造方法。 - 【請求項5】2,2,6,6−テトラハロシクロヘキサンイミ
ン誘導体のハロゲン原子がフッ素原子、塩素原子、臭素
原子またはヨウ素原子である特許請求の範囲第1項、第
2項、第3項または第4項記載の2,6−ジハロアニリン
誘導体の製造方法。 - 【請求項6】溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、クロロベンゼン、ニトロ
ベンゼン、シアノベンゼン、アセトニトリル、プロピオ
ニトリルまたはジメチルスルホキシドを用いる特許請求
の範囲第1項、第2項、第3項、第4項または第5項記
載の2,6−ジハロアニリン誘導体の製造方法。
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---|---|---|---|
JP62277205A JPH0751539B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | 2,6‐ジハロアニリン誘導体の製造方法 |
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US07/228,134 US4908479A (en) | 1987-10-30 | 1988-08-03 | N-phenyl-2,2,6,6-tetrahalocyclohexaneimine |
DE8888112590T DE3880072T2 (de) | 1987-10-30 | 1988-08-03 | N-phenyl-2,2,6,6-tetrahalogencyclohexanimin und verfahren zur herstellung von derivaten des 2,2,6,6-tetrahalogencyclohexanimins und von derivaten des 2,6-dihalogenanilins. |
KR1019880010235A KR950005770B1 (ko) | 1987-10-30 | 1988-08-10 | N-페닐-2,2,6,6-테트라할로사이크로 헥산이민 및 2,2,6,6-테트라할로사이크로 헥산이민 유도체 및 2,6-디할로아닐린 유도체의 제조방법 |
US07/427,390 US5001264A (en) | 1987-10-30 | 1989-10-27 | N-phenyl-2,2,6,6-tetrahalocyclohexaneimine and processes for preparing 2,2,6,6-tetrahalocyclohexaneimine derivative and 2,6-dihaloaniline derivative |
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JP62277205A JPH0751539B2 (ja) | 1987-10-30 | 1987-10-30 | 2,6‐ジハロアニリン誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0751539B2 true JPH0751539B2 (ja) | 1995-06-05 |
Family
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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-
1987
- 1987-10-30 JP JP62277205A patent/JPH0751539B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH01117849A (ja) | 1989-05-10 |
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