JP2001181250A - リンゴ酸誘導体およびその製造方法 - Google Patents

リンゴ酸誘導体およびその製造方法

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JP2001181250A
JP2001181250A JP36613499A JP36613499A JP2001181250A JP 2001181250 A JP2001181250 A JP 2001181250A JP 36613499 A JP36613499 A JP 36613499A JP 36613499 A JP36613499 A JP 36613499A JP 2001181250 A JP2001181250 A JP 2001181250A
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acid
malic acid
branched alkyl
group
salts
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JP36613499A
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Akinori Nagatomo
昭憲 長友
Masaru Wada
勝 和田
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄剤原料として有用なリンゴ酸アミド誘導
体を高収率、高純度で製造できる方法およびその合成中
間体を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖のアル
キル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基であ
り、Aは水素原子または炭素数1〜6の直鎖または分岐
鎖のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、Mは水
素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウ
ムまたは有機アミン)で表されるで表されるO−アセチ
ルリンゴ酸アミド誘導体を中間体として得、該中間体を
加水分解する一般式(5) 【化2】 (但し、R、A及びMは前記と同様)で表されるリンゴ
酸アミド誘導体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リンゴ酸誘導体の
製造方法に関する。更に詳細には、洗浄剤用界面活性剤
として用いられるリンゴ酸アルキルアミドおよびその合
成中間体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、洗浄剤として用いられる界面活性
剤は環境への負荷を低減すべく、生分解性や安全性が高
く、皮膚や眼に対して刺激の低い化合物が望まれてい
る。これらの要求を満足するものとして、アシル化アミ
ノ酸、イミダゾリン系活性剤、アルキルリン酸エステル
塩、ベタイン型活性剤、糖系活性剤など様々な界面活性
剤が開発されてきた。しかし、これらの界面活性剤は環
境適合性、安全性に優れる反面、起泡性、洗浄性が不充
分であった。
【0003】近年、皮膚刺激性が少なく、肌マイルド性
であり、泡立ち、泡質、すすぎ時のさっぱり感に優れた
洗浄剤組成物としてヒドロキシアミドカルボン酸または
その塩を含有したものが開発されている(特開平8−2
91123、特開平10−121090)。しかしなが
ら、ヒドロキシアミドカルボン酸の工業的製造方法が未
だ確立されていない。即ち、通常、アミンとヒドロキシ
ジカルボン酸(例えばリンゴ酸)とを、無溶媒、または
適当な溶媒を用いて反応させてヒドロキシジカルボン酸
イミド(例えばリンゴ酸イミド)を得た後、部分加水分
解する事によりヒドロキシアミドカルボン酸(例えばリ
ンゴ酸アミド)を得る事が出来るが、選択率、収率とも
に満足できる数字ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、洗浄
剤用界面活性剤として有用なアミドカルボン酸(リンゴ
酸アミド誘導体)を高収率、高純度で得る事の出来る製
造方法を提供する事である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、原料リンゴ酸を無水酢酸
と反応させて酸無水物を製造する際、反応溶媒として酢
酸を用いると温和な条件で、O−アセチルリンゴ酸無水
物が生成し、アミンと反応させる事により定量的に一般
式(1)のO−アセチルリンゴ酸アミド誘導体が得られ
る事を見出し、さらに該誘導体を加水分解する事によ
り、高収率で、高純度のリンゴ酸アミド誘導体が得られ
る事を見出し本発明を完成するに至った。即ち、本発明
は 1. 一般式(1)
【0006】
【化7】
【0007】(但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または
分岐鎖のアルキル基、アルケニル基または、ヒドロキシ
アルキル基であり、Aは水素原子または炭素数1〜6の
直鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはヒドロキシアル
キル基、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アンモニウムまたは有機アミン)で表されるO−ア
セチルリンゴ酸アミド誘導体。
【0008】2. 式(2)
【0009】
【化8】
【0010】(但し、Mは水素原子、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、アンモニウムまたは有機アミン)で表
されるO−アセチルリンゴ酸ラウリルアミド。
【0011】3. 酢酸溶媒中、リンゴ酸を無水酢酸と
反応させて式(3)
【0012】
【化9】
【0013】で表される酸無水物を形成した後、一般式
(4)
【0014】
【化10】
【0015】(但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または
分岐鎖のアルキル基、アルケニル基またはヒドロキシア
ルキル基であり、Aは水素または炭素数1〜6の直鎖ま
たは分岐鎖のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル
基)で表されるアミンを反応させる事を特徴とする一般
式(1)
【0016】
【化11】
【0017】(但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または
分岐鎖のアルキル基、アルケニル基またはヒドロキシア
ルキル基であり、Aは水素原子または炭素数1〜6の直
鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはヒドロキシアルキ
ル基、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アンモニウムまたは有機アミン)で表されるO−ア
セチルリンゴ酸アミド誘導体の製造方法。
【0018】4. 一般式(1)で表されるO−アセチ
ルリンゴ酸アミド誘導体を加水分解する事を特徴とする
一般式(5)
【0019】
【化12】
【0020】(但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または
分岐鎖のアルキル基、アルケニル基またはヒドロキシア
ルキル基であり、Aは水素原子または炭素数1〜6の直
鎖または分岐鎖のアルキル基もしくはヒドロキシアルキ
ル基、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
属、アンモニウムまたは有機アミン)で表されるリンゴ
酸アミド誘導体の製造方法。
【0021】からなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳述
する。
【0023】本発明の一般式(1)で表されるO−アセ
チルリンゴ酸アミド誘導体の具体例としては、O−アセ
チルリンゴ酸−モノ−オクチルアミドおよびその塩、O
−アセチルリンゴ酸−モノ−2−エチルヘキシルアミド
およびその塩、O−アセチルリンゴ酸−モノ−デシルア
ミドおよびその塩、O−アセチルリンゴ酸−モノ−ラウ
リルアミドおよびその塩、O−アセチルリンゴ酸−モノ
−テトラデシルアミドおよびその塩、O−アセチルリン
ゴ酸−モノ−ヘキサデシルアミドおよびその塩、O−ア
セチルリンゴ酸−モノ−オクタデシルアミドおよびその
塩、O−アセチルリンゴ酸−モノ−ベヘニルアミドおよ
びその塩、O−アセチルリンゴ酸−モノ−オクチルメチ
ルアミドおよびその塩、O−アセチルリンゴ酸−モノ−
デシルメチルアミドおよびその塩、O−アセチルリンゴ
酸−モノ−ドデシルメチルアミドおよびその塩、O−ア
セチルリンゴ酸−モノ−ドデシルエチルアミドおよびそ
の塩、O−アセチルリンゴ酸−モノ−ドデシルヒドロキ
シエチルアミドおよびその塩、O−アセチルリンゴ酸−
モノ−テトラデシルエチルアミドおよびその塩、O−ア
セチルリンゴ酸−モノ−オクタデシルメチルアミドおよ
びその塩等が挙げられる。塩としてはアルカリ金属塩、
アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有機アミンとの
塩が挙げられ、具体的にはナトリウム塩、カリウム塩、
カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、トリ
エタノールアミン塩等が挙げられる。
【0024】本発明に用いられるリンゴ酸はL体、D体
の光学活性体でもDL体でも良く、これらの混合物でも
構わない。
【0025】本発明の一般式(1)で表されるO−アセ
チルリンゴ酸アミド誘導体の合成中間体である式(3)
で表されるO−アセチルリンゴ酸無水物の製造方法は特
に限定されず、例えば無溶媒でリンゴ酸とアセチルクロ
ライドを反応させる方法、酢酸溶媒中、リンゴ酸と無水
酢酸を反応させる方法等が上げられるが、アセチルクロ
ライドを用いる方法は、過剰のアセチルクロライドを用
いる必要が有る事および副生する塩酸を除去しなければ
次工程のアミンとの反応が阻害されるという問題があ
り、酢酸中、無水酢酸と反応させる方法が好ましい。
【0026】本発明において、リンゴ酸と無水酢酸の反
応の温度は特に限定されないが、通常、−20℃〜10
0℃で行なわれる。これより低い温度では反応速度が遅
く、これより高い温度では一部リンゴ酸のオリゴマーが
生成し、選択率が低下する。
【0027】本発明において、リンゴ酸の仕込み濃度は
特に限定されないが、通常5重量%〜30重量%程度で
行なわれる。これ以下の濃度では容積効率が悪化する。
また、これ以上の高濃度では一部リンゴ酸のオリゴマー
が生成し、選択率が低下する。
【0028】本発明において使用される無水酢酸の量は
特に限定されないが、通常リンゴ酸に対して2〜5倍モ
ル用いられる。これ以下では化学量論量以下となり当然
リンゴ酸の転化率が低下する。また、これ以上に使用し
てもリンゴ酸の転化率、反応速度には影響せず無駄とな
り、経済的でない。
【0029】本発明において用いられる無水酢酸の装入
方法は特に限定されず、一括で装入しても、適当な時間
をかけて滴下装入しても構わない。また、敷き無水酢酸
中にリンゴ酸またはリンゴ酸の溶液を装入しても構わな
い。また、酢酸中に無水酢酸とリンゴ酸またはリンゴ酸
の溶液を同時に滴下装入しても構わない。
【0030】本発明においてリンゴ酸と無水酢酸を反応
させる際、反応速度を向上させる目的で酸触媒を添加す
る事が出来る。塩酸、硫酸、燐酸、酢酸、p−トルエン
スルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸等のプロトン酸や、これらの酸の金属塩に代表
されるルイス酸等が挙げられる。例えばB、Mg、Z
n、Mn、Ni、Fe、Ti、Cu、Al、Snからな
る群から選択される金属の化合物が挙げられる。具体的
には三フッ化ホウ素およびその錯体、酸化マグネシウ
ム、塩化マグネシウム、フッ化マグネシウム、硫酸マグ
ネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、メタ
ンスルホン酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホ
ン酸マグネシウム、酸化亜鉛、塩化亜鉛、フッ化亜鉛、
硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、酢酸亜鉛、メタンスルホン酸亜
鉛、トリフルオロメタンスルホン酸亜鉛、酸化マンガ
ン、塩化マンガン、フッ化マンガン、硫酸マンガン、炭
酸マンガン、酢酸マンガン、メタンスルホン酸マンガ
ン、トリフルオロメタンスルホン酸マンガン、酸化ニッ
ケル、塩化ニッケル、フッ化ニッケル、硫酸ニッケル、
炭酸ニッケル、酢酸ニッケル、メタンスルホン酸ニッケ
ル、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル、酸化鉄
(II)、酸化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄
(III)、フッ化鉄(I I)、フッ化鉄(III)、
硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、炭酸鉄(II)、
炭酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(II
I)、メタンスルホン酸鉄(II)、メタンスルホン酸
鉄(III)、トリフルオロメタンスルホン酸鉄(I
I)、トリフルオロメタンスルホン酸鉄(III)、酸
化チタン(II)、酸化チタン(IV)、塩化チタン
(II)、塩化チタン(IV)、フッ化チタン(I
I)、フッ化チタン(IV)、硫酸チタン(II)、硫
酸チタン(IV)、酢酸チタン(II)、酢酸チタン
(IV)、酸化銅(I)、酸化銅(II)、塩化銅
(I)、塩化銅(II)、フッ化銅(I)、フッ化銅
(II)、硫酸銅(I)、硫酸銅(II)、炭酸銅
(I)、炭酸銅(II)、酢酸銅(I)、酢酸銅(I
I)、メタンスルホン酸銅(I)、メタンスルホン酸銅
(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)、ト
リフルオロメタンスルホン酸銅(II)、酸化アルミニ
ウム、塩化アルミニウム、フッ化アルミニウム、硫酸ア
ルミニウム、炭酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、メ
タンスルホン酸アルミニウム、トリフルオロメタンスル
ホン酸アルミニウム、酸化スズ(II)、酸化スズ(I
V)塩化スズ(II)、塩化スズ(IV)、フッ化スズ
(II)、フッ化スズ(IV)、硫酸スズ(II)、硫
酸スズ(IV)、炭酸スズ(II)、炭酸スズ(I
V)、酢酸スズ(II)、酢酸スズ(IV)、メタンス
ルホン酸スズ(II)、メタンスルホン酸スズ(I
V)、トリフルオロメタンスルホン酸スズ(II)、ト
リフルオロメタンスルホン酸スズ(IV)等が挙げられ
る。これらの中でも特に酸化マグネシウム、塩化マグネ
シウム、フッ化マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸
マグネシウム、酢酸マグネシウム、メタンスルホン酸マ
グネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウ
ム等のマグネシウム系化合物の効果が大きく好ましい。
これらは単独で用いても2種以上を混合して用いても良
い。
【0031】本発明においては酢酸溶媒中でリンゴ酸と
無水酢酸を反応させるが、場合によっては他の有機溶媒
を添加して混合溶媒系で反応しても構わない。具体的に
はベンゼン、トルエン、キシレンに代表される芳香族炭
化水素、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン等に代表される脂肪族炭化水素、塩化メチレン、ジク
ロロエタン、O−ジクロロベンゼンに代表されるハロゲ
ン化炭化水素、ニトロベンゼン等に代表される芳香族ニ
トロ化物、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン等に代表される非プロトン性極性溶媒、
テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、モノグライ
ム、ジグライム等に代表されるエーテル類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルに代表されるエステル類等が挙げられ
る。
【0032】本発明において生成したO−アセチルリン
ゴ酸無水物は一旦単離した後にアミンと反応させても良
いし、単離せずに反応液のままアミンと反応させても良
い。
【0033】本発明において、生成した0−アセチルリ
ンゴ酸無水物に対して反応させる一般式(4)で表され
るアミンの種類は特に限定されないが、直鎖または分岐
のアルキルアミンが好ましい。特に洗浄剤としての性能
を考慮すると炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖のアル
キル基を有する方が好ましい。具体的にはオクチルアミ
ン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシ
ルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、
オクタデシルアミン、ベヘニルアミン等の一級アミン、
オクチルメチルアミン、デシルメチルアミン、ドデシル
メチルアミン、ドデシルエチルアミン、ドデシルヒドロ
キシエチルアミン、テトラデシルエチルアミン、オクタ
デシルメチルアミン、ヘキサデシルルメチルアミン、オ
クタデシルメチルアミン、テトラデシルヒドロキシプロ
ピルアミン等が挙げられる。
【0034】本発明において、一般式(4)で表される
アミンの装入方法は特に限定されない。アミンをそのま
ま滴下装入しても良いし、適当な有機溶媒に溶解させた
溶液を滴下装入しても良い。また、アミンの種類によっ
ては常温で固体のものもあるが、その場合は、溶融させ
た後滴下装入しても良いし、固体のまま添加しても良
い。また、適当な有機溶媒に溶解させた溶液を滴下装入
しても良い。
【0035】本発明において、式(3)で表されるO−
アセチルリンゴ酸無水物と一般式(4)で表されるアミ
ンとの反応温度は特に限定されないが、通常は−20℃
〜100℃で行なわれる。これ以下の温度では反応速度
が著しく遅い。また、これ以上の温度では、副反応のた
めに選択率が低下する。
【0036】本発明の製造方法により製造された一般式
(1)のO−アセチルリンゴ酸アミド誘導体は、反応混
合液から、濃縮、濃縮乾固、再結晶、貧溶媒による再沈
殿等の操作により晶析した後、濾過、遠心分離などの通
常の固液分離操作により取出す事が出来る。
【0037】本発明の製造方法により製造された一般式
(1)のO−アセチルリンゴ酸アミド誘導体は、取出し
た後のウェットケーキのまま次の加水分解工程に用いて
も、一度乾燥した後に加水分解工程に用いても良い。
【0038】本発明において一般式(1)のO−アセチ
ルリンゴ酸アミド誘導体を加水分解して一般式(5)の
リンゴ酸アミド誘導体を得る方法は特に限定されず、 単離したウェットケーキまたは乾燥した粉体を水に懸
濁した後、塩基性条件下で加水分解した後、酸で中和酸
析する方法、 単離したウェットケーキまたは乾燥した粉体を適当な
有機溶媒(メタノール、エタノール、イソプロパノール
等)に溶解した後、塩基性条件下で加水分解した後、ア
ルカリ塩の形で単離する方法、 単離したウェットケーキまたは乾燥した粉体を水に懸
濁した後、塩基性条件下で加水分解した後、アルカリ塩
の形で単離する方法、が採用される。ここで用いられる
塩基としてはアルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属
水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素
塩、アルカリ金属アルコラート、有機アミン等が挙げら
れる。具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ナトリウムメチ
ラート、ナトリウムエチラート、t−ブトキシカリウ
ム、アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリ
メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ト
リエタノールアミン、アニリン、ジメチルアニリン、ジ
エチルアニリン、ピリジン、モルホリン、N−メチルモ
ルホリン等が挙げられる。これらの中でも経済的な観点
から水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウ
ム、炭酸ナトリウム、アンモニア等を使用するのが好ま
しい。
【0039】本発明の一般式(5)で表されるリンゴ酸
アミド誘導体の具体例としては、リンゴ酸−モノ−オク
チルアミドおよびその塩、リンゴ酸−モノ−2−エチル
ヘキシルアミドおよびその塩、リンゴ酸−モノ−デシル
アミドおよびその塩、リンゴ酸−モノ−ラウリルアミド
およびその塩、リンゴ酸−モノ−テトラデシルアミドお
よびその塩、リンゴ酸−モノ−ヘキサデシルアミドおよ
びその塩、ルリンゴ酸−モノ−オクタデシルアミドおよ
びその塩、リンゴ酸−モノ−ベヘニルアミドおよびその
塩、リンゴ酸−モノ−オクチルメチルアミドおよびその
塩、リンゴ酸−モノ−デシルメチルアミドおよびその
塩、リンゴ酸−モノ−ドデシルメチルアミドおよびその
塩、リンゴ酸−モノ−ドデシルエチルアミドおよびその
塩、リンゴ酸−モノ−ドデシルヒドロキシエチルアミド
およびその塩、リンゴ酸−モノ−テトラデシルエチルア
ミドおよびその塩、リンゴ酸−モノ−オクタデシルメチ
ルアミドおよびその塩等が挙げられる。塩としてはアル
カリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、有
機アミンとの塩が挙げられ、具体的にはナトリウム塩、
カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニ
ウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明をより詳細に説明
するが本発明は実施例のみに限定されるものではない。
【0041】尚、O−アセチルリンゴ酸ラウリルアミド
およびリンゴ酸ラウリルアミドは、以下の様な条件での
HPLCにより同定した。
【0042】カラム:ODSカラム 移動相:メタノール/水/PIC※=850/150/
5(pH=3) 検出 :IR ※PIC:イオンペア試薬
【0043】実施例1 リンゴ酸82.1g(0.6モル)、酸化マグネシウム
1.2g、酢酸600gを仕込み、30℃に昇温した
後、同温度で無水酢酸122.4g(1.2モル)を2
0分かけて滴下装入し、同温度で8hr反応させた。酸
無水物化率は80モル%(対リンゴ酸)であった。該反
応マスにラウリルアミン89.0g(0.48モル)を
20分かけて滴下装入し、その後室温で15時間反応さ
せた。反応液をエバポレーターを用いて濃縮し、酢酸を
部分的に留去した後、ヘキサンを添加して晶析を行なっ
た。得られた結晶を濾過、洗浄、乾燥して148.4g
の白色結晶を得た。純度99.9%、収率72.0%
(対リンゴ酸)であった。該結晶をMS、NMR、IR
により構造解析するとO−アセチルリンゴ酸ラウリルア
ミドであった。構造解析の結果は以下の通りであった。 質量分析 MS(EI) m/z=343,301、283 FAB−MS m/z=342(M−H)、300、282 IR 1747cm-1、1716(C=O) 1232(C−O)1 H−NMR(DMSO−d6) 0.85 ( 3H、−CH3) 1.23 (18H,−(CH29−) 1.37 ( 2H、−CH2−) 2.04 ( 3H、−CH3) 2.52〜2.59 ( 1H、−CH2−) 2.68〜2.73 ( 1H、−CH2−) 3.02 ( 2H、−CH2−) 3.56 ( 1H、−CH<) 8.03 ( 1H、−NH−) 13C−NMR 14.0 (−CH3) 20.7 (−CH3) 22.1〜32.3 (−CH2−) 36.6 (−CH2−) 168.1 (>C=O) 169.6 (>C=O) 170.9 (>C=O)
【0044】実施例2 使用する無水酢酸の量を153g(1.5モル)に増や
した以外は実施例1と全く同様の操作を行なった。酸無
水物化率は94.2%(対リンゴ酸)であった。該反応
マスにラウリルアミン104.5g(0.564モル)
を20分かけて滴下装入し、その後40℃で3時間反応
させた。反応液をエバポレーターを用いて濃縮し、酢酸
を部分的に留去した後、ヘキサンを添加して晶析を行な
った。得られた結晶を濾過、洗浄、乾燥して184.7
8gの白色結晶を得た。純度99.9%、収率89.7
%(対リンゴ酸)であった。
【0045】実施例3 実施例1で得られたO−アセチルリンゴ酸ラウリルアミ
ド68.6g(0.2モル)を水350gに懸濁し、4
9重量%NaOH32.7g(0.4モル)を30分か
けて滴下装入し、室温で3時間攪拌して加水分解を行な
った。NaOH滴下量が半分程度の時に反応液は透明均
一となったが、その後再び白色スラリーとなった。加水
分解終了後、沈殿を濾取した。得られたウェットケーキ
を水400gに懸濁し、36%塩酸24.3g(0.2
4モル)を1時間かけて滴下装入しながら中和を行な
い、その後2時間熟成した後、濾過、洗浄、乾燥してリ
ンゴ酸ラウリルアミドの白色結晶56.8gを得た。純
度100%、収率94.3%(対O−アセチルリンゴ酸
ラウリルアミド)であった。尚、得られたリンゴ酸ラウ
リルアミドはα型であった。
【0046】実施例4 実施例1で得られたO−アセチルリンゴ酸ラウリルアミ
ド68.6g(0.2モル)を水350gに懸濁し、4
9重量%NaOH32.7g(0.4モル)を30分か
けて滴下装入し、室温で3時間攪拌して加水分解を行な
った。NaOH滴下量が半分程度の時に反応液は透明均
一となったが、その後再び白色スラリーとなった。加水
分解終了後、36%塩酸24.3g(0.24モル)を
1時間かけて滴下装入しながら中和を行ない、その後2
時間熟成した後、濾過、洗浄、乾燥してリンゴ酸ラウリ
ルアミドの白色結晶59.4gを得た。純度100%、
収率98.5%(対O−アセチルリンゴ酸)であった。
尚、得られたリンゴ酸ラウリルアミドはα型であった。
【0047】比較例1 リンゴ酸27.37g(0.20モル)、ラウリルアミ
ン35.1g(0.18モル)、混合キシレン60gを
仕込み、キシレン還流下で共沸脱水により系内の水を抜
きながら反応を行なった。水の留出が止まった後2時間
熟成し、反応液を分析した結果、原料リンゴ酸、ラウリ
ルアミンは完全に消失し、リンゴ酸ラウリルイミドが6
0モル%生成していたが、その他にもジアミド体が3モ
ル%、マレイン酸ラウリルイミドが12モル%生成して
いた。該反応液にヘキサン90gを滴下装入し晶析を行
ない、得られた沈殿を濾過、洗浄、乾燥してリンゴ酸ラ
ウリルイミドの白色結晶28.4gを得た。純度95
%、収率50%(対リンゴ酸)であり、4重量%のジア
ミド体を含有していた。
【0048】得られたリンゴ酸ラウリルイミド28.4
g(0.1モル)を水に懸濁し、49重量%NaOH
8.98g(0.11モル)を滴下しながら加水分解を
行なった後、36%塩酸を用いて中和・酸析してリンゴ
酸ラウリルアミドの白色結晶29.8gを得た。純度9
6%で、2.5重量%のジアミド体を含有していた。ま
た、収率98.9%(対リンゴ酸ラウリルイミド)であ
った。尚、得られたリンゴ酸ラウリルアミドはβ型であ
った。
【0049】
【発明の効果】本発明は実施例、比較例から明らかな様
に洗浄剤用界面活性剤として有用なアミドカルボン酸
(リンゴ酸アミド誘導体)を高収率、高純度で得る事が
出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H003 AB12 FA02 FA18 FA21 4H006 AA01 AA02 AB68 AB84 AC41 AC46 AC47 AC53 BB17 BD70 BE60 BN10 BS10 BS70 BT12 BV22

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖のアル
    キル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基であ
    り、Aは水素原子または炭素数1〜6の直鎖または分岐
    鎖のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、Mは水
    素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウ
    ムまたは有機アミン)で表されるO−アセチルリンゴ酸
    アミド誘導体。
  2. 【請求項2】 式(2) 【化2】 (但し、Mは水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金
    属、アンモニウムまたは有機アミン)で表されるO−ア
    セチルリンゴ酸ラウリルアミド。
  3. 【請求項3】 酢酸溶媒中、リンゴ酸を無水酢酸と反応
    させて式(3) 【化3】 で表される酸無水物を形成した後、一般式(4) 【化4】 (但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖のアル
    キル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基であ
    り、Aは水素原子または炭素数1〜6の直鎖または分岐
    鎖のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基)で表さ
    れるアミンを反応させる事を特徴とする一般式(1) 【化5】 (但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖のアル
    キル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基であ
    り、Aは水素原子または炭素数1〜6の直直鎖または分
    岐鎖のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、Mは
    水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニ
    ウムまたは有機アミン)で表されるO−アセチルリンゴ
    酸アミド誘導体の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表されるO−アセチルリ
    ンゴ酸アミド誘導体を加水分解する事を特徴とする一般
    式(5) 【化6】 (但し、Rは炭素数8〜22の直鎖または分岐鎖のアル
    キル基、アルケニル基またはヒドロキシアルキル基であ
    り、Aは水素原子または炭素数1〜6の直鎖または分岐
    鎖のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、Mは水
    素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウ
    ムまたは有機アミン)で表されるリンゴ酸アミド誘導体
    の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011190184A (ja) * 2010-03-11 2011-09-29 Miyoshi Oil & Fat Co Ltd 新規ジカルボン酸型化合物
JPWO2018062450A1 (ja) * 2016-09-30 2019-04-11 ダイキン工業株式会社 炭化水素含有カルボン酸、炭化水素含有スルホン酸、炭化水素含有硫酸エステル又はこれらの塩、界面活性剤

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