JP2004217106A - 移動体用装置、その駆動方法、その駆動プログラム及び駆動プログラムを記録した情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】一時的に移動体用装置への電力供給が停止した場合であっても、電力供給が再開された後に再び移動体用装置の起動をやり直さなくて済む移動体用装置等を提供する。
【解決手段】車両に備えられたバッテリからの電力供給によって駆動されるナビゲーション装置であって、ナビゲーション装置の動作状態を示す状態情報を記憶するRAMと、バッテリの電圧が予め与えられた基準電圧以下になったときに当該時点での状態情報をRAMに記憶させつつナビゲーション装置を一時停止状態に移行させる状態制御手段と、電源の電圧が基準電圧を超えたか否かを検出する検出手段と、電源の電圧が基準電圧を超えたことが検出されたときに状態情報を用いてナビゲーション装置を一時停止状態から復旧させる復旧手段と、を備えて構成する。
【選択図】 図2
【解決手段】車両に備えられたバッテリからの電力供給によって駆動されるナビゲーション装置であって、ナビゲーション装置の動作状態を示す状態情報を記憶するRAMと、バッテリの電圧が予め与えられた基準電圧以下になったときに当該時点での状態情報をRAMに記憶させつつナビゲーション装置を一時停止状態に移行させる状態制御手段と、電源の電圧が基準電圧を超えたか否かを検出する検出手段と、電源の電圧が基準電圧を超えたことが検出されたときに状態情報を用いてナビゲーション装置を一時停止状態から復旧させる復旧手段と、を備えて構成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両等の移動体に備えられたナビゲーション装置等の移動体用装置、その駆動方法、その駆動プログラム及び駆動プログラムを記録した情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両等の移動体において、ナビゲーション装置、DVD(Digital Versatile Disc)装置、CD(Compact Disc)装置又はMD(Mini Disc)装置等、様々な装置(以下、移動体で用いられるこれらの装置を移動体用装置と称する)が用いられており、これら移動体用装置は移動体に備えられたバッテリ等の電源によって駆動される。
【0003】
そして、これらの移動体用装置は、移動体が移動中でないときでも使用することがある。例えば、車両内でナビゲーション装置を使用する場合、車両が停止している状態でナビゲーション装置を起動して、目的位置の設定等を行なった後に、ナビゲーション装置の誘導にしたがって走行を開始する。このとき、エンジンを駆動させた状態(アイドリング状態)で上記ナビゲーション装置の起動を行なってもよいが、騒音や排気ガスなど公害上の問題や燃費の問題等に鑑みれば、エンジンを停止した状態でナビゲーション装置の起動や各種設定を行なうのが望ましい。
【0004】
ところで、エンジンを停止した状態でナビゲーション装置を駆動する場合、キースイッチを「ACC」の位置にしてアクセサリ電源から電力供給を受けることとなるが、この状態ではバッテリの充電は行なわれないので、バッテリは消費される一方となる。このようにしてバッテリの消費が進むと、エンジンを始動できなくなり、いわゆるバッテリが上がった状態となってしまう。
【0005】
このバッテリ上がりの状態を避けるため、車載バッテリと補助バッテリとを備えたバッテリ装置における各バッテリの電圧状態を、良、可、不可の3区分で管理し、何れかのバッテリが可となった場合に警告を行なう電源電圧監視システムが開示されている(特許文献1参照。)。
【0006】
この電源電圧監視システムを用いれば、バッテリの電圧状態を効率よく知ることができ、バッテリの交換時期を事前に予測することができるため、常に良好な状態のバッテリを使用することができる。したがって、上述のようにエンジン停止状態でアクセサリ電源を使用した場合でも、短時間でバッテリが上がってしまうことがない。
【特許文献1】
特開2001−166017号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電源電圧監視システムを用いてバッテリの電圧状態の監視を行なったとしても、バッテリが上がることを防止するためには、バッテリの電圧が低下したらエンジンを始動してバッテリの充電を行なう必要がある。
【0008】
さらに、そもそも、ナビゲーション装置を起動して各種設定を行なった後には、目的位置に向けて出発するためにはエンジンを始動する必要がある。
【0009】
したがって、上述のようにエンジン停止状態でナビゲーション装置を起動した場合、ある時点では必ずエンジンを始動する必要が生じる。そして、エンジンを始動するためにキースイッチを「START」に移動すると、アクセサリ電源は「切」となるか、若しくは、アクセサリ電源が「入」のままであってもスタータに大量の電流が流れるため電圧が極端に低下する。したがって、ナビゲーション装置の駆動は停止され、それまでに行なった起動処理はすべてクリアーされてしまい、アクセサリ電源が復帰した後に、再度起動からやり直さなければならないという問題が生じる。
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一つは、例えば、エンジン停止状態でナビゲーション装置等の移動体用装置を起動して、エンジンを始動する際に一時的に移動体用装置への電力供給が停止した場合であっても、電力供給が再開された後に再び移動体用装置の起動処理をやり直さなくて済む移動体用装置、移動体用装置の駆動方法、移動体用装置の駆動プログラム及び該移動体用装置の駆動プログラムを記録した情報記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体に備えられた電源からの電力供給によって駆動される移動体用装置であって、移動体用装置の動作状態を示す状態情報を記憶する記憶手段と、電源の電圧が予め与えられた基準電圧以下になったときに当該時点での状態情報を記憶手段に記憶させつつ移動体用装置を一時停止状態に移行させる状態制御手段と、電源の電圧が基準電圧を越えたか否かを検出する検出手段と、電源の電圧が基準電圧を超えたことが検出されたときに状態情報を用いて移動体用装置を一時停止状態から復旧させる復旧手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、移動体に備えられた電源からの電力供給によって駆動される移動体用装置の駆動方法であって、電源の電圧が予め与えられた基準電圧以下になったときに当該時点での移動体用装置の動作状態を示す状態情報を記憶手段に記憶させつつ移動体用装置を一時停止状態に移行させる状態制御工程と、電源の電圧が予め与えられた基準電圧を超えたか否かを検出する検出工程と、電源の電圧が基準電圧を超えたことが検出されたときに状態情報を用いて移動体用装置を一時停止状態から復旧させる復旧工程と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、移動体に備えられた電源からの電力供給によって駆動される移動体用装置に含まれるコンピュータを、電源の電圧が予め与えられた基準電圧以下になったときに当該時点での移動体用装置の動作状態を示す状態情報を記憶手段に記憶させつつ移動体用装置を一時停止状態に移行させる状態制御手段と、電源の電圧が基準電圧を超えたか否かを検出する検出手段と、電源の電圧が基準電圧を超えたことが検出されたときに状態情報を用いて移動体用装置を一時停止状態から復旧させる復旧手段として機能させることを特徴とする。
【0014】
更に、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の電装装置駆動用プログラムがコンピュータで読取可能に記録されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本願の好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0016】
なお、以下に説明する実施の形態は、車両に備えられたバッテリにより駆動される移動体用装置としてのナビゲーション装置についての実施の形態である。
【0017】
1.ナビゲーション装置への電力供給
先ず、本実施形態にかかるナビゲーション装置への電力供給を行なう電力供給システムについて説明する。
【0018】
図1は、電力供給システムPの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、電力供給システムPは、ナビゲーション装置1と、バッテリ2と、電源制御装置3と、キースイッチ4により構成されている。
【0019】
ナビゲーション装置1は、車両のバッテリ2に電源制御装置3を介して接続される。また、電源制御装置3は、キースイッチ4からキー位置を示す信号を取得する。
【0020】
バッテリ2は、電源制御装置3によってその出力経路が制御され、常時電源、アクセサリ電源、イグニッション電源及びスタータ電源(以下、これらを出力電源と総称する)として車両内の各装置への電力供給を行なう。これら各出力電源がどの装置へ電力供給を行なうかは決められており、常時電源は、ホーン、ブレーキランプ、ルームランプなど常時の電源供給が必要な装置へ電力を供給し、また、アクセサリ電源は、ナビゲーション装置やカーステレオなどに電力供給を行なう。更に、イグニッション電源はイグニッションに、スタータ電源はスタータにそれぞれ電力を供給する。
【0021】
そして、これらの出力電源の「入」(電源供給を行なう状態)、「切」(電力供給を行なわない状態)は、電源制御装置3により行なわれる。すなわち、電源制御装置3は、キースイッチ4から取得したキー位置信号に基づいて各出力電源の「入」「切」の制御を行ない、キースイッチ4が「OFF」のときは常時電源、「ACC」のときは常時電源及びアクセサリ電源、「ON」のときは常時電源、アクセサリ電源及びイグニッション電源、「START」のときは常時電源、イグニッション電源及びスタータ電源をそれぞれ「入」の状態にする。なお、車両の設定によってはキースイッチ4が「START」のときにアクセサリ電源を「入」の状態とするものもある。
【0022】
そして、ナビゲーション装置1はアクセサリ電源に接続される。したがって、キースイッチ4が「ACC」及び「ON」のときはアクセサリ電源が「入」であるのでナビゲーション装置1を駆動することができるが、キースイッチ4が「OFF」及び「START」ではアクセサリ電源は「切」となり基本的にはナビゲーション装置1の駆動は不可となる。なお、キースイッチ4が「START」のときにアクセサリ電源が「切」とならない(すなわち「入」となる)設定の場合でも、キースイッチ4が「START」のときにはスタータに大電流が流れてアクセサリ電源の電圧が降下するため、ナビゲーション装置1の駆動電圧を確保することができず、実質的にナビゲーション装置1の駆動は不可となる。
【0023】
2.第1のナビゲーション装置
次に、本実施形態にかかる第1のナビゲーション装置について、図2を用いて説明する。
【0024】
A.ナビゲーション装置の構成
図2は、第1のナビゲーション装置1の全体構成を示すブロック図である。図2に示すナビゲーション装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc−Read Only Memory)ドライブ14と、ハードディスク15と、センサ部16と、GPS(Global Positioning System)受信部17と、インターフェース18と、入力装置19と、ディスプレイ20と、表示制御部21と、バッファメモリ22と、音声処理回路23と、スピーカ24と、外部電源受領部25と、バックアップ電源26と、バス27とを備えて構成されている。
【0025】
図2においてCPU11は、ナビゲーション装置1全体の動作を制御する。CPU11は、ナビゲーション装置1の各構成要素とバス27を介して接続され、ROM12に格納される制御プログラムを読み出して実行し、RAM13に処理中のデータを一時的に保持する。なお、ROM12に格納される制御プログラムには、CPU11を本願の状態制御手段、検出手段、復旧手段として機能させるプログラムを含んでいる。そして、CPU11は当該プログラムを読出して実行し、本願の状態制御手段、検出手段、復旧手段として機能する。また、RAM13は、本願の記憶手段として機能する。
【0026】
DVD−ROMドライブ14は、地図データを記憶するDVD−ROMから地図データの読み出し動作を行なう。
【0027】
ハードディスク15は、地図データ等の各種データの読み出しや書き込みを行なう不揮発性の記憶装置である。
【0028】
センサ部16は、自車位置を検出するために必要な各種センサを含んで構成されている。具体的には、車両の走行状態を検出するための車速センサ、走行距離センサ、方位センサなどを含んでいる。
【0029】
GPS受信部17は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信し、測位データを出力する。センサ部16からのセンサ出力とGPS受信部17からの測位データに基づいて、CPU11が総合的に走行車両の自車位置を検出する。
【0030】
インターフェース18は、センサ部16及びGPS受信部17とCPU11との間のインターフェース動作を行ない、CPU11により、センサ部16からのセンサ出力とGPS受信部17からの測位データに基づいて、自車位置データが求められる。この自車位置データは、CPU11により前述の地図データと照合されて、マップマッチング処理等を用いて補正される。
【0031】
入力装置19は、ナビゲーション装置本体に設けられたキー部、あるいはキー部を備えるリモコンなどからなり、ナビゲーション動作における所望の操作を行なうため、キー入力に応じた信号をCPU11に供給する。
【0032】
ディスプレイ20は、ナビゲーション動作に用いる表示手段であり、例えばCRT、液晶表示素子などから構成される。ディスプレイ20には、表示制御部21の制御に従って地図データが種々の態様で表示されると共に、これに重畳して自車位置がカーマークとして表示される。また、表示制御部21は、ディスプレイ20に表示する表示データを生成し、バッファメモリ22に一時的に保存しつつ、適宜のタイミングでバッファメモリ22から表示データを読み出してディスプレイ20に表示出力する。
【0033】
音声処理回路23は、CPU11の制御の下、所定の音声信号を発生する。音声処理回路23において適切なレベルに増幅された音声信号は、スピーカ24から外部出力される。このような音声信号としては、例えば、車両の経路を誘導するための案内音声がある。
【0034】
外部電源受領部25には、バッテリ2から分配されたアクセサリ電源が接続される。外部電源受領部25は、接続されたアクセサリ電源から電力の供給を受け、所定の電流・電圧値に変換して各構成要素に電力を供給する。
【0035】
バックアップ電源26は、アクセサリ電源からの電力供給が絶たれた際に、各構成要素に電力を供給する役割を果たし、例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池などから構成される。なお、アクセサリ電源からの電力供給を受けている際、バックアップ電源26はアクセサリ電源により充電される。
【0036】
B.ナビゲーション装置の駆動方法
次に、上記第1のナビゲーション装置1の駆動方法について説明する。ここでは、キースイッチ4が「START」にあるときにアクセサリ電源が「切」となるように設定されているものとして、以下説明する。
【0037】
(a)アクセサリ電源が「切」となった場合の駆動方法
先ず、アクセサリ電源が「入」の状態から「切」となった場合の駆動方法について図3を用いて説明する。図3はアクセサリ電源が「切」となった場合の、ナビゲーション装置1の駆動方法を説明するフローチャートである。
【0038】
アクセサリ電源が「入」の状態から「切」となった場合に、図3における処理が開始される。なお、アクセサリ電源が「切」になったか否かは、外部電源受領部25に供給される電源電圧が基準電圧(例えば、ナビゲーション装置1の駆動最低電圧)以下になったか否かにより判断できる。
【0039】
図3における処理が開始されると、ステップS1では、ナビゲーション装置1が起動途中であるか否かの判断を行なう。すなわち、CPU11は、ナビゲーション装置1の各構成要素(以下デバイスという場合がある)の起動処理が完了しているか否かの判断を行なう。CPU11で、各デバイスの起動処理が完了していないと判断した場合(ステップS1:Yes)はステップS2に進み、一方、各デバイスの起動処理が完了していると判断した場合(ステップS1:No)はステップS3に進む。
【0040】
なお、CPU11が各デバイスの起動処理が完了していないと判断する場合としては、例えば、キースイッチ4を「OFF」→「ACC」→「ON」→「START」と連続的に移動した場合がある。すなわち、キースイッチ4が「OFF」から「ACC」に移動したときに各デバイスの起動処理が開始され、続けてキースイッチ4が「ON」から「START」に移動したときにアクセサリ電源が「切」となるためナビゲーション装置1は起動途中となる。
【0041】
次に、ステップS2では、ステップ1においてナビゲーション装置1が起動途中であると判断された場合に、当該起動途中にあるデバイスのうち、初期化に時間がかかるデバイスについて初期化を継続させる。
【0042】
なお、アクセサリ電源が「切」となっているため、ステップS2におけるデバイス起動処理の継続はバックアップ電源26を利用して行なわれる。ただし、バックアップ電源26の残容量が少ない場合などはステップ2の処理を省略してもよい。この場合、例えば、バックアップ電源26の電源電圧の監視を行ない、この電圧が基準電圧以下となった場合は残容量が少ないと判断し、ステップS2の処理を行なわず、すぐさまステップS3に進むというようにしてもよい。
【0043】
次に、ステップS3では、ナビゲーション装置1の状態情報を記憶し、ナビゲーション装置を一時停止状態に移行させる。これらの処理は、状態制御手段として機能するCPU11が行なう。
【0044】
ここで状態情報とは、ナビゲーション装置1の動作状態を示す情報であり、ナビゲーション装置1を構成する各デバイスの設定状態やCPU11でのプログラム実行状態を示す情報等をいい、具体的には、例えば、ナビゲーションの目的位置情報や現在位置情報、ディスプレイの表示情報、DVD−ROMの読取位置情報などである。CPU11は、これら状態情報を取得してRAM13に記憶する。
【0045】
また、CPU11は、以上のように状態情報を記憶させる処理と共に、各デバイスを一時停止状態に移行させる処理を行なう。
【0046】
ここで一時停止状態とは、各デバイスにおける処理を一時的に停止させる状態をいい、デバイスを稼動したままにしてもよいし、停止させてしまってもよい。ただし、バックアップ電源26の消費をできるだけ抑えるためには、休止モード(状態情報を保持した状態で停止できるモード)を備えたデバイスを休止モードに移行させ、省電力モード(駆動を最小限に抑えて消費電力を低減できるモード)を備えたデバイスを省電力モードに移行させ、また、必要のないデバイスを停止させることがよい。具体的には、例えば、ディスプレイ20のバックライトを消したり、CPU11を省電力モードに切り換えたりする。
【0047】
次に、ステップS4では、アクセサリ電源が「切」となってから基準時間内に「入」となったか否かを判断する。この処理は、検出手段として機能するCPU11が行なう。なお、アクセサリ電源が「入」になったか否かは、外部電源受領部25に供給される電源電圧が基準電圧(例えば、ナビゲーション装置の駆動最低電圧)以上になったか否かにより判断することができる。
【0048】
また、上記基準時間は、キースイッチが「ACC」→「ON」→「START」と移動して、エンジンを始動した後に「ON」に戻るまでの時間を考慮して決定すればよい。具体的には、キースイッチを「ON」から「START」に移動させて、再び「ON」に戻るまでの時間に若干の誤差時間を加えた時間、例えば10秒を基準時間として定めればよい。上述のようにキースイッチを移動させる場合は、通常、引き続きナビゲーション装置1を使用することになるので、基準時間をこのように決定すれば、引き続きナビゲーション装置1を使用する場合であるか否かを的確に判断できる。
【0049】
そして、ステップS4において、基準時間内にアクセサリ電源が「入」になったと判断した場合(ステップS4:Yes)は、ナビゲーション装置1の復旧を行なうステップ(ステップS5)に進み、一方、基準時間内にアクセサリ電源が「入」にならない判断した場合(ステップS4:No)は、ナビゲーション装置1の停止を行なうステップ(ステップS6)に進む。
【0050】
ステップS5では、ナビゲーション装置1を一時停止状態から復旧させる。この処理は、復旧手段として機能するCPU11が行なう。CPU11は、ステップ3においてRAM13に記憶した状態情報を読み出し、それに基づいて各デバイスをステップS3において一時停止状態にする前の状態に復旧させる。
【0051】
また、ステップS1においてナビゲーション装置1が起動途中であるとの判断を行なっていた場合は、CPU11は、初期化を中断したデバイスの初期化を再開させ、また、初期化を完了できなかったデバイスや初期化を行なっていないデバイスの初期化を開始する。
【0052】
一方、ステップS6では、ナビゲーション装置1を完全に停止させる。当該処理は、装置停止手段として機能するCPU11が行なう。CPU11は、ナビゲーション装置1を構成する各デバイスの停止処理を行なう。
【0053】
このようにしてナビゲーション装置1の駆動制御を行なえば、バッテリ2(アクセサリ電源)からの電力供給が一時的に停止してナビゲーション装置1が正常に駆動できない場合であっても、バッテリ2が復帰した後に、それまでの駆動状態を保持したかたちでナビゲーション装置1の駆動を再開することができるため、すべての操作を始めからやり直すといったユーザの手間や時間のロスを回避又は低減することができる。
【0054】
また、ナビゲーション装置1の起動途中にアクセサリ電源が「切」となった場合に、初期化に時間がかかるデバイスの初期化をバックアップ電源26を用いて継続させるので、アクセサリ電源が復帰した後にナビゲーション装置1を復旧させる際に、当該初期化に時間のかかるデバイスの初期化を行なう必要がないため、スムーズにナビゲーション装置1を復旧させることができる。
【0055】
また、デバイス一時停止状態にする際に、休止モードや省電力モードに移行させ、また、必要のないデバイスを停止させることにより、バックアップ電源26の消費を抑えることができる。なお、後述のようにバックアップ電源26に替えてバッテリ2の常時電源を用いる場合には、バッテリ2の消費を抑えることができ、バッテリ不可となることを防止することができる。
【0056】
また、アクセサリ電源が「切」になった後、基準時間以内にアクセサリ電源が「入」とならない場合に、ナビゲーション装置1を停止させるので、バックアップ電源26を過度に消費することが防止でき、また、バックアップ電源に替えて常時電源を用いた場合でもバッテリ不可となることを防止することができる。
【0057】
なお、以上では、キースイッチ4が「START」にあるときにアクセサリ電源が「切」となるように設定された車両のアクセサリ電源を用いた場合を説明したが、キースイッチ4が「START」にあるときにアクセサリ電源が「切」とならないように設定された車両のアクセサリ電源を用いた場合でも、同様の駆動方法をとることが可能である。
【0058】
この場合、アクセサリ電源が「切」ではなく、アクセサリ電源の電圧が基準電圧(例えば、ナビゲーション装置1の駆動最低電圧)以下となったときに図2における処理が開始され、また、ステップ4では、アクセサリ電源の電圧が基準電圧以下となってから基準時間内に基準電圧以上に回復するか否かの判断を行ない、基準時間内に基準電圧以上に回復した場合はステップS5に進み、回復しない場合はステップS6に進めばよい。
【0059】
また、アクセサリ電源が「切」となった場合の電源供給手段として、バックアップ電源26を使用する場合を説明したが、バックアップ電源26に替えてバッテリ2の常時電源を用いてもよい。
【0060】
また、ステップ4における判断方法に替えて、▲1▼キースイッチ4が「START」に移動したときスタータモータに大電流がながれバッテリ2の電圧が降下することを利用して、該電圧降下を検出した場合にアクセサリ電源が「入」となったものとして判断する方法や、▲2▼キースイッチ4の位置を車両の制御装置等から検出して、キースイッチ4が「ACC」→「ON」→「START」の順に移動した場合にアクセサリ電源が「入」となったものとして判断する方法を用いてもよい。
【0061】
(b)アクセサリ電源が「入」となった場合の駆動方法
次に、アクセサリ電源が「入」となった場合の駆動方法について図4を用いて説明する。図4は、当該駆動方法を説明するフローチャートである。
【0062】
アクセサリ電源が「入」となった場合に、図4における処理が開始される。図4における処理が開始されると、ステップS11では、初期化に時間がかかるデバイスの初期化を行なう。すなわち、CPU11は、初期化に時間がかかるデバイスから初期化を行なうように規定されたプログラムをROM12から読み出して実行し、各デバイスの初期化を行なう。
【0063】
ここで初期化に時間がかかるデバイスとは、前述と同様に、例えば、基準時間以上初期化に時間がかかるデバイスをいう。
【0064】
次に、ステップS12では、その他のデバイスの初期化を行なう。ステップS11における初期化に時間がかかるデバイスの初期化が完了した後に、ステップS12を実行してもよいし、ステップS11における初期化に時間がかかるデバイスの初期化が完了していない段階でステップS12を実行してもよい。
【0065】
次に、ステップS13では、ステップS11及びS12においてすべてのデバイスの初期化が完了した後にナビゲーション処理が開始される。
【0066】
以上のように、初期化に時間のかかるデバイスを優先して、初期化を行なうので、ナビゲーション装置1を起動してデバイスの初期化を行なっている途中にアクセサリ電源が「切」となり、図3における処理を行なう際に、初期化に時間がかかるデバイスの初期化が完了した状態で、ナビゲーション装置1の復旧処理を行なうことができ、スムーズな復旧処理を行なうことが可能となる。
【0067】
図4における処理に替えて、図5に示す駆動方法を用いてもよい。図5における処理が開始されると、先ず、ステップS14で消費電力の小さなデバイスの初期化をおこない、次に、ステップS15でその他のデバイスの初期化を行なう。
【0068】
このように、消費電力の小さなデバイスの初期化を優先して行なうので、ナビゲーション装置1を起動してデバイスの初期化を行なっている途中にアクセサリ電源が「切」となり、図3における処理を行なう際に、消費電力の少ないデバイスを一時停止状態にして、ナビゲーション装置1の復旧処理を行なうことができ、バックアップ電源26の消費を最小限に抑えることが可能となる。
【0069】
また、図4における処理に替えて、図6に示す駆動方法を用いてもよい。図6における処理が開始されると、先ず、ステップS17で初期化を中断できるデバイスの初期化をおこない、次に、ステップS18でその他のデバイスの初期化を行なう。
【0070】
このように、初期化を中断できるデバイスの初期化を優先して行なうので、ナビゲーション装置1を起動してデバイスの初期化を行なっている途中にアクセサリ電源が「切」となり、図3における処理を行なう際に、初期化を中断した状態で一時停止状態にして、ナビゲーション装置1の復旧処理を行なうことができ、一時停止状態にする前の初期化処理を有効に活用することができる。
【0071】
3.第2のナビゲーション装置
第2のナビゲーション装置は、第1のナビゲーション装置1に、アクセサリ電源(バッテリ2)の電圧監視を行ない、該電圧が基準値以下となった場合にエンジンを起動してバッテリの充電を促す機能を付加したものである。
【0072】
A.ナビゲーション装置の構成
次に、上述の本実施形態にかかる第2のナビゲーション装置について説明する。
【0073】
第2のナビゲーション装置の全体構成は、図2に示す第1のナビゲーション装置1と同じである。したがって、第2のナビゲーション装置をナビゲーション装置1’と称して、図2を用いて説明する。
【0074】
第2のナビゲーション装置1’は、CPU11が更に本願の電圧監視手段、警報発信手段及び装置停止手段として機能する。他の部分については、第1のナビゲーション装置1と同様であるので説明は省略する。
【0075】
B.ナビゲーション装置の駆動方法
次に、上記第2のナビゲーション装置1’の駆動方法について図7を用いて説明する。
【0076】
図7における処理が開始されると、ステップS20では、アクセサリ電源の電圧が基準電圧以下であるか否かの判断を行なう。すなわち、電圧監視手段として機能するCPU11は、外部電源受領部25に供給されるアクセサリ電源の電圧値に関する信号を取得し、当該電圧値が基準電圧以下であるか否かの判断を行なう。ここで、基準電圧とは、バッテリ2の充電が必要であるか否かの判断基準のための電圧値であり、ナビゲーション装置1’やバッテリ2の仕様等に基づいて決定される。
【0077】
ステップ20Sにおける判断の結果、アクセサリ電源の電圧が基準電圧以下である場合(ステップS20:Yes)はステップS21に進み、アクセサリ電源の電圧が基準電圧以下でないと判断した場合(ステップS20:No)は再びステップS20の処理を繰り返す。
【0078】
なお、エンジンが駆動している状態ではアクセサリ電源(バッテリ2)が充電され、電源電圧が一定に保たれるため、スッテプS20においてアクセサリ電源の電圧が基準電圧以下と判断されるのは、エンジン停止状態でナビゲーション装置1’を使用している場合である。
【0079】
次に、ステップS21では、エンジンの始動を促す旨の警告を行なう。すなわち、警報発信手段として機能するCPU11は、関係するデバイスを制御して、音声又は/及び映像によりエンジンの始動を促す旨の警告を行なう。具体的には、CPU11の制御により音声処理回路23で「エンジンを始動してください」という内容の音声信号を発生させて、スピーカ24から音声出力を行なったり、また、CPU11が表示制御部21を制御してディスプレイ20に「エンジンを始動させてください」との表示をさせたりする。
【0080】
次に、ステップS22では、上記警告を行なった後の基準時間内にエンジンが始動したかを判断する。すなわち、CPU11は、ステップS21での警告を行なったあと、基準時間内にエンジンの始動が為されたか否かの判断を行なう。ここで基準時間とは、バッテリ2の容量が極端に(例えば、エンジン始動ができなくなる程に)低下する前にエンジンが始動された否かを判断基準のための時間であり、バッテリ2が低下する割合や使用者が警告を受けてからエンジン始動するまでに必要な理論上の時間等に基づいて決定される。
【0081】
ステップS22における判断の結果、基準時間内にエンジンが始動されないと判断した場合(ステップS22:No)はステップS23に進み、一方、基準時間内にエンジンが始動されたと判断した場合(ステップS22:Yes)は、図3に示すアクセサリ電源「切」の場合の処理のステップS1へ進む。
【0082】
次に、スッテプS23では、ナビゲーション装置1’の停止処理を行なう。すなわち、装置停止手段として機能するCPU11は、ナビゲーション装置1’を構成する各デバイスの停止処理を行なう。
【0083】
以上説明したように、アクセサリ電源(バッテリ2)の電圧を監視して、アクセサリ電源の電圧が低下した場合にエンジンの始動を促す警告を行なうので、使用者がバッテリ2の電圧低下に気づかずにナビゲーション装置1’を使用し続け、バッテリ不可(バッテリ上がり)となることを未然に防止できる。更に、エンジンの始動を促す警告にもかかわらずエンジンが始動されない場合は、自動的にナビゲーション装置1’の停止処理がされるので、バッテリ不可(バッテリ上がり)となることを確実に防止することができる。
【0084】
なお、以上では、アクセサリ電源の電圧の監視を行なう場合を説明したが、常時電源等の他の出力電源の電圧を監視してもよいし、直接バッテリ2の電圧の監視を行なってもよい。
【0085】
4.他の実施形態
また、以上の実施形態においては、移動体用装置としてナビゲーション装置を用いる場合について説明したが、移動体用装置はナビゲーション装置に限られるものではなく、移動体が備えた電源からの電力供給により駆動する装置であればよい。例えば、DVD装置、CD装置又はMD装置などであってもよい。また、移動体は車両に限られず、例えば、船やオートバイなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るナビゲーション装置への電力供給を説明するブロック図である。
【図2】実施形態に係るナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】アクセサリ電源が「切」となった場合の実施形態に係るナビゲーション装置の駆動方法を説明するフローチャートである。
【図4】アクセサリ電源が「入」となった場合の実施形態に係るのナビゲーション装置の駆動方法を説明するフローチャートである。
【図5】アクセサリ電源が「入」となった場合の実施形態に係るナビゲーション装置の他の駆動方法を説明するフローチャートである。
【図6】アクセサリ電源が「入」となった場合の実施形態に係るナビゲーション装置の別の他の駆動方法を説明するフローチャートである。
【図7】実施形態に係るナビゲーション装置の他の駆動方法を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 ナビゲーション装置
2 バッテリ
3 電源制御装置
4 キースイッチ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 DVD−ROMドライブ
15 ハードディスク
16 センサ部
17 GPS受信機
18 インターフェース
19 入力装置
20 ディスプレイ
21 表示制御部
22 バッファメモリ
23 音声処理回路
24 スピーカ
25 外部電源受領部
26 バックアップ電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両等の移動体に備えられたナビゲーション装置等の移動体用装置、その駆動方法、その駆動プログラム及び駆動プログラムを記録した情報記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両等の移動体において、ナビゲーション装置、DVD(Digital Versatile Disc)装置、CD(Compact Disc)装置又はMD(Mini Disc)装置等、様々な装置(以下、移動体で用いられるこれらの装置を移動体用装置と称する)が用いられており、これら移動体用装置は移動体に備えられたバッテリ等の電源によって駆動される。
【0003】
そして、これらの移動体用装置は、移動体が移動中でないときでも使用することがある。例えば、車両内でナビゲーション装置を使用する場合、車両が停止している状態でナビゲーション装置を起動して、目的位置の設定等を行なった後に、ナビゲーション装置の誘導にしたがって走行を開始する。このとき、エンジンを駆動させた状態(アイドリング状態)で上記ナビゲーション装置の起動を行なってもよいが、騒音や排気ガスなど公害上の問題や燃費の問題等に鑑みれば、エンジンを停止した状態でナビゲーション装置の起動や各種設定を行なうのが望ましい。
【0004】
ところで、エンジンを停止した状態でナビゲーション装置を駆動する場合、キースイッチを「ACC」の位置にしてアクセサリ電源から電力供給を受けることとなるが、この状態ではバッテリの充電は行なわれないので、バッテリは消費される一方となる。このようにしてバッテリの消費が進むと、エンジンを始動できなくなり、いわゆるバッテリが上がった状態となってしまう。
【0005】
このバッテリ上がりの状態を避けるため、車載バッテリと補助バッテリとを備えたバッテリ装置における各バッテリの電圧状態を、良、可、不可の3区分で管理し、何れかのバッテリが可となった場合に警告を行なう電源電圧監視システムが開示されている(特許文献1参照。)。
【0006】
この電源電圧監視システムを用いれば、バッテリの電圧状態を効率よく知ることができ、バッテリの交換時期を事前に予測することができるため、常に良好な状態のバッテリを使用することができる。したがって、上述のようにエンジン停止状態でアクセサリ電源を使用した場合でも、短時間でバッテリが上がってしまうことがない。
【特許文献1】
特開2001−166017号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の電源電圧監視システムを用いてバッテリの電圧状態の監視を行なったとしても、バッテリが上がることを防止するためには、バッテリの電圧が低下したらエンジンを始動してバッテリの充電を行なう必要がある。
【0008】
さらに、そもそも、ナビゲーション装置を起動して各種設定を行なった後には、目的位置に向けて出発するためにはエンジンを始動する必要がある。
【0009】
したがって、上述のようにエンジン停止状態でナビゲーション装置を起動した場合、ある時点では必ずエンジンを始動する必要が生じる。そして、エンジンを始動するためにキースイッチを「START」に移動すると、アクセサリ電源は「切」となるか、若しくは、アクセサリ電源が「入」のままであってもスタータに大量の電流が流れるため電圧が極端に低下する。したがって、ナビゲーション装置の駆動は停止され、それまでに行なった起動処理はすべてクリアーされてしまい、アクセサリ電源が復帰した後に、再度起動からやり直さなければならないという問題が生じる。
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一つは、例えば、エンジン停止状態でナビゲーション装置等の移動体用装置を起動して、エンジンを始動する際に一時的に移動体用装置への電力供給が停止した場合であっても、電力供給が再開された後に再び移動体用装置の起動処理をやり直さなくて済む移動体用装置、移動体用装置の駆動方法、移動体用装置の駆動プログラム及び該移動体用装置の駆動プログラムを記録した情報記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体に備えられた電源からの電力供給によって駆動される移動体用装置であって、移動体用装置の動作状態を示す状態情報を記憶する記憶手段と、電源の電圧が予め与えられた基準電圧以下になったときに当該時点での状態情報を記憶手段に記憶させつつ移動体用装置を一時停止状態に移行させる状態制御手段と、電源の電圧が基準電圧を越えたか否かを検出する検出手段と、電源の電圧が基準電圧を超えたことが検出されたときに状態情報を用いて移動体用装置を一時停止状態から復旧させる復旧手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、移動体に備えられた電源からの電力供給によって駆動される移動体用装置の駆動方法であって、電源の電圧が予め与えられた基準電圧以下になったときに当該時点での移動体用装置の動作状態を示す状態情報を記憶手段に記憶させつつ移動体用装置を一時停止状態に移行させる状態制御工程と、電源の電圧が予め与えられた基準電圧を超えたか否かを検出する検出工程と、電源の電圧が基準電圧を超えたことが検出されたときに状態情報を用いて移動体用装置を一時停止状態から復旧させる復旧工程と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、移動体に備えられた電源からの電力供給によって駆動される移動体用装置に含まれるコンピュータを、電源の電圧が予め与えられた基準電圧以下になったときに当該時点での移動体用装置の動作状態を示す状態情報を記憶手段に記憶させつつ移動体用装置を一時停止状態に移行させる状態制御手段と、電源の電圧が基準電圧を超えたか否かを検出する検出手段と、電源の電圧が基準電圧を超えたことが検出されたときに状態情報を用いて移動体用装置を一時停止状態から復旧させる復旧手段として機能させることを特徴とする。
【0014】
更に、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の電装装置駆動用プログラムがコンピュータで読取可能に記録されていることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本願の好適な実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0016】
なお、以下に説明する実施の形態は、車両に備えられたバッテリにより駆動される移動体用装置としてのナビゲーション装置についての実施の形態である。
【0017】
1.ナビゲーション装置への電力供給
先ず、本実施形態にかかるナビゲーション装置への電力供給を行なう電力供給システムについて説明する。
【0018】
図1は、電力供給システムPの全体構成を示すブロック図である。図1に示すように、電力供給システムPは、ナビゲーション装置1と、バッテリ2と、電源制御装置3と、キースイッチ4により構成されている。
【0019】
ナビゲーション装置1は、車両のバッテリ2に電源制御装置3を介して接続される。また、電源制御装置3は、キースイッチ4からキー位置を示す信号を取得する。
【0020】
バッテリ2は、電源制御装置3によってその出力経路が制御され、常時電源、アクセサリ電源、イグニッション電源及びスタータ電源(以下、これらを出力電源と総称する)として車両内の各装置への電力供給を行なう。これら各出力電源がどの装置へ電力供給を行なうかは決められており、常時電源は、ホーン、ブレーキランプ、ルームランプなど常時の電源供給が必要な装置へ電力を供給し、また、アクセサリ電源は、ナビゲーション装置やカーステレオなどに電力供給を行なう。更に、イグニッション電源はイグニッションに、スタータ電源はスタータにそれぞれ電力を供給する。
【0021】
そして、これらの出力電源の「入」(電源供給を行なう状態)、「切」(電力供給を行なわない状態)は、電源制御装置3により行なわれる。すなわち、電源制御装置3は、キースイッチ4から取得したキー位置信号に基づいて各出力電源の「入」「切」の制御を行ない、キースイッチ4が「OFF」のときは常時電源、「ACC」のときは常時電源及びアクセサリ電源、「ON」のときは常時電源、アクセサリ電源及びイグニッション電源、「START」のときは常時電源、イグニッション電源及びスタータ電源をそれぞれ「入」の状態にする。なお、車両の設定によってはキースイッチ4が「START」のときにアクセサリ電源を「入」の状態とするものもある。
【0022】
そして、ナビゲーション装置1はアクセサリ電源に接続される。したがって、キースイッチ4が「ACC」及び「ON」のときはアクセサリ電源が「入」であるのでナビゲーション装置1を駆動することができるが、キースイッチ4が「OFF」及び「START」ではアクセサリ電源は「切」となり基本的にはナビゲーション装置1の駆動は不可となる。なお、キースイッチ4が「START」のときにアクセサリ電源が「切」とならない(すなわち「入」となる)設定の場合でも、キースイッチ4が「START」のときにはスタータに大電流が流れてアクセサリ電源の電圧が降下するため、ナビゲーション装置1の駆動電圧を確保することができず、実質的にナビゲーション装置1の駆動は不可となる。
【0023】
2.第1のナビゲーション装置
次に、本実施形態にかかる第1のナビゲーション装置について、図2を用いて説明する。
【0024】
A.ナビゲーション装置の構成
図2は、第1のナビゲーション装置1の全体構成を示すブロック図である。図2に示すナビゲーション装置1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、DVD−ROM(Digital Versatile Disc−Read Only Memory)ドライブ14と、ハードディスク15と、センサ部16と、GPS(Global Positioning System)受信部17と、インターフェース18と、入力装置19と、ディスプレイ20と、表示制御部21と、バッファメモリ22と、音声処理回路23と、スピーカ24と、外部電源受領部25と、バックアップ電源26と、バス27とを備えて構成されている。
【0025】
図2においてCPU11は、ナビゲーション装置1全体の動作を制御する。CPU11は、ナビゲーション装置1の各構成要素とバス27を介して接続され、ROM12に格納される制御プログラムを読み出して実行し、RAM13に処理中のデータを一時的に保持する。なお、ROM12に格納される制御プログラムには、CPU11を本願の状態制御手段、検出手段、復旧手段として機能させるプログラムを含んでいる。そして、CPU11は当該プログラムを読出して実行し、本願の状態制御手段、検出手段、復旧手段として機能する。また、RAM13は、本願の記憶手段として機能する。
【0026】
DVD−ROMドライブ14は、地図データを記憶するDVD−ROMから地図データの読み出し動作を行なう。
【0027】
ハードディスク15は、地図データ等の各種データの読み出しや書き込みを行なう不揮発性の記憶装置である。
【0028】
センサ部16は、自車位置を検出するために必要な各種センサを含んで構成されている。具体的には、車両の走行状態を検出するための車速センサ、走行距離センサ、方位センサなどを含んでいる。
【0029】
GPS受信部17は、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信し、測位データを出力する。センサ部16からのセンサ出力とGPS受信部17からの測位データに基づいて、CPU11が総合的に走行車両の自車位置を検出する。
【0030】
インターフェース18は、センサ部16及びGPS受信部17とCPU11との間のインターフェース動作を行ない、CPU11により、センサ部16からのセンサ出力とGPS受信部17からの測位データに基づいて、自車位置データが求められる。この自車位置データは、CPU11により前述の地図データと照合されて、マップマッチング処理等を用いて補正される。
【0031】
入力装置19は、ナビゲーション装置本体に設けられたキー部、あるいはキー部を備えるリモコンなどからなり、ナビゲーション動作における所望の操作を行なうため、キー入力に応じた信号をCPU11に供給する。
【0032】
ディスプレイ20は、ナビゲーション動作に用いる表示手段であり、例えばCRT、液晶表示素子などから構成される。ディスプレイ20には、表示制御部21の制御に従って地図データが種々の態様で表示されると共に、これに重畳して自車位置がカーマークとして表示される。また、表示制御部21は、ディスプレイ20に表示する表示データを生成し、バッファメモリ22に一時的に保存しつつ、適宜のタイミングでバッファメモリ22から表示データを読み出してディスプレイ20に表示出力する。
【0033】
音声処理回路23は、CPU11の制御の下、所定の音声信号を発生する。音声処理回路23において適切なレベルに増幅された音声信号は、スピーカ24から外部出力される。このような音声信号としては、例えば、車両の経路を誘導するための案内音声がある。
【0034】
外部電源受領部25には、バッテリ2から分配されたアクセサリ電源が接続される。外部電源受領部25は、接続されたアクセサリ電源から電力の供給を受け、所定の電流・電圧値に変換して各構成要素に電力を供給する。
【0035】
バックアップ電源26は、アクセサリ電源からの電力供給が絶たれた際に、各構成要素に電力を供給する役割を果たし、例えば、リチウムイオン電池、鉛蓄電池などから構成される。なお、アクセサリ電源からの電力供給を受けている際、バックアップ電源26はアクセサリ電源により充電される。
【0036】
B.ナビゲーション装置の駆動方法
次に、上記第1のナビゲーション装置1の駆動方法について説明する。ここでは、キースイッチ4が「START」にあるときにアクセサリ電源が「切」となるように設定されているものとして、以下説明する。
【0037】
(a)アクセサリ電源が「切」となった場合の駆動方法
先ず、アクセサリ電源が「入」の状態から「切」となった場合の駆動方法について図3を用いて説明する。図3はアクセサリ電源が「切」となった場合の、ナビゲーション装置1の駆動方法を説明するフローチャートである。
【0038】
アクセサリ電源が「入」の状態から「切」となった場合に、図3における処理が開始される。なお、アクセサリ電源が「切」になったか否かは、外部電源受領部25に供給される電源電圧が基準電圧(例えば、ナビゲーション装置1の駆動最低電圧)以下になったか否かにより判断できる。
【0039】
図3における処理が開始されると、ステップS1では、ナビゲーション装置1が起動途中であるか否かの判断を行なう。すなわち、CPU11は、ナビゲーション装置1の各構成要素(以下デバイスという場合がある)の起動処理が完了しているか否かの判断を行なう。CPU11で、各デバイスの起動処理が完了していないと判断した場合(ステップS1:Yes)はステップS2に進み、一方、各デバイスの起動処理が完了していると判断した場合(ステップS1:No)はステップS3に進む。
【0040】
なお、CPU11が各デバイスの起動処理が完了していないと判断する場合としては、例えば、キースイッチ4を「OFF」→「ACC」→「ON」→「START」と連続的に移動した場合がある。すなわち、キースイッチ4が「OFF」から「ACC」に移動したときに各デバイスの起動処理が開始され、続けてキースイッチ4が「ON」から「START」に移動したときにアクセサリ電源が「切」となるためナビゲーション装置1は起動途中となる。
【0041】
次に、ステップS2では、ステップ1においてナビゲーション装置1が起動途中であると判断された場合に、当該起動途中にあるデバイスのうち、初期化に時間がかかるデバイスについて初期化を継続させる。
【0042】
なお、アクセサリ電源が「切」となっているため、ステップS2におけるデバイス起動処理の継続はバックアップ電源26を利用して行なわれる。ただし、バックアップ電源26の残容量が少ない場合などはステップ2の処理を省略してもよい。この場合、例えば、バックアップ電源26の電源電圧の監視を行ない、この電圧が基準電圧以下となった場合は残容量が少ないと判断し、ステップS2の処理を行なわず、すぐさまステップS3に進むというようにしてもよい。
【0043】
次に、ステップS3では、ナビゲーション装置1の状態情報を記憶し、ナビゲーション装置を一時停止状態に移行させる。これらの処理は、状態制御手段として機能するCPU11が行なう。
【0044】
ここで状態情報とは、ナビゲーション装置1の動作状態を示す情報であり、ナビゲーション装置1を構成する各デバイスの設定状態やCPU11でのプログラム実行状態を示す情報等をいい、具体的には、例えば、ナビゲーションの目的位置情報や現在位置情報、ディスプレイの表示情報、DVD−ROMの読取位置情報などである。CPU11は、これら状態情報を取得してRAM13に記憶する。
【0045】
また、CPU11は、以上のように状態情報を記憶させる処理と共に、各デバイスを一時停止状態に移行させる処理を行なう。
【0046】
ここで一時停止状態とは、各デバイスにおける処理を一時的に停止させる状態をいい、デバイスを稼動したままにしてもよいし、停止させてしまってもよい。ただし、バックアップ電源26の消費をできるだけ抑えるためには、休止モード(状態情報を保持した状態で停止できるモード)を備えたデバイスを休止モードに移行させ、省電力モード(駆動を最小限に抑えて消費電力を低減できるモード)を備えたデバイスを省電力モードに移行させ、また、必要のないデバイスを停止させることがよい。具体的には、例えば、ディスプレイ20のバックライトを消したり、CPU11を省電力モードに切り換えたりする。
【0047】
次に、ステップS4では、アクセサリ電源が「切」となってから基準時間内に「入」となったか否かを判断する。この処理は、検出手段として機能するCPU11が行なう。なお、アクセサリ電源が「入」になったか否かは、外部電源受領部25に供給される電源電圧が基準電圧(例えば、ナビゲーション装置の駆動最低電圧)以上になったか否かにより判断することができる。
【0048】
また、上記基準時間は、キースイッチが「ACC」→「ON」→「START」と移動して、エンジンを始動した後に「ON」に戻るまでの時間を考慮して決定すればよい。具体的には、キースイッチを「ON」から「START」に移動させて、再び「ON」に戻るまでの時間に若干の誤差時間を加えた時間、例えば10秒を基準時間として定めればよい。上述のようにキースイッチを移動させる場合は、通常、引き続きナビゲーション装置1を使用することになるので、基準時間をこのように決定すれば、引き続きナビゲーション装置1を使用する場合であるか否かを的確に判断できる。
【0049】
そして、ステップS4において、基準時間内にアクセサリ電源が「入」になったと判断した場合(ステップS4:Yes)は、ナビゲーション装置1の復旧を行なうステップ(ステップS5)に進み、一方、基準時間内にアクセサリ電源が「入」にならない判断した場合(ステップS4:No)は、ナビゲーション装置1の停止を行なうステップ(ステップS6)に進む。
【0050】
ステップS5では、ナビゲーション装置1を一時停止状態から復旧させる。この処理は、復旧手段として機能するCPU11が行なう。CPU11は、ステップ3においてRAM13に記憶した状態情報を読み出し、それに基づいて各デバイスをステップS3において一時停止状態にする前の状態に復旧させる。
【0051】
また、ステップS1においてナビゲーション装置1が起動途中であるとの判断を行なっていた場合は、CPU11は、初期化を中断したデバイスの初期化を再開させ、また、初期化を完了できなかったデバイスや初期化を行なっていないデバイスの初期化を開始する。
【0052】
一方、ステップS6では、ナビゲーション装置1を完全に停止させる。当該処理は、装置停止手段として機能するCPU11が行なう。CPU11は、ナビゲーション装置1を構成する各デバイスの停止処理を行なう。
【0053】
このようにしてナビゲーション装置1の駆動制御を行なえば、バッテリ2(アクセサリ電源)からの電力供給が一時的に停止してナビゲーション装置1が正常に駆動できない場合であっても、バッテリ2が復帰した後に、それまでの駆動状態を保持したかたちでナビゲーション装置1の駆動を再開することができるため、すべての操作を始めからやり直すといったユーザの手間や時間のロスを回避又は低減することができる。
【0054】
また、ナビゲーション装置1の起動途中にアクセサリ電源が「切」となった場合に、初期化に時間がかかるデバイスの初期化をバックアップ電源26を用いて継続させるので、アクセサリ電源が復帰した後にナビゲーション装置1を復旧させる際に、当該初期化に時間のかかるデバイスの初期化を行なう必要がないため、スムーズにナビゲーション装置1を復旧させることができる。
【0055】
また、デバイス一時停止状態にする際に、休止モードや省電力モードに移行させ、また、必要のないデバイスを停止させることにより、バックアップ電源26の消費を抑えることができる。なお、後述のようにバックアップ電源26に替えてバッテリ2の常時電源を用いる場合には、バッテリ2の消費を抑えることができ、バッテリ不可となることを防止することができる。
【0056】
また、アクセサリ電源が「切」になった後、基準時間以内にアクセサリ電源が「入」とならない場合に、ナビゲーション装置1を停止させるので、バックアップ電源26を過度に消費することが防止でき、また、バックアップ電源に替えて常時電源を用いた場合でもバッテリ不可となることを防止することができる。
【0057】
なお、以上では、キースイッチ4が「START」にあるときにアクセサリ電源が「切」となるように設定された車両のアクセサリ電源を用いた場合を説明したが、キースイッチ4が「START」にあるときにアクセサリ電源が「切」とならないように設定された車両のアクセサリ電源を用いた場合でも、同様の駆動方法をとることが可能である。
【0058】
この場合、アクセサリ電源が「切」ではなく、アクセサリ電源の電圧が基準電圧(例えば、ナビゲーション装置1の駆動最低電圧)以下となったときに図2における処理が開始され、また、ステップ4では、アクセサリ電源の電圧が基準電圧以下となってから基準時間内に基準電圧以上に回復するか否かの判断を行ない、基準時間内に基準電圧以上に回復した場合はステップS5に進み、回復しない場合はステップS6に進めばよい。
【0059】
また、アクセサリ電源が「切」となった場合の電源供給手段として、バックアップ電源26を使用する場合を説明したが、バックアップ電源26に替えてバッテリ2の常時電源を用いてもよい。
【0060】
また、ステップ4における判断方法に替えて、▲1▼キースイッチ4が「START」に移動したときスタータモータに大電流がながれバッテリ2の電圧が降下することを利用して、該電圧降下を検出した場合にアクセサリ電源が「入」となったものとして判断する方法や、▲2▼キースイッチ4の位置を車両の制御装置等から検出して、キースイッチ4が「ACC」→「ON」→「START」の順に移動した場合にアクセサリ電源が「入」となったものとして判断する方法を用いてもよい。
【0061】
(b)アクセサリ電源が「入」となった場合の駆動方法
次に、アクセサリ電源が「入」となった場合の駆動方法について図4を用いて説明する。図4は、当該駆動方法を説明するフローチャートである。
【0062】
アクセサリ電源が「入」となった場合に、図4における処理が開始される。図4における処理が開始されると、ステップS11では、初期化に時間がかかるデバイスの初期化を行なう。すなわち、CPU11は、初期化に時間がかかるデバイスから初期化を行なうように規定されたプログラムをROM12から読み出して実行し、各デバイスの初期化を行なう。
【0063】
ここで初期化に時間がかかるデバイスとは、前述と同様に、例えば、基準時間以上初期化に時間がかかるデバイスをいう。
【0064】
次に、ステップS12では、その他のデバイスの初期化を行なう。ステップS11における初期化に時間がかかるデバイスの初期化が完了した後に、ステップS12を実行してもよいし、ステップS11における初期化に時間がかかるデバイスの初期化が完了していない段階でステップS12を実行してもよい。
【0065】
次に、ステップS13では、ステップS11及びS12においてすべてのデバイスの初期化が完了した後にナビゲーション処理が開始される。
【0066】
以上のように、初期化に時間のかかるデバイスを優先して、初期化を行なうので、ナビゲーション装置1を起動してデバイスの初期化を行なっている途中にアクセサリ電源が「切」となり、図3における処理を行なう際に、初期化に時間がかかるデバイスの初期化が完了した状態で、ナビゲーション装置1の復旧処理を行なうことができ、スムーズな復旧処理を行なうことが可能となる。
【0067】
図4における処理に替えて、図5に示す駆動方法を用いてもよい。図5における処理が開始されると、先ず、ステップS14で消費電力の小さなデバイスの初期化をおこない、次に、ステップS15でその他のデバイスの初期化を行なう。
【0068】
このように、消費電力の小さなデバイスの初期化を優先して行なうので、ナビゲーション装置1を起動してデバイスの初期化を行なっている途中にアクセサリ電源が「切」となり、図3における処理を行なう際に、消費電力の少ないデバイスを一時停止状態にして、ナビゲーション装置1の復旧処理を行なうことができ、バックアップ電源26の消費を最小限に抑えることが可能となる。
【0069】
また、図4における処理に替えて、図6に示す駆動方法を用いてもよい。図6における処理が開始されると、先ず、ステップS17で初期化を中断できるデバイスの初期化をおこない、次に、ステップS18でその他のデバイスの初期化を行なう。
【0070】
このように、初期化を中断できるデバイスの初期化を優先して行なうので、ナビゲーション装置1を起動してデバイスの初期化を行なっている途中にアクセサリ電源が「切」となり、図3における処理を行なう際に、初期化を中断した状態で一時停止状態にして、ナビゲーション装置1の復旧処理を行なうことができ、一時停止状態にする前の初期化処理を有効に活用することができる。
【0071】
3.第2のナビゲーション装置
第2のナビゲーション装置は、第1のナビゲーション装置1に、アクセサリ電源(バッテリ2)の電圧監視を行ない、該電圧が基準値以下となった場合にエンジンを起動してバッテリの充電を促す機能を付加したものである。
【0072】
A.ナビゲーション装置の構成
次に、上述の本実施形態にかかる第2のナビゲーション装置について説明する。
【0073】
第2のナビゲーション装置の全体構成は、図2に示す第1のナビゲーション装置1と同じである。したがって、第2のナビゲーション装置をナビゲーション装置1’と称して、図2を用いて説明する。
【0074】
第2のナビゲーション装置1’は、CPU11が更に本願の電圧監視手段、警報発信手段及び装置停止手段として機能する。他の部分については、第1のナビゲーション装置1と同様であるので説明は省略する。
【0075】
B.ナビゲーション装置の駆動方法
次に、上記第2のナビゲーション装置1’の駆動方法について図7を用いて説明する。
【0076】
図7における処理が開始されると、ステップS20では、アクセサリ電源の電圧が基準電圧以下であるか否かの判断を行なう。すなわち、電圧監視手段として機能するCPU11は、外部電源受領部25に供給されるアクセサリ電源の電圧値に関する信号を取得し、当該電圧値が基準電圧以下であるか否かの判断を行なう。ここで、基準電圧とは、バッテリ2の充電が必要であるか否かの判断基準のための電圧値であり、ナビゲーション装置1’やバッテリ2の仕様等に基づいて決定される。
【0077】
ステップ20Sにおける判断の結果、アクセサリ電源の電圧が基準電圧以下である場合(ステップS20:Yes)はステップS21に進み、アクセサリ電源の電圧が基準電圧以下でないと判断した場合(ステップS20:No)は再びステップS20の処理を繰り返す。
【0078】
なお、エンジンが駆動している状態ではアクセサリ電源(バッテリ2)が充電され、電源電圧が一定に保たれるため、スッテプS20においてアクセサリ電源の電圧が基準電圧以下と判断されるのは、エンジン停止状態でナビゲーション装置1’を使用している場合である。
【0079】
次に、ステップS21では、エンジンの始動を促す旨の警告を行なう。すなわち、警報発信手段として機能するCPU11は、関係するデバイスを制御して、音声又は/及び映像によりエンジンの始動を促す旨の警告を行なう。具体的には、CPU11の制御により音声処理回路23で「エンジンを始動してください」という内容の音声信号を発生させて、スピーカ24から音声出力を行なったり、また、CPU11が表示制御部21を制御してディスプレイ20に「エンジンを始動させてください」との表示をさせたりする。
【0080】
次に、ステップS22では、上記警告を行なった後の基準時間内にエンジンが始動したかを判断する。すなわち、CPU11は、ステップS21での警告を行なったあと、基準時間内にエンジンの始動が為されたか否かの判断を行なう。ここで基準時間とは、バッテリ2の容量が極端に(例えば、エンジン始動ができなくなる程に)低下する前にエンジンが始動された否かを判断基準のための時間であり、バッテリ2が低下する割合や使用者が警告を受けてからエンジン始動するまでに必要な理論上の時間等に基づいて決定される。
【0081】
ステップS22における判断の結果、基準時間内にエンジンが始動されないと判断した場合(ステップS22:No)はステップS23に進み、一方、基準時間内にエンジンが始動されたと判断した場合(ステップS22:Yes)は、図3に示すアクセサリ電源「切」の場合の処理のステップS1へ進む。
【0082】
次に、スッテプS23では、ナビゲーション装置1’の停止処理を行なう。すなわち、装置停止手段として機能するCPU11は、ナビゲーション装置1’を構成する各デバイスの停止処理を行なう。
【0083】
以上説明したように、アクセサリ電源(バッテリ2)の電圧を監視して、アクセサリ電源の電圧が低下した場合にエンジンの始動を促す警告を行なうので、使用者がバッテリ2の電圧低下に気づかずにナビゲーション装置1’を使用し続け、バッテリ不可(バッテリ上がり)となることを未然に防止できる。更に、エンジンの始動を促す警告にもかかわらずエンジンが始動されない場合は、自動的にナビゲーション装置1’の停止処理がされるので、バッテリ不可(バッテリ上がり)となることを確実に防止することができる。
【0084】
なお、以上では、アクセサリ電源の電圧の監視を行なう場合を説明したが、常時電源等の他の出力電源の電圧を監視してもよいし、直接バッテリ2の電圧の監視を行なってもよい。
【0085】
4.他の実施形態
また、以上の実施形態においては、移動体用装置としてナビゲーション装置を用いる場合について説明したが、移動体用装置はナビゲーション装置に限られるものではなく、移動体が備えた電源からの電力供給により駆動する装置であればよい。例えば、DVD装置、CD装置又はMD装置などであってもよい。また、移動体は車両に限られず、例えば、船やオートバイなどであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るナビゲーション装置への電力供給を説明するブロック図である。
【図2】実施形態に係るナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。
【図3】アクセサリ電源が「切」となった場合の実施形態に係るナビゲーション装置の駆動方法を説明するフローチャートである。
【図4】アクセサリ電源が「入」となった場合の実施形態に係るのナビゲーション装置の駆動方法を説明するフローチャートである。
【図5】アクセサリ電源が「入」となった場合の実施形態に係るナビゲーション装置の他の駆動方法を説明するフローチャートである。
【図6】アクセサリ電源が「入」となった場合の実施形態に係るナビゲーション装置の別の他の駆動方法を説明するフローチャートである。
【図7】実施形態に係るナビゲーション装置の他の駆動方法を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 ナビゲーション装置
2 バッテリ
3 電源制御装置
4 キースイッチ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 DVD−ROMドライブ
15 ハードディスク
16 センサ部
17 GPS受信機
18 インターフェース
19 入力装置
20 ディスプレイ
21 表示制御部
22 バッファメモリ
23 音声処理回路
24 スピーカ
25 外部電源受領部
26 バックアップ電源
Claims (9)
- 移動体に備えられた電源からの電力供給によって駆動される移動体用装置であって、
前記移動体用装置の動作状態を示す状態情報を記憶する記憶手段と、
前記電源の電圧が予め与えられた基準電圧以下になったときに、当該時点での前記状態情報を前記記憶手段に記憶させつつ前記移動体用装置を一時停止状態に移行させる状態制御手段と、
前記電源の電圧が前記基準電圧を超えたか否かを検出する検出手段と、
前記電源の電圧が前記基準電圧を超えたことが検出されたときに、前記状態情報を用いて前記移動体用装置を前記一時停止状態から復旧させる復旧手段と、
を備えたことを特徴とする移動体用装置。 - 予め与えられた時間内に、前記検出手段で前記電源の電圧が前記基準電圧を超えたことが検出されないときに前記移動体用装置を停止させる装置停止手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の移動体用装置。
- 前記電源の電圧を監視する電圧監視手段と、
前記監視の結果に基づき前記電源の充電を促す旨の警報を発する警報発信手段と、
前記警報の発信から予め与えられた時間内に前記電源の充電を行なわないときに、前記移動体用装置を停止させる装置停止手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体用装置。 - 前記移動体用装置が複数の構成装置で構成されている場合において、前記複数の構成装置のうち、他の構成装置より初期化時間の長い構成装置を優先して起動することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の移動体用装置。
- 前記移動体用装置が複数の構成装置で構成されている場合において、前記複数の構成装置のうち、他の構成装置より電力消費の小さい構成装置を優先して起動することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の移動体用装置。
- 前記移動体用装置が複数の構成装置で構成されている場合において、前記複数の構成装置のうち、初期化処理が中断可能な構成装置を優先して起動することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の移動体用装置。
- 移動体に備えられた電源からの電力供給によって駆動される移動体用装置の駆動方法であって、
前記電源の電圧が予め与えられた基準電圧以下になったときに、当該時点での前記移動体用装置の動作状態を示す状態情報を記憶手段に記憶させつつ、前記移動体用装置を一時停止状態に移行させる状態制御工程と、
前記電源の電圧が前記基準電圧を超えたか否かを検出する検出工程と、
前記電源の電圧が前記基準電圧を超えたことが検出されたときに、前記状態情報を用いて前記移動体用装置を前記一時停止状態から復旧させる復旧工程と、
を備えたことを特徴とする移動体用装置の駆動方法。 - 移動体に備えられた電源からの電力供給によって駆動される移動体用装置に含まれるコンピュータを、
前記電源の電圧が予め与えられた基準電圧以下になったときに、当該時点での前記移動体用装置の動作状態を示す状態情報を記憶手段に記憶させつつ、前記移動体用装置を一時停止状態に移行させる状態制御手段と、
前記電源の電圧が前記基準電圧を超えたか否かを検出する検出手段と、
前記電源の電圧が前記基準電圧を超えたことが検出されたときに、前記状態情報を用いて前記移動体用装置を前記一時停止状態から復旧させる復旧手段として機能させることを特徴とする移動体用装置の駆動プログラム。 - 請求項8に記載の移動体用装置の駆動プログラムが前記コンピュータで読取可能に記録されていることを特徴とする情報記録媒体。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006192990A (ja) * | 2005-01-12 | 2006-07-27 | Fujikura Ltd | キーインタロック装置 |
KR100669609B1 (ko) | 2004-11-04 | 2007-01-15 | 엘지전자 주식회사 | 텔레메틱스 단말기 |
CN105150792A (zh) * | 2015-09-28 | 2015-12-16 | 江苏大学 | 一种基于gps定位的电控可调悬架系统及控制方法 |
-
2003
- 2003-01-16 JP JP2003008057A patent/JP2004217106A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100669609B1 (ko) | 2004-11-04 | 2007-01-15 | 엘지전자 주식회사 | 텔레메틱스 단말기 |
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