JP2004215710A - 潤滑性被膜剤および吸湿時に潤滑性を発現する医療用具 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のものと同程度の機能を有し、一層使用しやすい医療用具およびその医療用具に用いる潤滑性被膜剤を提供する。
【解決手段】金属製の芯線4と、その芯線の端部に設けられる第1コイル5および第2コイル6と、それらを覆うように設けられる湿潤時に潤滑性を発現する親水性高分子を主成分とする潤滑性被膜7とを備えているガイドワイヤ1。潤滑性被膜7は、ムコ多糖類に増粘剤および添加剤を加えた潤滑性被膜剤あるいは多糖類以外の親水性高分子に保水剤を含有させた潤滑性被膜剤を、芯線4などの表面に塗布・乾燥することによって形成したものである。
【選択図】 図1
【解決手段】金属製の芯線4と、その芯線の端部に設けられる第1コイル5および第2コイル6と、それらを覆うように設けられる湿潤時に潤滑性を発現する親水性高分子を主成分とする潤滑性被膜7とを備えているガイドワイヤ1。潤滑性被膜7は、ムコ多糖類に増粘剤および添加剤を加えた潤滑性被膜剤あるいは多糖類以外の親水性高分子に保水剤を含有させた潤滑性被膜剤を、芯線4などの表面に塗布・乾燥することによって形成したものである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、潤滑性被膜剤および吸湿時に潤滑性を発現する医療用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開昭60−7862号公報
【特許文献2】特開平7−275366号公報
【特許文献3】特開平11−290458号公報
従来、カテーテルは、点滴や透析用のブラッドアクセス等に用いられてきた。しかし、近年の放射線医療技術の向上と共に、カテーテルを血管内に通して直接患部まで誘導することができるようになり、患部に直接検査または治療を行う医療用具として用いられている。そのため、カテーテルは血管等との摩擦が少なく、より細いものが求められている。また、カテーテル内には通常ガイドワイヤが設けられており、このガイドワイヤは、カテーテルの芯線として目的部位まで案内する役割を奏し、また、先端を放射線で探知できるようにすることで目的部位まで誘導させることができる。このようにしてカテーテルを配置した後、ガイドワイヤを抜き取り、他の医療用具をカテーテル内に摺動させて、目的部位まで誘導し、検査や治療を行う。そのため、ガイドワイヤおよびカテーテル内を通す医療用具は、カテーテルとの間の摺動抵抗が少ないもの、径の細いものなど、その挿入性および操縦性のよいものが求められている。
【0003】
このようなカテーテル用ガイドワイヤとして、例えばガイドワイヤ本体の表面に合成樹脂を被覆した特許文献1に記載のものが知られている。また特許文献2では、金属製のガイドワイヤ本体の表面に合成樹脂被膜を設け、さらにその表面に潤滑性物質として水溶性高分子物質を設けるものが開示されている。これは、合成樹脂被膜と潤滑性物質を化学的に反応させることで、それぞれ結合あるいは架橋させて潤滑性物質をガイドワイヤ本体に固定したものである。これにより、ガイドワイヤとカテーテルとの摺動抵抗が少なく、操縦性がよく、耐久性の高いガイドワイヤが得られるとされている。
【0004】
さらに、特許文献3には、血管などとの摩擦を低減するカテーテルとして、ポリウレタン製のカテーテル本体の外表面に親水性高分子を含む溶液を接触させ、そのカテーテル本体の表面にその親水性高分子を架橋させることによって潤滑性物質を固定させたカテーテルが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のものと同様の潤滑性、柔軟性、抗血栓性および電気的絶縁性に優れた機能を有し、さらに合成樹脂膜を介することがなくても剥離や脱落が起こりにくい潤滑性被膜剤および医療用具を提供することを目的とするものである。さらに本発明は、人体への影響が少ない潤滑性被膜を備え、より安全性の高い医療用具を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の潤滑性被膜剤(請求項1)は、体内に挿入する医療用具の本体の表面に固定することにより、湿潤時に潤滑性を発現する潤滑性被膜を本体の表面に形成するための潤滑性被膜剤であって、親水性高分子と、その親水性高分子を固定するための増粘剤と、保水剤とを含んでいる粘性の溶液からなることを特徴としている。このような潤滑性被膜剤においては、前記親水性高分子が多糖類であるものが好ましい(請求項2)。また、前記多糖類がムコ多糖類であるものがさらに好ましい(請求項3)。ここで増粘剤とは、水に溶解又は分散して、粘稠性を生じる高分子物質である。
【0007】
このような潤滑性被膜剤において、添加剤としてマルトトリオース(請求項4)、D−ソルビトール(請求項5)または抗血栓剤(請求項6)を含有しているものが好ましい。
【0008】
本発明の医療用具(請求項7)は、医療用具の本体と、その本体の表面に前記いずれかに記載の潤滑性被膜剤を塗布することにより固定し、形成した潤滑性被膜とからなることを特徴としている。前記潤滑性被膜剤が、溶媒を有するものであり、その潤滑性被膜剤を塗布した後、乾燥させて硬化させることにより形成したものであるのが好ましい(請求項8)。
【0009】
このような医療用具においては、前記医療用具の本体が金属製であるものが好ましい(請求項9)。また、前記医療用具の本体が金属製の心材の表面に合成樹脂製の被覆層を設けたものであり、前記潤滑性被膜がその合成樹脂製の被覆層の上に設けられているものが好ましい(請求項10)。また医療用具の本体は、カテーテルのような合成樹脂製のものであってもよい(請求項11)。
【0010】
【作用および発明の効果】
本発明の潤滑性被膜剤(請求項1)は、粘性を有しているため、含有している親水性高分子を医療用具に固定することができる。また、親水性高分子を有する被膜剤であるため、目的物に被覆したとき、通常は潤滑性を示さず、吸水時または医療用具を体内などに挿入した場合、血液等と接触することで潤滑性を示す。さらに、一般的に増粘されることで吸水性は低下するが、本発明の潤滑性被膜剤は保水剤を有するため、被覆した後も高い吸水性を示す。つまり目的物に被覆することで、通常は潤滑性を示さず、吸水時または医療用具を体内などに挿入し血液等と接触させることで潤滑性を示す潤滑性被膜を生成することができる。
このような潤滑性被膜剤において、前記親水性高分子が多糖類である場合(請求項2)、前述と同様に親水性を示すため吸湿時に潤滑性を発現し、さらに、多糖類は水に対してよい保水性を示すため好ましい。また、保水剤を兼ねる場合、他の保水剤を用いる必要がないため、コストを抑えることができ、製造が容易であり、また、人体への影響も小さい。
【0011】
さらに前記多糖類がムコ多糖類である場合(請求項3)は、ムコ多糖類の保水性はさらに高く、多糖類と同様に保水剤を用いることなく前述の作用を奏することができる。また、水に対してすぐ溶け出すことがなく、血液の増粘を惹起することがないため、保水剤としても好ましく作用する。さらに、ムコ多糖類は、一般に動物組織内で遊離またはタンパク複合体の形で存在することからもわかるように、医療用具の潤滑性被膜として用いる場合、人体への影響度が低い。
【0012】
前記潤滑性被膜剤が添加剤としてマルトトリオース(プルラン)を有している場合(請求項4)は、冷水および温水にも潤滑性を示し、さらに強力な接着性を有するため、潤滑性被膜を医療用具本体の表面により強固に固定することができ、金属製の医療用具にもちる場合、特に好ましい。そのため、いかなる条件下でも耐久性が高く、柔軟で剥離および脱落がおこりにくい潤滑性被膜を製造することができる。また添加剤としてD−ソルビトールを用いる場合(請求項5)は、多糖類を安定に保ち、多糖類の柔軟性を促進し、多糖類に対して難醗酵性であるため、多糖類を含有している潤滑性被膜剤を用いる場合、より耐久性の高い潤滑性被膜を有する医療用具を製造することができる。さらに添加剤として抗血栓剤を含有している場合(請求項6)は、医療器具の使用時における血液の凝固を防ぎ、血栓を防止することができる。
【0013】
本発明の医療用具(請求項7)は、親水性高分子を含む潤滑性被覆を有するため、その医療用具は体液などによって湿潤したときに潤滑性を示す。そのため、医療用具を体内に挿入した後は目的部位まで容易に誘導することができる。また、保水剤を有するため、吸水性が高く、吸湿時に潤滑性を示す被膜を生成することができる。また、親水性高分子を有する被膜を増粘剤で増粘させた粘性の被膜剤を目的器具の表面に塗布することにより、固定し、形成しているため、容易に剥がれることがなく、その工程を容易に行うことができる。また、前記潤滑性被膜剤が溶媒を有するものであり、前記潤滑性被膜が、その潤滑性被膜剤を塗布した後、乾燥させて硬化させることにより形成されたものである場合(請求項8)、その塗布作業が容易である。また、水分を含む被膜を形成する場合、保存している間にカビが発生するおそれがある。そのため、このように製造することで、長期保存が可能である被膜を有する医療用具を製造することができる。
【0014】
前記医療用具の本体が金属製の場合(請求項9)は、強度が高く、弾力性に優れた医療用具を得ることができる。また、前述の潤滑性被膜は金属製の本体の表面にもしっかりと固定され、形成されるので、剥離や脱落が起こりにくい被膜を金属医療用具の表面に、容易に形成することができる。
【0015】
前記医療用具本体が金属製の心材の表面に合成樹脂製の被覆層を設けたものである場合(請求項10)は、錆が生じにくく、前述した作用を有する医療用具を製造することができる。また潤滑性被膜の種類によっては、本体と潤滑性被膜との接合性が一層高くなる。さらに医療用具の本体が合成樹脂製の場合(請求項11)には、柔軟性が高く、前述した作用を有する医療用具を製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明の医療用具およびそれに用いる潤滑性被膜剤の実施の形態を説明する。図1は本発明の医療用具の一実施形態を示す側面図、図2は本発明の医療用具の他の実施形態を示す一部切り欠き側面図、図3は本発明の医療用具のさらに他の実施形態を示す斜視図、図4は本発明の医療用具の製造方法を示す断面図、図5は本発明の医療用具および比較例の医療用具を用いた耐久試験の説明図である。
【0017】
図1は本発明をガイドワイヤ1に適用した実施形態を示している。このガイドワイヤ1は、たとえば図3に示すカテーテル3を血管内に導くためのガイドとして用いるものである。このガイドワイヤ1は、金属製の芯線4と、その芯線の先端部に設けた第1コイル5および第2コイル6と、それらの全体を覆うように設けられている潤滑性被膜7とからなる。
【0018】
前記芯線4としては、ニッケル−チタン合金、ステンレス鋼、ニッケル合金、コバルト合金などの金属製のものが用いられる。その径は0.2〜2.0mmとするのが好ましく、特に0.3〜0.8mmのものが好ましい。芯線4の長さは通常1.5〜2.0m前後であり、芯線4の先端近辺の300mm程度は、先端に向かうにつれて細くなるテーパ状に形成されている。前記第1コイル5および第2コイル6は、金属線をほぼ密着した螺旋状に巻き形成したものであり、それらのコイル5、6の両端は、軟ろう8によるろう付け等で固定されている。
【0019】
前記基端側の第1コイル5は、芯線4と同様の金属線、たとえばニッケル、チタン、ステンレス鋼など、あるいはそれらの合金などから構成されている。他方、先端側の第2コイル6は、外部からガイドワイヤの先端位置が分かるように、X線造影性を有する金属線から構成されている。そのようなX線造影性を有する金属としては、金、白金、銀、ビスマス、タングステン、タンタル、イリジウム、ロジウム、コバルトまたはこれらの合金などが挙げられる。
【0020】
前記潤滑性被膜7は、芯線4、第1コイル5および第2コイル6からなる本体の外周に多糖類を増粘剤によって固定化したものである。このような潤滑性被膜7において、ムコ多糖類以外の多糖類を用いる場合、10〜15%含有しているものが好ましい。また、ムコ多糖類を用いる場合、0.1〜1%含有しているものが好ましい。それぞれ、ムコ多糖類以外の多糖類が10%未満あるいはムコ多糖類が0.1%未満である場合、被膜としての吸水性また、湿潤時の潤滑性を充分得ることができない。また、ムコ多糖類以外の多糖類が15%より多いあるいはムコ多糖類が1%より多い場合、それら多糖類あるいはムコ多糖類を充分固定することができず、剥がれたりするおそれがある。この潤滑性被膜7の厚さは0.1〜300μm程度であり、とくに1〜10μmであるものが好ましい。
【0021】
上述の多糖類としては保水性が大きいものが好ましく、このものは保水剤を兼ねるので、別個に保水剤を入れる必要がない。そのような多糖類としてムコ多糖類が好ましい。このムコ多糖類として、ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、デルマテン硫酸、ケラタン硫酸などの酸性ムコ多糖類、キチン等などの中性ムコ多糖類などが挙げられる。
【0022】
また、前記増粘剤としては、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体(またはポリビニルピドリロン)が好ましい。しかし、これに限定されるものではなく、植物系としてグアガム、タマリンドガム、ローカストビンガム、CMCカルシウム、デンプングリコール酸Na、デンプン燐酸エステルナトリウムなど、海藻系増粘剤としてアルギン酸Na、アルギン酸プロプレングリコール、カラギーナン、寒天など、醗酵系増粘剤としてキサンタンガム、シュランガム、ランザンガム、ウエランガムなど、その他の増粘剤としてサイクロデキストリン、ペクチン、ブドウ糖、乳糖、アラビアガム、コンドロイチン硫酸などであってもよい。
【0023】
さらに、前記添加剤は主成分の本体への固定を安定化したり、他の機能を付与するためのものであり、たとえば多糖類を安定して保持させるための添加剤として、マルトトリオースまたはD−ソルビトールがあげられる。これらは易溶性であるので、好ましく用いられる。他の添加剤としては、抗血栓性を向上させるための抗血栓剤や、短時間での溶解防止、効果持続性向上のためのセルロースなどが用いられる。これらの添加剤は主成分の機能を損なわない範囲で適宜採用することができ、医療用具の機能を向上させることができる。
【0024】
これまでは湿潤時に潤滑性を示す親水性高分子材料として保水剤を兼ねる多糖類を表してきたが、保水性が大きく保水剤を兼ねる親水性高分子材料を用いても構わない。このような多糖類以外の親水性高分子として、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。また、これら保水性の大きい親水性高分子材料を保水剤と共に用いても構わない。
また、保水剤を兼ねない多糖類あるいは親水性高分子は保水剤と共に用いることによって前述と同様の作用を奏することができる。この場合、潤滑性被膜7は親水性高分子が5〜10%、保水剤が10〜15%であるもの、あるいは親水性高分子および保水剤の合計が15〜25%であるものが好ましい。このように設けることで、ムコ多糖類を用いたときと同様に、吸水性、湿潤時の潤滑性および被膜として剥がれにくいものを生成することができる。
このような親水性高分子としては、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアリルアミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリメチルビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、プロピレングリコール、ポリメタクリル酸メチル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ペクチン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、イソプレングリコール、ブチレングリコール、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。
【0025】
また、前記保水剤としてムコ多糖類が好ましく、特にヒアルロン酸を用いる場合は、その保水作用が高く好ましい。ムコ多糖類以外の保水剤としては、アスパラギン酸ナトリウムなどのアミノ酸、ヒポタウリン、グリセリン、可溶性コラーゲン、キトサン、スフィンゴ脂質、乳酸塩、マルトトリオース(プルラン)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール、D−ソルビトール、ピロリドンカルボン酸、酒石酸ナトリウム、2−メタクリロイルオキシエチルスルホリルコリンを構成単位とする水溶性のホモポリマーまたはコポリマーなどが挙げられる。
【0026】
このような金属製ガイドワイヤ1の本体は、芯線4の先端部に第1コイル5と第2コイル6を軟ろう8で固定することにより得られる。そしてその後、本体の表面全体に潤滑性被膜を設けることにより、潤滑性被膜付きの金属製ガイドワイヤ1が得られる。第1コイル5および第2コイル6は、芯線4の先端部に直接金属線を巻き成形することによっても一体化することもできるが、通常は、あらかじめ巻き成形した第1コイル5および第2コイル6に芯線4の先端部を通して組み立てる。なお、芯線4と第1コイル5、第2コイル6にそれぞれ潤滑性被膜を設けておき、その後、芯線の外周に第1コイル5および第2コイル6を装着するようにしてもよい。
【0027】
芯線4およびそれに取り付けたコイル5、6の表面に潤滑性被膜を設けるには、まず芯線4とコイル5、6とを組み立てた本体を精製水などで洗浄し、ついでその本体の表面に、親水性高分子と、増粘剤と、保水剤とからなる潤滑性被膜剤を浸漬法あるいはスプレー法により芯線4の表面に塗布し、自然乾燥し、その表面をアルコールで拭いて平滑にすると同時に消毒する。その後、医療用具本体が金属である場合は、100℃、その他(有機系材料)の場合は温度40〜60℃程度、好ましくは50℃前後の熱風乾燥を行う。そしてこの塗布、乾燥、アルコール拭きの一連の動作を数回繰り返すことにより、潤滑性被膜7が得られる。これにより芯線4などの金属表面に、脱落や剥離などが生じにくく、耐久性が高い、吸湿時に潤滑性を発現する潤滑性被膜7が設けられる。そして得られたガイドワイヤ1は、使用前の乾燥している状態では取り扱いが容易であり、体内に挿入したときは体液で湿潤され、潤滑性を発現し、操作性が向上する。なお前記実施形態ではあらかじめガイドワイヤの本体を組み立ててから潤滑性被膜7を形成しているが、場合により、芯線4やコイル5、6を組み立てる前に潤滑性被膜7を形成するようにしてもよい。このような親水性高分子としては、ムコ多糖類が好ましく、これに増粘剤および添加剤を加えたものが用いられる。
【0028】
また、図4に示すように、芯線4にハケまたはディッピングにより潤滑性被膜剤25を塗布し、シリコーンゴム23によってぬぐいながら薄膜の厚さを調整し、引き抜くことで潤滑性被膜7を形成することもできる。
【0029】
また、このような医療用具に用いられる潤滑性被膜剤として、その配合比が増粘剤1部(重量部。以下同じ)に対して添加剤2〜10部と、ムコ多糖類1〜8部とを含有させたものが好ましい。これらの成分には溶媒を用いなくてもよく、その場合高粘性となる。また、精製水、アルコールなどの溶媒を1〜20部程度含有させて溶解させてもよい。この場合被膜剤の粘度として100〜150cpsである場合、医療用具への塗布作業が容易であり、その被膜の厚さを調節することができ、好ましい。また、ムコ多糖類に代えて親水性高分子を用いる場合、増粘剤1部に対して、添加剤2〜10部と、親水性高分子5〜10部と、保水剤10〜15部そして溶媒0〜20部であるものが好ましい。
【0030】
図2に示すガイドワイヤ10は、金属製の芯線4と、その表面に設けられる合成樹脂製の被覆層11と、その外表面に設けられる親水性高分子からなる潤滑性被膜7とを備えている。芯線4は図1の場合とほぼ同様であり、同じ程度の太さおよび全体の長さを有する。ただし合成樹脂製の被覆層11があるので、芯線4の太さはいくらか細くしてもよい。芯線4の先端部にはテーパ部12が設けられ、さらにその先端に幅が広い平坦部13が設けられている。テーパ部12と平坦部13とを合わせた長さは約300mm前後である。この実施の形態ではコイルは設けていない。しかし図1の場合と同様に先端部の外周にコイルを設けるようにしてもよい。
【0031】
合成樹脂製の被覆層11の外径は0.5〜3mm程度であり、特に0.9〜1.9mm程度であるものが好ましい。このような被覆層の合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロンなどの強度が高い熱可塑性樹脂が好ましく、それにより成形が容易であり、しかも強度が高い被覆層11が得られる。このように被覆層を設けることで、生体適合性に優れ、親水性高分子との親和性が良いガイドワイヤが得られる。このような被覆層の成形方法としては、チューブストレッチング成形、押出成形、ディッピング成形などがある。
【0032】
潤滑性被膜4は、図1の金属製のガイドワイヤ1の場合と同様のムコ多糖類と、増粘剤を含む潤滑性被膜剤を塗布し、乾燥させて形成したものである。その厚さは0.1〜300μmが好ましく、特に1〜10μmであるものが好ましい。これにより、通常は潤滑性がなく、吸湿時には潤滑性を実現するガイドワイヤ10を得ることができる。潤滑性被膜剤は、図1の実施の形態の場合と同じものを採用することができる。
【0033】
図3は本発明の医療用具をカテーテルに適用した実施の形態を示している。このカテーテル20は、合成樹脂製のカテーテル本体22と、その表面に形成した潤滑性被膜7とからなる。カテーテル本体22は、ポリウレタン、ポリアミド(ナイロン)などの熱可塑性樹脂をチューブ状に押し出し成形し、所定の長さに切断したものであり、従来公知のカテーテルをそのまま採用することができる。この潤滑性被膜付きのカテーテル20は、カテーテル本体22を用意し、その表面に、前述と同様の方法を適用して潤滑性被膜7を形成することができる。潤滑性被膜7は、カテーテル本体22の外表面に設けるだけでなく、内表面にも設けることができる。それにより湿潤時に潤滑性を発現するので、ガイドワイヤの外周に一層スムーズに嵌挿することができる。
【0034】
このようにして得られる潤滑性被膜を備えたカテーテル20は、図1の潤滑性被膜を備えた金属製のガイドワイヤ1あるいは図2に示す合成樹脂製の被覆層11の表面に潤滑性被膜7を設けたガイドワイヤ10と共に使用することができる。その場合は血管などの体内にあらかじめ挿入したガイドワイヤに対し、一層スムーズに嵌挿することができ、しかも耐久性が高い。ただし潤滑性被膜を設けていない従来のガイドワイヤと共に用いることもできる。さらに前記図1のガイドワイヤ1や図2のガイドワイヤ10も、従来のカテーテルと組み合わせて使用することもできる。
【0035】
【実施例】
次に、以下の割合で調整した潤滑性被膜剤を調整した。
[実施例1]
メチルビニールエーテル/無水マレイン酸コポリマー 5%
ヒアルロン酸 0.5%
プルラン 11%
ソルビトール 5%
水 78.5%
上記の潤滑性被膜剤をステンレスワイヤに塗布し、自然乾燥させ、その表面をアルコールで拭いて平滑にし、その後、100℃の熱風乾燥を行い潤滑性被膜を有する実施例1のガイドワイヤを製造した。
[実施例2]
また、被膜剤としてN−ビニル−ラクタムを用いた他は、実施例1と同様にして実施例2のガイドワイヤを製造した。
【0036】
[比較例1]
比較例1として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をステンレスにコーティングしたワイヤを用意した。
[比較例2]
比較例2としてコーティングのないステンレスワイヤを用意した。
【0037】
これを図5のように径X50mmの指示具を2個用いて、総曲げ角270°のS字の状態にカテーテルFを配索、この中に水にぬらしたワイヤAを挿入し、一端からロードセルLによって250mm/minで引っ張り、そのすべり抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1に示すように、実施例1、2は吸湿時に比較例1、2よりすべりが小さいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療用具の一実施形態を示す側面図である。
【図2】本発明の医療用具の他の実施形態を示す一部切り欠き側面図である。
【図3】本発明の医療用具のさらに他の実施形態を示す斜視図である。
【図4】本発明の医療用具の製造方法を示す図面である
【図5】本発明の医療用具および比較例の医療用具を用いた耐久試験の説明図である。
【符号の説明】
1 ガイドワイヤ
4 芯線
5 第1コイル
6 第2コイル
7 潤滑性被膜
8 軟ろう
10 ガイドワイヤ
11 被覆層
12 テーパ部
13 平坦部
20 カテーテルv
22 カテーテル本体
23 シリコーンゴム
25 潤滑性被膜剤
【発明の属する技術分野】
本発明は、潤滑性被膜剤および吸湿時に潤滑性を発現する医療用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開昭60−7862号公報
【特許文献2】特開平7−275366号公報
【特許文献3】特開平11−290458号公報
従来、カテーテルは、点滴や透析用のブラッドアクセス等に用いられてきた。しかし、近年の放射線医療技術の向上と共に、カテーテルを血管内に通して直接患部まで誘導することができるようになり、患部に直接検査または治療を行う医療用具として用いられている。そのため、カテーテルは血管等との摩擦が少なく、より細いものが求められている。また、カテーテル内には通常ガイドワイヤが設けられており、このガイドワイヤは、カテーテルの芯線として目的部位まで案内する役割を奏し、また、先端を放射線で探知できるようにすることで目的部位まで誘導させることができる。このようにしてカテーテルを配置した後、ガイドワイヤを抜き取り、他の医療用具をカテーテル内に摺動させて、目的部位まで誘導し、検査や治療を行う。そのため、ガイドワイヤおよびカテーテル内を通す医療用具は、カテーテルとの間の摺動抵抗が少ないもの、径の細いものなど、その挿入性および操縦性のよいものが求められている。
【0003】
このようなカテーテル用ガイドワイヤとして、例えばガイドワイヤ本体の表面に合成樹脂を被覆した特許文献1に記載のものが知られている。また特許文献2では、金属製のガイドワイヤ本体の表面に合成樹脂被膜を設け、さらにその表面に潤滑性物質として水溶性高分子物質を設けるものが開示されている。これは、合成樹脂被膜と潤滑性物質を化学的に反応させることで、それぞれ結合あるいは架橋させて潤滑性物質をガイドワイヤ本体に固定したものである。これにより、ガイドワイヤとカテーテルとの摺動抵抗が少なく、操縦性がよく、耐久性の高いガイドワイヤが得られるとされている。
【0004】
さらに、特許文献3には、血管などとの摩擦を低減するカテーテルとして、ポリウレタン製のカテーテル本体の外表面に親水性高分子を含む溶液を接触させ、そのカテーテル本体の表面にその親水性高分子を架橋させることによって潤滑性物質を固定させたカテーテルが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来のものと同様の潤滑性、柔軟性、抗血栓性および電気的絶縁性に優れた機能を有し、さらに合成樹脂膜を介することがなくても剥離や脱落が起こりにくい潤滑性被膜剤および医療用具を提供することを目的とするものである。さらに本発明は、人体への影響が少ない潤滑性被膜を備え、より安全性の高い医療用具を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の潤滑性被膜剤(請求項1)は、体内に挿入する医療用具の本体の表面に固定することにより、湿潤時に潤滑性を発現する潤滑性被膜を本体の表面に形成するための潤滑性被膜剤であって、親水性高分子と、その親水性高分子を固定するための増粘剤と、保水剤とを含んでいる粘性の溶液からなることを特徴としている。このような潤滑性被膜剤においては、前記親水性高分子が多糖類であるものが好ましい(請求項2)。また、前記多糖類がムコ多糖類であるものがさらに好ましい(請求項3)。ここで増粘剤とは、水に溶解又は分散して、粘稠性を生じる高分子物質である。
【0007】
このような潤滑性被膜剤において、添加剤としてマルトトリオース(請求項4)、D−ソルビトール(請求項5)または抗血栓剤(請求項6)を含有しているものが好ましい。
【0008】
本発明の医療用具(請求項7)は、医療用具の本体と、その本体の表面に前記いずれかに記載の潤滑性被膜剤を塗布することにより固定し、形成した潤滑性被膜とからなることを特徴としている。前記潤滑性被膜剤が、溶媒を有するものであり、その潤滑性被膜剤を塗布した後、乾燥させて硬化させることにより形成したものであるのが好ましい(請求項8)。
【0009】
このような医療用具においては、前記医療用具の本体が金属製であるものが好ましい(請求項9)。また、前記医療用具の本体が金属製の心材の表面に合成樹脂製の被覆層を設けたものであり、前記潤滑性被膜がその合成樹脂製の被覆層の上に設けられているものが好ましい(請求項10)。また医療用具の本体は、カテーテルのような合成樹脂製のものであってもよい(請求項11)。
【0010】
【作用および発明の効果】
本発明の潤滑性被膜剤(請求項1)は、粘性を有しているため、含有している親水性高分子を医療用具に固定することができる。また、親水性高分子を有する被膜剤であるため、目的物に被覆したとき、通常は潤滑性を示さず、吸水時または医療用具を体内などに挿入した場合、血液等と接触することで潤滑性を示す。さらに、一般的に増粘されることで吸水性は低下するが、本発明の潤滑性被膜剤は保水剤を有するため、被覆した後も高い吸水性を示す。つまり目的物に被覆することで、通常は潤滑性を示さず、吸水時または医療用具を体内などに挿入し血液等と接触させることで潤滑性を示す潤滑性被膜を生成することができる。
このような潤滑性被膜剤において、前記親水性高分子が多糖類である場合(請求項2)、前述と同様に親水性を示すため吸湿時に潤滑性を発現し、さらに、多糖類は水に対してよい保水性を示すため好ましい。また、保水剤を兼ねる場合、他の保水剤を用いる必要がないため、コストを抑えることができ、製造が容易であり、また、人体への影響も小さい。
【0011】
さらに前記多糖類がムコ多糖類である場合(請求項3)は、ムコ多糖類の保水性はさらに高く、多糖類と同様に保水剤を用いることなく前述の作用を奏することができる。また、水に対してすぐ溶け出すことがなく、血液の増粘を惹起することがないため、保水剤としても好ましく作用する。さらに、ムコ多糖類は、一般に動物組織内で遊離またはタンパク複合体の形で存在することからもわかるように、医療用具の潤滑性被膜として用いる場合、人体への影響度が低い。
【0012】
前記潤滑性被膜剤が添加剤としてマルトトリオース(プルラン)を有している場合(請求項4)は、冷水および温水にも潤滑性を示し、さらに強力な接着性を有するため、潤滑性被膜を医療用具本体の表面により強固に固定することができ、金属製の医療用具にもちる場合、特に好ましい。そのため、いかなる条件下でも耐久性が高く、柔軟で剥離および脱落がおこりにくい潤滑性被膜を製造することができる。また添加剤としてD−ソルビトールを用いる場合(請求項5)は、多糖類を安定に保ち、多糖類の柔軟性を促進し、多糖類に対して難醗酵性であるため、多糖類を含有している潤滑性被膜剤を用いる場合、より耐久性の高い潤滑性被膜を有する医療用具を製造することができる。さらに添加剤として抗血栓剤を含有している場合(請求項6)は、医療器具の使用時における血液の凝固を防ぎ、血栓を防止することができる。
【0013】
本発明の医療用具(請求項7)は、親水性高分子を含む潤滑性被覆を有するため、その医療用具は体液などによって湿潤したときに潤滑性を示す。そのため、医療用具を体内に挿入した後は目的部位まで容易に誘導することができる。また、保水剤を有するため、吸水性が高く、吸湿時に潤滑性を示す被膜を生成することができる。また、親水性高分子を有する被膜を増粘剤で増粘させた粘性の被膜剤を目的器具の表面に塗布することにより、固定し、形成しているため、容易に剥がれることがなく、その工程を容易に行うことができる。また、前記潤滑性被膜剤が溶媒を有するものであり、前記潤滑性被膜が、その潤滑性被膜剤を塗布した後、乾燥させて硬化させることにより形成されたものである場合(請求項8)、その塗布作業が容易である。また、水分を含む被膜を形成する場合、保存している間にカビが発生するおそれがある。そのため、このように製造することで、長期保存が可能である被膜を有する医療用具を製造することができる。
【0014】
前記医療用具の本体が金属製の場合(請求項9)は、強度が高く、弾力性に優れた医療用具を得ることができる。また、前述の潤滑性被膜は金属製の本体の表面にもしっかりと固定され、形成されるので、剥離や脱落が起こりにくい被膜を金属医療用具の表面に、容易に形成することができる。
【0015】
前記医療用具本体が金属製の心材の表面に合成樹脂製の被覆層を設けたものである場合(請求項10)は、錆が生じにくく、前述した作用を有する医療用具を製造することができる。また潤滑性被膜の種類によっては、本体と潤滑性被膜との接合性が一層高くなる。さらに医療用具の本体が合成樹脂製の場合(請求項11)には、柔軟性が高く、前述した作用を有する医療用具を製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明の医療用具およびそれに用いる潤滑性被膜剤の実施の形態を説明する。図1は本発明の医療用具の一実施形態を示す側面図、図2は本発明の医療用具の他の実施形態を示す一部切り欠き側面図、図3は本発明の医療用具のさらに他の実施形態を示す斜視図、図4は本発明の医療用具の製造方法を示す断面図、図5は本発明の医療用具および比較例の医療用具を用いた耐久試験の説明図である。
【0017】
図1は本発明をガイドワイヤ1に適用した実施形態を示している。このガイドワイヤ1は、たとえば図3に示すカテーテル3を血管内に導くためのガイドとして用いるものである。このガイドワイヤ1は、金属製の芯線4と、その芯線の先端部に設けた第1コイル5および第2コイル6と、それらの全体を覆うように設けられている潤滑性被膜7とからなる。
【0018】
前記芯線4としては、ニッケル−チタン合金、ステンレス鋼、ニッケル合金、コバルト合金などの金属製のものが用いられる。その径は0.2〜2.0mmとするのが好ましく、特に0.3〜0.8mmのものが好ましい。芯線4の長さは通常1.5〜2.0m前後であり、芯線4の先端近辺の300mm程度は、先端に向かうにつれて細くなるテーパ状に形成されている。前記第1コイル5および第2コイル6は、金属線をほぼ密着した螺旋状に巻き形成したものであり、それらのコイル5、6の両端は、軟ろう8によるろう付け等で固定されている。
【0019】
前記基端側の第1コイル5は、芯線4と同様の金属線、たとえばニッケル、チタン、ステンレス鋼など、あるいはそれらの合金などから構成されている。他方、先端側の第2コイル6は、外部からガイドワイヤの先端位置が分かるように、X線造影性を有する金属線から構成されている。そのようなX線造影性を有する金属としては、金、白金、銀、ビスマス、タングステン、タンタル、イリジウム、ロジウム、コバルトまたはこれらの合金などが挙げられる。
【0020】
前記潤滑性被膜7は、芯線4、第1コイル5および第2コイル6からなる本体の外周に多糖類を増粘剤によって固定化したものである。このような潤滑性被膜7において、ムコ多糖類以外の多糖類を用いる場合、10〜15%含有しているものが好ましい。また、ムコ多糖類を用いる場合、0.1〜1%含有しているものが好ましい。それぞれ、ムコ多糖類以外の多糖類が10%未満あるいはムコ多糖類が0.1%未満である場合、被膜としての吸水性また、湿潤時の潤滑性を充分得ることができない。また、ムコ多糖類以外の多糖類が15%より多いあるいはムコ多糖類が1%より多い場合、それら多糖類あるいはムコ多糖類を充分固定することができず、剥がれたりするおそれがある。この潤滑性被膜7の厚さは0.1〜300μm程度であり、とくに1〜10μmであるものが好ましい。
【0021】
上述の多糖類としては保水性が大きいものが好ましく、このものは保水剤を兼ねるので、別個に保水剤を入れる必要がない。そのような多糖類としてムコ多糖類が好ましい。このムコ多糖類として、ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、デルマテン硫酸、ケラタン硫酸などの酸性ムコ多糖類、キチン等などの中性ムコ多糖類などが挙げられる。
【0022】
また、前記増粘剤としては、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体(またはポリビニルピドリロン)が好ましい。しかし、これに限定されるものではなく、植物系としてグアガム、タマリンドガム、ローカストビンガム、CMCカルシウム、デンプングリコール酸Na、デンプン燐酸エステルナトリウムなど、海藻系増粘剤としてアルギン酸Na、アルギン酸プロプレングリコール、カラギーナン、寒天など、醗酵系増粘剤としてキサンタンガム、シュランガム、ランザンガム、ウエランガムなど、その他の増粘剤としてサイクロデキストリン、ペクチン、ブドウ糖、乳糖、アラビアガム、コンドロイチン硫酸などであってもよい。
【0023】
さらに、前記添加剤は主成分の本体への固定を安定化したり、他の機能を付与するためのものであり、たとえば多糖類を安定して保持させるための添加剤として、マルトトリオースまたはD−ソルビトールがあげられる。これらは易溶性であるので、好ましく用いられる。他の添加剤としては、抗血栓性を向上させるための抗血栓剤や、短時間での溶解防止、効果持続性向上のためのセルロースなどが用いられる。これらの添加剤は主成分の機能を損なわない範囲で適宜採用することができ、医療用具の機能を向上させることができる。
【0024】
これまでは湿潤時に潤滑性を示す親水性高分子材料として保水剤を兼ねる多糖類を表してきたが、保水性が大きく保水剤を兼ねる親水性高分子材料を用いても構わない。このような多糖類以外の親水性高分子として、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。また、これら保水性の大きい親水性高分子材料を保水剤と共に用いても構わない。
また、保水剤を兼ねない多糖類あるいは親水性高分子は保水剤と共に用いることによって前述と同様の作用を奏することができる。この場合、潤滑性被膜7は親水性高分子が5〜10%、保水剤が10〜15%であるもの、あるいは親水性高分子および保水剤の合計が15〜25%であるものが好ましい。このように設けることで、ムコ多糖類を用いたときと同様に、吸水性、湿潤時の潤滑性および被膜として剥がれにくいものを生成することができる。
このような親水性高分子としては、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアリルアミン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンイミン、ポリメチルビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、プロピレングリコール、ポリメタクリル酸メチル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ペクチン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、イソプレングリコール、ブチレングリコール、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などが挙げられる。
【0025】
また、前記保水剤としてムコ多糖類が好ましく、特にヒアルロン酸を用いる場合は、その保水作用が高く好ましい。ムコ多糖類以外の保水剤としては、アスパラギン酸ナトリウムなどのアミノ酸、ヒポタウリン、グリセリン、可溶性コラーゲン、キトサン、スフィンゴ脂質、乳酸塩、マルトトリオース(プルラン)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレングリコール、D−ソルビトール、ピロリドンカルボン酸、酒石酸ナトリウム、2−メタクリロイルオキシエチルスルホリルコリンを構成単位とする水溶性のホモポリマーまたはコポリマーなどが挙げられる。
【0026】
このような金属製ガイドワイヤ1の本体は、芯線4の先端部に第1コイル5と第2コイル6を軟ろう8で固定することにより得られる。そしてその後、本体の表面全体に潤滑性被膜を設けることにより、潤滑性被膜付きの金属製ガイドワイヤ1が得られる。第1コイル5および第2コイル6は、芯線4の先端部に直接金属線を巻き成形することによっても一体化することもできるが、通常は、あらかじめ巻き成形した第1コイル5および第2コイル6に芯線4の先端部を通して組み立てる。なお、芯線4と第1コイル5、第2コイル6にそれぞれ潤滑性被膜を設けておき、その後、芯線の外周に第1コイル5および第2コイル6を装着するようにしてもよい。
【0027】
芯線4およびそれに取り付けたコイル5、6の表面に潤滑性被膜を設けるには、まず芯線4とコイル5、6とを組み立てた本体を精製水などで洗浄し、ついでその本体の表面に、親水性高分子と、増粘剤と、保水剤とからなる潤滑性被膜剤を浸漬法あるいはスプレー法により芯線4の表面に塗布し、自然乾燥し、その表面をアルコールで拭いて平滑にすると同時に消毒する。その後、医療用具本体が金属である場合は、100℃、その他(有機系材料)の場合は温度40〜60℃程度、好ましくは50℃前後の熱風乾燥を行う。そしてこの塗布、乾燥、アルコール拭きの一連の動作を数回繰り返すことにより、潤滑性被膜7が得られる。これにより芯線4などの金属表面に、脱落や剥離などが生じにくく、耐久性が高い、吸湿時に潤滑性を発現する潤滑性被膜7が設けられる。そして得られたガイドワイヤ1は、使用前の乾燥している状態では取り扱いが容易であり、体内に挿入したときは体液で湿潤され、潤滑性を発現し、操作性が向上する。なお前記実施形態ではあらかじめガイドワイヤの本体を組み立ててから潤滑性被膜7を形成しているが、場合により、芯線4やコイル5、6を組み立てる前に潤滑性被膜7を形成するようにしてもよい。このような親水性高分子としては、ムコ多糖類が好ましく、これに増粘剤および添加剤を加えたものが用いられる。
【0028】
また、図4に示すように、芯線4にハケまたはディッピングにより潤滑性被膜剤25を塗布し、シリコーンゴム23によってぬぐいながら薄膜の厚さを調整し、引き抜くことで潤滑性被膜7を形成することもできる。
【0029】
また、このような医療用具に用いられる潤滑性被膜剤として、その配合比が増粘剤1部(重量部。以下同じ)に対して添加剤2〜10部と、ムコ多糖類1〜8部とを含有させたものが好ましい。これらの成分には溶媒を用いなくてもよく、その場合高粘性となる。また、精製水、アルコールなどの溶媒を1〜20部程度含有させて溶解させてもよい。この場合被膜剤の粘度として100〜150cpsである場合、医療用具への塗布作業が容易であり、その被膜の厚さを調節することができ、好ましい。また、ムコ多糖類に代えて親水性高分子を用いる場合、増粘剤1部に対して、添加剤2〜10部と、親水性高分子5〜10部と、保水剤10〜15部そして溶媒0〜20部であるものが好ましい。
【0030】
図2に示すガイドワイヤ10は、金属製の芯線4と、その表面に設けられる合成樹脂製の被覆層11と、その外表面に設けられる親水性高分子からなる潤滑性被膜7とを備えている。芯線4は図1の場合とほぼ同様であり、同じ程度の太さおよび全体の長さを有する。ただし合成樹脂製の被覆層11があるので、芯線4の太さはいくらか細くしてもよい。芯線4の先端部にはテーパ部12が設けられ、さらにその先端に幅が広い平坦部13が設けられている。テーパ部12と平坦部13とを合わせた長さは約300mm前後である。この実施の形態ではコイルは設けていない。しかし図1の場合と同様に先端部の外周にコイルを設けるようにしてもよい。
【0031】
合成樹脂製の被覆層11の外径は0.5〜3mm程度であり、特に0.9〜1.9mm程度であるものが好ましい。このような被覆層の合成樹脂としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ナイロンなどの強度が高い熱可塑性樹脂が好ましく、それにより成形が容易であり、しかも強度が高い被覆層11が得られる。このように被覆層を設けることで、生体適合性に優れ、親水性高分子との親和性が良いガイドワイヤが得られる。このような被覆層の成形方法としては、チューブストレッチング成形、押出成形、ディッピング成形などがある。
【0032】
潤滑性被膜4は、図1の金属製のガイドワイヤ1の場合と同様のムコ多糖類と、増粘剤を含む潤滑性被膜剤を塗布し、乾燥させて形成したものである。その厚さは0.1〜300μmが好ましく、特に1〜10μmであるものが好ましい。これにより、通常は潤滑性がなく、吸湿時には潤滑性を実現するガイドワイヤ10を得ることができる。潤滑性被膜剤は、図1の実施の形態の場合と同じものを採用することができる。
【0033】
図3は本発明の医療用具をカテーテルに適用した実施の形態を示している。このカテーテル20は、合成樹脂製のカテーテル本体22と、その表面に形成した潤滑性被膜7とからなる。カテーテル本体22は、ポリウレタン、ポリアミド(ナイロン)などの熱可塑性樹脂をチューブ状に押し出し成形し、所定の長さに切断したものであり、従来公知のカテーテルをそのまま採用することができる。この潤滑性被膜付きのカテーテル20は、カテーテル本体22を用意し、その表面に、前述と同様の方法を適用して潤滑性被膜7を形成することができる。潤滑性被膜7は、カテーテル本体22の外表面に設けるだけでなく、内表面にも設けることができる。それにより湿潤時に潤滑性を発現するので、ガイドワイヤの外周に一層スムーズに嵌挿することができる。
【0034】
このようにして得られる潤滑性被膜を備えたカテーテル20は、図1の潤滑性被膜を備えた金属製のガイドワイヤ1あるいは図2に示す合成樹脂製の被覆層11の表面に潤滑性被膜7を設けたガイドワイヤ10と共に使用することができる。その場合は血管などの体内にあらかじめ挿入したガイドワイヤに対し、一層スムーズに嵌挿することができ、しかも耐久性が高い。ただし潤滑性被膜を設けていない従来のガイドワイヤと共に用いることもできる。さらに前記図1のガイドワイヤ1や図2のガイドワイヤ10も、従来のカテーテルと組み合わせて使用することもできる。
【0035】
【実施例】
次に、以下の割合で調整した潤滑性被膜剤を調整した。
[実施例1]
メチルビニールエーテル/無水マレイン酸コポリマー 5%
ヒアルロン酸 0.5%
プルラン 11%
ソルビトール 5%
水 78.5%
上記の潤滑性被膜剤をステンレスワイヤに塗布し、自然乾燥させ、その表面をアルコールで拭いて平滑にし、その後、100℃の熱風乾燥を行い潤滑性被膜を有する実施例1のガイドワイヤを製造した。
[実施例2]
また、被膜剤としてN−ビニル−ラクタムを用いた他は、実施例1と同様にして実施例2のガイドワイヤを製造した。
【0036】
[比較例1]
比較例1として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をステンレスにコーティングしたワイヤを用意した。
[比較例2]
比較例2としてコーティングのないステンレスワイヤを用意した。
【0037】
これを図5のように径X50mmの指示具を2個用いて、総曲げ角270°のS字の状態にカテーテルFを配索、この中に水にぬらしたワイヤAを挿入し、一端からロードセルLによって250mm/minで引っ張り、そのすべり抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1に示すように、実施例1、2は吸湿時に比較例1、2よりすべりが小さいことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療用具の一実施形態を示す側面図である。
【図2】本発明の医療用具の他の実施形態を示す一部切り欠き側面図である。
【図3】本発明の医療用具のさらに他の実施形態を示す斜視図である。
【図4】本発明の医療用具の製造方法を示す図面である
【図5】本発明の医療用具および比較例の医療用具を用いた耐久試験の説明図である。
【符号の説明】
1 ガイドワイヤ
4 芯線
5 第1コイル
6 第2コイル
7 潤滑性被膜
8 軟ろう
10 ガイドワイヤ
11 被覆層
12 テーパ部
13 平坦部
20 カテーテルv
22 カテーテル本体
23 シリコーンゴム
25 潤滑性被膜剤
Claims (11)
- 体内に挿入する医療用具の本体の表面に固定することにより、湿潤時に潤滑性を発現する潤滑性被膜を本体の表面に形成するための潤滑性被膜剤であって、
親水性高分子と、その親水性高分子を固定するための増粘剤と、保水剤とを含有している潤滑性被膜剤。 - 前記親水性高分子が多糖類である請求項1記載の潤滑性被膜剤。
- 前記多糖類がムコ多糖類である請求項2記載の潤滑性被膜剤。
- 添加剤としてマルトトリオースを含有している請求項1、2または3記載の潤滑性被膜剤。
- 添加剤としてD−ソルビトールを含有している請求項1、2または3記載の潤滑性被膜剤。
- 添加剤として抗血栓剤を含有している請求項1、2または3記載の潤滑性被膜剤。
- 医療用具の本体と、その本体の表面に請求項1〜6のいずれかに記載の潤滑性被膜剤を塗布することにより固定し、形成した潤滑性被膜とからなる医療用具。
- 前記潤滑性被膜が、その潤滑性被膜剤を塗布した後、乾燥させて硬化させることにより固定されたものである請求項7記載の医療用具。
- 前記医療用具の本体が金属製である請求項7記載の医療用具。
- 前記医療用具の本体が金属製の芯材の表面に合成樹脂製の被覆層を設けたものであり、前記潤滑性被膜がその合成樹脂製の被覆層の上に設けられている請求項7記載の医療用具。
- 前記医療用具の本体が合成樹脂製である請求項7記載の医療用具。
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