JP2000116788A - カテーテル - Google Patents

カテーテル

Info

Publication number
JP2000116788A
JP2000116788A JP10295264A JP29526498A JP2000116788A JP 2000116788 A JP2000116788 A JP 2000116788A JP 10295264 A JP10295264 A JP 10295264A JP 29526498 A JP29526498 A JP 29526498A JP 2000116788 A JP2000116788 A JP 2000116788A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tube
distal end
catheter
resin
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10295264A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Ishikawa
毅 石川
Yuichiro Hanyu
雄一郎 埴生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Piolax Inc
Original Assignee
Piolax Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Piolax Inc filed Critical Piolax Inc
Priority to JP10295264A priority Critical patent/JP2000116788A/ja
Publication of JP2000116788A publication Critical patent/JP2000116788A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟な先端部から剛直な基端部への剛性の変
化が非常に緩やかなため耐キンク性に優れ、更にトルク
性、挿入性、耐圧性にも優れたカテーテルを提供する。 【解決手段】 剛直な素材のチューブの先端を斜めに加
工することにより、先端部に十分な柔軟性を付与すると
共に、先端部から基端部への剛性の変化が非常に緩やか
なカテーテルを得る。金属、硬質合成樹脂等の剛直な素
材からなる本体チューブ11の先端部11aを、カット
等の方法で斜めに加工する。この本体チューブ11の外
周に樹脂チューブ12を被覆し、樹脂チューブ12によ
って本体チューブ11の先端部11aを筒状に囲むこと
によりカテーテル10を得る。本体チューブ11の先端
部11aの外周及び/又は前方に金属コイル又はスリー
ブを配置し、樹脂チューブ12がこれらの外周を被覆す
るようにしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、硬質合成樹
脂等の剛直な素材からなるチューブを利用した挿入操作
性及び耐圧性に優れたカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、血管、尿管、胆管、気管などの人
体の管状器官における検査・治療のため、カテーテルを
挿入して造影剤などの薬剤を投与したり、カテーテルを
通して鉗子などによって組織の一部を採取したりするこ
とが行なわれている。
【0003】そのため、カテーテルは、血管等の挿入経
路に沿って容易に変形し、血管等の内壁に損傷を与えな
いようにするため、特に先端部における柔軟性や滑り
性、及び挿入性や操作性を良くするために基端部におけ
る剛性が必要とされる。更に、薬液等の注入の際に内圧
に対して膨らまないように耐圧性も要求される。
【0004】カテーテルとしては、フッ素樹脂やウレタ
ン樹脂などの樹脂チューブからできているものが一般的
であるが、このような樹脂チューブは、基部側の剛性が
不足しているために体腔内への押し込みがしづらく、ま
た、ねじり剛性が不足しているために基部側を回動させ
ることにより先端を所望の方向に向けることが難しく、
挿入作業を迅速に行なえないという問題があった。更
に、薬液の注入の際に内圧に対して膨らんでしまい圧力
損失が起こるという問題があった。
【0005】このような問題を解決するため、金属チュ
ーブ又はメッシュに合成樹脂を被覆することにより、剛
性や耐圧性を向上させた各種のカテーテルが提案されて
いるが、これらのカテーテルにおいては、人体の管状器
官内壁を損傷しないように先端部に柔軟性をもたせる工
夫が必要とされた。
【0006】金属チューブ又はメッシュを利用したカテ
ーテルの先端部に柔軟性を付与する方法としては、例え
ば、内管の金属チューブ先端部に螺旋状の切り込みを
入れることにより柔軟性を持たせる方法(特開平7−8
560号公報)、Ti−Ni合金製カテーテルの先端
部をなだらかに細くする方法(特開平7−96036号
公報)、ステンレス製メッシュチューブの末端に超弾
性材料からなるチューブを接続し、チューブ表面を樹脂
コーティングする方法(特開平7−96037号公
報)、熱弾性型マルテンサイト変態を示す金属製のチ
ューブを用い、その先端部を基部よりも柔らかく、かつ
任意の形状に変形できるようにする方法(特開平9−2
71517号公報)、樹脂製カテーテルの外側にコイ
ルを巻くかもしくは埋め込む方法(特開平9−9429
6号公報)等が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
、の方法では先端部の加工部分と非加工部分との境
目の剛性差が大きすぎるためそこで折れ易く、の方法
では先端部の柔軟性が不十分であり、の方法では、カ
テーテル先端部の柔軟性が十分に得られず、の方法で
はコイルで構成されているため剛性がなく、また耐圧性
にも欠けていた。
【0008】したがって、本発明の目的は、挿入操作性
及び耐圧性に優れると共に、先端部の柔軟性及び耐キン
ク性にも優れたカテーテルを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1は、金属、硬質合成樹脂等の剛直な素
材からなり、先端部が斜めに加工された本体チューブ
と、この本体チューブの外周に被覆され、前記先端部を
筒状に囲む樹脂チューブとを備えていることを特徴とす
るカテーテルを提供するものである。
【0010】上記第1の発明によれば、剛直な素材から
なる本体チューブを用いることにより、押込性や回転伝
達性がよく、優れた押込操作性が得られ、薬液等を投与
する際の耐圧性も十分に得られる。また、本体チューブ
の先端部を斜めに加工したことにより、先端部に柔軟性
が付与されると共に、先端部から基部側への剛性の変化
が非常に緩やかとなり、耐キンク性に優れたものとな
る。更に、本体チューブの外周に樹脂チューブを被覆
し、この樹脂チューブによって本体チューブの斜めに加
工した先端部を筒状に囲むようにしたので、人体管状器
官内での滑り性が向上し、斜めに加工した先端部が人体
管状器官内壁を損傷することを防止できる。
【0011】本発明の第2は、前記第1の発明におい
て、前記本体チューブの先端部の外周及び/又は先端部
より更に前方に金属コイルが配置され、前記樹脂チュー
ブが前記金属コイルの外周に被覆されているカテーテル
を提供するものである。
【0012】上記第2の発明によれば、本体チューブの
斜めに加工された先端部を囲む樹脂チューブが、内側に
配置された金属コイルによって筒状に保持されるので、
樹脂チューブによって本体チューブの先端部開口が閉塞
されることがない。また、金属コイルを用いることによ
って、カテーテル先端部の柔軟性が損なわれることがな
く、金属コイルとしてX線不透過性のものを用いれば、
管状器官への挿入時の位置確認も容易となる。
【0013】本発明の第3は、前記第1の発明におい
て、前記本体チューブの先端部の外周及び/又は先端部
より更に前方にスリーブが配置され、前記樹脂チューブ
がこのスリーブの外周に被覆されているカテーテルを提
供するものである。
【0014】上記第3の発明によれば、本体チューブの
斜めに加工された先端部を囲む樹脂チューブが、内側に
配置されたスリーブによって筒状に保持されるので、樹
脂チューブによって本体チューブの先端部開口が閉塞さ
れることがない。
【0015】本発明の第4は、前記第1〜3の発明のい
ずれかにおいて、前記樹脂チューブの先端が、前記本体
チューブの前方に突出して、最先端が前記樹脂チューブ
だけとされているカテーテルを提供するものである。
【0016】上記第4の発明によれば、カテーテルの最
先端が樹脂チューブだけとなっているため、先端部の柔
軟性を更に高め、人体の管状器官内壁に突き当たったと
きの内壁の損傷をより確実に防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1、2には、本発明によるカテ
ーテルの一実施形態が示されている。図1は同カテーテ
ルの中間部を省略して示す全体断面図、図2は同カテー
テルの先端部を拡大して示す部分断面図である。
【0018】このカテーテル10は、剛直な素材からな
るチューブ本体11と、このチューブ本体11の外周を
被覆する樹脂チューブ12とを備えている。カテーテル
10の基端部には、図示しないガイドワイヤ等の挿入口
となる栓体13が取付けられている。
【0019】チューブ本体11の先端部11aは、緩や
かな角度で所定長さに渡って斜めに加工され、柔軟性が
付与されると共に、先端部から基部側への剛性の変化が
非常に緩やかとなっている。したがって、先端部11a
と本体部(斜めの加工がない部分)との間でキンクが生
じることはない。なお、上記チューブ本体11の先端部
11aの加工方法としては、斜めにカットしたり、研磨
したりする方法が好ましく採用される。
【0020】チューブ本体11としては、超弾性材料、
ステンレス等の金属や、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、フッ素樹脂、硬質塩化ビニル樹脂等の硬質合成樹脂
が好ましく用いられ、特に超弾性材料が好ましい。超弾
性材料としては、Ni−Ti合金、Cu−Zn−X(X
=Al,Fe等)合金、Ni−Ti−X(X=Fe,C
u,V,Co等)合金等が好ましく用いられる。
【0021】前記Ni−Ti合金等は、形状記憶合金と
して、形状記憶効果や超弾性(擬弾性)効果を持つこと
が広く知られており、そのうち、超弾性(擬弾性)効果
を持つものは、降伏点を超える変形ひずみを与えても、
除荷すると永久変形せずにもとの形状へ復帰し、ねじり
や曲げに対する戻り特性も大きいため、カテーテルとし
て好適であり、更に超弾性(擬弾性)効果を発揮する温
度条件が人や動物の体内温度か、もしくはそれ以下に設
定されたものがよい。超弾性(擬弾性)については、日
本規格協会発行のJIS H 7001を参照すること
ができる。
【0022】チューブ本体11としては、細長い可撓性
を有する円筒状のものが好ましく用いられるが、円筒の
周壁に孔を開けたり、金属線材を編んで形成したメッシ
ュ状のチューブであってもよい。
【0023】チューブ本体11の先端部11aを斜めに
加工する形状としては、先端に向かって剛性がなだらか
に低下する形状であればよく、例えば、図6(a)に示
すように、対向する一方の周壁から他方の周壁に向かっ
て直線状に斜めに加工した形状や、同図(b)に示すよ
うに、対向するそれぞれの周壁から先端に向かって斜め
に加工し、加工面が先端で鋭角状に交わる形状や、同図
(c)に示すように、対向する一方の周壁から他方の周
壁に向かって凹面状に加工した形状や、同図(d)に示
すように、対向する一方の周壁から他方の周壁に向かっ
て凸面状に加工した形状などを採用することができる。
このような先端部11aの加工は、例えば切削、研磨、
レーザ加工などによって行うことができる。
【0024】チューブ本体11の大きさは、材質や用途
によって適宜設定すればよいが、外径0.3〜2.0m
m、肉厚0.05〜0.2mm、長さ500〜2000
mmであって、斜めに加工された先端部11aの長さ
(図1のA)は、10〜500mmが好ましい。
【0025】樹脂チューブ12としては、比較的柔軟な
樹脂であって、その表面に親水性樹脂膜を形成しやすい
ものが好ましく採用される。例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリ
オレフィン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポ
リ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリスチレン系樹脂、ポ
リテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリイミ
ド等の各種の可撓性を有する樹脂や、シリコーンゴム、
ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、
ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリウレタン系エラス
トマー等の合成高分子材料が用いられる。これらの中で
も、ポリウレタン、ポリウレタン系エラストマーが好ま
しい。
【0026】また、樹脂チューブ12は、X線不透過性
材料を含有するものもよく、X線不透過性材料として
は、例えばビスマス、硫酸バリウム、タングステンなど
が好ましく用いられる。
【0027】樹脂チューブ12は、チューブ本体11の
外周を被覆し、チューブ本体11の斜めに加工された先
端部11aにおいては、その部分を筒状に囲んで内部流
路を確保する。樹脂チューブ12は、予めチューブ状に
成形された樹脂をチューブ本体11に被せることによっ
て被覆してよいし、チューブ本体11の外周に樹脂を押
出成形する方法によって被覆したものであってもよい。
【0028】前者の方法としては、チューブ本体11の
外径と同じか、それよりも小さい内径を有する形状に予
め成形した樹脂チューブを有機溶剤によって膨潤させ
て、その内径をチューブ本体11の外径より大きくし、
その状態でチューブ本体11の外周に被せ、有機溶剤を
蒸発乾燥させることにより樹脂チューブを収縮させて、
チューブ本体11の外周に被着させる方法が好ましく採
用される。また、後者の方法としては、チューブ本体1
1の内部に芯線を挿入して先端部11aから突出させて
おき、チューブ本体11及び芯線の外周に樹脂を押出成
形した後、芯線を引き抜く方法などが好ましく採用され
る。
【0029】樹脂チューブ12は、チューブ本体11の
先端から所定長さ突出して、カテーテル10の最先端が
樹脂チューブ12のみの部分となっていることが好まし
い。この樹脂チューブ12のみの部分の長さ(図1の
B)は、2〜300mmとすることが好ましい。また、
樹脂チューブ12の厚さは、0.05〜0.3mmとす
ることが好ましい。
【0030】樹脂チューブ12の表面には、更に親水性
樹脂膜を被覆することが好ましい。親水性樹脂膜として
は、例えば、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミ
ド、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリスチレン、フッ素系樹
脂、シリコン樹脂等が採用される。
【0031】こうして得られたカテーテル10は、チュ
ーブ本体11の先端部11aが斜めに加工されているの
で、先端に向けて緩やかに剛性が低下して十分な柔軟性
が付与され、急激に剛性が低下する箇所がないのでキン
ク等の発生も防止される。また、チューブ本体11が超
弾性材料などの剛直な素材からなるので、人体管状器官
への挿入時の押込性や回転伝達性がよく、優れた挿入操
作性が得られる。更に、チューブ本体11の外周が樹脂
チューブ12で被覆されているので、滑り性も良好であ
る。更に、樹脂チューブ12は、チューブ本体11の斜
めに加工された先端部11aを筒状に囲むように形成さ
れているので、先端部11aが閉塞されることなく流路
が確保され、先端部11aが管状器官内壁に突き刺さっ
たりする虞れもない。
【0032】図3には、本発明によるカテーテルの別の
実施形態が示されている。なお、以下の実施形態におい
て、図1、2に示した実施形態と実質的に同じ部分には
同じ符合を付してその説明を省略することにする。
【0033】このカテーテル20では、本体チューブ1
1の斜めに加工された先端部11a外周に金属コイル2
1が装着され、この金属コイル21は、本体チューブ1
1に接着、ろう付け等の手段で固着されている。金属チ
ューブ21は、本体チューブ11の斜めに加工された先
端部11a外周を円筒状に囲んで、本体チューブ11の
先端から少し突出している。そして、樹脂チューブ12
が金属コイル21の外周を被覆し、金属コイル21の先
端から更に突出して形成されている。
【0034】このカテーテル20によれば、本体チュー
ブ11の先端部11aにおいて、金属コイル21が樹脂
チューブ12が潰れるのを防止し、樹脂チューブ12を
円筒状に保つため、本体チューブ11の先端開口部が閉
塞されることがない。また、金属コイル21を用いたこ
とにより、カテーテル20の先端部の柔軟性が損なわれ
ることがない。更に、金属コイル21として、X線不透
過性の金属を用いることにより、人体管状器官への挿入
時の位置確認が容易となる。なお、X線不透過性の金属
としては、例えば金、白金、銀、ビスマス、タングステ
ン、又はこれらの金属を含有する合金が好ましく用いら
れる。
【0035】図4には、本発明によるカテーテルの更に
他の実施形態が示されている。このカテーテル30で
は、本体チューブ11の前方に金属コイル31が配置さ
れている。そして、樹脂チューブ12が、本体チューブ
11及び金属コイル31の外周を被覆し、金属コイル3
1の前方に少し突出するように形成されている。この金
属コイル31は、本体チューブ11とほぼ同じ外径をな
し、金属コイル31を被覆する部分で樹脂チューブ12
が拡径されることがない。
【0036】このカテーテル30によれば、金属コイル
31によって樹脂チューブ12が円筒状に保たれるた
め、本体チューブ11の先端開口部が閉塞されることが
ない。また、金属コイル21として、X線不透過性の金
属を用いることにより、人体管状器官への挿入時の位置
確認が容易となる。
【0037】図5には、本発明によるカテーテルの更に
他の実施形態が示されている。このカテーテル40で
は、本体チューブ11の斜めに加工された先端部11a
を囲むように、硬質合成樹脂からなるスリーブ41が配
置され、樹脂チューブ12が本体チューブ11及びスリ
ーブ41の外周を被覆し、スリーブ41の先端から少し
前方に突出している。スリーブ41としては、本体チュ
ーブ11の先端部11aの柔軟性を損なわない程度の剛
性を有する薄肉の硬質合成樹脂チューブが好ましく採用
されるが、金属メッシュチューブ等を用いることもでき
る。スリーブ41は、本体チューブ11に接着、溶着等
の手段で固着されている。
【0038】このカテーテル40によれば、本体チュー
ブ11の先端部11aにおいて、スリーブ41が樹脂チ
ューブ12が潰れるのを防止し、樹脂チューブ12を円
筒状に保つため、本体チューブ11の先端開口部が閉塞
されることがない。
【0039】
【実施例】試験例1 各種の線材及びチューブの材質自体の剛性を見るため、
3種のサイズのSUS304線、2種のサイズのSUS
304フラット線、3種のサイズのSMA(超弾性材
料)チューブ、3種のサイズのSMA線、ウレタンチュ
ーブ(硬度:A80)、外径0.50mmで線材の大き
さが異なる2種のコイルについて、それぞれ曲げ荷重を
測定した。
【0040】なお、本発明において、曲げ荷重は、15
mm間隔で置かれた二つの支点上に被検物を置き、二つ
の支点の中心点に荷重をかけ、被検物が3.0mm撓ん
だ時の負荷重量を測定して求めた。この結果を表1に示
す。
【0041】
【表1】
【0042】表1の結果から、SMA線は、同じ太さの
SUS線に比べて曲げ荷重が著しく低く、ウレタンや金
属コイルに比べると曲げ荷重が著しく高いことがわか
る。また、SMAチューブは、ほぼ同じ太さのSMA線
に比べると曲げ荷重が低く、ウレタンや金属コイルに比
べると著しく高いことがわかる。
【0043】試験例2 外径0.50mm、内径0.38mmのSMAチューブ
の先端から250mmの長さ部分に螺旋溝を形成して、
先端部が柔軟なチューブを得た。なお、螺旋溝は、溝幅
が0.2mmで、金属幅が1回転毎に0.1mmずつ増
加する形状に形成した。このチューブの先端から250
mmまでの部分について、所定間隔で曲げ荷重を測定し
た。この結果を図7に示す。
【0044】図7の結果から、螺旋溝を形成した場合
は、螺旋溝の始まりの部分で急激に剛性が低下すること
がわかる。したがって、その部分でキンクしやすいこと
が予想される。
【0045】試験例3 試験例2と同様なSMAチューブの先端から100mm
付近の部分を、先端に向かうほど先細のテーパー状にし
て、先端の外径が0.40mmとなるようにした。この
チューブの先端から100mmまでの部分について、所
定間隔で曲げ強度を測定した。この結果を図8に示す。
【0046】図8の結果から、テーパー状にした場合
は、先端に向かうに従って徐々に剛性が低下するもの
の、最先端でもかなりの剛性があって、先端部を十分に
柔軟にすることができないことがわかる。
【0047】試験例4 試験例2と同様なSMAチューブの先端から50mm付
近の部分から先端に向かって斜めにカットした。このチ
ューブの先端から50mmまでの部分について、所定間
隔で曲げ強度を測定した。この結果を図9に示す。
【0048】図9の結果から、斜めにカットした場合
は、先端に向かうに従って徐々に剛性が低下し、最先端
においては十分な柔軟性が得られることがわかる。した
がって、先端部を斜めにカットしたチューブは、先端部
の柔軟性に優れ、耐キンク性に強いことがわかる。
【0049】実施例 試験例4で得た、先端部を斜めにカットしたSMAチュ
ーブを用い、このSMAチューブの先端部に白金からな
るコイル(内径0.50mm、外径0.60mm)を装
着し、コイルを接着剤によってチューブ先端部に固着し
た。
【0050】また、樹脂チューブとしてポリウレタンか
らなり、有機溶剤で膨潤させる前の状態で、外径0.7
mm、内径0.45mm、長さ2000mmのチューブ
を用いた。
【0051】上記樹脂チューブをメチルエチルケトン
に、常温で1分以上浸漬して膨潤させた。この樹脂チュ
ーブを上記SMAチューブの外周に被せ、SMAチュー
ブの長さに対して樹脂チューブの余った長さをSMAチ
ューブの先端から突出するように配置した。この状態
で、常温、10分以上で有機溶剤を蒸発乾燥させ、樹脂
チューブを収縮させSMAチューブ外周に被着した。
【0052】次いで、樹脂チューブが被着された部分
を、4,4−ジフェニルメタンイソシアネートの5重量
%メチルエチルケトン溶液に30〜120秒間浸漬し、
60℃で10〜60分放置して反応させることにより、
樹脂チューブの表面に未反応のイソシアネート基を形成
した。
【0053】更に、分子量120万のポリビニルピロリ
ドン(商品名「K−90」、和光純薬株式会社製)を2
〜10重量%含有するジクロロメタン溶液に3〜60秒
間浸漬し、60℃で3〜12時間放置して、未反応のイ
ソシアネート基にポリビニルピロリドンを結合させると
共に、ポリビニルピロリドンを相互に重合させて、親水
性樹脂膜を形成した。
【0054】こうして得られたカテーテルを血管造影用
に用いたところ、適度な剛性があって押し込みやすく、
しかも先端部は柔軟で血管の組織を損傷することもな
く、優れた操作性が得られた。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
先端部を斜めに加工した剛直な素材のチューブ本体と、
その外周を被覆する樹脂チューブと、必要に応じてチュ
ーブ本体の先端部に装着されたコイル又はスリーブとで
構成されるので、基端部においては適度な剛性が得ら
れ、先端部が柔軟であると共に、先端部から基部側にか
けての剛性の変化が非常に緩やかで耐キンク性に優れた
カテーテルを提供することができる。したがって、血管
等の体腔内への挿入作業を、迅速かつ安全に行なうこと
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるカテーテルの一実施形態であっ
て、その中間部を省略して示す全体断面図である。
【図2】同カテーテルの先端部を拡大して示す部分断面
図である。
【図3】本発明によるカテーテルの他の実施形態であっ
て、その先端部を拡大して示す部分断面図である。
【図4】本発明によるカテーテルの更に他の実施形態で
あって、その先端部を拡大して示す部分断面図である。
【図5】本発明によるカテーテルの更に他の実施形態で
あって、その先端部を拡大して示す部分断面図である。
【図6】本発明によるカテーテルに用いられるチューブ
本体の先端部の形状の例を示す部分側面図である。
【図7】SMAチューブの先端部に螺旋状の溝を形成し
たものの、先端からの距離と曲げ荷重との関係を示す図
表である。
【図8】SMAチューブの先端部をテーパー状にしたも
のの、先端からの距離と曲げ荷重との関係を示す図表で
ある。
【図9】SMAチューブの先端部を斜めに加工したもの
の、先端からの距離と曲げ荷重との関係を示す図表であ
る。
【符号の説明】
10、20、30、40 カテーテル 11 チューブ本体 11a 先端部 12 樹脂チューブ 21、31 金属コイル 41 スリーブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属、硬質合成樹脂等の剛直な素材から
    なり、先端部が斜めに加工された本体チューブと、この
    本体チューブの外周に被覆され、前記先端部を筒状に囲
    む樹脂チューブとを備えていることを特徴とするカテー
    テル。
  2. 【請求項2】 前記本体チューブの先端部の外周及び/
    又は先端部より更に前方に金属コイルが配置され、前記
    樹脂チューブが前記金属コイルの外周に被覆されている
    請求項1記載のカテーテル。
  3. 【請求項3】 前記本体チューブの先端部の外周及び/
    又は先端部より更に前方にスリーブが配置され、前記樹
    脂チューブがこのスリーブの外周に被覆されている請求
    項1記載のカテーテル。
  4. 【請求項4】 前記樹脂チューブの先端が、前記本体チ
    ューブの前方に突出して、最先端が前記樹脂チューブだ
    けとされている請求項1〜3のいずれか1つに記載のカ
    テーテル。
JP10295264A 1998-10-16 1998-10-16 カテーテル Pending JP2000116788A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10295264A JP2000116788A (ja) 1998-10-16 1998-10-16 カテーテル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10295264A JP2000116788A (ja) 1998-10-16 1998-10-16 カテーテル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000116788A true JP2000116788A (ja) 2000-04-25

Family

ID=17818350

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10295264A Pending JP2000116788A (ja) 1998-10-16 1998-10-16 カテーテル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000116788A (ja)

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005514123A (ja) * 2001-12-28 2005-05-19 シメッド ライフ システムズ インコーポレイテッド ひずみの解放を改良したハイポチューブ
JP2008264118A (ja) * 2007-04-18 2008-11-06 Kaneka Corp カテーテル
JP2009089806A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Asahi Intecc Co Ltd バルーンカテーテル
US8057430B2 (en) 2009-02-20 2011-11-15 Boston Scientific Scimed, Inc. Catheter with skived tubular member
JP2011255086A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Asahi Intecc Co Ltd バルーンカテーテルの保管装置
JP2012500075A (ja) * 2008-08-21 2012-01-05 アンジオメト・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・メディツィンテクニク・カーゲー ステントをシース内に装填する方法
US9011511B2 (en) 2009-02-20 2015-04-21 Boston Scientific Scimed, Inc. Balloon catheter
US9079000B2 (en) 2011-10-18 2015-07-14 Boston Scientific Scimed, Inc. Integrated crossing balloon catheter
US9168164B2 (en) 2010-12-01 2015-10-27 C. R. Bard, Inc. Device to release a self-expanding implant
US9387101B2 (en) 2007-10-17 2016-07-12 C.R. Bard, Inc. Delivery system for a self-expanding device for placement in a bodily lumen
US9687369B2 (en) 2009-12-03 2017-06-27 C.R. Bard, Inc. Stent device delivery system with an outer sheath polymeric reinforcement layer
US9687370B2 (en) 2008-05-09 2017-06-27 C.R. Bard, Inc. Method of loading a stent into a sheath
US9717612B2 (en) 2009-12-03 2017-08-01 C.R. Bard, Inc. Stent device delivery system with a varying radial profile pull member
US9724216B2 (en) 2009-12-03 2017-08-08 C. R. Bard, Inc. Stent device delivery system with inwardly tapering stent bed
US10271979B2 (en) 2008-12-31 2019-04-30 C. R . Bard, Inc. Stent delivery device with rolling stent retaining sheath
US10278845B2 (en) 2009-12-03 2019-05-07 C. R. Bard, Inc. Stent device delivery system with a heat shrink resistant support member
JP2020049131A (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 テルモ株式会社 医療用長尺体

Cited By (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005514123A (ja) * 2001-12-28 2005-05-19 シメッド ライフ システムズ インコーポレイテッド ひずみの解放を改良したハイポチューブ
JP2008264118A (ja) * 2007-04-18 2008-11-06 Kaneka Corp カテーテル
JP2009089806A (ja) * 2007-10-05 2009-04-30 Asahi Intecc Co Ltd バルーンカテーテル
US9387101B2 (en) 2007-10-17 2016-07-12 C.R. Bard, Inc. Delivery system for a self-expanding device for placement in a bodily lumen
US9687370B2 (en) 2008-05-09 2017-06-27 C.R. Bard, Inc. Method of loading a stent into a sheath
JP2012500075A (ja) * 2008-08-21 2012-01-05 アンジオメト・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニー・メディツィンテクニク・カーゲー ステントをシース内に装填する方法
US9833349B2 (en) 2008-08-21 2017-12-05 C. R. Bard, Inc. Method of loading a stent into a sheath
US10271979B2 (en) 2008-12-31 2019-04-30 C. R . Bard, Inc. Stent delivery device with rolling stent retaining sheath
US8057430B2 (en) 2009-02-20 2011-11-15 Boston Scientific Scimed, Inc. Catheter with skived tubular member
US8512282B2 (en) 2009-02-20 2013-08-20 Boston Scientific Scimed, Inc. Catheter with skived tubular member
US9011511B2 (en) 2009-02-20 2015-04-21 Boston Scientific Scimed, Inc. Balloon catheter
US9687634B2 (en) 2009-02-20 2017-06-27 Boston Scientific Scimed, Inc. Catheter with skived tubular member
US9687369B2 (en) 2009-12-03 2017-06-27 C.R. Bard, Inc. Stent device delivery system with an outer sheath polymeric reinforcement layer
US9717612B2 (en) 2009-12-03 2017-08-01 C.R. Bard, Inc. Stent device delivery system with a varying radial profile pull member
US9724216B2 (en) 2009-12-03 2017-08-08 C. R. Bard, Inc. Stent device delivery system with inwardly tapering stent bed
US10278845B2 (en) 2009-12-03 2019-05-07 C. R. Bard, Inc. Stent device delivery system with a heat shrink resistant support member
US10449072B2 (en) 2009-12-03 2019-10-22 C.R. Bard, Inc. Stent device delivery system with an outer sheath polymeric reinforcement layer
US10555824B2 (en) 2009-12-03 2020-02-11 C. R. Bard, Inc. Stent device delivery system with inwardly tapering stent bed
US10779975B2 (en) 2009-12-03 2020-09-22 C. R. Bard, Inc. Stent device delivery system with a varying radial profile pull member
JP2011255086A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Asahi Intecc Co Ltd バルーンカテーテルの保管装置
US9168164B2 (en) 2010-12-01 2015-10-27 C. R. Bard, Inc. Device to release a self-expanding implant
US10821013B2 (en) 2010-12-01 2020-11-03 C. R. Bard, Inc. Device to release a self-expanding implant
US9079000B2 (en) 2011-10-18 2015-07-14 Boston Scientific Scimed, Inc. Integrated crossing balloon catheter
JP2020049131A (ja) * 2018-09-28 2020-04-02 テルモ株式会社 医療用長尺体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10207077B2 (en) Medical device
JP4805138B2 (ja) 先端キャップを備えた細長い医療用装置及びその形成方法
JP2000116788A (ja) カテーテル
US8382739B2 (en) Composite medical device and method of forming
EP2121101B1 (en) Dual stiffness wire guide
US7747314B2 (en) Distal assembly for a medical device
JP2002505167A (ja) 形成可能な先端を有する柔軟で耐キンク性の低摩擦ガイドワイヤ及びその製造方法
JP2000116787A (ja) 医療用チューブ
JP2000135289A (ja) 医療用ガイドワイヤ及びその製造方法
JP2006271901A (ja) コイル状造影マーカーとその製造方法、及びカテーテル
JP2001009042A (ja) カテーテル
JPH07265432A (ja) 加工硬化型非形状記憶合金製カテーテル
JP2002113092A (ja) 医療用具の製造方法および医療用具
JPH0344540B2 (ja)
JP3672747B2 (ja) 連結ガイドワイヤ
JP2631320B2 (ja) カテーテル
JP4396789B2 (ja) カテーテル
JP2001058010A (ja) カテーテル
JP4279700B2 (ja) ガイドワイヤ
JP3237597B2 (ja) カテーテル
JP2001009041A (ja) 医療用ガイドワイヤ
JP2565219Y2 (ja) カテーテル用ガイドワイヤ
JP2004255175A (ja) ガイドワイヤ及びその製造方法
JP2006115975A (ja) 医療用ガイドワイヤの製造方法
JP2004154201A (ja) ガイドワイヤー