JP3237597B2 - カテーテル - Google Patents
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Description
関する。
血管内等に挿入され、検査、治療等に用いられるカテー
テル、例えば血管造影用カテーテル、血管内薬剤投与用
カテーテル、血管内手術用カテーテルなどとしては、可
撓性を有するポリマー製チューブに誘導用の金属製ガイ
ドワイヤーを挿入したもの、ポリエチレン製チューブに
ステンレス線をメュシュ状に編み込んだもの、及びステ
ンレスチューブをヘリカルカットし、これを合成樹脂で
包み込んだものなどが知られている。
複雑に曲がりくねった微細な血管に挿入し、目的部位ま
で導入することが困難であると共に、柔軟性、しなやか
さ、こし、及び操作性などのカテーテルに要求される特
性を総て備えたものではない。このため、常に誘導用の
ガイドワイヤーを併用し、要求される特性を補っている
のが現状である。
管内壁に与える損傷をできる限りなくし、かつ複雑に曲
がりくねった血管内を円滑に進行可能とすべく、可能な
限り柔軟で、かつ復元力に優れたものが望まれている。
テルの中心に編み込んだり、ステンレス線にカットを入
れたヘリカルカテーテルでは、この先端部数mm〜数c
mはポリマーを主体として形成されており、この先端部
のポリマーとそれに続く先端金属部との境界部が、複雑
に曲がりくねった血管壁に当たると、柔軟な先端部は急
峻な血管の中に入ることができるが、次に進んでくる境
界部が血管壁に当たると、この境界部でカテーテルの先
端部が折れたり破損してしまい、更には脆弱な血管内に
傷害を与えてしまうおそれがある。
ーメンを有するカテーテルであって、少なくとも前記本
体部が、超弾性金属管により形成されているものが提案
されている(特開平3−188875号公報)。
金属管の超弾性効果乃至擬弾性効果を有するため、その
先端部が血管の一部に当たり、これを無理な力で変形さ
せるような場合、応力を除去すると同時に超弾性作用に
より直ちに元の状態に復元し、その復元力で血管損傷
(例えば、血管破裂,穿孔,解離等)を招いてしまうと
いう問題があり、上記ヘリカルカテーテルと同様に、複
雑に曲がりくねった血管壁などでの傷害のおそれがあ
る。
で、カテーテル本体の少なくとも先端側において、形状
記憶効果を残したままで、超弾性乃至は擬弾性効果をな
くすことにより、従来の超弾性カテーテルに比べ操作上
血管内を傷付けることが少ないと共に、特に基端側を剛
性を有するように形成することにより、優れた柔軟性、
しなやかさと十分なこしを有し、誘導用ガイドワイヤー
なしでも操作し得、操作性に優れたカテーテルを提供す
ることを目的とする。
達成するため鋭意検討を重ねた結果、一般に形状記憶合
金は、形状記憶性を有すると共に、超弾性又は擬弾性を
有するが、少なくともカテーテル先端側を熱処理等によ
り形状記憶性を残したままで、超弾性乃至は擬弾性を喪
失させ、カテーテル先端側を急激に元の形状に復元させ
るのでなく、徐々に元の形状に復元させることが操作上
血管を損傷するおそれを顕著に防止できることを知見し
た。
タン合金は熱弾性マルテンサイト変態の逆変態に付随し
て、超弾性効果(擬弾性効果ともいう)と形状記憶効果
という2つの性質を有することが知られている。この形
状記憶効果とは、ニッケル−チタン合金が見かけ上の塑
性変形を受けた場合、いわゆる逆変態温度にこの合金を
加熱すると初期の形状に復帰する性質のことである。一
方、超弾性効果、擬弾性効果とは、逆変態温度以上の温
度においてニッケル−チタン合金に応力負荷をかけて、
見かけ上の塑性変形を与える場合、応力除去と同時に合
金の形状は完全に復元する性質のことである。
つの性質のうち、血管内等の脆弱かつ曲がりくねった部
位に挿入するカテーテルにおいては、生体温度で形状記
憶効果を有することは極めて有利であるが、生体温度で
超弾性効果を有することは却って不利に働くことを知見
した。
内等にカテーテルを挿入する場合、上記2つの性質を有
した形状記憶合金管からなるカテーテルを用いると、複
雑に曲がりくねった血管壁に先端部が当たると、変形し
て先端部が急峻な血管の中に入ることができたとして
も、超弾性効果による強い復元力を有しているため、そ
の急激な復元力で血管に強い力が加わり、血管損傷(例
えば、血管破裂,穿孔,解離等)を起こすおそれがあ
る。
結果、形状記憶合金製のカテーテル本体の少なくとも先
端部を熱処理等することにより形状記憶合金の生体温度
における超弾性効果乃至擬弾性効果を喪失させること
で、血管内である程度の応力をカテーテルに加えた場
合、簡単につぶれるか、折れ曲がってしまうと共に、直
ちに復元力が作用しないので血管壁を傷付けるおそれが
低下すること、しかも、形状記憶合金の形状記憶効果は
そのまま十分残っているので、たとえ血管内で無理な力
が加わってカテーテルがつぶれたり折れたりしても、自
然な状態で徐々に元の形状に復元することを知見した。
存在領域は必ずしも一致せず、生体温度において(A)
超弾性効果を示す設定温度と、生体温度において(B)
形状記憶効果を示す設定温度は異なる。仮に、(A)超
弾性効果を示す設定温度を90℃にすると、37℃付近
では軟らかい状態となり、かつ形状記憶効果を発現する
ように熱処理条件を設定するものである。もし、(A)
超弾性効果を示す設定温度を37℃付近とすると、
(B)形状記憶効果を示す設定温度はこれより低くな
り、本発明の目的にそぐわない。またこの場合、(A)
超弾性効果を示す設定温度と(B)形状記憶効果を示す
設定温度との間には、超弾性効果を示し且つ形状記憶効
果も示す領域が存在する。カテーテルを生体内温度で変
形させた場合、その変形力を解除すると、元の形状に復
元するが、この復元力が超弾性効果であるか、形状記憶
効果で復元したかについては、0.3秒以内で復元した
場合は超弾性効果が強く作用しているとみられるもので
あり、実際、0.3秒以内で復元する場合、本発明者の
知見によると、強い弾性によってカテーテル操作時に血
管内を傷付けてしまうおそれが多分にある。
弾性乃至擬弾性を有さない”とは、超弾性を示す設定温
度、及び超弾性効果を示し且つ形状記憶効果を示す領域
が生体温度より高い温度域にあり、カテーテル本体を生
体温度において変形したとき、その変形力を解除した場
合(あるいはカテーテルの操作中に手を離した場合)、
0.5秒以上、好ましくは1秒以上、更に好ましくは
1.5秒以上要することを意味する。
度において、本質的に形状記憶効果で元に戻るものであ
り、超弾性乃至擬弾性効果を出す前の温度で形状記憶効
果を発現させるものである。これに対し、従来の超弾性
金属管あるいは形状記憶合金管のカテーテルにおいて
は、変形力を解除した場合(あるいは、手を離せば)、
瞬時に0.3秒以内に(多くても0.5秒を要さずに)
元の形状に戻るもので、超弾性乃至擬弾性効果で復元す
るものであり、本発明のカテーテルは、従来のこの種の
カテーテルの超弾性乃至擬弾性効果を奏しないものであ
る。
とも先端部が形状記憶効果を有しながら、超弾性効果乃
至擬弾性効果をなくしているので、従来の超弾性カテー
テルに比べて血管損傷を生じることなく操作でき、安全
性に優れ、良好な操作性を有するものである。
状記憶性のみを応用したものであって、従来超弾性又は
擬弾性を医用に応用することは知られているが、形状記
憶性のみを応用した例はなく、これは本発明者の新知見
によるものである。
のカテーテルは、超弾性金属管としてTi−Ni合金な
どの超弾性金属体を用いており、この超弾性金属体は、
形状記憶効果だけでなく、超弾性効果を備えており、強
い弾性(元の形状への戻り性)を有するため、操作時に
誤って血管内を傷付けてしまうおそれがあるものであ
る。つまり、従来は超弾性や擬弾性といった性質がカテ
ーテルやガイドワイヤーに必要であると思われていたも
のであるが、本発明者が実際に検討したところによれ
ば、超弾性や擬弾性を有すると、この弾力によって手を
離すと直ちに元へ戻る性質が強く、無理な力が血管に加
わると血管損傷を招いてしまうという問題点があること
を知見したものである。
供する。 請求項1: カテーテル本体の少なくとも先端側が、少なくとも生体
温度において形状記憶性を有すると共に超弾性又は擬弾
性を有するNi−Ti系形状記憶合金を350〜600
℃で1〜120分間加熱を行った後、400℃以上で1
〜120分間又はそれ以上加熱を行って、上記形状記憶
合金の形状記憶性を残し、超弾性乃至擬弾性を喪失させ
て、変形力を解除した場合、元の形状に復元するのに
0.5秒以上要するように熱処理することによって得ら
れた超弾性を有さない形状記憶性金属にて形成されてい
ることを特徴とするカテーテル。 請求項2: カテーテル本体の全体が上記形状記憶性金属にて形成さ
れた請求項1記載のカテーテル。 請求項3: カテーテル本体の先端側が上記形状記憶性金属にて形成
されており、かつカテーテル本体の残りの部分が少なく
とも生体温度において形状記憶性を有すると共に、超弾
性又は擬弾性を有する形状記憶合金にて形成された請求
項1記載のカテーテル。 請求項4: 上記形状記憶性金属部の先端部がテーパー状に形成され
た請求項1乃至3のいずれか1項記載のカテーテル。 請求項5: 上記形状記憶性金属部の先端部を生体温度で曲率半径0
〜200mmの範囲で湾曲させるように形状記憶させた
請求項1乃至4のいずれか1項記載のカテーテル。 請求項6: 上記形状記憶性金属部を生体温度で0〜120°屈曲す
るように形状記憶させた請求項1乃至5のいずれか1項
記載のカテーテル。 請求項7: カテーテル本体の外周面又は外周面と内周面にポリマー
層を被覆した請求項1乃至6のいずれか1項記載のカテ
ーテル。 請求項8: ポリマー層の表面に親水性ポリマーを塗布した請求項7
記載のカテーテル。 請求項9: カテーテル本体の少なくとも形状記憶性金属部の内周面
を被覆してNiを含まない金属層を形成した請求項1乃
至8のいずれか1項記載のカテーテル。 請求項10: カテーテル本体の外周面にニッケルを含まない金属層を
形成した請求項9記載のカテーテル。 請求項11: カテーテル本体の先端に熱可塑性樹脂チューブを取り付
けた請求項1乃至10のいずれか1項記載のカテーテ
ル。 請求項12: 上記チューブにX線造影剤を含有させた請求項11記載
のカテーテル。
本体の少なくとも先端側が上記形状記憶性金属にて形成
され、超弾性による弾力をなくしているので、カテーテ
ル本体の先端部が超弾性であることに基づく血管損傷も
なく、形状記憶効果により挿入目的部位の血管形状にあ
わせて進むことができる。
端部をテーパー状に形成し、基端側より薄肉に形成する
ことにより、カテーテル本体が先端に向かうに従ってよ
り柔軟性が増し、挿入目的部位の血管形状にあわせてよ
りスムーズに進むことができる。従って、このようにカ
テーテル本体の先端部が柔軟であるので、その先に熱可
塑性樹脂チューブを取り付けて使用した場合、先導チュ
ーブとそれに続くカテーテル本体との境界部が急峻な曲
がりの血管の中で当たると、柔軟な先導チューブが目的
の急峻な血管の中に入ると共に、本発明においてはカテ
ーテル本体の先端部に柔軟性を持たせているので、カテ
ーテル本体先端部もスムーズに急峻な血管内に導かれ
る。
に生体温度において0〜200mm程度のR(アール)
を持つように形状記憶させること、更には生体温度で0
〜120°屈曲するように形状記憶させることにより、
急峻な血管内によりスムーズに、より容易に導くことが
できる。
37℃の体温下での屈曲の強い血管ループを巻いている
血管内の場合に特に必要である。カテーテルがある程度
曲がっていると、その先端部が血管損傷を与えることが
なくなり、スムーズに目的の血管へ誘導されていく。本
発明においては、カテーテル本体の少なくとも先端側に
おいて超弾性や擬弾性をなくしたことが重要で、先端部
が血管の一部に当たり、従来の超弾性金属管カテーテル
のごとく反動力、反発力が生じることで直ちに元へ戻
り、血管損傷をきたすことがないよう、形状記憶性で復
元し、無理な力が加わればカテーテルが変形するが、こ
の場合、反動力、反発力がないのでその無理な力がなく
なるまでその場(血管内)ではその形状に変形し、カテ
ーテルを引き、無理な力がなくなると元の形状へゆっく
りと復元する。
性を持たせることによって、先端部がたとえ変形を生じ
たとしても、カテーテルの導入操作中に血管損傷をなく
す目的で、その急激な復元を生じることなしに、かつ基
端部の強性(剛性)で支障なく円滑にカテーテルを所定
の部位に案内できるものであり、そして上記のように変
形しても、37℃の体温下で自然に徐々に元の形状へ回
復するものである。
ることにより、この特性からガイドワイヤーの使用を省
略することができる。
は、上述したように管状のカテーテル本体の少なくとも
先端側を、少なくとも生体温度(通常36〜37℃付
近、好ましくは35〜40℃の範囲)において形状記憶
性を有するが、超弾性乃至擬弾性を有さない金属(以
下、これを形状記憶性金属という)にて形成したもので
ある。
弾性乃至擬弾性を有さないとは、生体温度において、変
形力を解除した場合、元の形状に復元するのに0.5秒
以上、好ましくは1秒以上、更に好ましくは1.5秒以
上、最も好ましくは2秒以上要するものである。
記形状記憶性金属にて形成してもよく、管状カテーテル
本体の先端側のみを上記形状記憶性金属にて形成し、残
りの部分を少なくとも生体温度において形状記憶性を有
すると共に、超弾性乃至擬弾性を有する形状記憶合金、
あるいは場合によってはステンレススチール等の形状記
憶性を有さない金属などにて形成することができる。
ともカテーテル本体の最先端から約30cmまでの部
分、より好ましくは約50cmまでの部分、更に好まし
くは約180cmまでの部分とすることが、本発明の目
的をより効果的に達成する点から推奨される。
くとも生体温度において超弾性乃至擬弾性を喪失させた
Ni−Ti系の形状記憶合金にて形成することができ
る。具体的にこのような形状記憶合金としては50〜5
1原子%、特に50.3〜50.7原子%のNi含有の
Ni−Ti合金が好ましい。
憶合金管は、所定の太さの形状記憶合金製管体を通常の
冷間加工を施し(例えば、冷間加工率30〜50%)、
常法に従って延伸することによって形成することができ
るものであり、その後、Ni−Ti合金の場合、Ni濃
度によっても相違し、一義的に決定できないが、350
〜600℃程度の温度で1〜120分間加熱を行うこと
が好ましく、これにより強靭でしなやかさを与えること
ができる。
弾性乃至擬弾性を喪失させるためには更に熱処理を与え
ることができる。この場合、熱処理条件は適宜選定さ
れ、Ni−Ti系合金の場合、上記のようにNi濃度に
よって異なるが、400℃以上、特に450℃以上で1
〜120分間程度又はそれ以上加熱する方法を採用する
ことができ、場合によっては700℃程度で約100時
間加熱することもでき、Ni濃度等に応じ、400〜8
00℃で1分〜100時間程度の熱処理を行うことがで
きる。
ル本体の形状記憶性金属部の先端部(先端から少なくと
も約30cm程度、好ましくは50cm程度)を図1に
示したように、テーパー加工することが好ましい。テー
パー加工の条件は、カテーテルの基端部厚さt 1が20
〜200μm、好ましくは30〜100μmであるのに
対し、カテーテルの先端部の厚さt 2が5〜100μ
m、好ましくは10〜50μm、より好ましくは25〜
30μmである。先端部の厚さが5μm未満では薄すぎ
て、先端部が縦に割れてしまう場合があり、100μm
を超えると先端部をテーパー加工したことの効果が発揮
されない場合がある。この際、先端部の厚さt 2を基端
部厚さt 1の1/5〜4/5、好ましくは1/4〜3/
4、更に好ましくは1/3〜2/3とすることがよく、
例えばt 150μmに対してt 230〜25μmとするこ
とができる。
パー加工を施すことにより、更に先端部に柔軟性を持た
せることができ、たとえ複雑に曲がりくねった脆弱な血
管内等であっても損傷を与えることなくスムーズにカテ
ーテルを導入することができる。
部は他の部位に比べてより高い柔軟性を有することが好
ましく、特に基端側は強性(剛性)をもたせる一方、先
端部はテーパー状として先端に向けて柔軟性を持たせ、
超弾性や擬弾性特性をなくして、血管内で無理な力がカ
テーテルに加わっても、弾性効果にみられる反張力反発
力で直ちに元の形状に復帰して血管損傷等が生じないよ
うに、無理な力がなくなるまでその形状で維持され、反
張力反発力はでないように設計することが好ましい。
ように、カテーテル本体を350〜400℃で1〜30
分間熱処理した後、400℃以上、特に450℃以上、
場合によっては600〜800℃程度で1〜120分程
度あるいは30〜120分程度又はそれ以上、場合によ
っては100時間程度の加熱処理を施して、より確実に
柔軟性を発揮させるようにすることが好ましく、36〜
37℃の体温下で元の形状に戻る形状記憶性は残し、仮
に無理な力が加わり、先端部が折曲乃至屈曲しても自然
に徐々に復元するように形成するものである。
体の外周面にポリマー層を被覆することができ、また必
要に応じてカテーテル本体の少なくとも形状記憶性金属
部の内周面を被覆してポリマー層あるいはNiを含まな
い金属層を形成することもできる。
示す先端側の断面図である。即ち、このカテーテル1
は、先端側が上記形状記憶性金属2aよりなるカテーテ
ル本体2の外周面を被覆してポリマー層3を形成すると
共に、カテーテル本体2内周面にもポリマー層又はNi
を含まない金属層4を形成したものである。なお、図3
に示したように、カテーテル本体2外周面とポリマー層
3との間に金属層5を形成することもできる。
としては、熱可塑性樹脂が好ましく、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、オレフィン共重合体等のオレフィン系ポ
リマー、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポ
リ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、セル
ロース、ポリカーボネート、シリコーン、天然ゴムラテ
ックス、その他のゴム等の電子線やγ線といった放射線
電子滅菌に耐えられるポリマーなどが挙げられる。この
場合、ポリマー層の厚さは、特に制限されないが、1〜
300μm程度である。なお、4がポリマー層である場
合、その材質はポリマー層3の材質として例示したもの
と同様の材料を挙げることができる。このポリマー層4
は、ポリマー層3と同一材料であっても異なっていても
よい。
場合は、高導電性を有する金属が好適に用いられ、例え
ば、銅、銀、金、白金、パラジウム、タングステン、タ
ンタリウム、イリジウム及びこれらの合金から選ばれる
金属を用いることができる。
面を覆ってポリマー層やNiを含まない金属層を形成す
ることにより、形状記憶性金属部がTi−Ni系合金の
場合、生体内にNiイオンが放出されることが防止され
る。
い金属層と同様の金属を使用することができるが、Ni
を含んだ金属であってもよい。
10〜200μm、特に20〜100μm程度とするこ
とができ、ポリマー層3の厚みは1〜300μm、好ま
しくは50〜300μm、特に100〜150μmとす
ることができ、ポリマー層又はNiを含まない金属層4
の厚みは0.2〜10μm程度とすることができる。更
に、金属層5の厚さは0.2〜10μmとすることがで
きる。また、このようにカテーテル本体2の内周面にポ
リマー層又はNiを含まない金属層4が形成されたカテ
ーテル1の内径は適宜選定し得るが、50〜5000μ
m、特に100〜1000μmの細径に形成し得る。
形成したカテーテルの製造方法としては、所定の太さの
形状記憶合金製管体の内周面に電気めっきや無電解めっ
き、特には無電解めっき等の適宜な方法で金属被膜を形
成し、次いで常法に従って延伸することによって形成す
ることができる。
表面に耐久性の高くかつ良好な抗血栓性と水中潤滑性と
ぬめり性とを与える親水性ポリマーをコーティングする
ことができる。
本体の先端に熱可塑性樹脂チューブを取り付け、このチ
ューブを先導部として使用することができる。このチュ
ーブの長さは特に制限されないが、1mm〜50cm、
特に1mm〜30cm程度とすることができる。なお、
このチューブを形成する熱可塑性樹脂としては、先に例
示したと同様のものを使用することができる。
脂には、X線造影剤を含有させることができる。X線造
影剤としては公知のものを使用することができるが、本
発明においては、タングステン粉末が好ましい。また、
X線造影剤の含有量は20〜69重量%程度とすること
ができる。
用途などに応じて適宜選定することができる。
温度で曲率半径(R)0〜200mm程度の範囲で湾曲
するように形状記憶させることができ、また、0〜12
0°、特に30〜90°屈曲するように形状記憶させる
ことができる。なお、曲率半径(R)0mmとは、湾曲
させないストレートな状態を指し、これは使用目的によ
っては必要となるものである。
性)を与えることにより、誘導用のガイドワイヤーを不
要とすることができる。また、極めて細く形成できると
共に、少なくともカテーテル本体の先端部が生体温度に
おいて超弾性効果をなくしているので、血管内で一定の
応力がカテーテルに加わると、簡単につぶれるか、折れ
曲がり、また元に戻る力が小さいために血管壁を傷付け
ることがないものであるが、形状記憶効果はそのまま十
分有しているので、その後、徐々に元の形状に復元する
ことができ、従来に比べて操作性、安全性が飛躍的に向
上したものである。
管造影等の検査や、脳、心臓、腹部等の血管狭窄等の治
療など通常のカテーテルと同様に用いることができ、具
体的には、通常の方法によって、その先端部を生体内の
目的部位まで挿入し、局所的に血管造影剤や塞栓物質等
の各種薬剤などを注入したり、先端部に膨張及び収縮可
能なバルーンを取り付けて種々の血管治療などに用いる
ことができる。
と外周面に導電性に優れた金属層を形成することによ
り、内周面の保護のみならず、生体内留置部材を有する
医療用ワイヤーの接続部材の離脱にも、更に生体内留置
部材をPVA,EVAなどで結合させた場合、この接続
ポリマーを離脱する場合にも、モノポーラ高周波電流を
供給することにより、用いることができる。この場合、
カテーテル内周面をNiを含まない金属で形成されたカ
テーテル内を生体内留置部材が注入され、接続部材(P
VA等)の位置を通過する時にカテーテルからの高周波
電流により溶解切断し、種々の電気離脱する生体内留置
部材を容易かつ確実に切断し得るものである。
してはカテーテル本体の外周面にも金属層を形成するこ
とにより、内周面の金属層と外周面の金属層とを利用し
てバイポーラ高周波電流を供給するように形成すること
もできる。更に、本発明のカテーテルは脳波測定にも適
用できるものである。
マーをコーティングしたものは抗血栓性カテーテル表面
のすべり性に優れ、現場において必要とされる操作性を
総て兼ね備えたものである。また、本発明のカテーテル
はある程度の太さの径のものから、極めて細い径のもの
までに幅広く適応し得るものであり、心臓、脳、腹部な
どの曲がりくねった微細な血管であっても、血管損傷を
起こすことなく、目的部位までスムーズかつ確実に挿入
することができるものである。
のではないが、尿管結石などの破砕、補脱用の尿管カテ
ーテルや、異物の回収用のリトリーバー部材に用いるカ
テーテルや、内視鏡に関するカテーテル(血管内視鏡に
用いるカテーテル)、脳、心臓、腹部等の血管造影等の
検査や、脳、心臓、腹部等の血管内手術用に好適なもの
である。
%のNi−Ti合金製筒体に冷間加工を施し、厚さ50
μmの管体を得、これをその先端から15〜30cmの
部分を25〜30μmの厚さのテーパー状に加工してカ
テーテル本体を作成し、次いで400℃において10〜
30分間熱処理を行った。更に、この先端テーパー部を
460℃において数十分間熱処理したもの、また700
℃で100時間熱処理を行ったものを得た。これによっ
て、基端側は比較的剛性を有し、しなやかさを有する一
方、先端側は先端に向かうに従って柔軟性を持ち、超弾
性乃至擬弾性のないカテーテル本体を得た。上記カテー
テル本体の外周面に熱可塑性樹脂のコーティング処理を
施し、カテーテルを形成した。
性)を効かせるため、カテーテルの先端部に半径(R)
約1mm(細動脈)から50mm程度(大動脈弓部等)
の丸みを与え、0〜120°、特に30〜90°の範囲
で形状記憶させ、カテーテルの先端に1mm〜30cm
の熱可塑性樹脂チューブを取り付けた。また、目的に応
じ、先端部に丸みをつけないカテーテルも作製した。
れ、更に基端部の操作でチューブとカテーテル本体との
接合部が挿入する血管に当たり、損傷しないようにカテ
ーテルを誘導していく。本実施例のカテーテルは、カテ
ーテル本体がしなやかであり、先端部が目的の血管に挿
入されたとき、先端部はテーパー状とされ、かつ上記の
ように熱処理が施されたことにより柔軟性が高く、しか
も先端部は0〜50mm程までは目的の血管にカテーテ
ルが入った後、スムーズに挿入できるように角度が形成
されているので、血管に損傷を与えることがないもので
ある。更に、上記テーパー部は、超弾性、擬弾性はな
く、この点からも血管損傷を極力抑えることができるも
のである。なお、先端部は、折曲乃至屈曲が生じても、
36〜37℃の体温下で自然に回復する効果をもたら
す。
ワイヤーがなくても操作し得るものである。
ーテル本体の先端側が生体温度での形状記憶効果を有し
た状態で、超弾性効果を有さないものであるので、操作
上血管を傷付けることがなく、操作性に優れたものであ
る。
た状態を示した部分断面図である。
略断面図である。
面図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 カテーテル本体の少なくとも先端側が、
少なくとも生体温度において形状記憶性を有すると共に
超弾性又は擬弾性を有するNi−Ti系形状記憶合金を
350〜600℃で1〜120分間加熱を行った後、4
00℃以上で1〜120分間又はそれ以上加熱を行っ
て、上記形状記憶合金の形状記憶性を残し、超弾性乃至
擬弾性を喪失させて、変形力を解除した場合、元の形状
に復元するのに0.5秒以上要するように熱処理するこ
とによって得られた超弾性を有さない形状記憶性金属に
て形成されていることを特徴とするカテーテル。 - 【請求項2】 カテーテル本体の全体が上記形状記憶性
金属にて形成された請求項1記載のカテーテル。 - 【請求項3】 カテーテル本体の先端側が上記形状記憶
性金属にて形成されており、かつカテーテル本体の残り
の部分が少なくとも生体温度において形状記憶性を有す
ると共に、超弾性又は擬弾性を有する形状記憶合金にて
形成された請求項1記載のカテーテル。 - 【請求項4】 上記形状記憶性金属部の先端部がテーパ
ー状に形成された請求項1乃至3のいずれか1項記載の
カテーテル。 - 【請求項5】 上記形状記憶性金属部の先端部を生体温
度で曲率半径0〜200mmの範囲で湾曲させるように
形状記憶させた請求項1乃至4のいずれか1項記載のカ
テーテル。 - 【請求項6】 上記形状記憶性金属部を生体温度で0〜
120°屈曲するように形状記憶させた請求項1乃至5
のいずれか1項記載のカテーテル。 - 【請求項7】 カテーテル本体の外周面又は外周面と内
周面にポリマー層を被覆した請求項1乃至6のいずれか
1項記載のカテーテル。 - 【請求項8】 ポリマー層の表面に親水性ポリマーを塗
布した請求項7記載のカテーテル。 - 【請求項9】 カテーテル本体の少なくとも形状記憶性
金属部の内周面を被覆してNiを含まない金属層を形成
した請求項1乃至8のいずれか1項記載のカテーテル。 - 【請求項10】 カテーテル本体の外周面にニッケルを
含まない金属層を形成した請求項9記載のカテーテル。 - 【請求項11】 カテーテル本体の先端に熱可塑性樹脂
チューブを取り付けた請求項1乃至10のいずれか1項
記載のカテーテル。 - 【請求項12】 上記チューブにX線造影剤を含有させ
た請求項11記載のカテーテル。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP36537097A JP3237597B2 (ja) | 1997-12-19 | 1997-12-19 | カテーテル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36537097A JP3237597B2 (ja) | 1997-12-19 | 1997-12-19 | カテーテル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11178914A JPH11178914A (ja) | 1999-07-06 |
JP3237597B2 true JP3237597B2 (ja) | 2001-12-10 |
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ID=18484089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP36537097A Expired - Fee Related JP3237597B2 (ja) | 1997-12-19 | 1997-12-19 | カテーテル |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3237597B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4186713B2 (ja) * | 2003-05-29 | 2008-11-26 | マニー株式会社 | 根管治療器具及び製造方法 |
-
1997
- 1997-12-19 JP JP36537097A patent/JP3237597B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH11178914A (ja) | 1999-07-06 |
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