JP4186713B2 - 根管治療器具及び製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科治療用の根管治療器具と、この根管治療器具を製造する方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歯の根管を治療するための器具として、根管を切削して成形するリーマ,ファイル、根管に熱可塑性樹脂を充填するコンパクター,フィラー,スプレッダー,プラガー、根管内の残留物を除去するクレンザー、根管に綿を充填するブローチ等を含む種々のものがある。
【0003】
上記根管治療器具は、細いテーパ状の軸棒に治療目的に対応させて切刃や刺状の突起を設けた作業部を形成し、或いはテーパ状の軸棒をスパイラル状に成形して作業部を形成した部材によって構成されている。また機種によっては、前記部材の端部に医師が把持して操作するハンドルや柄を一体的に取り付けて、或いはハンドピース等のチャックに把持したり医師が直接操作し得るようにシャンクを形成して構成されている。
【0004】
根管は極めて細く、且つ形状や太さは多様であり個人差も大きい。このため、同一機種の根管治療器具であっても、異なる太さを持つ多数のものが提供される。例えばリーマを用いて根管を切削して成形するような場合、根管の周囲を傷めることがないようにリーマは根管の形状に沿って変形すること、即ち、適度な弾性を有することが必要である。
【0005】
上記の如き極めて高い弾性と形状の復元性を持つ根管治療器具として特許文献1の技術が提案されている。この技術は、記憶熱処理した超弾性特性を有する軸棒素材を記憶処理温度以下に保持しながら除去加工を施して作業部を形成して製造された根管治療器具に関するものである。
【0006】
上記根管治療器具では、作業部が形成された軸棒は、作用する外力に応じてしなやかに変形し、且つ外力が除去されるのに伴って速やかに元の形状に復元する。このため、根管の形状に対して極めて高い追従性を発揮して精度の良い根管成形を行うことが出来る。
【0007】
【特許文献1】
特許第3375765号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に係る根管治療器具では作業部の全長にわたって均等な超弾性特性を有するため、作業部を曲げたとき、自由端である先端部分にも元の形状に戻ろうとする作用(コシ)があり、根管の治療に際し先端を根管に挿入して曲げるのに伴って発生する反発力が根管壁に作用することになる。このため、根尖口付近(作業部の先端)では湾曲の外側をより多く切削し、湾曲中央では内側をより多く切削して根管から逸脱する虞があるという問題がある。
【0009】
また上記根管治療器具は根管成形に際し、作業部を先端から略全長にわたって曲げた状態で回転させることから、作業部には繰り返し曲げ応力が作用することとなり、細い先端部分が棄損する可能性が高くなる。このため、特許文献1に係る根管治療器具はステンレス鋼を材料とした根管治療器具に比較して充分に高い耐久性を有するものでありながら、更に耐久性を向上させることが要求されている。
【0010】
本発明の目的は、作業部の先端部分のコシを弱くすることによって、根管から逸脱し易い点を改良すると共に耐久性を向上させた根管治療器具と、この根管治療器具を製造する方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る根管治療器具は、先端から所定長さの作業部が形成されると共に該作業部に連続してシャンクが形成された軸状の根管治療器具であって、作業部に於ける先端から所定の長さ範囲が形状記憶特性を有し、且つ作業部に於ける残部が超弾性特性を有するものである。
【0012】
上記根管治療器具では、作業部の先端から所定長さ範囲が形状記憶特性を有しており、且つ作業部の残部が超弾性特性を有する。このため、先端が記憶形状を回復していない状態では、外部から小さい力を作用させてもこの力に応じて容易に変形する。即ち、形状記憶特性を有する先端は、超弾性特性を有する他の部位と比較して小さい力で自由に変形することが出来る。
【0013】
従って、作業部の先端のコシがなくなり、根管の形状に対する追従性が向上して該根管を成形する際に逸脱することがない。更に、先端部分が柔らかくなり、根管を成形する際に回転させた場合の耐久性を向上することが出来る。
【0014】
また本発明に係る根管治療器具の製造方法は、予め超弾性特性を発揮させた線材の一部に金属除去加工を施した後、該金属除去加工を施した部位の、先端から所定の長さ範囲を再熱処理することによって形状記憶特性を発揮させるか、又は予め超弾性特性を発揮させた線材の、先端から所定の長さ範囲を再熱処理することによって形状記憶特性を発揮させた後、形状記憶特性を有する部位及び該形状記憶特性を有する部位と連続する超弾性特性を有する部位に対して金属除去加工を施すことを特徴とするものである。
【0015】
上記根管治療器具の製造方法では、超弾性特性を有する線材を予め金属除去加工を行って目的の根管治療器具の形状を形成した後、作業部の先端部分を再熱処理することで、先端を形状記憶特性とし残部を超弾性特性とした作業部を有する根管治療器具を製造することが出来る。また超弾性特性を有する線材の一部を、予め再熱処理して形状記憶特性を発揮させた後、金属除去加工を行って目的の根管治療器具の形状を形成することで、先端を形状記憶特性とし残部を超弾性特性とした作業部を有する根管治療器具を製造することが出来る。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る根管治療器具の好ましい実施形態について図を用いて説明し、合わせて好ましい製造方法について説明する。図1は根管治療器具を代表する例としてのリーマを示す図である。図2はリーマを製造する方法を示す図である。図3はリーマの先端部分の疲労破断試験を行う際の構成を説明する模式図である。
【0017】
本発明に係る根管治療器具は、根管を治療するための器具であって、軸状の材を用いて形成される全ての器具を対象としている。このような根管治療器具は、一方側の端部に目的の治療を最も合理的に行うことが可能な形状を持った作業部が形成され、他方側の端部に医師が操作する操作部が形成されている。この操作部は医師が手で直接操作する場合はハンドルが形成され、ハンドピースのような器具を用いる場合は該器具の把持部の構造に最適な形状を持った柄が設けられる。
【0018】
上記根管治療器具を代表してリーマAの形状について図1により説明する。リーマAは根管に於ける根管壁を切削する器具であり、針部1と柄2とによって構成されている。
【0019】
針部1には先端3から所定長さ範囲にわたるテーパ状の作業部4が形成されており、作業部4に連続してストレート状のシャンク5が形成されている。作業部4は、リーマの種類に応じて断面が長方形のものや、三角形或いは四角形のものが提供され、夫々独自の機能を発揮し得るように構成されている。
【0020】
本実施例に於けるリーマAでは、長方形の断面が作業部4に沿ってスパイラル状に形成されることで、溝4a,該溝4aに沿った切刃4bが形成されている。
【0021】
シャンク5は柄2に取り付けられる機能を有している。柄2は図に示すようにハンドピースのチャックに把持されるように構成されたものや、医師が手で把持して操作し得るようにしたものがあり、夫々の機能に対応した形状と材質を持って形成されている。
【0022】
例えば、図に示す柄2は、ステンレス鋼等の金属からなり、軸心に形成された穴にシャンク5を挿通して接着により固定されている。また医師が手で把持して操作する柄を形成する場合、合成樹脂の射出成形によりシャンク5をインサート成形して一体化させて固定されることもある。
【0023】
針部1は形状記憶特性を持った金属、例えばニッケル−チタン(Ni−Ti)合金からなり且つリーマAを構成する針部1の径に対応した径を有する線材を用いて形成されており、作業部4の先端3から所定長さ範囲が形状記憶特性を有する形状記憶部6として形成され、作業部4に於ける形状記憶部6よりもシャンク5側の部分は超弾性特性を有する超弾性部7として形成されている。
【0024】
針部1に於ける形状記憶部6は、Ni−Ti合金を熱処理することによって常温域や患者の体温域では記憶形状を回復することのない特性が付与されている。形状記憶部6は、形状回復温度に達して予め記憶した形状を回復したとき、高い強度を発揮し、形状回復温度に達していない状態で該形状記憶部6に外力が作用したとき、形状記憶部6は作用した外力に応じて容易に形状が変化する。従って、形状記憶部6はコシがなく、好ましい形状に変形させることが可能である。
【0025】
このため、治療に際し、医師が患者の根管の形状、或いは根尖口の形状に対応させて予め形状記憶部6を曲げておく(プレカーブ)ことが可能となる。このようにプレカーブを形成しておくことで、先端3を根管に挿入して治療を行う際に、先端3及び形状記憶部6が根管に対して高い追従性を発揮することが可能となる。そして治療が終了して根管から取り出した後、医師が力を加えて元の形状に変形させ、或いは形状回復温度まで上昇させることで記憶形状を回復することが可能である。
【0026】
上記の如く、記憶形状を回復していない形状記憶部6は柔軟性に富み、高い耐疲労特性を有している。このため、先端3を根管に挿入した状態で作業部4を曲げて回転させたとき、作業部が全長にわたって超弾性特性を有するものと比較して疲労破断時間を長くすることが可能である。
【0027】
超弾性部7は直針状の形状を記憶しており、常温域では直針状の記憶形状を回復した状態を維持している。この超弾性部7は極めて柔軟性に富み、且つ高い復元性を有している。即ち、超弾性部7は作用する外力に応じて容易に変形し(曲がり)、外力の作用が排除されたとき容易に元の形状に復元する。
【0028】
特に、作業部4がテーパ状に形成されているため、先端3を支点として作業部4を曲げたとき、シャンク5は略直線を維持し、超弾性部7のシャンク5側は曲率の小さい弧状となり、形状記憶部6側に接近するに従って曲率が大きくなって強く曲げられた弧状となり、更に、形状記憶部6はより強く曲げられる。即ち、作業部4は一様に曲げられるものではなく、テーパに対応して曲げられる。そして作業部4の曲げを解除すると、超弾性部7は元の形状(直針状)に復元し、形状記憶部6は曲げられた形状を維持する。
【0029】
作業部4に於ける形状記憶部6の長さは特に限定するものではない。本件発明者等の実験では、作業部全体を超弾性特性としたとき、先端から2mm〜3mmの部位で棄損する例が多かった。このため、作業部4に於ける形状記憶部6の長さは、最低でも先端3から2mmは必要である。最大は特に限定しないが、作業部4の全長の3/4程度である。また形状記憶部6の特に好ましい長さ範囲は、作業部の長さが16mmである場合は先端3から3mm〜6mm程度であり、3mm,4mm程度であることがより好ましい。
【0030】
形状記憶部6の長さが2mmよりも小さいと、作業部が全長にわたって超弾性特性を有するリーマと比較して、耐久性の実質的な差異はない。また形状記憶部6の長さが作業部4の3/4よりも大きいと、先端3を根管に挿入して回転させる際に、回転軸の位置が定まらずに偏心してしまい、良好な切削が困難になるという問題を生じる虞がある。
【0031】
形状記憶部6に於ける記憶形状は特に限定するものではないが、超弾性部7の延長としての直針状であることが好ましい。
【0032】
また形状記憶部6の形状回復温度は、常温及び通常の体温よりも充分に高いことが好ましい。即ち、形状回復温度が体温と同程度である場合、根管を治療している間に記憶形状を回復して作業部4全体が超弾性特性を有する場合と同様の問題を生じる虞がある。従って、形状記憶部6の形状回復温度は、常温或いは体温よりも充分に高い温度であることが必要である。このような温度として、オートクレーブ滅菌する際の処理温度があげられる。しかし、この温度に限定するものではないことは当然である。
【0033】
上記の如きリーマAでは、柄2を図示しないハンドピースのチャックに把持させると共に医師がこのハンドピースを持ち、作業部4の先端3側に形成された形状記憶部6を予め患者の根管の形状に対応させて曲げた後、先端3を根管に挿入して切刃4bの方向に回転させつつ軸方向に移動させることで、根管壁を切削して該根管を成形することが可能である。
【0034】
尚、本実施例では根管治療器具としてのリーマAを例としたため、切刃4bが形成されているが、全ての根管治療器具に於ける作業部4に必ず切刃4bが形成されているものでもなく、刺状の突起やテーパを持ったコイル状に形成されたものもある。そして、このような根管治療器具であっても、作業部4の先端3から所定長さ範囲に形状記憶部6を形成すると共に残部を超弾性部7とすることによって、根管からの逸脱を防止し、且つ耐久性を向上させることが可能である。
【0035】
次に、リーマAを製造する第1の製造方法について図2により説明する。第1の製造方法は、予め超弾性特性を持たせた素材から金属除去加工を行って作業部を形成し、その後、作業部の先端側を再熱処理して形状記憶特性を持たせるようにしたものである。
【0036】
同図(a)に示すように、予め超弾性特性を持たせたNi−Ti合金の線材であって目的のリーマAの太さに対応する径を持った線材を、該リーマAの長さに対応させて切断することで軸棒状の素材11を形成する。
【0037】
同図(b)に示すように、素材11をテーパ加工し、且つ溝4aと切刃4bを加工し、更に、先端3を加工し、作業部4及びシャンク5を形成することで、針部1を形成する。素材11を加工する際に、該素材11が超弾性特性を有することから塑性加工を施すことが不可能である。このため、素材11に対するテーパ加工,溝4a,切刃4bの加工は研削加工を含む金属の除去を伴う加工によって行われる。このようにして形成された作業部4は全長にわたって超弾性特性を有している。
【0038】
次いで、作業部4の先端3から所定の長さ範囲に形状記憶部6を形成する。この工程は、同図(c)に示すように、針材1に於ける形状記憶部6に対応する部位以外の部位を冷媒12によって冷却しておき、且つ形状記憶部6を目的の形状(本実施例では直針状)に保持し、素材11に設定されている熱処理条件に基づいて加熱することで行われる。
【0039】
形状記憶部6の熱処理を行うに際し該形状記憶部6以外の部位を冷却する冷媒12として特に限定するものではなく、例えば水を用いることが可能である。
【0040】
上記の如くして先端3から所定長さ範囲に形状記憶部6を設けた針部1のシャンク5を図示しない柄に挿通すると共に両者を接着することで、目的のリーマAを製造することが可能である。
【0041】
本発明に係る第2の製造方法は、図2(a)に示す素材11を形成した段階で一方側の端部から所定長さ範囲に熱処理を施して形状記憶特性を付与し、その後、素材11に対して金属の除去を伴う加工を行って、溝4a,切刃4bを有する作業部4を形成することで目的のリーマAを製造するものである。
【0042】
上記第2の製造方法では、素材11の段階で形状記憶特性を有する部位と、超弾性特性を有する部位とが形成され、この素材11に対して金属除去加工を施して作業部4を形成することになる。従って、形状記憶部6には、直針状の形状が記憶されると共に、超弾性部7と連続した溝4a,切刃4bが形成されることとなる。
【0043】
上記の如くして形状記憶部に対応する部位と、超弾性部に対応する部位を設けた素材11に金属除去を伴う加工を施すことで作業部4,シャンク5からなる針部1を形成し、その後、シャンク5を図示しない柄に挿通して両者を接着することで、目的のリーマAを製造することが可能である。
【0044】
本件発明者等は、30番のリーマで、素材径が約1.0mm、先端部分の径が約0.3mm、テーパが4/100、断面形状が長方形、柄2から突出している針部の長さ約25mm、作業部の長さ約15mmの形状を持ち、作業部が全長にわたって超弾性特性を有するサンプル(従来型サンプル)と、第1の製造方法で先端3から約4mm程度の範囲に形状記憶部6を設けると共に残りの作業部4に超弾性部7を設けたサンプル(第1方法サンプル)、及び第2の製造方法で先端3から約4mm程度の範囲に形状記憶部6を設けると共に残りの作業部4に超弾性部7を設けたサンプル(第2方法サンプル)を複数(各サンプル数5)製作して曲げ試験,疲労破断試験等の試験を試みた。
【0045】
尚、作業部4に於ける形状記憶部6を形成する熱処理は細い軸棒に対して範囲を限定して実施するものであり、形状記憶部6と超弾性部7との間に明確な境界が生じるものでもない。このため、形状記憶部6の先端3からの長さ範囲を正確な数値で表すことは困難であり、約4mm程度の範囲に形状記憶部6を設けるとの表現にならざるを得ない。
【0046】
曲げ試験は、作業部4の先端3から約3mmの位置を把持し、この状態で約45度まげたときのトルクを計測した。その結果、従来型サンプルの平均値は約51gf−cmであり、第1方法サンプルの平均値は約43gf−cm、第2方法サンプルの平均値は約45gf−cmであった。
【0047】
上記測定結果からみて、作業部4の先端3から約4mm程度の範囲を形状記憶部6としたリーマAでは、全長にわたって超弾性特性を有するリーマと比較して小さいトルクで曲げることが可能であるといえる。即ち、本実施例に係るリーマAは、従来のリーマと比較して先端から4mm程度の範囲は、より高い柔軟性を有することになる。
【0048】
従って、形状記憶部6を強制的に曲げたとき、曲げに要する力を除去しても、形状記憶部6の曲げ形状は維持される。このため、根管治療に際して、形状記憶部6を患者の根管形状に従って予め曲げておき、この曲げ形状を保持して先端3を根管内に挿入して治療を施すことが可能となる。即ち、形状記憶部6に根管へのガイド機能を発揮させることが可能となる。
【0049】
また根管に対する治療が進行して先端3が根尖口に到達した場合であっても、形状記憶部6が容易に曲がるため、根管壁に反発力を及ぼすことがなく、根尖口付近や湾曲中央で、根管壁をより多く切削して根管から逸脱することがない。
【0050】
疲労破断試験は、図3に示す装置を用いて行った。即ち、作業部4の先端3側を受け入れることが可能な溝21a,22aを有する一対のピン21,22を配置した装置を用い、一方のピン21の中心に作業部4の先端3から4mmの位置が対応するようにセットすると共に先端3を他方のピン22の溝22aに挿入することで、作業部4に於ける形状記憶部6を略45度に曲げ、この曲げ状態を維持して毎分200回転させて破断に至る時間を計測した。
【0051】
上記疲労破断試験の結果、従来型サンプルでは平均約5分で破断し、また第1方法サンプルでは平均約14分で破断し、更に、第2方法サンプルでは平均約11分で破断した。
【0052】
上記試験結果からみて、作業部4の先端3から約4mm程度の範囲を形状記憶部6としたリーマAでは、全長にわたって超弾性特性を有するリーマと比較して充分に高い耐久性を有するといえる。
【0053】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明に係る根管治療器具では、作業部の先端から所定長さ範囲に形状記憶特性を有する形状記憶部を形成すると共に該形状記憶部と連続して超弾性特性を有する超弾性部を形成することによって、形状記憶部に柔軟性を発揮させることが出来、且つ容易に変形させることが出来る。
【0054】
このため、根管の治療を開始するに際し、形状記憶部を患者の根管の形状に対応させて曲げておくことでガイドとしての機能を発揮させることが出来る。また形状記憶部が、外力の作用に柔軟に対応して変形することが出来るので、作業部の先端が根尖口に達しても、根管壁を必要以上に切削することがなく、逸脱を防止することが出来る。
【0055】
また形状記憶部が極めて高い柔軟性を有するため、繰り返し曲げに対して高い耐久性を発揮することが出来、作業部の全長が超弾性特性を有する根管治療器具と比較して疲労破断に至る時間を延長することが出来る。
【0056】
また本発明に係る第1,第2の製造方法では、超弾性特性を有する線材を予め金属除去加工を行って目的の根管治療器具の形状を形成した後、作業部の先端部分を再熱処理するか、或いは超弾性特性を発揮させた線材の一部を再熱処理することによって形状記憶特性を発揮させた後、形状記憶特性を有する部位及び該形状記憶特性を有する部位と連続する超弾性特性を有する部位に対して金属除去加工を施すことで、先端を形状記憶特性とし残部を超弾性特性とした作業部を有する根管治療器具を製造することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 根管治療器具を代表する例としてのリーマを示す図である。
【図2】 リーマを製造する方法を示す図である。
【図3】 リーマの先端部分の疲労破断試験を行う際の構成を説明する模式図である。
【符号の説明】
A リーマ
1 針部
2 柄
3 先端
4 作業部
4a 溝
4b 切刃
5 シャンク
6 形状記憶部
7 超弾性部
11 素材
12 冷媒
21,22 ピン
21a,22a 溝
Claims (2)
- 先端から所定長さの作業部が形成されると共に該作業部に連続してシャンクが形成された軸状の根管治療器具であって、作業部に於ける先端から所定の長さ範囲が形状記憶特性を有し、且つ作業部に於ける残部が超弾性特性を有することを特徴とする根管治療器具。
- 予め超弾性特性を発揮させた線材の一部に金属除去加工を施した後、該金属除去加工を施した部位の、先端から所定の長さ範囲を再熱処理することによって形状記憶特性を発揮させるか、又は予め超弾性特性を発揮させた線材の、先端から所定の長さ範囲を再熱処理することによって形状記憶特性を発揮させた後、形状記憶特性を有する部位及び該形状記憶特性を有する部位と連続する超弾性特性を有する部位に対して金属除去加工を施すことを特徴とする根管治療器具の製造方法。
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