JP4621851B2 - 根管治療器具 - Google Patents

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Description

本発明は、歯科治療用の根管治療器具に関し、特に、回転させたり、長さ方向に出し入れしたり、1/4回転くらいの正逆転を繰り返すことをさせて目的の治療を施す根管治療器具の回転に伴う疲労に対する耐久性を向上させた根管治療器具に関するものである。
回転させつつ歯の根管を治療するための器具として、根管を切削して成形するファイル,リーマがある。この根管治療器具は、細いテーパ状の軸棒に治療目的に対応させて切刃や突部を設けた作業部を形成し、或いはテーパ状の軸棒をスパイラル状に成形して作業部を形成した部材によって構成されている。また機種によっては、前記部材の端部に医師が把持して操作するハンドルや柄を一体的に取り付けて、ハンドピース等のチャックに把持させたり、医師が直接操作し得るようにしたりして構成されている。
根管は極めて細く、且つ形状や太さは多様であり個人差も大きい。このため、同一機種の根管治療器具であっても、異なる太さを持つ多数のものが提供される。例えばファイルを用いて根管を切削して成形するような場合、根管の周囲を傷めることがないようにファイルは根管の形状に沿って変形すること、即ち、適度な弾性を有することが必要である。
上記の如き極めて高い弾性と形状の復元性を持つ根管治療器具として特許文献1の技術が提案されている。この技術は、記憶熱処理した超弾性特性を有する軸棒素材を記憶処理温度以下に保持しながら除去加工を施して作業部を形成して製造された根管治療器具に関するものである。
上記根管治療器具では、作業部が形成された軸棒は、作用する外力に応じてしなやかに変形し、且つ外力が除去されるのに伴って速やかに元の形状に復元する。このため、根管の形状に対して極めて高い追従性を発揮して精度の良い根管成形を行うことが出来る。
特許第3375765号公報
上記特許文献1に係る根管治療器具では作業部の全長にわたって均等な超弾性特性を有するため、作業部を曲げたとき、自由端である先端部分にも元の形状に戻ろうとする作用があり、根管の治療に際し先端を根管に挿入して曲げるのに伴って応力が発生する。特に、根管成形に際し、作業部の主に先端部が曲がった状態で回転させることから、作業部には繰り返し曲げ応力が作用することとなり、細い先端部分が棄損する可能性が高くなるという問題がある。
本発明の目的は、根管成形の際に回転させることに伴う繰り返し曲げが作用しても棄損する虞の低い、即ち、高い耐久性を有する根管治療器具を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明係る根管治療器具は、先端から所定長さの作業部が形成されると共に該作業部に連続してシャンクが形成されたニッケル−チタン合金からなる軸状の根管治療器具であって、該作業部における先端から2mm乃至10mmの範囲に回転疲労に対する耐久性に着目した温度を400℃乃至450℃の範囲に設定して30乃至45分保持する熱処理が施されてAf温度が常温よりも高い温度を有しているものである。
本発明に係る根管治療器具では、少なくとも作業部の一部に於いて回転疲労に対する耐久性に着目した熱処理が施されていることによって、根管を治療する際に回転させた場合に生じる繰り返し曲げに対し、高い耐久性を発揮することが出来る。
本発明に係る根管治療器具は、回転に伴って根管を治療するための器具であって、ニッケル−チタン(Ni−Ti)合金からなる軸状の材を用いて形成される全ての器具を対象としている。このような根管治療器具は、一方側の端部に目的の治療を最も合理的に行うことが可能な形状を持った作業部が形成され、他方側の端部に医師が操作する操作部が形成されている。この操作部は医師が手で直接操作する場合はハンドルが形成され、ハンドピースのような器具を用いる場合は該器具の把持部の構造に最適な形状を持った柄が設けられる。
特に、作業部の一部に対し耐久性に着目した熱処理を施すことによって、根管の治療に際し繰り返し曲げが作用する部位の耐久性の向上をはかり、破断の虞を排除し得るようにしたものである。
以下本発明に係る根管治療器具の好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1は根管治療器具を代表する例としてのファイルを示す図である。図2はファイルの先端部分の疲労破断試験を行う際の構成を説明する模式図である。
上記根管治療器具を代表してファイルAの形状について図1により説明する。ファイルAは根管に於ける根管壁を切削する器具であり、針部1と柄2とによって構成されている。
針部1には先端3から所定長さ範囲にわたるテーパ状の作業部4が形成されており、作業部4に連続してストレート状のシャンク5が形成されている。作業部4は、ファイルの種類に応じて断面が長方形のものや、三角形或いは四角形のものが提供され、夫々独自の機能を発揮し得るように構成されている。
本実施例に於けるファイルAでは、長方形の断面が作業部4に沿ってスパイラル状に形成されることで、溝4a,該溝4aに沿った切刃4bが形成されている。
シャンク5は柄2に取り付けられる機能を有している。柄2は図に示すようにハンドピースのチャックに把持されるように構成されたものや、医師が手で把持して操作し得るようにしたものがあり、夫々の機能に対応した形状と材質を持って形成されている。
例えば、図に示す柄2は、ステンレス鋼等の金属からなり、軸心に形成された穴にシャンク5を挿通して接着により固定されている。また医師が手で把持して操作する柄を形成する場合、合成樹脂の射出成形によりシャンク5をインサート成形して一体化させて固定されることもある。
針部1はニッケル−チタン(Ni−Ti)合金からなり且つファイルAを構成する針部1の径に対応した径を有する線材を用いて形成されており、作業部4の一部である部分6に於いて回転疲労に対する耐久性に着目した熱処理(以下、「耐久熱処理」という)が施されている。
尚、本実施例では、ファイルAに対する耐久熱処理を作業部4に於ける先端3からの部分6に対してのみ行っている。
作業部4に於ける部分6の長さは特に限定するものではない。本件発明者等の実験では、作業部全体を超弾性特性としたとき、先端から2mm〜3mmの部位で棄損する例が多かった。このため、作業部4に於ける部分6の長さは、最低でも先端3から2mmは必要である。また部分6の特に好ましい長さ範囲は、作業部4の長さが16mmである場合は先端3から3mm〜10mm程度であり、3mm,4mm程度であることがより好ましい。
また、ファイルAのテーパに対応させて部分6の長さを変化させても良い。例えばテーパが2/100の場合は、作業部4の先端3から離れた部分(元部側)に於いても大きな径にはならないため、部分6は先端3から所定の長さ範囲とし、その他の部分は超弾性特性にすれば、元部側の強さを保持することが可能である。テーパが4/100、6/100の場合、元部側の径が大きくなるため、元部側の強さは保持されており、操作性は良い。
作業部4に於ける部分6に対する耐久熱処理は、耐久熱処理すべき部位(部分6)を、後述する試験によって得られた温度に上昇させると共に、上昇させた温度を試験によって得られた時間保持することで行われる。この耐久熱処理は、ファイルの材料となるNi−Ti合金のAf温度を常温よりも高い温度とするものであり、部分6を形状記憶機能を発揮し得る部位に設定するものである。
上記の如く構成されたファイルAでは、治療に際し、医師が患者の根管の形状、或いは根尖口の形状に対応させて予め部分6を曲げておく(プレカーブ)ことが可能となる。このようにプレカーブを形成しておくことで、先端3を根管に挿入して治療を行う際に、先端3及び部分6が根管に対して高い追従性を発揮することが可能となる。そして治療が終了して根管から取り出した後、医師が力を加えて初期の形状に変形させることが可能であり、また耐久熱処理によって設定されたAf温度以上に上昇させることで初期の形状を回復することが可能である。
上記部分6は柔軟性に富み、先端3を根管に挿入した状態で作業部4を曲げて回転させたり、長さ方向に出し入れしたり、1/4回転くらいの正逆転を繰り返すことをさせたとき、破断に至る時間を長くすることが可能である。
特に、作業部4がテーパ状に形成されているため、先端3を支点として作業部4を曲げたとき、シャンク5は略直線を維持し、作業部4のシャンク5側は曲率の小さい弧状となり、部分6側に接近するに従って曲率が大きくなって強く曲げられた弧状となり、更に、部分6はより強く曲げられる。即ち、作業部4は一様に曲げられるものではなく、テーパに対応して曲げられる。そして作業部4の曲げを解除すると、部分6以外の部位は元の形状(例えば直針状)に復元し、部分6は曲げられた形状を維持する。
次に、作業部4の一部である部分6に於いて回転疲労に対する耐久性に着目した熱処理を施す際の熱処理温度及び保持時間(熱処理条件)を設定するための試験方法と、結果について説明する。
この試験の目的は、回転させたり、長さ方向に出し入れしたり、1/4回転くらいの正逆転を繰り返すことをさせて治療するうち、最も過酷な回転させて根管の治療を行う場合を想定して、ファイルAが最も高い耐久性を発揮し得る熱処理条件を調査すると共に、異なるNi−Ti合金に対して共通性を持った熱処理条件を調査することにある。
このため、本実験は、複数の種類のNi−Ti合金の線材を材料として同一仕様のファイルAを構成し、異なる温度と保持時間を設定して熱処理した複数のサンプルを図2に示す装置を用いて疲労破断試験を行って、破断に至る時間を計測し、計測された結果を比較することで、回転疲労に対する耐久性に着目した熱処理条件を見いだすようにしたものである。
ファイルAとしての疲労破断に至る時間は長時間であることにこしたことはない。しかし、一応の基準を設けないと判定のしようがないため、本試験では、後述する疲労破断試験機を用いた試験で約20分疲労破断を起こさないことを基準として設定した。
ファイルAを構成する素材として、材料組成が、Ni:55.76重量%、残部Ti(材料1)、Ni:55.91重量%、残部Ti(材料2)、Ni:55.97重量%、残部Ti(材料3)、Ni:55.90重量%、残部Ti(材料4)、Ni:55.89重量%、残部Ti(材料5)で、直径が約1.0mmの線を用いて、30番のファイルで、先端部分の径が約0.3mm、テーパが4/100、断面形状が長方形、柄2から突出している針部の長さ約25mm、作業部の長さ約15mmの形状を持ったものを夫々複数本作成した。
次に、材料1〜5によって作成したファイルAを、熱処理を施さないもの(未処理)、300℃で30分保持して熱処理したもの(熱処理条件1)、400℃で30分保持して熱処理したもの(熱処理条件2)、500℃で30分保持して熱処理したもの(熱処理条件3)、600℃で15分保持して熱処理したもの(熱処理条件4)のサンプルを作成して疲労破断試験(耐久性)の実験を行うと共に、付随的に曲げ試験,捩じり試験を行った。
尚、各試験に於いて、熱処理はNi−Ti合金からなる針部1を電気炉に挿入して作業部4の全体に熱処理が施されているもの(参考例)と、先端3からの部分6に対応させて熱処理したもの(実施例)とがある。また同一の条件の試験に対するサンプル数は5とした。更に、記載した数値は試験データをまとめたものである。
先ず、曲げ試験の方法と結果について説明する。曲げ試験は、針部1の全体を熱処理したもの(参考例)を用い、作業部4の先端3から3mmの位置を把持して45°まで曲げたときの最大トルクを計測することで行った。曲げ試験の結果、未処理条件の材料1〜5は40gfーcm〜50gfーcmの範囲、熱処理条件1の材料1〜5は40gfーcm〜55gfーcmの範囲、熱処理条件2の材料1〜5は35gfーcm〜40gfーcmの範囲、熱処理条件3の材料1〜5は30gfーcm〜40gfーcmの範囲、熱処理条件4の材料1〜5は35gfーcm〜40gfーcmの範囲、に入っており、有意な差が生じているとは認められない、という結果を得た。
次に、捩じり試験の方法と結果について説明する。捩じり試験は、針部1の全体を熱処理したもの(参考例)を用い、作業部4の先端3から3mmの位置を把持して回転させ、破断したときの最大トルクと角度を計測することで行った。捩じり試験の結果、未処理条件の材料1〜5は最大トルク70gfーcm〜80gfーcm,角度;400°〜500°の範囲、熱処理条件1の材料1〜5は最大トルク70gfーcm〜80gfーcm,角度;400°〜500°の範囲、熱処理条件2の材料1〜5は最大トルク80gfーcm〜120gfーcm,角度;400°〜600°の範囲、熱処理条件3の材料1〜5は最大トルク70gfーcm〜100gfーcm,角度;450°〜700°の範囲、熱処理条件4の材料1〜5は最大トルク70gfーcm〜90gfーcm,角度;800°〜1100°の範囲、に入っており、熱処理条件4の試験結果は他の条件のものと比較して有利であるものの、他の熱処理条件では有意な差が生じているとは認められない、という結果を得た。
次に、疲労破断試験の方法と結果について説明する。疲労破断試験は、針部1の全体を熱処理したもの(参考例)を用い、図2に示す装置を用いて行った。即ち、作業部4の先端3側を受け入れることが可能な溝21a,22aを有する一対のピン21,22を配置した装置を用い、一方のピン21の中心に作業部4の先端3から4mmの位置が対応するようにセットすると共に先端3を他方のピン22の溝22aに挿入することで、作業部4に於ける部分6を略45度に曲げ、この曲げ状態を維持して毎分200回転させて破断に至る時間を計測した。
この疲労破断試験の結果、疲労破断に至る時間は熱処理条件に応じて大きく変化していることがわかった。即ち、未処理条件の場合最も耐久性の高い材料2でも約18分であり、熱処理条件1の場合5分〜10分の範囲、熱処理条件3の場合4分〜11分の範囲、熱処理条件4の場合3分〜5分の範囲であるのに対し、熱処理条件2(400℃ー30分)では、約8分〜約56分の範囲と、他の熱処理条件の疲労破断に至る時間と比較して大幅に延長されている。
即ち、熱処理条件2の熱処理を施した場合、疲労破断時間に大幅な延長効果が見られ、高い耐久性を発揮することが可能な熱処理であると言える。
上記の如くしてNi−Ti合金の素材を温度400℃で30分保持する熱処理を行うことで耐久性が向上することが判明した。しかし、400℃ー30分の条件が最適であるか否かは明確ではない。このため、材料を特定し、且つ処理時間を一定にした上で温度を変化させて疲労破断試験を行った。
試験に供する材料は、Ni:55.91重量%、残部Tiの組成を持つ前述の材料2とした。また熱処理温度を250℃,300℃,350℃,375℃,400℃,410℃,420℃,425℃,430℃,440℃,450℃,475℃,500℃,550℃とし、夫々の温度で熱処理したサンプルの疲労破断試験を行った。
上記破断試験の結果を図3に示す。同図に示すように、熱処理温度が400℃〜450℃の範囲である場合、疲労破断に至る時間は15分を越えており、430℃及び440℃では20分を越えているという結果を得た。この試験結果から、熱処理温度を400℃〜450℃の範囲に設定して30分保持する熱処理を行うことで作業部の全部に於いて回転疲労に対する耐久性に着目した熱処理を施すことが可能であるといえる。
次に、図示しない部分加熱装置を用い。熱処理の範囲を作業部4の先端3から約5mmの範囲(実施例)、先端3から約10mmの範囲(実施例)とし、材料をNi:55.91重量%、残部Tiの組成を持つ前述の材料2とし、熱処理温度−部分加熱装置の設定温度を400℃(350℃,340℃),425℃(370℃,360℃),450℃(390℃,375℃),475℃(410℃,390℃),500℃(440℃,420℃),525℃(460℃,430℃),550℃(480℃,440)とし、保持時間を45分(一定)とし、前記条件の中から選択した温度で熱処理したサンプルの疲労破断試験を行った。また比較例としてドライヤーを用いて400℃ー45分で熱処理したサンプルの疲労破断試験も行った。
尚、作業部4の先端から約5mm,約10mmの範囲に対する熱処理は、極めて細い軸棒に対して範囲を限定して実施するものであり、明確な寸法を規定し得るものでもない。このため、先端3からの長さ範囲を正確な数値で表すことは困難であり、約5mm,約10mm程度の範囲との表現にならざるを得ない。
部分加熱装置を用いて熱処理を行う場合、部分加熱装置の設定温度とサンプルの実際の温度とが正確に一致することの保証はない。実際に部分加熱装置による熱処理を行っているときに、サンプルの表面温度を測定したところ、設定温度との間に開きがあった。即ち、上記部分加熱装置の設定温度に対し、かっこ内の前側の温度は先端から約5mmの範囲を加熱したときに計測したサンプルの表面温度であり、後側の温度は先端から約10mmの範囲を加熱したときに計測したサンプルの表面温度である。このように、熱処理中のサンプルの表面温度は、部分加熱装置の設定温度よりも低い温度として測定されている。
上記試験の結果、熱処理の範囲が約5mmの場合、熱処理温度を425℃に設定したとき疲労破断に至る時間が約29分となり、他の熱処理条件の場合には20分以下の時間で疲労破断した。
熱処理の範囲が約10mmの場合、熱処理温度が425℃〜500℃の範囲で疲労破断に至る時間が20分を越えた。また熱処理温度が525℃の場合、約19分で疲労破断している。
また比較例では、疲労破断に至る時間は約35分であった。
実用上、疲労破断に至る時間は約20分程度以上であれば良く、従って、先端から約5mmの範囲を熱処理したファイルAでは425℃ー45分の熱処理条件で、先端から約10mmの範囲を熱処理したファイルAでは425℃ー45分〜525℃ー45分の熱処理条件で熱処理を行うことで作業部の一部に於いて回転疲労に対する耐久性に着目した熱処理を施すことが可能であるといえる。
上記の如く、作業部4の全体を熱処理したサンプル(参考例)の疲労破断試験、及び作業部の先端から5mm,10mmの範囲を熱処理したサンプル(実施例)の疲労破断の結果から総合して、熱処理温度を400℃〜450℃の範囲に設定して30分〜45分保持する熱処理を行うことで作業部の一部に於いて回転疲労に対する耐久性に着目した熱処理を施すことが可能であるといえる。
上記の如きファイルAでは、柄2を図示しないハンドピースのチャックに把持させると共に医師がこのハンドピースを持ち、作業部4に形成された部分6を予め患者の根管の形状に対応させて曲げた後、先端3を根管に挿入して切刃4bの方向に回転させつつ軸方向に移動させることで、根管壁を切削して該根管を成形することが可能である。
尚、本実施例では根管治療器具としてのファイルAを例としたため、切刃4bが形成されているが、全ての根管治療器具に於ける作業部4に必ず切刃4bが形成されているものでもなく、刺状の突起やテーパを持ったコイル状に形成されたものもある。そして、このような根管治療器具であっても、回転によって根管を治療する根管治療器具であれば、作業部4の部分6に耐久熱処理を施すことによって、高い耐久性を発揮させることが可能である。
上記の如き、ファイルAを製造する方法は特に限定するものではないが、代表的な方法について簡単に説明する。第1の製造方法は、予め超弾性特性を持たせた素材から金属除去加工を行って作業部を形成し、その後、作業部の先端側の一部を耐久熱処理したものである。
即ち、予め超弾性特性を持たせたNi−Ti合金の線材であって目的のファイルの太さに対応する径を持った線材を、該ファイルの長さに対応させて切断することで軸棒状の素材を形成し、この素材に対し、テーパ加工、溝と切刃の加工、先端の加工、作業部及びシャンクの加工を行って、針部を形成する。このとき、素材が超弾性特性を有することから塑性加工を施すことが不可能であるため、素材に対する各加工は研削加工を含む金属の除去を伴う加工によって行われる。
次いで、作業部の先端から所定の長さ範囲に耐久熱処理を施した部分を形成する。この工程は、既に所定の形状に形成されている針材に於ける耐久熱処理を施す部分に対応する部位以外の部位を冷媒によって冷却しておき、予め設定されている温度と保持時間からなる熱処理条件に基づいて加熱することで行われる。このとき用いる冷媒としては特に限定するものではなく、例えば水を用いることが可能である。
上記の如くして作業部の先端から所定長さ範囲に耐久熱処理を施した部分6を設けた針部のシャンクを柄に挿通すると共に両者を接着することで、目的のファイルを製造することが可能である。
また第2の製造方法は、素材を形成した段階で一方側の端部から耐久熱処理を施した部分に対応する所定長さ範囲に対応する部分に、耐久熱処理を施し、その後、素材に対して金属の除去を伴う加工を行って、溝,切刃を有する作業部を形成することで目的のファイルを製造するものである。
上記第2の製造方法では、素材の段階で耐久熱処理を施した部位と、超弾性特性を有する部位とが形成され、この素材に対して金属除去加工を施して作業部を形成することになる。従って、耐久熱処理を施した部分には、直針状の形状が記憶されると共に、超弾性部と連続した溝,切刃が形成されることとなる。
上記の如くして耐久熱処理を施した部分に対応する部位と、超弾性部に対応する部位を設けた素材に金属除去を伴う加工を施すことで作業部,シャンクからなる針部を形成し、その後、シャンクを柄に挿通して両者を接着することで、目的のファイルを製造することが可能である。
本発明の根管治療器具は、先端部分が複雑な湾曲形状を持った根管に挿入されると共に回転して根管の治療を行ったとき、この回転に伴って疲労が生じた場合でも、破断に至る時間を延長することが可能となり有利である。
根管治療器具を代表する例としてのファイルを示す図である。 ファイルの先端部分の疲労破断試験を行う際の構成を説明する模式図である。 同一の材料に対し異なる温度で熱処理したときの疲労破断時間の試験結果を示す図である。
A ファイル
1 針部
2 柄
3 先端
4 作業部
4a 溝
4b 切刃
5 シャンク
6 部分
21,22 ピン
21a,22a 溝

Claims (1)

  1. 先端から所定長さの作業部が形成されると共に該作業部に連続してシャンクが形成されたニッケル−チタン合金からなる軸状の根管治療器具であって、該作業部における先端から2mm乃至10mmの範囲に回転疲労に対する耐久性に着目した温度を400℃乃至450℃の範囲に設定して30乃至45分保持する熱処理が施されてAf温度が常温よりも高い温度を有していることを特徴とする根管治療器具。
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