JP2012501762A5 - - Google Patents

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歯内治療用器具および製造方法
関連出願に対する相互参照
[0001]特許協力条約(PCT)に従って出願される本願は、その内容全体が参照によって本明細書に援用される2008年9月9日出願のJohn T.McSpaddenおよびMark S.Ferberに対する「Endodontic Instrument and Method of Manufacturing」という表題の米国仮特許出願第61/095,455号に対する優先権を主張する。
[0002]本発明は、一般に、歯科学の領域に関し、より詳細には、安全かつ効率的に歯根管を拡大するために使用される歯内治療用器具に関する。
[0003]歯内治療学の領域において、最も重要で繊細な処置の一つが、歯根管の元来の中心軸線および寸法比を本質的に保持しながら適切な寸法の穴を開けるように、歯の曲線状の先細になった細長い歯根管を清掃または摘出することである。この工程は、可能な限り空隙が少ない状態で、また、管が充填される際に管の中に有害な組織または他の望ましくない物質が閉じ込められるのを制限し周囲の歯の構造における強度の有害な損失を回避するようなやり方で、管を充填できるようにするために重要である。
[0004]歯根管の処置においては、歯科医は、典型的に、管を滅菌し耐久性のある生物学的に不活性な充填材で充填する前に、炎症を起こしたまたは罹患した組織および物質を管から取り除く。この処置を行う際には、通常、歯科医が管全体に接近し、同じ基本的な管の形状および軸線を保持しながら、罹患した組織を実質的に全て確実に除去するのを助けるために必要であるように管を成形することが重要である。しかしながら、歯根管は直径が非常に小さく、しばしば、多くの寸法的な不規則性を有するかなり湾曲した形状であり、それが、管の長さに沿って一様なやり方で管を適切に拡大する目的を頓挫させ得る。したがって、いかなる悪影響を与えることなく適切に治療するように管の全長に接近することが非常に困難なことがある。
[0005]歯根管の清掃および成形というしばしば困難な作業を行うために、多くの工具が設計されてきた。歴史的には、歯科医は、歯根管の軟組織および硬組織を除去するために多くの異なる工具を使用することを求められてきた。歯内治療用のファイル、ブローチ、リーマーなどと通常称されるこれらの工具は、複数の異なる工程を使用して作製されてきた。ある工程では、ファイルは、らせん状の切刃/研磨刃を備えた細長い先細のファイル(「Kファイル」)をもたらすために、通常、正方形、三角形または他の断面形態の先細の角棒をねじることによって作製される。別の工程は、1つまたは複数のらせん状の切刃を備えた細長いファイル(「ヘドストロム(Hedstrom)ファイル」)をもたらすように、典型的に、円形または先細の棒にらせん状の溝を研削することを伴う。他の方法は、円形または先細の棒を、刃を用いて棒の長さに沿って所与の角度で「刻む」かまたは速打ちし、それによって、複数のばり状の突刺または切刃の突起を有する歯内治療用ファイル(「突刺付きのファイル」または「ブローチ」)をもたらし、ファイルの作用部分に沿って切欠きの付いた切削面(「切り欠き付きファイル」)を形成することを含む。
[0006]材料の観点から、歯内治療用ファイルは、一般に、ステンレス鋼および様々な機械加工可能な合金を含む、医療用等級の金属から作製されている。多くの鋼は、歯内治療用ファイルとして容易に使用するためには本質的にあまりに硬くもろい。特に、トルクがかかりすぎるかまたは疲労しすぎた場合、曲線状の歯根管の中で破損しやすい。これらおよび他の理由のために、多くの最新の歯内治療用器具は、現在、「Nitinol(商標)」または「NiTi」として知られているものを含むニッケル/チタン合金などの比較的新種の合金から作製される。ニッケル/チタン合金およびステンレス鋼製の器具の一連の比較試験が行われたとされ、Journal of Endodontics、Volume 14、No. 7、Jul.1988、346〜351ページの表題「An Initial Investigation of the Bending and the Torsional Properties of Nitinol Root Canal Files」の論文に公開されている。この試験は、ニッケルおよびチタン製の器具が、ステンレス鋼の器具と比較して、優れた柔軟性およびねじれの特性を示したとされている。
[0007]これらおよび同様の研究の当初の成功に基づいて、NiTi歯内治療用器具が商業的に導入され、医療業界において歯根管を摘出するために広く使用されるようになった。一般に、ニッケル(Ni)およびチタン(Ti)の合金は、比較的広い範囲にわたる比較的低い弾性係数、比較的高い降伏強さ、および「形状記憶合金」(SMA)としての実質的に独特な特性を有すると言われる。SMAは、ある温度を超えて加熱されたときに見かけ上の恒久的なひずみから回復するように作られ得る、独特な等級の金属合金である。SMAは、オーステナイトと称される高温相と、マルテンサイトと称される低温相との2つの安定した相を有すると言われる。さらに、マルテンサイトは、双晶化および脱双晶化の2つの形態のうちの一方で存在し得る。加熱/冷却時にオーステナイト相とマルテンサイト相との間で発生すると言われる相変態は、SMAの独特な特性の基礎であると考えられている。
[0008](低温で)双晶化したマルテンサイトの状態のSMA材料に機械的負荷がかかると、この負荷が塑性変形を引き起こすのに十分である場合、マルテンサイトを脱双晶化し得ると考えられている。負荷を解放すると、材料は変形した状態に留まるように見える。次に、材料のオーステナイト化終了温度を超える温度まで材料を加熱することによって、(マルテンサイトからオーステナイトに)相変態が逆転し、それによって、完全な形状回復に至る。負荷がかかっていない状態で冷却すると、材料は、オーステナイトから双晶化した(自己調整)マルテンサイトに変化すると考えられている。この相変態の結果、観測できる肉眼的な変形の発生は見られず、SMA材料は、変形の前の元の形状に戻る。
[0009]さらに、無負荷の間、および、オーステナイト化の終了温度を超えて、最適にはオーステナイト化温度よりわずかに高い温度で加えられた負荷の間に、SMAは超弾性の性質を示す。超弾性とは、非常に大きくなった弾性または跳ね返りを指す。いくつかのSMAは、ばね鋼の15倍を超える弾性運動を伝え、すなわち、この合金は、永久変形なくばね鋼よりも15倍を超える大きさのねじり力および屈曲力に耐えることができると言われる。この超弾性の性質を考慮して、歯内治療用器具は、現在、一般に、ヒトの体温よりわずかに低いオーステナイト化終了温度を有するNiTiを使用して作製される。したがって、患者の口内で行われる歯内治療学的処置に使用されるとき、器具は通常超弾性の性質を示す。
[0010]NiTiの超弾性的および形状記憶的な性質は、歯内治療用器具に有利であると信じられているが、そのような性質は、器具の製造時に何らかの困難を引き起こすと言われてきた。たとえば、器具が、いくつかのNiTi組成物では室温などの、オーステナイト化終了温度より低い温度にあるときに、器具のブランクが、器具の所望の部分に切削面をもたらすように再成形される場合、患者の口に挿入されたとき、または、一定の温度を超えて加熱されたとき、器具は、切削面のない元の形状へ戻り得ると報告されている。NiTi器具を製造する試みは、500℃以上の温度の炉または高温塩浴に器具のブランクを置き、加熱されたブランクを取り出してそれをねじってKファイルタイプの器具を形成し、次に、適切な物理的性質を有する器具をもたらすように、続く焼入れおよび熱処理の作業を行うことによって行われていると言われる。このような工程は、しばしば時間がかかり、かなりの工具、炉、および他の専門的で高価な装備を必要とし得る。さらに、加熱された塩浴および他のタイプの炉の使用は危険であり、工具および他の材料の製造に際して、不必要な腐食または他の悪影響を引き起こし得る。したがって、NiTi材料または他のSMAを含む歯内治療用器具を効率的に製造する、より単純で、より速く、よりコスト効率のよい方法の必要がある。
[0011]従来の歯根管の処置に対する別の重大な欠点は、医師が、一般に、罹患した歯根管を清掃し成形するために一連の歯内治療用ファイルを使用しなければならないことである。典型的に、この一連の器具は、作用部分の長さがしばしば実質的に一定に保持されながら、次第に直径が大きくなり、結果として先細形が大きくなる一組のファイルから構成される。このようなファイルの組は、所望の形状が達成されるまで、連続的におよび徐々に歯根管を拡大するように使用される。比較的小さい増加をもって段階的に拡大することは、拡大工程の際に、歯の構造に対する望ましくない損傷および他の影響を回避し、器具を含む材料に大きすぎるねじりの負荷または応力が加えられるのを回避する、従来の戦略の重要な部分であると考えられている。この点に関して、一組の器具は、しばしば、特定の患者のために1回のみ使用されて廃棄されており、この一組内のそれぞれの器具は、相当な個々の費用がかかっている。したがって、歯根管の治療/充填の処置の際に所望の穴形状または拡大の程度を達成するのに必要である歯内治療用ファイルの数を制限する、改善された歯内治療用ファイルの構成の必要がある。
[0012]したがって、本発明の一実施形態の一目的は、上述の不利益の多くまたは全てを回避しながら、改善された歯内治療用ファイルの構成、ならびに、ニッケル/チタン合金および他の同様の超弾性材料またはSMAからこのようなファイルを製造する方法を提供することである。本発明の様々な実施形態の別のいくつかの目的は、とりわけ、管が拡大される際に管の壁に連続的に適合する器具を使用することで歯根管を拡大するのに必要な器具の数を減らすことによって、歯内治療学的な歯根管の充填/治療の処置の有効性を改善することである。
[0013]本発明の一実施形態によると、歯内治療用器具を製造する方法が提供され、この方法は、器具を第1の加熱された表面の少なくとも一部分および第2の表面の少なくとも一部分と接触させることによってロッドに応力を加えながら、約75℃から約175℃までの範囲の温度にロッドの一部分を加熱する工程を含む。第1の表面は第1の表面構造を含み、第2の表面は第2の表面構造を含み、第1の表面構造および第2の表面構造は、実質的に一致する。それぞれの表面の一致する物理的な関係が、一致する表面構造の少なくとも一部分に沿ってロッドを再整列させ、熱および応力を実質的に同時に加えることによって、ロッドを成形された形態に設定する。
[0014]本発明の他の実施形態では、様々な他のタイプの加熱された工具が使用され得る。たとえば、加熱されたダイは、ロッドの一部分を受ける成形されためくら穴を含み得る。ロッドはめくら穴に挿入され、それによって、ロッドを所望の形状に設定するのに必要な温度までロッドを加熱しながら、ロッドを所望の器具形状に成形する。
[0015]本発明のさらに別の実施形態によれば、新規な歯内治療用器具が提供される。器具は、成形された形態に設定された超弾性合金から形成される作用部分を有する。様々な実施形態では、この成形された形態は、曲線状、二次元のヘビ状の形状、または三次元のブタの尾の形状である。器具が、成形された形態とは異なる第2の形態、好ましくは実質的に直線状の形態で歯根管に挿入され、歯内治療学的処置に使用されると、歯内治療学的処置によって、拡大しつつある管からより多くの物質が次第に除去され続けるにつれて、作用部分の少なくとも一部分の有効径が増加し、作用部分の少なくとも一部分の有効長が減少する。
[0016]本発明の特定の実施形態および従来技術に対して達成される利点を要約する目的のために、本発明の特定の実施形態の特定の目的および利点が、上記の本明細書に説明されている。当然ながら、このような目的または利点の全てが、必ずしも本発明の任意の特定の実施形態に従って達成され得るわけではないことを理解されたい。したがって、たとえば、本発明は、本明細書に教示もしくは提案され得るように他の目的もしくは利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示される一利点もしくは利点の群を達成もしくは最適化するように具体化されるかまたは実行され得ることを当業者は認識するであろう。
[0017]これらの実施形態の全ては、本明細書に開示される本発明の範囲内であることが意図される。本発明のこれらおよび他の実施形態は、添付の図に対する参照を有する好ましい実施形態の以下の詳細な説明から当業者には容易に明らかになり、本発明は、開示される任意の特定の好ましい実施形態に限定されない。
[0018]本開示のさらなる特徴、態様および利点は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、および、より明らかに詳細を示すために要素が比率通りではなく、同様の参照符号が複数の図にわたって同様の要素を示す添付の図を参照することによって、よりよく理解されるであろう。
[0019]切削面が上にあるのを概ね示す平行斜線を引いた面をロッド18が含む、歯内治療用器具を製造する方法の一実施形態において使用される装置の部分的な概略図である。 [0020]歯内治療用器具を製造する方法を説明する段階的な図である。 [0021]切削面が上にあるのを概ね示す平行斜線を引いた面をロッドが含む、歯内治療用器具を製造する方法の一実施形態の特定の工程を示す図である。 [0022]歯内治療用器具の作用部分の一実施形態の部分的な概略図である。 [0023]切削面が上にあるのを概ね示す平行斜線を引いた面をロッド18が含む、歯内治療用器具を製造する方法の一実施形態において使用される装置の部分的な概略図である。 [0024]切削面が上にあるのを概ね示す平行斜線を引いた面をロッド18が含む、歯内治療学的器具を製造する方法の一実施形態における特定の工程を示す図である。 [0025]切削面が上にあるのを概ね示す平行斜線を引いた面をシャフト37が含む、歯内治療用器具を製造する方法を説明する段階的な図である。 [0026]歯科診療所において用いられ得る歯内治療用器具の一実施形態を示す図である。 [0027]切削面が上にあるのを概ね示す平行斜線を引いた面をシャフトが含む、歯内治療用器具の作用部分の一実施形態を示す図である。 [0028]歯内治療用器具を製造する一実施形態に使用するダイを示す図である。 [0029]歯内治療用器具の作用部分の一部分の別の実施形態の側面図である。 [0030]図11Aに示される歯内治療用器具の作用部分の一部分の遠位端部からの斜視図である。 [0031]図11Aに示される歯内治療用器具の作用部分の一部分の近位端部からの斜視図である。
[0032]本明細書に説明される本発明の一実施形態は、適切な熱および応力を実質的に同時に加えることで、概ね所定の長さの超弾性材料から形成される細長いロッドを加工することによって歯内治療用ファイルを形成する方法を含む。一実施形態では、加工前のロッド18は、先細(換言すれば、テーパ形状)で、実質的に円筒形であり、溝のないものである。代替として、ロッドは先細でない、および/または、ロッドは、三角形、矩形、六角形、星型、切頭円筒形、非対称多角形、菱形もしくは他の様々な形状の断面である断面を有するなど、様々な形状を有し得る。他の実施形態では、ロッドは、従来の歯内治療用器具のらせん形状を有するなど、溝付きであり得る。
[0033]ロッド18は、また、好ましくは、カリフォルニア州フリーモントのNitinol Devices and Components社によって製造されるSE508ニッケル/チタンワイヤなどのニッケル/チタン合金から形成される。これは、歯内治療用ファイルに使用される典型的な二成分ニッケル/チタン合金であり、約56重量%のニッケルおよび約44重量%のチタンを含む。ロッド18は、また、他のNiTi組成物または他の超弾性材料から形成され得る。
[0034]ロッドは、好ましくは、作用部分に沿って切削面を含む。切削面は、参照によって本明細書に援用される、Brockらに対する米国特許第7,223,100号に開示されるような、切欠き付きの切削面であり得る。切削面は、従来のらせん状の歯内治療用器具のものなどのらせん状の切削面、または当技術において既知の他の切削面であり得る。代替として、切削面は、溝のない多角形のロッドの長さの一部分に沿って延在する傾斜した角であり得る。ある実施形態では、切削面は、本明細書に説明される歯内治療用器具の特定の湾曲した外形に基づいて、交互になるか、または選択的にパターン化される。このような交互のパターンの例は、図4に示される。
[0035]器具を製造する好ましい方法では、ロッドに熱および負荷を加えることによってロッドを実質的に同時に所望の形状に設定しながら、加熱された工具が、ロッド18の少なくとも一部分を所望の器具形状に変形させるように使用される。図1に示される一実施形態では、加熱された工具10は、成形用鉄のタイプの装置12を含み得る。成形用鉄12は、好ましくは、第1の加熱成形面15Aと第2の加熱成形面15Bとを含むが、代替実施形態では、成形面15の一方のみが加熱される。一実施形態では、加熱成形面15Aおよび15Bは、複数の波状部を含む。図1に示すように、加熱成形面15Aに沿う波状部の波頂16Aは、好ましくは、加熱成形面15Bに沿う波状部16Bの谷14Bに対応し、波状部16Bの波頂は谷14Aに対応する。代替実施形態では、加熱成形面15は、ロッド18に所望の器具形状をもたらすように様々な他の対応する表面形状構成を有し得る。
[0036]ロッドを所望の器具形状に形成するために、ロッド18は、加熱成形面15の間で圧縮され、好ましくは約550MPaから約1500MPaの範囲、より好ましくは約1250MPaの応力がロッドに加えられる。図2に段階的に示される方法は、器具を形成する前に加熱成形面15が加熱される予熱工程110を含み得る。次に、ロッド18が面と面との間に保持されながら、ロッド18を加熱成形面15の少なくとも一部分に接触させることを含む接触工程112が行われ得る。この工程は、好ましくは、ロッド18が面の間で圧縮され、それによってロッド18の形状を変えるように、加熱成形面15の一方を他方へ向かって動かすこと、または、両方の成形面15を互いに向かって動かすことによって行われる。
[0037]変形工程114は、加えられる負荷(応力)および温度の下で流動する超弾性材料によってロッドを所望の形状に設定するように、ロッド18の温度を、SE508NiTi材料から形成されたロッドでは好ましくは約75℃から約175℃の範囲の温度、より好ましくは約150℃にするように、十分な時間、加熱面14とロッド18との間の接触を保持することを含む。加熱面14は、好ましくは、接触および変形工程の際に約100℃から約200℃の範囲の温度に保持されるかまたは持っていかれる。このような一実施形態では、加熱成形面は、変形工程の際に約10秒から20秒、ロッド18と接触状態に留まる。しかしながら、いくつかの実施形態において、特により高い温度の工具を使用するときには、加熱成形面は、約0.5秒の短さであり得るより短い時間、接触状態に留まり得る。
[0038]変形工程114の後、ロッド18は、次に、加熱面15から分離され、冷却工程116の間冷却される。冷却は、好ましくは、作業台での冷却によって行われるが、ロッドを急冷することなど他の冷却方法が使用され得る。
[0039]図3は、工程112および工程114の間の、ロッド18と成形用鉄12との相対位置を示す。変形工程114における加熱成形面15とロッド18との間の接触は、ロッド18が所望の形状に設定されるように、ロッド18を再成形し、物理的特性を変化させる。図3に示される実施形態では、変形工程114の際、ロッド18は、以下にさらに詳細に説明されるように、実質的にヘビ状の正弦波形状に変形する。
[0040]図5は、本発明の一実施形態による歯内治療用器具を製造するのに使用する加熱工具の別の例を示す。この実施形態では、加熱成形装置22は、所定の長さの超弾性材料から形成されるロッドを所望の器具形状に設定するように使用される。成形装置22は、成形ベース部24および楔26を含む。ロッド18は、形態ベース部24と楔26との間に進められる。楔26は、図6に示すように、好ましくは約550MPaから約1500MPaの範囲、より好ましくは約1250MPaの負荷を加えた状態で、楔26と成形ベース部24との間のロッド18の一部分が、新しい形状に適合させられるように動かされる。代替として、成形ベース部24が楔26に向かって動かされるか、または、楔26および成形ベース部24の両方が、この作業を達成するように互いに向かって動かされ得る。一実施形態では、楔26および/または成形ベース部24は、ロッド18との相互作用の前にロッド18が好ましくは約75℃から約175℃の範囲、より好ましくは約150℃の温度を達成するような温度まで加熱され、他の実施形態では、楔および/または成形ベース部は、ロッドに接触するのと概ね同時に加熱され得る。様々な実施形態では、成形ベース部および楔の両方が加熱され、他の実施形態では、成形ベース部または楔の一方のみが加熱され得る。
[0041]本方法の工程が図7に示され、一実施形態では、成形ベース部24および/または楔26を予熱する予熱工程210、次に、楔26と成形ベース部24との間にロッド18の第1部分を置く配置工程212を含む。変形工程214は、ロッド18を所望の形状に設定するようにロッド18が十分な温度まで加熱された間に、ロッド18の一部分が新しい所望の形状にされるように、楔26、ロッド18および成形ベース部24を互いに接触させることを含む。前進工程218は、ロッド18の第2部分が楔26と成形ベース部24との間に置かれるようにロッドを進めることを含む。次は第2の変形工程220であり、ロッド18が新しい所望の形状(すなわち波形のヘビ状の形状)に変形されるまで工程が続き得る。
[0042]さらに、好ましい実施形態では、少なくとも1つの回転工程216が変形工程214の後に加えられる。回転工程では、ロッド18が、各変形工程の間に、二次元の波形の実質的にヘビ状の正弦波形状をもたらすように180°回転され得る。他の実施形態では、回転工程216は、実質的にらせん状のブタの尾の形状、または、他の様々な形状の器具などの様々な三次元形状を形成する90°の回転または他の角度の回転を含み得る。
[0043]図10に示されるような本発明の追加の実施形態では、加熱されたダイ(換言すれば、型)60が、ロッド18を所望の形状に設定するために使用され得る。成形されためくら穴62が、ダイ60の内部の一部分を通して延在する。成形された穴は、好ましくは、ロッド18の直径よりわずかに大きい直径を有し、歯内治療用器具を形成するようにロッド18に与えられる所望の形状と実質的に同じ形状を有する。本発明のこの実施形態では、ロッド18が成形された穴18にねじ込まれ、ロッドは、所望の器具形状に保持され、ロッドを所望の器具形状に設定するのに十分な温度まで加熱される。ロッド18が十分に加熱された後で、ロッド18は、ダイ60の中で冷却されるか、またはダイから外して冷却され得る。ダイは、器具がダイ60の内部から容易に取り外しできるように分離する2つ以上の部分から形成され得る。しかしながら、代替実施形態では、ロッド18は、冷却の後にダイ60からねじ出されることによって取り外され得る。
[0044]本発明に従って歯内治療用器具を作製する様々な他の実施形態では、他のタイプの加熱された工具が使用され得る。さらに、好ましい実施形態では、ロッドを所望の器具形状に設定するのと同時に複数のロッドを加熱された工具の中に置くことによって、複数の歯内治療用器具が実質的に同時に形成され得る。本発明の好ましい実施形態による加熱された工具の使用は、次にそのオーステナイト化終了温度を超えて加熱されたときに、器具が所望の形状に留まり、その元の形状に戻らないように、ロッドを所望の器具形状にし、ロッドを実質的に同時に加熱しながら、応力をロッドに加える。本発明の方法は、高温炉または加熱された塩浴ならびに多くの焼入れおよび熱処理の操作の使用と比較して、歯内治療用器具を作る経済的で、より安全で、より速く、より単純な方法を可能にする。
[0045]上述の方法の追加の実施形態では、予熱工程110/210は、接触工程214の前に他の源によってロッド18を加熱することを含む。代替として、本明細書に説明された方法の特定の実施形態では、ロッド18は、加熱された工具と接触する前に部分的に予熱され得る。次に、加熱されたロッド18は、図1に示すように加熱された工具10の中に置かれ、工具10は、加熱されたロッド18を新しい形状(たとえば図3に示される形状)にするように使用される。ロッド18が必要な温度まで完全に予熱される特定の実施形態では、成形工具は加熱されないことがあり得る。さらなる実施形態では、ロッドは、抵抗加熱などの様々な代替の加熱方法を使用する工具によって加熱され得る。
[0046]上述の方法は、歯内治療用器具を独特で新規な成形形態に形成するように使用され得る。たとえば、好ましい一実施形態では、器具は、波形の正弦波の形状または他の二次元形状に設定され得る。さらなる別の好ましい実施形態では、器具は、らせん状のブタの尾状の形状など、すなわち、ロッドが細長い円筒もしくは円錐の回りに巻かれながらも、細長い円筒/円錐の一方の端部から他方の端部まで延在するような三次元形状、または他の三次元形状を備え得る。
[0047]図4および8に示すように、器具の2次元の正弦波状に成形された形態の好ましい実施形態では、歯根管から組織を除去するための切削面を備えた成形された作用部分20が、歯内治療用ファイル32のシャフト37の上に配設される。一実施形態では、作用部分20は、シャフト37の近位端部34から遠位端部または先端部36まで延在する。しかしながら、代替実施形態では、シャフト37の一部分のみが、その上に切削面を有する。標準の歯科用取手38または他の操作装置が、当業者に既知の装着方法および(あれば)関連する構造体によって、好ましくはシャフトの近位端部34に装着される。シャフト20の先端部40は、当業者に既知の任意の数の様々な可能な形態(たとえばたがね状、円錐状、弾丸状、多面状など)をとり得る。
[0048]この「成形された形態」における作用部分20は、好ましくは図4に点線「T」で示すように有効にテーパを設けられる(換言すれば、先細にされる)。作用部分20の有効なテーパは、歯根管の処置の最終段階または複数の最終段階において使用されるように、好ましくはより広い歯内治療用ファイルのテーパに対応し、ロッドの実際のテーパ(すなわち成形された形態に設定する前のロッドのテーパ)は、好ましくは、より初期の段階において典型的に使用されるより狭い歯内治療用ファイルのテーパに対応する。有効なテーパは、作用部分20の長さに沿って一定であるかまたは変化され得る。本発明の代替実施形態では、有効なテーパは、実質的に先細でない形であり得るが、器具は、歯根管の処置のより後の段階において使用される典型的な広いファイルの直径に対応する、器具の少なくとも一部分に沿った有効径を有し得る。作用部分20の有効なテーパは、加熱/応力の処理による成形の前に(あれば)存在するロッド18のテーパと、加熱/応力の工程によって作用部分に与えられるテーパとの両方を組み合わせた結果であり得る。
[0049]以下に説明されるように、2次元の波状の成形された形態に設定されたニッケル/チタンの歯内治療用ファイル32の作用部分は、歯根管の処置を進める際に、使用の間に横方向に拡張する有利な特徴を有する。本発明の一実施形態では、その成形された形態の作用部分20の有効幅および有効なテーパに対して、ロッド18の実際の幅および関連するテーパは、歯根管の処置の初期に使用される狭い歯内治療用ファイルの幅および/またはテーパに実質的に対応する。本明細書に説明される歯内治療用ファイルが歯内治療学的処置に使用されるとき、作用部分20の柔軟性によって、それを、その成形された形態からよりロッド状の実質的に直線状の形態に伸ばすことができるようになる。この直線状にすることは、管への作用部分20の挿入と実質的に同時に、または、歯根管の処置に使用する前にも、歯内治療医によって行われ得る。いくつかの実施形態では、直線状の形態は、完全に直線状でなくてもよいが、代替として、作用部分の有効径が、その成形された形態における作用部分の有効径より小さい形態であり得る。
[0050]直線状の形態によって、歯根管の穴形成の初めの段階において、作用部分20の少なくとも一部分を歯44の狭い歯根管の領域42の中へ容易に挿入できるようになる。波状の延長部の歯根管への挿入の後、歯内治療用ファイル32は、管の中で器具を回転させるおよび/または長さ方向に往復運動させることによるなどして、典型的な歯内治療用ファイルと同様の方式で歯内治療医によって使用され得る。器具が回転されるおよび/または往復運動されるにつれて、作用部分20の切削面が、歯根管42から歯の内部の物質46を排除する。
[0051]歯内治療用ファイル32が歯根管の中にあるとき、ファイル32の温度は、少なくとも部分的に患者の体温のために、好ましくはそのオーステナイト化終了温度を超える。したがって、ファイル32は超弾性の特徴を示し、ファイル32が直線状の形態からその成形された形態へと戻ろうとするにつれて内力を発生させる。作用部分20は、作用部分20をその成形された形態に実質的に戻そうとする際に、それがまるで「記憶」を有するように機能する。
[0052]歯根管の処置の際、歯の内部物質46が歯根管壁から除去され、歯根管から摘出されるにつれて、歯根管のサイズが増加し、それに対応して、歯根管42の中の作用部分20を回転させる自由空間が増加する。自由空間が増加するにつれて、偏向された作用部分20が長さ方向に収縮し、歯根管の中でその成形された形態に向かって横方向に拡張する。作用部分20の有効径が横方向に拡張するにつれて、作用部分の外側縁部の切刃は、歯根管の壁から連続的に物質を除去し、それによって、連続的に管を拡張する。好ましい実施形態では、作用部分20は、その以前の成形された形態に実質的に一致し、作用部分20がより多くの歯の物質46を排除できるようになり、それによって、作用部分がその成形された形態に実質的に達するまで、歯根管の中に絶えず拡大する先細の空隙を生じる。
[0053]成形された形態のまたは成形された形態に近づく作用部分20の有効幅およびテーパは、好ましくは、歯根管に穴をあける工程において後に使用される広い歯内治療用ファイルの幅および/またはテーパに対応する。したがって、ファイル32は穴あけ工程の初めにはより狭い管に挿入され得るが、管が所望の直径に達するように使用中に有効幅が増加する。したがって、上述の好ましい実施形態による歯内治療用ファイル32は、典型的な歯根管の処置に必要とされるファイルの量の制限に有効である。いくつかの実施形態では、典型的に使用される様々なサイズのファイルの組ではなく、歯根管の処置を行うために単一の歯内治療用ファイル32を使用することが可能となり得る。
[0054]さらに、本発明の様々な実施形態の歯内治療用ファイル32は、実際の直径が歯内治療用ファイル32の作用部分の有効径と同様の寸法となる、歯内治療学的処置のより後の段階に使用する典型的な器具よりも柔軟である。このようなより大きい直径の器具は、管に正しい直径をもたらすために、典型的な歯内治療学的処置において必要である。しかしながら、そのより大きい直径によって生じる剛性のために、器具は、管の湾曲を効果的に進む際に問題に直面し、しばしば、結果として、器具が管の側面の壁に穴をあけたり、または直径が一様でない管を生じたり、または疲労により器具の不良となったりし得る。本発明の歯内治療用ファイル32は、より狭い典型的な器具と同様の実際の直径、および同様の柔軟性を有し、したがって、湾曲した管をより効果的に進むことができ、より大きい直径の器具においてより一般的な傾向のある疲労の問題を回避する一方で、また、管が正しい直径を有して形成され得る有効径を有する。
[0055]さらに、本発明の実施形態は、典型的な器具よりもよりよく管を摘出することが可能になる。管の壁から除去される物質は、管から有効に摘出されるよりも、典型的な歯内治療用器具の管および/またはらせん状の溝の中に詰まってしまう傾向を有する。これは、管の直径が器具の直径と実質的に同じであるので、少なくとも部分的に、管の中の十分な自由空間が不足していることによる。しかしながら、本発明の歯内治療用ファイル32の作用部分の有効径が、管の直径と実質的に同じである一方で、作用部分を形成するロッド18の実際の直径は、管の直径より実質的に小さく、その結果、破片の摘出がより効果的に達成され得るように、管の中に十分な自由空間ができる。
[0056]本発明の器具の代替実施形態では、作用部分48は、図9に示すように逆向きの有効なテーパを有する。作用部分48の有効な逆テーパの一目的は、少なくとも部分的に、ロッドがシャフトの遠位端部に向かって先細になることによる、より細いロッドサイズによる。作用部分がその成形された形態に戻ろうとする際には、近位端部に隣接するより大きい直径を有するロッドの一部分よりも、遠位端部に隣接するより小さい直径が、歯根管の中により少ない接触力を生じる。したがって、作用部分48の厚さが遠位端部に向かって減少するにつれて、作用部分と歯との間の切削力が減少する。この傾向に対抗するために、この実施形態では、作用部分48は、図9に示すようにより細い端部に向かってより広く有効にテーパになる。作用部分48がそのテーパの形状に実質的に適合する傾向のために、記憶効果のために作用部分48のより細い端部50から働く力が増加することによって、作用部分48のより細い遠位端部50におけるより細い実際の直径のための力の減少との釣り合いを助ける。
[0057]他の好ましい実施形態では、歯内治療用ファイルは、歯根管の処置に使用する際に横方向に拡張する、らせん状の実質的にブタの尾状の作用部分などの様々な三次元状に成形された形態の作用部分、または他の様々な三次元状に成形された形態の作用部分を有し得る。上述の二次元の波状の正弦波状の作用部分では、このような三次元形状の作用部分は、任意の歯内治療学的処置を行う初期の工程において、歯根管に嵌るように実質的に直線状にされる一方で、歯根管のサイズを実質的に最終の所望の直径まで増加させる能力を有し、それによって、歯内治療学的処置を行うのに必要とされる歯内治療用器具の数を低減する。
[0058]このような器具70の例は、図11A〜11Cに示される。このような三次元形状の器具は、らせん状のブタの尾状の形状、すなわち、ロッドが細長い円筒または円錐の回りに巻かれながらも、細長い円筒/円錐の一端から他端まで延在するような形状を有する。曲線形のらせん状に成形された形態は、実質的に滑らかな円形のらせん状であり得るが、代替実施形態では、様々な多角形の形状を有し得る。このような多角形のらせん状の曲線形の形態は、成形された形態の形成の際に滑らかな曲線ではなく傾斜した屈曲部を形成する特定のタイプの工具の傾向を考慮して、上述の加熱された楔形の工具または同様のタイプの工具によって成形された形態に設定されるときに、特に見いだされ得る。器具の作用部分の2.54cm(1インチ)ごとのらせんの数は、作用部分の近位端部から遠位端部まで一様であり得る。しかしながら、様々な実施形態では、器具のピッチは一端から他端へと増加し得る。
[0059]上述の二次元形状の器具の改善された特徴に加えて、特定の三次元形状の器具は、特定の歯内治療学的処置において好ましいであろう他の向上された特徴を有する。たとえば、その成形された形態に向かって戻る際の器具70の全体的ならせん状の形状は、管からの破片の摘出を助ける。器具が管の中で回転されるにつれて、らせん状の形態は破片を管から回転させて出す。また、三次元形状の作用部分のより大きい部分は、二次元形状の器具と比較して、器具がその成形された形態に向かって戻る際に、管の壁と接触した状態に留まり、それによって、歯根管の壁のより効率的な切削を潜在的にもたらす。
[0060]さらに、らせん状の三次元形状の器具の中央部分72は、歯内治療学的処置の際の洗浄目的のために使用され得る。水などの流体が、管から物質を摘出するのを助けるように器具の中央部分の中へ圧送され得る。そのような流体は、好ましくは、作用部分の遠位端部に向かって器具の中央部分72を落ち、続いて、らせん状に成形された器具によって管から回転して出され、それによって、管から破片を運び出す。
[0061](1)歯の中の平坦でない表面に沿って歯の内部の物質を除去するための改善された能力、(2)歯内治療学的処置のより後の段階において従来使用される歯内治療用器具の作用部分の直径と比較して、作用部分のロッドの比較的細い直径のために増加した柔軟性、(3)波状の延長部の比較的細い直径のために歯内治療用器具の中での金属疲労の減少、および、(4)歯内治療学的処置を行うために必要な歯内治療用ファイルの数の減少を含む様々な利点が、本明細書に説明される歯内治療用ファイルの様々な実施形態によって与えられる。
[0062]本発明の概念および教示は、特にニッケル/チタン合金およびこれから作られる歯内治療学的器具に適用できる。しかしながら、本明細書に開示される本発明は、NiTi合金から作られる歯内治療用器具に特に限定されず、いくつかの他の適切な超弾性合金のいずれかを使用する様々な歯科用器具において実施され得る。
[0063]さらに、上記の説明は、作用部分に切削面を備えた歯内治療用ファイルに焦点を置いているが、本発明の概念は、リーマー、閉塞具、ドリル用ビット、コンパクターなどの他の歯内治療用器具に適用可能である。たとえば、本発明は、特に歯根管のテーパおよび/または形状のばらつきをなくし、それによって、グッタペルカなどの充填材を歯根管へより有効に挿入する歯内治療用コンパクターに特に有用である。
[0064]さらに、上記に広義に説明される歯内治療用器具の様々な実施形態は、実質的に中実のロッドから形成される。しかしながら、代替の実施形態では、器具の作用部分および/または器具の他の部分は、管状のロッドの部分の外面から、管状のロッドの内部の中空の中央まで延在する開口部を備えた実質的に管状であり得る。水または他の流体が、歯内治療学的処置の間に管を洗浄するために開口部から流れ出るように、中空の管の中にポンプで送られ得る。
[0065]さらに、本発明による器具は、加熱された工具を使用して好ましくは製造されるように説明されているが、本発明の実施形態による器具は、器具を形成し、次に器具を別に炉の中に置くなど、他の方法によっても製造され得る。
[0066]本発明の実施形態は、特定の好ましい実施形態および例の情況において開示されているが、本発明は、特に開示された実施形態を越えて、他の代替の実施形態ならびに/または本発明の使用ならびに本発明の明らかな修正例および均等物に対して及ぶことが、当業者には理解されよう。したがって、本明細書に開示される本発明の範囲は、上述の特定の開示された実施形態によって制限されるものではなく、以下の特許請求の範囲を詳しく読むことによってのみ決定されるべきであることが意図される。
尚、本発明には、特許請求の範囲に記載される発明の他、以下の態様が含まれる。
1.歯内治療用器具を製造する方法であって、超弾性材料から形成され、切削面を有する細長い実質的に線形のロッドの作用部分を約75℃から約175℃の範囲の温度に加熱する工程と、第1の加熱された表面の少なくとも一部分と第2の表面の少なくとも一部分との間に前記作用部分を配置し、約550MPaから約1500MPaの範囲の応力で前記作用部分に成形応力を加える工程とを含み、前記第1の表面が第1の表面構造を含み、前記第2の表面が第2の表面構造を含み、前記第1の表面構造および前記第2の表面構造が実質的に一致し、これにより、加えられた熱および応力が超弾性の前記ロッドの前記部分を成形された曲線状の形態に設定するように、前記作用部分を、前記一致する第1及び第2の表面構造の少なくとも一部分に沿って再整列させる方法。
2.前記歯内治療用器具の前記作用部分が、前記第1の加熱された表面と第2の表面との一致する各表面の間に前記ロッドを配置することによって成形応力が加えられるのと実質的に同時に加熱される、上記1.の方法。
3.前記第2の表面もまた、加熱された表面である、上記1.の方法。
4.歯内治療用器具を製造する方法であって、
a)超弾性材料から形成され、切削面を有する細長い実質的に線形のロッドの少なくとも第1部分を、変形用装置の中に配置する工程であって、前記変形用装置が加熱された工具を含む工程と、
b)前記第1部分を前記加熱された工具を用いて所望の所定の曲線状に成形された形態に成形する工程と、
c)前記ロッドの部分が前記成形された形態に設定されるように前記加熱された工具から加えられた負荷の下で前記第1部分を加熱する工程とを含む方法。
5.前記加熱された工具が、前記ロッドの前記第1部分を受け入れるようにダイの内部の一部分を通して延在する成形されためくら穴を有する加熱されたダイを備え、前記成形されためくら穴が、前記所望の曲線状に成形された形態と実質的に同様の形状を有し、さらに、前記ロッドの前記部分が前記めくら穴の中で前記成形された形態に保持されながら、前記ロッドの前記部分が前記ダイによって加熱されるように、前記めくら穴の中へ前記ロッドをねじ込むことによって作用部分が前記成形された形態に設定される、上記4.の方法。
6.d)前記ロッドの第2部分が前記加熱された工具の中に配置されるように、前記ロッドを回転させ前進させる工程と、
e)前記第2部分を前記加熱された工具を用いて曲線状に成形された形態に成形する工程と、
f)前記第2部分が所望の器具形状に設定されるように、前記加熱された工具を用いて加えられた負荷の下で前記第2部分を加熱する工程とをさらに含む、上記4.の方法。
7.前記第1部分が、前記加熱された工具によって約75℃から約175℃の範囲の温度に加熱される、上記4.の方法。
8.前記第1部分が、前記加熱された工具によって約150℃の温度に加熱される、上記4.の方法。
9.前記第1部分が、前記加熱された工具によって約550MPaから約1500MPaの範囲の加えられた負荷の下で応力を加えられる、上記4.の方法。
10.前記第1部分が、前記加熱された工具によって約1250MPaの加えられた負荷の下で応力を加えられる、上記4.の方法。

Claims (13)

  1. 切削面を有する作用部分を備える、超弾性材料の細長いロッドから形成される歯内治療用器具であって、前記作用部分が歯根管に挿入され、回転されるときに、前記切削面が前記歯根管内に、前記細長いロッドの実際の直径およびテ―パよりも大きい直径およびテ―パを有する形状を切削するように、前記作用部分が曲線状且つらせん状に成形された形態を有する歯内治療用器具。
  2. 前記超弾性材料が、熱および応力を同時に加えることによって、成形され、曲線状且つらせん状に成形された形態に設定されたニッケル/チタン合金を含む、請求項に記載の歯内治療用器具。
  3. 前記曲線状且つらせん状に成形された形態が、二次元の実質的に正弦波形状の形態である、請求項に記載の歯内治療用器具。
  4. 前記曲線状且つらせん状に成形された形態の前記作用部分が、前記ロッドの実際のテーパよりも大きい有効なテーパを有する、請求項に記載の歯内治療用器具。
  5. 前記曲線状且つらせん状に成形された形態の前記作用部分が、前記ロッドの実際の直径より大きい有効径を有する、請求項に記載の歯内治療用器具。
  6. 歯根管を摘出するように切削面を有する作用部分を備える、超弾性材料のロッドから形成される歯内治療用器具であって、前記作用部分が歯根管に挿入され、回転されるとき、前記切削面が前記歯根管内に、前記ロッドの実際の直径およびテ―パよりも大きい直径およびテ―パを有する形状を切削するように、前記作用部分が、その近位端部から遠位端部まで実質的にらせん状のブタの尾状に成形された形態で延在する歯内治療用器具。
  7. 前記器具が第2の実質的に直線状の形態で前記歯根管に挿入され、歯内治療学的処置の際に前記歯根管を摘出するために切削面が使用されるときに、歯内治療学的処置が進むにつれて前記歯根管が拡大される際に、前記作用部分の少なくとも一部分の有効長が減少し、前記作用部分の少なくとも一部分の有効径が増加して前記歯根管の壁に適合する、請求項1に記載の歯内治療用器具。
  8. 前記作用部分のピッチが、近位端部から、前記器具の先端部に隣接する遠位端部まで増加する、請求項1に記載の歯内治療用器具。
  9. 前記器具が実質的に直線状の形態で前記歯根管に挿入され、前記歯根管の壁から材料を除去するために前記切削面が使用されるときに、歯内治療学的処置が進むにつれて前記歯根管が拡大される際に、前記作用部分の少なくとも一部分の有効幅が増加して前記歯根管の壁に適合し、これにより、前記作用部分がその曲線状且つらせん状に成形された形態に実質的に戻るまで、実質的に連続的に前記歯根管を拡張する、請求項1に記載の歯内治療用器具。
  10. 歯根管を摘出するように切削面を有する作用部分を備える、材料の細長いロッドから形成される歯内治療用器具であって、前記作用部分は、その近位端部から遠位端部まで実質的にらせん状のブタの尾状の形態で延在し、前記実質的にらせん状のブタの尾状の形態は、中空の中央部分を形成している、歯内治療用器具。
  11. 前記細長いロッドは、管状のロッドである、請求項10に記載の歯内治療用器具。
  12. 歯根管を摘出するように切削面を有する作用部分を備える、細長いロッドから形成される歯内治療用器具であって、前記作用部分は、その近位端部から遠位端部まで、中空の中央部分を画定するらせん状パターンで延在する、歯内治療用器具。
  13. 前記細長いロッドは、管状のロッドである、請求項12に記載の歯内治療用器具。
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