JP2008125912A - 弁体および医療器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間放置しても開閉部の潤滑性を確実に維持することができる弁体および医療器具を提供すること。
【解決手段】弁体7は、例えば、カテーテル30に接続して用いられるコネクタ1に設置されるものである。この弁体7は、当該弁体7を貫通する貫通孔72を有している。この弁体7は、少なくとも貫通孔72付近が、2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸を第1のモノマー成分とするポリマーを含む樹脂材料で構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、弁体およびそれを有する医療器具に関する。
カテーテルやガイドワイヤ等のような医療に用いられる長尺部材を生体内へ導入するときには、イントロデューサが使用されている。このイントロデューサとしては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
このイントロデューサは、筒状をなすハブ(ジョイント部)と、ハブの一端部に設置された弁体(逆止弁)と、ハブの他端部に接続されたチューブとを有している。
弁体には、長尺部材の挿入・抜去に伴って開閉する開閉口(例えば、スリットや細孔)が形成されている。また、弁体は、長尺部材を挿入した際、該長尺部材との摺動抵抗(摩擦抵抗)を低減するため、その表面、特に開閉口に潤滑性を有する。この弁体が潤滑性を有する手段としては、弁体の表面に親水性材料のコーティングを施す方法が挙げられる。親水性材料としては、例えば、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)を用いることができる。
このような構成のイントロデューサを用いて長尺部材を生体内へ導入する際、当該長尺部材の導入に先立って、その長尺部材の外表面に水分を付与したり、弁体に水分を付与したりする。長尺部材の外表面に水分を付与した場合、長尺部材の挿入に伴って当該長尺部材の水分が弁体に付与され、弁体が浸潤した状態となる。また、弁体に水分を付与した場合でも、弁体が浸潤した状態となる。この浸潤状態の弁体では、長尺部材との摺動抵抗が低減される。
しかしながら、弁体に付着した水分は、時間の経過とともに蒸発して徐々に失われるため、潤滑性を長時間にわたって維持することができないという問題がある。
実開平6−83041号公報
本発明の目的は、長時間放置しても開閉部の潤滑性を確実に維持することができる弁体および医療器具を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(22)の本発明により達成される。
(1) 開閉する開閉部を有する弁体であって、
前記弁体は、少なくとも前記開閉部が、2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸を第1のモノマー成分とするポリマーを含む樹脂材料で構成されていることを特徴とする弁体。
(2) 前記ポリマーは、三次元ネットワーク状構造体を有する上記(1)に記載の弁体。
(3) 前記樹脂材料は、吸水により膨潤してゲル化するものである上記(2)に記載の弁体。
(4) 前記三次元ネットワーク状構造体は、その内部に複数の空洞部を有しており、
前記各空洞部の大きさが不均一である上記(2)または(3)に記載の弁体。
(5) 前記樹脂材料は、実質的に水に溶解しない上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の弁体。
(6) 前記ポリマーは、前記第1のモノマー成分と、該第1のモノマー成分と異なる第2のモノマー成分との共重合体である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の弁体。
(7) 前記第2のモノマー成分は、アクリルアミドまたはその誘導体である上記(6)に記載の弁体。
(8) 前記ポリマー中の前記第1のモノマー成分と前記第2のモノマー成分とのモル比は、1000:1〜10:1である上記(6)または(7)に記載の弁体。
(9) 前記樹脂材料は、前記ポリマーと異なる他のポリマーを含む上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の弁体。
(10) 前記樹脂材料中において、前記他のポリマーの含有量は、前記ポリマーの5〜100モル倍である上記(9)に記載の弁体。
(11) 前記他のポリマーは、ポリアクリルアミドまたはその誘導体である上記(9)または(10)に記載の弁体。
(12) 前記弁体は、その全体が前記樹脂材料で構成されている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の弁体。
(13) 前記弁体は、前記開閉部が前記樹脂材料で構成されており、前記開閉部を除く部分が前記樹脂材料と異なる他の樹脂材料で構成されている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の弁体。
(14) 前記他の樹脂材料は、アミド結合またはウレタン結合を含む有機材料である上記(12)に記載の弁体。
(15) 前記有機材料は、ポリウレタンを主成分とするものである上記(14)に記載の弁体。
(16) 前記開閉部は、内径が可変であり、前記弁体を貫通する貫通孔で構成されている上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の弁体。
(17) 前記開閉部は、少なくとも1つのスリットで構成されている上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の弁体。
(18) 前記弁体は、その全体形状が柱状または板状をなすものである上記(1)ないし(17)のいずれかに記載の弁体。
(19) 前記開閉部は、長尺部材の挿入・抜去に伴って開閉するものである上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の弁体。
(20) 前記開閉部は、前記長尺部材がその長手方向に沿って移動したときに該長尺部材の外周部に対して摺動する摺動部として機能する上記(19)に記載の弁体。
(21) 前記長尺部材は、ダイレータ、カテーテルまたはガイドワイヤである上記(19)または(20)に記載の弁体。
(22) 管状をなす医療器具本体と、
前記医療器具本体に設置された、上記(1)ないし(21)のいずれかに記載の弁体とを有することを特徴とする医療器具。
本発明によれば、少なくとも開閉部が、2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸を第1のモノマー成分とするポリマーを含む樹脂材料で構成されていることにより、長時間放置しても開閉部の潤滑性を確実に維持することができる。また、この弁体に、例えばガイドワイヤ等のような長尺部材を挿入する際には、当該長尺部材との間に生じる摺動抵抗を確実に低減することができる。
また、ポリマーが三次元ネットワーク状構造体を有することにより、三次元ネットワーク状構造体の内部に多量の水を保持することができるので、開閉部の吸水性および保水性を特に高めることができる。これにより、開閉部の潤滑性をより確実に維持される。
以下、本発明の弁体および医療器具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の医療器具をコネクタに適用した場合の第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示す医療器具が有する本発明の弁体(第1実施形態)の斜視図、図3は、図1(図2も同様)に示す弁体が含む三次元ネットワーク状構造体を模式的に示す図である。なお、以下では、説明の都合上、図1中の右側を「基端」、左側を「先端」と言い、図2中(図4〜図6も同様)の下側を「基端」、上側を「先端」と言う。
図1に示すコネクタ(医療器具)1は、例えば、カテーテル30のハブ301に接続して用いられるものである。このコネクタ1は、ハブ301に接続された状態で、例えば、長尺部材(本実施形態では、ガイドワイヤ20)をカテーテル30に導入することができる。なお、ガイドワイヤ20は、例えば、ステンレス鋼等のような金属材料で構成されている。
コネクタ1は、管状をなすコネクタ本体(医療器具本体)2と、コネクタ本体2の先端部21に回動可能に支持されたロック部材(ロックアダプタ)3と、コネクタ本体2の基端部22に回動可能に支持された蓋体(キャップ)5と、コネクタ本体2内に設置された弁体7とを有している。以下、各部の構成について説明する。
まず、コネクタ本体2について説明する。
コネクタ本体2は、当該コネクタ本体2をその長手方向に貫通する内腔部(中空部)23を有している。内腔部23には、その内径が急峻に変化した段差部231が形成されている。内腔部23は、この段差部231を境界として、先端側の縮径部232と、基端側の拡径部233とに分けることができる。
拡径部233には、弁体7が、その先端面71が段差部231に当接した状態で、収納される(設置される)。これにより、弁体7のコネクタ本体2に対する位置が規定される、すなわち、弁体7が位置決めされる。また、拡径部233の基端側には、その周方向に沿って形成された突出部234が形成されている。この突出部234は、蓋体5の基端側への離脱を防止するものである。
コネクタ本体2の基端部22の外周部には、雄ネジ部235が形成されている。この雄ネジ部235は、後述する蓋体5の雌ネジ部51と螺合する。
コネクタ本体2の先端部21の外周部には、その周方向に沿って形成された突出部212が形成されている。この突出部212は、ロック部材3の先端側への離脱を防止するとともに、ロック部材3に嵌合して当該ロック部材3を回動可能に支持するものである。
コネクタ本体2は、その途中から分岐した分岐部24を有している。この分岐部24は、管状をなすものであり、コネクタ本体2の縮径部232(内腔部23)に連通している。この分岐部24には、例えば、薬剤や造影剤等のような液体が充填されたプレフィルドシリンジ(図示せず)が接続される。このプレフィルドシリンジが接続された状態で、当該プレフィルドシリンジから分岐部24(コネクタ1)を介して、カテーテル30に液体を供給することができる。
また、分岐部24は、コネクタ本体2に対して基端側に傾斜して設けられている。これにより、分岐部24からコネクタ本体2を介して先端方向へ、液体が円滑に流れ、よって、その液体をカテーテル30に確実に供給することができる。
次に、ロック部材3について説明する。
ロック部材3は、内腔部31を有する円筒状をなすものである。このロック部材3は、その中央部付近に、内径が縮径した縮径部32を有している。内腔部31は、この縮径部32を境界として、先端側の先端側内腔部311と、基端側の基端側内腔部312とに分けることができる。
先端側内腔部311の内周面には、雌ネジ部313が形成されている。この雌ネジ部313は、カテーテル30のハブ301に形成された雄ネジ部(図示せず)と螺合する。これらのネジ部同士の螺合により、ロック部材3(コネクタ1)とカテーテル30とが確実に接続される。
また、縮径部32には、当該縮径部32から先端方向に突出した管状の管状部33が設けられている。この管状部33は、ロック部材3の雌ネジ部313とカテーテル30のハブ301の雄ネジ部とが螺合した際、ハブ301に液密に接続される。これにより、コネクタ1を介して液体をカテーテル30に供給した際、その液体の漏れが確実に防止される。
基端側内腔部312には、コネクタ本体2の先端部21が挿入される。この基端側内腔部312の内周面には、コネクタ本体2の先端部21の突出部212が嵌合する凹部314が形成されている。凹部314は、基端側内腔部312の内周面の周方向に沿ってリング状に形成されている。凹部314にコネクタ本体2の突出部212が嵌合することにより、ロック部材3がコネクタ本体2(先端部21)に対して回動することができる。これにより、ロック部材3をカテーテル30のハブ301に螺合して接続することができる。
また、基端側内腔部312には、リング状をなすリング状部材(封止部材)8が設置されている。このリング状部材8は、弾性材料で構成されものである。コネクタ1では、リング状部材8を介して、コネクタ本体2とロック部材3とが液密に接続されることとなる。これにより、コネクタ1を介して液体をカテーテル30に供給した際、コネクタ本体2とロック部材3との接続部付近から液体が漏れるのを防止することができる。
次に、蓋体5について説明する。
蓋体5は、有底筒状をなすものである。この蓋体5の内周部には、コネクタ本体2の雄ネジ部235と螺合する雌ネジ部51が形成されている。これらのネジ部同士が螺合することにより、蓋体5は、コネクタ本体2に対して、回転しつつコネクタ本体2の長手方向に沿って移動することができる。
また、蓋体5の底部52には、先端方向に向かって突出した管状の管状部53が設けられている。この管状部53は、コネクタ本体2の拡径部233に挿入される。この状態(図1に示す状態)で、蓋体5を回転させる(例えば時計回りに回転させる)と、管状部53が先端側から弁体7に接近し、遂には、この弁体7を押圧する、すなわち、弁体7を変形させることができる。
管状部53の外周部には、その周方向に沿って、コネクタ本体2の突出部234よりも先端側に突出部531が形成されている。突出部531が先端側からコネクタ本体2の突出部234とが当接することにより、蓋体5の基端方向への移動が規制される。これにより、蓋体5がコネクタ本体2から離脱するのが防止される。
なお、コネクタ本体2、ロック部材3および蓋体5の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂が挙げられる。
また、リング状部材8の構成材料としては、特に限定されず、例えば、天然ゴム、またはイソプレンゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等の各種合成ゴム、ポリアミド系、ポリエステル系等の各種熱可塑性エラストマー等の弾性材料が挙げられる。
次に、弁体7について説明する。
図1、図2に示すように、弁体7は、その全体形状(外形形状)が円柱状をなすものである。この弁体7は、その全体が軟質な樹脂材料で構成されている。前記樹脂材料については、後述する。
弁体7は、その中心部に、開閉自在な開閉部70としての貫通孔72を有している。貫通孔72は、先端面71から基端面73に渡って形成された、弁体7を貫通する孔である。
貫通孔72は、平面視で、円形をなしている。貫通孔72の内径は、自然状態(図1に示す状態)で、ガイドワイヤ20の外径とほぼ同等または若干大きく(図1に示す構成ではほぼ同等)設定されている。これにより、弁体7をガイドワイヤ20が挿通することができる。ここで、「自然状態」とは、弁体7に外力を付与しない状態のことを言う。
また、貫通孔72の外径は、自然状態で、コネクタ本体2の拡径部233の内径とほぼ同等またはそれより若干小さく設定されているのが好ましい。これにより、弁体7をコネクタ本体2の拡径部233に設置したとき、弁体7が不本意に変形するのを防止することができる。
前述したように、蓋体5を回転させると、管状部53が弁体7を先端側から押圧する。この押圧により、弁体7は、弾性変形して外径が拡径しようとするが、弁体7の外周面74が拡径部233の内周面により規制されており、弁体7の外径が拡径することができない。このため、弁体7は、その内径が縮径(変化)することとなる。これにより、貫通孔72(弁体7内)を挿通しているガイドワイヤ20を、貫通孔72の内周面721が図1中矢印A方向に押圧(圧縮)し、よって、ガイドワイヤ20を確実に締め付けることができる。
このようにガイドワイヤ20が締め付けられた状態(以下、この状態を「締め付け状態」と言う)では、例えば、コネクタ本体2内の液体が弁体7の貫通孔72を介して流出する(漏れ出す)が確実に防止される。
また、締め付け状態で、ガイドワイヤ20をその長手方向に沿って移動操作する場合がある。この場合、貫通孔72の内周面721は、ガイドワイヤ20の外周面(外周部)201に対して摺動する摺動部として機能する。これにより、ガイドワイヤ20を操作しても貫通孔72の内周面721とガイドワイヤ20の外周面201との液密性が維持され、よって、コネクタ本体2内の液体が貫通孔72を介して流出するが確実に防止される。
また、蓋体5を前記と反対方向に回転させると、弁体7に対する管状部53の押圧が解除(または緩和)される。これにより、貫通孔72の内径が自然状態の大きさに戻り、よって、ガイドワイヤ20の締め付けが解除される。
このように貫通孔72の内径が可変であることにより、弁体7のガイドワイヤ20に対する締め付け力を適宜設定(変更)することができる。
さて、弁体7は、2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸を第1のモノマー成分とするポリマー(以下、「架橋ポリマー」と言う。)を含む樹脂材料で構成されている。下記化学式(1)に、2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸の構造式を示す。なお、後述するように、弁体7は、種々の液体を保持することができるが、本実施形態では、この液体が水である場合を例に説明する。
Figure 2008125912
ここで、従来の弁体では、貫通孔の内周面に、主に、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体のような親水性材料で構成された被覆層を形成していた。この被覆層の表面に水を付着させることにより、被覆層の湿潤状態を維持していた。しかしながら、被覆層の表面に付着した水分は、時間の経過とともに蒸発して徐々に失われるため、表面層の潤滑性を長時間にわたって維持することができないという問題があった。また、被覆層の表面の水滴に生じる表面張力により、ガイドワイヤが貫通孔の内周面に貼り付くような挙動を示すという問題もあった。このため、この問題が、ガイドワイヤを操作する際の操作性が低下を招いていた。
これに対し、本発明では、前述したように、弁体7を、前述のような架橋ポリマーを含む樹脂材料で構成することとした。これにより、弁体7は、架橋ポリマーに吸着したり、架橋ポリマー同士の間に保持することにより、内部に水分を保持することができる。このため、従来のガイドワイヤにおける乾燥に伴う問題や水滴の表面張力に伴う問題が確実に解消される。その結果、弁体7に対してガイドワイヤ20を操作する際の摺動抵抗(摩擦抵抗)を確実に低減することができ、よって、ガイドワイヤ20の操作性の向上を図ることができる。
また、2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸が有するスルホン酸基(−SOH)は、親水性を有する官能基である。このため、架橋ポリマーは、水を引き寄せ易い性質を有することとなる。その結果、弁体7は、水を積極的に取り込むことができ、かつ、取り込んだ水を長期にわたって保持することができる。すなわち、弁体7の吸水性および保水性を高めることができる。これにより、弁体7、特に、貫通孔72の内周面721のガイドワイヤ20に対する潤滑性(摺動性)が優れる。
ここで、架橋ポリマーは、第1のモノマー成分のホモポリマーでもよいが、第1のモノマー成分と、この第1のモノマー成分と異なる第2のモノマー成分とを含むものが好ましく、第1のモノマー成分と第2のモノマー成分との共重合体(コポリマー)であるのがより好ましい。これにより、架橋ポリマーに第2のモノマー成分の物性(特性)を付加することができる。その結果、架橋ポリマーの機能性を高めることができる。
この第2のモノマー成分としては、分子の長さが、第1のモノマー成分と異なるものが好ましい。このような第1のモノマー成分と第2のモノマー成分との共重合体は、その内部に水を取り込むための空隙を有するものとなる。このため、かかる共重合体を含む弁体7は、吸水性および保水性に優れたものとなる。
このような第2のモノマー成分としては、例えば、アクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、n−イソプロピルアクリルアミド、エチレングリコールジメタクリレート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
このうち、第2のモノマー成分は、アクリルアミドまたはその誘導体であるのが好ましい。アクリルアミドは、アミド結合(−CONH−)を有するが、このアミド結合も親水性を有する官能基(結合)である。なお、この親水性は、アミド結合が水との間に水素結合を形成することによってもたらされるものである。したがって、アクリルアミドを含む架橋ポリマーは、水を引き寄せる性質が特に強くなる。その結果、弁体7の吸水性および保水性がさらに高めることができる。なお、本実施形態では、第2のモノマー成分の一例としてアクリルアミドを代表に説明する。下記化学式(2)に、アクリルアミドの構造式を示す。
Figure 2008125912
なお、前記共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよく、これらの構造が混在した共重合体であってもよい。また、第2のモノマー成分は、第1のモノマー成分同士を架橋する架橋剤として機能してもよい。
また、架橋ポリマー中の第1のモノマー成分と第2のモノマー成分とのモル比は、1000:1〜10:1程度であるのが好ましく、500:1〜50:1程度であるのがより好ましい。各モノマーの混合比を前記範囲内に設定することにより、架橋ポリマーは、機械的強度が高く、かつ保水性に優れたものとなる。
ここで、第1のモノマー成分である2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸中の重合性基(前記化学式(1)に示すビニル基)と、第2のモノマー成分であるアクリルアミド中の重合性基(前記化学式(2)に示すビニル基)は、ラジカル重合により結合して、架橋ポリマーを生成するが、この架橋ポリマーは、三次元的に構築された部分を有するのが好ましい。すなわち、架橋ポリマーは、第1のモノマー成分と第2のモノマー成分とが三次元的に架橋してなる、図3に示すような三次元ネットワーク状構造体60を有しているのが好ましい。
三次元ネットワーク状構造体60は、その内部に、空洞部61を有している(図3参照)。この空洞部61に水(液体)が入り込むことにより、三次元ネットワーク状構造体60は、多量の水を保持することができる。したがって、三次元ネットワーク状構造体60を含む弁体7は、吸水性および保水性が特に高いものとなる。また、三次元ネットワーク状構造体60に含まれた複数の架橋構造は、互いを補強するように作用する。このため、弁体7の機械的強度を特に高めることができる。
なお、三次元ネットワーク状構造体60の内部には、空洞部61が多数形成されている。これらの多数の空洞部61の大きさは、均一であってもよいが、図3に示すように、できるだけ不均一であるのが好ましい。これにより、空洞部61の大きさが均一である場合に比べ、三次元ネットワーク状構造体60の機械的強度(後述する圧縮強度および破壊エネルギー)をさらに高めることができる。その結果、弁体7の機械的強度をさらに高めることができ、ガイドワイヤ20を操作した際の該ガイドワイヤ20の挿通に対する耐久性(例えば、弁体7がその機能を損なうように変形するのが防止されること)の向上を図ることができる。
また、弁体7(架橋ポリマーを含む樹脂材料)は、吸水により膨潤してゲル化するものが好ましい。ゲル化した弁体7は、特に顕著な吸水性および保水性を発揮し、湿潤状態を長期にわたって維持することができる。これにより、弁体7(貫通孔72の内周面721)は、ガイドワイヤ20の外周面201に対する潤滑性が向上し、ガイドワイヤ20における優れた操作性を長期にわたって実現することができる。
また、弁体7は、実質的に水に溶解しないものが好ましい。架橋ポリマーが実質的に水に不溶であることにより、たとえ弁体7が長期にわたって水と接触していても、弁体7が溶解して失われるのを防止することができる。その結果、弁体7によってもたらされる上記のような効果が、長期にわたって発揮されることとなる。
ここで、弁体7を構成する樹脂材料は、前述の架橋ポリマーと異なる「他のポリマー」を有していてもよい。この他のポリマーの組成を適宜選択することにより、弁体7の潤滑性(吸水性および保水性)を維持しつつ、他のポリマーが架橋ポリマーを補強して、弁体7の機械的強度を高めることができる。
この他のポリマーは、架橋ポリマーよりも架橋度の低いポリマーであるのが好ましい。また、全く架橋されていないポリマーであるのが好ましい。
他のポリマーを構成するモノマーとしては、例えば、アクリルアミド(AAm)、アクリル酸(AA)、メタクリル酸、N−イソプロピルアクリルアミド、ビニルピリジン、ヒドロキシエチルアクリレート、酢酸ビニル、ジメチルシロキサン、スチレン(St)、メチルメタクリレート(MMA)、トリフルオロエチルアクリレート(TFE)、スチレンスルホン酸(SS)、ジメチルアクリルアミド等が挙げられる。
また、この他のポリマーは、非電解質で柔軟性が高いこと、架橋ポリマーと静電相互作用や疎水結合等の相互作用がないか、または極めて弱いこと等の特徴を有するのが好ましい。これにより、他のポリマーが架橋ポリマーの構造に影響を与えることが防止される。その結果、他のポリマーを含有することにより、弁体7の機械的強度が低下することが防止される。
このような他のポリマーのうち、非電解質の他のポリマーを構成するモノマーとしては、例えば、2,2,2−トリフルオロエチルメチルアクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、3−(ペルフルオロブチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、1H,1H,9H−ヘキサデカフルオロノニメタクリレート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリレート、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、フッ化ビニリデンのようなフッ素含有モノマー、ジェラン、ヒアルロン酸、カラギーナン、キチン、アルギン酸のような多糖類、ゼラチン、コラーゲンのようなタンパク質等が挙げられる。
特に、他のポリマーは、モノマーとしてアクリルアミドを含むもの、すなわち、ポリアクリルアミドまたはその誘導体であるのが好ましい。これにより、他のポリマーと架橋ポリマーとの親和性が特に向上し、架橋ポリマーを確実に補強することができる。また、ポリアクリルアミドは、親水性に富んでいるため、弁体7が他のポリマーとしてポリアクリルアミドを含むことにより、弁体7の吸水性および保水性をさらに高める効果もある。
なお、弁体7が他のポリマーを含んでいる場合、他のポリマーは、重量比で架橋ポリマーより多く含まれているのが好ましい。具体的には、弁体7に含まれる他のポリマーは、架橋ポリマーに対して、5〜100モル倍程度であるのが好ましい。これにより、弁体7の機械的強度をさらに高めることができる。
また、かかる観点から、他のポリマーの重量は、ゲル化した弁体7中において、架橋ポリマーの重量と弁体7が吸水した水の重量との合計重量に対して10〜40%であるのが好ましい。
また、このような弁体7は、水中では水を含んでゲル化するが、このときの純水中での含水率は、10〜99%であるのが好ましく、50〜95%であるのがより好ましく、85〜95%であるのがさらに好ましい。このように弁体7が多量の水を含有することにより、弁体7における湿潤性がより長期にわたって維持されることとなる。その結果、弁体7は、ガイドワイヤ20に対する操作性(摺動性)が長期にわたって良好に維持される。なお、上記の含水率とは、純水中でゲル化した弁体7の重量に対して、このゲル化した弁体7に含まれた純水の重量の割合を示すものである。
また、弁体7は、純水中でゲル化した状態で、純水中から生理食塩水中に移し変えたときの体積維持率が20〜95%であるのが好ましく、60〜95%であるのがより好ましく、70〜95%であるのがさらに好ましい。
また、弁体7は、ゲル化したときの圧縮強度が、0.3〜40MPa程度であるのが好ましい。ここで、圧縮強度とは、ゲル化した弁体7を圧縮して破壊するのに必要な応力を、弁体7を圧縮する面の初期の面積で割った値で示される。このように圧縮強度が高い弁体7は、当該弁体7にガイドワイヤ20を挿通した際の摩擦等に対して、十分な耐久性を有するものとなる。
さらに、弁体7は、ゲル化したときの破壊エネルギーが、700J/m程度であるのが好ましい。ここで、破壊エネルギーとは、ゲル化した弁体7の定常的な破壊進行に必要とした仕事量を破断面積で割った値、すなわち、破断面を形成するために必要なエネルギーで示される。このように破壊エネルギーが高い弁体7は、特に機械的強度が高く、破壊し難いものとなる。
弁体7の形成方法(成形方法)としては、特に限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
[1] まず、2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸(第1のモノマー成分)と、N,N’−メチレンビスアクリルアミド(第2のモノマー成分)とを、水に添加し、水溶液を用意する。
[2] 次に、この水溶液中に、重合開始剤を添加する。
重合開始剤としては、例えば、2−オキソグルタル酸等が挙げられる。
また、重合開始剤の添加量は、第1のモノマー成分に対する割合が0.001〜1mol%程度であるのが好ましく、0.1〜1mol%程度であるのがより好ましく、0.1〜0.5mol%程度であるのがさらに好ましい。重合開始剤の添加量を前記範囲内とすることにより、弁体7の内部に形成された多数の空洞部の大きさが、不均一になる傾向を示す。このため、弁体7の機械的強度(圧縮強度および破壊エネルギー)を高めることができる。
[3] 次に、弁体7の全体形状に対応した形状(筒状)の空間(キャビティ)を有する成形型(金型)に、前記用意した水溶液を充填する。
[4] 次いで、充填された水溶液に向けて紫外線を照射する。これにより、第1のモノマー成分と第2のモノマー成分とがラジカル重合し、架橋ポリマーを形成する。
以上のようにして、弁体7を形成することができる。
<第2実施形態>
図4は、本発明の弁体の第2実施形態を示す斜視図である。
以下、この図を参照して本発明の弁体および医療器具の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、開閉部の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図4に示す弁体7Aは、その全体形状が板状をなすものである。この弁体7Aの開閉部70は、ガイドワイヤ20の挿入・抜去に伴って開閉する第1のスリット751および第2のスリット752で構成されている。
第1のスリット751は、弁体7の内部から弁体7の先端面71にのみ到達するように形成されている。また、この第1のスリット751は、その形状が平面視で一文字状をなしている。これにより、第1のスリット751が簡単な形状(構成)となり、よって、第1のスリット751(開閉部70)が容易かつ確実に開閉することができる。
また、第1のスリット751は、側面視で、円弧状をなしている。これにより、第1のスリット751の円弧の頂点が第2のスリット752と接する(交差する)ことになり、ガイドワイヤ20がスムーズに第1のスリット751から第2のスリット752に移動することができると言う利点がある。
第2のスリット752は、弁体7の内部から弁体7の基端面73にのみ到達するように形成されている。また、この第2のスリット752は、第1のスリット751と同様に、その形状が平面視で一文字状をなしている。これにより、第2のスリット752が簡単な形状(構成)となり、よって、第2のスリット752(開閉部70)が容易かつ確実に開閉することができる。
また、第2のスリット752は、第1のスリット751と同様に、側面視で、円弧状をなしている。これにより、前述した第1のスリット751の効果とともに、両面(先端面および基端面)が同じ形状をなしているので、弁体7Aをコネクタ1に組み込む際に、当該弁体7Aの表裏の間違いがなく、その組み込み作業の効率が向上すると言う利点がある。
また、このような第1のスリット751と第2のスリット752とは、弁体7の内部において部分的に交差している。図示の構成では、第1のスリット751と第2のスリット752とは、十文字状に交差している、すなわち、第1のスリット751と第2のスリット752との交差角度は、90°となっているが、この交差角度は、90°に限定されない。
弁体7Aも前記第1実施形態の弁体7と同様の樹脂材料で構成されているため、弁体7Aを長時間放置しても、第1のスリット751および第2のスリット752のそれぞれの内面の潤滑性が確実に維持される。これにより、例えばガイドワイヤ20を繰り返して操作したとき(往復操作したとき)、その摺動性が確実に維持される。また、ガイドワイヤ20の操作後、当該ガイドワイヤ20を抜去したときには、第1のスリット751および第2のスリット752がそれぞれ確実に閉状態となり、コネクタ本体2の液密性が維持される。
なお、開閉部70は、2つのスリットで構成されているが、これに限定されず、例えば、1つまたは3つ以上のスリットで構成されていてよい。
また、各スリットの平面視での形状は、一文字状であるが、これに限定されず、例えば、Y字状、ト字状、V字状、U字状等であってもよい。
<第3実施形態>
図5は、本発明の弁体の第3実施形態を示す縦断面図である。
以下、この図を参照して本発明の弁体および医療器具の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、弁体の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
図5に示す弁体7Bでは、貫通孔72付近(以下、この部分を「内リング部76」と言う)が前記第1実施形態で述べたのと同様の架橋ポリマーを含む樹脂材料で構成されており、内リング部76を除く部分(以下、この部分を「外リング部77」と言う)が、前記架橋ポリマーを含む樹脂材料と異なる他の樹脂材料で構成されている。
内リング部76は、貫通孔72の内周面721から径方向に所定距離(厚さt分)離間した位置までを含む層状をなす部分である。また、外リング部77は、内リング部76の外側に位置する部分である。
このような構成の弁体7Bは、貫通孔72が開閉部70として機能するので、挿入するガイドワイヤ20等のような長尺部材の表面に密着してシール性を維持しながら摺動性に優れる。
内リング部76の厚さtの外リング部77の厚さtに対する比t:tは、特に限定されないが、例えば、1:99〜30:70であるのが好ましく、2:98〜20:80であるのがより好ましい。
比t/tが前記範囲内であれば、内リング部76が十分な柔軟性を備えるとともに、内リング部76中に十分な量の水分が保持される、すなわち、潤滑性が維持される。少なくとも、内リング部76が前記樹脂材料で構成されているため、内リング部76(貫通孔72の内周面721)とガイドワイヤ20との摺動性が確実に向上するとともに、この摺動性が長期にわたって維持される。
外リング部77の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、またはこれらの複合材料が挙げられる。
これらの材料の中でも、外リング部77は、アミド結合またはウレタン結合を含む有機材料で構成されているのが好ましい。アミド結合およびウレタン結合は、内リング部76中の2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸が含むアミド結合に対して高い親和性を示す。このため、外リング部77がアミド結合またはウレタン結合を含む有機材料で構成されていることにより、外リング部77と内リング部76とが確実に密着する。よって、外リング部77から内リング部76が不本意に剥離してしまうのを確実に抑制または防止することができる。
特に、この有機材料は、ポリウレタンを主成分とするものであるのが好ましい。ポリウレタンは、ウレタン結合を含んでいるため、内リング部76との密着性が高く、かつ、柔軟性に富んでいる。このため、前記有機材料としてポリウレタンを主成分とするものを用いることにより、外リング部77と内リング部76との密着性が向上する。
また、図5に示すように、外リング部77と内リング部76との境界部には、凹凸78が多数形成されているのが好ましい。これにより、外リング部77と内リング部76との接触面積が比較的大きくなる。よって、これらのリング部同士の密着性がより向上する。
以下、外リング部77の内側に内リング部76を形成するための手順(方法)の一例について説明する。
[1] まず、前記有機材料(例えば、ポリウレタン)で構成された外リング部77を用意する。なお、この外リング部77の内側の孔(下孔)に、例えばタップのような工具を用いて当該工具をねじ込みながら、凹凸78を形成してもよい。
[2] 次に、前記第1実施形態の弁体7の形成方法の工程[3]で挙げたのと同様の水溶液を用意する。この水溶液を外リング部77の内側の孔に塗布する(供給する)。
[3] 次いで、外リング部77の前記水溶液が塗布された部分に向けて紫外線を照射する。これにより、第1のモノマー成分と第2のモノマー成分とがラジカル重合し、架橋ポリマーを形成する。
以上のようにして、外リング部77の内側に層状の内リング部76を形成することができる。
なお、弁体7B全体を前記樹脂材料で構成してもよい。
<第4実施形態>
図6は、本発明の弁体の第4実施形態を示す縦断面斜視図である。
以下、この図を参照して本発明の弁体および医療器具の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
本実施形態は、弁体の形状が異なること以外は前記第3実施形態と同様である。
図6に示す弁体7Cは、2枚の板状体79a、79bで構成されている。板状体79aと板状体79bとは、互いに構成が同一であるため、以下、板状体79aについて代表的に説明する。
板状体79aは、積層構造をなすものである。すなわち、板状体79aは、基板となる第1層791と、第1層791上に積層された(形成された)第2層792とで構成されている。
第1層791は、前記第3実施形態の弁体7Bの外リング部77についての説明で挙げたのと同様の樹脂材料(架橋ポリマーを含む樹脂材料と異なる他の樹脂材料)で構成されている。
また、第2層792の構成材料としては、前記第3実施形態の弁体7Bの内リング部76についての説明で挙げたのと同様の樹脂材料(架橋ポリマーを含む樹脂材料)で構成されている。
図6に示すように、弁体7Cでは、板状体79aおよび79bのそれぞれの第2層792の縁部同士が互いに当接しつつ押圧し合うよう構成されている。以下、弁体7Cの第2層792の縁部同士が互いに当接しつつ押圧し合う部分を「境界部793」と言う。また、板状体79aおよび79bは、それぞれ、湾曲して(撓んで)いる。
このように、弁体7Cは、ダックビル弁となっている。
弁体7Cの境界部793に向けてガイドワイヤ20を先端側から挿入すると、板状体79aおよび79bがそれぞれさらに撓みつつ、第2層792の縁部同士が互いに離間する。これにより、境界部793が開口した状態となる。
また、ガイドワイヤ20が挿入された(開口した)境界部793からガイドワイヤ20を抜去すると、再度第2層792の縁部同士が互いに当接する。これにより、境界部793が閉塞した状態となる。
従って、境界部793は、開閉部70として機能するものであると言うことができる。
また、前述したように、第1層791が架橋ポリマーを含む樹脂材料と異なる他の樹脂材料で構成され、第2層792が架橋ポリマーを含む樹脂材料で構成されている。これにより、前記第3実施形態の弁体7Bと同様に、弁体7Cを長時間放置しても境界部793(開閉部70)の潤滑性が確実に維持される。
なお、各板状体79aおよび79bには、それぞれ、第1層791と第2層792との間に、中間層(第3層)が介挿されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.コネクタの作製
(実施例)
まず、第1のモノマー成分として2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸(0.025mol)と、第2のモノマー成分としてN,N’−メチレンビスアクリルアミド(0.001mol)と、重合開始剤として2−オキソグルタル酸(0.000025mol)とを用意し、これらを水に加えて水溶液50mLを調製した。調製した水溶液は、各モノマー成分と重合開始剤とが十分に拡散するように振盪させた。
次に、図2に示す弁体を成形するための成形型を用意した。この成形型に前記調製した水溶液を充填した。
次に、充填された水溶液に向けて紫外線を照射した。これにより、図2に示す弁体を得た。この弁体の仕様は、下記に示すとおりである。
・弁体の外径:7.0mm
・弁体の内径:1.5mm
・弁体の高さ:5.0mm
次に、この弁体を装着して、図1に示すコネクタを作製した。
(比較例1)
まず、実施例1と同様の成形型を用いて、シリコーンゴムで構成された弁体を得た。
次に、この弁体を装着して、図1に示すコネクタを作製した。
(比較例2)
まず、実施例1と同様の成形型を用いて、ポリウレタンで構成された弁体を得た。その後、この弁体の表面に親水化処理を施した。
次に、この弁体を装着して、図1に示すコネクタを作製した。
2.評価
2.1 摺動性の評価
実施例および各比較例で得られたコネクタについて、それぞれ、以下のようにして摺動性の評価を行った。なお、下記の摺動抵抗の測定は、それぞれ3回ずつ行い、その平均値について評価を行った。
[1]まず、外径0.6mm(1.8Fr)、長さ200mmのステンレス鋼で構成されたチューブを用意した。このチューブの外表面には、フッ素コートが施されている。
[2]次に、各弁体にそれぞれ水を付与した後、このチューブを挿入した。
[3]次に、コネクタの蓋体を回転操作の限界となるまで操作して、弁体でチューブを締め付けた(固定した)。この状態で、チューブを引き出す際の摺動抵抗を測定した。なお、摺動抵抗の測定にあたっては、チューブの引き出し速度を100mm/secとし、引き出す際にチューブに加わる荷重をオートグラフにて測定することにより行った。また、測定環境は、気温23℃、相対湿度40%であった。
[4]次に、各コネクタを10分間放置した。そして、10分間放置後の各コネクタにチューブを挿入した。
[5]次に、前記[3]と同様にして、チューブをコネクタから引き出す際の摺動抵抗を測定した。
[6]各コネクタを30分間放置した。そして、30分間放置後の各コネクタにチューブを挿入した。
[7]次に、前記[3]、[5]と同様にして、チューブをコネクタから引き出す際の摺動抵抗を測定した。
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 2008125912
表1から明らかなように、実施例で得られたコネクタでは、弁体に水を供給した直後(吸水直後)と、10分間放置した後および30分間放置した後とで、摺動抵抗にほとんど変化は見られなかった。
一方、比較例1で得られたコネクタでは、摺動抵抗に経時的な変化がほとんど見られなかったが、測定値が実施例よりも大きいものとなっていた。
また、比較例2で得られたコネクタでは、弁体に水を供給した後、放置した時間が長くなるのに伴い、摺動抵抗が大きくなっていた。
また、図4〜図6に示す弁体を作製し、これらの弁体をそれぞれ図1に示すコネクタに装着して、同様の評価を行なった。その結果、各コネクタについても、前記実施例とほぼ同様の評価結果が得られた。
以上、本発明の弁体および医療器具を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、弁体および医療器具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明の弁体および医療器具は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
また、本発明の医療器具として、前記各実施形態では、それぞれ、コネクタを一例に挙げたが、これに限定されず、イントロデューサ、留置針等が挙げられる。
また、弁体に対して挿入・抜去する長尺部材として、前記各実施形態では、それぞれ、ガイドワイヤを一例に挙げたが、これに限定されず、例えば、ダイレータ、カテーテル、シリンジ外筒の先端部に突出した口部(先端突出部)等が挙げられる。
本発明の医療器具をコネクタに適用した場合の第1実施形態を示す縦断面図である。 図1に示す医療器具が有する本発明の弁体(第1実施形態)の斜視図である。 図1(図2も同様)に示す弁体が含む三次元ネットワーク状構造体を模式的に示す図である。 本発明の弁体の第2実施形態を示す斜視図である。 本発明の弁体の第3実施形態を示す縦断面図である。 本発明の弁体の第4実施形態を示す縦断面斜視図である。
符号の説明
1 コネクタ(医療器具)
2 コネクタ本体
21 先端部
212 突出部
22 基端部
23 内腔部(中空部)
231 段差部
232 縮径部
233 拡径部
234 突出部
235 雄ネジ部
24 分岐部
3 ロック部材(ロックアダプタ)
31 内腔部
311 先端側内腔部
312 基端側内腔部
313 雌ネジ部
314 凹部
32 縮径部
33 管状部
5 蓋体(キャップ)
51 雌ネジ部
52 底部
53 管状部
531 突出部
60 三次元ネットワーク状構造体
61 空洞部
7、7A、7B、7C 弁体
70 開閉部
71 先端面
72 貫通孔
721 内周面
73 基端面
74 外周面
751 第1のスリット
752 第2のスリット
76 内リング部
77 外リング部
78 凹凸
79a、79b 板状体
791 第1層
792 第2層
793 境界部
8 リング状部材(封止部材)
20 ガイドワイヤ
201 外周面(外周部)
30 カテーテル
301 ハブ
、t 厚さ

Claims (22)

  1. 開閉する開閉部を有する弁体であって、
    前記弁体は、少なくとも前記開閉部が、2−アクリルアミド−2メチルプロパンスルホン酸を第1のモノマー成分とするポリマーを含む樹脂材料で構成されていることを特徴とする弁体。
  2. 前記ポリマーは、三次元ネットワーク状構造体を有する請求項1に記載の弁体。
  3. 前記樹脂材料は、吸水により膨潤してゲル化するものである請求項2に記載の弁体。
  4. 前記三次元ネットワーク状構造体は、その内部に複数の空洞部を有しており、
    前記各空洞部の大きさが不均一である請求項2または3に記載の弁体。
  5. 前記樹脂材料は、実質的に水に溶解しない請求項1ないし4のいずれかに記載の弁体。
  6. 前記ポリマーは、前記第1のモノマー成分と、該第1のモノマー成分と異なる第2のモノマー成分との共重合体である請求項1ないし5のいずれかに記載の弁体。
  7. 前記第2のモノマー成分は、アクリルアミドまたはその誘導体である請求項6に記載の弁体。
  8. 前記ポリマー中の前記第1のモノマー成分と前記第2のモノマー成分とのモル比は、1000:1〜10:1である請求項6または7に記載の弁体。
  9. 前記樹脂材料は、前記ポリマーと異なる他のポリマーを含む請求項1ないし8のいずれかに記載の弁体。
  10. 前記樹脂材料中において、前記他のポリマーの含有量は、前記ポリマーの5〜100モル倍である請求項9に記載の弁体。
  11. 前記他のポリマーは、ポリアクリルアミドまたはその誘導体である請求項9または10に記載の弁体。
  12. 前記弁体は、その全体が前記樹脂材料で構成されている請求項1ないし11のいずれかに記載の弁体。
  13. 前記弁体は、前記開閉部が前記樹脂材料で構成されており、前記開閉部を除く部分が前記樹脂材料と異なる他の樹脂材料で構成されている請求項1ないし11のいずれかに記載の弁体。
  14. 前記他の樹脂材料は、アミド結合またはウレタン結合を含む有機材料である請求項12に記載の弁体。
  15. 前記有機材料は、ポリウレタンを主成分とするものである請求項14に記載の弁体。
  16. 前記開閉部は、内径が可変であり、前記弁体を貫通する貫通孔で構成されている請求項1ないし15のいずれかに記載の弁体。
  17. 前記開閉部は、少なくとも1つのスリットで構成されている請求項1ないし15のいずれかに記載の弁体。
  18. 前記弁体は、その全体形状が柱状または板状をなすものである請求項1ないし17のいずれかに記載の弁体。
  19. 前記開閉部は、長尺部材の挿入・抜去に伴って開閉するものである請求項1ないし18のいずれかに記載の弁体。
  20. 前記開閉部は、前記長尺部材がその長手方向に沿って移動したときに該長尺部材の外周部に対して摺動する摺動部として機能する請求項19に記載の弁体。
  21. 前記長尺部材は、ダイレータ、カテーテルまたはガイドワイヤである請求項19または20に記載の弁体。
  22. 管状をなす医療器具本体と、
    前記医療器具本体に設置された、請求項1ないし21のいずれかに記載の弁体とを有することを特徴とする医療器具。
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