JP5318941B2 - 弁体の製造方法、弁体および医療用具 - Google Patents

弁体の製造方法、弁体および医療用具 Download PDF

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Description

本発明は、弁体の製造方法、弁体および医療用具に関する。
カテーテルやガイドワイヤ等のような医療に用いられる長尺部材を生体内へ導入するときには、イントロデューサ(医療用具)が使用されている。このイントロデューサとしては、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。
このイントロデューサは、筒状をなすハブと、ハブの一端部に装着されたキャップと、ハブの他端部に接続されたシースチューブとを有するシースと、シースの生体内への導入を容易にするためシースに挿入して使用されるダイレータとで構成されている。キャップには、ハブの中空部と連通する開口が設けられている。そして、当該開口を覆うように、すなわち、ハブの中空部の液密状態を維持するように、円盤状をなす弁体が設置されている。
弁体は、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴム等の弾性材料で構成されており、その弁体には、十文字状に交差する2つのスリットが形成されている。各スリットは、それぞれ、長尺部材(管体)がシースに挿入された際には、開いた状態となり、長尺部材がシースから抜去された際には、閉じた状態となる。
上記のような弁体を備えた医療用具(たとえば、イントロデューサ)に対して、電子線滅菌を行うと、スリットの部分にブロッキングが生じ、その内面が強固に貼り付いてしまう。特に、弁体がシリコーンゴムで形成されている(構成されている)場合に、このような問題が顕著である。これにより、滅菌後に初めて長尺部材を弁体に挿入する際(初回の挿入の際)の刺通抵抗が大きくなり、長尺部材を挿入し難くなるか、または、挿入することができたとしても挿入時にスリットに損傷を与えることがある。
スリットに損傷が生じた場合、たとえ長尺部材を抜去して両スリットが閉じたとしても、弁体(スリット)のシール性(液密性)が低下する(損なわれる)ことがある(長尺部材が挿入されている状態のときも同様)。
また、スリットに損傷が生じると、当初は、問題とならないような小さな損傷であっても、長尺部材の挿入・抜去が頻繁に繰り返されることにより、その損傷が進行し、大きな損傷になってしまい、前記のような弁体のシール性が低下するという問題が生じる。
特公平2−949号公報
本発明の目的は、部材を挿入・抜去する際、その操作を容易に行なうことができ、スリットに損傷が生じるのを確実に防止することができる弁体および医療用具を提供すること、また、前記弁体を好適に製造することができる弁体の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、
主としてシリコーンゴムで構成され、スリットを有する弁体用部材を用意する弁体用部材用意工程と、
前記スリットが開口した状態で、少なくとも前記スリットの内面にプラズマ処理を施し改質するプラズマ処理工程とを有し、
前記プラズマ処理工程では、前記弁体用部材の前記スリットが開口した状態で、少なくとも前記スリットの内面にプラズマ処理を施して改質することを特徴とする弁体の製造方法である。
これにより、スリットの内面におけるブロッキングの発生を確実に防止することができ、部材を挿入・抜去する際の操作を容易に行なうことができるとともに、部材を挿入・抜去する際に、スリットに損傷が生じてしまうのを確実に防止することができる。
また、本発明の弁体の製造方法では、前記弁体用部材は、自然状態において、前記スリットが開口しているものであるのが好ましい。
これにより、プラズマ処理工程に際して、弁体用部材のスリットを強制的に開く必要がなく、スリットの内面全体に均一なプラズマ処理を施すことができる。その結果、製造される弁体におけるブロッキングの発生をより確実に防止することができる。また、弁体用部材の一方の面側のみからプラズマ処理を施した場合であっても、得られる弁体は、スリットの内面全体に、プラズマ処理が確実に施されたものとすることができる。
また、本発明の弁体の製造方法では、前記弁体用部材は、板状をなし、前記弁体用部材の一方の面にのみ到達する第1のスリットと、前記弁体用部材の他方の面にのみ到達し、内部において前記第1のスリットと交差する第2のスリットとを有し、
前記弁体用部材に外力が付与されていない自然状態において、前記第1のスリットは、開口し、その内面によって第1の空間が形成され、前記第2のスリットは、開口し、その内面によって第2の空間が形成され、前記第1の空間と前記第2の空間とは、これらの交差部を介して互いに連通しているのが好ましい。
これにより、プラズマ処理工程に際して、弁体用部材のスリットを強制的に開く必要がなく、スリットの内面全体に均一なプラズマ処理を施すことができる。その結果、製造される弁体におけるブロッキングの発生をより確実に防止することができる。また、弁体用部材の一方の面側のみからプラズマ処理を施した場合であっても、得られる弁体は、スリットの内面全体に、プラズマ処理が確実に施されたものとすることができる。
また、本発明の弁体の製造方法では、前記プラズマ処理は、大気圧プラズマ処理であるのが好ましい。
これにより、大型な装置、複雑な装置を用いることなく、多数個の弁体用部材に対する処理を連続的に行うことができ、生産性良く弁体を製造することができる。また、製造される弁体におけるブロッキングの発生をより確実に防止することができる。また、プラズマ処理時における弁体用部材へのダメージを効果的に防止することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、主としてシリコーンゴムで構成され、スリットを有する弁体であって、
少なくとも前記スリットの内面にプラズマ処理が施され、改質されており、
自然状態において、前記スリットが開口しているものであることを特徴とする弁体である。
これにより、スリットの内面におけるブロッキングの発生を確実に防止することができ、部材を挿入・抜去する際の操作を容易に行なうことができるとともに、部材を挿入・抜去する際に、スリットに損傷が生じてしまうのを確実に防止することができる。
このため、例えば、カテーテルやガイドワイヤ等のような医療に用いられる長尺部材を生体内に導入するイントロデューサのシースに、本発明の弁体を用いる(設置する)ことができる。
また、自然状態において、前記スリットが開口しているものであることにより、弁体のシール性を十分に優れたものとしつつ、長尺部材を弁体に挿入する際や弁体から抜去する際の摺動性を優れたものとすることができ、また、ブロッキングの発生をより確実に防止することができる。
また、本発明の弁体では、前記スリットの内面には、水酸基、および/または、隣接するSi原子間でO原子が介在した三次元架橋構造(ケイ酸塩)が導入されているのが好ましい。
これにより、電子線滅菌時におけるブロッキングの問題の発生が確実に防止される。また、長尺部材を弁体に挿入する際や弁体から抜去する際の摺動性を優れたものとすることができる。このため、弁体のスリット周辺への、シリコーンオイル等の潤滑剤の付与量を少なくしたり、潤滑剤の付与を省略した場合であっても、長尺部材の操作性を十分に優れたものとすることができる。
また、本発明の弁体は、板状をなすものであり、弁体の一方の面にのみ到達する第1のスリットと、弁体の他方の面にのみ到達し、内部において前記第1のスリットと交差する第2のスリットとを有し、
弁体に外力が付与されていない自然状態において、前記第1のスリットは、開口し、その内面によって第1の空間が形成され、前記第2のスリットは、開口し、その内面によって第2の空間が形成され、前記第1の空間と前記第2の空間とは、これらの交差部を介して互いに連通しているのが好ましい。
これにより、弁体のシール性を十分に優れたものとしつつ、長尺部材を弁体に挿入する際や弁体から抜去する際の摺動性を優れたものとすることができ、また、ブロッキングの発生をより確実に防止することができる。
また、本発明の弁体では、前記第1の空間および前記第2の空間は、それぞれ、扁平形状をなすものであるのが好ましい。
これにより、弁体のシール性を十分に優れたものとしつつ、長尺部材を弁体に挿入する際や弁体から抜去する際の摺動性を優れたものとすることができ、また、ブロッキングの発生をより確実に防止することができる。
また、本発明の弁体では、前記第1の空間および/または前記第2の空間は、その深さが前記交差部から遠ざかる方向に向かって漸減しているのが好ましい。
これにより、弁体に長尺部材を挿入した際、その挿入操作を確実に行なうことができる。また、長尺部材の先端部が交差部以外の部分を刺通して(挿通して)しまうことが防止され、弁体の損傷を防止することができる。
また、本発明の弁体では、前記第1の空間および/または前記第2の空間は、その幅が前記交差部に向かって漸減する部分を有するのが好ましい。
これにより、万が一、プラズマ処理によりスリットの内面の一部にブロッキングが生じてしまった場合であっても、長尺部材の挿入を円滑に行うことができる。また、弁体の開閉部に長尺部材を挿入した際、その長尺部材の先端部が交差部に向かうように案内され、よって、その挿入操作を確実に行うことができる。
また、本発明の弁体では、前記第1のスリットと前記第2のスリットとは、それぞれ平面視での形状が一文字状をなしており、互いに十文字状に交差しているのが好ましい。
これにより、弁体のシール性を十分に優れたものとしつつ、弁体の開閉部を容易かつ確実に開閉させることができる。
また、本発明の弁体では、弁体の一方の面に、平面視で前記第1のスリットを包含するように形成され、前記第2のスリットに到達しない第1の凹部と、該第1の凹部の前記交差部に対応する位置に形成され、前記第2のスリットに到達しない第2の凹部とを有するのが好ましい。
これにより、弁体のシール性を十分に優れたものとしつつ、弁体の開閉部を容易かつ確実に開閉させることができる。
また、本発明の弁体では、弁体の他方の面に、前記第2のスリットを介して対向配置され、該他方の面に沿って延在する少なくとも1対のリブと、該1対のリブのぞれぞれと前記第2のスリットとの間に設けられた少なくとも1つの突起とを有するのが好ましい。
これにより、弁体に挿入される長尺部材の摺動性が向上し、容易に、長尺部材の挿入・抜去を行うことができるとともに、弁体の開閉部のシール性(密閉性)が向上する。
また、上記目的を達成するために、本発明は、本発明の弁体と、
前記弁体が装着される装着部を有するハブとを備えることを特徴とする医療用具である。
これにより、スリットの内面におけるブロッキングの発生を確実に防止することができ、部材を挿入・抜去する際の操作を容易に行なうことができるとともに、部材を挿入・抜去する際に、スリットに損傷が生じてしまうのを確実に防止することができる。
また、本発明の医療用具では、前記弁体は、前記装着部に装着された装着状態においては、圧縮されるように変形して、前記スリットの内面が密着して閉じるよう構成されたものであるのが好ましい。
これにより、弁体のシール性を十分に優れたものとしつつ、弁体の開閉部を容易かつ確実に開閉させることができる。
また、本発明の医療用具では、前記スリットが閉じた状態で、電子線滅菌が施されたものであるのが好ましい。
これにより、スリットの部分におけるブロッキングによりその内面が強固に貼り付いてしまうことを確実に防止することができる。その結果、初めて長尺部材を弁体に挿入する際の刺通抵抗を小さいものとすることができるとともに、挿入時にスリットに損傷を与えることを確実に防止することができる。したがって、長尺部材の挿入・抜去を頻繁に繰り返した場合であっても、弁体のシール性が低下するという問題の発生を確実に防止することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、主としてシリコーンゴムで構成され、スリットを有する弁体であって、
前記スリットを含む領域である弁体中心部と、当該弁体中心部の外周に設けられた弁体周辺部とを有し、
前記スリットの内面には、水酸基、および/または、隣接するSi原子間でO原子が介在した三次元架橋構造(ケイ酸塩)が、前記弁体周辺部より多く導入されていることを特徴とする弁体である。
これにより、スリットの内面におけるブロッキングの発生を確実に防止することができ、部材を挿入・抜去する際の操作を容易に行なうことができるとともに、部材を挿入・抜去する際に、スリットに損傷が生じてしまうのを確実に防止することができる。
このため、例えば、カテーテルやガイドワイヤ等のような医療に用いられる長尺部材を生体内に導入するイントロデューサのシースに、本発明の弁体を用いる(設置する)ことができる。
また、上記目的を達成するために、本発明は、主としてシリコーンゴムで構成され、スリットを有する弁体であって、
前記スリットを含む領域である弁体中心部と、当該弁体中心部の外周に設けられた弁体周辺部とを有し、
前記弁体中心部には、水酸基、および/または、隣接するSi原子間でO原子が介在した三次元架橋構造(ケイ酸塩)が、前記弁体周辺部より多く導入されていることを特徴とする弁体である。
これにより、スリットの内面におけるブロッキングの発生を確実に防止することができ、部材を挿入・抜去する際の操作を容易に行なうことができるとともに、部材を挿入・抜去する際に、スリットに損傷が生じてしまうのを確実に防止することができる。
このため、例えば、カテーテルやガイドワイヤ等のような医療に用いられる長尺部材を生体内に導入するイントロデューサのシースに、本発明の弁体を用いる(設置する)ことができる。
図1は、本発明の医療用具をイントロデューサに適用した場合の実施形態を示す部分縦断面図(弁体については側面図)である。 図2は、図1に示すイントロデューサのハブ、蓋部材および弁体を示す縦断面図である。 図3は、本発明の弁体の実施形態(図1および図2に示す弁体)であって、自然状態の弁体を上面側から見たときの斜視図である。 図4は、図3に示す弁体(自然状態)を下面側から見たときの斜視図である。 図5は、図3に示す弁体(自然状態)の第1のスリットの内面で形成された第1の空間と第2のスリットの内面で形成された第2の空間とを示す斜視図である。 図6は、図5中の一点鎖線で囲まれた領域[B]の拡大詳細図である。 図7は、図3に示す弁体(自然状態)の平面図である。 図8は、図7中のA−A線での断面図である。 図9は、図3に示す弁体(自然状態)の第2の凹部および第3の凹部を説明するための平面図に相当する図である。 図10は、図3に示す弁体(自然状態)の第2の凹部および第3の凹部を説明するための図7中のA−A線での断面図に相当する図である。 図11は、図3に示す弁体であって、装着状態の弁体の概略斜視図である。 図12は、図3に示す弁体であって、装着状態の弁体の平面図である。 図13は、図12に示す弁体(装着状態)にダイレータを挿通するときの状態を模式的に示す縦断面図である。 図14は、図3に示す弁体(自然状態)の底面図である。 図15は、図8中の弁体の下面側のリブおよび突起を示す縦断面図である。 図16は、図12に示す弁体(装着状態)からダイレータを抜去するときの状態を模式的に示す縦断面図である。 図17は、実施例3の弁体用部材および弁体のスリット内面についてのフーリエ変換赤外分光分析(FT−IR分析)のチャート、差スペクトルである。 図18は、図17の一部を拡大したチャート、差スペクトルである。
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態では、代表的に、本発明の医療用具をイントロデューサに適用した場合について説明する。
図1は、本発明の医療用具をイントロデューサに適用した場合の実施形態を示す部分縦断面図(弁体については側面図)、図2は、図1に示すイントロデューサのハブ、蓋部材および弁体を示す縦断面図、図3は、本発明の弁体の実施形態(図1および図2に示す弁体)であって、自然状態の弁体を上面側から見たときの斜視図、図4は、図3に示す弁体(自然状態)を下面側から見たときの斜視図、図5は、図3に示す弁体(自然状態)の第1のスリットの内面で形成された第1の空間と第2のスリットの内面で形成された第2の空間とを示す斜視図、図6は、図5中の一点鎖線で囲まれた領域[B]の拡大詳細図、図7は、図3に示す弁体(自然状態)の平面図、図8は、図7中のA−A線での断面図、図9は、図3に示す弁体(自然状態)の第2の凹部および第3の凹部を説明するための平面図に相当する図、図10は、図3に示す弁体(自然状態)の第2の凹部および第3の凹部を説明するための図7中のA−A線での断面図に相当する図、図11は、図3に示す弁体であって、装着状態の弁体の概略斜視図、図12は、図3に示す弁体であって、装着状態の弁体の平面図、図13は、図12に示す弁体(装着状態)にダイレータを挿通するときの状態を模式的に示す縦断面図、図14は、図3に示す弁体(自然状態)の底面図、図15は、図8中の弁体の下面側のリブおよび突起を示す縦断面図、図16は、図12に示す弁体(装着状態)からダイレータを抜去するときの状態を模式的に示す縦断面図である。
なお、以下では、説明の都合上、図1〜図3、図5、図6、図8、図10、図11、図13、図15および図16中の上側を「上」または「基端」、下側を「下」または「先端」とし、また、図4中の上側を「下」または「先端」、下側を「上」または「基端」として説明する。また、図11では、第1のスリットおよび第2のスリットを示し、その他の部位を省略して描いている。
図1に示すイントロデューサ(医療用具)1は、例えばガイドワイヤやカテーテル等のような医療に用いられる長尺部材を生体内(例えば、血管等)に導入するのに使用されるものである。
このイントロデューサ1は、ハブ2と、ハブ2の先端側に固定された管状のシースチューブ(チューブ)4と、封止手段5とを有するシース7と、シース7の生体内への導入を容易にするためシース7に挿入して使用されるダイレータ(拡張管)10とで構成されている。
ハブ2は、管体で構成されている。
このハブ2の外周部には、側方に突出するサイドポート(接続部)21が設けられている。サイドポート21は、管状をなしており、その中空部(内部)211がハブ2内と連通している。このサイドポート21には、例えばポリ塩化ビニル製の可撓性を有するチューブ8の一端が液密に接続される。
シースチューブ4は、生体内に導入される部材(部位)であり、薄肉の管状部材で構成されている。このシースチューブ4は、その基端部がハブ2の先端部に嵌入等の手段により固定されている。また、シースチューブ4の内部は、ハブ2の中空部211に連通している。
ハブ2の基端部には、ハブ2内を封止する封止手段5が設けられている。
封止手段5は、ダイレータ(拡張管)10やカテーテルあるいはガイドワイヤが通過可能な弁体6と、当該弁体6をハブ2に対し支持固定する環状(筒状)の蓋部材51とで構成されている。
蓋部材51は、その先端部がハブ2の基端内周部22に嵌合し得るように構成されており、蓋部材51をハブ2に装着して弁体6をハブ2に対し支持固定する際は、蓋部材51の先端部を基端内周部22に嵌合させるようになっている。
また、蓋部材51の内周部には、円筒状のリブ511が、斜め先端方向に向って突出形成されている。すなわち、リブ511の内径および外径は、それぞれ、基端から先端に向かって漸減している。
この蓋部材51の基端部は、シース7に、ダイレータ10やカテーテルあるいはガイドワイヤ等の長尺部材を挿入する際の挿入口を構成する。
ここで、ダイレータ10について説明する。
ダイレータ10は、可撓性を有する管体(チューブ)で構成されている。このダイレータ10は、シース7に挿入され、シース7に固定された状態で生体内へ挿入(導入)される。また、ダイレータ10は、例えば血管への導入を容易にするため、ダイレータ10の先端部101の外径が先端に向かって縮径して(漸減して)いる。
このようなダイレータ10は、シースチューブ4が生体(血管)内に挿入された後、シース7から抜去される。その後、蓋部材51の基端部の開口(基端開口)513からカテーテルあるいはガイドワイヤが挿入される。
さて、前述したように、封止手段5は、弁体6を有している。
図1〜図4、図8に示すように、弁体6は、一対の端面を有し、板状をなす弾性体、すなわち、上面(一方の面)601と下面(裏面(他方の面))602とを有し、楕円形または円形の膜状(円盤状)をなす弾性体で構成されている。この弁体6は、ハブ2の基端部に形成されている段差部23と、蓋部材51の先端面514およびリブ511の先端面512とで挟持されることにより、ハブ2に対し液密に固定されている(図1および図2参照)。イントロデューサ1(シース7)では、段差部23と、蓋部材51の先端面514およびリブ511の先端面512とで囲まれた部位が、弁体6を装着する(設置する)「装着部(設置部)」として機能していると言うことができる。
弁体6の自然状態における平面視での形状、すなわち、ハブ2に装着される前の平面視での形状は、図7および図14に示すように、楕円形状をなしている。そして、ハブ2に装着された状態(以下、単に、「装着状態」とも言う)における平面視での形状は、図12に示すように、円形状をなしている。すなわち、弁体6は、ハブ2に装着される際に、長軸方向に沿って、後述する交差部63に向って圧縮されるように変形し、これにより、平面視での形状が円形状になる。ここで、「自然状態」とは、弁体6に外力が付与されていない状態を言う。
また、弁体6の寸法は、特に限定されないが、自然状態において、弁体6の長径は、5〜20mm程度であるのが好ましく、8〜12mm程度であるのがより好ましい。なお、弁体6の長径は、自然状態で、ハブ2の基端内周部22の内径と後述の第1のスリット61の最大の幅w1の総和より大きいことが好ましい。このような構成にすることにより、装着状態において開閉部60のシール性(密封性)が得られる。
また、弁体6の短径は、4〜16mm程度であるのが好ましく、7〜10mm程度であるのがより好ましい。
また、弁体6の厚さは、0.5〜3mm程度であるのが好ましく、0.8〜1.5mm程度であるのがより好ましい。
また、弁体6は、主としてシリコーンゴムで構成されたものであるが、特に、主としてポリジメチルシロキサンで構成されたものであるのが好ましい。ポリジメチルシロキサンは、各種弾性材料の中でも、適度な弾性を有するとともに、耐熱性、耐薬品性等に優れ、かつ、安全性にも優れている。なお、本発明で、シリコーンゴムとは、ポリシロキサン骨格を有するものであればよく、例えば、シロキサン化合物とシロキサン化合物以外の化合物とのコポリマーであってもよい。また、弁体6は、シリコーンゴムとシリコーンゴム以外の樹脂材料とのポリマーブレンド、ポリマーアロイで構成されたものであってもよい。
また、弁体6の上面601側には、底面が湾曲した凹面(湾曲凹面)641をなす第1の凹部64が形成されている。すなわち、第1の凹部64は、すり鉢状をなしている。また、第1の凹部64は、平面視で、楕円形または円形をなしており、その中央部と弁体6の中央部とが一致するように配置されている。弁体6の凹面(底面)641と反対側の端面が下面602であり、弁体6は、凹面641(上面601)がシース7の外側に露出(位置)し、下面602がシース7の流路内(ハブ2内)に露出するように設置されている。
この第1の凹部64により、ダイレータ10(長尺部材)を弁体6に挿入する際、容易かつ確実に、ダイレータ10の先端部101を後述する第1のスリット61の交差部63に対応する部位に導くことができる。これにより、ダイレータ10による第1のスリット61および第2のスリット62以外の部分への損傷を防止することができ、また、ダイレータ10の先端部101が潰れたり、変形してしまうのを防止することができる。
また、第1の凹部64の寸法は、特に限定されないが、例えば、第1の凹部64の中央部の深さ(最大深さ)は、0.3mm以上であるのが好ましく、0.4mm以上であるのがより好ましく、0.4〜0.7mm程度であるのがさらに好ましい。
図3〜図8、図11〜図14および図16に示すように、この弁体6は、ダイレータ10(長尺部材)の挿入・抜去に伴って開閉する開閉部60を有している。
開閉部60は、第1のスリット61と、第2のスリット62と、第2の凹部65と、2つの第3の凹部66とで構成されている。そして、弁体6は、少なくともこれらのスリット(第1のスリット61および第2のスリット62)の内面(内面612および内面622)に、後に詳述するようなプラズマ処理が施されており、改質されている。特に、本実施形態では、スリット(第1のスリット61および第2のスリット62)を含む領域である弁体中心部603に選択的にプラズマ処理が施されており、当該弁体中心部603には、その外周に設けられた弁体周辺部604に比べ、水酸基、および/または、隣接するSi原子間でO原子が介在した三次元架橋構造(ケイ酸塩)がより多く導入されている。
第1のスリット61は、上面601(凹面641)に到達し、下面602に到達しないように形成されている。すなわち、第1のスリット61は、弁体6の内部から上面601にのみ到達するように形成されている。
この第1のスリット61は、平面視で弁体6の短軸と一致し(または平行となり)、平面視で第1の凹部64に包含されるように、一文字状をなしている(図7参照)。これにより、装着状態において、第1のスリット61(開閉部60)を容易かつ確実に開閉させることができる。
図5(図3、図7も同様)に示すように、第1のスリット61は、自然状態で、開口している。これにより、第1のスリット61には、その内面612によって第1の空間611が形成される。この第1の空間611は、半円の円盤状(扁平形状)をなしている。
また、第2のスリット62は、下面602に到達し、上面601(凹面641)に到達しないように形成されている。すなわち、第2のスリット62は、弁体6の内部から下面602にのみ到達するように形成されている。
この第2のスリット62は、平面視で弁体6の長軸と一致する(または平行となる)ように、すなわち、形状が平面視で一文字状をなすように形成されている(図14参照)。これにより、装着状態において、開閉部60を容易かつ確実に開閉させることができる。
図5(図4、図14も同様)に示すように、第2のスリット62は、第1のスリット61と同様に、自然状態で開口している。これにより、第2のスリット62には、その内面612によって第2の空間621が形成される。この第1の空間621は、半円の円盤状(扁平形状)をなしている。
このような第1のスリット61と第2のスリット62とは、弁体6の内部において部分的に交差している。これらのスリット同士が交差した交差部63を介して、第1の空間611と第2の空間621とが互いに連通している(例えば図5参照)。
このように自然状態で第1のスリット61から第2のスリット62まで連通する弁体6をハブ2に装着した際、ハブ2内の液密状態を維持するように、当該ハブ2の基端内周部22によって、第1のスリット61および第2のスリット62は、それぞれ、閉じる方向に圧縮される(押圧される)こととなる(図11参照)。すなわち、外力により、第1のスリット61は、その内面612同士が押し付けられて、密着した(閉じた)状態となる。また、第2のスリット62は、その内面622同士が押し付けられて、密着した(閉じた)状態となる。
ところで、このように、弁体のスリットが閉じた状態(特に、本実施形態のように、外力により強制的に、スリットが閉じられた状態)で、電子線滅菌を行うと、一般に、スリットの部分にブロッキングが生じ、その内面が強固に貼り付いてしまう。特に、弁体がシリコーンゴムで形成されている(構成されている)場合に、このような問題が顕著である。これにより、滅菌後に初めて長尺部材を弁体に挿入する際(初回の挿入の際)の刺通抵抗が大きくなり、長尺部材を挿入し難くなるか、または、挿入することができたとしても挿入時にスリットに損傷を与えることがある。スリットに損傷が生じた場合、たとえ長尺部材を抜去して両スリットが閉じたとしても、弁体(スリット)のシール性(液密性)が低下する(損なわれる)ことがある(長尺部材が挿入されている状態のときも同様)。また、スリットに損傷が生じると、当初は、問題とならないような小さな損傷であっても、長尺部材の挿入・抜去が頻繁に繰り返されることにより、その損傷が進行し、大きな損傷になってしまい、前記のような弁体のシール性が低下するという問題が生じる。これに対し、本発明では、後に詳述するように、少なくともスリットの内面にプラズマ処理が施され、改質されているため、上記のような問題の発生が確実に防止される。
図5に示すように、第1の空間611は、その深さk1が交差部63から遠ざかる方向に向かって漸減している。換言すれば、第1のスリット61の内面612の底部となる部分(底面613)が円弧状に湾曲している。これにより、第1のスリット61にダイレータ10を挿入した際、そのダイレータ10の先端部101が交差部63に向かうように案内され、よって、その挿入操作を確実に行なうことができる。また、このダイレータ10の先端部101が第1のスリット61の交差部63以外の部分を刺通して(挿通して)、第2のスリット62に至るのが防止され、よって、弁体6の損傷を防止することができる。
また、第1の空間611は、その幅w1(図5参照)が、交差部63(底面613)に向かって漸減している。これにより、装着状態において、第1のスリット61全体で圧着状態を保持しつつも、交差部63(奥部)付近における内面612同士の圧着力に比べて、表層部(弁体6の第1のスリット61が設けられた側の表面)の中心部付近における内面612同士の圧着力を弱いものとすることができる。その結果、万が一、プラズマ処理により内面612の一部にブロッキングが生じてしまった場合であっても、ダイレータ10の挿入を円滑に行うことができる。また、第1のスリット61にダイレータ10を挿入した際、そのダイレータ10の先端部101が交差部63に向かうように案内され、よって、その挿入操作を確実に行うことができる。
また、第1のスリット61の最大の深さk1は、特に限定されず、例えば、弁体6の厚さの35〜90%程度が好ましく、40〜80%程度がより好ましい。
また、第1のスリット61の底面613は、図5に示す構成では円弧状に湾曲した湾曲面となっているがこれに限定されず、例えば、交差部63を頂部(頂点)とするようなV字状となっていてもよい。
図5に示すように、第2の空間621は、第1の空間611と同様に、その深さk2が交差部63から遠ざかる方向に向かって漸減している。換言すれば、第2のスリット62の内面622の底部となる部分(底面623)が円弧状に湾曲している。
また、第2の空間621は、その幅w2(図5参照)が、底面623(交差部63)に向かって漸減している。
第2のスリット62は、装着状態で、それが閉じる方向、すなわち、短軸方向に押圧されるとともに、それが開く方向、すなわち、長軸方向にも押圧される。このため、図11に示すように、装着状態の第2のスリット62には、その内面622同士が密着した(閉じた)部分と、内面622同士が離間したままの部分とが形成される。
これにより、弁体6のシール性(液密性)を十分に優れたものとしつつ、第2のスリット62の内面622同士の接触面積を小さくすることができ、電子線滅菌を行った際のブロッキングの発生をより確実に防止することができる。また、初回の挿入の際、第2のスリット62の内面622同士が容易に剥がれるため、第2のスリット62に損傷が生じるの防止され、ダイレータ10を弁体6に容易に挿入することができる。
このように、弁体6では、第1のスリット61および第2のスリット62のうち、長尺部材の挿入側に位置する第1のスリット61が、第2のスリット62よりも密着の度合いが大きくなっている。ここで、「密着の度合い」とは、内面同士の密着面積および密着力のことを言う。
また、前述したように装着状態の第2のスリット62には、内面622同士が閉じた部分が形成されており、装着状態で閉じた第1のスリット61との協働により、開閉部60のシール性(密閉性)が得られる。すなわち、ハブ2内の液密性が確保され、ハブ2内に満たされた液体(例えば、血液)の漏れを確実に防止することができる。
第2のスリット62は、装着状態で、第1のスリット61と同様に、全部が閉じるようになっていてもよい。
また、第2のスリット62の最大の深さk2は、特に限定されず、例えば、弁体6の厚さの35〜90%程度が好ましく、40〜80%程度がより好ましい。
また、第2のスリット62の底面623は、図5に示す構成では円弧状に湾曲した湾曲面となっているがこれに限定されず、例えば、交差部63を頂部(頂点)とするようなV字状となっていてもよい。
図5に示すように、第1のスリット61と第2のスリット62とは、それらの深さが最大となる部分で、十文字状に、交差角度が90°となるように互いに交差している。なお、両スリット61、62の交差角度は、90°に限定されないことは、言うまでもない。
この第1のスリット61(第1の空間611)と第2のスリット62(第2の空間621)との交差部63は、平面視で、弁体6の中央部(中心部)に位置している。すなわち、交差部63は、平面視で、第1の凹部64の中央部に位置し、第1の凹部64に包含されている。これにより、ダイレータ10を弁体6(開閉部60)に対して挿入・抜去する際、その操作を安定して行なうことができる。
図6(図5も同様)に示すように、交差部63は、自然状態で六面体の形状をなす空間である。この交差部63(六面体)は、それを形成する12本の辺を有しており、それらの辺のうち、第1のスリット61の内面612と第2のスリット62の内面622とが交差して形成される交線となる辺が8本(図6中では、辺631、632、633、634、635、636、637、638)存在する。
これらの辺631〜638の長さの総和は、特に限定されないが、例えば、1.0〜6.0mmが好ましく、1.5〜4.5mmがより好ましい。前記総和がこのような数値範囲内であると、イントロデューサ1で通常使用される(挿入される)長尺部材の生体に挿入される部位の外径φs(図1参照)によらず、当該長尺部材を弁体6に対して好適に(第1のスリット61および第2のスリット62に破損も生じず、円滑に)挿入・抜去することができる。また、長尺部材を弁体6に挿通した状態での開閉部60のシール性も過不足なく維持される。
これらの辺631〜638のうち、弁体6の上面601および下面602と平行である辺632、634、636、638の長さL1は、特に限定されないが、0.1〜0.5mmであることが好ましい。長さL1がこのような数値範囲であると、交差部63にエッジが存在しない。従って、ダイレータ10の先端部101が底面613に当たっても、第1のスリット61および第2のスリット62の破損の起点になることが確実に防止される。
また、交線以外の辺4本の長さ(辺634と辺638との距離と、辺632と辺636との距離)L2は、特に限定されないが、0.1〜0.7mmであることが好ましい。
また、弁体6の上面601および下面602と垂直となる交差部63の長さL3は、特に限定されないが、0.2〜0.6mmであることが好ましい。
また、弁体6の上面601および下面602と平行でない辺631、633、635、637と上記長さL3方向とがなす角度θは、特に限定されないが、5〜40°であることが好ましい。角度θがこのような数値範囲であると、弁体6をハブ2に装着した際、第1のスリット61の内面612同士間や、第2のスリット62の内面622同士間に過剰なブロッキングが生じるのが確実に防止される。また、刺通抵抗が低減されて、長尺部材を挿入・抜去する際の操作を容易に行うことができる。
なお、長尺部材の弁体6の開閉部60に対して挿通が許容される外径φsは、特に限定されないが、例えば、最大が6〜7mmが好ましく、6.5〜7mmであるのがより好ましい。また、最小は、0.1〜0.3mm好ましく、0.1〜0.2mmであるのがより好ましい。
また、前述したように、開閉部60(弁体6)は、第2の凹部65および第3の凹部66をそれぞれ有している。これらの第2の凹部65および第3の凹部66は、凹面641(上面601)側に形成されている。
ここで、第2の凹部65および第3の凹部66を理解し易いように(第1のスリット61と、第2の凹部65および第3の凹部66とを区別し易いように)、図9(a)には、弁体6の第1のスリット61のみを示し、図9(b)には、弁体6の第1のスリット61と、第2の凹部65と、第3の凹部66とを示した。また、図9では、第1のスリット61を実線で示し、第2の凹部65および第3の凹部66を点線(破線)で示した。
同様の理由で、図10(a)には、第2の凹部65および第3の凹部66が形成されていない弁体6を示し、図10(b)には、第2の凹部65および第3の凹部66が形成されている弁体6を示した。また、図10では、本来の断面図とは異なり、第2の凹部65および第3の凹部66のみに斜線を付した。
図3および図7〜図10に示すように、弁体6の凹面641(上面601)側の中央部、すなわち、第1の凹部の交差部63に対応する部位(位置)には、第2の凹部65が形成されている。第2の凹部65は、弁体6の厚さ方向(上下方向)には、第1のスリット61の途中まで形成されており、第2のスリット62には到達していない。また、弁体6の凹面641側の第1のスリット61の両端部には、それぞれ、第3の凹部66が形成されている。
これら第2の凹部65と、第3の凹部66と、第1のスリット61とは、自然状態では互いに連通しており、これら全体で、1つの溝(窪み)が形成されている。
また、自然状態において、第2の凹部65は、平面視で、菱形(四角形)をなしている(図3、図7参照)が、円形であってもよい。この第2の凹部65内の底面651は、ダイレータ10の挿入・抜去の際の移動方向(ダイレータ10の長手方向)に対して略垂直な平面であり、側面652は、ダイレータ10の挿入・抜去の際の移動方向に対して所定角度傾斜している(図8参照)。側面652の前記移動方向に対する傾斜角度θ1(図8参照)は、自然状態で、45°以上であるのが好ましく、60°以上であるのがより好ましく、60〜80°程度であるのがさらに好ましい。
また、第2の凹部65の寸法は、特に限定されないが、ダイレータ10を弁体6に挿入する際、ダイレータ10の先端部101が第2の凹部65に引っ掛からない程度に設定するのが好ましく、例えば、底面651の第1のスリット61の方向の長さa(図8参照)は、ダイレータ10の先端部101の外径よりも小さく設定するのが好ましい。具体的には、自然状態において、底面651の第1のスリット61の方向の長さaは、0.2〜0.4mm程度であるのが好ましい。また、自然状態において、第2の凹部65の深さbは、0.1mm以上であるのが好ましく、0.1〜0.2mm程度であるのがより好ましい。
図12に示すように、この第2の凹部65は、弁体6がハブ2に装着される際に長軸方向に沿って交差部63に向って圧縮されるように変形し、これにより幅が狭くなるように変形するが、装着状態で完全には密着しないようになっている。
この第2の凹部65により、第1のスリット61における内面612同士の接触面積が減少し、これにより、電子線滅菌を行った際のブロッキングの発生をより確実に防止することができる。また、初回の挿入の際、第2の凹部65が、貼り付いている第1のスリット61が剥がれる切っ掛けとなる。これにより、初回の挿入の際、第1のスリット61が容易に剥がれ、第1のスリット61や第2のスリット62に損傷が生じてしまうのを防止することができ、また、初回の挿入の際の刺通抵抗が減少し、ダイレータ10を弁体6に容易に挿入することができる。
また、自然状態において、1対の第3の凹部66は、それぞれ、平面視で、丸みを帯びた形状をなしている。また、各第3の凹部66は、それぞれ、第1の凹部64内と第1の凹部64外とに跨って(第1の凹部64内から第1の凹部64外に跨って)形成されている。
図12に示すように、各第3の凹部66は、それぞれ、弁体6がハブ2に装着される際に長軸方向に沿って交差部63に向って圧縮されるように変形し、これにより幅が狭くなるように変形するが、装着状態で完全には密着しないようになっている。
これら第3の凹部66により、第1のスリット61における内面612同士の接触面積が減少し、これにより、電子線滅菌を行った際のブロッキングの発生をより確実に防止することができる。また、初回の挿入の際、第1のスリット61が容易に剥がれ、第1のスリット61や第2のスリット62に損傷が生じてしまうのを防止することができ、また、初回の挿入の際の刺通抵抗が減少し、ダイレータ10を弁体6に容易に挿入することができる。
また、第3の凹部66を設けることにより、弁体6の第1のスリット61(第1の空間611)の両端部の体積が減少するので、ダイレータ10を弁体6に挿入する際や弁体6から抜去する際の抵抗(摺動抵抗)が減少し、これにより、ダイレータ10の摺動性が向上し、容易に、ダイレータ10を弁体6に挿入したり、弁体6から抜去することができる。
また、第3の凹部66は、第1のスリット61の両端部に設けられているので、第3の凹部66を比較的大きくしても開閉部60のシール性に影響はない。
また、図8に示すように、自然状態において、第1のスリット61に沿って切ったときの縦断面(第1のスリット61と平行な側面視)で、各第3の凹部66の面積の合計値は、第2の凹部65の面積よりも大きいのが好ましく、各第3の凹部66の面積が、それぞれ、第2の凹部65の面積よりも大きいのがより好ましい。
これにより、ダイレータ10の摺動性がさらに向上し、より容易に、ダイレータ10を弁体6に挿入したり、弁体6から抜去することができる。
また、図示の構成では、1対の第3の凹部66の形状および寸法は、それぞれ、互いに同一になるように設定されているが、互いに異なっていてもよい。
また、各第3の凹部66の寸法は、それぞれ、特に限定されないが、例えば、深さは、図示の構成では、第1のスリット61の深さと等しく設定されている。
また、弁体6の凹面641側には、複数(図示の構成では、4つ)の突起(第2の突起)67が形成されている。これらの突起67は、第1の凹部64内に位置し、第1のスリット61を介して対向するように配置されている。
図示の構成では、平面視で、4つの突起67は、第1のスリット61を対称軸として線対称で、かつ、交差部63(弁体6の中心)を対称中心として点対称になるように配置されている。また、各突起67は、平面視で、交差部63を中心に、放射状に形成されている。
また、図示の構成では、各突起67の形状および寸法は、それぞれ、互いに同一になるように設定されているが、互いに異なっていてもよい。
また、各突起67の寸法は、それぞれ、特に限定されないが、例えば、高さは、0.1〜0.5mm程度であるのが好ましく、0.2〜0.3mm程度であるのがより好ましい。
なお、突起67は、図示の構成では、2対設けられているが、これに限らず、1対でもよく、また、3対以上でもよく、また、第1のスリット61を対称軸とした対称配置ではない奇数個でもよい。
図13に示すように、ダイレータ10を下方に移動させて弁体6に挿入する際は、弁体6は、その中央部が下方に変位するように湾曲し、各突起67が、それぞれ、ダイレータ10の外周面に接触(点接触)する。これにより、ダイレータ10の外周面と弁体6との接触面積が減少し、ダイレータ10を弁体6に挿入する際の抵抗(摺動抵抗)が減少し、これによって、ダイレータ10の摺動性が向上し、容易に、ダイレータ10を弁体6に挿入することができる。
また、ダイレータ10を弁体6に挿入する際、ダイレータ10は、各突起67により、弁体6の中心部、すなわち、交差部63に向かうように案内され、これにより、容易に、ダイレータ10を弁体6に挿入することができるとともに、弁体6の損傷を防止することができる。
また、図4、図8および図14〜図16に示すように、弁体6は、下面602側に形成されたリブ(壁部)68および突起(第1の突起)69をそれぞれ有している。これらリブ68および突起69により、ダイレータ10の摺動性が向上し、容易に、ダイレータ10の挿入・抜去を行うことができるとともに、開閉部60のシール性(密閉性)が向上する。以下、リブ68および突起69について説明する。
弁体6の下面602側には、下面602に沿って延在する1対のリブ68が形成されている。これらのリブ68は、それぞれ、円弧状をなしている。また、各リブ68は、第2のスリット62を介して対向するように配置されており、装着状態においては、各リブ68の外周面(外側)は、それぞれ、ハブ2の内周面に当接している。
図14に示す構成では、平面視で、各リブ68は、第2のスリット62を対称軸として線対称で、かつ、交差部63を対称中心として点対称になるように配置されている。
図2に示すように、弁体6がハブ2に装着される際は、各リブ68の外周面が、それぞれ、ハブ2の内周面に当接し、これにより、弁体6が長軸方向に沿って交差部63に向って圧縮されるように変形したときに、第2のスリット62がさらに開いてしまうのを防止することができる。これによって、開閉部60のシール性が維持される。
また、ハブ2内が陰圧になったときは、弁体6はハブ2内(下方)に引き込まれるが、各リブ68の外周面が、それぞれ、ハブ2の内周面に当接しており、また、各リブ68により弁体6が補強され、これにより、弁体6の変形が抑制され、第2のスリット62がさらに開いてしまうのを防止することができる。これによって、開閉部60のシール性が維持される。
リブ68の寸法は、特に限定されないが、例えば、リブ68の高さc(図15参照)は、0.3mm以上であるのが好ましく、0.3〜1.3mm程度であるのがより好ましく、0.5〜1mm程度であるのがさらに好ましい。
また、リブ68の第2のスリット62の方向の長さd(図14参照)は、第2のスリット62の長さ以上であるのが好ましく、例えば、3〜7倍程度であるのが好ましく、3.5〜6倍程度であるのがより好ましい。図示の構成では、リブ68の長さdは、第2のスリット62の長さよりも大きく設定されている。
また、一方のリブ68の各端部681と、他方のリブ68の各端部681との間には、それぞれ、所定の間隙が設けられている。すなわち、リブ68は、平面視で、第2のスリット62の延長線上には形成されていない。
これにより、弁体6がハブ2に装着される際に長軸方向に沿って交差部63に向って圧縮されるように変形したときに、その変形部分の逃げが確保され、これによって、弁体がハブ2に対して均一に接触(密着)し、ハブ2内の液密性が確実に保持される。
また、ダイレータ10を弁体6に対して移動(挿入・抜去)する際の抵抗(摺動抵抗)が必要以上に増大してしまうのを防止することができ、これによって、ダイレータ10の摺動性が向上し、容易に、ダイレータ10の挿入・抜去を行うことができる。
前記一方のリブ68の端部681と他方のリブ68の端部681との間の間隙距離f(図14参照)は、装着状態で、一方のリブ68の端部と他方のリブ68の端部とが接触しない程度とするのが好ましい。具体的には、自然状態において、間隙距離fは、0.5〜3mm程度であるのが好ましく、1〜2mm程度であるのがより好ましい。
また、自然状態において、第1のスリット61に対応する部位における、一方のリブ68の外周面と、他方のリブ68の外周面との間の長さ(リブ68の外周面の曲率半径の2倍の値)e(図14参照)は、そのリブ68に対応する部位のハブ2の内径よりも若干大きく設定されている。これにより、装着状態で、両リブ68の長さeとなる部分が、ハブ2の内周面によって交差部63に向って(第2のスリット62が閉じる方向に)圧縮され、よって、第2のスリット62が確実に閉じる。
なお、各リブ68の形状は、それぞれ、円弧状に限らず、例えば、楕円弧等の曲率の異なる部分を有する曲線状や、直線状(棒状)等であってもよい。
また、リブ68は、図示の構成では、1対設けられているが、これに限らず、2対以上でもよく、また、第2のスリット62を対称軸とした対称配置ではない奇数個でもよい。
また、図4および図14に示すように、弁体6の下面602側には、複数(図示の構成では、6つ)の突起69が形成されている。これらの突起69は、1対のリブ68のぞれぞれと、第2のスリット62との間に配置されている。すなわち、各突起69は、リブ68の内側(1対のリブ68の間)に位置し、第2のスリット62を介して対向するように配置されている。
図14に示す構成では、平面視で、6つの突起69は、第2のスリット62を対称軸として線対称で、かつ、交差部63(弁体6の中心)を対称中心として点対称になるように配置されている。また、各突起69は、平面視で、交差部63を中心に、放射状に形成されており、リブ68から交差部63に向って延在している。
また、各突起69は、等角度間隔(45°間隔)で形成されている。すなわち、平面視で、第1のスリット61に沿って、1対の突起69が形成されており、その1対の突起69の両側に、それぞれ、等角度間隔(45°間隔)で、突起69が形成されている。
図16に示すように、ダイレータ10を上方に移動させて弁体6から抜去する際は、弁体6は、その中央部が上方に変位するように湾曲し、各突起69が、それぞれ、ダイレータ10の外周面に接触(点接触)する。これにより、ダイレータ10の外周面と弁体6との接触面積が減少し、ダイレータ10を弁体6から抜去する際の抵抗(摺動抵抗)が減少し、これによって、ダイレータ10の摺動性が向上し、容易に、ダイレータ10を弁体6から抜去することができる。
また、特に、弁体6にダイレータ10が挿入されているとき、各突起69により弁体6が補強され、これにより、第2のスリット62が開き難くなり、これによって、開閉部60のシール性が向上する。
各突起69の形状および寸法は、それぞれ、特に限定されないが、図示の構成では、その先端部(第2のスリット62(交差部63)側の端部)691が丸みを帯びており、各突起69は、同一形状で、同一寸法に設定されている。以下の説明では、代表的に、1つの突起69について説明する。
突起69の先端部691の高さgは、0.2mm以上であるのが好ましく、0.3〜0.5mm程度であるのがより好ましい。
高さgを前記下限値以上にすることにより、外径の比較的大きい長尺部材(ダイレータ10)はもちろんのこと、外径の比較的小さい長尺部材を弁体6から抜去する際でも、各突起69がダイレータ10の外周面に接触し易くなる。
また、高さgを前記上限値以下にすることにより、弁体6の体積の増加量を比較的小さくすることができ、これによって、ダイレータ10を弁体6に対して移動(挿入・抜去)する際の抵抗(摺動抵抗)を比較的小さくすることができる。
また、突起69の基端部692(リブ68側の端部)の高さは、リブ68の高さcよりも低い。これにより、弁体6の体積の増加量を比較的小さくすることができ、ダイレータ10を弁体6に対して移動(挿入・抜去)する際の抵抗(摺動抵抗)を比較的小さくすることができる。
また、図示の構成では、突起69の高さ(図15中のg0)は、弁体6の外周部から中央部に向かって、すなわち、リブ68側から第2のスリット62(交差部63)側に向かって漸減している。これにより、ダイレータ10を弁体6に挿入する際、その摺動抵抗を比較的小さくすることができる。なお、突起69の高さ(図15中のg0)は、一定であってもよい。
前記突起69の下面693の下面602に対する傾斜角度θ2は、0〜10°程度であるのが好ましく、0〜8°程度であるのがより好ましい。
また、突起69の幅(図14中のw0)は、リブ68側から第2のスリット62側に向かって漸減している。これにより、ダイレータ10を弁体6に挿入する際、その摺動抵抗の増大を抑制することができる。
また、各突起69は、第2のスリット62に到達していない。これにより、ダイレータ10を弁体6に挿入する際、弁体6は、その中央部が下方に適度に変位するように湾曲し易くなり、上面601側の各突起67とダイレータ10の外周面とを確実に接触させることができる。
また、平面視で、各突起69の先端部691のそれぞれと、交差部63との間の間隙距離h(図14参照)は、すべて等しい。これにより、ダイレータ10を弁体6から抜去する際、各突起69のそれぞれとダイレータ10の外周面とを均一に接触させることができ、これにより、容易かつ安定的に、ダイレータ10を弁体6から抜去することができる。
前記間隙距離hは、特に限定されないが、自然状態で、0〜1.5mm程度であるのが好ましく、0.3〜0.5mm程度であるのがより好ましい。
また、突起69は、平面視で、第2のスリット62の延長線上には形成されていない。これにより、ダイレータ10を弁体6に対して移動(挿入・抜去)する際の抵抗(摺動抵抗)が必要以上に増大してしまうのを防止することができ、これによって、ダイレータ10の摺動性が向上し、容易に、ダイレータ10の挿入・抜去を行うことができる。
また、突起69は、図示の構成では、3対設けられているが、これに限らず、1対でもよく、また、2対でもよく、また、4対以上でもよく、また、第2のスリット62を対称軸とした対称配置ではない奇数個でもよい。図示の構成の他の好適な構成としては、例えば、図示の構成において、中央部の2つの突起69を形成せずに、両端部の4つの突起69を形成したもの、または、両端部の4つの突起69を形成せずに、中央部の2つの突起69を形成したもの等が挙げられる。
次に、上述した弁体6の製造方法について詳細に説明する。
上述したような弁体6は、主としてシリコーンゴムで構成され、スリットを有する弁体用部材を用意する弁体用部材用意工程と、スリットが開口した状態で、少なくともスリットの内面にプラズマ処理を施し改質するプラズマ処理工程とを有する方法により製造することができる。
弁体用部材用意工程で用意する弁体用部材は、通常、製造すべき弁体6に対応する形状を有するものである。より具体的には、弁体用部材は、第1のスリット61および第2のスリット62に対応するスリットを有している。
弁体用部材は、例えば、圧縮成形、LIM成形、トランスファー成形等の方法により成形することができる。なお、弁体6の第1のスリット61および第2のスリット62に対応する、弁体用部材のスリットは、上記のような方法による成形を行った後に形成するものであってもよいが、成形と同時に形成されるものであるのが好ましい。なお、本工程で用意する弁体用部材は、必ずしも、製造すべき弁体と同一の形状を有するものでなくてもよい。例えば、本工程において、弁体用部材として、製造すべき弁体6とは異なる形状のものを用意し、以下に説明するプラズマ処理を施した後に、機械加工等により、所望の形状となるようにしてもよい。
上記のような弁体用部材に対し、スリットが開口した状態で、少なくとも当該スリットの内面にプラズマ処理を施す(プラズマ処理工程)。
このような処理を施すことにより、弁体6において求められるシリコーンゴムの特性(例えば、弾力性、引裂き強度等の強度、硬度等)を十分に保持しつつ、弁体用部材のスリットの内面を改質することができ、電子線滅菌時におけるブロッキングの問題の発生を確実に防止することができる。より具体的には、例えば、弁体用部材が主としてポリジメチルシロキサンで構成されたものである場合、プラズマ処理により、ポリジメチルシロキサンが有するメチル基の一部が水酸基になったり、隣接するSi原子間でO原子が介在した三次元架橋構造(ケイ酸塩)が形成されることにより、電子線滅菌時におけるブロッキングの問題の発生が確実に防止される。また、プラズマ処理を施すことにより、例えば、ダイレータ10を弁体6に挿入する際や弁体6から抜去する際の摺動性を優れたものとすることができる。このため、弁体6のスリット(第1のスリット61、第2のスリット62)周辺への、シリコーンオイル等の潤滑剤の付与量を少なくしたり、潤滑剤の付与を省略した場合であっても、イントロデューサ1の操作性を十分に優れたものとすることができる。プラズマ処理によりおこる反応の一例を下記式(1)に示す。
Figure 0005318941
プラズマ処理工程は、弁体用部材のスリットが開口した状態で行うものであるが、本実施形態では、弁体用部材は、自然状態において、スリットが開口しているものである。これにより、プラズマ処理工程に際して、弁体用部材のスリットを強制的に開く必要がなく、スリットの内面全体に均一なプラズマ処理を施すことができる。その結果、製造される弁体6におけるブロッキングの発生をより確実に防止することができる。
また、製造すべき弁体(弁体用部材)が上述したような形状のものであると、弁体用部材の一方の面側のみからプラズマ処理を施した場合であっても、得られる弁体は、スリットの内面(第1のスリットおよび第2のスリットの内面)全体に、プラズマ処理が確実に施されたものとすることができる。
プラズマ処理としては、例えば、大気圧プラズマ処理、減圧プラズマ処理(低圧プラズマ処理)等が挙げられるが、大気圧プラズマ処理であるのが好ましい。これにより、大型な装置、複雑な装置を用いることなく、多数個の弁体用部材に対する処理を連続的に行うことができ、生産性良く弁体6を製造することができる。また、大気圧プラズマ処理を行うことにより、上記のような反応を好適に進行させることができ、製造される弁体6におけるブロッキングの発生をより確実に防止することができる。また、プラズマ処理時における弁体用部材へのダメージを効果的に防止することができる。
プラズマ処理工程において大気圧プラズマ処理を施す場合、以下のような条件を満足するのが好ましい。
大気圧プラズマノズルの直径(ノズル先端径)は、1〜10mmであるのが好ましく、2〜7mmであるのより好ましく、2.5〜5mmであるのがさらに好ましい。大気圧プラズマノズルの直径が前記範囲内の値であると、上述したような形状、大きさの弁体6を製造する場合において、プラズマ処理の効率を特に優れたものとし、弁体6の生産性を特に優れたものとすることができる。また、弁体用部材の一方の面側のみからプラズマ処理を施した場合であっても、得られる弁体6は、スリットの内面(第1のスリット61の内面612および第2のスリット62の内面622)全体に、プラズマ処理が確実に施されたものとすることができる。
また、大気圧プラズマノズルと弁体用部材との距離は、0.1〜30mmであるのが好ましく、5〜20mmであるのがより好ましい。これにより、上述したような形状、大きさの弁体6を製造する場合において、プラズマ処理の効率を特に優れたものとし、弁体6の生産性を特に優れたものとすることができる。また、弁体用部材の一方の面側のみからプラズマ処理を施した場合であっても、得られる弁体6は、スリットの内面(第1のスリット61の内面612および第2のスリット62の内面622)全体に、プラズマ処理が確実に施されたものとすることができる。
また、プラズマ処理時においては、非反応性ガスとして、Arガスを用いるのが好ましい。これにより、プラズマ処理の効率を特に優れたものとし、弁体6の生産性を特に優れたものとすることができる。
プラズマ処理時におけるArガス流量は、5〜30scfhであるのが好ましく、7〜25scfhであるのがより好ましく、10〜20scfhであるのがさらに好ましい。これにより、プラズマ処理の効率を特に優れたものとし、弁体6の生産性を特に優れたものとすることができる。また、弁体用部材の一方の面側のみからプラズマ処理を施した場合であっても、得られる弁体6は、スリットの内面(第1のスリット61の内面612および第2のスリット62の内面622)全体に、プラズマ処理が確実に施されたものとすることができる。
上記のようなプラズマ処理を施すことにより、少なくともスリット(第1のスリット61および第2のスリット62)の内面(内面612および内面622)が改質された弁体6が得られる。
そして、上記のようにして得られた弁体6は、第1のスリット61および第2のスリット62が閉じるように、圧縮力を加えた状態で、ハブ2に装着される。そして、弁体6を備えた医療用具としてのイントロデューサ1は、電子線滅菌に供される。なお、電子線滅菌前に、弁体6のスリット(第1のスリット61および第2のスリット62)には、ダイレータ10を弁体6に挿入する際や弁体6から抜去する際の摺動性をさらに向上させるために、例えば、シリコーンオイル等の潤滑剤を付与してもよい。
プラズマ処理の処理時間は、弁体用部材1個当たり、0.5〜50秒であるのが好ましく、1〜40秒であるのがより好ましく、1〜30秒であるのがさらに好ましい。これにより、プラズマ処理の効果を十分に発揮させつつ、弁体6の生産性を特に優れたものとすることができる。
イントロデューサ1への電子線の照射線量は、20〜100kGyであるのが好ましく、30〜80kGyであるのがより好ましい。電子線の照射線量が上記範囲内の値であると、医療用具としてのイントロデューサ1を確実に滅菌することができる。また、上述したように、弁体6のスリット(第1のスリット61、第2のスリット62)の内面(内面612、内面622)がプラズマ処理により改質されているため、上記のような比較的過酷な条件で電子線滅菌を行った場合であっても、ブロッキングの発生を確実に防止することができる。
以上説明したように、イントロデューサ1(弁体6)によれば、ダイレータ10の挿入・抜去を容易に行うことができる。また、ダイレータ10の挿入・抜去を頻繁に繰り返したりしたとしても、第1のスリット61や第2のスリット62に損傷が生じるのを防止することができ(耐久性が高く)、開閉部60のシール性(密閉性)が、維持される。すなわち、ハブ2内の液密性は、維持され、ハブ2内に満たされた液体(例えば、血液)の漏れを確実に防止することができる。
なお、弁体6を介して、シース7内に挿入される部材(長尺部材)としては、ダイレータ10に限定されず、例えば、カテーテル、ガイドワイヤ等であってもよい。また、弁体に挿入される部材は、長尺部材でなくてもよい。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記のようなものに限定されるものではない。
例えば、弁体および医療用具の各部の構成は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、第1のスリットおよび第2のスリットは、それぞれの形状が平面視で一文字状をなしているのに限定されず、例えば、平面視で、第1のスリットおよび第2のスリットのうちの一方のみが一文字状をなしていてもよいし、また、第1のスリットおよび第2のスリットのそれぞれが一文字状以外の形状をなしていてもよい。
また、第1の空間および第2の空間の双方が、それぞれ、深さが交差部から遠ざかる方向に向かって漸減したものとなっているが、これに限定されず、一方の空間のみが、その深さが交差部から遠ざかる方向に向かって漸減したものとなっていてもよい。
また、前記深さは、交差部から遠ざかる方向に向かって漸減したものとなっているが、これに限定されず、例えば、均一となっていてもよい。
また、第1の空間および第2の空間の双方が、それぞれ、幅が交差部に向かって漸減する部分を有するものとなっているが、これに限定されず、一方の空間のみが、幅が交差部に向かって漸減する部分を有するものとなっていてもよい。
また、前述した実施形態では、弁体(弁体用部材)は、その一方の面にのみ到達する第1のスリットと、その他方の面にのみ到達し内部において第1のスリットと交差する第2のスリットとを、自然状態において開口しているスリットとして有するものとして説明したが、弁体(弁体用部材)が有するスリットは、このような構成のものでなくてもよい。例えば、本発明において、弁体(弁体用部材)は、両側の面に到達するスリットを有するものであってもよいし、自然状態において開口しないスリットを有するものであってもよい。本発明において、弁体(弁体用部材)は、板状をなすものでなくてもよく、例えば、いわゆるダックビル弁であってもよい。
また、上記の説明では、弁体(弁体用部材)は、その全体が主としてシリコーンゴムで構成されたものとして説明したが、本発明では、少なくともその表層部(特に、スリット内面の表層部)が主としてシリコーンゴムで構成されたものであればよい。
また、本発明の医療用具は、イントロデューサに限定されるものではない。
次に、本発明の弁体の具体的実施例について説明する。
1.シース(イントロデューサ)の作製
(実施例1)
まず、シリコーンゴム(ポロジメチルシロキサン)を用いて、トランスファー成形で、図3〜図15に示すような形状の弁体用部材を作製した。
次に、自然状態(スリットが開口した状態)の弁体用部材に対して、大気圧プラズマ処理を施すことにより、スリット内面全体を含む領域を改質し、弁体を得た。大気圧プラズマ処理は、大気圧プラズマ処理装置(トライスターテクノロジー社製、PT−2000P、大気圧プラズマノズルの直径(ノズル先端径):1/8インチ(3.2mm))を用いて、Arガス流量:15scfh、大気圧プラズマノズルと弁体用部材との距離:8.7〜10.0mm、電流:0.5〜3.0Aという条件で行った。
次に、この弁体を装着して、図1および図2に示すシース(イントロデューサ)を作製し、その後、電子線滅菌(処理時間:1.0秒、線量:70kGy)を行った。
なお、自然状態における弁体の各部の寸法は、下記の通りであった。
弁体の長径:8.6mm
弁体の短径:7.7mm
弁体の厚さ:1.3mm
第1のスリットの平面視での長さ:4.4mm
第1のスリットの最大の深さk1:1.0mm
第1のスリットの底面613の曲率半径:2.9mm
第2のスリットの平面視での長さ:3.5mm
第2のスリットの最大の深さk2:0.5mm
第2のスリットの底面613の曲率半径:3.1mm
交線(辺631〜638)の長さの総和:1.9mm(L1:0.15mm、L2:0.40mm、L3:0.3mm、θ:22°)
第1の凹部64の中央部の深さ(最大深さ):0.4mm
第2の凹部65の底面651の長さa:0.56mm
第2の凹部65の深さb:0.1mm
第2の凹部65の側面652の傾斜角度θ1:65〜75°
リブ68の高さc:0.8mm
リブ68の長さd:5.3mm
各リブ68の外周面の間の長さe:5.4mm
各リブ68の端部681の間の間隙距離f:1.5mm
突起69の先端部691の高さg:0.3mm
突起69の先端部691と交差部63との間の間隙距離h:0.9mm
突起69の下面693の傾斜角度θ2:8°
(実施例2〜8)
大気圧プラズマの条件、弁体(弁体用部材)の交線の条件(交線の長さの総和、L1、L2、L3、θ)を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にしてシース(イントロデューサ)を作製した。
上記各実施例で作製した弁体用部材および弁体のスリットの内面について、フーリエ変換赤外分光分析(FT−IR分析)を行い、大気圧プラズマ処理の前後での差スペクトルを得た。その結果、改質により生じた水酸基のシグナル、改質により生じた三次元架橋構造(ケイ酸塩)のシグナルが確認された。実施例3についてのチャート、差スペクトルを図17、図18に示す。
(比較例1)
弁体用部材に対してプラズマ処理を施さずにそのまま弁体として用いた以外は、前記実施例1と同様にしてシース(イントロデューサ)を作製した。すなわち、本比較例では、弁体として、プラズマ処理が施されていないものを用いた。
(比較例2)
電子線滅菌に先立ち弁体のスリット付近にシリコーンオイルを塗布した以外は、前記比較例1と同様にしてシース(イントロデューサ)を作製した。
(比較例3)
弁体用部材に対してプラズマ処理を施す代わりに、紫外線照射処理を行った以外は、前記実施例1と同様にしてシース(イントロデューサ)を作製した。なお、紫外線照射処理は、UV−ドライプロセッサーのインライン処理装置(VUM−3164−B、オーク製作所社製)を用いて、184.9nmと253.7nmの波長の紫外線を、放射照度:27mW/cm、照射時間:10分間、積算光量:16.2J/cmという条件照射することにより行った。
(比較例4)
弁体用部材に対してプラズマ処理を施す代わりに、電子線照射処理(10MeV)を行った以外は、前記実施例1と同様にしてシース(イントロデューサ)を作製した。
(比較例5)
弁体用部材に対してプラズマ処理を施す代わりに、電子線照射処理(60keV)を行った以外は、前記実施例1と同様にしてシース(イントロデューサ)を作製した。
(比較例6)
自然状態において、平面視で直径が8mmの円形の弁体とし、刃物加工により、自然状態で閉じている第1のスリットおよび第2のスリットを形成した以外は、前記比較例1と同様にしてシース(イントロデューサ)を作製した。なお、比較例の弁体は、第1のスリットおよび第2のスリットがそれぞれ自然状態で閉じているため、「交線の長さの総和」といった概念がない。
2.評価
前記各実施例および各比較例に対して、それぞれ、下記の評価を行った。
[2.1]刺通抵抗
オートグラフ(島津製作所社製、AG−I)を用いて、滅菌後のシース(イントロデューサ)の弁体の中心部にダイレータ(テルモ社製、6Fr、0.035“)を刺通した際の最大抵抗値(初回刺通抵抗値)を測定した。初回刺通抵抗値としては、200mm/minの速度で、20mm動作させたときの最大応力を求めた。
前記各実施例および各比較例のそれぞれにおいて、5個のサンプルについて行い、その平均値を求めた。
[2.2]シール性の評価
滅菌後のシース(イントロデューサ)に対して、外径が2mmのダイレータ(テルモ社製)を弁体に挿入し、この状態で、下記のようにしてシール性を確認した。また、3種類の寸法のガイドワイヤをそれぞれ挿入した状態と、何も挿入していない状態とにおいて、それぞれ、下記のようにしてシール性を確認した。なお、ガイドワイヤとしては、その外径が、0.89mm、0.46mm、0.36mmの3種類について行った。
評価としては、シースの先端部の開口を封止し、サイドポートから、空気を0.4kgf/cmにて注入し、水中にて空気の漏れを目視で確認した。
前記各実施例および各比較例のそれぞれにおいて、30個のサンプルについて行い、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや悪い
×:悪い
[2.3]耐久性
滅菌後のシース(イントロデューサ)に対して、外径が2mmの血管造影カテーテル(テルモ社製、ハートキャス)を挿入し、その後、ストロークを200mm、1往復を1回とし、400mm/secの速度で1000回繰り返して動作させた。
そして、前記弁体からカテーテルを抜去した後、弁体に、外径が2mmのダイレータ(テルモ社製)を挿入した状態と、3種類の寸法のガイドワイヤをそれぞれ挿入した状態と、何も挿入していない状態とにおいて、それぞれ、下記のようにしてシール性を確認した。なお、ガイドワイヤとしては、その外径が、0.89mm、0.46mm、0.36mmの3種類について行った。
シースの先端部の開口を封止し、サイドポートから、空気を0.3kgf/cmにて注入し、水中にて空気の漏れを目視で確認した。
前記各実施例および各比較例のそれぞれにおいて、30個のサンプルについて行い、下記の基準で評価した。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや悪い
×:悪い
これらの結果を下記表1に示す。
Figure 0005318941
上記表1から明らかなように、各実施例(本発明)では、良好な結果が得られた。これに対し、各比較例では、良好な結果が得られなかった。
本発明の弁体の製造方法は、主としてシリコーンゴムで構成され、スリットを有する弁体用部材を用意する弁体用部材用意工程と、前記スリットが開口した状態で、少なくとも前記スリットの内面にプラズマ処理を施し改質するプラズマ処理工程とを有する。そのため、スリットの内面におけるブロッキングの発生を確実に防止することができ、部材を挿入・抜去する際の操作を容易に行なうことができるとともに、部材を挿入・抜去する際に、スリットに損傷が生じてしまうのを確実に防止することができる。従って、本発明の弁体の製造方法は、産業上の利用可能性を有する。

Claims (10)

  1. 主としてシリコーンゴムで構成され、スリットを有する弁体用部材を用意する弁体用部材用意工程と、
    前記スリットが開口した状態で、少なくとも前記スリットの内面にプラズマ処理を施し改質するプラズマ処理工程とを有し、
    前記プラズマ処理工程では、前記弁体用部材の前記スリットが開口した状態で、少なくとも前記スリットの内面にプラズマ処理を施して改質することを特徴とする弁体の製造方法。
  2. 前記弁体用部材は、自然状態において、前記スリットが開口しているものである請求項1に記載の弁体の製造方法。
  3. 前記弁体用部材は、板状をなし、前記弁体用部材の一方の面にのみ到達する第1のスリットと、前記弁体用部材の他方の面にのみ到達し、内部において前記第1のスリットと交差する第2のスリットとを有し、
    前記弁体用部材に外力が付与されていない自然状態において、前記第1のスリットは、開口し、その内面によって第1の空間が形成され、前記第2のスリットは、開口し、その内面によって第2の空間が形成され、前記第1の空間と前記第2の空間とは、これらの交差部を介して互いに連通している請求項2に記載の弁体の製造方法。
  4. 前記プラズマ処理は、大気圧プラズマ処理である請求項1ないし3のいずれかに記載の弁体の製造方法。
  5. 主としてシリコーンゴムで構成され、スリットを有する弁体であって、
    少なくとも前記スリットの内面にプラズマ処理が施され、改質されており、
    自然状態において、前記スリットが開口しているものであることを特徴とする弁体。
  6. 前記スリットの内面には、水酸基、および/または、隣接するSi原子間でO原子が介在した三次元架橋構造(ケイ酸塩)が導入されている請求項5に記載の弁体。
  7. 弁体は、板状をなすものであり、弁体の一方の面にのみ到達する第1のスリットと、弁体の他方の面にのみ到達し、内部において前記第1のスリットと交差する第2のスリットとを有し、
    弁体に外力が付与されていない自然状態において、前記第1のスリットは、開口し、その内面によって第1の空間が形成され、前記第2のスリットは、開口し、その内面によって第2の空間が形成され、前記第1の空間と前記第2の空間とは、これらの交差部を介して互いに連通している請求項5または6に記載の弁体。
  8. 請求項5ないし7のいずれかに記載の弁体と、
    前記弁体が装着される装着部を有するハブとを備えることを特徴とする医療用具。
  9. 前記弁体は、前記装着部に装着された装着状態においては、圧縮されるように変形して、前記スリットの内面が密着して閉じるよう構成されたものである請求項に記載の医療用具。
  10. 前記スリットが閉じた状態で、電子線滅菌が施されたものである請求項8または9に記載の医療用具。
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