JP2004215522A - 米粒中のγ−アミノ酪酸を富化させる方法及びその方法によって得られた米粒 - Google Patents

米粒中のγ−アミノ酪酸を富化させる方法及びその方法によって得られた米粒 Download PDF

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Kosei Ryu
厚清 劉
Motonobu Kono
元信 河野
Koji Kawakami
晃司 川上
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Satake Engineering Co Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、米粒中におけるγ−アミノ酪酸(GABA)の富化を更に向上させることを技術的課題としたものである。
【解決手段】本発明の方法は、胚芽を有する米粒に洗米することによって水を添加し、この後、水切りした米粒を空気に晒した状態で放置することにより、米粒内部において、グルタミン酸が変化してγ−アミノ酪酸に生成される。本発明はこのように、グルタミン酸からγ−アミノ酪酸への変化を、浸漬中で行なわせるのではなく、空気に晒して放置させている間に行なわせるので、米粒中のグルタミン酸が水中に溶出することがなく、米粒中に残存したグルタミン酸がγ−アミノ酪酸に生成されるので富化が向上する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、米粒に含まれるγ−アミノ酪酸を富化させる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、γ−アミノ酪酸は人体の血圧を低下させる作用がある物質として注目されており、例えば、γ−アミノ酪酸を富化させた食品素材が知られている(例えば、特許文献1参照)。該特許文献1に記載の食品素材は胚芽米等に関するもので、例えば、胚芽米を所定のpHでかつ所定の温度の水に所定時間浸漬し、この後乾燥させて得ると記載されており、γ−アミノ酪酸は、浸漬されている間に、胚芽米内部において、グルタミン酸から変化して生成されると記載されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許2590423号公報(第1−2頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記のγ−アミノ酪酸を富化する方法において、以下の問題点に着目した。すなわち、胚芽米の浸漬中に、胚芽米内部から一部のグルタミン酸が溶け出していることを発見し、このグルタミン酸の溶出分がγ−アミノ酪酸を富化するうえでのマイナス影響となっているのではないか、と考えた。
本発明は、米粒中におけるγ−アミノ酪酸の富化を更に向上させることを技術的課題としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の方法は、
胚芽を有する米粒を洗米した後に水切りし、この米粒を空気に晒した状態で放置することにより米粒中のγ−アミノ酪酸を富化させる方法である。この方法によると、洗米によって米粒表面を洗浄するとともに米粒内部に水を添加し、この後、該米粒を空気に晒した状態で放置する。この放置させている間に、米粒内部においては、グルタミン酸が変化してγ−アミノ酪酸に生成されることになる。このように本方法によると、グルタミン酸からγ−アミノ酪酸への変化・生成を、浸漬中で行なわせるのではなく、空気に晒して放置させている間に行なわせるので、米粒中のグルタミン酸が水中に溶出することがない。このため溶出せずに米粒内に存在するグルタミン酸もγ−アミノ酪酸に変化するので、γ−アミノ酪酸の生成量が増加することになるのである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態における一例を説明する。原料の米は、平成14年度広島産あきたこまちを5分搗きにしたものとした(以下、「胚芽米」という)。該胚芽米は胚芽残存率が91%、水分が約14%、γ−アミノ酪酸(以下、「GABA」という)の含有量が約3.9mg/100gであった。以下、本発明との比較のため、原料は胚芽米を原料1,2として用意した。ます、原料1,2を洗米する。洗米は、前記原料1,2を、常温(約10℃前後)でPH=7.0の水道水が入った容器の中に入れて攪拌し、その後、ざるに入れて水切りし、この後、再度前記水道水の入った容器に入れて攪拌し、この作業の繰り返しを約3分間掛けて行なう。この洗米により、米粒表面が洗浄されるとともに、米粒内部に水が添加される。続いて、洗米後に水切りした原料1,2のうち、原料2を約30℃の室温内で24時間放置させる。原料2はこのようにして放置されている間に、米粒内部においてグルタミン酸が変化してGABAに生成される。
【0007】
この24時間放置させた原料2と、洗米直後の原料1とのそれぞれに含まれるGABAの量をそれぞれ測定し、測定結果をグラフ1に示した(図1の「洗米後」参照)。このグラフ1から解るように、洗米後に放置させた原料2の方が、GABAの含有量の増加が断然多い。なお、原料1もGABAの含有量が増加しているが、これは、胚芽米は洗米の際、洗米水が添加されただけで、各米粒内部においてグルタミン酸が変化してGABAに生成されたためである。
【0008】
次に、前述のようにして洗米した原料1,2を、前記水道水が入った容器内に30分間浸漬し、この後水切りする。水切りした原料1,2のうち、原料2は前述のように、約30℃の室温内で24時間放置させる。そして、この24時間放置させた原料2と、30分間浸漬後に水切りした原料1の各GABA含有量を測定し、測定結果をグラフ1に示した(図1の「30分浸漬後」参照)。このグラフ1から解るように、30分浸漬後に放置させた原料2の方が、GABAの含有量が断然多いといえる。
【0009】
ここで、グラフ1から解るように、「洗米後」と「30分浸漬後」とでは「30分浸漬後」の方がGABAの含有量が少ない。この減量の理由は、原料である胚芽米を水中に浸漬している間に、胚芽米に含まれたグルタミン酸が溶出して減少したためと考えられる。さらに、浸漬時間を60分間、120分間にした際のGABAの含有量をグラフ1の「60分浸漬」、「120分浸漬」に示しているが、浸漬時間が長いほどGABAの含有量が減少していることが解る。減少の理由は前述のようにグルタミン酸の溶出であり、浸漬時間が長いほどグルタミン酸の溶出量が増加していると考えられる。しかしながら、「60分浸漬」、「120分浸漬」においても、浸漬後に放置させた原料2の方が、浸漬後に放置させない原料1よりもGABAの含有量、つまりグルタミン酸がGABAに変化・生成する量が断然多いことも解る。
【0010】
以上のようにして胚芽米はGABAが富化した米粒となり、該米粒は公知の乾燥装置によって乾燥し、製品に仕上げるとよい。
【0011】
一方、前記胚芽米(5分搗き米)と精白米との各原料を用意し、本発明による効果の比較をした。前記胚芽米と精白米を共に上記のようにして洗米し、この後水切りして約30℃の室温内で24時間放置させた。そして、この24時間放置後における胚芽米と精白米とに含まれる各GABA含有量を測定し、測定結果をグラフ2に示した(図2の「洗米後放置」参照)。該グラフ2から解るように、胚芽米の方が精白米よりもGABA含有量が断然多いことが解る。また、精白米の方は、洗米する前の含有量よりも減少していることが解る。グラフ2の結果から、米粒内のGABAを富化させるためには、原料は、少なくとも米粒に胚芽が残留している必要があることが解る。
【0012】
以上、本発明は、胚芽が残った米粒を洗米して水切りし、該米粒を空気に晒した状態で放置することにより、この放置させている間に、米粒内部において、グルタミン酸がGABAに変化して生成されることになる。本発明は、グルタミン酸からGABAへの変化を、浸漬中で行なわせるのではなく、水を添加したいわゆる胚芽米を空気に晒して放置させている間に行なわせるので、米粒中のグルタミン酸が水中に溶出することがないのである。このため、溶出せずに米粒内に残存するグルタミン酸の量が、前述の浸漬させて行なう方法よりも多いので、生成されるGABAの量が増加することになる。
【0013】
なお、上記説明においては、胚芽米は5分搗き米にしたが、これに限るものではなく、少なくとも胚芽が米粒に残留したものであればよい。また、前記放置時間についても、24時間に限るものではなく、放置時間は適宜変更してもよい。さらに、洗米時間についても適宜変更してもよい。
【0014】
【発明の効果】
本発明の方法は、グルタミン酸からGABA(γ−アミノ酪酸)への変化を浸漬中で行なわせるのではなく、洗米して水切りした米粒を空気に晒して放置させている間に行なわせるので、米粒中のグルタミン酸が水中に溶出することがない。このため溶出せずに米粒内に存在するグルタミン酸もGABAに変化するので、GABAの生成量が増加することになる。また、本発明によると、GABAの生成の際に浸漬しないで行なう方法であるので、水の使用は、洗米水のみでよく、大量の水を使用する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】原料を洗米し、放置した米粒と放置しない米粒におけるGABAの含有量、また、浸漬時間によるGABAの含有量変化を示したグラフ1である。
【図2】原料を精白米と胚芽米とにし、洗米して水切りしたものを放置したときのGABAの含有量を示したグラフ2である。

Claims (2)

  1. 胚芽を有する米粒を洗米した後に水切りし、この米粒を空気に晒した状態で放置させることを特徴とする米粒中のγ−アミノ酪酸を富化させる方法。
  2. 前記請求項1の方法によって得られたことを特徴とする米粒。
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JP2009201396A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Satake Corp 穀物胚芽又は穀物胚芽を含む穀粉の機能性成分の増加方法
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