JP2004215376A - スイッチング電源回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源回路の電力変換効率の向上、及び低コスト化。
【解決手段】一次側には、電流共振形コンバータと部分電圧共振回路を組み合わせた複合共振形コンバータを備え、複数の二次側直流出力電圧を生成する構成とする。そして、これら複数の二次側直流出力電圧のうち、特定の1つの二次側直流出力電圧については、一次側スイッチングコンバータのスイッチング周波数を可変制御することによって定電圧化を図り、残る二次側直流出力電圧のそれぞれのについては、二次側直流出力電圧のレベルに応じて、制御トランスの制御巻線に流す制御電流レベルを可変することで、整流電流経路に挿入した被制御巻線のインダクタンスを変化させ、これにより、定電圧化を図る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種電子機器に電源として備えられるスイッチング電源回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スイッチング電源回路として、例えばフライバックコンバータやフォワードコンバータなどの形式のスイッチングコンバータを採用したものが広く知られている。これらのスイッチングコンバータはスイッチング動作波形が矩形波状であることから、スイッチングノイズの抑制には限界がある。また、その動作特性上、電力変換効率の向上にも限界があることが分かっている。
そこで、先に本出願人により、各種共振形コンバータによるスイッチング電源回路が各種提案されている。共振形コンバータは容易に高電力変換効率が得られると共に、スイッチング動作波形が正弦波状となることで低ノイズが実現される。また、比較的少数の部品点数により構成することができるというメリットも有している。
【0003】
そして、本出願人が先に特許出願した電源回路の1つとして、一次側スイッチングコンバータとして電圧共振形コンバータを備え、二次側においては複数の二次側直流出力電圧を生成して出力するように構成したものがある。
そして、二次側直流出力電圧の安定化は、例えばメインとなる二次側直流出力電圧については、一次側スイッチングコンバータのスイッチング周波数を制御することによるスイッチング周波数制御方式を採る。また、他の所要の二次側直流出力電圧については、その二次側直流出力電圧を生成するための整流電流経路に対して、直交型制御トランス(可飽和リアクトル)の被制御巻線を直列に挿入する。そして、二次側直流出力電圧のレベルに応じて直交型制御トランスの制御巻線に流す制御電流レベルを可変することで被制御巻線のインダクタンスを可変し、これにより、整流電流経路に流すべき電流レベルをコントロールして二次側直流出力電圧の定電圧化を行うようにしているものである(特許文献1参照)。
【0004】
そして、上記した電源回路に基づいて構成される、先行技術としての電源回路を図14に示す。この図14に示す電源回路も、一次側スイッチングコンバータとして共振形コンバータを備え、二次側においては複数の二次側直流出力電圧を生成する構成とされている。ただし、上記した電源回路は、一次側スイッチングコンバータが電圧共振形コンバータであるのに対して、図14に示す電源回路は電流共振形コンバータとされている。例えば二次側直流出力電圧を生成する整流回路系は、一次側スイッチングコンバータが電圧共振形コンバータである場合には、半波整流回路としての構成を採ることになるが、電流共振形コンバータとされる場合には全波整流回路を形成することが可能となる。これにより、スイッチング電源回路としての電流容量を増加させることができる。
【0005】
この図14に示す電源回路においては、先ず、商用交流電源ACに対して、1つのコモンモードチョークコイルCMCと2本のアクロスコンデンサCLを接続して形成される、コモンモードノイズフィルタが設けられる。コモンモードノイズフィルタは、例えばスイッチングコンバータ側から商用交流電源ACに伝わるノイズを抑制する。
【0006】
そして、上記コモンモードノイズフィルタの後段における商用交流電源ACのラインに対しては、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiからなる全波整流回路が備えられる。この全波整流回路による整流平滑動作によって、平滑コンデンサCiの両端電圧として、交流入力電圧VACの等倍に対応するレベルの整流平滑電圧Eiが得られる。
【0007】
上記整流平滑電圧Eiを直流入力電圧として入力して動作するスイッチングコンバータとしては、この場合、電流共振形コンバータとしての基本構成に対して少なくとも一次側に部分電圧共振回路を備えた、複合共振形コンバータとしての構成を採る。
そして、ここでは、図示するようにして、MOS−FETによる2本のスイッチング素子Q1(ハイサイド),Q2(ローサイド)をハーフブリッジ結合により接続している。スイッチング素子Q1,Q2の各ドレイン−ソース間に対しては、図示する方向により、それぞれダンパーダイオードDD1,DD2を並列に接続している。
【0008】
また、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対しては、部分共振コンデンサCpが並列に接続される。この部分共振コンデンサCpのキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
【0009】
コントロールIC2は、電流共振形コンバータを他励式により駆動するための発振回路、制御回路、及び保護回路等を備えて構成されるもので、内部にバイポーラトランジスタを備えた汎用のアナログIC(Integrated Circuit)とされる。このコントロールIC2は、電源入力端子Vccに入力される直流電圧により動作する。この場合の電源入力端子Vccは、起動抵抗Rsを介して整流平滑電圧Eiのラインと接続されている。コントロールIC2は、の起動抵抗Rsを介して入力される整流平滑電圧Eiにより起動して動作することになる。また、このコントロールIC2は、アース端子Eにより一次側アースに接地させるようにしている。
【0010】
そして、コントロールIC2においては、スイッチング素子に対してドライブ信号(ゲート電圧)を出力するための端子として、2つのドライブ信号出力端子VGH,VGLが備えられる。
ドライブ信号出力端子VGHからは、ハイサイドのスイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号が出力され、ドライブ信号出力端子VGLからは、ローサイドのスイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号が出力される。
そして、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるハイサイド用のドライブ信号は、スイッチング素子Q1のゲートに対して印加され、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるローサイド用のドライブ信号は、スイッチング素子Q2のゲートに対して印加されるようになっている。
そして、スイッチング素子Q1,Q2は、それぞれ上記ドライブ信号出力端子VGH,VGLから出力されるドライブ信号によって、所要のスイッチング周波数により交互にオン/オフするようにしてスイッチング動作を行う。
【0011】
絶縁コンバータトランスPITはスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力を二次側に伝送するものであり、この場合には、一次巻線N1と、2組の二次巻線N2,N2Aが巻装される。
この場合、絶縁トランスPITの一次巻線N1の一端は、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインとの接続点(スイッチング出力点)に対して、直列共振コンデンサC1の直列接続を介して接続される。また、一次巻線N1の他端は、一次側アースに接続される。
【0012】
上記した接続態様によると、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力点に対して、直列共振コンデンサC1−一次巻線N1の直列回路が接続されていることになる。これにより、直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと、一次巻線N1を含む絶縁コンバータトランスPITのリーケージインダクタンスL1とによって、一次側直列共振回路が形成される。そして、上記のようにして、この一次側直列共振回路がスイッチング出力点に対して接続されていることで、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力が一次側直列共振回路に伝達されることになる。一次側直列共振回路では伝達されたスイッチング出力に応じて共振動作するが、これによって、一次側スイッチングコンバータの動作を電流共振形とする。
【0013】
従って、この図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、一次側直列共振回路(C1−L1)による電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振回路(Cp//L1)とによる部分電圧共振動作とが得られることになる。
つまり、この図に示す電源回路は、一次側スイッチングコンバータを共振形とするための共振回路に対して、他の共振回路とが組み合わされた形式を採っていることになる。つまり、複合共振形コンバータとしての構成を採っている。
【0014】
絶縁コンバータトランスPITの二次側に巻装される二次巻線N2,N2Aの各々においては、一次巻線N1に伝達されたスイッチング出力に応じた交番電圧が励起される。
先ず、二次巻線N2に対しては、図示するようにしてセンタータップを設けて二次側アースに接続した上で、整流ダイオードDo1,Do2、及び平滑コンデンサCoから成る両波整流回路を接続している。これにより、平滑コンデンサCoの両端電圧として二次側直流出力電圧Eoが得られる。この二次側直流出力電圧Eoは、図示しない負荷側に供給されるとともに、次に説明する制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
【0015】
制御回路1は、上記二次側直流出力電圧Eoのレベルに応じて、そのレベルが可変される電流又は電圧を制御出力として得る。この制御出力は、コントロールIC2の制御端子Vcに対して出力される。
コントロールIC2では、制御端子Vcに入力された制御出力レベルに応じて、ドライブ信号出力端子VGH,VGLから出力すべきハイサイド用のドライブ信号と、ローサイド用のドライブ信号とについて、互いに交互にオン/オフさせるタイミングを保たせたうえで、各ドライブ信号の周波数を同期させた状態で可変するように動作する。
これにより、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は、制御端子Vcに入力された制御出力レベル(つまり二次側直流出力電圧レベル)に応じて、可変制御されることになる。
スイッチング周波数が可変されることによっては、一次側直列共振回路における共振インピーダンスが変化することになる。このようにして共振インピーダンスが変化することによっては、一次側直列共振回路の一次巻線N1に供給される電流量が変化して二次側に伝送される電力も変化することになる。これにより、二次側直流出力電圧Eoのレベルが変化することとなって、二次側直流出力電圧Eoについての定電圧制御が図られることになる。
【0016】
また、この場合には、二次側直流出力電圧Eoに対して、図示するようにして、MOS−FEのスイッチング素子Q3、整流ダイオードD3、チョークコイルL10、平滑コンデンサCo3から成る降圧形コンバータが接続されている。
この降圧形コンバータは、二次側直流出力電圧Eoを入力してスイッチング素子Q3によりスイッチングを行って得られる交番電圧を、整流ダイオードD3及びチョークコイルL10により半波整流して、平滑コンデンサCo3に充電することで、二次側直流出力電圧Eoから降圧された二次側直流出力電圧Eo2を生成する。
【0017】
二次側直流出力電圧Eo2に対する定電圧制御は、制御回路3によって行われる。
制御回路3には二次側直流出力電圧Eo2が入力されており、この入力された二次側直流出力電圧Eo2のレベルに応じて、スイッチング素子Q3のゲートに出力するドライブ信号について、例えばスイッチング周波数は一定としたうえで、1周期内のパルス幅を可変する。つまり、PWM制御を行う。これにより、1スイッチング周期内におけるスイッチング素子Q3の導通角が可変される結果、二次側直流出力電圧Eo2のレベルも変化することになる。このようにして、二次側直流出力電圧Eo2を可変制御することによって、二次側直流出力電圧Eo2に対する安定化が図られることになる。
【0018】
また、二次巻線N2Aに対してもセンタータップを設けて二次側アースに接続した上で、図示するようにして、整流ダイオードDo3,Do4、及び平滑コンデンサCo1から成る両波整流回路が形成されており、平滑コンデンサCo1の両端には直流電圧が得られるようになっている。
そして、この場合には、平滑コンデンサCo1の出力である直流電圧に対して三端子レギュレータ4を接続することで、平滑コンデンサCo2の両端電圧として、安定化された二次側直流出力電圧Eo1を得るようにされる。
【0019】
ここで、上記のようにして二次側で得られる二次側直流出力電圧Eo,Eo1,Eo2についての負荷条件は次のようになっている。
Eo=5.0V/6A〜2A
Eo1=12.0V/1A〜0.2A
Eo2=3.3V/6A〜2A
上記した負荷条件によると、二次側直流出力電圧Eoが最も負荷電力が大きい。このために、二次側直流出力電圧Eoについては、定電圧制御として最も支配力が大きく、また、電力損失の少ないスイッチング周波数制御によって行うようにしている。
また、二次側直流出力電圧Eoの次に負荷電力が大きいのは、二次側直流出力電圧Eo2となる。この二次側直流出力電圧Eo2においても負荷電流量は相応に大きなものとなるので、この場合には、スイッチング周波数制御以外の手段として、降圧形コンバータを備えることによって定電圧化することとしているものである。
残る二次側直流出力電圧Eo1は、負荷電流量が少ないことから、三端子レギュレータ4による簡易な安定化を図っている。
【0020】
【特許文献1】
特開2000−064981号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図14に示す電源回路においては、次のような問題を有している。
図14に示す電源回路のDC/DC電力変換効率(ηDC/DC)は、二次側直流出力電圧Eoについては94%であるが、Eo1については80%、Eo2については92%であり、総合的には88%程度にとどまる。
つまり、図14に示す回路は、複数の二次側直流出力電圧を個々に安定化するために、三端子レギュレータ4等のシリーズレギュレータ、及び降圧形コンバータを付加する構成を採るのであるが、これらシリーズレギュレータ及び降圧形コンバータにおける電力損失がどうしても多くなる。このため、負荷側の条件として負荷電力変動が大きいような場合には、電力損失がさらに増加するので、シリーズレギュレータや降圧形コンバータに対して放熱板を設ける必要も生じ、例えば回路規模の拡大やコスト高にもつながってしまう。
【0022】
また、図14に示す電源回路では、一次側複合共振形コンバータのスイッチング周波数が75KHz〜100KHzであるのに対して、二次側の降圧形コンバータ内のスイッチング素子Q3のスイッチング周波数は例えば100KHzで固定となる。このようにして、1つの電源回路内において複数種のスイッチング周波数が混在すると、互いのスイッチング周波数が干渉し合い、発生するノイズレベルも高くなってしまう。このために、各種ノイズフィルタや、シールド板などのノイズ対策が必要となり、この点でも、回路規模の拡大やコスト高を招く。
【0023】
そこで、上記したようなシリーズレギュレータ及び降圧形コンバータ等に代わって二次側出力を安定化する手段として、磁気増幅器を採用することが知られている。
図15は、図14に示した電源回路の二次側において、上記のような磁気増幅器を採用した場合の構成例を示している。なお、この図において、図14と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0024】
この図15において、安定化された二次側直流出力電圧Eo1を生成するための回路系は、次のようにして構成されている。
先ず、二次巻線N2Aに対しては、二次側アースに接地されるセンタータップを設けた上で、図示するようにして整流ダイオードDo3,Do4、及び平滑コンデンサCo1を接続することで両波整流回路を形成している。そして、平滑コンデンサCo1の両端電圧として、二次側直流出力電圧Eo1が生成される。
【0025】
そのうえで、この二次巻線N2Aの両波整流回路においては、磁気増幅器を備えることによる定電圧回路(磁気増幅器定電圧回路)が備えられ、この磁気増幅器定電圧回路により二次側直流出力電圧Eo1が安定化される。
この磁気増幅器定電圧回路は、先ず、二次巻線N2Aの一端と整流ダイオードDo3のアノードとの間に可飽和インダクタ(チョークコイル)SR1を挿入し、二次巻線N2Aの他端と整流ダイオードDo4のアノードとの間に可飽和インダクタSR2を挿入する。また、リセット電圧可変用のダイオードDV1のカソードを整流ダイオードDo3のアノードに接続し、リセット電圧可変用のダイオードDV2のカソードを整流ダイオードDo4のアノードに接続する。ダイオードDV1,DV2の各アノードは、トランジスタQ4のコレクタと接続される。トランジスタQ4のエミッタは、抵抗Rcを介して二次側直流出力電圧Eo1の正極ラインと接続される。この場合の制御回路3は、二次側直流出力電圧Eo1の安定化のために、可飽和インダクタSR1,SR2の磁束を制御する。
制御回路3は、シャントレギュレータ等を備えた誤差増幅器として形成され、入力された二次側直流出力電圧Eo1のレベルに応じて、トランジスタQ4のベース電流レベルを可変制御する。これに応じて、トランジスタQ4のコレクタ電流レベルが可変されることになる。トランジスタQ4のコレクタは、リセット電圧可変用のダイオードDV1,DV2のアノードの接続点に接続されているから、コレクタ電流レベルが可変されることによっては、可飽和インダクタSR1,SR2における磁束のリセット電圧を可変するためのコントロール電圧が可変されることとなる。
【0026】
ここで、上記した可飽和インダクタSR(SR1,SR2)は、例えば図16に示すようにして、円形のトロイダルコアCRに対して、単線の巻線Lnを所要の巻数により巻装して構成される。
【0027】
また、図17は、上記のようにして構成される可飽和インダクタSRのコアの材質として、コバルト系アモルファスが選定されている場合のB−H曲線図を示している。この可飽和インダクタSRのB−H特性は、この図からもわかるように、ヒステリシス特性として、角形比がおおきいものとなっている。
そして、このよな可飽和インダクタSRを備えた磁気増幅器の動作としては、図18に示すものとなる。図18において、電圧V3は、可飽和インダクタSR1と二次巻線N2Aの端部の接続点と、二次巻線N2Aのセンタータップとの間の電位を示す。また、電圧VL1は、可飽和インダクタSR1の両端電圧を示す。電流ID1は、整流ダイオードDo3に流入する整流電流を示す。
【0028】
期間t0〜t1に対応しては電圧V3は正極性の状態となっているが、このとき、可飽和インダクタSR1は、不飽和状態(B0>B>B1)である。このときには、電圧V3,VL1との関係は、V3≒VL1となるので、整流ダイオードDo3には、整流電流ID1は流れていない。
次の期間t1〜t2においては、可飽和インダクタSR1は、飽和状態(B=B1)となるので、電圧VL1は、ほぼ0レベルとなる。これにより、電圧V3,VL1との関係は、V3>VL1となるので、整流ダイオードDo3に整流電流ID1が流れはじめることになる。
【0029】
そして、次の期間t2〜t3では、図19において等化的に示す出力電圧調整回路11が動作する。この出力電圧調整回路11は、図15では、二次側直流出力電圧Eo2が入力される制御回路3となる。この図19からも分かるように、制御回路3としては、誤差増幅器としての構成を採っていること分かる。つまり、分圧抵抗Ro1,Ro2により分圧した二次側直流出力電圧Eo2のレベルを、基準電圧Vrefと比較し、その誤差を、オペアンプOP及び帰還回路(Ca,Ra)から成る増幅回路により増幅して、抵抗Rbを介して出力しているものである。そして、上記のようにして得られる出力電圧調整回路11からの出力に応じて、リセット回路10が、可飽和インダクタSR1に対してリセット電流を流すことになる。このリセット回路10は、図15における抵抗Rc、トランジスタQ4、ダイオードDV1,DV2、及び可飽和インダクタSR1,SR2から成るリセット回路としての機能を等化的に示している。
このときにおけるリセット回路10におけるリセット電流の供給動作は、出力電圧調整回路11からの出力レベルに応じたレベルの電流を、抵抗Rc→トランジスタQ4→ダイオードDV1を介して、可飽和インダクタSR1に流すことで得られる。このリセット電流によって、可飽和インダクタSR1では、磁束密度をB0に戻すようにしてリセットが行われる。
【0030】
上記期間t2〜t3におけるリセット量(リセット電流レベル)によって、可飽和インダクタSR1が不飽和状態となる期間t0〜t1の時間長が決定される。そこで、軽負荷の傾向となるのに応じて二次側直流出力電圧Eo1のレベルが上昇するのに対応して、リセット量を増加させるようにする。これにより、図17に示すようにして、残留磁束密度B0は、B0Aとなるから、不飽和状態の期間である期間t0〜t1も、図18に示すようにして、期間t0A〜t1Aとなるように長くすることができる。このようにして、不飽和状態の期間が長くなれば、整流電流ID1が流れないとされる期間も長くなるから、単位時間あたりの負荷への電力強九時間も短縮されて、二次側直流出力電圧Eo1のレベルもその分低下することになる。
そして、このような動作は、図18に示す波形が180°の位相差を有するタイミングで以て、可飽和インダクタSR2側においても行われることになる。
このようにして、図15に示す回路では、両波整流によって得られる二次側直流出力電圧Eo1の安定化を図るようにされる。
【0031】
また、図15においては、二次巻線N2側において生成される二次側直流出力電圧Eo2についても、上記二次側直流出力電圧Eo1と同様にして、磁気増幅器定電圧回路によって、定電圧制御を行う構成が採られている。
つまり、二次側直流出力電圧Eo2を得るための基本構成としては、二次巻線N2に対して、整流ダイオードDo5,Do6及び平滑コンデンサCo1から成る両波整流回路を接続する。
そのうえで、この両波整流回路に対して、可飽和インダクタ(チョークコイル)SR3,SR4、リセット電圧可変用のダイオードDV1,DV2、リセット電流出力用のトランジスタQ3、抵抗Rc、制御回路3を図示するようにして接続して、磁気増幅器定電圧回路を形成するものである。
【0032】
上記図15に示したような磁気増幅器定電圧回路を備えた構成とした場合、磁気増幅器定電圧回路による定電圧制御は、可飽和インダクタSRの飽和/不飽和状態となる期間を制御する方式であるが、この動作は、上記説明からも分かるように、二次巻線に得られる交番電圧(V3)の周期タイミングに応じたものとなっている。つまり、磁気増幅器定電圧回路を形成する可飽和インダクタSR、リセット電圧可変用のダイオードDV1,DV2、及びリセット電流出力用のトランジスタQ3,Q4などの動作は、一次側スイッチングコンバータのスイッチング周波数に同期したものとなっている。このことから、例えば図14に示した電源回路におけるような、異なるスイッチング周波数間での干渉によるノイズ発生量増加の問題は解消される。
【0033】
しかしながら、図15に示した回路においても、可飽和インダクタSRを構成するトロイダルコアCRによる電力損失、及び磁気増幅器定電圧回路を形成する、リセット電圧可変用のダイオードDV1,DV2、及びリセット電流出力用のトランジスタQ3,Q4などの半導体素子における電力損失が大きい。このため、電源回路としての総合的な電力変換効率が低下するという問題は残ることとなる。例えば、図15に示した回路とした場合の総合的な電力変換効率(ηDC/DC)は、86%程度であり、図14に示した回路構成によりも低下してしまう。
【0034】
また、磁気増幅器定電圧回路を形成するのにあたっては、可飽和インダクタSRとしてのトロイダルコアと、リセット電圧可変用のダイオード素子、及びリセット電流出力用のトランジスタなどの半導体素子が必要である。例えば実際においては、リセット電圧可変用のダイオード素子には、ショットキーダイオードが選定される。また、リセット電流出力用のトランジスタには、50V/2Aが選定される。これらの半導体素子は比較的高価でもあるから、コスト的には依然として不利である。
特に、図14に示す電源回路の構成を基礎とする場合には、この問題が拡大する。つまり、前述もしたように、一次側スイッチングコンバータの基本構成を電流共振形とした場合においては、二次側直流出力電圧を生成する整流回路系を両波整流回路として、より多くの電流容量を得るように構成することができる。しかし、両波整流回路に対して磁気増幅器定電圧回路を付加する場合には、正/負の整流電流経路に対応して、可飽和インダクタSR、及びリセット電圧可変用のダイオード素子については2組が必要となってしまう。
【0035】
このようにして、例えば一次側に電流共振形コンバータを備えたスイッチング電源回路において、二次側にて生成する複数の二次側直流出力電圧について、個々に定電圧制御を行う場合においては、この定電圧制御のための回路素子が付加されることに依る電力変換効率の低下、及びコストアップ等の問題が存在する。
【0036】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は上記した課題を考慮してスイッチング電源回路として次のように構成する。
つまり、直流入力電圧を入力してスイッチング動作を行うスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段と、スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段とを備える。
また、 少なくとも、スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線と、この一次巻線に得られたスイッチング出力としての交番電圧が励起される二次巻線とを巻装して形成される絶縁コンバータトランスを備える。
また、少なくとも、絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、一次巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路を備える。
また、絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を生成するように構成された、複数の直流出力電圧生成手段と、複数の直流出力電圧生成手段により生成される複数の二次側直流出力電圧のうち、所要の1つの二次側直流出力電圧のレベルに応じてスイッチング駆動手段を制御して、スイッチング手段のスイッチング周波数を可変することで、所要の1つの二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された周波数制御型定電圧制御手段を備える。
また、複数の二次側直流出力電圧のうち、周波数制御型定電圧制御手段により定電圧制御される以外の二次側直流出力電圧ごとに対応して設けられるもので、制御巻線と被制御巻線が巻装された可飽和リアクトルとしての制御トランスの上記被制御巻線を、制御対象である二次側直流出力電圧を生成するための二次側整流電流経路に挿入し、制御対象である二次側直流出力電圧レベルに応じて、制御巻線に流すべき制御電流レベルを可変して被制御巻線のインダクタンスを可変することで、制御対象である二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成されたインダクタンス制御型定電圧制御手段を備えることとした。
【0037】
上記構成によると、本発明のスイッチング電源回路は、一次側スイッチングコンバータとして、電流共振形コンバータが採用される。そして、二次側においては、複数の二次側直流出力電圧を生成するようにされている。
そして、複数の二次側直流出力電圧のうち、特定の1つの二次側直流出力電圧については、その二次側直流出力電圧のレベルに応じて、一次側スイッチングコンバータのスイッチング周波数を可変制御することによって定電圧化を図るようにされる。
また、残る二次側直流出力電圧のそれぞれについては、インダクタンス制御型定電圧制御手段により行うこととしている。つまり、制御巻線と被制御巻線を備える可飽和リアクトルとしての制御トランスを備え、被制御巻線を、その制御対象である二次側直流出力電圧を生成するための整流電流経路に挿入するようにされる。そして、制御対象である二次側直流出力電圧のレベルに応じて、制御巻線に流す制御電流レベルを可変することで、被制御巻線のインダクタンスを変化させ、これにより、制御対象の二次側直流出力電圧が安定化される。
このような構成のインダクタンス制御型定電圧制御手段では、例えば被制御巻線における電力損失は少なく、制御巻線に制御電流を流すための制御電力も非常に少なくて済む。
【0038】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1の実施の形態としてのスイッチング電源回路の構成例を示している。
この図に示す電源回路においては、先ず、商用交流電源ACに対して、1つのコモンモードチョークコイルCMCと2本のアクロスコンデンサCLを接続して形成される、コモンモードノイズフィルタが設けられる。コモンモードノイズフィルタは、例えばスイッチングコンバータ側から商用交流電源ACに伝わるノイズを抑制する。
【0039】
そして、上記コモンモードノイズフィルタの後段における商用交流電源ACのラインに対しては、ブリッジ整流回路Di及び平滑コンデンサCiからなる全波整流回路が備えられる。この全波整流回路による整流平滑動作によって、平滑コンデンサCiの両端電圧として、交流入力電圧VACの等倍に対応するレベルの整流平滑電圧Eiが得られる。
【0040】
上記整流平滑電圧Eiを直流入力電圧として入力して動作する一次側スイッチングコンバータとしては、この場合、電流共振形コンバータとしての基本構成に対して少なくとも一次側に部分電圧共振回路を備えた、複合共振形コンバータとしての構成を採る。
そして、ここでは、図示するようにして、MOS−FETによる2本のスイッチング素子Q1(ハイサイド),Q2(ローサイド)をハーフブリッジ結合により接続している。スイッチング素子Q1,Q2の各ドレイン−ソース間に対しては、図示する方向により、それぞれダンパーダイオードDD1,DD2を並列に接続している。
【0041】
また、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に対しては、部分共振コンデンサCpが並列に接続される。この部分共振コンデンサCpのキャパシタンスと一次巻線N1のリーケージインダクタンスL1によっては並列共振回路(部分電圧共振回路)を形成する。そして、スイッチング素子Q1,Q2のターンオフ時にのみ電圧共振する、部分電圧共振動作が得られるようになっている。
【0042】
コントロールIC2は、電流共振形コンバータを他励式により駆動するための発振回路、制御回路、及び保護回路等を備えて構成されるもので、内部にバイポーラトランジスタを備えた汎用のアナログIC(Integrated Circuit)とされる。このコントロールIC2は、電源入力端子Vccに入力される直流電圧により動作する。この場合の電源入力端子Vccは、起動抵抗Rsを介して整流平滑電圧Eiのラインと接続されている。コントロールIC2は、の起動抵抗Rsを介して入力される整流平滑電圧Eiにより起動して動作することになる。また、このコントロールIC2は、アース端子Eにより一次側アースに接地させるようにしている。
【0043】
そして、コントロールIC2においては、スイッチング素子に対してドライブ信号(ゲート電圧)を出力するための端子として、2つのドライブ信号出力端子VGH,VGLが備えられる。
ドライブ信号出力端子VGHからは、ハイサイドのスイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号が出力され、ドライブ信号出力端子VGLからは、ローサイドのスイッチング素子をスイッチング駆動するためのドライブ信号が出力される。
そして、ドライブ信号出力端子VGHから出力されるハイサイド用のドライブ信号は、スイッチング素子Q1のゲートに対して印加され、ドライブ信号出力端子VGLから出力されるローサイド用のドライブ信号は、スイッチング素子Q2のゲートに対して印加されるようになっている。
【0044】
なお、ここでは図示していないが、実際には、コントロールIC2には、周辺の外付け部品により形成されるブートストラップ回路が接続される。このブートストラップ回路は、ハイサイドのスイッチング素子Q1に対して印加されるドライブ信号について、スイッチング素子Q1を適正にドライブ可能なレベルとなるように、レベルシフトするためのものである。
また、実際には、スイッチング素子Q1,Q2には、ゲート抵抗や、ゲート−ソース間抵抗などの部品素子も接続されるが、ここでも、これらの図示は省略している。
【0045】
コントロールIC2では、内部の発振回路により所要の周波数の発振信号を生成する。なお、この発振回路は、後述するようにして制御回路1から端子Vcに入力される制御出力のレベルに応じて、発振信号の周波数を可変するようにされている。
そして、コントロールIC2では、上記発振回路にて生成された発振信号を利用して、ハイサイド用のドライブ信号と、ローサイド用のドライブ信号を生成する。そして、ハイサイド用のドライブ信号をドライブ信号出力端子VGHから出力し、ローサイド用のドライブ信号をドライブ信号出力端子VGLから出力する。
【0046】
上記ハイサイド用のドライブ信号と、ローサイド用のドライブ信号は、1スイッチング周期内において、正極性による矩形波のパルスが発生するオン期間と、0Vとなるオフ期間が得られる波形を有する。そして、上記した波形を共に有するものとされた上で、互いに180°の位相差を有する出力タイミングを有する。
【0047】
このような波形によるドライブ信号がスイッチング素子Q1,Q2に印加されることで、スイッチング素子Q1,Q2は、発振回路の発振周波数により決まるスイッチング周波数によって、交互にオン/オフするようにしてスイッチング動作を行うことになる。
【0048】
なお、実際のスイッチング動作としては、スイッチング素子Q1がターンオフしてスイッチング素子Q2がターンオンするまでの間と、スイッチング素子Q2がターンオフして、スイッチング素子Q1がターンオンするまでの間に、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなる、短時間のデッドタイムが形成されるようにしてなっている。
このデッドタイムは、スイッチング素子Q1,Q2が共にオフとなる期間である。このデッドタイムは、部分電圧共振動作として、スイッチング素子Q1,Q2がターンオン/ターンオフするタイミングでの短時間において、部分共振コンデンサCp1における充放電の動作が確実に得られるようにすることを目的として形成している。そして、このようなデッドタイムとしての時間長は、例えばコントロールIC2側で設定することができるようになっており、コントロールIC2では、設定された時間長によるデッドタイム期間が形成されるように、ドライブ信号出力端子VGH,VGLから出力すべきドライブ信号についてのパルス幅のデューティ比を可変する。
【0049】
絶縁コンバータトランスPITはスイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力を二次側に伝送するために設けられる。
この場合、絶縁トランスPITの一次巻線N1の一端は、スイッチング素子Q1のソースとスイッチング素子Q2のドレインとの接続点(スイッチング出力点)に対して、直列共振コンデンサC1の直列接続を介して接続される。また、一次巻線N1の他端は、一次側アースに接続される。
【0050】
上記した接続態様によると、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力点に対して、直列共振コンデンサC1−一次巻線N1の直列回路が接続されていることになる。これにより、直列共振コンデンサC1のキャパシタンスと、一次巻線N1を含む絶縁コンバータトランスPITのリーケージインダクタンスL1とによって、一次側直列共振回路が形成される。そして、上記のようにして、この一次側直列共振回路がスイッチング出力点に対して接続されていることで、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング出力が一次側直列共振回路に伝達されることになる。一次側直列共振回路では伝達されたスイッチング出力に応じて共振動作するが、これによって、一次側スイッチングコンバータの動作を電流共振形とする。
【0051】
つまり、この図に示す一次側スイッチングコンバータとしては、一次側直列共振回路(C1−L1)による電流共振形としての動作と、前述した部分電圧共振回路(Cp//L1)とによる部分電圧共振動作とが得られることになる。
つまり、この図に示す電源回路は、一次側スイッチングコンバータを共振形とするための共振回路に対して、他の共振回路を組み合わせた複合共振形コンバータとしての構成を採っている。なお、本明細書でいう複合共振形コンバータにおいて、上記他の共振回路としては、一次側に備えられるものであってもよいし、二次側に備えられるものであってもよい。この図1に示す回路の場合には、他の共振回路として、部分電圧共振回路が備えられているものである。
【0052】
また、ここでの図示による説明は省略するが、絶縁コンバータトランスPITの構造としては、例えばフェライト材によるE型コアを組み合わせたEE型コアを備える。そして、一次側と二次側とで巻装部位を分割したうえで、一次巻線N1と、次に説明する二次巻線N2,N2Aを、EE型コアの中央磁脚に対して巻装している。
そして、EE型コアの中央磁脚に対しては1.0mm〜1.5mmのギャップを形成するようにしている。これによって、0.7〜0.8程度の結合係数による疎結合の状態を得るようにしている。
【0053】
図1に示す電源回路の二次側では、複数の二次側直流出力電圧を生成して出力することとしており、この場合には、二次側直流出力電圧Eo,Eo1,Eo2の3つを出力することとしている。
そして、このように3つの二次側直流出力電圧を得るために、図1に示す回路では、絶縁コンバータトランスPITの二次側において、2組の二次巻線N2,N2Aを巻装することとしている。二次巻線N2側からは二次側直流出力電圧Eo,Eo2を生成し、二次巻線N2A側から二次側直流出力電圧Eo1を生成して出力するようにされる。また、本実施の形態では、このようにして得られる二次側直流出力電圧Eo,Eo1,Eo2の各々について、それぞれ個々に定電圧制御が行われるように構成される。
【0054】
先ず、二次巻線N2に対しては、図示するようにしてセンタータップを設けて二次側アースに接続した上で、整流ダイオードDo1,Do2、及び平滑コンデンサCoから成る両波整流回路を接続している。これにより、平滑コンデンサCoの両端電圧として二次側直流出力電圧Eoが得られる。この二次側直流出力電圧Eoは、図示しない負荷側に供給されるとともに、次に説明する制御回路1のための検出電圧としても分岐して入力される。
この二次側直流出力電圧Eoの安定化は、制御回路1を備えた定電圧制御回路系がスイッチング周波数制御方式による定電圧制御を実行することによって行われるが、これについては後述する。
【0055】
また、二次巻線N2に対しては、上記二次側直流出力電圧Eoのための両波整流回路に対して、並列に二次側直流出力電圧Eoを生成するための両波整流回路が接続されている。
つまり、二次巻線N2の一方の端部に対しては、後述する直交型制御トランスPRT−2の被制御巻線NR1の直列接続を介して、整流ダイオードDo5のアノードが接続される。また、二次巻線N2の他方の端部に対しては、直交型制御トランスPRT−2の被制御巻線NR1の直列接続を介して、整流ダイオードDo6のアノードが接続される。整流ダイオードDo5,Do6の各カソードは、平滑コンデンサCo2の正極端子と接続される。平滑コンデンサCo2の負極端子は二次側アースに接続される。ここで、直交型制御トランスPRT−2における被制御巻線NR1については、巻終わり端部を二次巻線N2側と接続し,巻始め端部を整流ダイオードDo5側に接続するようにしている。これに対して、被制御巻線NR2については、巻始め端部を二次巻線N2側と接続し,巻終わり端部を整流ダイオードDo5側に接続するようにしている。
このようにして形成される両波整流回路によって、平滑コンデンサCo2の両端電圧として、二次側直流出力電圧Eo2が得られる。
【0056】
後述するが、この二次側直流出力電圧Eo2に対する安定化は、制御回路3−2及び直交型制御トランスPRT−2から成る定電圧制御回路系によって行われる。
【0057】
他方の二次巻線の組である二次巻線N2Aに対しては、センタータップを設けて二次側アースに接続した上で、上記した二次側直流出力電圧Eo2と同様の接続態様によって、整流ダイオードDo3,Do4、及び平滑コンデンサCo1から成る両波整流回路を接続している。この両波整流回路によって、平滑コンデンサCo1の両端電圧として二次側直流出力電圧Eo1が生成される。この場合にも、整流ダイオードDo3,Do4の各アノードと、二次巻線N2Aの端部間には、それぞれ、直交型制御トランスPRT−1の被制御巻線NR1,NR2が直列に挿入されている。
この二次側直流出力電圧Eo1に対する安定化は、制御回路3−1及び直交型制御トランスPRT−1から成る定電圧制御回路系によって行われる。
【0058】
図1に示す電源回路における、二次側直流出力電圧Eo,Eo1,Eo2についての負荷条件は次のようになっている。
Eo=5.0V/6A〜2A
Eo1=12.0V/1A〜0.2A
Eo2=3.3V/6A〜2A
【0059】
続いては、上記二次側直流出力電圧Eo,Eo1,Eo2に対する安定化のための構成について説明する。
先ずは、最も負荷電力が大きいとされる、二次側直流出力電圧Eoに対する安定化は次のようにして行われる。
この二次側直流出力電圧Eoを定電圧化するために、制御回路1に対しては、検出電圧として二次側直流出力電圧Eoが入力される。制御回路1では、二次側の直流出力電圧Eoのレベルに応じて、そのレベルが可変される電流又は電圧を制御出力として得る。この制御出力は、コントロールIC2の制御端子Vcに対して出力される。
コントロールIC2では、制御端子Vcに入力された制御出力レベルに応じて、ドライブ信号出力端子VGH,VGLから出力すべきハイサイド用のドライブ信号と、ローサイド用のドライブ信号とについて、互いに交互にオン/オフさせるタイミングを保たせたうえで、各ドライブ信号の周波数を同期させた状態で可変するように動作する。つまり、内部発振回路の発振周波数を可変する。
これにより、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング周波数は、制御端子Vcに入力された制御出力レベル(つまり二次側直流出力電圧レベル)に応じて、可変制御されることになる。
スイッチング周波数が可変されることによっては、一次側直列共振回路における共振インピーダンスが変化することになる。このようにして共振インピーダンスが変化することによっては、一次側直列共振回路の一次巻線N1に供給される電流量が変化して二次側に伝送される電力も変化することになる。これにより、二次側直流出力電圧Eoのレベルが変化することとなって、この二次側直流出力電圧Eoについての定電圧制御が図られることになる。
【0060】
続いては、二次側直流出力電圧Eo2を安定化するための構成について説明する。
先の説明からも分かるように、二次側直流出力電圧Eo2のための定電圧制御回路系は、直交型制御トランスPRT−2及び制御回路3−2を備えて成る。
【0061】
ここで、直交型制御トランスPRT−2の構造について、図2を参照して説明しておく。なお、二次側直流出力電圧Eo2側に備えられる直交型制御トランスPRT−1についても、同様の構造を有するものとされる。
この図に示すようにして、直交型制御トランスPRT(PRT−1,PRT−2)は、例えばフェライトによる2つのダブルコの字形コア21,22を備える。各ダブルコの字形コア21,22は、図示するようにして、4本の磁脚を有して構成される。そして、これら2つのダブルコの字形コア21,22の互いの磁脚の端部を接合することで立体形コア20が形成される。
この場合においては、ダブルコの字形コア21,22の互いの磁脚の接合部分については、ギャップは形成しないこととしている。
【0062】
そして、図示するようにして、ダブルコの字形コア21の2本の磁脚に対して被制御巻線NR(NR1,NR2)を巻回し、ダブルコの字形コア21の2本の磁脚に対して制御巻線NCを巻回する。この際、被制御巻線NRと制御巻線NCの巻回方向としては、図示するようにして、被制御巻線NRに対して制御巻線NC が直交するようにされている。これにより、被制御巻線NRと制御巻線NCとの間でのトランス結合は無くなる。そして、制御巻線NCに流れる直流電流のレベルに応じて、被制御巻線NRのインダクタンスが可変する特性となる可飽和リアクトルとしての構成が得られる。
【0063】
本実施の形態における直交型制御トランスPRTにおいては、被制御巻線NR(NR1,NR2)は、60μmφ/80束のポリウレタン被覆銅線により4T(ターン)巻回することとしている。また、制御巻線NCとしては、例えば60μmφのポリウレタン被覆銅線により1000T(ターン)巻回することとしている。そして、このような巻線仕様のもとでは、被制御巻線NRのインダクタンスLRついての直流重畳特性は図3に示すものとなる。この図では、縦軸がインダクタンスLRで、横軸が被制御巻線NRに流れる電流IRとなっている。
この図から分かるように、制御電流Ic=10mA〜40mAの可変範囲に対して、インダクタンスLR=20μH〜1.5μHの可変範囲となる。
【0064】
制御回路3−2では検出電圧として入力された二次側直流出力電圧Eo2のレベルの誤差に応じて、直交型制御トランスPRT−2の制御巻線Ncに流すべき制御電流としての直流電流レベルを可変して出力する。
このようにして、直交型制御トランスPRT−2の制御巻線Ncに流れる制御電流レベルが可変されることに応じては、図3にも示したようにして、被制御巻線NRのインダクタンスLRが変化することになる。
【0065】
ここで、二次側直流出力電圧Eo2の基となる交番電圧が発生する二次巻線N2のインダクタンスをL2とし、二次巻線N2と直交型制御トランスPRT−2の被制御巻線NR2との接続点と、二次側アース間の電位をV2とした場合、二次側直流出力電圧Eo2のための整流回路系を形成する整流ダイオードDo6のアノードと二次側アース間の電位V3は、次のように表される。
V3=V2×(L2/(L2+LR))=V2×(1+(LR/L2))・・・(式1)
上記式1からも分かるように、インダクタンスLRを可変することによって、V3のレベルが変化することが分かる。そして、V3のレベルが変化するということは、二次側直流出力電圧Eo2のレベルもこれに応じて変化することとなる。従って、上記のようにして、二次側直流出力電圧Eo2のレベル誤差に応じて被制御巻線NRのインダクタンスLRを可変することによっては、二次側直流出力電圧Eo2のレベルが安定化されるように制御されるものである。
【0066】
ここで、図4に制御回路3−2の内部構成例を示しておく。
この図に示す制御回路3−2においては、検出電圧である二次側直流出力電圧Eo2が、分圧抵抗R11−R12によって分圧され、この分圧レベルがシャントレギュレータQ3のコントロール端子に入力されるようになっている。シャントレギュレータQ3では、このコントロール端子に入力された分圧レベル(二次側直流出力電圧Eo2のレベル)の誤差に応じたレベルの電流が、12Vの電源ラインから抵抗R13を介して流れることになる。なお、この12Vの電源ラインは、例えば二次側直流出力電圧Eo1から引き出すようにすればよい。
そして、トランジスタQ4のベースは、シャントレギュレータQ3と並列に接続された抵抗R14−R15の直列回路の接続点に対して接続されている。また、コレクタは、直交型制御トランスPRT−2の制御巻線Ncの直列接続を介して、12V電源ラインと接続されている。エミッタは二次側アースに接地されると共に、並列に抵抗R16が接続される。
【0067】
このような接続態様とされることで、トランジスタQ4のコレクタには、シャントレギュレータQ3に流れる電流レベルに応じて増幅されたレベルの直流電流が流れることになる。これが、制御巻線Ncの制御電流となる。
このようにして、制御回路3−2では、二次側直流出力電圧Eo2のレベル誤差をシャントレギュレータQ3によって検出し、その検出された誤差に応じてレベルが可変されたトランジスタQ4のコレクタ電流を、制御巻線Ncに対して制御電流として流すようにしている。つまり、二次側直流出力電圧Eo2のレベル誤差に応じてレベルが可変される直流電流を、制御電流として制御巻線Ncに対して流すように構成されているものである。
なお、実際に図4に示す回路構成に基づいて形成される制御回路3−2としては、直交型制御トランスPRT−2の制御巻線Ncの抵抗値が220Ωであるとして、制御電流Ic=10mA〜30mAの制御範囲となるように構成される。このような制御範囲を設定することで、実際における二次側直流出力電圧Eo2の負荷変動に対応した定電圧制御が実現できる。
【0068】
図5の波形図は、上記した二次側直流出力電圧Eo2の定電圧制御回路系における動作を示している。この図に示す動作は、二次側直流出力電圧Eo2=3.3V/6A時の動作を示している。
先ず、電位V2は、図示するようにして、二次巻線N2に得られる交番電圧の周期に応じて、1周期ごとに正/負の極性で反転する波形が得られる。また、正/負の各極性におけるピークレベルは、それぞれ6Vpとなっている。
また、電位V3としても、電位V2と同じ周期タイミングで正/負の極性で反転する波形とはなっているものの、整流ダイオードDo6の導通期間である正極性の波形については、4Vにまで低下している。これは、先の式1によっても示したように、被制御巻線NR2のインダクタンスLR2が可変制御された影響で、6Vから4Vとなるようにコントロールされていることに依る。つまり、この図における、電位V3と電位V2の比較により、制御回路3−2及び直交型制御トランスPRT−2による定電圧制御動作が得られていることが示される。
そして、電位V3が正極性となる期間において、整流ダイオードDo6には整流電流I2が流れて平滑コンデンサCo2における充電が行われる。
また、ここでは図示していないが、この図5において負極性となる期間においては、整流ダイオードDo5側の整流電流経路系において、被制御巻線NR1のインダクタンスLR1が可変制御されることで、同様の動作が得られていることになる。
そして、このような動作が得られる結果、図5において示すように、例えば3.3Vで一定となるように定電圧化された二次側直流出力電圧Eo2が得られることになる。
【0069】
なお、二次巻線N2Aに対して接続された、二次側直流出力電圧Eo1のための定電圧制御回路系としても、直交型制御トランスPRT−1及び制御回路3−1が、上記した直交型制御トランスPRT−2及び制御回路3−2と同様の動作を行うことになる。これにより、二次側直流出力電圧Eo1についても、二次側直流出力電圧Eo2と同様にして安定化されることになる。
なお、制御回路3−1における制御電流Icの制御範囲等は、二次側直流出力電圧Eo1における実際の負荷変動などを考慮して任意に設定されればよい。
【0070】
このようにして図1に示す電源回路では、複数の二次側直流出力電圧を生成して出力するようにされている。そして、最も負荷電力の重い二次側直流出力電圧Eoについては、スイッチング周波数制御方式により定電圧制御を行うこととし、残る二次側直流出力電圧Eo1,Eo2については、直交型制御トランスPRTを備えて、整流電流経路に挿入した直交型制御トランスPRTの被制御巻線NRのインダクタンスを可変することで安定化を図ることとしている。
【0071】
ここで、直交型制御トランスPRTの被制御巻線NRにおける電力損失は少なく、被制御巻線NRのインダクタンス可変のために制御回路3−1,3−2等が必要とする制御電力は0.4W程度である。
この結果、図1に示す電源回路のDC/DC電力変換効率(ηDC/DC)は、二次側直流出力電圧Eoについては94%、Eo1については95%、Eo2については94%程度となり、総合的には90%程度となる。
これに対して、例えば図14及び図15に示した回路DC/DC電力変換効率は、88%又は86%程度であり、図1に示す回路では、電力変換効率が向上されていることがわかる。なお、図1の電源回路と、図14及び図15の電源回路の電力損失を比較してみると、図1の電源回路は、図14の電源回路に対しては、1.5W低減している。また、図15の電源回路に対しては、3.2W低減している。これにより、図1に示す回路では、二次側定電圧制御回路系に対する放熱板などは不要となる。放熱板が不要となれば、その分、回路の小型軽量化が図られることになる。
【0072】
また、図1に示す二次側の定電圧制御回路系の場合には、整流回路が両波整流回路であっても、1組の可変インダクタンス素子である直交型制御トランスPRTと、1組の制御回路3により構成することが可能である。
例えば、直交型制御トランスPRTは、磁気増幅器を形成する可飽和インダクタと比較すれば、非常に低コストである。また、制御回路3に備えられる半導体素子も、図4に示したようにして、安価な50V/0.1AのトランジスタQ4とシャントレギュレータQ3のみとなる。
この結果、例えば図15に示した磁気増幅器定電圧回路を備える回路構成と比較した場合には、図1に示す回路では、コストをほぼ1/2にまで抑えることが可能になる。
【0073】
このようにして、本実施の形態の電源回路は、図14又は図15に示した電源回路と比較して、電力変換効率が向上され、また、はるかに低コストとすることが可能となっている。また、本実施の形態の電源回路における二次側の定電圧制御回路は、直交型制御トランスPRTの被制御巻線NRのインダクタンス可変にあたって、制御巻線Ncに流す制御電流(直流電流レベル)を可変するという直流的制御であって、スイッチング動作を伴わない。従って、図14の回路で問題となった異なるスイッチング周波数による干渉の問題も生じない。
【0074】
ところで、上記図1に示した二次側においては、各二次側直流出力電圧Eo,Eo1,Eo2は、それぞれ両波整流回路によって生成する構成を採っている。しかしながら、二次側における整流回路の構成としては両波整流回路に限定されることなく、実際に必要とされる二次側直流出力電圧レベルや負荷電流量等に応じて、他の形式の整流回路とされても構わない。
【0075】
そこで続いては、1つの二次側直流出力電圧に対応した整流回路系の構成についての変形例として、4例について図6〜図9を参照して説明しておくこととする。なお、各図に示す整流回路によって得られる二次側直流出力電圧としては、図1の場合であれば、直交型制御トランスPRTによって安定化される二次側直流出力電圧Eo1,又はEo2となる。
【0076】
先ず、図6に示す整流回路系は、二次巻線N2に対して、1本の整流ダイオードDoと、1本の平滑コンデンサCoから成る半波整流回路を接続している。
ここで、例えば、直交型制御トランスPRTによる定電圧制御を行うのにあたって、図1に示した両波整流回路の場合には、二次巻線N2の交番電圧が正/負となる各期間において形成される整流電流経路に対して、それぞれ、直交型制御トランスPRTの被制御巻線NRを挿入する必要があった。
【0077】
これに対して、図6に示す半波整流回路の場合、整流動作が行われる半波の期間においては、整流電流は必ず二次巻線N2の端部と、整流ダイオードDo5のアノードの接続点に流れる。換言すれば、両波整流回路の場合のように、1周期内において二次巻線N2の交番電圧が正/負となる各期間において、それぞれ異なる整流電流経路によって整流電流が流れることはない。
従って、図6に示すようにして半波整流回路を形成する場合においては、直交型制御トランスPRTの被制御巻線NRは1組として、この1組の被制御巻線NRを、二次巻線N2の端部と整流ダイオードDo5のアノードの接続点との間に対して直列に挿入すればよいことになる。つまり、図6に示す整流回路の構成に対応しては、直交型制御トランスPRTに巻装すべき被制御巻線NRの数を、両波整流回路の場合よりも削減することができる。このようにして、直交型制御トランスPRTに巻装すべき巻線数の削減によって、例えば削減された巻線数分のコストダウンが図られ、また、直交型制御トランスPRTの製造効率が向上する。また、直交型制御トランスPRTをさらに小型なものとすることも可能となる。
【0078】
また、図7には、二次巻線N2に対してブリッジ整流回路DBRと平滑コンデンサCoから成る全波整流回路を接続した例が示されている。
このような全波整流回路の場合、整流電流は、二次巻線N2の交番電圧が正/負となる両期間において、例えば、ブリッジ整流回路DBRの正極入力端子と二次巻線N2の端部との間のラインを必ず流れることになる。
そこで、この場合にも、直交型制御トランスPRTの被制御巻線NRは1組として、この1組の被制御巻線NRを、ブリッジ整流回路DBRの正極入力端子と二次巻線N2の端部との間のラインに挿入すればよいことになる。なお、例えば、ブリッジ整流回路DBRの負極入力端子と二次巻線N2のもう片方の端部との間のラインに対して被制御巻線NRを挿入しても、定電圧制御動作としては同等になる。
【0079】
図8は、二次巻線N2に対して倍電圧整流回路が接続されている場合を示している。
この場合の倍電圧整流回路は、2本の整流ダイオードDo1,Do2と、直列接続された2本の平滑コンデンサCoA−CoBを図示するようにして接続して形成される。
この場合も直交型制御トランスPRTの被制御巻線NRは1組とされており、二次巻線N2の端部と、直列接続された平滑コンデンサCoA−CoBの接続点との間に対して直列に挿入されている。
【0080】
ここで、図8に示す倍電圧整流回路の整流動作についてみると、先ず、二次巻線N2の交番電圧が正となる期間では、二次巻線N2→整流ダイオードDo1→平滑コンデンサCoA→被制御巻線NR→二次巻線N2の経路により整流電流が流れて、平滑コンデンサCoAに充電が行われる。これにより、平滑コンデンサCoAには、二次巻線N2に得られる交番電圧レベルの等倍に対応したレベルの整流平滑電圧が得られる。
また、二次巻線N2の交番電圧が負となる期間では、二次巻線N2→被制御巻線NR→平滑コンデンサCoB→整流ダイオードDo2→二次巻線N2の経路により整流電流が流れて、平滑コンデンサCoBに充電が行われる。これにより、平滑コンデンサCoBにも、二次巻線N2の交番電圧レベルの等倍に対応したレベルの整流平滑電圧が得られる。
このような整流動作が1周期ごとに繰り返されることで、平滑コンデンサCoA−CoBの直列回路の両端電圧としては、二次巻線N2の交番電圧レベルの2倍に対応するレベルの整流平滑電圧が得られることになり、この整流平滑電圧が二次側直流出力電圧となる。このようにして、倍電圧整流動作による二次側直流出力電圧が得られる。
【0081】
そして、上記した整流動作によれば、二次巻線N2の端部と、平滑コンデンサCoA−CoBの接続点との間に挿入された1組の被制御巻線NRには、二次巻線N2の交番電圧が正/負となる両期間において、整流電流が流れるようにされる。つまり、この場合にも、被制御巻線NRは、正/負の両期間において整流電流が流れる経路に挿入されているものである。従って、この場合においても、被制御巻線NRは1組でよいことになる。
【0082】
図9に示す整流回路は、4倍電圧整流回路を形成している。この4倍電圧整流回路では、整流ダイオードDo1,Do2、平滑コンデンサCoA,CoCから成る整流回路部によって倍電圧整流動作が行われ、平滑コンデンサCoAの両端電圧として、二次巻線N2の交番電圧レベルの2倍に対応するレベルの整流平滑電圧が得られる。
また、整流ダイオードDo3,Do4、平滑コンデンサCoB,CoDから成る整流回路部によっても倍電圧整流動作が行われ、平滑コンデンサCoBの両端電圧として、二次巻線N2の交番電圧レベルの2倍に対応するレベルの整流平滑電圧が得られる。
この結果、直列接続された平滑コンデンサCoA−CoBの両端電圧である二次側直流出力電圧として、二次巻線N2の交番電圧レベルの4倍に対応するレベルの整流平滑電圧が得られることとなる。
また、この場合にも直交型制御トランスPRTの被制御巻線NRは1組であり、この被制御巻線NRは、二次巻線N2の端部と、平滑コンデンサ平滑コンデンサCoA−CoBの接続点との間に対して直列に挿入されている。
【0083】
先ず、整流ダイオードDo1,Do2、平滑コンデンサCoA,CoCから成る整流回路部における倍電圧整流動作は、次のようになる。
二次巻線N2の交番電圧が負の期間では、二次巻線N2→被制御巻線NR→整流ダイオードDo2→平滑コンデンサCoC→二次巻線N2の経路で整流電流が流れて平滑コンデンサCoCに充電が行われることで、平滑コンデンサCoCの両端電圧としては、二次巻線N2の交番電圧の等倍に対応するレベルの直流電圧が得られる。
また、二次巻線N2の交番電圧が正の期間では、二次巻線N2→平滑コンデンサCoC→整流ダイオードDo1→平滑コンデンサCoA→被制御巻線NR→二次巻線N2の経路で整流電流が流れる。このときには、平滑コンデンサCoCに得られている両端電圧分が重畳されるようにして、平滑コンデンサCoAへの充電が行われることになるから、平滑コンデンサCoAの両端電圧としては、二次巻線N2の交番電圧の2倍に対応するレベルの直流電圧が得られる。このようにして、倍電圧整流動作が行われる。
【0084】
また、整流ダイオードDo3,Do4、平滑コンデンサCoB,CoDから成る整流回路部では、先ず、二次巻線N2の交番電圧が正の期間において、二次巻線N2→平滑コンデンサCoD→整流ダイオードDo3→被制御巻線NR→二次巻線N2の経路で整流電流が流れることにより、平滑コンデンサCoDの両端電圧として、二次巻線N2の交番電圧の等倍に対応するレベルの直流電圧が得られる。
続く、二次巻線N2の交番電圧が負の期間においては、二次巻線N2→被制御巻線NR→平滑コンデンサCoB→整流ダイオードDo4→平滑コンデンサCoD→二次巻線N2の経路で整流電流が流れる、このときは、平滑コンデンサCoDに得られている両端電圧分が重畳されるようにして、平滑コンデンサCoBへの充電が行われることになって、平滑コンデンサCoAの両端には、二次巻線N2の交番電圧の2倍に対応するレベルの直流電圧が得られる。つまり、倍電圧整流動作が行われる。
【0085】
このような整流動作によると、上記した2つの整流回路部の何れの整流動作についても、二次巻線N2の交番電圧が正/負となる両期間において、被制御巻線NRには整流電流が共通に流れていることになる。つまり、この場合にも、図示する位置に被制御巻線NRを挿入することで、この被制御巻線NRを1組で済むようにしているものである。
【0086】
図10は、第2の実施の形態としての電源回路の構成例を示している。なお、この図において、図1と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
また、この図10に示される直交型制御トランスPRT(直交型制御トランスPRT−1、PRT−2)は、例えば先に示した図2の構成と同様でよい。
【0087】
この図10に示す電源回路としては、先ず、二次側において直交型制御トランスPRT(PRT−1、PRT−2)における被制御巻線NR(NR1,NR2)のインダクタンスを制御する二次側の制御回路3−2が、図11に示すようにして構成される。なお、図11において、図4と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0088】
図11に示す制御回路3−2は、12Vの電源ラインである二次側直流出力電圧Eo1と、直交型制御トランスPRTの制御巻線Ncとの間に、コンデンサC2が図示する極性によって挿入される。この場合のコンデンサC2は電解コンデンサとされ、コンデンサC2の正極が二次側直流出力電圧Eo1のラインと接続され、負極が制御巻線Ncの端部と接続される。
また、コンデンサC2の正極にはトランジスタQ5のエミッタが接続され、負極にはトランジスタQ5のコレクタが接続される。抵抗R17は、トランジスタQ5のベース−エミッタ間抵抗である。
また、トランジスタQ5のベースは、抵抗R18を介してトランジスタQ6のコレクタと接続される。また、トランジスタQ6のエミッタは二次側アースに接続される。トランジスタQ6のベースは、抵抗R20を介して二次側直流出力電圧Eo2のラインと接続される。抵抗R19は、トランジスタQ6のベース−エミッタ間抵抗である。
【0089】
このような制御回路3−2の構成では、例えば商用交流電源ACが投入されて、二次側直流出力電圧Eo1が規定のレベルにまで立ち上がると、先ず、二次側直流出力電圧Eo1のラインからコンデンサC2を介して、制御巻線Ncに対して制御電流Icを流すことになる。
この際、二次側直流出力電圧Eo2も、商用交流電源ACの投入に応じて立ち上がることになるが、二次側直流出力電圧Eo2が所定以上(例えば2V)のレベルに上昇すると、トランジスタQ6を導通させるに足るベース−エミッタ間電圧が得られ、トランジスタQ6をオン状態とする。これに応じて、トランジスタQ5もオン状態となる。
トランジスタQ5がオン状態となって以降は、制御電流Icは、二次側直流出力電圧Eo1のラインから、トランジスタQ5のエミッターコレクタを経由する経路に切り換わって流れることになる。そして、以降においては、図4にて説明したようにして、二次側直流出力電圧Eo2のレベルに応じて、シャントレギュレータQ3及びトランジスタQ4から成る誤差増幅器の動作によって制御電流Icのレベルがコントロールされることとなって、二次側直流出力電圧Eo2は、例えば3.3Vで安定化されることになる。
【0090】
ここで、二次側直流出力電圧Eo2について負荷短絡が生じたとする。この場合、二次側直流出力電圧Eo2は、0レベルに低下するのであるが、これに応じて、トランジスタQ6は、これまでのオン状態からオフ状態となるように制御され、これに伴ってトランジスタQ5もオフ状態に遷移する。
このようにして、トランジスタQ5がオフ状態に遷移すると、二次側直流出力電圧Eo1のラインから制御電流Icを供給する経路が遮断されることになるので、制御電流Icは0レベルとなるが、これにより、図3にも示したように、被制御巻線NR1,NR2のインダクタンスは増加することになる。
【0091】
このときの、二次側直流出力電圧Eo2と、整流ダイオードDo5,Do6に流れる整流電流I2の波形を図12に示す。
上記もしたように、負荷短絡が生じたことで、二次側直流出力電圧Eo2については、0レベルが継続する。
そして、整流電流I2は、本来であれば、負荷短絡したことによって、非常に高レベルとなるのであるが、上記したように、制御電流Icが0レベルとされて被制御巻線NR1,NR2のインダクタンスが増加していることで、スイッチング周期に応じて高周波的に流れる整流電流I2のレベルは抑制されることになる。例えば整流電流I2は、定常時においても図5に示したようにして、15Apのレベルで流れるのであるが、負荷短絡時を示す図12の波形図に依れば、1.2Apにまで抑制されていることが分かる。
つまり、図11に示す制御回路3−2は、二次側直流出力電圧Eo2の負荷短絡に対応した保護回路としての機能も与えられることになる。そして、このような負荷短絡保護機能を与えるのにあたっては、トランジスタQ5,Q6及び電解コンデンサC2を主として、他には数点の抵抗素子などから成る、簡単で低コストな回路によって実現することができている。
例えば、図14及び図15に示す構成においては、負荷短絡のための保護機能を与えようとすれば、より複雑な負荷短絡保護回路を形成して接続する必要があり、本実施の形態よりも回路規模が大型化し、また、コストアップを招くことにもなる。
【0092】
また、図10に示す第2の実施の形態としての電源回路では、例えば二次側直流出力電圧Eo1に対応する定電圧制御回路系に対して、抵抗R1を図示するようにして接続している。この抵抗R1は、2組の被制御巻線NR1,NR2の、整流ダイオード側の端部間に対して挿入するようにされている。
また、二次側直流出力電圧Eo2に対応する定電圧制御回路系に対しても、同様の接続態様によって、抵抗R2を接続している。
【0093】
例えば、上記のようにして抵抗R1,R2を挿入しない場合、図5に示すようにして、整流ダイオードと被制御巻線NRとの接続点と二次側アース間の電位V3には、整流ダイオードがターンオフするタイミングで寄生振動によるノイズが発生していた。
そこで、図10に示すようにして、抵抗R1,R2を挿入することによっては、図13の電位V3として示すように、上記した寄生振動としてのノイズが除去されることになる。なお、図13において示される電流IQ2は、スイッチング素子Q2に流れるスイッチング電流である。この電流IQ2は、上記電位V3の変化がスイッチング周期に対応していることを示すために、この図に記載されている。
【0094】
例えば、12Vラインである二次側直流出力電圧Eo1において発生する寄生振動としての電圧のピークレベルは45Vpであり、これに対応して、整流ダイオードDo3,Do4には60V耐圧品を選定する必要がある。
これに対して、本実施の形態のようにして、抵抗R1を接続して寄生振動を除去した場合には、整流ダイオードDo3,Do4の耐圧は40Vで済むこととなり、それだけ、整流ダイオードについての低コストとすることができる。また、低耐圧品のほうが良好な特性が得られるので、回路の信頼性を高めることにもなる。
【0095】
なお、第2の実施の形態として説明した、二次側の制御回路3−2における負荷短絡保護回路(図11参照)と、寄生振動除去のための抵抗(R1,R2)は、必ずしも組み合わせて採用する必要はない。つまり、例えば、図1に示した第1の実施の形態としての電源回路をベースとして、図11に示した負荷短絡保護回路を備える制御回路3−2のみを付加してもよいし、また、寄生振動除去のための抵抗のみを備える構成としてもよい。
また、この第2の実施の形態としての電源回路においても、先に図6〜図9に示した二次側直流出力電圧を生成するための整流回路系を適用することができる。
【0096】
また、本発明としては、これまでに説明した電源回路の構成に限定されるものではない。
例えばスイッチング素子としては、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)など、他励式に使用可能な素子であれば、MOS−FET以外の素子が採用されて構わない。また、先に説明した各部品素子の定数なども、実際の条件等に応じて変更されて構わない。
また、本発明としては、自励式でハーフブリッジ結合方式による電流共振形コンバータを備えて構成することも可能とされる。この場合には、スイッチング素子として例えばバイポーラトランジスタを選定することができる。
さらには、例えば絶縁コンバータトランスPITの二次側において二次側直流出力電圧を生成するための回路構成としても、各図に示した以外の構成が採られて構わない。
また、本発明に基づく電源回路により生成する二次側直流出力電圧の数としては、例えば対応すべき負荷電力や、必要とされる直流電源の数などに応じて適宜変更されてよい。また、二次側直流出力電圧数に応じて、絶縁コンバータトランスPITの二次側に巻装すべき二次巻線数も変更されてよい。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のスイッチング電源回路は、一次側スイッチングコンバータの基本構成として電流共振形コンバータを備える。そして、二次側においては、複数の二次側直流出力電圧を生成するようにされている。
そして、これら複数の二次側直流出力電圧のうち、特定の1つの二次側直流出力電圧については、その二次側直流出力電圧のレベルに応じて、一次側スイッチングコンバータのスイッチング周波数を可変制御することによって定電圧化を図るようにされる。
また、残る二次側直流出力電圧のうち、安定化が必要なものの定電圧化については、その二次側直流出力電圧ごとに対応して、制御巻線と被制御巻線を備える可飽和リアクトルとしての制御トランスを備えることとしている。そして、被制御巻線を、その制御対象である二次側直流出力電圧を生成するための整流電流経路に挿入する。そして、制御対象である二次側直流出力電圧のレベルに応じて、制御巻線に流す制御電流レベルを可変することで、被制御巻線のインダクタンスを変化させ、これにより、制御対象の二次側直流出力電圧の安定化を実現する。
【0098】
このような構成であれば、例えばシリーズレギュレータや降圧形コンバータ、若しくは磁気増幅器により二次側直流出力電圧を安定化する場合と比較して、電力損失が低下することになるので、電源回路としての電力変換効率が向上されることになる。
また、回路の実際としては、可飽和リアクトルとしての制御トランスと、この制御トランスの制御巻線に流すべき直流電流(制御電流)レベルを、制御対象の二次側直流出力電圧レベルに応じて可変するための回路を備えればよいこととなる。これにより、同じくシリーズレギュレータや降圧形コンバータ、若しくは磁気増幅器により二次側直流出力電圧を安定化する場合と比較すれば、非常に低コストで、安定化のための構成を得ることが可能となる。
さらに、制御トランスを利用する定電圧制御動作は、制御トランスの制御巻線に流すべき直流電流(制御電流)レベルを可変制御するという制御であり、一次側スイッチングコンバータと独立したスイッチング動作は行われない。従って、降圧形コンバータを採用した場合のような、異なるスイッチング周波数の干渉が生じることが無く、それだけ、電源回路内に発生するノイズ量も低減されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態としての電源回路の構成例を示す回路図である。
【図2】直交型制御トランスの構造例を示す回路図である。
【図3】被制御巻線のインダクタンス特性を示す特性図である。
【図4】第1の実施の形態に対応する、二次側の制御回路の構成例を示す回路図である。
【図5】第1の実施の形態の電源回路において、二次側の制御回路による定電圧制御動作を示す波形図である。
【図6】本実施の形態における、二次側整流回路の変形例と、被制御巻線の挿入位置との関係を示す回路図である。
【図7】本実施の形態における、二次側整流回路の変形例と、被制御巻線の挿入位置との関係を示す回路図である。
【図8】本実施の形態における、二次側整流回路の変形例と、被制御巻線の挿入位置との関係を示す回路図である。
【図9】本実施の形態における、二次側整流回路の変形例と、被制御巻線の挿入位置との関係を示す回路図である。
【図10】第2の実施の形態としての電源回路の構成例を示す回路図である。
【図11】第2の実施の形態としての二次側の制御回路の構成例を示す回路図である。
【図12】第2の実施の形態において、二次側の制御回路による、負荷短絡保護動作を示す波形図である。
【図13】第2の実施の形態において、寄生振動ノイズ除去のための抵抗を挿入した場合の二次側整流回路の動作を示す波形図である。
【図14】先行技術としての電源回路の構成例を示す回路図である。
【図15】先行技術の電源回路における二次側の他の構成例を示す回路図である。
【図16】可飽和インダクタの構造例を示す図である。
【図17】可飽和インダクタのB−H特性を示す特性図である。
【図18】可飽和インダクタを備える磁気増幅器による定電圧制御動作を説明するための波形図である。
【図19】図15に示す磁気増幅器定電圧回路を等化的に示す回路図である。
【符号の説明】
1 制御回路、2 コントロールIC、3−1,3−2 (二次側)制御回路、Di ブリッジ整流回路、Ci 平滑コンデンサ、Q1,Q2 スイッチング素子、PIT 絶縁コンバータトランス、C1 一次側直列共振コンデンサ、Cp部分共振コンデンサ、N1 一次巻線、N2,N2A 二次巻線、PRT−1,PRT−2 直交型制御トランス、NR、NR1,NR2 被制御巻線、Nc 制御巻線、Do1〜Do6 整流ダイオード、Q3 シャントレギュレータ、Q4〜Q6 トランジスタ、R1,R2 (寄生振動ノイズ除去用)抵抗

Claims (4)

  1. 直流入力電圧を入力してスイッチング動作を行うスイッチング素子を備えて形成されるスイッチング手段と、
    上記スイッチング素子をスイッチング駆動するスイッチング駆動手段と、
    少なくとも、上記スイッチング手段のスイッチング動作により得られるスイッチング出力が供給される一次巻線と、該一次巻線に得られたスイッチング出力としての交番電圧が励起される二次巻線とを巻装して形成される絶縁コンバータトランスと、
    少なくとも、上記絶縁コンバータトランスの一次巻線の漏洩インダクタンス成分と、上記一次巻線に直列接続された一次側直列共振コンデンサのキャパシタンスとによって形成され、上記スイッチング手段の動作を電流共振形とする一次側直列共振回路と、
    上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧を入力して、整流動作を行うことで二次側直流出力電圧を生成するように構成された、複数の直流出力電圧生成手段と、
    上記複数の直流出力電圧生成手段により生成される複数の二次側直流出力電圧のうち、所要の1つの二次側直流出力電圧のレベルに応じて上記スイッチング駆動手段を制御して、上記スイッチング手段のスイッチング周波数を可変することで、上記所要の1つの二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成された周波数制御型定電圧制御手段と、
    上記複数の二次側直流出力電圧のうち、上記周波数制御型定電圧制御手段により定電圧制御される以外の二次側直流出力電圧ごとに対応して設けられるもので、制御巻線と被制御巻線が巻装された可飽和リアクトルとしての制御トランスの上記被制御巻線を、制御対象である二次側直流出力電圧を生成するための二次側整流電流経路に挿入し、制御対象である二次側直流出力電圧レベルに応じて、制御巻線に流すべき制御電流レベルを可変して上記被制御巻線のインダクタンスを可変することで、制御対象である二次側直流出力電圧に対する定電圧制御を行うように構成されたインダクタンス制御型定電圧制御手段と、
    を備えることを特徴とするスイッチング電源回路。
  2. 上記インダクタンス制御型定電圧制御手段は、
    制御対象である二次側直流出力電圧レベルの誤差に応じたレベルの出力を生成するシャントレギュレータと、
    他の二次側直流出力電圧が電源として供給されることで動作し、上記シャントレギュレータの出力を増幅して上記制御電流として出力する増幅回路と、
    上記制御対象である二次側直流出力電圧について負荷短絡が生じたのに応じて、上記増幅回路への電源供給を停止させるように構成され、所要数のトランジスタ素子を備えて形成されるスイッチ回路と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  3. 上記インダクタンス制御型定電圧制御手段において、
    制御対象の二次側直流出力電圧を生成する直流出力電圧生成手段が両波整流回路を形成するのに対応して、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧が正/負となる期間に形成される各整流電流経路に、上記制御トランスが備える2つの上記被制御巻線の各々を挿入した場合に、上記両波整流回路を形成する2本の整流ダイオードと、これら2つの上記被制御巻線の各々との接続点間に対して抵抗素子を挿入する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
  4. 上記インダクタンス制御型定電圧制御手段において、
    制御対象の二次側直流出力電圧を生成する直流出力電圧生成手段が、両波整流回路以外の整流回路系を形成する場合に、上記制御トランスが備える被制御巻線を1つとし、
    この1つの被制御巻線を、上記整流回路系において、上記絶縁コンバータトランスの二次巻線に得られる交番電圧が正/負となる期間において共通となる整流電流経路のラインに対して挿入する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング電源回路。
JP2002381227A 2002-12-27 2002-12-27 スイッチング電源回路 Pending JP2004215376A (ja)

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