JP2004213466A - 貨物の共同配送支援システム、貨物の共同配送に係る集配運賃の計算方法、この方法をコンピュータに実行させるプログラム、このプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インターネット12に接続された配車管理サーバー10は、共同配送を行う各共配グループについて、集配注文データベース30や車両マスタデータベース36等を参照して配車計画処理を行い、その配車計画結果に適宜実績に基づく修正を加えたうえで、運賃計算処理を行う。運賃計算処理では、各車両の運賃が計算され、その運賃の各荷主による分担額が計算される。そして、車両毎の分担額が運送会社毎に集計されることで、各荷主が各運送業者へ支払うべき運賃が計算される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、貨物の集配運賃を計算するシステムおよび方法に係り、特に、共同配送を行う複数の荷主の夫々が負担すべき運賃を適正に計算するうえで好適な共同配送支援システムおよび集配運賃計算方法に関する。また、本発明は、そのような方法をコンピュータに実行させるプログラムおよびこのプログラムを記録した記録媒体にも関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、製造会社等の事業者は、貨物の集荷・配達(集配)を運送業者に委託するのが一般的である。運送業者では、整数計画法等の最適化アルゴリズムを用いて輸送車両の有効利用や配送時間の短縮化の最適化を図っている。しかし、運送業者内で最適化が図られても各荷主にとって最適な配車が行われるとは限らない。そこで、本出願人は、輸送車両に関するデータおよび集配注文に関するデータを情報通信ネットワークに接続されたサーバー上に集約することで、複数の配送会社にわたる横断的な配車計画を行うことが可能なシステムを提案している(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−123887号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、貨物の集配を運送業者に委託するにあたり、各荷主が個別に委託するよりも、複数の荷主が共同配送を行った方が、各荷主間で重複する業務を削減できるなどの理由でコスト的に有利となることが期待できる。しかし、共同配送によってコストを節約できるとしても、そのメリットを各荷主間で如何にして公平に分配するかが難しく、共同配送を実現するうえでの障害となっていた。また、複数の荷主間で共配を行うことの合意が成立しても、実際に共同配送を行ってみると期待したほどのコスト節約効果が得られない場合もあった。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、複数の荷主が共同配送を行う場合に各荷主の負担すべき適正なコストを計算することが可能な共同配送支援システムおよび集配運賃計算方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、情報通信ネットワークに接続されたサーバーコンピュータにより構成された貨物の共同配送支援システムであって、
共同配送を行うべき複数の荷主からの、貨物の内容、集荷元および集配先に関する情報を含む集配注文データを取得する集配注文取得手段と、
該受信した集配注文データを記憶するための集配注文データベースと、
配車計画の対象となる各輸送車両に関する車両データが記憶された車両データベースと、
前記集配注文データベースおよび前記車両データベースを参照して、各集配注文データに係わる集配を受け持つ輸送車両を決定し、該決定した各輸送車両について、一または複数の集配先、各集配先での集配貨物、各集配先への到着予定時刻、および走行経路に関する情報を含む集配計画を作成する配車計画手段と、
該配車計画手段により作成された集配計画に基づいて、前記決定された輸送車両が帰属する各運送業者へ前記複数の集配注文主が夫々支払うべき運賃を計算する運賃計算手段と、
該計算した運賃を適宜な形態で出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載された発明は、請求項1記載の共同配送支援システムにおいて、
貨物集配に係わる標準運賃体系が記録された標準タリフデータベースを備え、
前記配車計画手段は、前記標準タリフデータベースに記録された前記標準運賃体系を用いて算出される集配運賃を最適化指標の一つとして最適化計算により集配計画を作成し、
前記運賃計算手段は、運送業者毎に定められた運賃体系を用いて集配運賃を計算することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載された発明は、請求項2記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、前記標準タリフデータベースに記録された前記標準運賃体系を変更する手段を備えることを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載された発明は、請求項2または3記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、前記標準タリフデータベースには複数の前記標準運賃体系が記録されており、共同配送を行う荷主群毎にどの標準運賃体系を用いるかが指定されることを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載された発明は、請求項1〜4のうち何れか1項記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、共同配送を希望する荷主からの集配貨物に関する貨物情報を取得する手段と、共同配送を希望する運送業者からの輸送車両に関する車両情報を取得する手段と、前記取得した貨物情報と前記取得した車両情報とのマッチングにより、共同配送を行うのに適した複数の荷主および少なくとも一つの運送業者を決定する手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に記載された発明は、請求項1〜5のうち何れか1項記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、実際に行われた貨物集配業務に関する実績データを取得する実績受信手段を備え、前記運賃計算手段は、前記受信した実績データにより修正された前記集配計画に基づいて運賃を計算することを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に記載された発明は、請求項6記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、前記実績受信手段は、運送業者の端末から前記実績データを受信することを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に記載された発明は、請求項6記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、前記実績受信手段は、各運送車両に搭載された通信端末から前記実績データを受信することを特徴とする。
【0014】
また、請求項9に記載された発明は、請求項1〜8のうち何れか1項記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、前記出力手段は、前記計算された運賃を、各運送業者に対応する請求書フォーマットに適合した請求書データの形態で出力することを特徴とする。
【0015】
また、請求項10に記載された発明は、貨物の共同配送に係る集配運賃を計算する方法に係るものであり、請求項11に記載された発明は、その方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに係るものであり、請求項12に記載された発明は、そのプログラムを記録した記録媒体に係るものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態であるシステムについて説明する。本実施形態では、複数の荷主と一または複数の運送業者とが共同配送のパートナーとなって共配グループを構成し、同じ共配グループ内で、それら複数の荷主が運送業者に貨物集配の委託を行うことを前提としている。また、本実施形態のシステムは、以下の機能を有している。すなわち、▲1▼荷主や運送業者が共同配送のパートナーを見つけるのを支援する機能(共配パートナー選択支援機能)、▲2▼各共配グループについて配車計画を作成する機能、および、▲3▼作成された配車計画に従って貨物の集配が行われた後、各荷主から運送業者へ支払うべき運賃を計算する機能である。
【0017】
図1は、本実施形態に係わるシステムの全体構成図である。図1に示す如く、本実施形態のシステムは、配車管理サーバー10を含んでいる。配車管理サーバー10は、大容量記憶装置、通信インターフェース、入出力装置等を備えるコンピュータシステムにより構成されている。なお、配車管理サーバー10は単一のコンピュータシステムで構成されてもよく、あるいは、複数のコンピュータシステムが相互に接続されて構成されていてもよい。
【0018】
配車管理サーバー10は、インターネット12、および、移動通信事業者が運営する移動体通信網14に接続されている。インターネット12には、各顧客(すなわち、本実施形態のシステムからサービスを受ける荷主および運送業者)の端末コンピュータ(以下、顧客端末と称す)16が接続されている。
【0019】
また、本実施形態において配車の対象となる各輸送車両22には端末装置24が搭載されている。端末装置24は、移動体通信網14を介して配車管理サーバー10との間で相互にデータ通信を行う機能を有している。また、端末装置24はGPS受信機を備えており、運転者が集配の開始および完了時に所定のスイッチ操作を行うと、GPS受信機により検知した車両の現在位置が端末装置24から配車管理サーバー10へ送信されるようになっている。
【0020】
図2は、配車管理サーバー10が備える各機能部およびデータベースを示す。同図に示すように、配車管理サーバー10は、共配パートナー決定支援部26、配車処理部27、および、運賃計算部28の各機能部と、集配注文データベース30、貨物データベース32、集配先マスタデータベース34、車両マスタデータベース36、車両状況データベース38、道路ネットワークデータベース40、配車結果データベース42、混載禁止マスタデータベース44、標準タリフデータベース46、制御データベース48、業者別タリフデータベース50、運行実績変更データベース52、共配データベース54、請求書データベース56等の各データベースとを備えている。各データベースの内容については後述する。
【0021】
以下、先ず、共配パートナー選択支援機能について説明する。図3は、共配パートナー選択支援機能を実現するための処理の流れを示す図である。なお、共配パートナー選択支援機能によるサービスを受けようとする顧客(荷主または運送業者)は、予め、会員登録を行って顧客IDおよびパスワードの発行を受けているものとする。
【0022】
図3に示すように、顧客は顧客端末16から配車管理サーバー10へアクセスする(S100)。これに応じて配車管理サーバー10は認証画面を顧客端末16へ送信し(S102)、顧客はこの画面に顧客IDおよびパスワードを入力する(S104)。配車管理サーバー10はそれら顧客IDおよびパスワードによるユーザ認証を行ったうえで、顧客IDに基づいてこの顧客が荷主または運送業者の何れであるかを判別し、その判別結果に対応する情報登録画面を顧客端末16へ送信する(S106)。
【0023】
図4は、顧客が荷主である場合に送信される貨物情報登録画面の一例である。同図に示すように、貨物情報登録画面には、貨物集配に関する次のような項目の入力欄が設けられている。
(1)注文番号:荷物を輸送するための注文番号(伝票番号)
(2)集荷年月日:荷物を集荷・配送する日付
(3)荷積指定開始時間:荷物の積み込み時間に指定があれば開始時刻を登録
(4)荷積指定終了時間:荷物の積み込み時間に指定があれば終了時刻を登録
(5)荷物名称:荷物名称があれば登録
(6)荷量重量:荷物の重量
(7)荷量容積:荷物の容積
(8)荷量その他:荷量が重量・容積に該当しない場合は、その単位と数字を登録
(9)積地番号:積込指定場所の番号があれば登録
(10)積地名称:積込指定場所の名称を登録
(11)積地住所:積込指定場所の住所を登録
(12)積地待機時間:積込指定場所に待機時間が発生する場合に登録
(13)着地番号:荷物の着地点の番号があれば登録
(14)着地名称:着地指定場所の名称を登録
(15)着地住所:着地指定場所の住所を登録
(16)着地待機時間:着地指定場所に待機時間が発生する場合に登録
(17)荷卸開始可能時間:荷物の卸し時間に指定があれば開始時間を登録
(18)荷卸終了限界時間:荷物の卸し時間に指定があれば終了時間を登録
【0024】
また、図5は、顧客が運送業者である場合に送信される車両情報登録画面の一例を示す。同図に示すように、車両情報登録画面には、運送業者が有する輸送車両に関する以下に示す各項目の入力欄が設けられている。
(1)車両コード
(2)車両番号:運送業者で付けている車両番号
(3)車両名称:運送業者で付けている車両の名称
(4)車型:車型
(5)車型積載量(最大重量):車両の最大積載量の重量
(6)車型積載量(最大容積):車両の最大積載量の容積
(7)車型積載量(その他):重量・容積以外の積載情報
(8)出発地(積地)
(9)終了地(卸地)
(10)開始時刻:車両の稼動開始時刻
(11)終了時刻:車両の稼動終了時刻
(12)超勤時間:最大稼動時間を超えて超過稼動可能な時間
(13)最大走行距離:車両が、1回の運行で走行可能な最大距離
(14)最大集配先件数:車両が1回の運行で集荷・配送が可能な集配先の最大件数
(15)最大回転数:車両が、1回の運行で回転可能な回数
(16)休憩開始時刻:車両に規定の休憩時間があれば、その開始時刻を登録
(17)休憩時間:車両に規定の休憩時間があれば登録
(18)温度帯:冷凍車、冷蔵車、常温の温度区分
(19)貨物種別:日用雑貨、食品、電気製品、重量物、建設資材、部品等の種別
【0025】
上記の貨物情報登録画面および車両情報登録画面で入力された内容は、配車管理サーバー10へ送信される(図3のS108)。配車管理サーバー10は、図6に示すように、車両情報登録画面で入力された車両情報を、貨物分類、荷量、出発地・終了地、および、運行時間に基づいてグループ分けし、各グループにマッチングする貨物情報を検索する(S110)。そして、互いにマッチングした車両情報および貨物情報に夫々該当する運送業者および荷主が共配グループの候補として仮決定され(S112)、各荷主の了解が得られると(S114)、共配グループが正式決定され(S116)、共配IDが付されて共配データベース54に登録される(S118)。
【0026】
本実施形態では、以上のように決定された共配グループが実際に共同配送を行うのに先立って、共同配送によりどの程度のメリットが生ずるのかをシミュレーションすることができる。すなわち、共配グループの各荷主が過去に行った集配注文のデータを本実施形態のシステムに入力し、このデータをシミュレーション用の集配注文データとして、以下に述べるような配車計画処理および運賃計算処理を行って、その運賃計算結果を出力する。各荷主は、出力された運賃計算結果と、過去に実際に支払った運賃とを比較し、共同配送を行うことによりどの程度コストを節約できるのかを確認することができる。荷主にとって満足できる結果が得られない場合には、配車計画処理で用いるパラメータ(具体的には後述する標準運賃テーブルの内容)を修正し、再び、配車計画および運賃計算を行う。そして、荷主の満足のいくまでパラメータの修正および計算を繰り返し、荷主が満足する結果が得られると、その際に用いたパラメータを用いて、配車計画処理が行われ、その計画結果に従って共同配送が実際に行われることとなる。
【0027】
なお、共配グループの決定は、上記の共配パートナー選択支援機能を利用する場合に限らず、本システムとは別途に荷主と運送業者とが合意して共配グループを構成することとも可能である。
【0028】
以下、本実施形態における配車計画処理および運賃計算処理について説明する。本実施形態では、日本全国が、北海道、東北、関東等の所定のエリアに区分されており、各エリアには貨物の集配拠点が設けられているものとする。また、以下の記載において、「サイト」とは、貨物の集荷元、配送先、および上記の集配拠点等、輸送車両が荷積み・荷降ろし作業を行う地点を意味する。そして、各サイト、各集配拠点、および、各輸送車両22には固有のIDが割り当てられている。
【0029】
先ず、配車計画処理および集配運賃計算処理に係わる各データベースの内容について説明する。
図7は、集配注文データベース30のデータ構成を示す。また、図8は、貨物データベース32のデータ構成を示す。図7に示すように、集配注文データベース30には、集配注文ID、集荷年月日、配送年月日、集荷指定時間、配送指定時間、注文主ID(すなわち、注文主である顧客のID)、集荷元サイトID、配送先サイトID、および集配区分等の各項目が記録されている。ここで、集荷指定時間および配送指定時間の項には、それぞれ、集荷および配送を行うべき時間帯が記録される。また、集配区分は、異なるエリア間にわたる広域集配または同一エリア内でのエリア内集配の何れであるかを示す区分であり、集荷元サイトIDおよび配送先サイトIDに基づいて自動的に設定される。
一方、図8に示すように、貨物データベース32には、集配注文IDをキーとして、貨物コード、貨物名称、品種、寸法、重量、数量、貨物を搬送すべき車両の車型(トン数、および、冷凍機能、保冷機能の要否等)が記録される。したがって、1つの集配注文データに複数の貨物が含まれている場合には、各集配注文データに対して、貨物数に等しい数の貨物データがリンクされることになる。なお、これらの集配注文データベース30、および、貨物データベース32は、集配注文主(荷主)の顧客端末16から送信されてきた集配注文データに基づいて構築される。
【0030】
図9は、集配先マスタデータベース34のデータ構成を示す。同図に示すように、集配先マスタデータベース34には、各集配先サイトについて、サイトID、住所、待ち時間(到着してから荷積みまたは荷降ろしできるまでの待ち時間)、位置(緯度・経度で指定される)、営業時間(つまり、貨物の荷積み・荷降ろしを行ってもよい時間帯)等が記録される。
【0031】
図10は、車両マスタデータベース36のデータ構成を示す。同図に示すように、車両マスタデータベース36には、各輸送車両22について、車両ID、車型、最大積載重量、積載容量、端末装置24の電話番号、車両が所属する運送業者のコード、ベース拠点ID(ベースとなるサイトまたは集配拠点のID)、作業開始時刻、および作業終了時刻等が記録される。
【0032】
図11は、車両状況データベース38のデータ構成を示す。同図に示すように、車両状況データベース38には、各輸送車両22について、車両ID、何れかの集配拠点に存在している場合のその拠点ID、現在何れかのサイトに存在している場合のそのサイトID、配車済みであるか否かのフラグ、配車済みである場合に次に空車になる予定の日時、配車済みである場合にその積載率等が記録される。
【0033】
図12は、道路ネットワークデータベース40のデータ構成を示す。同図に示すように、道路ネットワークデータベース40には、全国の道路を構成する各最小リンク(道路を、例えば隣接する交差点間のような最小単位区間に区切ったもの)について、リンクID、始点・終点位置(緯度および経度、距離、所要走行時間が記録される。
【0034】
図13は、車両位置データベース42のデータ構成を示す。同図に示すように、車両位置データベース42には、各輸送車両22について、車両ID、および車両の現在位置(緯度および経度)が記録される。この車両現在位置は、各車両の端末装置24から送信されてくる位置情報に応じて随時更新される。
【0035】
図14は、配車結果データベース44のデータ構成を示す。同図に示すように、配車結果データベース44には、配車された各輸送車両22について、車両ID、集荷または配送の集配区分、経由すべき集配サイトのサイトID、到着時刻、出発時刻、集配すべき貨物の貨物IDが記録される。なお、一の輸送車両22について、経由すべき集配サイトが複数存在する場合には、各集配サイトについて、サイトID、到着時刻、出発時刻、貨物IDが記録される。
【0036】
図15は、標準タリフデータベース46のデータ構成を示す。同図に示すように、標準タリフデータベース46には、各共配グループについて、共配IDと、輸送車両一台当りの基本コストおよび輸送時間または輸送距離当たりの単価を示す標準運賃テーブルとが記録されている。この標準運賃テーブルは配車計画を行う場合に輸送コストを最適化するために用いられる。
【0037】
図16は、制御データベース48のデータ構成を示す。同図に示すように、制御データベース48には、運送業者毎に、運送業者ID、業務開始時刻、業務終了時刻、就職時間帯、最大連続運転時間等が記録されている。
【0038】
図17は、業者別タリフデータベース50のデータ構成を示す。同図に示すように、業者別タリフデータベース48には、運送業者毎に、運送業者IDと運賃体系を現す運賃テーブルとが記録されている。なお、図18〜図20に運賃テーブルの例を示した。これらは単なる例示であり、運送業者によって様々な形態の運賃テーブルが設定される。
【0039】
なお、運行実績変更データベース52には、後述するように、配車計画とは異なる集配業務が行われた場合に、その実績変更を示すデータが記録される。また、共配データベース54には各共配グループについて、共配グループに属する各荷主および運送業者のIDが記録される。さらに、請求書データベース56には、各運送業者について請求書のフォーマットデータが格納されている。
【0040】
次に、配車計画処理の具体的な内容について説明する。本実施形態の配車計画処理では、エリア内での貨物集配(以下、エリア集配という)については、各集荷元サイトから集荷した貨物を、そのエリアの集配拠点に集め、この集配拠点から各配送先へ配送することにより行われるものとする。一方、異なるエリア間にわたる貨物集配(以下、広域集配という)については、図21に示すように、集荷元エリアおよび配送先エリアの双方の集配拠点を経由するタイプI、各集荷元サイトから集荷元エリアの配送拠点へ貨物を集め、そこから直接配送先サイトへ配送するタイプII、各集荷元サイトから直接配送先エリアの集配拠点へ貨物を集め、そこから各配送先サイトへ配送するタイプIII、および、集荷元サイトから直接配送先サイトへ配送するタイプIVの4タイプのうち何れかの経路パターンにより配送が行われるものとする。
【0041】
図22は、本実施形態において配車計画処理を行うべく配車管理サーバー10が実行する処理の流れを表すフローチャートである。この配車計画処理は、毎日、所定時刻に、各配車グループ毎に、翌日分の集配注文データについて行われる。以下の説明では、ある共配グループPについて処理を行うものとし、この共配グループPには、m個の荷主Ai(i=1〜m)およびn個の運送業者Bj(j=1〜n)が含まれているものとする。
【0042】
図22に示す如く、先ず、集配注文データベース30に登録された各荷主Aiからの集配注文データが、集配区分に基づいて、エリア集配に関するエリア集配データと、広域集配に関するエリア集配データに仕分けされる。
【0043】
ステップ152では、各エリア集配データから、集荷に関するデータ(集荷データ)と配送に関するデータ(配送データ)とが生成される。例えば、東京都内の集荷元Aから東京都内の配送先Bへ貨物aを集配すべき旨のエリア集配データから、集荷元Aから貨物aを集荷すべき旨のエリア集荷データと、貨物aを配送先Bへ配送すべき旨のエリア配送データとが生成される。
【0044】
ステップ154では、各広域集配データについて、上記したタイプI〜IVのどの集配パターンで集配を行うべきかが決定される。具体的には、
(A)同一の指定車型および同一の集荷元サイトを有し、かつ、混載が禁止された貨物の組み合わせとならないような貨物の数量(例えば、重量、ケース数、容量等)の総和が所定量に満たなければ、集荷元エリアの集配拠点を経由すべき(タイプIまたはII)と判定され、そのような貨物数量が所定量以上であれば、集荷元エリアの集配拠点を経由する必要はない(タイプIIIまたはタイプIV)と判定され、
(B)同一の指定車型および同一の配送先サイトを有し、かつ、混載が禁止された貨物の組み合わせとならないような貨物の数量の総和が所定値に満たなければ、配送先エリアの集配拠点を経由して配送すべき(タイプIまたはIII)と判定され、そのような貨物数量が所定値以上であれば、配送先エリアの集配拠点を経由せず直接配送先へ配送すべき(タイプIIまたはIV)と判定される。
【0045】
そして、各広域集配データについて、上記(A)で集荷元に基づいて判定された集配パターンと、上記(B)で配送先に基づいて判定された集配パターンとのマッチングによりタイプI〜IVの集配パターンが決定される。例えば、上記(A)においてタイプIまたはIIと判断され、上記(B)においてタイプIIまたはIVと判断された場合には、この広域集配データの集配パターンはタイプIIに決定されることになる。
【0046】
ステップ156では、タイプI、II、IIIの広域集配データについて、集荷元エリア内での集荷元サイトから集配拠点まで配送するためのエリア集荷データ、および、配送先エリア内での集配拠点から配送先サイトまで配送するためのエリア配送データが生成される。すなわち、タイプIおよびタイプIIについて各集荷元サイトから同じエリアの集配拠点までの配車計画を行う必要があり、また、タイプIおよびタイプIIIについて配送先エリアの集配拠点から各集配先サイトまでの配車計画を行う必要があるが、これらの配車計画を上記ステップ102で生成されたエリア集荷・配送データについての配車計画と合わせて行うために、タイプI〜IIIの広域データについてエリア配車計画用のデータを生成するのである。
【0047】
ステップ158では、広域集配データについて、エリア間の集配を行うべき各運送業者Bjの車両の台数および車両IDが決定される。具体的には、車型および集配パターンのタイプが同一であり、かつ、集荷元エリア(タイプIII,IVについては集荷元サイト)および配送先エリア(タイプII,IVについては配送先サイト)が同一である各データ群について、それぞれ、以下のような条件を満たす一台または複数台の車両が抽出される。
【0048】
(1)データ群に含まれる貨物の総重量、総体積を収容できる。
(2)車両状況データベース38を参照して、集荷または配送を行うべき日時に空車状態である。
(3)車両位置データベース48を参照して、現在位置が記録されていない(つまり、車両は走行中でない)。
(4)混載が禁止された貨物を同一の車両で輸送しない。
(5)標準タリフデータベース46に格納された当該共配グループPについての標準運賃を参照して求められる輸送コストが最小となる。
【0049】
ステップ160では、各エリア集荷データおよび各エリア配送データについて、上記した広域集配データの場合と同様の手法により、集配を受け持つ輸送車両22の台数および車両IDが決定される。すなわち、同一エリア内の集荷または配送であり、かつ、車型が同一であるエリア集荷データ群およびエリア配送データ群の夫々について、上記(1)〜(5)の条件を満足する車両が各エリア集荷および各エリア配送を受け持つ車両として決定される。
【0050】
ステップ162では、ステップ158,160で決定された各車両について、車両状況データベース38に記録された拠点IDまたはサイトID(すなわち、車両が現在存在するサイトのID)で特定されるサイトが、各輸送車両22の出発地として決定される。
【0051】
次にステップ164では、各車両について、出発地から、割り当てられたサイトを経由して出発地に戻るまでの経路が最適化計算により決定される。この経路決定処理では、具体的には、道路ネットワークデータベース40を参照して、走行経路に含まれる各区間の距離と所要時間との積の総和が最小となるような走行経路が決定される。なお、最適化計算にあたっては、集配先マスタデータベース34、車両マスタデータベース36、制御データベース48等を参照して、以下の条件が必要条件として課せられる。
(1)各サイトでの滞在時間が、各サイトでの待ち時間と貨物量に応じた積み下ろし所要時間との和以上である。
(2)各サイトの到着時刻および出発時刻がサイトの営業時間内である。
(3)車両の所属運送業者毎に定められた乗務員休憩時間、最大連続運転時間、昼食時間等が満足される。
【0052】
また、経路決定処理にあたって、同一エリア内で同一車型の車両による集配経路が複数生成された場合、経由サイトを経路間で交換する処理も適宜実行される。
【0053】
上記のように最適経路計算により配車計画処理は完了し、その配車計画は配車結果データベース38に登録される。なお、共同配送実施前の効果予測シミュレーションを行う場合は、配車計画計算が完了すると、後述する運賃計算処理に移る。一方、実際の共同配送に係わる配車計画処理の場合は、次にステップ166の処理が行われる。
【0054】
ステップ166では、各車両についての配車計画結果を表示する配車計画確認画面が生成され、該当する荷主の顧客端末16からの要求に応じてその顧客端末16へ送信される。荷主は、その顧客端末16に表示された配車計画確認画面上で配車計画を適宜修正することができる。例えば、トラックが経由するサイトの順序を入れ替えたり、貨物の集配を追加したりすることができる。このように配車計画が修正された場合(ステップ168)、修正後の配車計画について上記(1)〜(3)等の諸条件が満たされていることが確認されたうえで、配車結果データベース38に記録された配車計画が更新される。そして、更新後の配車計画に基づいて,再度ステップ164において配車計画結果確認画面が生成されて送信される。また、配車結果確認画面上で、例えば「OK」ボタンがクリックされることなどの確定操作が行われると(S170)、ステップ172において、確定された配車計画に基づいて、該当する各車両に対して集配指示が送信される。
【0055】
以上のようにして、配車計画に応じて貨物集配が行われるのであるが、天候や交通事情、あるいは、集配貨物の緊急の追加や中止等により、必ずしも配車計画通りの貨物集配が行われない場合もある。そこで、本実施形態では、貨物集配の実績を入力し、実績に応じた運賃計算が行えるようにしている。
【0056】
図23は、運行実績変更を入力するための予定変更画面の例を示す。この予定変更画面は、運送業者の担当者が顧客端末16から配車管理サーバー10へアクセスし、運送業者IDおよびパスワードを入力してログインすることにより、配車管理サーバー10から顧客端末16へ送信される。同図に示すように、予定変更画面には、当該運送業者の保有する車両に係わる配車計画の結果が集配先毎の予定項目として表示されており、例えばマウスのクリック操作により何れかの項目を選択できる。そして、画面下部に設けられた「削除」または「修正」のボタンをクリックすることにより、選択した予定項目の削除または修正を行うことができ、また、「追加」ボタンをクリックすることにより予定項目を追加することができる。さらに、「上へ移動」「下へ移動」ボタンをクリックすることにより、選択した予定項目について集配順序を変更することもできる。図24は、上記「修正」ボタンがクリックされた場合に表示される画面の一例であり、荷主、配送先、到着時刻・出発時刻、距離、貨物名等を入力できる。
【0057】
このようにして入力された運行実績変更データは配車管理サーバー10へ送信され、運行実績変更データベース52に登録される。なお、実績データの入力は、上記のような運送業者の端末からの入力のほか、例えば、各運送車両22に搭載された通信端末24から配車管理サーバー10へ送信するようにしてもよい。すなわち、上述のように、通信端末24には、GPSにより現在位置を検知する手段が備えられているから、運転者が集配開始・完了の入力操作が行われると、検知した現在位置と共に集配が開始または完了した旨の信号が配車管理サーバー10へ送信されるようにするのである。これにより、配車管理サーバー10では、このように通信端末24から送信されてきた信号に基づいて各車両の集配実績を取得することができる。
【0058】
なお、集配の開始および完了の都度、通信端末24からデータを送信するのではなく、集配開始・終了の位置および時刻に関するデータを適宜な記録媒体に記憶しておき、輸送車両22が業務を終えて車庫に戻った時点で、それらのデータを一括して配車管理サーバー10へ入力するようにしてもよい。あるいは、配車計画と実績との相違があまり大きくないことが想定される場合には、配車計画自体を実績とみなして、上述のような実績変更データの入力は行わないこととしてもよい。
【0059】
次に、本実施形態における集配運賃計算処理について説明する。上述の通り、集配運賃計算処理は、各共配グループについて、予め定められた毎月末等の所定のタイミングで実行される。
【0060】
図25は、集配運賃計算を行うべく配車管理サーバー10が実行する処理の一例を表すフローチャートである。同図に示すように、先ず、ステップ200において、各運送業者Bjの各車両につき、配車結果データベース42に記録された配車計画データが、運行実績変更データベース52に記録された運行実績変更データに基づいてされる。
【0061】
次に、ステップ202において、業者別タリフデータベース50に記録された各運送業者Bjのタリフテーブルを参照して、各車両の貨物量や運送距離、あるいは、荷積み・荷下ろしの作業量等に基づいて、車両毎の運賃が計算される。続くステップ204では、各車両について計算された運賃が、夫々の運行実績データに基づき各荷主Aiの貨物量や運送距離等に応じて分配されることにより、各荷主Aiが負担すべき費用が計算される。そしてステップ206では、各荷主Aiが各車両について負担すべき費用が運送業者毎に集計される。
【0062】
表1は、貨物量と運送距離に応じて荷主毎に運賃を計算した例を示す。また、表2は、表1の計算例で用いたタリフテーブルの例を示す。なお、表2に示すタリフテーブルは、貨物量と運送距離との積に比例して運賃を定めるものである。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
表1において、例えば運送会社B1に所属する車両hについての運賃は210万円である。この運賃について、当該車両hで運送した荷主A1および荷主A2の負担分は、運送した貨物量と運送距離とを乗じた結果から、表2のタリフテーブルに従って夫々の負担分が60万円、150万円と計算されている。他の車両i,j,kについても、荷主A1,A2の各負担分が貨物量と運送距離とに応じて計算されている。このようにして各荷主A1,A2の負担する運賃が求められると、それらが運送業者毎に集計され、荷主A1については、運送業者B1に対する負担額が60万円+60万円=120万円、運送業者B2に対する負担額が80万円+27万円=107万円のように求められる。荷主A2についても、運送業者B1に対する負担額が150万円+60万円=210万円、運送業者B2に対する負担額が36万円+24万円=60万円となる。
【0066】
表3は運賃計算の別の例であり、荷主A1,A2について車両毎に運賃負担額を計算した結果を示している。
【表3】
【0067】
上記表3に示すように、例えば、運送業者B1に所属する車両aについての運賃は70万円であり、この車両aで運送した荷主A1および荷主A2の割合から、夫々の負担分が49万円、21万円と計算されている。他の車両についても、荷主A1,A2の各負担分が計算されている。このように、各荷主A1,A2が各車両について負担する運賃が求められると、それらが運送業者毎に集計され、荷主A1については、運送業者B1に対する負担額が70万+40万+80万=190万円、運送業者B2に対する負担額が60万+100万+40万+30万=230万円のように求められる。荷主A2についても、運送業者B1に対する負担額が21万+10万+56万=87万円、運送業者B2に対する負担額が30万+40万+24万+9万=103万円となる。
【0068】
今回の処理が共同配送実施前の効果予測シミュレーションである場合は、上述のようにして計算された運賃負担額が各荷主Aiの顧客端末16に提示される。この場合、各荷主は提示された運賃を過去の実績と比較することなどにより、共同配送により満足な結果が得られるかどうかを判断する。そして、満足な結果が得られない場合は、標準運賃テーブルの変更要求を顧客端末16から配車管理サーバー10へ送信する。配車管理サーバー10はこの変更要求に従って標準タリフデータベース46に記録された当該共配グループPについての標準運賃テーブルを修正し、修正後の標準運賃テーブルを用いて、上記した配車計画処理および運賃計算処理を再度実行する。また、満足な結果が得られた場合は、今回の処理で用いた標準運賃テーブルを当該共配グループPについての標準運賃テーブルとして確定する。
【0069】
一方、実際の共同配送に係わる配車計画処理の場合は、次にステップ208において、各運送業者の請求書フォーマットデータが請求書データベース56から読み出され、その請求書フォーマットデータにしたがって、各運送業者Bjから各荷主Aiへの請求書が作成される。
【0070】
以上説明したように、本実施形態のシステムでは、共同配送が行われた場合に、共同配送のパートナーである各荷主が各運送業者に対して負担すべき運賃を、各荷主の荷量や運送距離等に応じて計算することができる。このため、共同配送のパートナーである荷主間で共同配送によるメリットを公平に配分することができ、複数の荷主による共同配送を円滑かつ有効に実施することが可能となる。
【0071】
また、本実施形態のシステムは、荷主や運送業者が共同配送のパートナーを見つけるのを支援する機能(共配パートナー選択支援機能)を有している。このため、共同配送を行う相手に心当たりがない荷主や運送業者も、この機能を利用することで、共同配送のパートナーを見つけることが容易となる。
【0072】
また、本実施形態では、共同配送のパートナーを決めた後、その共同配送によってどの程度のコストメリットが生まれるかを過去の実績データを基にシミュレーション計算することができる。このため、万一、大したメリットが得られないことが判明した場合には、共同配送を取りやめることもできる。すなわち、本実施形態によれば、事前に共同配送によるメリットを確認してから共同配送を始めることができるので、各荷主や運送業者は、共同配送を積極的に活用することが可能となる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の荷主が共同配送を行なう場合に各荷主の負担すべき適正なコストを計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるシステムの全体構成図である。
【図2】本実施形態の配車管理サーバーが備える各機能部およびデータベースを示す図である。
【図3】共配パートナー選択支援機能を実現するための処理の流れを示す図である。
【図4】共配パートナー選択支援機能を利用しようとする荷主の顧客端末へ送信される貨物情報登録画面の一例である。
【図5】共配パートナー選択支援機能を利用しようとする運送業者の顧客端末へ送信される車両情報登録画面の一例である。
【図6】貨物情報と車両情報とのマッチング処理を説明するための図である。
【図7】集配注文データベースのデータ構成を示す図である。
【図8】貨物データベースのデータ構成を示す図である。
【図9】集配先マスタデータベースのデータ構成を示す図である。
【図10】車両マスタデータベースのデータ構成を示す図である。
【図11】車両状況データベースのデータ構成を示す図である。
【図12】道路ネットワークデータベースのデータ構成を示す図である。
【図13】車両位置データベースのデータ構成を示す図である。
【図14】配車結果データベースのデータ構成を示す図である。
【図15】標準タリフデータベースのデータ構成を示す図である。
【図16】制御データベースのデータ構成を示す図である。
【図17】業者別タリフデータベースのデータ構成を示す図である。
【図18】業者別の運賃テーブルの例を示す図である。
【図19】業者別の運賃テーブルの例を示す図である。
【図20】業者別の運賃テーブルの例を示す図である。
【図21】広域集配の経路パターンの4つのタイプを示す図である。
【図22】配車計画を行うべく配車管理サーバーが実行する処理の一例を表すフローチャートである
【図23】運行実績変更を入力するための予定変更画面の例を示す図である。
【図24】運行実績修正用の入力画面の例を示す図である。
【図25】集配運賃計算を行うべく配車管理サーバーが実行する処理の一例を表すフローチャートである。
【符号の説明】
10 配車管理サーバー
12 インターネット
16 顧客端末
22 輸送車両
30 集配注文データベース
36 車両マスタデータベース
46 標準タリフデータベース
50 業者別タリフデータベース
52 運行実績変更データベース
Claims (12)
- 情報通信ネットワークに接続されたサーバーコンピュータにより構成された貨物の共同配送を支援するためのシステムであって、
共同配送を行うべき複数の荷主からの、貨物の内容、集荷元および集配先に関する情報を含む集配注文データを取得する集配注文取得手段と、
該受信した集配注文データを記憶するための集配注文データベースと、
配車計画の対象となる各輸送車両に関する車両データが記憶された車両データベースと、
前記集配注文データベースおよび前記車両データベースを参照して、各集配注文データに係わる集配を受け持つ輸送車両を決定し、該決定した各輸送車両について、一または複数の集配先、各集配先での集配貨物、各集配先への到着予定時刻、および走行経路に関する情報を含む集配計画を作成する配車計画手段と、
該配車計画手段により作成された集配計画に基づいて、前記決定された輸送車両が帰属する各運送業者へ前記複数の集配注文主が夫々支払うべき運賃を計算する運賃計算手段と、
該計算した運賃を適宜な形態で出力する出力手段と、を備えることを特徴とする共同配送支援システム。 - 請求項1記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、
貨物集配に係わる標準運賃体系が記録された標準タリフデータベースを備え、前記配車計画手段は、前記標準タリフデータベースに記録された前記標準運賃体系を用いて算出される集配運賃を最適化指標の一つとして最適化計算により集配計画を作成し、
前記運賃計算手段は、運送業者毎に定められた運賃体系を用いて集配運賃を計算することを特徴とするシステム。 - 請求項2記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、
前記標準タリフデータベースに記録された前記標準運賃体系を変更する手段を備えることを特徴とするシステム。 - 請求項2または3記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、前記標準タリフデータベースには複数の前記標準運賃体系が記録されており、共同配送を行う荷主群毎にどの標準運賃体系を用いるかが指定されることを特徴とするシステム。
- 請求項1〜4のうち何れか1項記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、
共同配送を希望する荷主からの集配貨物に関する貨物情報を取得する手段と、
共同配送を希望する運送業者からの輸送車両に関する車両情報を取得する手段と、
前記取得した貨物情報と前記取得した車両情報とのマッチングにより、共同配送を行うのに適した複数の荷主および少なくとも一つの運送業者を決定する手段とを備えることを特徴とするシステム。 - 請求項1〜5のうち何れか1項記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、
実際に行われた貨物集配業務に関する実績データを取得する実績受信手段を備え、
前記運賃計算手段は、前記受信した実績データにより修正された前記集配計画に基づいて運賃を計算することを特徴とするシステム。 - 請求項6記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、前記実績受信手段は、運送業者の端末から前記実績データを受信することを特徴とするシステム。
- 請求項6記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、前記実績受信手段は、各運送車両に搭載された通信端末から前記実績データを受信することを特徴とするシステム。
- 請求項1〜8のうち何れか1項記載の貨物の共同配送支援システムにおいて、前記出力手段は、前記計算された運賃を、各運送業者に対応する請求書フォーマットに適合した請求書データの形態で出力することを特徴とするシステム。
- 情報通信ネットワークに接続されたコンピュータにより貨物の共同配送に係る集配運賃を計算する方法であって、前記コンピュータが、
共同配送を行うべき複数の荷主からの、貨物の内容、集荷元および集配先に関する情報を含む集配注文データを取得する集配注文取得ステップと、
前記受信した集配注文データが記憶された集配注文データベースおよび配車計画の対象となる各輸送車両に関する車両データが記憶された車両データベースを参照して、各集配注文データに係わる集配を受け持つ輸送車両を決定し、該決定した各輸送車両について、一または複数の集配先、各集配先での集配貨物、各集配先への到着予定時刻、および走行経路に関する情報を含む集配計画を作成する配車計画ステップと、
該配車計画ステップで作成された集配計画に基づいて、前記決定された輸送車両が帰属する運送業者へ前記複数の集配注文主が夫々支払うべき運賃を計算する運賃計算ステップと、
該計算した運賃を適宜な形態で出力する出力ステップと、を実行することを特徴とする集配運賃計算方法。 - 情報通信ネットワークに接続されたコンピュータに請求項10記載の方法を実行させるためのプログラム。
- 請求項11記載のプログラムを記録した記録媒体。
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